特許第6043358号(P6043358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043358
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】喫煙物品用ラップ紙の単層印刷方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/02 20060101AFI20161206BHJP
   B41M 1/04 20060101ALI20161206BHJP
   C09D 11/08 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   A24D1/02
   B41M1/04
   C09D11/08
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-535128(P2014-535128)
(86)(22)【出願日】2012年3月7日
(65)【公表番号】特表2015-501145(P2015-501145A)
(43)【公表日】2015年1月15日
(86)【国際出願番号】ES2012070148
(87)【国際公開番号】WO2013057339
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2015年1月21日
(31)【優先権主張番号】P201131662
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】503139348
【氏名又は名称】ミカエル イ コスタス アンド ミカエル ソシエダット アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100156122
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】アグスティン・トザス・フエンテス
(72)【発明者】
【氏名】パブロ・デ・マリスカル・ルイゴメス
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−538384(JP,A)
【文献】 特表2004−512849(JP,A)
【文献】 特開平05−195498(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/077688(WO,A1)
【文献】 特表2010−529307(JP,A)
【文献】 特開2010−268073(JP,A)
【文献】 国際公開第1999/051439(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00251254(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00864259(EP,A2)
【文献】 英国特許出願公開第01471943(GB,A)
【文献】 特開昭57−163479(JP,A)
【文献】 特開平11−151082(JP,A)
【文献】 特表2012−507287(JP,A)
【文献】 米国特許第04766841(US,A)
【文献】 米国特許第04461311(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0185928(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/02
B41M 1/04
C09D 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキソ印刷技術により、低延焼性傾向を持つ喫煙物品用ラップを得る目標を持つ、喫煙物品用ラップ上の水性インクの単層印刷方法であって、
(1)印刷は、単一印刷ユニットを用いる中央ドラムフレキソ印刷機において行い、
(2)該ユニットは、
−10〜40cm/mの許容量を持つアニロックスと、
−ステンシル型板+接着剤および
−スリーブから選択された印刷形態を備えた印刷胴とを備え、
かつ
(3)−25%〜40%の固体、
−インク固体に対し40重量%〜95重量%で含まれたパーセンテージでの
アラビアゴム;および
−インク固体に対し5重量%〜60重量%で含まれたパーセンテージでの
炭酸カルシウム
を含むインクが用いられる
ことを特徴とする該方法。
【請求項2】
インクがさらに燃焼剤を含むことを特徴とする請求項1記載の単層印刷方法。
【請求項3】
インク中に存在する燃焼剤量が、インク固体重量に対し3重量%〜10重量%であることを特徴とする請求項2記載の単層印刷方法。
【請求項4】
燃焼剤が、有機酸の塩であることを特徴とする請求項2記載の単層印刷方法。
【請求項5】
燃焼剤が、クエン酸、マレイン酸、乳酸、酢酸および酒石酸ならびにその混合物よりなる群から選択される有機酸の塩であることを特徴とする請求項4記載の単層印刷方法。
【請求項6】
燃焼剤がクエン酸の金属塩であることを特徴とする請求項5記載の単層印刷方法。
【請求項7】
燃焼剤がクエン酸のカリウム塩およびクエン酸のナトリウム塩よりなる群から選択されることを特徴とする請求項6記載の単層印刷方法。
【請求項8】
0.5〜7g/mの固体量を喫煙物品用ラップに沈着させることを特徴とする請求項1記載の単層印刷方法。
【請求項9】
インクを喫煙物品用ラップに連続的に塗布することを特徴とする請求項1記載の単層印刷方法。
【請求項10】
インクを喫煙物品用ラップに直線、波状またはジグザグ形の帯で塗布することを特徴とする請求項1記載の単層印刷方法。
【請求項11】
インクで処理された領域が、0.010〜0.300cm/sの拡散率を有するような量でインクを塗布することを特徴とする請求項1記載の単層印刷方法。
【請求項12】
用いるインクが:
−26%〜39%の固体;
−インク固体に対し62重量%〜85重量%で含まれたパーセンテージでのアラビアゴム;および
−インク固体に対し15重量%〜38重量%で含まれたパーセンテージでの炭酸カルシウムを含むことを特徴とする請求項1記載の単層印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙印刷、特に、喫煙物品用ラップ紙、より特に、自己消火性喫煙物品用(「低延焼性」またはLIPともいう)ラップ紙、および詳細にはフレキソ印刷技術の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
印刷用ストリップによる喫煙物品用LIPラップ紙の製造は、印刷形態から紙へのインク転写に基づいている。その目的は、ASTM E2187およびISO 12863規格によって規定された条件下で、燃焼コーンが印刷帯に達した場合、タバコ燃焼を停止させることである。この目的を達成するために、印刷は、雰囲気と点火タバコとの間のガス交換を低下させなければならない。
【0003】
このガス交換は紙の細孔を介して起こり、したがって、このガス交換の低下は、ある範囲までのこれらの細孔の閉鎖を要する。この低下は、通気性測定またはガス拡散能測定を用いて測定できる。単純化するために、「拡散率」なる用語は、「拡散能」を意味するように本明細書に用いるものとする。現在拡散率を測定できる機器は二酸化炭素および窒素を用い、それらは、印刷帯を介して後者における前者の拡散速度を測定する。
【0004】
喫煙物品用ラップ紙の分野において、通気性は、CORESTA n°40法を用いて測定され、当該産業による規格として採用されている。この方法は、圧力差が基材の両面の間で適用される場合に、規定された表面を通過する気流の体積を測定する。これらの測定は、1kPaの圧力差でのml/分.cmで通常得られる。これがいわゆるコレスタ単位またはCUである。
【0005】
他方、基材を介するガスの拡散率Dは、圧力差が存在しない基材の両面間の分子交換率を測定する。かかる測定値は、通常cm/sで得られる。現在、この方法は工業規格ではない。
【0006】
双方の測定方法間での1つの重要な相違点は、紙の自然の透過性がそれらのサイズと無関係にその全細孔により影響されるが、直径が約10ミクロン以下の小さな細孔だけが、拡散率に影響することである。細孔は、巻紙分野で用いる用語において「ピンホール」といい、それらの細孔は、直径が約10ミクロンを超えるサイズを有し、その細孔は、その巻紙を光を介して観察した場合に見えるような十分大きなサイズであり、紙巻きタバコの拡散率または燃焼速度にほとんどいずれの影響も有しない。後者は、火花放電法(約10〜80ミクロンの穿孔を生成するプロセスである静電穿孔として知られる)を用いて、巻紙が穿孔される場合に、その通気性がどれだけ増加しても、タバコの燃焼速度が増加せず、単に拡散率が非常にわずか増加するという事実により証明されている。しかしながら、巻タバコの通気は増大する。したがって、理論上、拡散率は、通気性よりもタバコの燃焼性のより適当な測定値になるであろう。従って、当該産業では、タバコの燃焼性を予測するためにそれを用いる傾向にあり、その頻度が増加している。
【0007】
この文脈において、紙巻タバコラップ紙を規定する最も適切なパラメーターは、空気に対するその通気性およびその拡散率であり、これは、それらが喫煙者によるタバコ消費中の煙換気および紙巻きタバコの静的燃焼速度と最も相関し、したがって、それらがそのタールおよびニコチン含量に直接的に影響するためである。より高い通気性および拡散率の値は、より大きな開口細孔面積を意味する。
【0008】
前記の説明に基づいて、巻紙の通気性および拡散率が高くなればなるほど、通気性および拡散率の所望の低下を達成するために、それに適用した材料についての必要性が高まるという結論に達することは論理的である。
【0009】
高通気性(50CUを超える)を持つ巻紙は、その粘性とインクに必要な固体量とを両立させるという難問を示し、これは、特許EP1417899に言及のごとく、「いずれかの方法によって巻紙を印刷するときに考慮されるべき非常に重要なパラメーターはインクの粘性である。写真凹版印刷またはフレキソ印刷のごとき技術において、高粘性レベルのそれらのインクが、用いたシステムに依存して、印刷される範囲までまたはそこから印刷形態もしくは巻紙までのインク転写を容易にしないことを意味する粘性インクに関する制限が存在する。さらに、インクの高粘性は鮮明度の損失および少ない引き伸ばしを生じる。したがって、結合剤を選択するとき、紙の通気性を低下させる効果、その点火傾向および、巻きタバコの味に関する影響に加えて、粘性の対応する限界を考慮されなければならない。溶液の固体含有量とその粘性との間には直接的な関係が存在するので、粘性限界はインク中の固体に対する限界、したがって、紙に塗布される材料の量の限界として解釈されている。」
【0010】
この問題を克服するために、特許EP1333729に記載のごとく、一般的に用いられるシステムは同じ領域に種々の連続層を適用する。この配置が示す主な問題点は、種々のインクつぼを同時に用いる場合に印刷条件の安定性を制御することが難しいことである。これは、ただ1つのインクつぼを用いることが有利である理由である。
【0011】
EP1333729は、この配置のただ一つの有利さとして、紙に水性インクを用い、さらに実質的には、大量のインクを軽量の巻紙(約24/28g/m)に塗布する場合のいずれかの印刷において生成されたしわの低減を示す。本発明はインクつぼを整列させる必要性がないことにおいて有利である。これは、最終の引き伸ばしにおいて、種々の色がそれらのあるべき場所に正確に存在するようにインクつぼを整列させることを意味し、その結果、その引き伸ばしは不明瞭ではない。この有利さは、例えば、問題が使用中のインクつぼで生じた場合にインクつぼを変更することを可能にすることにより、操作のより大きな制御を提供し、その用途をより広くする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、紙印刷、特に、喫煙物品用ラップ紙、より特に、自己消火性喫煙物品用(「低延焼性」またはLIPともいう)ラップ紙、および詳しくはフレキソ印刷技術の技術分野に属する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、フレキソ印刷技術の使用による低延焼性傾向を持つラップを得るための喫煙物品用ラップ上のインクの単層印刷方法であり、これは、その印刷が、10〜40cm/mの許容量を持つアニロックスおよび印刷形態を備えた印刷胴を持つただ1つの印刷群を用いる中央ドラムフレキソ印刷機を用いて行われる点で特徴付けられ、また、少なくとも1つのフィルム形成物質および1つの鉱物フィラーを含むインクを用いるという点で特徴付けられる。前記印刷形態は、接着剤で印刷胴に接着されたステンシル型板として、または印刷胴に導入されるポリマー材料から製造された中空胴またはスリーブとして知られるプラスチックフィルム製の群であり得る。
【0014】
特定の具体例によれば、フィルム形成物質はアラビアゴムである。
【0015】
さらなる特定の具体例によれば、鉱物フィラーは少なくとも炭酸カルシウムである。
【0016】
フィルム形成物質、好ましくは、アラビアゴムは、インク固体の40〜95重量%、好ましくは50〜90g/m、より好ましくは60〜85g/mで含まれたパーセンテージでインク中に存在でき、これらの数値は、示された全区間に含まれる上限値および下限値になる。
【0017】
フィラー、好ましくは、炭酸カルシウムは、インク固体の5〜60重量%、好ましくは10〜45g/m、より好ましくは15〜38g/mで含まれたパーセンテージでインク中に存在でき、これらの数値は、示された全区間に含まれる上限値および下限値になる。
【0018】
さらに、インクは燃焼剤を含み得る。前記燃焼剤は、2〜10重量%、好ましくは2.5〜6g/m、より好ましくは3.4g/m〜3.6g/mで含まれたパーセンテージでインク中に存在でき、これらの数値は、示された全区間に含まれる上限値および下限値になる。
【0019】
特定の具体例によれば、燃焼剤は、例えば、クエン酸、マレイン酸、乳酸、酢酸、酒石酸および他の同様の酸のごとき有機酸の塩であり得る。発明者らは、クエン酸塩、特に、クエン酸ナトリウムおよびカリウムのごときクエン酸の金属塩、より特に、クエン酸カリウムが本発明に特に有用であることを見出した。
【0020】
本発明の手順において、0.5〜7g/m、好ましくは0.8〜4g/m、さらに好ましくは1〜3.8g/mの固体を喫煙物品用ラップ紙に沈着させ、これらの数値は、示された全区間に含まれる上限値および下限値になる。
【0021】
インクは、喫煙物品用ラップ紙に直線、波状またはジグザグ形の帯で、またはこのラップ紙で製造された巻タバコが消火することを保証するいずれかの他の方法で連続的に塗布し得る。
【0022】
本発明の単層印刷方法を用いて、本明細書に開示されたインクで処理される領域は、0.010〜0.300cm/sの拡散率を有する。
【0023】
本発明の単層印刷方法の好ましい具体例によれば、インクは:
−25%〜40%の固体;
−インク固体に対し40重量%〜95重量%で含まれたパーセンテージでのフィルム形成物質、すなわち、アラビアゴム;および
−インク固体に対し5重量%〜60重量%で含まれたパーセンテージでの、例えば、炭酸カルシウムのごときフィラーを含む。
【0024】
本発明の単層印刷方法の好ましい具体例によれば、インクは:
−26%〜39%の固体;
−インク固体に対し62重量%〜85重量%で含まれたパーセンテージでのアラビアゴム;および
−インク固体に対し15重量%〜38重量%で含まれたパーセンテージでの炭酸カルシウムを含む。
【0025】
中央ドラムを持つフレキソ印刷技術による印刷は、印刷される材料が移動する外部の中央ドラム周囲に配置された種々の印刷群を用いて、1つのインクまたはいくつかのインクの塗布に基づいている。
【0026】
各印刷群は:
−可変の体積およびデザインを有するセルで刻印された胴(アニロックスとして知られる);および
−レリーフ中で印刷されるデザインを持つ胴
(各々、印刷胴および印刷形態)を有する。
【0027】
各印刷群の他の成分は、印刷機の特定のデザインによる付随的なリザーバ、パイプ、インクつぼおよびスクレーパーまたはスクレーパー室である。
【0028】
インクはアニロックスに転写され、過剰インクはスクレーパーにより除去され、インクは印刷形態に行き、そこから印刷される支持体に行く。
【0029】
インクがアニロックスのすべてのセルを満たし、かつ過剰インクを完全に除去するならば、支持体へのインク転写は、アニロックスと印刷形態との間の圧力、印刷形態と支持体との間の圧力、および印刷形態の材料および硬さによって、調節されるであろう。
【0030】
印刷条件に依存して、インク転写(アニロックス上のインク乾燥重量に対する支持体上のインク乾燥重量のパーセンテージ)は、30%〜50%の間で変化し得る。
【0031】
これは、印刷される支持体上のエンボス形態からのインクの塗布に基づいたシステムである。したがって、支持体に対する印刷形態の圧力は、最終印刷に非常に影響する変数である。
【0032】
また、他方、印刷形態に対するアニロックスの圧力は、より小さいが、最終印刷に影響する。例えば、印刷形態に対するアニロックスの位置調整における20ミクロンの増加の結果、拡散率が4.7%低下する。
【0033】
拡散率に関する支持体(すなわち、支持体に対する印刷形態の圧力)に対する印刷胴の位置調整の影響は、2つの因子:
−紙へのインク転写(アニロックスにおけるインク乾燥重量に対する巻紙上のインク乾燥重量のパーセンテージ);および
−支持体におけるインクの浸透による。
【0034】
第1の因子は、アニロックスと印刷胴との間、および印刷胴と支持体との間の圧力によって調節される。第2の因子は後者のみによって調節される。
【0035】
多層印刷方法とは対照的に、インクの単層を得るために1つの印刷群だけを用いる、本発明のかかる印刷方法を用いることにより得られる最も重要な有利さは、以下のとおりである:
1.多層印刷に必要なものである、印刷群を整列させることがもはや必要ではない。
2.1つの印刷群だけを管理および制御すべきとき、印刷操作を制御することが容易である。
3.種々のインクつぼまたは印刷群を備えた印刷機において、あるインクつぼからもう一つのインクつぼに変更することが可能であるので、プロセスの柔軟性がより高い。
4.単層印刷方法のもう一つの重要な有利さは、インクを節約することである。
【0036】
また、本発明は、喫煙物品用ラップに関し、それは本明細書に記載された方法によって得ることができる点で特徴付けられる。
【0037】
また、本発明は、本明細書に記載された方法によって得ることができるラップを含む喫煙物品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、当該技術分野の水準の方法により、いくつかの印刷群による1つのインクまたは種々のインクの塗布に基づく、中央ドラムフレキソ印刷機を示し、その印刷群は、支持体が移動する外側の中央ドラムの周囲に配置される。各インクつぼは、可変のデザインおよび体積を有するセルで刻印された胴(アニロックス)、およびレリーフ印刷される形態のデザインを持つ印刷胴(その印刷胴)から基本的になる。
図2図2は、フレキソ印刷技術の模式図を示し、ここに、どのようにインクがアニロックスに転写され、過剰インクがスクレーパーで除去され、インクがアニロックスから印刷形態に、次いでそこから印刷される支持体に行くかを観察できる。 図2における符号参照: 1.ステンシル型板および印刷胴 2.アニロックス 3.転写胴 4.材料輸送用胴 5.トレー
図3図3は、本発明によるただ1つのインクつぼを用いて得られたグラフであり、アニロックスの体積は27cm/m、ステンシル型板は、80Aのショア硬度を有する。本図は、支持体に対して、拡散率値−対−印刷胴の位置調整を示す。この図は、支持体への印刷形態の圧力の影響を示す。本図において、「0」なる値は、巻紙と接触する印刷形態を表す。+30は、さらに強制的接触の30ミクロンのの強制的な接触を表す。+60は、さらに60ミクロン等の強制的接触を表す。
図4図4は、原紙の通気性の関数として、ASTM E2187およびISO 12863規格により、巻きタバコの100%の自己消火を得るのに必要な帯のインクの乾燥物質重量(g/m)を示す。これらのすべての場合に、単層印刷方法を用いた。アニロックスの体積は必要とされる層の重量に依存して変更した。用いたインクは、以下の特性:22.4%のアラビアゴム、9.1%の炭酸カルシウムおよび3.5%のクエン酸カリウムよりなる35%の総固体を有した。
【発明を実施するための形態】
【0039】
実施例
既に前記に言及のごとく、タバコ巻紙を規定する最も適切なパラメーターは、これらのパラメーターが喫煙者によるタバコの消費に際して、巻タバコの静的燃焼速度および煙換気と最良に相関すると、空気に対するその通気性およびその拡散率である。したがって、それらは、巻タバコのタール、ニコチンおよび一酸化炭素含量に直接的に影響する。より高い通気性および拡散率値は、より大きな開口細孔面積を意味する。
【0040】
単層印刷と二層印刷との比較
実施例1−2台のフレキソ印刷機の比較、その一方の印刷機は、10.4cm/mアニロックスを備えた1つだけのインクつぼを用い、第2のものは、16および9.5cm/mのアニロックスを備えた2つのインクつぼを用いた。双方の場合に用いたインクは同一であり、それは、25.2%のアラビアゴムおよび11.8%の炭酸カルシウムよりなる37%の固体を含有した。印刷形態は、0.20mmの厚みの接着剤で印刷胴に接着した80Aのショア硬度を持つ2.84mmの厚みのステンシル型板を備えた印刷胴であった。用いた紙は、50CUの通気性を有した。以下の表は、得られた結果を示し、その目標は0.150cm/sの拡散率であった。
【0041】
【表1】
【0042】
50CUの通気性を持つ巻紙において、0.150cm/sの拡散率を得るために必要とされるインク重量は、単層印刷を用いて1.5g/m、および2層印刷を用いて3.4g/mであり、これは前者よりも126%多かった。
【0043】
実施例2−同一のフレキソ印刷機を用いて作成した2つの印刷物の比較、その一方は、18cm/mアニロックスを備えた1つだけのインクつぼを用い、第2のものは、18および12cm/mのアニロックスを備えた2つのインクつぼを用いた。双方の場合に用いたインクは同一であり、それは、25.2%のアラビアゴムおよび11.8%の炭酸カルシウムよりなる37%の固体を含有した。印刷形態は、0.20mmの厚みの接着剤で印刷胴に接着した80Aのショア硬度を持つ2.84mmの厚みのステンシル型板を備えた印刷胴であった。用いた紙は、50CUの通気性を有した。以下の表は、得られた結果を示し、その目標は0.150cm/sの拡散率であった。
【0044】
【表2】
【0045】
50CUの通気性を持つ紙における0.150cm/sの拡散率を得るために必要とされるインク重量は、単層印刷を用いて1.9g/m、および2層印刷を用いて3.5g/mであり、これは前者よりも84%多かった。
【0046】
他の単層印刷の実施例
実施例3−テストを70CUの通気性を持つ100%の木質繊維紙を用いて行った。印刷は、1つの印刷群を用いる中央ドラムフレキソ印刷機で行い、それは、18cm/mのアニロックス、および0.20mmの厚みの接着剤で印刷胴に接着した1.14mmの厚みのステンシル型板および80Aのショア硬度を備えた印刷胴を有した。用いたインク製剤は、22重量%のアラビアゴム、9.1重量%の炭酸カルシウムおよび3.5重量%のクエン酸カリウム(34.6%の固体)であり、残りは水であった。
【0047】
結果は以下のとおりであり、その目標は、0.150cm/sの拡散率であった。
【0048】
【表3】
【0049】
実施例4−30CUの通気性を持つ100%の亜麻繊維紙を用いて実験を行った。印刷は、1つの印刷群を用いて中央ドラムフレキソ印刷機において行い、それは、10.4cm/mのアニロックス、および0.20mmの厚みの接着剤で印刷胴に接着した2.84mmの厚みおよびショア硬度80Aのステンシル型板を備えた印刷胴を有した。用いたインク製剤は、21重量%のアラビアゴム、4.2重量%の炭酸カルシウムおよび0.8重量%のクエン酸カリウム(26%の固体)であり、残りは水であった。
【0050】
結果は以下のとおりであり、その目標は、0.110cm/sの拡散率であった。
【0051】
【表4】
【0052】
実施例5−この試験において、38%の固体(乾燥材料重量に対し、14.1%の炭酸カルシウムおよび23.9%のアラビアゴム、残りは水である)を含むインクを90CUの通気性を持つ紙上に塗布した。印刷は、26cm/mのアニロックス、および80Aのショア硬度を持つスリーブ型印刷形態を備えた印刷胴を持つ1つの印刷群を用いて、中央ドラムフレキソ印刷機において実施した。
【0053】
結果は以下のとおりであり、その目標は、0.200cm/sの拡散率であった。
【0054】
【表5】
【0055】
実施例6−この試験において、39%の固体(乾燥材料重量に対し、14.8%の炭酸カルシウムおよび24.2%のアラビアゴム、残りは水である)を含むインクを120CUの通気性を持つ紙上に塗布した。印刷は、31cm/mのアニロックス、および80Aのショア硬度を持つスリーブ型印刷形態を備えた印刷胴を持つ1つの印刷群を用いて、中央ドラムフレキソ印刷機において行った。
【0056】
結果は以下のとおりであり、その目標は、0.200cm/sの拡散率であった。
【0057】
【表6】
【0058】
実施例7−実験は、19CUの通気性を持つ100%の亜麻繊維の紙を用いて行った。印刷は、14cm/mのアニロックス、および0.20mmの厚みの接着剤で印刷胴に接着した80Aのショア硬度を持つ2.84mmの厚みのステンシル型板を備えた印刷胴を持つ1つの印刷群を用いる中央ドラムフレキソ印刷機で行った。用いたインク製剤は、25.1重量%のアラビアゴム、5重量%の炭酸カルシウムおよび0.93重量%のクエン酸カリウム(31%の固体)であり、残りは水であった。
【0059】
結果は以下のとおりであり、その目標は、0.110cm/sの拡散率であった。
【0060】
【表7】
【0061】
実施例8−この試験において、36%の固体(乾燥材料重量に対し、5.4%の炭酸カルシウムおよび30.6%のアラビアゴム、残りは水である)を含むインクを80CUの通気性を持つ紙上に塗布した。印刷は、26cm/mのアニロックス、および80Aのショア硬度を持つスリーブ型印刷形態を備えた印刷胴を持つ1つの印刷群を用いて、中央ドラムフレキソ印刷機において行った。
【0062】
結果は以下のとおりであり、その目標は、0.100cm/sの拡散率であった。
【0063】
【表8】
【0064】
アニロックス(2〜35cm/mの標準、およびさらに高い)の許容量の間隔および刻印された体積の種々のデザインは、初期の高通気性を持つ1つのシングルパス紙において高い柔軟性および印刷能力を可能にする。
図1
図2
図3
図4