特許第6043357号(P6043357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043357
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】経心房的患者体温制御カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/12 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   A61F7/12 Z
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-533607(P2014-533607)
(86)(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公表番号】特表2014-527898(P2014-527898A)
(43)【公表日】2014年10月23日
(86)【国際出願番号】US2012055988
(87)【国際公開番号】WO2013048833
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年8月4日
(31)【優先権主張番号】13/247,044
(32)【優先日】2011年9月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500087017
【氏名又は名称】ゾール・サーキュレイション・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Zoll Circulation, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ヘルコウスキー リチャード エー.
(72)【発明者】
【氏名】ダブロウィアク ジェレミー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】リム アレックス エル.
(72)【発明者】
【氏名】グルクラ ヴェンカタ ヴィシュヌ
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−175070(JP,A)
【文献】 特開2010−137067(JP,A)
【文献】 特表2002−542892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液が下方熱交換セグメントを流れることができるように、下大静脈を塞がずに患者の下大静脈内に配置可能な下方熱交換セグメントと、
前記下方熱交換セグメントが下大静脈に位置するときに、血液が上方熱交換セグメントを流れることができるように、上大静脈を塞がずに患者の上大静脈内に配置可能な上方熱交換セグメントと、
熱交換セグメントに接続し、患者の右心房に配置可能な接続セグメントであって、前記下方熱交換セグメントが下大静脈に位置し前記上方熱交換セグメントが上大静脈に位置するときに前記接続セグメントのみが右心房に配置され、作用流体が、患者の外部にある熱交換システムまでおよび熱交換システムから前記熱交換セグメントおよび前記接続セグメントを通って循環でき、前記熱交換システムは、少なくとも部分的に患者の体温を表す信号に基づいて作用流体の温度を規定し、前記接続セグメントは、前記上方熱交換セグメントのための供給及び戻りの管腔を備える細長い管として構成され、前記接続セグメントが右心房に接触する危険性を最小化するために少なくとも前記下方熱交換セグメントより小さい直径を有する、前記接続セグメントと、
患者の体温を表す信号を提供する、前記上方熱交換セグメントの遠位先端上の温度センサと、
を備える、経心房的血管内温度管理カテーテル。
【請求項2】
少なくとも1つの熱交換セグメントが、細長い全体的に円筒状のバルーンにより画定される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
少なくとも1つの熱交換セグメントが、連続した非直線で非螺旋形のリンクにより画定され、前記リンクを通して作用流体が前記リンク間を連続して流れる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
少なくとも1つの熱交換セグメントが、3つの螺旋形の戻り管により囲まれる直線状の中心供給管により画定される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
少なくとも1つの熱交換セグメントが、ベローズ領域および溝付き領域の交互のセグメントにより画定される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記溝付き領域が、ねじれ溝を有する、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記上方熱交換セグメントが、前記下方熱交換セグメントより小さい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記上方熱交換セグメントが、前記下方熱交換セグメントより小さい直径を有する、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記上方熱交換セグメントが、前記下方熱交換セグメントより短い、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記接続セグメントが、長さ全体にわたって円筒状の外面を有する細長い管であり、前記接続セグメントが、前記熱交換セグメントのいずれかより小さい直径を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
血液が下方熱交換セグメントを流れることができるように、下大静脈を塞がずに患者の下大静脈内に配置可能な下方熱交換セグメントと、
前記下方熱交換セグメントに接続し、前記下方熱交換セグメントから離れて延び、患者の右心房を介して上大静脈内に配置可能である、接続セグメントであって、前記下方熱交換セグメントが下大静脈内に配置される場合、前記接続セグメントは上大静脈に存在し、作用流体は、患者の外部にある熱交換システムまでおよび熱交換システムから前記熱交換セグメントを通して循環でき、前記熱交換システムは、少なくとも部分的に患者の体温を表す信号に基づいて作用流体の温度を規定し、前記接続セグメントは、供給及び戻りの管腔を備える単に細長い薄い円筒管として構成され、前記接続セグメントが右心房に接触する危険性を最小化するために少なくとも前記下方熱交換セグメントより小さい直径を有する、前記接続セグメントと、
患者の体温を表す信号を提供する、前記接続セグメント上の温度センサと、
を備える、カテーテル。
【請求項12】
少なくとも1つの熱交換セグメントが、細長い全体的に円筒状のバルーンにより画定される、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
少なくとも1つの熱交換セグメントが、連続した非直線で非螺旋形のリンクにより画定され、前記リンクを通して作用流体が前記リンク間を連続して流れる、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項14】
少なくとも1つの熱交換セグメントが、3つの螺旋形の戻り管により囲まれる直線状の中心供給管により画定される、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項15】
少なくとも1つの熱交換セグメントが、ベローズ領域および溝付き領域の交互のセグメントにより画定される、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記溝付き領域が、ねじれ溝を有する、請求項15に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、患者体温制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
脳卒中または心臓発作または心拍停止により引き起こされる重度の脳損傷または虚血を患っている患者に関して、患者が正常体温(37℃)以下に冷やされる場合、医学的転帰が改善されることが発見されている。さらに、このような患者に関して、例え低体温を誘導しないことが決定されているとしても、高体温(発熱)を防ぐことは重要であることも認められている。さらに、CABG手術後などの特定の適用において、低体温患者を再び温めることが望まれ得る。
【0003】
現在の適用により認識されているように、温度を調節する際の上述の利点は、患者の静脈系に入れられる閉ループ熱交換カテーテルを使用し、そのカテーテルを介して生理食塩水などの作用流体を循環させ、カテーテルに接続される外部熱交換器において必要に応じて作用流体を加温または冷却することにより患者の全身を冷却または加温することにより実現され得る。以下の特許文献(それらの全ては本明細書に参照により組み込まれる)は、このような目的のための様々な血管内カテーテル/システム/方法を開示している:特許文献1および特許文献2(3ローブ(tri−lobe)カテーテル)、特許文献3および特許文献4(ベローズを有する金属カテーテル)、特許文献5および特許文献6(直線でなく、螺旋形でない、熱交換素子を有するカテーテル)、特許文献7、特許文献8、特許文献9、および特許文献10(複数の熱交換バルーンを有するカテーテル)、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、および特許文献15(カテーテルのための熱交換システム)、特許文献16(様々な熱交換カテーテル)。
【0004】
現在の原理は、フィードバック目的のために患者の中核体温を正確かつ一定に測定し、治療目的のために冷却速度を最大化することが血管内温度制御に課された課題であると理解されている。正確な患者の中核体温測定は、直腸プローブ、食道プローブ、膀胱プローブなどにより提供され得るが、このようなプローブは意識のある患者にとって不快となる。患者の静脈内におけるカテーテル自体にセンサを配置することは、不快な別のプローブについての必要性を回避するが、カテーテルは、温かいまたは冷えたカテーテルの「熱の遮断(thermal shadow)」を回避するためにカテーテルを流れる血液の温度を変化させるので、患者の冷却または加熱は周期的に、センサ近くの血液の温度が実際の中核体温で安定化するように十分な長さで一時的に停止されなければならない。これは、例えば、患者を冷やすことが望まれる場合、冷却を長引かせ、望ましくない。
【0005】
冷却速度を最大化するために、カテーテルの大きな熱伝達領域が迅速に冷却され得るが、配置部位として下大静脈全体を使用する場合でさえサイズ制限に達する。既存のカテーテルは、それらが配置される静脈に適合しなければならない。上記の見解を考慮して、本発明の原理を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,881,551号
【特許文献2】米国特許第6,585,692号
【特許文献3】米国特許第6,551,349号
【特許文献4】米国特許第6,554,797号
【特許文献5】米国特許第6,749,625号
【特許文献6】米国特許第6,796,995号
【特許文献7】米国特許第6,126,684号
【特許文献8】米国特許第6,299,599号
【特許文献9】米国特許第6,368,304号
【特許文献10】米国特許第6,338,727号
【特許文献11】米国特許第6,146,411号
【特許文献12】米国特許第6,019,783号
【特許文献13】米国特許第6,581,403号
【特許文献14】米国特許第7,287,398号
【特許文献15】米国特許第5,837,003号
【特許文献16】米国特許第7,857,781号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、経心房的血管内温度管理カテーテルは、血液が下方熱交換セグメントを流れることができるように、下大静脈を塞がずに患者の下大静脈内に配置可能な下方熱交換セグメントを備える。カテーテルはまた、血液が上方熱交換セグメントを流れることができるように、上大静脈を塞がずに患者の上大静脈内に配置可能な上方熱交換セグメントを備える。さらに、カテーテルは、熱交換セグメントを接続し、患者の右心房に配置可能である接続セグメントを備える。作用流体は、患者の外部にある熱交換システムまでおよび熱交換システムから熱交換セグメントおよび接続セグメントを通して循環できる。熱交換システムは、少なくとも部分的に患者の体温を表す信号に基づいて作用流体の温度を規定する。上方熱交換セグメントの遠位先端上の温度センサは患者の体温を表す信号を提供する。
【0008】
一部の実施形態において、熱交換セグメントは、細長い全体的に円筒状のバルーンにより、または連続した非直線状で非螺旋形のリンクにより画定され得、そのリンクを通して作用流体はリンク間を連続して流れる。または、熱交換セグメントは3つの螺旋形の戻り管により囲まれる直線状の中心供給管により画定されてもよい。さらに再び、熱交換セグメントは、ベローズ領域および螺旋形の溝付き領域の交互のセグメントにより画定されてもよい。所望の場合、上方熱交換セグメントは、直径および/または長さが下方熱交換セグメントより小さくてもよい。接続セグメントは、長さ全体にわたって円筒状の外面を有する細長い管であってもよく、接続セグメントは典型的に、熱交換セグメントのいずれかより小さな直径を有する。
【0009】
別の態様において、カテーテルは、血液が下方熱交換セグメントを流れることができるように、下大静脈を塞がずに患者の下大静脈内に配置可能な下方熱交換セグメントを備える。接続セグメントは、下方熱交換セグメントに接続され、下方熱交換セグメントから離れて延び、患者の右心房を介して上大静脈内に配置可能である。下方熱交換セグメントが下大静脈内に配置される場合、接続セグメントは上大静脈内に存在する。作用流体は、患者の外部にある熱交換システムまでおよび熱交換システムから熱交換セグメントを通して循環できる。熱交換システムは、少なくとも部分的に患者の体温を表す信号に基づいて作用流体の温度を規定する。接続セグメントにおける温度センサは患者の体温を表す信号を提供する。
【0010】
別の態様において、方法は、カテーテルの熱交換部分が下大静脈カテーテル内に存在し、カテーテルの温度センサ部分が上大静脈内に同時に存在するように、大腿骨挿入点から患者の下大静脈内、患者の右心房を介して、患者の上大静脈内にカテーテルを進入させる工程を含む。作用流体は下大静脈内の熱交換部分を流れる血液と熱交換するように熱交換部分を通して循環する。作用流体の温度は体温部分からの信号に応答して制御される。あるいは、カテーテルは、上大静脈、右心房および下大静脈を介して、反対方向から、すなわち頸静脈または鎖骨下動脈などの頸部挿入点から、所定の位置の端部まで患者内に進入されてもよく、それぞれの熱交換部分は下大静脈内および上大静脈内にあり、熱交換部分の間の接続部分は右心房にある。
【0011】
構造および動作の両方に関する本発明の詳細は添付の図面を参照して最適に理解され得、同様の参照番号は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、右心房に配置されたカテーテルのコネクタ部分を有する、両方の大静脈内に進入した経心房的カテーテルを示す概略図である。
図2図2は、切り取られた熱交換部材の部分を有する複数の非直線状で非螺旋形のリンクを有する第1の例の熱交換部材を有する第1の例のカテーテルの斜視図である。
図3図3は、中空バルーンとして構成される第2の例の熱交換部材を有する第2の例のカテーテルの斜視図である。
図4図4は、3つの螺旋形の戻り管により囲まれる直線状の中心供給管から生成される第3の例の熱交換部材を有する第3の例のカテーテルの側面図である。
図5図5は、切り取られたカテーテルの部分を有する、ベローズ領域および溝付き領域の金属管に沿った交互のセグメントからなる第4の例の熱交換部材を有する第4の例のカテーテルの斜視図である。
図6図6は、図5に示したカテーテルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
最初に図1を参照して、経心房的血管内体温管理カテーテル10は、患者の中核体温フィードバック信号に対する治療パラダイムに従ってカテーテル10を通して循環する作用流体の温度を制御するように本明細書に参照された特許文献の1つ以上に記載された論理を実行するプロセッサを含むカテーテル体温制御システム12と流体連結する。本発明の原理によれば、カテーテル10は、そのカテーテルを使用して患者14における治療低体温を誘導するために使用され得、限定されないが、生理食塩水などの冷却剤が、身体内に入らないように、冷却剤は閉ループ内で循環する。このような治療は、脳卒中、心不全(蘇生後)、急性心筋梗塞、脊髄損傷、および外傷性脳損傷のために示されてもよい。カテーテル10はまた、例えば、バイパス手術または熱傷処置後、患者を加温するため、および例えば、くも膜下出血または脳内出血を患っている患者における異常高熱に対処するために使用されてもよい。
【0014】
示されるように、作用流体は、示されるカテーテル10の近位端に接続される供給ライン16および戻りライン18を介して熱交換システム12とカテーテル10との間を循環できる。本明細書で使用される場合、カテーテルについての「近位」および「遠位」はシステム12に対してであることが留意されるべきである。以下に記載されるカテーテルを担持する温度センサから体温信号が、電線路20を介して、または所望の場合、無線でシステム12に提供され得る。作用流体が循環する内側供給管腔および戻り管腔に加えて、カテーテル10はまた、患者に薬剤を注入するための注射器またはIVバッグなどのIVコンポーネント22、あるいは患者のパラメータをモニタリングするための酸素または圧力モニタなどの機器に接続可能である1つ以上の注入管腔を有してもよい。
【0015】
カテーテル10は、下大静脈26を塞がずに患者14の下大静脈26内に大腿挿入点を介して配置可能である下方熱交換セグメント24を備え、それにより血液は、示されるように下方熱交換セグメント24を流れることができる。また、一部の実施形態において、カテーテル10は、上大静脈30を塞がずに患者の上大静脈30内に配置可能である上側熱交換セグメント28を備えてもよく、それにより血液は上方熱交換セグメント28を流れることができる。上方熱交換セグメント28は、下方熱交換セグメント24より小さな直径を有することによっておよび/または下方熱交換セグメント24より短いことによって下方熱交換セグメント24より小さくてもよい。いずれの場合も、上方熱交換セグメント28は、最初に大腿挿入点を介して、下大静脈および右心室を介して、上大静脈内に進入し、その後、上方熱交換要素28が上大静脈内に存在すると、下方熱交換セグメント24が下大静脈内に配置される。進入はガイドワイヤまたはガイドカテーテル上であってもよく、蛍光透視法を使用して達成され得る。
【0016】
接続セグメント32は、熱交換セグメント24、28を接続し、患者の心臓34の右心房に配置可能である。作用流体は、熱交換セグメント24、28および接続セグメント32を通して患者の外部の熱交換システム12までおよび熱交換システム12から循環する。好ましくは、熱交換セグメント24、28のどちらも心臓34の心房内に延びず、接続セグメント32のみが心臓に配置される。これは、上方熱交換セグメント28のための供給管腔および戻り管腔のみを有する(および一部の実施形態において所望の場合、1つ以上の注入管腔を有する)単に細長い薄い円筒管であり得る接続セグメントが、心筋と接触する危険性を最小化するように熱交換セグメント24、28より小さい直径であるからである。一部の実施形態において、上方熱交換セグメント28は省略されてもよく、接続セグメント32は非常に薄い管または以下に記載した温度センサを保有する唯一の目的のために上大静脈30内に右心房を通して延びる均一のワイヤであってもよいことに留意すべきである。
【0017】
実際におよび非常に具体的に、温度センサ36は、患者の体温を表す信号を提供するために上方熱交換セグメント28の遠位端に取り付けられてもよい。限定されないが、センサ36は、サーミスタ、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、または他の適切なセンサであってもよい。いずれの場合においても、上大静脈内の血液は心臓の方へ流れるので、血液は上方熱交換セグメント28により加熱または冷却され得る前にセンサ36に到達することは理解されるであろう。つまり、上大静脈においてセンサ36を有する、心臓34を通るカテーテル10の配置に起因して、センサ36は、熱交換セグメント28の「熱の遮断(thermal shadow)」の上流にあるので、中核体温の正確な指標を提供する。
【0018】
図2〜6は下方熱交換セグメント24の例の非限定的な実施形態を示し、同じ形状が上方熱交換セグメント28に使用されてもよいことは理解される。図2において、カテーテル100は、連続した非直線で非螺旋形のリンク104により画定される熱交換セグメント102を有し、そのリンク104を通して作用流体はリンク間を連続的に流れる。カテーテル100の構造および動作のさらなる詳細は上記で参照した米国特許第6,796,995号に記載されている。
【0019】
図3は、循環する作用流体を熱交換システム204までおよび熱交換システム204から運ぶ1つ以上の軸方向に間隔の空いた円筒形バルーン202を有するカテーテル200を示す。図3に示したカテーテル200は、それぞれの注入管206に接続される2つのさらなる注入管腔を含み、種々の外管はハブ208においてそれぞれの内部カテーテル管腔を接続し、そのハブ208は、ハブ208を患者の皮膚に縫合するために縫合ウイング210を有して形成され得る。注入管腔は、それぞれの軸方向に間隔の空いた注入ポート212で終端し得る。カテーテル100の構造および動作のさらなる詳細は上記の米国特許第6,368,304号に記載されている。
【0020】
さらに再び、図4は3つの螺旋形の戻り管304により囲まれる直線の中心供給管302を有するカテーテル300を示す。カテーテル300の構造および動作のさらなる詳細は上記に参照した米国特許第6,881,551号および同第6,585,692号に記載されている。
【0021】
図5および6は、金などの金属から作製され得、ベローズ領域402および螺旋形の溝付き領域404の交互のセグメントを有するカテーテル400を示す。カテーテル400の構造および動作のさらなる詳細は上述の米国特許第6,551,349号および同第6,554,797号に記載されている。
【0022】
特に経心房的患者体温制御カテーテルを本明細書に詳細に示し、記載しているが、本発明に含まれる主題は特許請求の範囲のみにより限定されることは理解される。
図2
図4
図5
図6
図1
図3