特許第6043299号(P6043299)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メドトロニック,インコーポレイテッドの特許一覧

特許6043299磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術
<>
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000002
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000003
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000004
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000005
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000006
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000007
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000008
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000009
  • 特許6043299-磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043299
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】磁気共鳴映像法の磁場を検出するための技術
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   A61B5/05 390
【請求項の数】3
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-551957(P2013-551957)
(86)(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公表番号】特表2014-504526(P2014-504526A)
(43)【公表日】2014年2月24日
(86)【国際出願番号】US2011034321
(87)【国際公開番号】WO2012102744
(87)【国際公開日】20120802
【審査請求日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】13/046,158
(32)【優先日】2011年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/437,419
(32)【優先日】2011年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507020152
【氏名又は名称】メドトロニック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100118083
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝美
(72)【発明者】
【氏名】ジェニソン,トロイ・エイ
【審査官】 荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0176808(US,A1)
【文献】 特開2007−285865(JP,A)
【文献】 特開平08−334570(JP,A)
【文献】 特開2007−289670(JP,A)
【文献】 特表2009−526608(JP,A)
【文献】 特表2005−515850(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0154342(US,A1)
【文献】 特表2005−525179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
A61N 1/37
G01R 33/00 −33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者体内に植え込まれるように構成された筐体と、
前記筐体内の第1の位置に配置され、前記第1の位置の磁場の第1の強度を測定するように構成された第1の磁場センサーと、
前記筐体内の第2の位置に配置され、前記第2の位置の前記磁場の第2の強度を測定するように構成された第2の磁場センサーと、
制御モジュールであって、
前記第1の強度および前記第2の強度のうちの少なくとも一方が閾値下限より大きく、前記第1の強度および前記第2の強度のいずれも閾値上限より大きくない場合に前記第1の測定された強度と前記第2の測定された強度との差を決定し、
前記差を空間的勾配閾値と比較し、
前記差が前記空間的勾配閾値より小さい場合に前記磁場の発生源を磁気共鳴映像(MRI)装置の一次磁石であるとして識別し、
前記差が前記空間的勾配閾値より大きい場合に前記磁場の前記発生源を携帯型磁気装置であるとして識別する
ように構成された制御モジュールと
を備える装置。
【請求項2】
前記制御モジュールは、前記磁場の前記発生源を前記MRI装置の前記一次磁石として識別することに応答してMRIスキャン中にMRIモードで動作するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、
前記第1の測定された強度および前記第2の測定された強度のうちの少なくとも一方を
閾値上限と比較し、
前記測定された強度および前記第2の測定された強度のうちの少なくとも一方が前記閾値上限より大きい場合に前記磁場の前記発生源を磁気共鳴映像(MRI)装置の一次磁石であるとして識別するように構成される請求項1および2のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、磁気共鳴映像(MRI)装置を検出するための技術に関するものであり、より詳細には、MRI場を検出することができる植え込み型医用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]磁気共鳴映像法(MRI)は、患者の詳細な内部構造を視覚化するために使用される医用撮像技術である。患者は、MRIスキャン時に少なくとも一部がMRI装置内に置かれる。MRI装置は、静磁場(これ以降「静MRI場」と称する)、勾配磁場、および無線周波数(RF)場を含む、さまざまな磁場および電磁場を発生しうる。静MRI場は、MRI装置内の一次磁石によって発生し、MRIスキャンの開始前に存在している可能性がある。勾配磁場は、電磁石によって発生し、MRIスキャン時に存在しうる。RF磁場は、送信/受信コイルによって発生し、MRIスキャン時に存在しうる。MRIスキャンを受けている患者が植え込み型医用装置(IMD)を有している場合、MRI装置によって生成されるさまざまな場が、IMDの動作に干渉することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]MRIスキャン時に生成されるさまざまな場がIMDに及ぼす影響を低減するために、いくつかのIMDは、MRIスキャン時にMRI互換動作モード(本明細書ではMRI動作モードとも称する)にプログラムされうる。典型的には、医師が、スケジュールされたMRIスキャンの前のある時点においてプログラミング装置を使用してこれらのIMDをプログラムすることができる。患者がMRIスキャンを受けた後、医師は、IMDを通常設定に再プログラムして戻すことができる。IMDを有する患者をスキャンする前、またスキャンした後に行われる再プログラミングプロセスは、患者にとっても医師にとって不便である場合がある。いくつかのシナリオでは、IMDを有する患者は、緊急MRIスキャンを必要とすることがある。このようなシナリオでは、MRIスキャンのあたりでIMDの再プログラミングを行う適切な時間帯がない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本開示によるIMDは、MRIスキャンの開始前にMRI装置の有無を(例えば、静MRI場の検出によって)自動的に検出することができる。例えば、IMDは、静MRI場の空間的勾配および/または強度に基づきMRI装置を検出することができる。さらに、IMDは、テレメトリーヘッド磁石(telemetry head magnets)または他の携帯型磁石などの携帯型磁気装置が発生する磁場などの静MRI場を他の磁場から区別することができ、これにより、検出された場の空間的勾配および/または強度に基づき検出された磁場の発生源をIMDで識別する際の特異性を改善する。
【0005】
[0005]MRI装置の検出に応答して、IMDは、通常動作モードからMRI動作モードに遷移し、その後、MRIスキャンを開始することができる。MRIモードで動作している間、IMDは、MRI装置によって放射される勾配場およびRF場の悪影響を受けることが比較的少なくなるように構成されうる。IMDがMRI装置を自動的に検出し、MRIモードに遷移することができるため、MRIスキャンの前にIMDの手作業による再プログラミングが必要なくなるか、または作業による再プログラミングが実行されない場合にフェイルセーフ再プログラミングモードを備えることができる。
【0006】
[0006]本開示によるいくつかの例では、装置は、筐体、第1の磁場センサー、第2の磁場センサー、および制御モジュールを備える。筐体は、患者体内に植え込まれるように構成される。第1の磁場センサーは、筐体内の第1の位置に配置され、第1の位置で磁場の第1の強度を測定するように構成される。第2の磁場センサーは、筐体内の第2の位置に配置され、第2の位置で磁場の第2の強度を測定するように構成される。制御モジュールは、第1の強度および第2の強度に基づき磁場の発生源を識別するように構成される。
【0007】
[0007]本開示による他の例では、方法は、植え込み型装置内の第1の位置における磁場の第1の強度を測定するステップと、植え込み型装置内の第2の位置における磁場の第2の強度を測定するステップと、第1の強度および第2の強度に基づき磁場の発生源を識別するステップとを含む。
【0008】
[0008]本開示による他の例では、システムは、筐体、植え込み型医用装置(IMD)、第1の磁場センサー、第2の磁場センサー、および制御モジュールを備える。第1の磁場センサーは、IMDに接続され、第1の位置で磁場の第1の強度を測定するように構成される。第2の磁場センサーは、IMDに接続され、第2の位置で磁場の第2の強度を測定するように構成される。制御モジュールは、第1の強度および第2の強度に基づき磁場の発生源を識別するように構成される。
【0009】
[0009]本開示による他の例では、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム可能なプロセッサに、植え込み型装置内の第1の位置における磁場の第1の強度を測定するステップと、植え込み型装置内の第2の位置における磁場の第2の強度を測定するステップと、第1の強度および第2の強度に基づき磁場の発生源を識別するステップとを実行させる命令を備える。
【0010】
[0010]1つまたは複数の例の詳細は、添付図面および以下の説明で述べられる。他の特徴、目的、および利点は、説明と図面、さらには請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]植え込み可能なリードを介して患者の心臓に刺激療法を施すための植え込み型医用装置(IMD)を備える例示的なシステムの概念図である。
図2A】[0012]IMDの略図である。
図2B】IMDの略図である。
図3】[0013]静MRI場およびテレメトリーヘッド場の強度を示す図である。
図4】[0014]磁場の発生源を識別するための例示的な方法を示す図である。
図5】[0015]IMDの例示的な制御モジュールを示す機能ブロック図である。
図6】[0016]例示的な場弁別モジュールを示す機能ブロック図である。
図7】[0017]静MRI場とテレメトリーヘッド場とを区別するための例示的な方法を示す図である。
図8】[0018]磁場の発生源を識別するときにIMDによって実装されうる節電戦略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0019]本開示によるIMDは、磁場を検出し、検出された磁場の発生源を識別することができる。例えば、IMDは、MRI装置の一次磁石もしくはテレメトリーヘッド磁石のうちの一方として磁場の発生源を識別することができる。
【0013】
[0020]本明細書においてペースメーカーおよび/または心臓除細動器/除細動器として説明されている、IMDは、複数の磁場センサーを備える。IMDは、複数の磁場センサーから受信した信号に基づき静MRI場の有無(例えば、一次磁石の有無)を検出することができる。いくつかの例では、IMDは、静MRI場の強度がテレメトリーヘッド磁石によって生成可能なものより強い場合があるため、検出された磁場の強度に基づき静MRI場の有無を検出することができる。したがって、いくつかの例では、IMDは、検出された磁場の発生源を、検出された磁場がテレメトリーヘッド磁石によって典型的に生成可能である場より強いときにMRI装置として識別することができる。
【0014】
[0021]しかし、いくつかのシナリオでは、静MRI場の強度は、他の磁場、例えば、プログラマーのテレメトリーヘッド磁石によって発生する場(つまり、「テレメトリーヘッド場」)に類似しているものとしてよい。例えば、テレメトリーヘッド場は、場に関してIMDの位置に応じて、静MRI場と類似の強度を有することができる。いくつかの例では、テレメトリーヘッド磁石に近接近しているテレメトリーヘッド場の強度は、MRI装置のボアの外側の距離のところに示される強度の範囲内にあるものとしてよい。したがって、静MRI場の強度およびテレメトリーヘッド場の強度は、いくつかの例では等しい場合があるため、静MRI場およびテレメトリーヘッド場は、強度だけに基づいたのでは互いを区別できない。
【0015】
[0022]テレメトリーヘッド場および静MRI場の強度がおおよそ等しい例では、テレメトリーヘッド場および静MRI場は、異なる空間的勾配を示しうる。本開示のIMDは、空間的勾配のこの違いに基づきテレメトリーヘッド場と静MRI場とを区別することができる。本明細書で使用されているような、磁場の空間的勾配は、磁場内の異なる位置の磁場によって示される強度の差、例えば、磁場内の2つの地点の間の強度の差を指す。テレメトリーヘッド場の空間的勾配は、2つの場の強度が同じ範囲内にある場合に静MRI場の空間的勾配より大きいものとしてよい。空間的勾配が大きくなると、それに対応して、2つの地点の間の磁場の強度の変化は大きくなり、空間的勾配が小さくなると、それに対応して、同じ2つの地点の間の磁場の強度の変化は小さくなる。
【0016】
[0023]IMDは、IMDに含まれる複数の磁場センサーからの測定結果に基づきIMD内の異なる位置にある磁場の強度を決定することができる。その後、IMDは、例えば、異なる位置で測定された強度を比較することによって、検出された磁場の空間的勾配を決定することができる。決定された空間的勾配に基づき、IMDは、テレメトリーヘッド場と静MRI場とを区別することができる。例えば、決定された空間的勾配が空間的勾配閾値より大きい場合に、IMDは検出された磁場の発生源をテレメトリーヘッド磁石として識別することができるが、決定された空間的勾配が空間的勾配閾値より小さい場合に、IMDは、磁場の発生源をMRI装置として識別することができる。そのようなものとして、本開示の技術を使用することで、IMDは、検出された磁場の発生源に関する改善された感度および特異性を得ることができる。
【0017】
[0024]IMDは、IMDが磁場の発生源として識別するものに応じて「通常モード」の動作から「MRIモード」または「テレメトリーヘッドモード」の動作に遷移することができる。磁場が存在しない場合、IMDは、通常モードで動作することができる。通常モードのIMDの動作は、例えば、テレメトリーヘッド、MRI装置、または他の磁気装置を検出することなく、IMDの典型的な動作状態を記述するものとしてよい。典型的な動作状態は、IMDにおける普通の療法および/または感知モードの動作を伴いうる。例えば、IMDが植え込み型心臓除細動器−除細動器として機能する場合、通常モードは、通常感知で通常ペーシング、心臓除細動、および/または除細動療法機能をサポートすることができる。
【0018】
[0025]IMDは、IMDが発生源をテレメトリーヘッド磁石として識別した場合にテレメトリーヘッドモードで動作することができる。テレメトリーヘッドモードのIMDの動作は、テレメトリーヘッド磁石の検出に応答して、IMDの典型的な動作状態を記述するものとしてよい。例えば、IMDがテレメトリーヘッド磁石を検出した後、IMDは、テレメトリーヘッドモードに入り、テレメトリーヘッドを介して、または距離テレメトリーも介して、ワイヤレステレメトリーによりプログラマーと通信し、データをプログラマーに転送し、および/またはプログラマーから動作パラメータを受信することができる。IMDは、テレメトリーヘッドモードで頻脈検出を無効にすることもできる。
【0019】
[0026]IMDは、IMDが磁場の発生源をMRI装置として識別した場合にMRIモードに遷移することができる。MRIモードにおけるIMDの動作は、勾配磁場によって引き起こされうる望ましくない効果が低減され、場合によってはなくすことができるIMDの動作状態を記述するものとしてよい。MRI動作モードで動作している場合、IMDは、通常動作モードおよびテレメトリーヘッドモードに比較して異なる機能で動作するように構成される。場合によっては、IMDは、通常動作モードに比較して機能を落として動作するように構成される。例えば、IMDは、感知を行わない、療法を施さない、可能な療法の部分集合のみを施す、収集されたデータをログに記録しない、などである。
【0020】
[0027]いくつかの例では、MRIモードで動作している間に、IMDは、設定タイミングに応じてペーシングが行われる非同期モードで動作することができ、感知された心イベントに反応しない。非同期モードでの動作は、リード上の電気的雑音を心臓活動として識別させる過剰な感知によるペーシング抑制を防ぐことができる。他の例では、IMDは、MRIモードでのペーシングをオフにすることができる。IMDが除細動機能を備える場合、IMDは、頻脈検出を無効にし、高電圧コンデンサ回路の充電を無効にし、除細動を無効にすることができる。
【0021】
[0028]それに加えて、または代替的に、IMDは、MRI場がEGM波形を損なう可能性があるという理由で、心電図(EGM)波形の保存などの診断結果保存を無効にすることができる。他の場合には、IMDは、通常動作モードに比較してほぼ同じ機能で、さらには高めた機能で動作するように構成される。例えば、IMDは、異なるセンサー(例えば、圧力もしくは加速度センサー)、異なる感知回路、または異なる感知アルゴリズムを使用して、患者の心臓活動を検出することができる。いくつかの例では、IMDは、MRI場によって誘発される信号を取り除く機能を有することができる。いくつかの例では、MRIモードで動作している間に、IMDは、IMDがMRI場を検出したこと、またIMDがMRIスキャン時に動作するように構成されていることを医師に通知することができる。IMDは、MRIスキャン時にIMDの適切な動作を確実に行わせるために本明細書では説明されていない追加設定に従ってMRIモードで動作しうる。
【0022】
[0029]図1は、患者104の心臓102の状態を診断し、それに刺激療法を施すために使用されうる例示的なシステム100の概念図である。システム100は、IMD 106を備える。例えば、IMD 106は、電気的刺激を心臓102に施す植え込み型ペースメーカー、心臓除細動器、および/または除細動器とすることができる。
【0023】
[0030]IMD 106は、MRI装置(図示せず)の静MRI場の有無を検出する。静MRI場の検出に応答して、IMD 106は、MRIモードで動作することができる。MRI装置は、患者104がMRIスキャン前およびスキャン中に位置決めして載せられる患者支持台を備えることができる。MRI装置は、静MRI場を発生するMRI装置の一次磁石、勾配磁場を発生する勾配コイル、およびRF場を発生するRFコイルを収納するスキャン部分を備える。MRIスキャン時に、患者104の一部が、MRI装置のボア(「MRIボア」)内に位置決めされうる。MRIボア内に位置決めされている間に、スキャンされる患者104の部分は、一次磁石、勾配コイル、およびRFコイルによって囲まれるものとしてよい。MRI装置の構造はさまざまであるけれども、静MRI場を検出するために本発明で使用される技術は、一般的に、側面が開いているMRI装置などのさまざまな他のMRI装置構成、または他の構成にも応用可能であるものとしてよい。
【0024】
[0031]IMD 106は、リード108、110、112に結合される。リード108、110、112は、患者104の心臓102内に貫入する。IMD 106は、心臓102の電気的活動を感知し、および/またはリード108、110、112上の電極を介して電気的刺激を心臓102に施すことができる。
【0025】
[0032]IMD 106は、筐体114およびコネクタブロック116を備える。筐体114およびコネクタブロック116は、IMD 106のコンポーネントを保護するハーメチックシールを形成しうる。いくつかの例では、筐体114は、分離した弁を有する金属もしくは他の生体適合性エンクロージャを備えるものとしてよい。コネクタブロック116は、電気的フィードスルーを備えることができ、これを通して、電気的接続部が筐体114内に入れられているリード108、110、112と電子コンポーネントとの間に形成される。筐体114は、患者体内に植え込まれるように構成される。
【0026】
[0033]筐体114は、心臓ペーシングパルスおよび心臓除細動または除細動ショックなどの、治療刺激を発生する信号発生器モジュール、さらには心臓102の律動を監視するための電気的感知モジュールを収納する。リード108、110、112は、コネクタブロック116を介してIMD 106の信号発生器モジュールおよび電気的感知モジュールに結合される。信号発生器モジュールおよび電気的感知モジュールを使用することで、IMD 106は、心臓102内で感知される電気信号に基づきペーシングパルスを心臓102に送ることができる。IMD 106は、除細動および/または心臓除細動療法を心臓102に施すこともできる。例えば、IMD 106は、心室の細動などの、心臓102の不整脈を検出し、心臓除細動または除細動療法を電気パルスの形態で心臓102に施すことができる。
【0027】
[0034]システム100は、プログラマー118を備える。プログラマー118は、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、ネットワーク接続コンピューティングデバイスなどとすることができる。プログラマー118は、プログラマー118のプロセッサに本開示のプログラマー118に属する機能を実行させる命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を備えることができる。
【0028】
[0035]プログラマー118は、テレメトリーヘッド120を介してIMD 106と通信することができる。テレメトリーヘッド120は、テレメトリーヘッド磁石122を備える。テレメトリーヘッド磁石122は、磁場(「テレメトリーヘッド場」)を発生する。IMD 106は、テレメトリーヘッド磁石122(つまり、テレメトリーヘッド場)の有無を検出することができ、またテレメトリーヘッド磁石122の検出に応答してテレメトリーヘッドモードで動作することができる。テレメトリーヘッドモードでは、IMD 106およびプログラマー118は、互いに通信し合い、例えば、データを転送し合うことができる。例えば、IMD 106がテレメトリーヘッドモードで動作する場合、IMD 106は、データをプログラマー118に送信することができ、プログラマー118は、IMD 106に格納されているデータを取り出し、および/またはIMD 106をプログラムすることができる。
【0029】
[0036]いくつかの例では、テレメトリーヘッド磁石122は、永久磁石を含むものとしてよい。永久磁石は、テレメトリーヘッド120がIMD 106の上に置かれたときに永久磁石がIMD 106を覆うようにIMD 106の面積にほぼ等しい面積を有することができる。いくつかの例では、テレメトリーヘッド磁石122は、テレメトリーヘッド場を発生する電磁石などの永久磁石以外の携帯型磁気装置を含むものとしてよい。
【0030】
[0037]テレメトリーヘッド磁石122の検出が本明細書で説明されているけれども、テレメトリーヘッド場の比較的大きな空間的勾配(例えば、静MRI空間的勾配に相対的に)は、携帯型磁気装置によって発生する他の磁場によって示されうる。例えば、テレメトリーヘッドに備えられていない患者磁石(例えば、携帯型永久磁石)は、テレメトリーヘッド磁石122によって発生する勾配に似た空間的勾配を発生しうる。それに加えて、テレメトリーヘッド磁石122に類似する磁場を発生する他の装置が、IMD 106に近接していてもよい。このような装置としては、限定はしないが、患者磁石以外の永久磁石が挙げられる。したがって、テレメトリーヘッド磁石122は、一般的に、磁気装置(例えば、携帯型磁気装置)またはテレメトリーヘッド磁石122に似た磁場を発生する他の磁場発生源を代表するものとしてよく、IMD 106は、磁場の強度および空間的勾配に関してテレメトリーヘッド場に類似する磁場を生成する磁石に応答してテレメトリーヘッドモードで動作しうる。一般的に、大半の「環境的」磁場発生源は、テレメトリーヘッド磁石122に似た磁場を示すが、少数の磁場発生源は、MRI装置の永久磁石と規模が同じくらいの磁場を示しうる。
【0031】
[0038]プログラマー118を使用してIMD 106から取り出されたデータは、心臓102の電気的活動を指示するIMD 106に保存される心臓EGMを含みうる。データは、感知の発生およびタイミング、診断、およびIMD 106に関連付けられている治療イベントを指示するマーカーチャネルデータも含むことができる。それに加えて、データは、IMD 106、またはIMD 106のリード108、110、112または電源などの、診断システム100の他のコンポーネントの性能もしくは完全性に関する情報を含むことができる。
【0032】
[0039]プログラマー118を使用してIMD 106に転送されるデータは、例えば、動作パラメータに対する値、除細動パルスを出すために使用される電極選択、除細動パルスに使用される波形選択、および/または検出アルゴリズムに対する構成パラメータを含みうる。プログラマー118は、図3に関して本明細書で説明されている下限値、上限値、および空間的勾配閾値も転送することができる。これらの上限値、下限値、および空間的勾配閾値は、患者毎に、例えば、IMDのタイプ、または患者体内のIMDの位置/配向に基づき、較正されうるプログラム可能な値とすることができる。他の例では、これらの値は、MRI装置が異なれば磁場特性も異なることがあるため、市販されているさまざまなMRI装置との互換性を確保するためにプログラム可能であるものとしてよい。
【0033】
[0040]IMD 106およびプログラマー118は、当技術分野で知られている技術を使用するワイヤレス通信を介して通信することができる。通信技術の例としては、例えば、低周波もしくはRFテレメトリーが挙げられるが、他の技術も企図される。
【0034】
[0041]図1に例示されていないけれども、システム100は、患者モニターを備えることができる。患者モニターは、プログラマー118と似た機能を備える、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、ネットワーク接続コンピューティングデバイスなどとすることができる。例えば、患者モニターは、例えば自動的にまたは患者もしくは他のユーザーからのコマンドに応答してIMD 106からデータを読み取り、データをサーバーにアップロードする装置とすることができる。プログラマー118および患者モニターは同じ場所に配置することができるが、それが典型的なことであるわけではない。例えば、プログラマー118は、IMD 106と通信するために臨床設定で医師によって使用されうるが、患者モニターは、自動的に、または使用者のコマンドに応答して、患者自宅内のIMD 106と通信することができる。
【0035】
[0042]IMD 106は、植え込み型心臓刺激装置(例えば、ペースメーカー/心臓除細動器−除細動器)として図示されているけれども、他の例では、本開示により静MRI場を検出し、MRIモードで動作する植え込み型装置は、植え込み型薬剤ポンプまたは脳深部電気刺激法、迷走神経刺激法、胃刺激法、骨盤底刺激法、脊髄電気刺激法、または他の刺激法のうちの少なくとも1つを実施する植え込み型神経刺激装置を備えることができる。他の例では、静MRI場を検出し、MRIモードで動作する植え込み型装置は、治療を患者に施すために使用される電子装置類を備える他の能動的植え込み型医用装置を備えることができる。他の例では、静MRI場を検出し、MRIモードで動作する装置は、外部装置も含みうる。
【0036】
[0043]図2A〜2Bは、IMD 106の略図である。IMD 106の概略図は、筐体114内のIMD 106のコンポーネントを例示している。固体114は、IMD 106のコンポーネントが収納される空洞124を画成する。図2Bは、図2Aに例示されているようにIMD 106の底側からの筐体114内のコンポーネントの配置構成を示す。
【0037】
[0044]IMD 106は、空洞124内に収納された電源126を備える。電源126は、電池、例えば、再充電可能もしくは再充電不可能な電池を備えることができる。IMD 106は、IMD 106の電子コンポーネントを備えるプリント基板(PCB)128を備える。電子コンポーネントとしては、限定はしないが、制御モジュール130、第1の磁場センサー132−1、第2の磁場センサー132−2、第3の磁場センサー132−3(「磁場センサー132」と総称する)、および追加のセンサー134(例えば、磁場センサー以外のセンサー)が挙げられる。
【0038】
[0045]PCB 128は、典型的なPCB構造に限定されえないが、その代わりに、制御モジュール130、磁場センサー132、電源126、および筐体114内の他の電子コンポーネントを機械的に支持し、電気的に接続するために使用されるはIMD 106内の任意の構造を表すものとしてよい。いくつかの例では、PCB 128は、制御モジュール130と磁場センサー132との間を電気的に接続する導電トレースおよび導電ビアの1つまたは複数の層を備えることができる。
【0039】
[0046]PCB 128は、電源126が制御モジュール130および磁場センサー132に電力を供給するように電源126、制御モジュール130、および磁場センサー132の間を電気的に接続することができる。リード108、110、112は、接続線136を通じてPCB 128上の制御モジュール130に接続されうる。例えば、接続線136は、一端でリード108、110、112に接続され、他端でPCB 128上のPCB接続点138に接続されうる。
【0040】
[0047]IMD 106の電子コンポーネントは、単一のPCB上に備えられているように例示されているけれども、本明細書で説明されている電子コンポーネントは、IMD 106内の別の場所、例えば、追加のPCB(図示せず)などの、IMD 106内の他の支持構造物上に備えられうる。他の例では、IMD 106内の電子コンポーネントは、空洞124内の筐体114の内側に装着されるか、または筐体114の外側に装着され、筐体114内のフィードスルー(図示せず)を通して筐体114の内側のコンポーネントに接続されうる。さらに他の例では、電子コンポーネントは、コネクタブロック116上に、またはコネクタブロック116内に装着されるか、またはリード108、110、112のうちの1つまたは複数に接続することができる。
【0041】
[0048]制御モジュール130、および制御モジュール130内に備えられているモジュールは、本開示のIMD 106内に収められうる機能を持つ。本開示のモジュールは、本発明のモジュールに属す機能を発揮することができるアナログおよび/またはデジタル回路を実装する離散および/または集積化電子回路コンポーネントを備えることができる。例えば、これらのモジュールは、アナログ回路、例えば、増幅回路、フィルタ回路、および/または他の信号処理回路を備えることができる。これらのモジュールは、デジタル回路、例えば、組み合わせまたは順序論理回路、メモリデバイスなども備えることができる。メモリとしては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または他のメモリデバイスなどの揮発性、不揮発性、磁気的、または電気的媒体が挙げられる。さらに、メモリには、1つまたは複数の処理回路によって実行されたときに、モジュールに、本発明のモジュールに属すさまざまな機能を実行させる命令を格納することができる。
【0042】
[0049]本発明のモジュールに属す機能は、1つまたは複数のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせとして実装することができる。異なる特徴をモジュールとして示している場合、これは、異なる機能的態様を強調して示すことを意図しており、そのようなモジュールが個別のハードウェアもしくはソフトウェアコンポーネントによって実現されなければならないことを必ずしも意味しない。むしろ、1つまたは複数のモジュールに関連付けられている機能は、個別のハードウェアもしくはソフトウェアコンポーネントによって実行されるか、または共通もしくは個別のハードウェアもしくはソフトウェアコンポーネント内に集積化されうる。
【0043】
[0050]磁場センサー132のそれぞれは、磁場の強度および方向を測定し、磁場の強度および方向を指示する信号を発生することができる。第1の磁場センサー132−1は、第1の磁場センサー132−1を透過する(つまり、通過する)磁場の強度および方向を指示する信号を発生することができる。言い換えると、第1の磁場センサー132−1は、第1の磁場センサー132−1の位置における磁場の強度および方向を指示する信号を発生することができるということである。同様に、第2の磁場センサー132−2および第3の磁場センサー132−3も、それぞれ、第2の磁場センサー132−1および第3の磁場センサー132−3の位置における磁場の強度および方向を指示する信号を発生することができる。
【0044】
[0051]制御モジュール130は、磁場センサー132から信号を受信し、磁場センサー132のそれぞれによって測定された磁場の強度および方向を決定することができる。例えば、制御モジュール130は、それぞれ第1の磁場センサー132−1、第2の磁場センサー132−2、および第3の磁場センサー132−3から受信した信号に基づき第1の磁場センサー132−1、第2の磁場センサー132−2、および第3の磁場センサー132−3の位置における磁場の強度および方向を決定することができる。
【0045】
[0052]本開示の磁場センサー132は、磁場の強度、およびいくつかの例では方向を測定し、磁場の強度を指示する信号を発生することができる任意のタイプの磁場センサーを代表するものとすることができる。例えば、磁場センサー132は、限定はしないが、ホール効果センサー、巨大磁気抵抗(GMR)ベースのセンサー、異方性磁気抵抗(AMR)ベースのセンサー、トンネル磁気抵抗(TMR)ベースのセンサー、または他のタイプの好適な磁場センサーを含みうる、1つまたは複数のタイプの磁場センサーを代表するものとしてよい。
【0046】
[0053]磁場センサー132のそれぞれは、1つまたは複数の感度軸を備えることができる。例えば、磁場センサー132は、1本の感度軸、2本の感度軸、または3本の感度軸を備えることができ、したがって、磁場センサー132は、1本の感度軸、2本の感度軸、または3本の感度軸にそった磁場の強度および方向を指示することができる。いくつかの例において、磁場センサー132のそれぞれは、単一軸センサーとすることができる。他の例では、磁場センサー132のそれぞれは、多軸センサーであってよく、例えば、磁場センサー132のそれぞれは、2本またはそれ以上の感度軸で磁場に対して高い感度を有するものとしてよい。さらに他の例では、磁場センサー132のいくつかは、多軸センサーであってよいが、磁場センサー132の残りは、単一感度軸センサーとすることができる。
【0047】
[0054]磁場センサーのさまざまな構成および個数は、IMD 106内に実装されうることは企図されている。3つの磁場センサー132が図示されているけれども、IMD 106は、3つより多い、または少ないセンサーを備えることもできる。いくつかの例では、IMD 106は、2つの磁場センサーしか備えないが、他の例では、IMD 106は、4つまたはそれ以上の磁場センサーを備えることができる。
【0048】
[0055]磁場センサーの構成、例えば、磁場センサーの位置、磁場センサーの個数、およびセンサー1個あたりの軸の本数は、さまざまな基準に基づき選択されうる。一般に、磁場センサー1個あたりの感度軸の本数が多ければ多いほど、結果として、磁場の検出の信頼度が高まるが、それは、どの向きにある磁場であっても検出することができるからであるが、単一軸センサーだと、磁場の単一軸成分についてしか測定できない。
【0049】
[0056]単一軸センサーが使用される例では、向きが単一磁気センサーによって感知されない磁場は、単一磁気センサーの位置では測定されえない。したがって、いくつかの例では、複数の3軸センサーを磁場センサーとして使用することで、方向に関係なく、存在する磁場を感知する最も完全な解決策が得られることになる。しかし、多軸センサーは、単一軸センサーに比べてコストが高く、単一磁気センサーに比べて引き込む電力が多く、また制御モジュール130は、多軸センサーをポーリングするときと、多軸センサーからの信号に基づき磁場の方向を判定するときに、より多くの処理能力を必要とする場合がある。したがって、いくつかの例では、多軸センサーおよび単一軸センサーは、コストと消費電力を抑えつつ静MRI場の確実な検出を行えるような方法でIMD 106内に配置構成されるものとしてよい。
【0050】
[0057]磁場センサー132−1、132−2は、PCB 128の同じ面に実装されているように図示され、磁場センサー132−3は、PCB 128の反対側の面に実装されているように図示されているけれども、IMD 106内の磁場センサー132の他の配置構成も企図される。例えば、2つの磁場センサーを備えるIMDでは、2つの磁場センサーが、PCBの同じ面に、またはPCBの異なる側の面に備えられうる。いくつかの例では、磁場センサーは、同じ集積回路基板上に備えられ、したがって、同じ集積回路パッケージ内にパッケージされるものとしてよい。いくつかの例では、磁場センサーは、他の電子コンポーネントとともに集積回路パッケージ内に、例えば、他の集積回路上に備えられるか、またはマルチチップパッケージ内の他の集積回路とともにパッケージされうる。
【0051】
[0058]IMD 106は、さまざまな強度を有する磁場のさまざまな発生源に曝されうる。例えば、IMD 106は、テレメトリーヘッド場または静MRI場に曝されうる。制御モジュール130は、磁場センサー132の1つまたは複数から受信した信号に基づき検出された磁場の発生源を識別することができる。例えば、磁場センサー132から受信した信号に基づき、制御モジュール130は、検出された磁場の発生源をMRI装置またはテレメトリーヘッド磁石122として識別することができる。次いで、制御モジュール130のプロセッサは、発生源がMRI装置として識別されたときにはMRIモードで動作し、発生源がテレメトリーヘッド磁石122として識別されたときにはテレメトリーヘッドモードで動作することができる。
【0052】
[0059]いくつかの例では、制御モジュール130は、検出された磁場の強度のみに基づき検出された磁場の発生源を識別することができる。いくつかの例では、制御モジュール130は、検出された磁場の強度および検出された磁場の空間的勾配の両方に基づき検出された磁場の発生源を識別することができる。
【0053】
[0060]次に、静MRI場およびエレメンタリヘッド場の強度および空間的勾配について、図3を参照しつつ説明する。テレメトリーヘッド場(図3の陰影付きのボックス)および静MRI場(図3の斜め線のボックス)が、検出された磁場の発生源を決定するために制御モジュール130によって使用されるユーザープログラム可能な閾値(例えば、閾値下限/上限)とともに図3に示されている。
【0054】
[0061]テレメトリーヘッド場の強度は、テレメトリーヘッド磁石122に最も近い地点で最大となりうる。テレメトリーヘッド場の強度は、テレメトリーヘッド磁石122から距離が遠くなるにつれ(例えば、指数関数的に)減少しうる。図3では、テレメトリーヘッド場の強度は、0Tから境界となっている「最大テレメトリーヘッド場」までの範囲内にあるものとして図示されている。「最大テレメトリーヘッド場」は、例えば、テレメトリーヘッド磁石122に最も近い地点で、テレメトリーヘッド場の最大強度をとりうる。
【0055】
[0062]テレメトリーヘッド磁石122から短い距離(例えば、10cm前後(数インチの範囲内))のところで、テレメトリーヘッド場は0〜1mTの強度に低下しうる。例えば、10cm前後(数インチの範囲内)(例えば、25.4cm(10インチ)未満)では、テレメトリーヘッド場は、.5mT未満に低下しうる。0Tでの実線の陰影付き領域の左側エッジは、テレメトリーヘッド場が磁場センサー132によって検出可能でないシナリオを示している。言い換えると、0Tにおける実線の陰影付きの領域の一番左側のエッジは、テレメトリーヘッド磁石122によって発生するテレメトリーヘッド場が磁場センサー132によって検出可能でないようにテレメトリーヘッド磁石122に相対的に位置決めされるシナリオを示している。テレメトリーヘッド磁石122とIMD 106との間の距離が減少するにつれ、磁場センサー132によって検出可能なテレメトリーヘッド場の強度は、最大テレメトリーヘッド場まで上昇する可能性がある。
【0056】
[0063]いくつかの例では、磁場センサー132のうちの1つによって検出可能な最大テレメトリーヘッド場の強度は、例えば、IMD 106がテレメトリーヘッド磁石122に近接近している場合に、約100mTとすることができる。最大テレメトリーヘッド場は、約100mTであってよいけれども、他の例では、最大テレメトリーヘッド場は、100mTより大きくても、小さくてもよい。
【0057】
[0064]静MRI場の強度は、MRI装置のMRIボア内の(例えば、一次磁石に近い位置にある)最大値(例えば、1.5〜3T)に達し、MRIボアの外部の領域内で0Tの値に向かって次第に下がってゆくものとしてよい。一般的に、静MRI場は、MRIボアからの距離が遠くなるほど強度が減少しうる。0Tでの斜め線の領域の左側エッジは、静MRI場が磁場センサー132によって検出可能でないシナリオを示している。言い換えると、0Tにおける斜め線の領域の一番左側のエッジは、MRI装置によって発生する静MRI場が磁場センサー132によって検出可能でないようにMRIボアに相対的に位置決めされるシナリオを示している。MRIボアとIMD 106との間の距離が減少するにつれ、磁場センサー132によって検出可能な静MRI場の強度は、静MRI場の最大強度まで上昇する可能性がある。図3の斜め線の領域の一番右の部分は、IMD 106がMRIボアの近くに、またはMRIボア内に位置決めされたときに磁場センサー132によって検出可能な磁場を示している。図3には示されていないけれども、静MRI場の最大強度は、1.5〜3Tの範囲内にあるものとしてよい。
【0058】
[0065]図3において「閾値下限」および「閾値上限」とラベル付けされた値は、検出された磁場の発生源を識別するために制御モジュール130によって使用されうる制御モジュール130内に格納されるプログラム可能な値であってよい。閾値下限は、制御モジュール130がテレメトリーヘッド磁石122またはMRI装置として識別することができる最小磁場強度を示す値とすることができる。検出された磁場が閾値下限より弱い場合、制御モジュール130は、通常モードで動作することができる。閾値下限は、テレメトリーヘッド磁石122がIMD 106に近いこと、またはMRI装置がIMD 106に近いことを確実に示す値に設定されうる。言い換えると、閾値下限は、制御モジュール130が、テレメトリーヘッド磁石122またはMRI装置であることを示しうる値より弱い磁場を無視するように設定することができる。したがって、閾値下限は、テレメトリーヘッド磁石122またはMRI装置以外の発生源によって生成される「雑音」または他の磁場を除去することができる。いくつかの例では、閾値下限は、約1〜2mTに設定されうる。
【0059】
[0066]閾値上限は、制御モジュール130が、テレメトリーヘッド磁石122によって発生する磁場として認識することができる最大磁場強度を示す。制御モジュール130は、検出された磁場が閾値上限より高い場合にIMD 106は静MRI場の存在下にあると判定することができる。例えば、閾値上限は、閾値上限がテレメトリーヘッド磁石122によって生成可能である磁場より高くなるように設定することができる。したがって、閾値上限より高い磁場を検出した場合、これは、検出された磁場がテレメトリーヘッド磁石122ではなくMRI装置によって発生することを高い確率で示しうる。したがって、制御モジュール130が閾値上限より高い強度を有する磁場を検出する例では、制御モジュール130は、検出された磁場の発生源をMRI装置として確実に識別することができる。次いで、制御モジュール130は、MRIモードでIMD 106を動作させることができる。いくつかの例では、閾値上限は、約200〜500mT、例えば、テレメトリーヘッド磁石122によって生成可能でない磁場の強度の範囲、またはIMD 106が植え込まれている位置にあるテレメトリーヘッド磁石122によって少なくとも典型的には生成可能でない磁場の強度の範囲に設定されうる。
【0060】
[0067]いくつかの例では、閾値上限は、最大テレメトリーヘッド場に、または最大テレメトリーヘッド場よりわずかに大きい値(例えば、1〜2mT超)に設定することができるが、それは、最大テレメトリーヘッド場より大きい制御モジュール130によって検出される場が、静MRI場であると想定されうるからである。しかし、テレメトリーヘッド場の強度は、テレメトリーヘッド磁石の間で変化し、したがって、いくつかの例では、閾値上限を最大テレメトリーヘッド場より少ししか大きくない(例えば、1〜2mTだけ大きい)値に設定したのでは、テレメトリーヘッド場を確実に無視するには十分でないことがある。したがって、テレメトリーヘッド磁石によって生成可能である場より実質的に(例えば、2倍)大きい閾値上限の選択を行うことで、結果として、単一の位置にある検出された磁場の大きさだけに基づき静MRI場のより確実な検出が可能になる。
【0061】
[0068]上で説明されているように、磁場発生源に関するIMD 106の位置に応じて、静MRI場の強度は、テレメトリーヘッド場の強度に類似しているものとしてよい。例えば、IMD 106が、永久磁石の強度に応じて、MRIボアから一定距離離れた位置、例えば、30.48〜60.96cm(1〜2フィート)程度離れた位置に配置される場合、静MRI場は、テレメトリーヘッド磁石122によって生成される場と類似する強度を有することができる(例えば、100mT以下)。制御モジュール130が、静MRI場およびテレメトリーヘッド場が等しくなる範囲内の大きさ(例えば、0〜100mT)を有する磁場を検出する例では、制御モジュール130は、単一の位置における検出された磁場の強度に基づき静MRI場をテレメトリーヘッド場から確実に区別することはできない。テレメトリーヘッド場または静MRI場のいずれかを示しうる磁場の強度を含む閾値上限と閾値下限との間の値の範囲は、図3に示されているように、「オーバーラップ領域」と称されうる。
【0062】
[0069]静MRI場およびテレメトリーヘッド場は、オーバーラップ領域内で類似の強度を有する場合があるけれども、静MRI場およびテレメトリーヘッド場の空間的勾配は、オーバーラップ領域内では互いに異なることがある。例えば、テレメトリーヘッド磁石122に近い位置(例えば、テレメトリーヘッド磁石122と同一の平面上にある)のところで、テレメトリーヘッド場の強度は、最大値(例えば、100mT)をとりうる。テレメトリーヘッド場の強度は、テレメトリーヘッド磁石122から距離が遠くなるにつれ最大値から0Tまで(例えば、指数関数的に)減少しうる。テレメトリーヘッド場内の2つの位置の間のテレメトリーヘッド場の強度の差は、テレメトリーヘッド場の空間的勾配と称されうる。別の例として、MRIボアに近い位置(例えば、MRIボア内の)のところで、静MRI場の強度は、最大値をとりうる。静MRI場の強度は、MRIボアからの距離が遠くなるにつれ0Tまで減少しうる。MRIボアの外側の与えられた距離では、静MRI場の強度は、上で説明されているように、テレメトリーヘッド磁石122によって可能な場に類似しているものとしてよい。しかし、MRIボアの外側の与えられた距離のところでは、MRI場の空間的勾配は、テレメトリーヘッド場の空間的勾配と異なることがある。
【0063】
[0070]静MRI場の空間的勾配は、静MRI場の強度がオーバーラップ領域内にある場合にテレメトリーヘッド場の空間的勾配より小さいものとしてよい。例えば、オーバーラップ領域では、2つの地点の間の静MRI場の強度の差は、同じ2つの地点の間のテレメトリーヘッド場によって示される強度の差より比較的小さい場合がある。追加の例として、2つの磁場センサーの間の分離距離のオーダーの距離だけ隔てられている、2つの与えられた地点に対して、静MRI場では、オーバーラップ領域内のテレメトリーヘッド場に比べて磁場の強度の変化が小さくなることがある。制御モジュール130は、2つの場の空間的勾配のこの違いに基づきオーバーラップ領域内の静MRI場とテレメトリーヘッド場とを区別することができる。したがって、制御モジュール130は、オーバーラップ領域内の測定された空間的勾配に基づき検出された磁場の発生源を識別することができる。
【0064】
[0071]制御モジュール130は、磁場センサー132によって測定された磁場の強度に基づきIMD 106が配置されている磁場の空間的勾配を判定することができる。例えば、制御モジュール130は、異なる位置にある2つの磁場センサー132によって測定されるような磁場の強度の差に基づき空間的勾配を決定することができる。
【0065】
[0072]一般に、テレメトリーヘッド場を示す空間的勾配値の範囲は、静MRI場を示す空間的勾配値の範囲より広い。制御モジュール130は、静MRI場を示す空間的勾配値の範囲およびテレメトリーヘッド場を示す空間的勾配値の範囲を確実に画定する空間的勾配閾値を含むことができる。例えば、空間的勾配閾値は、空間的勾配閾値より小さい測定された空間的勾配値が静MRI場を示すように選択されうるが、空間的勾配閾値より大きい空間的勾配値は、テレメトリーヘッド場を示す。制御モジュール130は、空間的勾配閾値を使用してオーバーラップ領域内の静MRI場とテレメトリーヘッド場とを区別することができる。空間的勾配閾値は、プログラマー118を使用していくつかの例においてユーザーによって設定される。
【0066】
[0073]制御モジュール130がオーバーラップ領域内で強度を有する磁場を検出した場合、制御モジュール130は、感知された磁場の空間的勾配を決定することができる。その後、制御モジュール130は、決定された空間的勾配を空間的勾配閾値と比較することができる。次いで、制御モジュール130は、決定された空間的勾配が空間的勾配閾値より大きい場合に検出された磁場の発生源をテレメトリーヘッド磁石122として識別することができる。次いで、制御モジュール130は、決定された空間的勾配が空間的勾配閾値より小さい場合に検出された磁場の発生源をMRI装置として識別することができる。
【0067】
[0074]図4は、本開示による磁場の発生源を識別するための例示的な方法を示す。最初に、制御モジュール130は、IMD 106が配置されている磁場の強度を決定することができる(200)。例えば、制御モジュール130は、磁場センサー132の1つまたは複数から受信した信号に基づき磁場の強度を決定することができる。一例では、制御モジュール130は、磁場センサー132の1つから受信した信号に基づき単一の位置における磁場の強度を決定することができる。別の例では、制御モジュール130は、複数の磁場センサー132から受信した信号に基づきIMD 106が配置されている磁場の強度を決定することができる。例えば、制御モジュール130は、検出された強度の平均を求めることができる。
【0068】
[0075]次いで、制御モジュール130は、ブロック(200)で決定された磁場の強度が閾値下限より大きいかどうかを判定することができる(202)。ブロック(200)で決定された磁場の強度が、閾値下限より小さい場合、制御モジュール130は、ブロック(200)で検出された磁場の強度が閾値下限より大きくなるまでIMD 106がブロック(200)内に配置される磁場の強度を測定し続けることができる。ブロック(200)で決定された磁場の強度が閾値下限より大きい場合、制御モジュール130は、磁場の強度が閾値上限より大きいかどうかを判定することができる(204)。
【0069】
[0076]磁場の強度が、閾値上限より大きい場合、制御モジュール130は、磁場を静MRI場と識別し(206)、制御モジュール130は、IMD 106を通常モードの動作からMRIモードでの動作に遷移させてMRIスキャンを行うようIMD 106を準備することができる(208)。磁場の強度が閾値上限より小さい、したがって閾値下限と閾値上限との間(つまり、オーバーラップ領域内)にある場合、制御モジュール130は、検出された磁場の空間的勾配を決定することができる(210)。制御モジュール130は、2つの磁場センサー132から受信した信号に基づきIMD 106が配置されている磁場の空間的勾配を決定することができる。一例では、ブロック(200)で感知された磁場の強度は、ブロック(210)の空間的勾配の計算で使用される磁場の強度の1つとして使用されうる。この例では、制御モジュール130は、ブロック(200)の場合と異なる位置で別の磁場の強度を決定し、その後、2つの磁場の強度に基づき空間的勾配を決定することができる(210)。
【0070】
[0077]次いで、制御モジュール130は、空間的勾配に基づき磁場の発生源を識別することができる(212)。制御モジュール130は、決定された空間的勾配が空間的勾配閾値より小さい値を有する場合に磁場の発生源をMRI装置として識別することができる。制御モジュール130は、決定された空間的勾配が空間的勾配閾値より大きい場合に磁場の発生源をテレメトリーヘッド磁石122として識別することができる。
【0071】
[0078]ブロック(212)で磁場の発生源を識別した後、制御モジュール130は、識別(214)に基づき適切な制御アクションを実行することができる。例えば、制御モジュール130は、制御モジュール130が磁場の発生源をMRI装置として識別したときにIMD 106を通常モードの動作からMRIモードの動作に遷移させることができ、制御モジュール130は、制御モジュール130が磁場の発生源をエントリーヘッド磁石122として識別したときにIMD 106を通常モードの動作からテレメトリーヘッドモードの動作に遷移させてテレメトリーヘッド120との通信を行う準備をすることができる。
【0072】
[0079]図5および6は、IMD 106の例示的な制御モジュールを示すブロック図である。制御モジュール130は、処理モジュール140、メモリ142、信号発生器モジュール144、電気的感知モジュール146、通信モジュール148、および場弁別モジュール150を備える。
【0073】
[0080]処理モジュール140は、メモリ142と通信することができる。メモリ142には、処理モジュール140によって実行されたときに、処理モジュール140に、本発明の処理モジュール140に属すさまざまな機能を実行させるコンピュータ可読命令を格納することができる。メモリ142としては、RAM、ROM、NVRAM、EEPROM、フラッシュメモリ、または他のデジタル媒体などの、揮発性、不揮発性、磁気的、または電気的媒体が挙げられる。
【0074】
[0081]処理モジュール140は、信号発生器モジュール144および電気的感知モジュール146と通信することができる。信号発生器モジュール144および電気的感知モジュール146は、リード108、110、112の電極に電気的に結合される。電気的感知モジュール146は、心臓102の脱分極および再分極などの、心臓102の電気的活動を監視するためにリード108、110、112の電極からの信号を監視するように構成される。処理モジュール140は、電気的感知モジュール140から受け取った信号に基づき心臓活動を検出することができる。いくつかの例では、処理モジュール140は、例えば、好適な頻脈性不整脈検出アルゴリズムを使用して、電気的感知モジュール146から受け取った信号に基づき頻脈性不整脈を検出することができる。
【0075】
[0082]処理モジュール140は、検出された心臓活動に基づきEGM波形を発生することができる。処理モジュール140は、検出された心臓活動に基づきマーカーチャネルデータを生成することもできる。例えば、マーカーチャネルデータは、感知の発生およびタイミング、診断、およびIMD 106に関連付けられている治療イベントを指示するデータを含みうる。それに加えて、マーカーチャネルデータは、IMD 106、またはリード108、110、112または電源126などの、診断システム100の他のコンポーネントの性能もしくは完全性に関する情報を含むことができる。処理モジュール140は、EGM波形およびマーカーチャネルデータをメモリ142に格納することができる。処理モジュール140は、後で、例えば、通信モジュール148を介してプログラマー118から要求を受けた後、メモリ142から格納されているEGMを取り出すことができる。
【0076】
[0083]信号発生器モジュール144は、電気的刺激を発生し、電気刺激療法を心臓102に施すように構成される。処理モジュール140は、メモリ142に格納されうる、1つまたは複数の治療プログラムに従って、電気刺激療法を心臓102に施すように信号発生器モジュール144を制御することができる。例えば、処理モジュール140は、1つまたは複数の治療プログラムおよび電気的感知モジュール146から受信した信号に基づきペーシングパルスを心臓102に施すように信号発生器モジュール144を制御することができる。
【0077】
[0084]信号発生器モジュール144は、電気的除細動および除細動ショックを発生して、心臓102に施すように構成されうる。処理モジュール140は、心臓除細動および除細動パルスを心臓102に印加するように信号発生器モジュール144を制御することができる。例えば、処理モジュール140が、心房または心室頻脈を検出した場合、処理モジュール140は、メモリ142から抗頻脈性不整脈ペーシング治療法をロードし、抗頻脈性不整脈ペーシング治療法を実装するように信号発生器モジュール144を制御することができる。信号発生器モジュール144は、信号発生器モジュール144が除細動パルスを発生して心臓102に施すように構成されている場合に、高電圧充電回路および高電圧出力回路を備えることができる。
【0078】
[0085]通信モジュール148は、例えば、ワイヤレステレメトリーによって、プログラマー118および/または患者モニターなどの、別のデバイスと通信するために好適なハードウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせを備える。処理モジュール140の制御下で、通信モジュール148は、IMD 106のアンテナ(図示せず)の助けを借りて、プログラマー118および/または患者モニターからダウンリンクテレメトリーを受信し、プログラマー118および/または患者モニターにアップリンクテレメトリーを送信することができる。処理モジュール140は、プログラマー118にアップリンクされるデータおよび通信モジュール148内のテレメトリー回路用の制御信号を、例えば、アドレス/データバスを介して、供給することができる。
【0079】
[0086]いくつかの例では、IMD 106は、磁場センサー132以外のセンサー(例えば、追加のセンサー134)を備えることができ、これと処理モジュール140とが通信することができる。例えば、追加のセンサー134は、モーションセンサー(例えば、加速度計もしくは圧電素子)、心音センサー、または心臓内もしくは心臓血管内圧力を感知する圧力センサー(例えば、容量センサー)を備えることができる。図2AにはPCB 128に接続されているように示されているけれども、追加のセンサー134は、診断システム100内のさまざまな位置に位置決めすることができる。例えば、追加のセンサー134は、筐体114内に配置されるか、筐体114の外部に配置されるか、リード108、110、112の1つまたは複数に取り付けられるか、または通信モジュール148を介して制御モジュール130にワイヤレス方式で結合されうる。
【0080】
[0087]場弁別モジュール150は、磁場センサー132および処理モジュール140と通信する。場弁別モジュール150は、磁場センサー132とインターフェースする回路を備えることができる。例えば、場弁別モジュール150は、電力を磁場センサー132に供給する回路を備え、また増幅回路、フィルタ回路、および/または磁場センサー132から受信した信号を処理する他の信号処理回路も備えるものとしてよい。いくつかの例において、場弁別モジュール150は、処理された信号を2値化し、2値化された信号を処理モジュール140に伝達する回路も備えることができる。
【0081】
[0088]場弁別モジュール150は、磁場センサー132から信号を受信し、磁場センサー132の位置の磁場の強度および方向を決定する。場弁別モジュール150は、磁場センサー132から受信した信号に基づき、検出された磁場の発生源をMRI装置またはテレメトリーヘッド磁石122のいずれかとして識別することができる。その後、場弁別モジュール150は、検出された磁場の発生源を処理モジュール140に指示することができる。磁場センサー132によって感知される磁場がない例では、場弁別モジュール150は、処理モジュール140に対して、感知される磁場がないことを指示することができる。
【0082】
[0089]処理モジュール140は、場弁別モジュール150によって指示される磁場の発生源に応じて、IMD 106を通常モードの動作からテレメトリーヘッドモードまたはMRIモードのうちの一方のモードの動作に遷移させることができる。処理モジュール140は、検出される磁場がない間、通常モードで動作しうる。通常モードで動作している間に、処理モジュール140は、テレメトリーヘッド120との通信の準備またはMRIスキャナーに入るためのIMD 106の準備なしで、典型的な感知、ペーシング、および除細動機能を実行することができる。しかし、処理モジュール140の動作は、IMD 106を通常モードの動作からテレメトリーヘッドモードまたはMRIモードのいずれかの動作に遷移させたときに変化しうる。
【0083】
[0090]処理モジュール140は、磁場の発生源がエントリーヘッド磁石122であるという場弁別モジュール150からの指示に応答してIMD 106を通常モードの動作からテレメトリーヘッドモードの動作に遷移させることができる。テレメトリーヘッドモードに入っている間に、処理モジュール140は、テレメトリーヘッドと通信して、例えば、テレメトリーヘッド120からデータをダウンロードし、テレメトリーヘッド120にデータをアップロードするように通信モジュール148を制御することができる。
【0084】
[0091]処理モジュール140は、磁場の発生源がMRI装置であるという場弁別モジュール150からの指示に応答してIMD 106を通常モードの動作からMRIモードの動作に遷移させることができる。MRIモードに入っている間に、処理モジュール140は、MRIスキャンに曝すためにIMD 106を準備するコマンドを実行することができる。例えば、処理モジュール140は、通信モジュール148を介して、MRI場が検出されたこと、およびMRIスキャン中にIMD 106が動作するように構成されていることをオペレータに通知することができる。いくつかの例では、処理モジュール140は、ペーシングが設定されたタイミング、つまり、固定された所定のタイミングに応じて行われる非同期モードで動作するように信号発生器モジュール144を制御することができ、また感知された心臓PまたはR波などの電気的感知モジュール146によって感知されたイベントに反応しないものとしてよい。信号発生器モジュール144が、除細動器機能を備えていない場合、処理モジュール140は、リード108、110、112内に誘発される電気的雑音が頻脈イベントとして誤って解釈されないようにMRIモードでの頻脈検出および除細動を無効化することができる。処理モジュール140は、EGM波形をメモリ142内に格納する動作を中断することができ、また勾配およびRF場がEGM波形を壊すことがあるため診断機能を無効化することもできる。いくつかの例では、処理モジュール140は、センサー134(例えば、圧力もしくは加速度センサー)、異なる感知回路、または異なる感知アルゴリズムを使用して、患者の心臓活動を検出することができる。他の例では、処理モジュール140は、MRI場によって誘発される信号を取り除く命令を電気的間感知モジュール146に送ることができる。処理モジュール140は、MRIスキャン時にIMD 106の適切な動作を確実に行わせるために本明細書では説明されていない追加設定に従って電気的感知モジュール146および信号発生器モジュール144を制御することができる。
【0085】
[0092]場弁別モジュール150は、検出された磁場を識別するために使用されるプログラム可能な設定を備えることができる。上で説明されているように、設定は、閾値下限、閾値上限、および空間勾配閾値を含むものとしてよい。いくつかの例において、ユーザーは、閾値下限、閾値上限、および空間勾配閾値をプログラムすることができる。これらの例では、ユーザーは、閾値下限、閾値上限、および空間的勾配閾値をプログラマー118に入力することができ、次いでプログラマー118は、通信モジュール148を介して、閾値下限、閾値上限、および空間的勾配閾値を処理モジュール140に転送することはできる。その後、処理モジュール140は、閾値下限、閾値上限、および空間的勾配閾値を場弁別モジュール150に転送し、場弁別モジュール150は検出された磁場を識別する際にこれらの値を使用することができる。それに加えて、いくつかの例において、ユーザーは、プログラマー118を使用して現在の閾値下限、閾値上限、および空間勾配閾値を問い合わせることができる。場弁別モジュール150のさらに詳しい説明は、図6の機能ブロック図および図7の方法を参照しつつ提示される。
【0086】
[0093]いくつかの例では、場弁別モジュール150は、MRI場検出機能を有効化および無効化するための設定を備えることができる。例えば、有効化された場合、場弁別モジュール150は、検出された磁場の発生源をMRI装置またはテレメトリーヘッド磁石120として識別することができる。MRI場検出機能が無効化されている場合、場弁別モジュール150は、検出された磁場の発生源をMRI装置として識別せず、その代わりに、検出された磁場をテレメトリーヘッド磁石122から発せられたものとして解釈することができる。MRI場検出機能を有効化および無効化するための設定は、プログラマー118を使用して場弁別モジュール150にプログラムされうる。MRI場検出機能を有効化および無効化するための設定は、例えば、プログラマー118を使用して、ユーザーが問い合わせることもできる。
【0087】
[0094]いくつかの例において、処理モジュール140は、通信モジュール148を介して、外部コンピューティングデバイスに対して、静MRI場が検出されたときにそのことを指示するように構成されうる。例えば、外部コンピューティングデバイスは、プログラマー118、またはMRI装置が配置される撮像室内の他のコンピューティングデバイスを含みうる。静MRI場を検出した後、処理モジュール140は、通信モジュール148を介して、外部コンピューティングデバイスに対して、患者が静MRI場を検出することができるIMDを有すること、および/または静MRI場が検出されることを指示することができる。次いで、外部コンピューティングデバイスは、IMD 106がMRI装置を検出して、MRIスキャンを行う準備ができていることを示すインジケータを、例えばディスプレイ上に表示して医師に知らせることができる。
【0088】
[0095]さらなる例として、静MRI場を検出した後、処理モジュール140は、通信モジュール148を介して、外部コンピューティングデバイスに対して、静MRI場が検出されたことを指示することができる。次いで、外部コンピューティングデバイスは、通信モジュール148受信した指示に応答してIMD 106に肯定応答を送信することができる。肯定応答の受信に応答して、プロセッサ140は、MRIモードでIMD 106を動作させることができる。
【0089】
[0096]図6は、例示的な場弁別モジュール150を示す機能ブロック図を示している。場弁別モジュール150は、磁場センサー132から信号を受信する場測定モジュール152を備える。場測定モジュール152は、第1の磁場センサー132−1から信号を受信し、第1の磁場センサー132−1の位置の磁場の強度および方向を決定する。場測定モジュール152は、第2の磁場センサー132−2から信号を受信し、第2の磁場センサー132−2の位置の磁場の強度および方向を決定する。場測定モジュール152は、第3の磁場センサー132−3から信号を受信し、第3の磁場センサー132−3の位置の磁場の強度および方向を決定する。
【0090】
[0097]強度比較モジュール154は、第1の磁場センサー132−1の位置における磁場の強度を閾値下限および上限と比較する。場測定モジュール152によって測定される磁場がない場合、または閾値下限より低い強度を有する磁場が測定される場合、強度比較モジュール154は、処理モジュール140に対して、検出される磁場がないことを指示する。次いで、処理モジュール140は、この指示に応答して通常モードでIMD 106を制御することができる。
【0091】
[0098]場測定モジュール152が閾値上限より高い強度を有する磁場を測定する場合、強度比較モジュール154は、処理モジュール140に対して、静MRI場が検出されることを指示する。次いで、処理モジュール140は、IMD 106をMRIモードの動作に遷移させることができる。場測定モジュール152が閾値下限と閾値上限との間の強度を有する磁場を測定する場合、強度比較モジュール154は、検出された磁場はオーバーラップ領域内にあると判定する。強度比較モジュール154は、空間的勾配モジュール156に対して、検出された磁場がオーバーラップ領域内に収まる強度を有するときにそのことを指示する。
【0092】
[0099]強度比較モジュール154は、単一のセンサー(例えば、第1の磁場センサー132−1)からの測定結果に基づき検出された磁場の強度を判定するように上では説明されているけれども、他の例では、強度比較モジュール154は、複数のセンサーからの測定結果、例えば、多数の磁場センサー132から受信した信号に基づき決定された平均磁場測定結果に基づき検出された磁場の強度を決定することができる。
【0093】
[0100]空間的勾配モジュール156は、場測定モジュール152によって測定された磁場の強度がオーバーラップ領域内にあるときに場測定モジュール152によって測定された磁場の発生源を決定する。空間的勾配モジュール156は、測定モジュール152によって行われた測定の結果に基づき第1の磁場センサー132−1の位置にある検出された磁場の強度を決定することができる。空間的勾配モジュール156は、異なる位置で磁場センサー132の場測定モジュール152によって行われた測定の結果に基づき第1の磁場センサー132−1の位置と異なる位置にある検出された磁場の強度を決定することができる。例えば、空間的勾配モジュール156は、第2の磁場センサー132−2によって感知されるような磁場の強度に基づき空間的勾配を決定することができる。一般に、空間的勾配モジュール156は、2つの位置、例えば、第1の磁場センサー132−1の位置(つまり、第1の位置)と磁場センサー132の別の1つのセンサーの位置(つまり、第2の位置)の検出された磁場の測定結果に基づき検出された磁場の空間的勾配を決定することができる。
【0094】
[0101]空間的勾配156は、空間的勾配閾値を含みうる。空間的勾配モジュール156は、決定された空間的勾配を空間的勾配閾値と比較することができる。決定された空間的勾配が、空間的勾配閾値より大きい場合に、空間的勾配モジュール156は、処理モジュール140に対して、テレメトリーヘッド装置が検出されたことを指示し、それに応答して、処理モジュール140は、テレメトリーヘッドモードでIMD 106を制御することができる。決定された空間的勾配が、空間的勾配閾値より小さい場合に、空間的勾配モジュール156は、MRI装置が検出されたことを指示し、それに応答して、処理モジュール140は、MRIモードでIMD 106を制御することができる。他の場合には、処理モジュール140は、通常モードでIMD 106を制御することができる。
【0095】
[0102]図7は、制御モジュール130によって実装されうる静MRI場とテレメトリーヘッド場とを区別するための例示的な方法を示す。最初に、場測定モジュール152は、磁場センサー132のうちの第1のセンサーから受信した信号に基づき第1の位置における磁場の強度を決定することができる(300)。次いで、強度比較モジュール154は、ブロック(300)で決定されたような、測定された磁場の強度を閾値下限と比較することができる(302)。測定された磁場の強度が閾値下限より小さい場合、場測定モジュール152は、ブロック(300)で磁場センサーのうちの第1のセンサーをポーリングし続け、強度比較モジュール154は、処理モジュール140に対して、検出される磁場がないことを指示することができる。測定された磁場の強度が閾値下限以上である場合、強度比較モジュール154は、測定された磁場を閾値上限と比較することができる(304)。測定された磁場の強度が閾値上限以上である場合、強度比較モジュール154は、静MRI場を検出し(306)(つまり、磁場の発生源をMRI装置として識別し)、処理モジュール140に対して、静MRI場が検出されたことを指示することができる。次いで、処理モジュール140は、MRIモードでIMD 106を制御することができる(308)。
【0096】
[0103]測定された磁場の強度が閾値上限より小さい場合、強度比較モジュール154は、空間的勾配モジュール156に対して、測定された磁場の強度がオーバーラップ領域内にあることを指示することができる。次いで、空間的勾配モジュール156は、磁場センサー132のうちの第2のセンサーからの場測定モジュール152によってなされた測定の結果に基づき第2の位置における磁場の強度を決定することができる(310)。次いで、空間的勾配モジュール156は、第1の位置および第2の位置における検出された磁場の強度に基づき検出された磁場の空間的勾配を決定することができる(312)。
【0097】
[0104]空間的勾配モジュール156は、空間的勾配が空間的勾配閾値より低いかどうかを判定する(314)。空間的勾配モジュール156が、空間的勾配が空間的勾配閾値より小さいと判定した場合、空間的勾配モジュール156は、検出された磁場が静MRI場であると判定し(306)、処理モジュール140に対して、静MRI場が検出されたことを指示することができる(306)。空間的勾配モジュール156が、空間的勾配が空間的勾配閾値以上であると判定した場合、空間的勾配モジュール156は、検出された磁場がテレメトリーヘッド場であると判定し、処理モジュール140に対して、テレメトリーヘッド場が検出されたことを指示することができる(316)。次いで、処理モジュール140は、テレメトリーヘッドモードでIMD 106を制御することができる(318)。
【0098】
[0105]本開示のIMD 106に含まれる複数の磁場センサー132は、テレメトリーヘッド磁石122を検出するために典型的に使用される単一のセンサーより多くの電力を消費しうる。例えば、複数のホール効果センサーは、単一のホール効果センサーに比べて、動作時により多くのバイアス電流を消費しうる。それに加えて、制御モジュール130は、複数の磁場の強度を決定する際に数学的計算が大量に行われるので処理電力を多く消費しうる。したがって、制御モジュール130は、複数の磁場センサー132からの信号を処理するときに節電戦略をとることができる。節電戦略は、閾値下限より強い磁場が検出されるまで複数の磁場センサー132のうちの単一のセンサーに給電するというものであってよい。次いで、磁場の最初の検出後に、制御モジュール130は、残りの磁場センサーに給電し、残りの磁場センサーからの信号を処理し、空間的勾配を決定し、その空間的勾配に基づき磁場の発生源を識別することができる。
【0099】
[0106]図8は、本開示の節電戦略を示す流れ図である。図8の方法において、場測定モジュール152は、磁場センサー132のうちの単一のセンサーに電力を供給し、単一のセンサーから信号を受信することができる。例えば、場測定モジュール152は、電力を第1の磁場センサー132−1に定期的に、または連続的に供給し、第1の磁場センサー132−1から信号を受信し、第1の磁場センサー132−1の位置で磁場の強度を測定することができる(400)。磁場を最初に測定するために定期的に、または連続的に使用されるこのセンサーは、「一次センサー132−1」と称することができる。したがって、場測定モジュール152は、電力を一次センサー132−1に定期的に、または連続的に供給し、一次センサー132−1の位置の磁場の強度を決定することができる。
【0100】
[0107]次いで、強度比較モジュール154は、測定された磁場の強度を閾値下限と比較することができる(402)。測定された磁場の強度が閾値下限より小さい場合、場測定モジュール152は、一次センサー132−1からの読み取りを続け、強度比較モジュール154は、処理モジュール154に対して、検出される磁場がないことを指示することができる。測定された磁場の強度が閾値下限より大きい場合、強度比較モジュール154は、測定された磁場を閾値上限と比較することができる(404)。測定された磁場の強度が閾値上限以上である場合、強度比較モジュール154は、静MRI場を検出し(406)、処理モジュールに対して、静MRI場が検出されたことを指示することができ、これにより処理モジュール140はMRIモードでIMD 106を制御することができる(408)。
【0101】
[0108]検出された磁場の強度が閾値上限より小さい場合、強度比較モジュール154は、空間的勾配モジュール156に対して、測定された磁場の強度がオーバーラップ領域内にあることを指示することができる。それに加えて、場測定モジュール154は、1つまたは複数の追加のセンサーを有効化することができる(410)。特に、場測定モジュール154は、電力を追加の磁場センサー(例えば、一次センサー132−1とは別のセンサー)に供給し、追加の磁場センサーから信号を受信し、追加の磁場センサーの位置で磁場の強度を決定することができる(412)。
【0102】
[0109]次いで、空間的勾配モジュール156は、一次センサー132−1の位置(一次位置)および追加の磁場センサーの位置(つまり、追加の位置)における磁場の強度に基づき感知された磁場の空間的勾配を決定することができる(414)。次いで、空間的勾配モジュール156は、図7のブロック(314)と同様にして、ブロック(416)で検出された磁場の発生源を識別する。ブロック(416)の結果に応じて、モジュール140は、ブロック(418)〜(420)ではテレメトリーヘッドモードで、またはブロック(406)〜(308)ではMRIモードでIMD 106を制御することができる。特に、ブロック(420)では、処理モジュール140は、テレメトリーヘッド122と通信して、例えば、テレメトリーヘッド122からデータをダウンロードし、テレメトリーヘッド122にデータをアップロードするように通信モジュール148を制御することができる。ブロック(408)において、処理モジュール140は、MRIスキャンに曝すためにIMD 106を準備するコマンドを実行することができる。
【0103】
[0110]いくつかの例では、システムは、IMD、第1の磁場センサー、第2の磁場センサー、および制御モジュールを備える。第1の磁場センサーは、IMDに接続され、第1の位置で磁場の第1の強度を測定するように構成される。第2の磁場センサーは、IMDに接続され、第2の位置で磁場の第2の強度を測定するように構成される。制御モジュールは、第1の強度および第2の強度に基づき磁場の発生源を識別するように構成される。
【0104】
[0111]いくつかの例では、制御モジュールは、磁場の識別された発生源に基づきIMDの動作モードを制御する。動作モードは、テレメトリーヘッドモードおよび磁気共鳴映像モードのうちの一方を含む。
【0105】
[0112]いくつかの例では、IMDは筐体を備え、制御モジュールはこの筐体に入れられ、第1の磁場センサーおよび第2の磁場センサーのうちの少なくとも一方は、筐体内に配置される。
【0106】
[0113]いくつかの例では、IMDは、筐体を備え、制御モジュールはこの筐体に入れられ、第1の磁場センサーおよび第2の磁場センサーのうちの少なくとも一方は、筐体の外部に配置される。
【0107】
[0114]いくつかの例では、IMDは、リードを備え、第1の磁場センサーおよび第2の磁場センサーのうちの少なくとも一方は、リードに接続される。
[0115]いくつかの例では、システムは、外部コンピューティングデバイスをさらに備え、制御モジュールは、外部コンピューティングデバイスとワイヤレス方式で通信するように構成され、制御モジュールは、外部コンピューティングデバイスに磁場の発生源を指示するように構成される。
【0108】
[0116]いくつかの例では、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム可能なプロセッサに植え込み型装置内の第1の位置における磁場の第1の強度を測定するステップと、植え込み型装置内の第2の位置における磁場の第2の強度を測定するステップと、第1の強度および第2の強度に基づき磁場の発生源を識別するステップとを実行させる命令を格納する。
【0109】
[0117]いくつかの例では、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム可能なプロセッサに第1の強度と第2の強度との差を決定するステップと、この差を空間的勾配閾値と比較するステップと、差が空間的勾配閾値より小さい場合に磁場の発生源を磁気共鳴映像装置の一次磁石であるとして識別するステップと、差が空間的勾配閾値より大きい場合に磁場の発生源を携帯型磁気装置であるとして識別するステップとを実行させる命令をさらに格納する。
【0110】
[0118]いくつかの例では、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム可能なプロセッサに第1の強度および第2の強度に基づき磁場の発生源を、MRI装置の一次磁石および携帯型磁気装置のうちの一方として識別するステップを実行させる命令をさらに格納する。
【0111】
[0119]いくつかの例では、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム可能なプロセッサに磁場の発生源をMRI装置の一次磁石として識別することに応答してMRIスキャン中にMRI動作モードで動作するステップを実行させる命令をさらに格納する。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8