(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のインバータ/コンバータ(56)を前記第2のインバータ/コンバータ(60)に電気的に接続するDCリンク(58)をさらに備える請求項1に記載の定周波数始動装置/発電機(55)。
前記第2のコントローラ(92)が、前記第2のインバータ/コンバータ(60)、励磁機インバータ(40)、DCリンク(58)、または第1のコントローラ(90)のうちの少なくとも1つと双方向の通信を行う請求項1または2に記載の定周波数始動装置/発電機(55)。
前記第1のコントローラ(90)が、前記第1のインバータ/コンバータ(56)と双方向の通信を行う請求項1から3のいずれかに記載の定周波数始動装置/発電機(55)。
前記第1または第2のインバータ/コンバータ(56、60)の少なくとも一方が、半導体インバータ/コンバータをさらに備える請求項1から4のいずれかに記載の定周波数始動装置/発電機(55)。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施形態は、例えば同期機または主機(main machine)を使用する任意の環境において実施可能であるが、その具体的な例が、始動装置/発電機(S/G)である。S/Gは、現時点において、ジェットエンジン環境に組み込まれるものと想定される。想定される環境の概要および典型的な始動方法が、より完全な理解に役立つはずである。
図1が、ガスタービン航空機エンジンに取り付けられる電気機械アセンブリ10を示している。ガスタービンエンジンは、現代の商用および軍用の航空機において広く使用されているGeneral Electric社のGEnxまたはCF6という一連のエンジンなどのターボファンエンジンであってよく、あるいはターボプロップまたはターボシャフトなどの種々の他の公知のガスタービンエンジンであってよい。ガスタービンエンジンは、排出されるガスの速度を高めることによって推力を増加させるために、低圧タービンの領域の下流で追加の燃料を燃焼させるアフタバーナをさらに有することができる。
【0007】
電気機械アセンブリ10は、励磁機回転子14および励磁機固定子16を有する第1の機械12と、主機回転子20および主機固定子22を有する同期の第2の機械18とを備える。少なくとも1つの電力接続部が、電気機械アセンブリ10への電力の伝達および電気機械アセンブリ10からの電力の伝達をもたらすために、電気機械アセンブリ10の外側に設けられる。電力が、電力ケーブル30として示されているこの電力接続部によって、電気負荷に直接的または間接的に伝えられ、電気機械アセンブリ10からの接地基準出力を有する3相をもたらすことができる。
【0008】
さらに、電気機械アセンブリ10は、共通の軸34を中心にしてガスタービンエンジン(図示されていない)であってよい軸回転の供給源に機械的に接続された回転シャフト32を備える。回転シャフト32は、間隔を空けて位置したベアリング36によって支持されている。励磁機回転子14および主機回転子20は、回転シャフト32に取り付けられ、電気機械アセンブリ10内に回転に関して固定された固定子16、22に対して回転する。固定子16、22を、電気機械アセンブリ10のハウジング部分の任意の適切な部位に取り付けることができる。電気機械アセンブリ10は、回転シャフト32を例えばガスタービンエンジン(図示されていない)に接続する機械的なシャフト37(四角形で概念的に図示されている)をさらに備えることができる。機械的なシャフト37は、回転シャフト32の回転によって生み出される機械的な力が、ガスタービンエンジンに回転をもたらすために機械的なシャフト37を介して伝達されるように構成されている。
【0009】
図示の実施形態においては、第2の機械18が、電気機械アセンブリ10の後部に位置し、第1の機械12が、電気機械アセンブリ10の前部に位置する。第1の機械12および第2の機械18について、他の位置も考えられる。
【0010】
次に、
図2に眼を向けると、電気機械アセンブリ10は、励磁機固定子16に出力リード44によって接続された外部の励磁機インバータ40をさらに備え、励磁機インバータ40は、図式的に、制御回路50の内側に位置することができる。図示のとおり、励磁機固定子16は、3相の励磁をもたらすための3つのリードL7、L8、L9を備えている。励磁機インバータ40は、励磁機固定子16の3つのリードL7、L8、L9の各々に励起をもたらすための3相のAC電力を供給する。励磁機固定子16が3つのリードL7、L8、L9を有するものとして示されているが、励磁機固定子16がリードを1つだけ有することができ、あるいは任意の数の複数のリードを有することができるなど、別の構成も考えられる。これに対応して、励磁機インバータ40は、構成されたリードの各々にただ1つまたは複数の相のAC電力を供給することができる。
【0011】
励磁機回転子14が、図示のとおり、ダイオード主体の回転整流器として示されている整流器46に供給される3相の出力をリードL1、L2、L3によってもたらすように構成された巻線を備えている。さらに整流器46が、主機回転子20への共通の供給配線48に供給を行う。
【0012】
主機固定子22は、制御回路50につながるように構成されたリードL4、L5、L6を有しており、主機固定子22を、航空機の一定の周波数の補助電源ユニット(APU)52および配電ノード54などの外部の交流(AC)電源に接続することができる。別の動作中のタービンエンジンまたは他の電気機械10の出力、一般的な3相の商用電源、地上の電源車、あるいは必要な3相電力を生み出すためのインバータに組み合わせられた電池などの直流(DC)電源など、別の一定の周波数の外部電源も考えられる。
【0013】
図3が、本発明の一実施形態による定周波数始動装置/発電機55を示している。図示のとおり、始動制御回路は、第1のインバータ/コンバータ56と、第2のインバータ/コンバータ60と、DCリンク58とを備えている。第1のインバータ/コンバータ56は、第1の定周波数のAC入力62と、第1の定周波数のAC出力64と、第1のDC入力66と、第1のDC出力68とを備えている。第2のインバータ/コンバータは、第2のAC入力70と、第2のAC出力72と、第2のDC入力74と、第2のDC出力76とを備えている。
【0014】
DCリンク58は、第1および第2のインバータ/コンバータ56、60の間を延び、第1のDC出力68を第2のDC入力74に電気的に接続するとともに、第2のDC出力76を第1のDC入力66に電気的に接続する伝送線などの導電性材料を備えることができる。DCリンク58は、励磁機インバータ40にも電気的に接続される。さらに、DCリンク58が、
図3の概略図に示されているよりもはるかに長い伝送長に及んでもよく、例えば航空機の全長に及んでよいことに、注意すべきである。
【0015】
制御回路50は、随意による出力フィルタ78と、電子スイッチ80とをさらに備えて図示されており、ここで出力フィルタ78は、例えば低域通過フィルタを備え、第1のAC入力62および第1のAC出力64に接続される。出力フィルタ78を電子スイッチ80に電気的に接続することもできる。電子スイッチ80が、第1および第2の位置を有するものとして示されており、電子スイッチ80が第1の位置にあるとき、出力フィルタ78がAPU52に電気的に接続され、かつ配電ノード54からは電気的に切り離され、電子スイッチ80が第2の位置にあるとき、出力フィルタ78が配電ノード54に電気的に接続され、かつAPU52からは電気的に切り離される。
【0016】
随意による出力フィルタ78を有さない実施形態においては、電子スイッチ80を、電子スイッチ80が第1の位置にあるときに、第1のAC入力62がAPU52に電気的に接続され、第1のAC出力64が配電ノード54から電気的に切り離され、電子スイッチ80が第2の位置にあるときに、第1のAC出力64が配電ノード54に電気的に接続され、第1のAC入力62がAPU52から電気的に切り離されるように、第1のインバータ/コンバータ56に直接接続することができる。
【0017】
さらに、制御回路50は、第2のAC入力70に接続された主機AC出力86と、第2のAC出力72に接続された主機AC入力88とを有して示されている。第2のインバータ/コンバータ60が、定周波数始動装置/発電機55が始動モードにあるとき、主機AC出力86を第2のAC入力70から選択的に切り離すとともに、主機AC入力88を第2のAC出力72に選択的に接続し、定周波数始動装置/発電機55が発電モードにあるとき、主機AC入力88を第2のAC出力72から選択的に切り離すとともに、主機AC出力86を第2のAC入力70に選択的に接続するように構成されている。この図においては、主機AC入力88および主機AC出力86の両方を、主機固定子22の巻線(図示されていない)に電気的に接続することができる。
【0018】
制御回路50は、定周波数始動装置/発電機55の動作を制御するための第1のコントローラ90および第2のコントローラ92として示されている少なくとも1つのコントローラをさらに備える。第1のコントローラ90は、通信回線(点線として示されている)を介して第1のインバータ/コンバータ56および電子スイッチ80に接続され、双方向の通信を行う。第2のコントローラ92は、第1のコントローラ90、第2のインバータ/コンバータ60、および励磁機インバータ40の各々に接続されて示されており、第1のコントローラ90、第2のインバータ/コンバータ60、および励磁機インバータ40の各々と双方向に通信する。
【0019】
インバータ/コンバータ56、60の各々は、第1および第2のそれぞれのAC入力62、70を第1および第2のそれぞれのDC出力68、76に能動的に整流するように構成されている。インバータ/コンバータ56、60の一例は、3相4線インバータ/コンバータなどの中性線を有する3相インバータ/コンバータ、または中性線を持たない3相インバータ/コンバータであってよい。各々のインバータ/コンバータ56、60を、ACからDCへの変換によって類似のDC出力68、76の電圧(例えば、28VDCまたは270VDC)が生み出されるように構成することができる。
【0020】
同様に、各々のインバータ/コンバータ56、60は、第1および第2のそれぞれのDC入力66、74を第1および第2のそれぞれのAC出力64、72に変換するように構成される。各々のインバータ/コンバータ56、60を、各々のAC出力64、72が電圧または周波数において異なってもよいように、非類似のDC−AC変換を可能にするように構成してもよいと考えられる。さらに、第1のインバータ/コンバータ56を、第1のDC入力66を第1の定周波数のAC出力64(400Hzの3相電力など)に変換するように構成できる一方で、第2のインバータ/コンバータ60を、1つ以上の相を有してよい可変の第2のAC出力72をもたらすように構成することができる。第1および第2のインバータ/コンバータ56、60を、より小さくて軽量なフォームファクタで大きな電力を取り扱うことができるがゆえに、炭化ケイ素(SiC)またはチッ化ガリウム(GaN)などの半導体インバータ/コンバータ材料から構成することができる。第1および第2のインバータ/コンバータ56、60について、他の組成または構成も考えられる。
【0021】
複数のAC入力、出力、および接続62、64、70、72、86、88について、ただ1つの接続だけしか図示されていないが、多相の信号の各相に対応するように、複数の導体または配線が存在できると考えられる。例えば、第1のAC入力62が、3相の電力で構成されてよく、したがって3つの導体(図ではただ1つの接続によって表される)を有してもよいと考えられる。同様に、電子スイッチ80を、複数のAC電力相への切り換えおよび複数のAC電力相からの切り換えを行うように構成できることを、理解すべきである。
【0022】
電気機械アセンブリ10は、本発明の方法にしたがって、始動モードおよび発電モードという2つの別個のモードで動作し、始動モードは、回転シャフト32に始動のトルクおよび加速度をもたらすように動作し、発電モードは、定常状態の自給自足によって動作し、AC電力を生成する。
【0023】
始動モードの開始時に、回転シャフト32は回転しておらず、電子スイッチ80は第1の位置にある。この状態から、APU52から入力されるAC電力が電子スイッチ80に供給され、電子スイッチ80を通って電力が出力フィルタ78に渡される。出力フィルタ78は、APU52の電気的特性にもとづき、APU52からのAC電力について何らかのフィルタ処理を実行しても、実行しなくてもよい。例えば、出力フィルタ78は、APU52からのAC電力についてはいかなるフィルタ処理動作も行わなくてよいが、別のエンジンからのAC電力など、別の電源についてはフィルタ処理動作を実行することができる。
【0024】
次に、AC電力が、出力フィルタ78から第1のインバータ/コンバータ56の第1のAC入力62にもたらされる。第1のインバータ/コンバータが、AC電力を28VDCまたは270VDCなどの所定のDC電力に変換し、このDC電力を第1のDC出力68を介してDCリンク58にもたらす。DCリンク58が、DC電力を第2のインバータ/コンバータ60の第2のDC入力74に伝える。また、DCリンク58は、励磁機インバータ40にもDC電力を供給する。あるいは、DCリンク58は、この時点では励磁機インバータ40にDC電力を供給しなくてもよい。第2のインバータ/コンバータ60が、DC電力を適切なAC電力に変換し、この適切なAC電力を第2のAC出力72に供給する。
【0025】
この適切なAC電力が、第2のAC出力72から電気機械アセンブリ10の主機AC入力88に伝えられる。AC電力が、例えば主機固定子22の巻線に駆動されて、主機固定子22内に回転磁界を生成し、これが主機回転子20において電流を誘導する。続く誘導電流が、付随の回転シャフト32の回転を開始させるために充分なトルクを主機回転子20に生じさせる。あるいは、主機AC入力88を、AC電力に応答して回転シャフト32に始動トルクを生じさせることができる任意の他の巻線組または電気機械アセンブリ10の別の構成要素に接続してもよい。
【0026】
上述の始動モードの間、第1および第2のコントローラ90、92の各々は、第1および第2のそれぞれのインバータ/コンバータ56、60と通信し、動作を制御する。例えば、第1のコントローラ90が、定常または動的な電力変換であってよい第1のインバータ/コンバータ56におけるAC電力のDC電力への変換を制御することができる。同様に、第2のコントローラ92は、第2のインバータ/コンバータ60におけるDC電力のAC電力への変換を制御することができ、主機回転子20の回転を開始させるための第2のAC出力72の供給を制御する。
【0027】
コントローラ90、92のうちの少なくとも一方が、第2のインバータ/コンバータ60が始動の方法、アルゴリズム、所定のプロフィール、最適化された動作、周波数段階動作、あるいは定格電圧または温度測定値などの電気機械アセンブリの物理的または電気的特性にもとづく動的フィードバックプロフィールにしたがって主機回転子20の回転を開始させるためのAC電力を供給するように、始動モードにおいて定周波数始動装置/発電機55を制御する本発明の実施形態が考えられる。上述の始動方法のいずれも、第1または第2のコントローラ90、92のいずれかに保存することが可能であり、コントローラ90、92の間の双方向の通信によって、一方のコントローラ90、92が他方のコントローラ90、92に本方法の適用のやり方を指示するマスタ/スレーブ構成にてコントローラ90、92を動作させることを可能にできると考えられる。
【0028】
さらに、上述の始動モードの際に、第2のコントローラ92が、励磁機インバータ40がDC電力を容認できる単相、2相、または3相の励磁信号に変換しても、しなくてもよいように、励磁機インバータ40を制御することができる。いずれにせよ、第2のコントローラ92による励磁機インバータ40の制御は、励磁信号が励磁機固定子16に伝えられなくてもよいため、重要でなくてよい。
【0029】
回転シャフト32が、例えば本方法またはアルゴリズムによって定められる最小動作周波数にひとたび達すると、コントローラ90、92の少なくとも一方が、定周波数始動装置/発電機55に対して始動モードから発電モードへの変化を指示する。このモードの変化の時点において、主機回転子20は、回転しているが、電気機械アセンブリ10の予定の動作速度では回転していない場合がある。始動モードから発電モードへの変化の時点において、第1のコントローラ90が、配電ノード54を出力フィルタ78に接続できるよう、第2の電子スイッチに対して第1の位置から第2の位置への切り換わりを指示する。
【0030】
発電モードにおいては、主機回転子20の回転によって主機固定子22のリードL4、L5、L6に3相の出力が生じ、主機AC出力86に電力がもたらされる。主機AC出力86が第2のインバータ/コンバータ60に供給され、第2のインバータ/コンバータ60がAC電力をDC電力に整流し、これが第2のDC出力76を介してDCリンク58に供給される。DCリンク58が、このDC電力を励磁機インバータ40にさらに供給する。第2のコントローラ92が、励磁機固定子16に励磁をもたらすために、例えば一方法またはアルゴリズムにしたがって励磁機インバータ40を制御し、励磁が回転シャフト32の回転周波数を指揮し続ける。回転シャフト32の回転周波数を指揮することにより、制御された励起は、動作中の電気機械アセンブリ10を予定される動作速度または定常状態の発電モードに加速させる。この加速の期間において、少なくとも1つのコントローラ90、92が、生成されるAC電力の配電ノードへの供給を防止するように第1および/または第2のインバータ/コンバータ56、60を制御することができる。
【0031】
定常状態の発電モードにおいて、電気機械アセンブリ10は、リードL4、L5、L6に3相の電力を生成し、主機AC出力86にAC電力をもたらしている。AC電力は、電気機械アセンブリ10から第2のインバータ/コンバータ60の第2のAC入力70にもたらされる。第2のインバータ/コンバータ60が、AC電力をDC電力に変換して、このDC電力をDCリンク58に供給し、DCリンク58が、DC電力を第1のインバータ/コンバータ56の第1のDC入力66に伝える。第1のインバータ/コンバータ56が、DC電力をAC電力に変換し、このAC電力を第1のAC出力64を介して出力フィルタ78にもたらす。出力フィルタ78が、必要に応じて電気的または信号のフィルタ処理を実行し、フィルタ処理後のAC電力を配電ノード54にもたらす。
【0032】
さらに、定常状態の発電モードにおいて、第1および第2のコントローラ90、92は、航空機の電気系統にとって充分な電力の生成を保証するように、定周波数始動装置/発電機の動作を制御する。例えば、第1のコントローラが、充分な量の電力が配電ノード54に供給されていることを保証するために、第1のインバータ/コンバータ56におけるDC−AC電力変換を監視することができる。さらに、第2のコントローラ92が、充分な電力が電気機械アセンブリ10によって生成されているかどうかを判断するように第2のインバータ/コンバータ60を制御し、必要であれば主機AC出力86に生成される電力を増加または減少させるべく電気機械アセンブリ10の励磁を変更するように励磁機インバータ40を制御することができる。コントローラ90、92の少なくとも一方が必要とされるとおりに電気機械アセンブリの出力を検出、予想、または調節することができる別の構成も考えられる。
【0033】
上述の図に示した実施形態および構成に加えて、他の多数の可能な実施形態および構成が、本明細書の開示によって想定される。例えば、本発明の一実施形態は、上述のコントローラ90、92の両方の制御を実行するように構成された単一のコントローラを想定する。さらに、例えば電子スイッチ80が始動モードから発電モードへの段階的変化または秩序正しい変化を可能にすべく種々の段階にて動作できるように設定される構成が考えられる。
【0034】
本発明の別の代案の実施形態においては、電子スイッチ80を、既存の構成要素に統合することができる。さらに別の実施形態においては、少なくとも1つのコントローラ90、92に、上述の構成要素の選択的な接続を制御するための1つ以上の電子スイッチを組み込むことができ、あるいは1つ以上の電子スイッチ80に、コントローラを組み込むことができる。
【0035】
本発明のさらに別の実施形態においては、DCリンク58が、航空機内のDC負荷を動作させるためのDC電力バスをさらに備えることができる。そのような実施形態においては、コントローラ90、92の一方が、充分な電力がもたらされていることを保証し、あるいは電気機械アセンブリ10の電力の調整を調節するために、DC電力バスとの双方向の通信を有することができる。さらに、第1および/または第2のコントローラ90、92を、定周波数始動装置/発電機についての障害または診断のアプリケーションまたは情報を提供するように構成できると考えられる。
【0036】
さらに、電気機械アセンブリ10は、永久磁石発電機(PMG)回転子およびPMG固定子を有する電気機械アセンブリ10のPMG部分を備えることができる。この構成においては、PMGを、必要とされる励磁機固定子の励磁の一部またはすべてを生み出すように構成することができ、この励磁を、例えば第2のコントローラ92によって制御することができる。さらに、種々の構成要素の設計および配置を、いくつかの異なるインラインの構成を実現できるように整理し直すことができる。
【0037】
本明細書に開示の方法は、定周波数始動装置/発電機を使用する航空機のエンジンの始動を提供する。上述の方法において実現できる1つの利点は、この方法が、定周波数のAC入力において充分な始動トルクをもたらす点にある。したがって、この方法は、空気式の始動の構成部品を置き換え、航空機にとって大幅な重量の削減および空間の要件をもたらすことができる。あるいは、上述の方法は、航空機の駆動装置一体型発電機(IDG)、定速駆動装置(CSD)、および/または空気タービン始動装置(ATS)ユニットを置き換え、始動の動作について動作効率の向上および重量の制約の軽減をもたらすことができる。
【0038】
さらに、インバータ/コンバータに半導体部品を使用することで、始動動作のための構成部品の信頼性の向上および航空機の保守の必要性の軽減がもたらされる。
【0039】
航空機の構成部品の設計時に、注意すべき重要な因子は、サイズ、重量、および信頼性である。上述の方法によれば、システムが、システム全体を本質的により信頼性の高いものにする定周波数始動装置/発電機をもたらすことができるため、部品の数が少ない。これは、重量がより軽く、サイズがより小さく、性能がより高く、信頼性がより高いシステムをもたらす。部品の数が少ないこと、および保守が少なくて済むことで、製品コストの削減および稼働コストの削減につながる。重量の軽減およびサイズの縮小は、飛行時の競争力の利点につながる。
【0040】
本明細書は、最良の態様を含む本発明の実施形態を開示するとともに、装置またはシステムの製作および使用ならびに関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、いくつかの実施例を使用している。本発明の特許可能な技術的範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者にとって想到される他の実施例も含むことができる。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言から相違しない構造要素を有しており、あるいは特許請求の範囲の文言から実質的には相違しない同等の構造要素を含むならば、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。