(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1記録処理及び第2記録処理の何れか一方を遊技場の従業員の操作に応じて選択するための選択手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際には遊技者が何ら不正行為を行っていなくても偶然に入賞が頻発することによって多くの得点が付与され、適正範囲を逸脱することがあり、そのような場合にまで遊技を中断させると、遊技者に対して悪い心証を与え遊技意欲を喪失させてしまうばかりでなく、遊技を中断しなければ得られていたはずの得点が得られないという不利益を遊技者側に与えてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、遊技者の不正行為に起因する遊技場側の損失の抑制と、不正行為の誤判定に起因する遊技者側の不利益の回避と、を両立可能な優れた特性の遊技システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、対価の支払に応じて得た得点を消費することにより遊技を実行し、その遊技で入賞が発生したときには得点が付与される遊技機と、
前記得点の消費に応じて得点数を減算する一方、入賞の発生に応じて得点数を加算することにより、遊技者が所有する合計得点数を算出して記憶するとともに、当該合計得点数を記録した記録媒体を発行可能な記録媒体処理装置と、を備えた遊技システムにおいて、
前記入賞の発生頻度を示す所定の遊技データが予め定められた適正範囲内にあるか否かに基づいて、前記遊技機で異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、
この異常判定手段が前記遊技機で異常が発生していると判定したときに、その判定をした時点以降に発生する異常時得点数を前記合計得点数と区別して算出し記憶する異常時得点数記憶手段と、を備え、
前記記録媒体処理装置は、前記記録媒体を発行するときに、前記異常時得点数記憶手段が記憶した異常時得点数を含む合計得点数を記録媒体に記録する第1記録処理、及び前記異常時得点数を含まない合計得点数を記録媒体に記録する第2記録処理のうち何れか一方を選択して実行可能なように構成されていることを特徴とする遊技システムにある(請求項1)。
【0008】
本発明の遊技システムは、異常の判定がされた時点以降に発生する異常時得点数を合計得点数と区別して算出し記憶する異常時得点数記憶手段を備えている。記録媒体処理装置は、記録媒体を発行する際、異常時得点数を含む合計得点数を記録媒体に記録する第1記録処理、及び異常時得点数を含まない合計得点数を記録媒体に記録する第2記録処理のうち何れか一方を選択して実行可能である。
【0009】
この遊技システムでは、異常が判定されたとき、合計得点数とは区別して異常時得点数が算出されて記憶される。その後、遊技が終了されて記録媒体を発行する際、異常時得点数を含む合計得点数を記録媒体に記録するか、異常時得点数を含まない合計得点数を記録媒体に記録するかを選択可能である。それ故、異常が判定されたときにその遊技を直ちに中断させる必要がない。遊技場側では、その遊技が継続されている間に、本当に不正行為があったのか否かを慎重に判断できる。
【0010】
本発明の遊技システムでは、異常の判定に応じて直ちに遊技を中断させる必要がないので、遊技を邪魔することがなく、不正行為とは関係のない正当な遊技者に不利益を与えてしまったり遊技意欲を損わせてしまうこともない。その後、不正行為ではなく偶然得られた遊技データに起因した誤判定と判明した場合であれば、異常時得点数を含めた合計得点数を記録媒体に記録する第1記録処理を選択すれば良い。
一方、不正行為が発見された場合であれば、異常時得点数を含まない合計得点数を記録媒体に記録する第2記録処理を選択すれば、不正が判定された後、遊技を継続させた場合であっても、不正行為による遊技場側の損失が拡大することがない。
【0011】
このように、本発明の遊技システムは、遊技者の不正行為に起因する遊技場側の損失の抑制と、不正行為の誤判定に起因する遊技者側の不利益の回避と、を両立可能な優れた特性の遊技システムである。
【0012】
本発明の遊技機としては、ポイントを使用して遊技球を発射し入賞に応じてポイントが付与される、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良く、メダルやコイン等の遊技媒体を使用せずポイントを賭けて遊技でき、入賞したときにポイントが付与される、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。さらに、遊技球を遊技媒体として使用するパロット(R)であっても良い。
【0013】
異常が判定された後、第1記録処理及び第2記録処理のいずれを選択的に実行するかを決定するためには、遊技場側で不正行為の有無を判断する必要がある。不正行為の判断としては、例えば、監視カメラの録画映像の確認や、従業員の目視確認による判断等がある。あるいは、異常判定が継続した回数が所定回数を超えたときに不正行為があった旨の最終的な判断を実行することも良い。本発明の遊技システムでは、異常発生後の得点数である異常時得点数を、不正行為の有無を慎重に判断した後で適切に取り扱うことが可能である。
【0014】
本発明における好適な一態様の遊技システムが備える記録媒体処理装置は、前記合計得点数を遊技者に対して表示する得点数表示手段を備え、
前記得点数表示手段は、前記異常判定手段が前記遊技機で異常が発生していると判定した後も、前記異常時得点数を含む合計得点数を遊技者に対して表示する(請求項2)。
【0015】
このように、異常が判定された後も、遊技者に対しては正常時と同様に合計得点数を表示すれば、正当な遊技者を困惑させることがない。その後、異常時得点数を含めた合計得点数を記録媒体に記録する第1記録処理を選択すれば、異常の判定が発生していたことが正当な遊技者に悟られるおそれも少ない。一方、不正行為を行う遊技者に対して正常時と同様の合計得点数を表示すれば、異常の判定を気づかせることなく遊技を継続させ、その遊技中に不正の証拠を押さえて確実性高く不正行為を摘発できる。
【0016】
本発明における好適な一態様の遊技システムは、第1記録処理及び第2記録処理の何れか一方を遊技場の従業員の操作に応じて選択するための選択手段を備えている(請求項3)。
この選択手段を利用すれば、異常が判定された後、従業員等が手動操作によって第1記録処理及び第2記録処理のいずれか一方を慎重に選択できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技者の不正行為に起因する遊技場側の損失の抑制と、不正行為の誤判定に起因する遊技者側の不利益の回避と、を両立可能な遊技システム1に関する例である。この内容について、
図1〜
図3を参照して説明する。
【0019】
本例の遊技システム1は、封入式のパチンコ遊技機(遊技機)3、カードユニット(記録媒体処理装置)2、及び管理装置5を含んで構成されている。遊技場では、カードユニット2とパチンコ遊技機3と図示しない台ランプとの組合せが管理装置5によって管理されている。遊技場では、管理装置5のほか、2台のパチンコ遊技機3毎に設置される図示しない中継装置が通信ネットワーク11に接続されている。中継装置には、パチンコ遊技機3、台ランプ、及びカードユニット2が2台ずつ接続されている。
【0020】
本例の遊技システム1を構成するパチンコ遊技機3、カードユニット2について説明する。
(パチンコ遊技機)
パチンコ遊技機3は、
図1及び
図2のごとく、ポイントを消費(使用)して遊技媒体である遊技球を発射することにより遊技される遊技機である。このパチンコ遊技機3は、特図始動口31への入賞に応じて大当たり抽選が実行され、大当たりに当選したときに大当たり図柄が表示されて大当たり状態が発生する、いわゆるセブン機である。
【0021】
本例のパチンコ遊技機3は、
図2に示すような外観的な構成を備えている。パチンコ遊技機3は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉33と、開閉扉33の内側の遊技盤面に形成された略円形状の遊技領域330と、遊技領域330に向かって左側の下部に配置されたスピーカ331と、遊技領域330の下側に設けられた情報表示部335と、情報表示部335の左側に配置された操作ボタン群336と、情報表示部335の右下に配置された操作ハンドル35と、を備えている。
【0022】
開閉扉33は、パチンコ遊技機3に対面して左側のヒンジ333を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉33には、遊技領域330に対応する略円形状の透明窓339と、透明窓339の上部両側に配置された装飾ランプ部332と、が設けられている。
【0023】
情報表示部335は、液晶ディスプレイにより構成され、その表示画面には、大当たり回数や特図抽選回数など遊技に関する各種の遊技データ等、各種の情報が表示される。さらに、この情報表示部335の表示画面には、カードユニット2から受信した得点数が表示される。この得点数は、遊技球を1個発射する毎に1点ずつ減算される一方、入賞に応じて所定の得点が加算される。パチンコ遊技機3では、この得点数がゼロになると遊技球を発射できなくなる。
操作ボタン群336は、情報表示部335に表示させる遊技データを遊技者が選択するための操作ボタンや、遊技演出に利用される操作ボタン等によって構成されている。
【0024】
遊技領域330は、遊技媒体である遊技球が流下する領域である。遊技領域330は、液晶表示部390を含む表示装置39を中心として形成され、入賞することなく流下した遊技球を回収するためのアウト孔338が最下部に設けられている。特図始動口31は、表示装置39の下側に配置され、特図始動口31とアウト孔338の中間には、大入賞装置36が設けられている。
【0025】
遊技者側から向かって表示装置39の左側には通過ゲート式の普図始動口34等が配置されている。普図始動口34は、遊技球の通過を検知するためのゲートである。遊技球を通過させるのみの普図始動口34には、遊技球の払い出し(賞球)が設定されていない。普図始動口34により遊技球が検知されると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。普図判定の当否は、表示装置39によって表示される。
【0026】
大入賞装置36は、大入賞口360を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。このアタッカー36は、特図始動口31の下側に配置されている。アタッカー36は、横長略矩形状を呈する大入賞口360と、手前側に回動する蓋部材361と、を有している。アタッカー36では、遊技領域330をなす盤面と略面一をなすように蓋部材361が位置したときに大入賞口360が閉鎖状態となる。一方、蓋部材361が手前に回動したときに大入賞口360が開放状態となる。
【0027】
特図始動口31は、特別図柄の当否判定(以下、特図判定という。)の契機となる入賞口310に対して、一対の回転翼片よりなる電動チューリップ(可動部材、以下電チュー)311を組み合わせて構成されている。閉状態の一対の回転翼片は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(図中破線の状態)にある。この状態では、真上に位置する1対の釘の遊技球1個分の隙間を介してのみ遊技球が流入可能である。一方、相互に離隔するように回動した開状態(図中実線の状態)の一対の回動翼片は、遊技球の流入をガイドする受け皿のように作用する。この状態では、電チュー311への遊技球の流入が容易になり入賞率が格段に高くなる。電チュー311の開放動作は、普図判定での当選を契機として実行される。
【0028】
特図始動口31に遊技球が入賞(始動入賞)すると、特図判定用の抽選用乱数が抽出され、特図判定(大当たり抽選)が実行される。特図始動口31の入賞を契機とした特図判定用の乱数は、4個を上限としてその当否が表示されるまで記憶される。なお、特図始動口31の入賞口310に遊技球が入賞したときの払出は3ポイントとなっている。
【0029】
表示装置39は、内側に液晶表示部390が配置された装置である。液晶表示部390は、遊技を演出するための各種の演出画像を表示する機能のほか、特図判定の当否(抽選結果)を報知するための図柄変動を実行する特図表示部39A、及び普図判定の当否を報知するための変動表示を実行する普図表示部39Bとしての機能を備えている。
【0030】
特図表示部39Aとしての液晶表示部390は、表示画面の大部分を占める特図表示領域394を利用して特図判定の当否を表示する。特図表示領域394では、演出画像393の表示により演出用の図柄(1〜9の数字図柄)が変動表示された後、停止表示された図柄の組合せに応じて特図判定の当否(大当たりかハズレか)が報知される。大当たりに当選した場合、所定の図柄変動時間に渡る図柄の変動表示後、ゾロ目の3桁の数字(1〜9のいずれか)が表示される。
【0031】
普図表示部39Bとしての液晶表示部390は、表示画面の右下の普図表示領域396を利用して普図判定の当否を表示する。普図表示領域396では、所定時間に渡って○×が交互に表示され、その後、○か×かを停止表示することで普図判定の当否を報知する。
液晶表示部390の表示画面の最下段には、特図判定用の抽選用乱数の保留数を表示する特図保留表示部395が配置されている。特図保留表示部395は、特図保留の保留数を丸印の表示個数によって報知する。
【0032】
本例のパチンコ遊技機3の遊技状態としては、遊技者にとって不利な通常状態、及び非常に有利な大当たり状態のほか、大当たりの当選確率が高くなる確変状態がある。大当たり状態を除く通常状態あるいは確変状態では、大当たり抽選としての特図判定が実行される。この特図判定の判定結果が当選のとき、大当たり状態が発生する。
【0033】
大当たり状態は、遊技球が10個入賞するか、あるいは30秒経過するまでアタッカー36が開放されるラウンド処理が15回繰り返される有利な特別遊技状態である。大当たり状態としては、確変状態が後続する確変大当たり状態と、通常状態が後続する通常大当たり状態と、がある。
【0034】
確変大当たりに当選すると、奇数のゾロ目の数字図柄が停止表示されて確変大当たり状態が発生し、終了後には確変状態が発生する。確変状態は、100回の図柄変動が実行されるか、あるいは通常大当たりの当選に応じて終了する。確変状態下で確変大当たりが当選すれば、大当たり状態の終了後に確変状態が再開されて連チャンとなる。
【0035】
なお、大当たり抽選(特図判定)の当選確率は、通常状態下が1/400、確変状態下が1/50となっている。大当たり当選のうち、確変大当たりの割合が40%、通常大当たりの割合が60%となっている。
普図判定の当選確率は、通常状態下が1/100、確変状態下が99/100となっている。普図当選に応じた電チュー311(特図始動口31)の開放時間は、通常状態では0.2秒×1回、時短状態では1.5秒×3回となっている。
【0036】
パチンコ遊技機3は、
図3のごとく主制御部40を中心として構成されている。主制御部40に対しては、操作ボタン群336や操作ハンドル35等の操作部44、遊技演出を制御する演出制御部45、入賞した遊技球のセンサ412〜414、特図始動口(電チュー)31を開放する特図始動ソレノイド422、アタッカー36を開放させる大入賞口ソレノイド424、及び電力供給のための電源回路部428等が電気的に接続されている。さらに、主制御部40には、通信ネットワーク11(
図1)及びカードユニット2との通信窓口をなすI/F部400が電気的に接続されている。
【0037】
演出制御部45には、スピーカ331を駆動するアンプ331Aや装飾ランプ部332が電気的に接続されているほか、液晶表示部390の表示画面を制御する表示制御部46が通信可能に接続されている。
【0038】
入賞した遊技球の検出センサとしては、
図2及び
図3のごとく、特図始動口31への入賞を検出する特図入賞センサ412、普図始動口34の入賞を検出する普図入賞センサ413、及びアタッカー36への入賞を検出する大入賞センサ414がある。
【0039】
主制御部40は、
図3のごとく、CPU(Central Processing Unit)401、記憶素子であるROM(Read Only Memory)402・RAM(Random Access Memory)404、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)405等を備えている。
【0040】
パチンコ遊技機3は、遊技信号を出力する機能を備えている。遊技信号としては、ポイントの消費(使用)を表す減算信号、ポイントの払出(付与)を表す加算信号、大当たり信号等がある。パチンコ遊技機3が出力する信号は、通信ネットワーク11を経由して管理装置5に出力される。また、パチンコ遊技機3は、I/F部400を介してカードユニット2と直接、通信可能である。パチンコ遊技機3は、I/F部400を介して減算信号、加算信号等の遊技信号をカードユニット2に送信するほか、カードユニット2側から得点数を受信する。
【0041】
(カードユニット)
カードユニット2は、
図1及び
図2のごとく、各パチンコ遊技機3に個別に対応するよう、隣り合うパチンコ遊技機3との台間スペースに設置されている。カードユニット2は、遊技球を発射する権利となる得点の付与機能(貸出機能)を備えている。
【0042】
カードユニット2の前面には、
図2のごとく、装置エラー等の作動状態を表示する状態ランプ21、貸出代金となる紙幣を投入する紙幣投入口22、液晶表示部の表示画面にタッチスクリーンシートが積層されたタッチパネル式の表示部23、貸出代金を遊技に必要な得点に変換させる貸出ボタン24、遊技場に預け入れた貯玉得点を利用するための再プレイボタン25、遊技者の得点等が記録された遊技カード10を返却等させるための返却ボタン26、会員カードや一般カード等の遊技カード10を挿入するためのカード挿入口27等が配設されている。
表示部23は、遊技者が所有する合計得点数を表示する合計得点数表示手段としての機能を備える表示部である。
【0043】
カードユニット2は、
図3のごとく、CPU201、ROM202、RAM203、I/O204等を備える制御部20を中心として電気的に構成されている。制御部20に対しては、上記の構成のほか、投入紙幣の種別等を検知する紙幣処理部221、遊技カード10の返却や発行等を実行するカード処理部271等が電気的に接続されている。さらに、制御部20に対しては、I/F部200が電気的に接続されている。カードユニット2は、I/F部200を介して管理装置5と通信可能であるほか、ペアのパチンコ遊技機3と直接接続されている。カードユニット2は、上記のごとく、パチンコ遊技機3から加算信号、減算信号等の遊技信号を受信する一方、貸出代金を対価として変換した得点数をパチンコ遊技機3へ送信する。
【0044】
カード挿入口27には、ICチップが実装された会員カードや一般カードなどの遊技カード(記録媒体、
図2)10を挿入可能である。会員カードは、会員登録した遊技者が所持している遊技カード10であり、会員の遊技者を特定可能な会員ID、入金残高、得点数のほかに、貯玉サービス等を利用するためのパスコード等が記録されている。一般カードは、非会員の遊技者向けの遊技カード10であり、入金残高や得点数が記録される一方、会員向けのサービスを利用するためのパスコード等は記録されない。
【0045】
カード処理部271は、カード挿入口27から挿入された遊技カード10のカード情報を読み書きするカードリーダライタ、新規発行用の一般カードを10枚ストックするカードストック部等により構成されている。
【0046】
カードユニット2は、以下の手段としての機能を備えている。
(1)合計得点数算出手段:得点の消費に応じて得点数を減算する一方、入賞の発生に応じて得点数を加算することにより、遊技者が所有する合計得点数を算出して記憶する手段。
(2)異常判定手段:入賞の発生頻度を示す所定の遊技データが予め定められた適正範囲内にあるか否かに基づいて、パチンコ遊技機3で異常が発生しているか否かを判定する手段。この異常判定手段は、一定間隔(遊技球を100個発射する毎)の加算信号の受信回数である付与得点数及び減算信号の受信回数である消費得点数を特定すると共に、「付与得点数/消費得点数」を前記所定の遊技データとして演算する。そして、この演算結果が予め定められた適正範囲内であるか否かによって異常を判定する。
(3)異常時得点数記憶手段:異常判定手段が異常発生と判定したときに、その判定をした時点以降に発生する異常時得点数を合計得点数と区別して算出し記憶する手段。
(4)選択手段:遊技カード10に得点数等を記録する際の記録処理の種類を選択する手段。記録処理としては、不正行為のない正常遊技に対応する第1記録処理と、不正行為を含む不正遊技に対応する第2記録処理と、があり、異常時得点数の取り扱いが相違している。第1記録処理は、異常時得点数を含めた合計得点数の記録処理であり、第2記録処理は、異常時得点数を含まない合計得点数の記録処理である。選択手段は、管理装置5からの制御(休止状態か否か)によりいずれか一方の記録処理を選択する。
(5)媒体記録手段:遊技カード10を発行(返却あるいは新規発行)するときに、合計得点数を遊技カード10に記録する記録処理を実行する手段。
【0047】
カードユニット2は、パチンコ遊技機3の遊技データのほか、合計得点数情報や入金残高情報等を管理装置5に送信する一方、受け付けた遊技カード10に対応する貯玉情報(預け入れた得点数等の情報)や、ペアのパチンコ遊技機3の各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価)等を管理装置5から受信する。
特に、本例のカードユニット2は、異常と判定したとき、その旨を管理装置5に通報する一方、不正行為の判断結果に応じた制御信号を管理装置5側から受信する。
【0048】
管理装置5は、
図1のごとく、液晶ディスプレイや図示しないプリンタ等を含む出力部51と、各種の演算処理を実行する装置本体50と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部52と、を備えている。装置本体50は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を中心とした制御機能、ハードディスクドライブ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を利用する記憶機能、及び各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
【0049】
管理装置5では、プログラムを装置本体50に実行させることで、以下の各機能を実現する。
(1)入力操作手段:異常判定されたパチンコ遊技機3について、不正行為の存否を入力するための手段。遊技者の管理者や従業員等は、ペアのカードユニット2により異常と判定されたパチンコ遊技機3について、液晶ディスプレイに表示された画面上の入力操作により、不正行為があったか否かを入力可能である。
(2)制御信号出力手段:異常判定したカードユニット2及びパチンコ遊技機3に対して、管理者等が入力した不正行為の存否の結果に応じた制御信号を出力する手段。不正行為があった旨の入力操作がなされた場合には、対応するパチンコ遊技機3及びカードユニット2を休止状態に制御する制御信号を出力する。不正がなかった旨の入力操作がなされた場合には、異常判定をキャンセルさせる制御信号を出力する。
【0050】
管理装置5は、パチンコ遊技機3やカードユニット2等との間で、信号や情報等の送受信が可能である。管理装置5がパチンコ遊技機3やカードユニット2等との間で送受信する情報等としては、既出の情報等のほか、不正が確認された旨を表す情報や、不正を解除する情報などカードユニット2に対する送信情報がある。
【0051】
次に、以上のような構成の本例の遊技システム1の動作の流れを説明する。
(パチンコ遊技機3の基本動作)
パチンコ遊技機3は、カードユニット2から得点数を受信すると、その得点数分の遊技球の発射を可能にする。操作ハンドル35を操作すると、遊技盤面左上に配置された発射装置(図示略)から遊技球が発射される。得点数は、遊技球の発射に応じて1点ずつ減算され、入賞に応じて規定数の得点が加算される。この得点数がゼロになった時点で遊技球の発射が不可能となり、カードユニット2からポイントの補充を受けない限り遊技を継続できなくなる。
【0052】
パチンコ遊技機3は、特図始動口31への入賞に応じて特図抽選を実行すると共に、特図の図柄変動を開始する。特図抽選で当選した場合には、大当たり図柄を停止表示し、大当たり状態へ移行する。大当たり状態では、アタッカー36を規定回数(15回)開放することにより、入賞率を大幅に向上させる。
【0053】
パチンコ遊技機3は、普図始動口34への入賞に応じて普図抽選を実行するとともに、普図の図柄変動を開始する。普図抽選に当選したときには、電チュー311を開放して特図始動口31への入賞を容易にする。パチンコ遊技機3では、操作ボタン群336を適宜操作することで、情報表示部335に各種の遊技データ(大当たり回数、特図抽選回数など)を表示させることが可能である。
【0054】
(カードユニット2の基本動作)
カードユニット2は、パチンコ遊技機3から各種の遊技信号を受信して遊技データを算出・記憶するとともに、随時管理装置5へ送信する。遊技者の入金残高情報、所有得点数情報も随時管理装置5へ送信する。管理装置5からは、各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価など)を受信して記憶する。
【0055】
カードユニット2は、紙幣が挿入されたときは、入金残高に加算して記憶する。入金残高の上限は10,000円となっている。カードユニット2は、貸出ボタン24が操作されたとき、一定金額(1,000円)ずつ得点(遊技球250個分の持玉)に変換する。カードユニット2は、パチンコ遊技機3から得点の加算信号及び減算信号を受信し、遊技者が所有している合計得点数を算出し記憶する。具体的には、加算信号を受信する毎に合計得点数を加算し、減算信号を受信する毎に合計得点数を減算する。
【0056】
カードユニット2は、入金残高及び合計得点数の少なくとも何れか一方が存在する状態(ゼロを超える状態)で返却ボタン26が操作されたとき、その入金残高、合計得点数を一般カード又は会員カード等の遊技カード10に記録して発行する。
【0057】
会員カードに記録した得点が当日中に景品交換されなかったときは、管理装置5により貯玉として記憶され、翌日以降に持ち越される。カードユニット2は、会員カードが挿入されたとき、その会員の貯玉情報を管理装置5から受信して記憶する。
一方、一般カードは、当日限り有効であり、当日中に払い戻しされなかった入金残高、景品交換されなかった得点数は無効となる。
【0058】
(カードユニット2における異常検知処理)
カードユニット2の制御部20は、遊技球を100個発射する毎の一定間隔で「付与得点数/消費得点数」を演算し、その演算結果(所定の遊技データ)が予め定められた適正範囲内(例えば、0.1〜0.6)にあるか否かを判定する。制御部20は、2回連続で適正範囲外と判定したときに異常発生とみなし、管理装置5へ通知する。
【0059】
また、カードユニット2は、異常発生とみなした時点から増加した得点数を通常の合計得点数とは区別し、異常時得点数として記憶する。異常時得点数については、カードユニット2で内部的に演算され、表示部23に表示されることがない。そのため、カードユニット2では、異常発生後も表示部23の得点数表示は何ら変化しない。
【0060】
異常発生が管理装置5に通知された場合、遊技場側では従業員等が目視確認を実施する等の対処が可能である。不正行為等の異常を確認できた場合には、管理装置5の入力部52を介してその旨の入力が可能である。不正行為等の異常が確認された旨を入力された管理装置5は、パチンコ遊技機3及びカードユニット2に対して、休止状態を設定する制御信号を出力する。カードユニット2の制御部20は、管理装置5による制御により休止状態が設定されたとき、通常の合計得点数から異常時得点数を減算した得点数を遊技カード10に記録(第2記録処理)して発行あるいは返却する。
【0061】
一方、従業員等が目視確認により異常なしと判断した場合には、管理装置5でその旨の入力操作を行うことにより異常判定状態を解消できる。このようにして異常判定状態が解消されたときには、異常時得点数が消去される。その後、遊技カード10の返却ボタン26が操作されたときには、合計得点数をそのまま遊技カード10に記録(第1記録処理)して発行あるいは返却する。
【0062】
以上のように構成された遊技システム1は、封入式のパチンコ遊技機や完全クレジット式のスロットマシンなど、入賞発生時に得点を加算する遊技機の管理に利用されるシステムである。この遊技システム1は、遊技機での入賞状況が異常であると判定したとき、それ以降に発生した入賞による得点を異常時得点数として内部的に一旦区別して記憶する。その後、従業員等の目視確認によって本当に異常が発生していると判断した場合に、区別して記憶した異常時得点数を通常の合計得点数から減算する。一方、異常がないと判断した場合は、合計得点数から減算することなく、区別して記憶した異常時得点数をゼロクリアする。
【0063】
この遊技システム1では、異常と判定された後も、カードユニット2等により合計得点数が通常通り更新され表示されるため、表面上は異常が判定されていない状況と同様であり、遊技者側からは異常判定されているか否か判断することが困難になっている。異常判定された場合には、その後、遊技場側で不正の有無を目視確認等することが可能であり、不正の有無に応じて適切に対処することが可能である。不正があった場合には、異常時得点数を合計得点数から除外することで遊技者の不正行為による遊技場側の損失を抑制できる。不正がなかった場合であれば、遊技者に気づかれることなく異常判定をリセットできるので、不正行為を誤判定した場合であっても遊技者側に不利益や不愉快な思いを与えることがない。
【0064】
以上のように、本例の遊技システム1は、遊技者の不正行為に起因する遊技場側の損失の抑制と、不正行為の誤判定に起因する遊技者側の不利益の回避と、を両立可能な優れた特性の遊技システムである。
【0065】
本例は、異常時得点数が表示部23に表示されないように構成された例である。これに代えて、異常時得点数が表示部23に表示されるように構成することも良い。
また、異常判定とみなしたときは、合計得点数の更新を停止し、加算信号、減算信号に応じて異常時得点数のみを加減算するようにしても良い。この場合、結果的に異常なしと判定された場合には、異常時得点数を合計得点数に加算すると良い。ただし、合計得点数の更新を停止すると、遊技者が何らかの異常が発生したことに気付くことになるので、遊技場側では、遊技者側からの従業員呼出しが発生することを前提とした運用を行う必要がある。
【0066】
本例では、従業員の目視確認により最終的に遊技機を休止状態とするようにしたが、従業員の目視確認を経由することなく、異常発生と判定した時点で自動的に休止状態を設定することも良い。この場合、休止状態とした後で従業員が目視確認を行って異常がなければ休止状態を解除するという運用を行うことが望ましい。
【0067】
本例の構成では、異常発生時には、パチンコ遊技機3及びカードユニット2を休止状態とするようにしている。これに代えて、カードユニット2のみを休止状態としても良い。
本例では、遊技機として、封入式パチンコ遊技機を例示している。遊技機は、完全クレジット式のスロットマシンであっても良く、封入式パチンコ遊技機と完全クレジット式のスロットマシンとの両方であっても良い。
【0068】
本例では、「付与得点数/消費得点数」に基づいて異常を判定している。異常判定の基準となる遊技データは、「付与得点数/消費得点数」には限定されない。例えば、「付与得点数一消費得点数」、あるいは「付与得点数のみ」に基づいて異常判定を行うこともできる。
【0069】
なお、本例では、異常時得点数の取り扱いが異なる2種類の記録処理のいずれをカードユニット2に実行させるかの選択手段を管理装置5に設けている。この構成に代えて、カードユニット2にこの選択手段を設けることも良い。カードユニット2に設ける選択手段としては、操作ボタンのほか、赤外線受信ユニットと赤外線リモコンとの組合せを利用して構成された手段であっても良い。赤外線リモコンを利用した選択手段を採用すれば、遊技者から気づかれずに従業員等が記録処理の選択操作を実行できるようになる。
【0070】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。