特許第6043258号(P6043258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043258
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】携帯機器装着用バンドおよび携帯機器
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/00 20060101AFI20161206BHJP
   A44C 5/02 20060101ALI20161206BHJP
   A44C 5/14 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   A44C5/00 502B
   A44C5/02 B
   A44C5/14 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-187383(P2013-187383)
(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公開番号】特開2015-53971(P2015-53971A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2015年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】502318216
【氏名又は名称】株式会社能作
(73)【特許権者】
【識別番号】513228775
【氏名又は名称】有限会社シーブレーン
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
(74)【代理人】
【識別番号】100168228
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 達則
(72)【発明者】
【氏名】能作 克治
(72)【発明者】
【氏名】井波 人哉
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−178379(JP,A)
【文献】 特開昭56−100004(JP,A)
【文献】 特開2009−178297(JP,A)
【文献】 特開2013−090856(JP,A)
【文献】 特開2012−095847(JP,A)
【文献】 特表平01−502215(JP,A)
【文献】 国際公開第88/006307(WO,A1)
【文献】 実開昭60−126012(JP,U)
【文献】 特開昭60−165572(JP,A)
【文献】 特開平01−236004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00
A44C 5/02
A44C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
純度99.9wt%〜97.0wt%の錫製の帯状部材のみからなり、自在に変形できるものであって、
携帯機器本体に取り付けてあり、変形させて装着部位に巻き付けることにより携帯機器本体を装着できるものであることを特徴とする携帯機器装着用バンド。
【請求項2】
携帯機器本体と、請求項1記載の携帯機器装着用バンドを備えることを特徴とする携帯機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計などの携帯機器を腕などに装着するための携帯機器装着用バンドおよびこのバンドを備える携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計を腕に装着する際には、時計本体に取り付けたバンドを腕に巻き付けて固定する。このバンドを固定するための構造としては、従来、特許文献1に示すように、尾錠を設けるものや、特許文献2に示すように、折り畳み式の中留を設けるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−225834号公報
【特許文献2】特開2011−41629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの従来のバンドの着脱に際しては、指先を使う細かい作業が必要となり、子供や高齢者、または手が不自由な人にとっては困難な場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、着脱が容易な携帯機器装着用バンドおよびこのバンドを備える携帯機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1の発明は、純度99.9wt%〜97.0wt%の錫製の帯状部材のみからなり、自在に変形できるものであって、携帯機器本体に取り付けてあり、変形させて装着部位に巻き付けることにより携帯機器本体を装着できるものであることを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項2の発明は、携帯機器本体と、請求項1記載の携帯機器装着用バンドを備えることを特徴とする。
【0008】
なお、錫の純度が99.9wt%より高い場合、柔らかくなりすぎて、装着部位に巻き付けた形状を維持することが困難となる。一方、錫の純度が97.0wt%より低い場合、硬くなりすぎて、手で変形させることが困難となる。よって、錫の純度は99.9wt%〜97.0wt%とすることが好ましい。そして、錫に添加する金属は、銅、銀やアンチモンのほか、種々の金属を選択できる。
【0009】
また、携帯機器(携帯機器本体)とは、時計のほか、携帯電話、音楽プレーヤー、小型コンピュータなどの電子機器や、歩数計など、携帯して使用する種々の機器を含む。これらの携帯機器本体は、時計であれば、時刻表示部と、時刻や日付を合わせるための竜頭やボタンを備えるものであり、その他の機器であれば、文書、画像や動画などを表示する情報表示部、ボタンなどの操作部(情報表示部と組み合わせたタッチパネルも含む)、他の機器と接続するための端子などを備えるものである。さらに、その装着部位は、腕や脚などの身体の一部や、バッグの持ち手、ズボンのベルトループなど、携帯機器装着用バンドを巻き付けることができる部位であればどこであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自在に変形可能な携帯機器装着用バンドを装着部位に巻き付けるだけの構成であるから、着脱が極めて容易であり、子供や高齢者、または手が不自由な人でも、着脱が可能である。また、携帯機器装着用バンドを変形させることで、携帯機器を見やすいように机上などに載置することもできる。さらに、錫には抗菌・滅菌作用があり、また金属アレルギーを引き起こしにくいので、素肌に直接触れる場合でも衛生的で安全である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】携帯機器本体に携帯機器装着用バンドを取り付けた状態の携帯機器の斜視図である。
図2】携帯機器の側面図であり、携帯機器装着用バンドの変形の様子を示す。
図3】携帯機器装着用バンドの斜視図である。
図4】携帯機器の腕への着脱の説明図である。
図5】携帯機器を机上に載置した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の携帯機器装着用バンド(以下、バンドと表記する)および携帯機器の具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。なお、ここでは携帯機器が時計(腕時計)である場合の例を示す。図1および図2に示すように、携帯機器本体(時計本体)1は、高さの低い円柱形(円盤形)のものであって、その裏面(時刻表示部の反対側面)に、二つの通し部3を設けてある。通し部3は、略コ字形の部材であって、開口側を携帯機器本体1の裏面側に向けて取り付けてあり、携帯機器本体1の裏面と通し部3とで矩形の開口部が形成されている。そして二つの通し部3は、互いの開口部が対向する向きで、携帯機器本体1の裏面の両端に設けてある。この通し部3は、携帯機器本体1の裏面を構成する素材と同じ素材からなるものであってもよいし、異なる素材からなるものであってもよく、取り付け方法は、溶接、接着、ネジ止めなど、どのような方法であってもよい。そして、二つの通し部3に、バンド2を通してある。
【0013】
バンド2は、錫に、銅、銀またはアンチモンを0.1wt%〜3wt%含む、錫の純度が99.9wt%〜97.0wt%の錫合金からなる。その形状は、図3に示すように、帯状のものであって、両端部は半円形状となっている。錫は柔らかい金属であり、このような薄い帯状のものであれば、図2に示すように、手で自在に変形できる。ただし、錫の純度が高すぎると、柔らかすぎて変形させた状態の形状を維持できないので、0.1wt%以上の添加物(銅、銀またはアンチモン)を加えてある。一方、錫の純度が低すぎると、硬すぎて手で変形できなくなるので、添加物の量は3wt%以下としてある。バンド2の長さは、腕時計を想定する場合、人の手首を一周する長さであればよく、150mm〜200mm程度が好ましい。また、幅は、一般的な腕時計の大きさに合わせると、10mm〜30mm程度が好ましい。さらに、厚さは、十分な強度を有しかつ手で自在に変形できるものであればよく、1mm〜3mm程度が好ましい。なお、このバンド2は、鋳造により錫合金を作成し、これを圧延により薄く延ばして形成したものである。
【0014】
このように携帯機器本体1にバンド2を取り付けた携帯機器(腕時計)を腕Aに装着する際には、図4に示すように、携帯機器本体1の裏面を腕Aに当てた状態で、バンド2の両端を腕Aに巻き付けるように変形させればよい。このバンド2は、適量の添加物を含む錫合金からなるので、手で容易に変形可能であって、かつ腕Aに巻き付けた形状を維持することができ、これだけで携帯機器を腕Aに装着することができる。この際、バンド2が柔らかいので、携帯機器本体1とバンド2が密接し、さらに携帯機器本体1およびバンド2と腕Aが密接するように装着できるので、装着した状態でバンド2に対して携帯機器本体1が動くことはない。そして、携帯機器を腕Aから取り外すときは、装着するときとは逆に、腕Aに巻き付いたバンド2を引き剥がすように変形させればよい。あるいは、携帯機器本体1を掴んで腕Aから引き離すだけでも、バンド2が広がるように変形して取り外すことができる。
【0015】
このように構成した携帯機器は、自在に変形可能なバンドを装着部位に巻き付けるだけの構成であるから、着脱が極めて容易であり、子供や高齢者、または手が不自由な人でも、着脱が可能である。また、冬場や工場などでの作業時に手袋を着用した状態でも着脱が容易であり、厚手の防寒着や作業着の上から腕に装着することも可能である。そして、錫には抗菌・滅菌作用があり、また金属アレルギーを引き起こしにくいので、腕時計として用いる場合のように、素肌に直接触れる場合でも、衛生的で安全である。
【0016】
また、図5に示すように、バンド2を略L字形に変形させることで、携帯機器本体1を見やすいように机上などに載置することもできる。この際、略L字形のバンド2のうち、水平向きの部分が机上などに載置され、立設する部分に携帯機器本体1が取り付けられており、バンド2を屈曲させて携帯機器本体1の下側部分に当接させることで(S部)、携帯機器本体1を下側から支持している。これにより、腕時計である携帯機器を、置時計としても使用することができる。バンド2は自在に変形可能であるから、時刻表示部の向きや角度を自在に変えることができる。そして、腕に装着した状態から机上に載置することも、机上に載置した状態から腕に装着することも、容易である。なお、この変形例は一例であり、携帯機器本体1の形状や載置する面の状態に応じて、自在に変形できる。たとえば、バンド2を通し部3の下側に当接させ、携帯機器本体1の下側部分ではなく通し部3を下側から支持するようにしてもよい。また、携帯機器が腕時計以外のものである場合でも、この使用方法は有効であり、たとえば、小型コンピュータである場合には、机上に載置した状態で、表示される情報(文書、画像や動画など)を閲覧することができる。
【0017】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、携帯機器としては、時計のほか、携帯電話、音楽プレーヤー、小型コンピュータなどの電子機器や、歩数計など、携帯して使用する機器であればどのようなものであってもよい。特に近年では、ユビキタスコンピューティングとよばれる考え方の下、身に着けた状態で使用するコンピュータ(ウェアラブルコンピュータ)の研究・開発が進んでおり、本発明はそうした機器の装着に好適である。そして、その装着部位も、腕に限られず、脚などその他の身体の一部や、バッグの持ち手、ズボンのベルトループなど、バンドを巻き付けることができる部位であればどこであってもよい。また、携帯機器の種類によって、携帯機器本体の形状も円形のほか、正方形や長方形など様々であり、それに設けられる通し部についても、バンドを通すことができるものであれば、どのような形状でもよいし、少なくとも一つ設けてあればよい。通し部が設けられる位置についても、携帯機器本体の裏面のほか、側面などでもよく、通したバンドが携帯機器本体の時刻表示部または情報表示部や、操作部および端子などを遮らなければよい。さらに、携帯機器本体に直接通し部を設けるのではなく、携帯機器本体に、通し部を有するカバーを被せるものであってもよい。このカバーは、金属製、樹脂製や木製など、どのような素材からなるものであってもよい。また、バンドを通し部に通すのではなく、携帯機器本体に、溶接、接着、ネジ止めなどによって直接固定してもよい。その際には、一本のバンドを固定してもよいし、携帯機器本体の両端に、二本に分かれたバンドをそれぞれ固定してもよい。そして、バンドの長さや幅は、意匠性を考慮して自由に変更できる。たとえば、携帯機器を装着するには装着部位を一周するだけの長さがあれば十分であるが、もっと長くして何重にも巻き付けることで装飾性を高めることもできる。さらに、形状は直線状のものに限られず、円弧状のもの、波状のもの、ジグザグ状のものなど、意匠性を考慮して自由に変更できる。
【符号の説明】
【0018】
1 携帯機器本体
2 バンド(携帯機器装着用バンド)
図1
図2
図3
図4
図5