(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異な
る態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及
び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、
以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する
発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0026】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている
場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を
模式的に示したものであり、図面に示す形状または値などに限定されない。例えば、ノイ
ズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、または、タイミングのずれによる信号、
電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0027】
また本明細書等において、トランジスタとは、ゲート(ゲート端子又はゲート電極)と、
ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイ
ン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領
域又はソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソース
とを介して電流を流すことができるものである。
【0028】
ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造または動作条件等によって変わるた
め、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソー
スとして機能する部分、及びドレインとして機能する部分を、ソースまたはドレインと呼
ばず、ソースとドレインとの一方を第1電極と表記し、ソースとドレインとの他方を第2
電極と表記する場合がある。
【0029】
また本明細書等において用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素
の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0030】
また本明細書等において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されて
いるものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気
的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在す
るとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。
【0031】
また本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置
関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係
は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した
語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0032】
また本明細書等において図面における各回路ブロックの配置は、説明のため位置関係を特
定するものであり、異なる回路ブロックで別々の機能を実現するよう図面で示していても
、実際の回路や領域では、同じ回路や同じ領域内で別々の機能を実現しうるように設けら
れている場合もある。また図面における各回路ブロックの機能は、説明のため機能を特定
するものであり、一つの回路ブロックとして示していても、実際の回路や領域では、一つ
の回路ブロックで行う処理を複数の回路ブロックで行うよう設けられている場合もある。
【0033】
また本明細書等において、電圧とは、ある電位と、基準電位(例えばグラウンド電位)と
の電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧、電位、電位差を、各々、電位、電圧、
電圧差と言い換えることが可能である。なお電圧とは2点間における電位差のことをいい
、電位とはある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な
位置エネルギー)のことをいう。
【0034】
また本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で
配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂
直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従
って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0035】
また本明細書等において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す
。
【0036】
また本明細書等において、プログラマブルロジックエレメントの機能、及びプログラマブ
ルスイッチエレメントによる接続構造を設定するデータ(コンフィギュレーションデータ
)は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスに記憶されている。メモリデバイスに記憶さ
れているコンフィギュレーションデータを、プログラマブルロジックエレメント及びプロ
グラマブルスイッチエレメントに書き込むことをコンフィギュレーションと呼ぶ。コンフ
ィギュレーションデータが記憶される、プログラマブルロジックエレメント及びプログラ
マブルスイッチエレメント内のメモリをコンフィギュレーションメモリと呼ぶ。
【0037】
また本明細書等において、プログラマブルスイッチエレメントは、コンフィギュレーショ
ンによって記憶されたコンフィギュレーションデータに基づいて複数の接続状態を設定す
る機能を有する回路である。また本明細書等において、プログラマブルスイッチエレメン
トは、コンテキスト信号により、コンフィギュレーションデータのうちのいずれか一のセ
ットを切り換える機能を有する回路である。
【0038】
また本明細書等において、プログラマブルロジックエレメントは、コンフィギュレーショ
ンによって記憶されたコンフィギュレーションデータに基づいて複数の機能を設定する機
能を有する回路である。また本明細書等において、プログラマブルロジックエレメントは
、コンテキスト信号により、コンフィギュレーションデータのうちのいずれか一のセット
を切り換える機能を有する回路である。
【0039】
また本明細書等において、コンフィギュレーションデータは、プログラマブルロジックエ
レメントの機能、及びプログラマブルスイッチエレメントによる接続構造を設定するデー
タを含むデータである。
【0040】
また本明細書等において、コンテキスト信号は、予めPLDに記憶された、複数の回路構
成に対応するコンテキストのうち、使用するコンフィギュレーションデータのセットに切
り替えるための信号である。また本明細書等において、コンテキストとは、回路構成情報
を表すコンフィギュレーションデータのセットのことをいう。また、回路構成情報を切り
換える信号をコンテキスト信号という。
【0041】
(実施の形態1)
本実施の形態では、PLDの構成について説明する。
図1では、PLDの構成を説明する
ための模式図を示し、その作用及び効果について説明する。
【0042】
図1(A)に示すPLD10は、複数のプログラマブルロジックエレメントを有する。図
1(A)ではプログラマブルロジックエレメントをブロックで図示している。プログラマ
ブルロジックエレメントは、単位ブロック毎に電源供給を制御することができる。
図1(
A)では、平行斜線(ハッチング)を付したプログラマブルロジックエレメント11につ
いて電源供給を行う状態(power on)を表し、プログラマブルロジックエレメン
ト12について電源供給を停止する状態(power off)、を表している。
【0043】
また
図1(A)では、一例として、第1乃至第k(kは2以上の自然数)のコンテキスト
信号を切り替えることで、第1のコンテキスト(context_1)による回路構成、
第2のコンテキスト(context_2)による回路構成、第1のコンテキスト(co
ntext_1)による回路構成、第kのコンテキスト(context_k)による回
路構成及び第2のコンテキスト(context_2)による回路構成と切り替わる様子
を示している。
【0044】
図1(A)に示すPLD10は、細粒度(fine−grained)構成におけるマル
チコンテキスト方式での回路構成の切り替えを行うことができる。そのためPLD10は
、回路構成の変更に高い柔軟性を付与することができる。
【0045】
また
図1(A)に示すPLD10は、処理に不要なプログラマブルロジックエレメントへ
の電力供給を停止することができる。具体的には、プログラマブルロジックエレメント1
2への電源供給を停止することができる。
図1(A)に示すPLD10では、細粒度構成
のプログラマブルロジックエレメントであるため、パワー・ゲーティングを採用する場合
、制御単位が細かく、緻密な電力制御を行うことができる。
【0046】
次いで、
図1(B)では、
図1(A)に示したプログラマブルロジックエレメント11_
p(4x4で並んだブロックのうち、右下のブロック)が有するレジスタ20の模式図を
示す。一例として示すプログラマブルロジックエレメント11_pは、コンテキストが切
り替えられることで、電源供給の停止または再開が切り替わるプログラマブルロジックエ
レメントである。
【0047】
図1(B)に示すレジスタ20は、揮発性記憶回路21及び不揮発性記憶回路22を有す
る。揮発性記憶回路21は、一例として、フリップフロップD−FFである。また不揮発
性記憶回路22は、第1乃至第jの不揮発性記憶部SR_1乃至SR_j(jは2以上k
以下の自然数)を有する。
【0048】
なお第1乃至第jの不揮発性記憶部SR_1乃至SR_jは、
図1(A)で示した第1乃
至第kのコンテキストによるコンテキスト数に対応して設けられる。第1乃至第jの不揮
発性記憶部SR_1乃至SR_jは、第1乃至第kのコンテキストによるコンテキスト数
に対応してk個設けられることが好ましいが、不必要なデータの退避を省略すること、あ
るいは不揮発性記憶部を共用することで、必ずしも個数が対応していなくてもよい。なお
図1(A)、(B)では、説明を簡単にするため、第1乃至第kの不揮発性記憶部SR_
1乃至SR_kとして図示し、説明を行う。
【0049】
また揮発性記憶回路21が記憶するデータは、第1乃至第kの不揮発性記憶部SR_1乃
至SR_kにバックアップ(退避、Saveともいう)、もしくはリカバリー(復元、L
oadともいう)することができる。このバックアップ及びリカバリーの動作は、一つの
揮発性記憶回路21と、第1乃至第kの不揮発性記憶部SR_1乃至SR_kのいずれか
一との間で行うことができる。
【0050】
このバックアップ及びリカバリーの動作は、PLDにおいて、コンテキストが切り替えら
れるタイミングで行う。具体的にバックアップを行うタイミングとしては、コンテキスト
を切り替える直前が好ましい。またリカバリーを行うタイミングとしては、コンテキスト
を切り替える直後が好ましい。
【0051】
ここで、
図1(A)で示した第1のコンテキスト(context_1)による回路構成
から、第2のコンテキスト(context_2)による回路構成に切り替える場合での
、バックアップを行う動作を説明する。この動作において、
図1(A)に示したプログラ
マブルロジックエレメント11_pでは、コンテキストが切り替わっても、電源供給が継
続して行われる。
【0052】
なお
図1(B)の図を用いて以下で説明する、揮発性記憶回路21または不揮発性記憶回
路22内に記憶される”d11”は「コンテキスト_1に対応する1番目のデータ」を表
す。同様に、”d21”は「コンテキスト_2に対応する1番目のデータ」を表す。同様
に、”d13”は「コンテキスト_1に対応する3番目のデータ」を表す。同様に、”d
22”は「コンテキスト_2に対応する2番目のデータ」を表す。また、”d10”は「
コンテキスト_1に対応する初期値のデータ」を表す。また、”d20”は「コンテキス
ト_2に対応する初期値のデータ」を表す。また、”dk0”は「コンテキスト_kに対
応する初期値のデータ」を表す。
【0053】
図1(B)中に示すように、第1乃至第kの不揮発性記憶部SR_1乃至SR_kにおい
て記憶されるデータは、第1乃至第kのコンテキストに対応して記憶される。たとえば、
”d10”は、第1の不揮発性記憶部SR_1に記憶される。また、”d20”は、第2
の不揮発性記憶部SR_2に記憶される。また、”dk0”は、第kの不揮発性記憶部S
R_kに記憶される。
【0054】
図1(A)で示した第1のコンテキスト(context_1)による回路構成から、第
2のコンテキスト(context_2)による回路構成に切り替える場合の、バックア
ップを行う動作では、揮発性記憶回路21に記憶された”d11”を第1の不揮発性記憶
部SR_1に退避させる。そのため、バックアップを行う動作によって、第1の不揮発性
記憶部SR_1に記憶されるデータは、”d10”から”d11”に書き換えられる。
【0055】
次いで、
図1(A)で示した第2のコンテキスト(context_2)による回路構成
から、第1のコンテキスト(context_1)による回路構成に切り替える場合での
、バックアップを行う動作及びリカバリーを行う動作を説明する。この動作において、図
1(A)に示したプログラマブルロジックエレメント11_pでは、コンテキストが切り
替わっても、電源供給が継続して行われる。
【0056】
図1(A)で示した第2のコンテキスト(context_2)による回路構成から、第
1のコンテキスト(context_1)による回路構成に切り替える場合の、バックア
ップを行う動作では、揮発性記憶回路21に記憶された”d22”を第2の不揮発性記憶
部SR_2に退避させる。そのため、バックアップを行う動作によって、第2の不揮発性
記憶部SR_2に記憶されるデータは、”d20”から”d22”に書き換えられる。
【0057】
そして、
図1(A)で示した第2のコンテキスト(context_2)による回路構成
から、第1のコンテキスト(context_1)による回路構成に切り替える場合の、
リカバリーを行う動作では、不揮発性記憶回路22の第1の不揮発性記憶部SR_1に記
憶された”d11”を揮発性記憶回路21に復元させる。そのため、リカバリーを行う動
作によって、揮発性記憶回路21に記憶されるデータは、”d22”から”d11”に書
き換えられる。
【0058】
次いで、
図1(A)で示した第1のコンテキスト(context_1)による回路構成
から、第kのコンテキスト(context_k)による回路構成に切り替える場合での
、バックアップを行う動作を説明する。この動作において、
図1(A)に示したプログラ
マブルロジックエレメント11_pでは、コンテキストが切り替わった後、電源供給が停
止する。
【0059】
図1(A)で示した第1のコンテキスト(context_1)による回路構成から、第
kのコンテキスト(context_k)による回路構成に切り替える場合の、バックア
ップを行う動作では、揮発性記憶回路21に記憶された”d13”を第1の不揮発性記憶
部SR_1に退避させる。そのため、バックアップを行う動作によって、第1の不揮発性
記憶部SR_1に記憶されるデータは、”d11”から”d13”に書き換えられる。
【0060】
そして、
図1(A)で示したプログラマブルロジックエレメント11_pでは、第kのコ
ンテキスト(context_k)による回路構成で、電源供給を停止する。そのため、
揮発性記憶回路21に記憶された”d13”が消失する。一方で、不揮発性記憶回路22
の第1乃至第kの不揮発性記憶部SR_1乃至SR_kに記憶したデータは、記憶し続け
る。
【0061】
次いで、
図1(A)で示した第kのコンテキスト(context_k)による回路構成
から、第2のコンテキスト(context_2)による回路構成に切り替える場合での
、リカバリーを行う動作を説明する。この動作において、
図1(A)に示したプログラマ
ブルロジックエレメント11_pでは、コンテキストが切り替わった後、電源供給が再開
する。
【0062】
図1(A)で示した第kのコンテキスト(context_k)による回路構成から、第
2のコンテキスト(context_2)による回路構成に切り替える場合の、リカバリ
ーを行う動作では、不揮発性記憶回路22の第2の不揮発性記憶部SR_2に記憶された
”d22”を揮発性記憶回路21に復元させる。そのため、リカバリーを行う動作の後で
は、揮発性記憶回路21に記憶されるデータは、”d22”となる。
【0063】
以上説明したプログラマブルロジックエレメントが有するレジスタに記憶するデータのバ
ックアップ及びリカバリーを行う動作により、PLDは第1のコンテキストによる処理を
一旦停止し、第2のコンテキストによる処理を行った後に、再び第1のコンテキストによ
る処理を途中から続けるといった処理スケジューリングが可能となる。また、各コンテキ
ストに応じてプログラマブルロジックエレメント毎のパワー・ゲーティングも行うことで
、必要な時間に必要なプログラマブルロジックエレメントのみ電源供給を行うことが可能
となる。そして各プログラマブルロジックエレメントのレジスタに対して、コンテキスト
の数と同数の不揮発性記憶部が存在する為、何れのコンテキストから他の何れのコンテキ
ストへの切り替えも可能である。したがって、複雑なコンテキストの切り替えスケジュー
ルを組むことが可能である。
【0064】
また、本実施の形態で説明するPLDにおいて、コンフィギュレーションデータの各セッ
トには、プログラマブルロジックエレメントへの電力供給の要否に関する情報を含むデー
タが含まれる。すなわち
図1(A)で示すように、コンテキストを切り替えることで、プ
ログラマブルロジックエレメントでのパワー・ゲーティングを行うか否かを個別に切り替
えることができる。すなわち、本実施の形態のPLDの動作は、上記の制御を複雑な追加
回路を設けることなく実現できる。
【0065】
各プログラマブルロジックエレメントにおけるパワー・ゲーティングは、当該プログラマ
ブルロジックエレメントにおいて対応するコンフィギュレーションメモリに記憶されたコ
ンフィギュレーションデータのセットをコンテキスト信号により選択することでパワー・
ゲーティングを行うためのスイッチのオンまたはオフを制御することで実現できる。コン
テキスト信号は、各回路を一斉に制御する信号であるため、複雑な追加回路を設けること
なく、パワー・ゲーティングの制御を実現することができる。
【0066】
また、各プログラマブルロジックエレメントにおけるレジスタのデータのバックアップ及
びリカバリーは、コンテキスト信号をもとに得られる信号を用いて行うことができる。そ
のため、プログラマブルロジックエレメント毎に追加の論理回路を設ける必要は無い。換
言すると、コンテキスト信号をもとにバックアップもしくはリカバリーを制御するための
信号を生成する簡単な論理回路を追加するのみで、データのバックアップ及びリカバリー
の制御を実現することができる。
【0067】
なお不揮発性記憶部に用いる記憶素子としては、非導通状態でのリーク電流(オフ電流)
が極めて少ないトランジスタを用いて、所定のノードに電荷を保持させることで、記憶素
子とする構成を用いることが好ましい。このような記憶素子では、トランジスタを積層し
て設けることが可能であり、集積度が高めやすいといった利点がある。また、電流を流す
ことでデータを書き込む記憶素子とは異なり、電圧によるデータの書き込みおよび読み出
しを行う構成とすることができるため、データの書き込み及び読み出しの低消費電力化を
図ることができる。
【0068】
ここでは、オフ電流が低いとは、室温においてチャネル幅1μmあたりの規格化されたオ
フ電流が10zA以下であることをいう。オフ電流は少ないほど好ましいため、この規格
化されたオフ電流値が1zA以下、更に10yA以下とし、更に1yA以下であることが
好ましい。なお、その場合のソースとドレイン間の電圧は、例えば、0.1V、5V、又
は、10V程度である。このようにオフ電流が少ないトランジスタとしては、チャネルが
酸化物半導体で形成されているトランジスタが挙げられる。
【0069】
以上説明したように本発明の一態様は、複数のコンテキスト信号により機能の切り替えが
可能なプログラマブルロジックエレメントが有するレジスタ内において、揮発性記憶回路
と不揮発性記憶回路を設ける構成とする。そして、不揮発性記憶回路は、コンテキスト信
号の数に対応して不揮発性記憶部を有する構成とする。該構成とすることで、コンテキス
ト信号を切り替える毎に機能が切り替えられ、該機能の切り替えに従って変更されるレジ
スタ内のデータを、コンテキストを切り替える毎に不揮発性記憶部にバックアップするこ
とができる。また、コンテキストを切り替える毎に、以前にバックアップしたレジスタ内
のデータを、揮発性記憶回路にリカバリーすることができる。
【0070】
または本発明の一態様は、コンフィギュレーションメモリに記憶するコンフィギュレーシ
ョンデータのセットに、パワー・ゲーティングを制御するためのスイッチのオンまたはオ
フの要否に関する情報を割り当て、複数のコンテキスト信号により機能の切り替えを行う
際、該スイッチのオンまたはオフの制御を行う構成とする。該構成とすることで、あらか
じめ記憶したコンフィギュレーションデータ、及びコンテキスト信号の制御によって、プ
ログラマブルロジックエレメント毎の緻密な電力制御を行うことができる。
【0071】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0072】
(実施の形態2)
本実施の形態ではPLDの回路構成例、プログラマブルロジックエレメントの回路構成例
、及びプログラマブルロジックエレメントを構成する各回路の回路構成例について説明す
る。
【0073】
〈PLDの構成例〉
PLDの構成の一例について説明する。
図2に、PLD100の構成の一部を、例示する
。
【0074】
PLD100が有する構成として、
図2では、プログラマブルロジックエレメント101
(Programmable Logic Element:PLEと略記することもあ
る)及びプログラマブルスイッチエレメント102(Programmable Swi
tch Element:PSEと略記することもある)で構成されるロジックアレイ1
03(Logic Array:LAと略記することもある)、ワード線駆動回路111
(Word Driver)、ビット線駆動回路112(Bit Driver)、コン
フィギュレーション制御回路113(Configuration Controlle
r)、入出力端子部114L(I/O)並びに入出力端子部114R(I/O)、が配置
されるブロック図を例示している。
【0075】
図2では、プログラマブルロジックエレメント101及びプログラマブルスイッチエレメ
ント102が列方向に並んで配置される例を示している。プログラマブルロジックエレメ
ント101及びプログラマブルスイッチエレメント102にはそれぞれコンテキスト信号
(図中、context)が与えられる。コンテキスト信号を切り替えることでコンテキ
ストの切り替えを行うことができる。すなわち、プログラマブルロジックエレメント10
1の機能、及びプログラマブルスイッチエレメント102による電気的接続を切り替える
ことによる回路構成の切り替えを行うことができる。
【0076】
図2中のプログラマブルロジックエレメント101は、20個のプログラマブルロジック
エレメントが設けられる例を示している。なお
図2では、列方向に設けられた各プログラ
マブルロジックエレメントについて、説明のためブロック中において”LE_00”乃至
”LE_19”と番号を付している。
【0077】
図2中のプログラマブルロジックエレメント101は、一つのプログラマブルロジックエ
レメント(たとえば”LE_01”)について、4つのプログラマブルスイッチエレメン
トが設けられる例を示している。たとえば
図2で示す”LE_00”についていえば、4
つのプログラマブルスイッチエレメントとしてブロック中に”LE_0* to IO_
00”、”IO_0* to LE_00”、”LE_1* to LE_00”及び”
LE_0* to LE_00”が付された行方向にある4つのブロックが相当する。
【0078】
なお
図2のプログラマブルスイッチエレメントに付した、”LE_0* to IO_0
0”とは、”LE_01”乃至”LE_09”のいずれか一のプログラマブルロジックエ
レメントと、入出力端子部114Lが有する1番目の入出力端子との間の電気的な接続を
制御するためのプログラマブルスイッチエレメントを意味する。また、”IO_0* t
o LE_00”とは、入出力端子部114Lが有する1番目の入出力端子乃至10番目
の入出力端子のいずれか一の入出力端子と、”LE_00”のプログラマブルロジックエ
レメントとの間の電気的な接続を制御するためのプログラマブルスイッチエレメントを意
味する。また、”LE_1* to LE_00”とは、”LE_11”乃至”LE_1
9”のいずれか一のプログラマブルロジックエレメントと、”LE_00”のプログラマ
ブルロジックエレメントとの間の電気的な接続を制御するためのプログラマブルスイッチ
エレメントを意味する。また、”LE_0* to LE_00”とは、”LE_01”
乃至”LE_09”のいずれか一のプログラマブルロジックエレメントと、”LE_00
”のプログラマブルロジックエレメントとの間の電気的な接続を制御するためのプログラ
マブルスイッチエレメントを意味する。プログラマブルスイッチエレメント102によっ
てPLD100は、プログラマブルロジックエレメント101、プログラマブルスイッチ
エレメント102、入出力端子部114L及び入出力端子部114R同士の接続関係をコ
ンテキスト信号に従って切り替え、異なる機能を有する回路構成を実現することができる
。
【0079】
なお
図2では図示していないが、プログラマブルロジックエレメント101及びプログラ
マブルスイッチエレメント102には、ワード線駆動回路111からワード信号が与えら
れる。また、プログラマブルロジックエレメント101及びプログラマブルスイッチエレ
メント102には、ビット線駆動回路112からコンフィギュレーションデータが与えら
れる。ワード信号は、コンフィギュレーションデータの書き込みを制御している。コンフ
ィギュレーション制御回路113は、ワード線駆動回路111及びビット線駆動回路11
2を制御する機能を有する回路である。
【0080】
なお
図2に示す入出力端子部114L及び入出力端子部114Rは、ロジックアレイ10
3に信号を入出力するための端子を有する。入出力端子部114L及び入出力端子部11
4Rは、一例としては、上述したように、プログラマブルロジックエレメント”LE_0
0”乃至”LE_19”に対応して、”IO_00”乃至”IO_19”の20個の入出
力端子が設けられている。
【0081】
〈プログラマブルロジックエレメントの構成例〉
図3に、プログラマブルロジックエレメント101の構成を示す回路図を例示する。
図3
に示すプログラマブルロジックエレメント101は、コンフィギュレーションメモリ部2
01、パワー・ゲーティング部202(PG Area)、スイッチPSWを有する。パ
ワー・ゲーティング部202は、排他的論理和回路203、マルチプレクサMUX、セレ
クタSEL1、フリップフロップFF、及びセレクタSEL2を有する。
【0082】
コンフィギュレーションメモリ部201は、ワード信号が与えられるワード線(wlin
e)、コンフィギュレーションデータが与えられるビット線(bline)に接続される
。またコンフィギュレーションメモリ部201には、コンテキスト信号が与えられる。コ
ンフィギュレーションメモリ部201は、コンフィギュレーションメモリ(MC−CM:
Multi Context Configuration Memory)が複数設け
られ、ワード信号が供給されることで、所定のコンフィギュレーションメモリにコンフィ
ギュレーションデータが記憶される。
【0083】
またコンフィギュレーションメモリ部201は、コンテキスト信号に従って、排他的論理
和回路203、マルチプレクサMUX、セレクタSEL1、フリップフロップFF、及び
セレクタSEL2に出力する信号を切り替えることで回路構成を切り替える機能を有する
。
【0084】
またコンフィギュレーションメモリ部201は、コンテキスト信号に従って、パワー・ゲ
ーティング部202へのパワー・ゲーティングを制御する機能を有する。パワー・ゲーテ
ィングは、コンテキストを切り替えることで選択されるコンフィギュレーションデータの
セットに従って、スイッチPSWのオンまたはオフを切り替える。
【0085】
パワー・ゲーティング部202は、コンテキストの切り替えに従って、隣接するプログラ
マブルロジックエレメント101間で、キャリーチェーン(Carry chain)ま
たはレジスタチェーン(Register chain)を形成するための信号(car
ry signals、register chain signals)の入出力が行
われる。
【0086】
また、パワー・ゲーティング部202は、スイッチPSWのオンまたはオフの切り替えに
従って、各回路への高電源電位VDDの供給を制御し、パワー・ゲーティングの有無を制
御する。またパワー・ゲーティング部202の排他的論理和回路203には、入力端子I
Nより入力信号が与えられる。
【0087】
フリップフロップFFは、レジスタとして機能する回路である。フリップフロップFFは
、データDが入力される端子、リセット信号RESETが入力される端子、クロック信号
CLKが入力される端子、第1の制御信号Saveが入力される端子、第2の制御信号L
oadが入力される端子、データを出力する端子を有する。またフリップフロップFFは
、揮発性記憶回路と不揮発性記憶回路とを有する。フリップフロップFFの詳細について
は、後述する。
【0088】
スイッチPSWは、一例として、
図3に示すようにpチャネル型のトランジスタで構成す
ればよい。スイッチPSWは、高電源電位VDDが与えられる配線に電気的に接続され、
スイッチPSWのオンまたはオフに従って、高電源電位VDDをパワー・ゲーティング部
202に与えるか否かの制御を行う。
【0089】
〈コンフィギュレーションメモリの構成例〉
次いでプログラマブルロジックエレメント101が有するコンフィギュレーションメモリ
部201の構成例、及びコンフィギュレーションメモリの構成例について説明する。
【0090】
図4に示すコンフィギュレーションメモリ部201は、複数のコンフィギュレーションメ
モリ301を有する。
図4では、複数のコンフィギュレーションメモリ301がm行n列
(m、nは2以上の自然数)設けられている。各コンフィギュレーションメモリ301に
は、コンテキスト信号が与えられる。また各コンフィギュレーションメモリ301は、ワ
ード線(wline_1:0乃至wline_2m−1:2m−2)、ビット線(bli
ne_0乃至bline_n−1)に接続され、コンフィギュレーションデータの書き込
みが制御される。
【0091】
なおワード線の本数について、
図4では、コンフィギュレーションメモリ301毎に2本
(wline_1:0であれば、wline_1とwline_0)を設ける構成として
いる。これは、本実施の形態において、コンテキスト信号で切り替えるコンテキスト数を
2として説明するためであり、コンテキスト数に応じて、適宜変更することができる。
【0092】
次いで
図5(A)では、
図4に示したコンフィギュレーションメモリ301の具体的な回
路構成について説明する。コンフィギュレーションメモリ301は、コンテキスト数に応
じた複数のデータ記憶部401(DM:Data Memory cell)と、セレク
タ402(SEL)を有する。
【0093】
データ記憶部401はそれぞれ、ワード線(wline_1:0)及びビット線blin
eに接続され、ワード線にワード信号が供給されるタイミングで、ビット線blineに
与えられるコンフィギュレーションデータを記憶することができる。
【0094】
セレクタSELは、コンテキスト信号に従って、いずれか一のデータ記憶部401に記憶
されたコンフィギュレーションデータに応じた信号を出力端子outより出力する。
【0095】
図5(B)に示す回路図は、
図5(A)に示すデータ記憶部401の具体的な回路構成の
一例である。
【0096】
図5(B)に示すデータ記憶部401は、トランジスタ411、トランジスタ412、ト
ランジスタ413、トランジスタ414、容量素子C1および容量素子C2を有する。
【0097】
トランジスタ411は、ゲートがワード線wlineに接続され、ソース及びドレインの
一方がビット線blineに接続され、ソース及びドレインの他方が容量素子C1に接続
されている。トランジスタ412は、ゲートがワード線wlineに接続され、ソース及
びドレインの一方がビット線blineの信号を反転させた信号が与えられる配線bli
ne_bに接続され、ソース及びドレインの他方が容量素子C2に接続されている。
【0098】
トランジスタ413は、ゲートが容量素子C1に接続され、ソース及びドレインの一方が
電位VHが与えられる配線に接続され、ソース及びドレインの他方が出力端子DM_ou
tに接続されている。トランジスタ414は、ゲートが容量素子C2に接続され、ソース
及びドレインの一方が電位VLが与えられる配線に接続され、ソース及びドレインの他方
が出力端子DM_outに接続されている。なお電位VHは高電源電位VDD、電位VL
はグラウンド電位GNDとすればよい。
【0099】
なおトランジスタ411及びトランジスタ412には、非導通状態でのリーク電流(オフ
電流)が少ないトランジスタが用いられることが好ましい。ここでは、オフ電流が低いと
は、室温においてチャネル幅1μmあたりの規格化されたオフ電流が10zA以下である
ことをいう。オフ電流は少ないほど好ましいため、この規格化されたオフ電流値が1zA
以下、更に10yA以下とし、更に1yA以下であることが好ましい。なお、その場合の
ソースとドレイン間の電圧は、例えば、0.1V、5V、又は、10V程度である。この
ようにオフ電流が少ないトランジスタとしては、チャネルが酸化物半導体で形成されてい
るトランジスタが挙げられる。
【0100】
図5(B)に示すデータ記憶部401の構成では、ビット線bline(またはblin
e_b)と容量素子C1(またはC2)間をトランジスタ411(または412)で接続
し、このトランジスタ411(または412)の導通状態、又は非導通状態を制御するこ
とで、コンフィギュレーションデータの書き込み、記憶を行っている。そのためコンフィ
ギュレーションデータを記憶する期間において、容量素子C1(またはC2)が設けられ
るノードでの電荷の移動、すなわち、電位の変動を抑えるトランジスタ411(または4
12)として、オフ電流が少ないトランジスタが用いられることが特に好ましい。
【0101】
なお容量素子C1(またはC2)が設けられるノードとは、トランジスタ411のソース
及びドレインの他方と、トランジスタ413のゲートとが接続され、さらに容量素子C1
を構成する一方の電極が電気的に接続された配線上の節点のことであり、素子間に設けら
れる接続を行うための配線や、該配線に付加される容量素子等のいずれかの箇所をいう。
なお
図5(B)では容量素子C1(またはC2)を設ける構成としたが、トランジスタ4
13及び414のゲート容量を利用することで、容量素子を省略することもできる。
【0102】
トランジスタ411及び412をオフ電流が少ないトランジスタとすることで、データ記
憶部401を、電源供給を停止後にデータを記憶できる不揮発性のメモリとすることがで
きる。よって、一旦、データ記憶部401に書き込まれたコンフィギュレーションデータ
は、再度、トランジスタ411及び412を導通状態とするまで、容量素子C1(または
C2)が設けられるノードに記憶し続けることができる。従って、外部のメモリデバイス
からコンフィギュレーションデータをロードする処理を省略でき、起動時の消費電力の削
減、起動時間の短縮等が実現できる。
【0103】
なお本明細書等において、半導体層に酸化物半導体層を有するトランジスタ(以下、OS
トランジスタと略記)は、半導体層に酸化物半導体層を有することを明示するために、O
Sの符号を合わせて付して説明する場合がある。なお本明細書等において、半導体層にシ
リコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタと略記)は、半導体層にシリコン
を有することを明示するために、Siの符号を合わせて付して説明する場合がある。
図5
(B)では、トランジスタ411及びトランジスタ412は、半導体層に酸化物半導体層
を有するトランジスタであることを明示するために、OSの符号を合わせて付している。
また
図5(B)で、トランジスタ413及びトランジスタ414は、半導体層にシリコン
を有するトランジスタであることを明示するための、Siの符号を併せて付している。
【0104】
なお
図5(B)では、トランジスタ411乃至トランジスタ414をnチャネル型のトラ
ンジスタとしたが、pチャネル型トランジスタとすることもできる。
【0105】
〈フリップフロップの回路構成例〉
図6に、
図3で示したフリップフロップFFの一形態を例示する。
図6に示すラッチ回路
500は、
図3に示すフリップフロップFFが有する1ビットのデータを記憶するラッチ
回路の一例である。
【0106】
図6に示すラッチ回路500は、揮発性記憶回路501及び不揮発性記憶回路502を有
する。不揮発性記憶回路502は、コンテキスト数に応じた数の不揮発性記憶部503_
1乃至503_j、及び揮発性記憶回路501が有するデータを記憶するノードに応じて
設けられたインバータ回路504を有する。なお揮発性記憶回路501は、実施の形態1
の
図1(B)で説明した揮発性記憶回路21に相当する回路であり、不揮発性記憶回路5
02は実施の形態1の
図1(B)で説明した不揮発性記憶回路22に相当する回路である
。また不揮発性記憶部503_1乃至503_jは、実施の形態1の
図1(B)で説明し
た第1乃至第kの不揮発性記憶部SR_1乃至SR_kに相当する記憶部である。
【0107】
図6に示す揮発性記憶回路501は、一例として、アナログスイッチ511、NAND回
路512、インバータ回路513、アナログスイッチ514、インバータ回路515及び
NAND回路516を有する。アナログスイッチ511、インバータ回路513、アナロ
グスイッチ514、及びNAND回路516には、クロック信号CLK及び反転クロック
信号CLKNが与えられる。またNAND回路512及びNAND回路516には、リセ
ット信号RESETが与えられる。なお各回路に与えられる反転クロック信号CLKNは
、ラッチ回路500に与えられるクロック信号CLKをインバータ回路で反転させて得る
構成とすればよい。
【0108】
揮発性記憶回路501は、電源供給が継続されている期間において、データに対応する電
位をインバータラッチに保持し、データを記憶する機能を有する回路である。不揮発性記
憶回路502は、電源供給が停止されている期間において、データに対応する電位を保持
し、データを記憶する機能を有する回路である。
【0109】
不揮発性記憶部503_1は、複数のデータ記憶部520を有する。データ記憶部520
は、トランジスタ521、容量素子522、トランジスタ523及びトランジスタ524
を有する。なお
図6に示す不揮発性記憶部503_1は、揮発性記憶回路501が有する
データを記憶するノードに応じて、データを記憶するデータ記憶部520に相当する回路
を4つ有する。
【0110】
また不揮発性記憶部503_2乃至503_jについても、
図6に示すように同じ回路構
成を有する。
【0111】
データ記憶部520のトランジスタ521のソース及びドレインの一方は、インバータ回
路504を介して、揮発性記憶回路501が有するインバータラッチを構成するノードの
一方に接続されている。トランジスタ521のゲートは、第1の制御信号Save_1が
与えられる配線に接続されている。トランジスタ521のソース及びドレインの他方は、
トランジスタ524のゲート及び容量素子522の第1の電極に接続されている。
【0112】
容量素子522の第2の電極及びトランジスタ524のソースまたはドレインの他方は、
グラウンド電位が与えられる配線に接続されている。
【0113】
トランジスタ523のソース及びドレインの一方は、揮発性記憶回路501が有するイン
バータラッチを構成するノードの一方に接続されている。トランジスタ523のソース及
びドレインの他方は、トランジスタ524のソース及びドレインの一方に接続されている
。トランジスタ523のゲートは、第2の制御信号Load_1が与えられる配線に接続
されている。
【0114】
なお不揮発性記憶部503_1において、トランジスタ521のソース及びドレインの他
方、容量素子522の第1の電極及びトランジスタ524のゲートが接続されたノードを
、
図6に示すようにノードF1、ノードF2、ノードF3、ノードF4という。また、不
揮発性記憶部503_2においても同様に、
図6に示すようにノードF5、ノードF6、
ノードF7、ノードF8という。なおノードF1、ノードF2、ノードF3、ノードF4
にゲートが接続されるトランジスタを説明のため、トランジスタM1乃至M4ともいう。
なおノードF5、ノードF6、ノードF7、ノードF8にゲートが接続されるトランジス
タを説明のため、トランジスタM5乃至M8ともいう。
【0115】
なお、不揮発性記憶部503_2乃至503_jに与えられる第1の制御信号Save_
1及び第2の制御信号Load_1に相当する信号を、
図6に示すように、それぞれ第1
の制御信号Save_2乃至Save_j、並びに第2の制御信号Load_2乃至Lo
ad_jという。なお第1の制御信号Save_1乃至Save_j、及び第2の制御信
号Load_1乃至Load_jは、簡単な論理回路を追加するのみで生成できる制御信
号である。具体的には、コンテキスト信号と、データのバックアップ又はリカバリーを行
うタイミング信号と、の論理積で得られる信号を第1の制御信号Save_1乃至Sav
e_j、及び第2の制御信号Load_1乃至Load_jに用いることができる。
【0116】
図6に示す回路構成とすることで、プログラマブルロジックエレメントでは、揮発性記憶
回路501が有するインバータラッチを構成するノードのデータを、第1の制御信号Sa
ve_1乃至Save_jのいずれか一、たとえば第1の制御信号Save_1をHレベ
ルにすることで、ノードF1、ノードF2、ノードF3、ノードF4に退避させることが
できる。また、ノードF1、ノードF2、ノードF3、ノードF4のデータを、第2の制
御信号Load_1乃至Load_jのいずれか一、たとえば第2の制御信号Load_
1をHレベルにすることで、ノードに復元させることができる。
【0117】
なおトランジスタ521には、非導通状態でのリーク電流(オフ電流)が少ないトランジ
スタであることが好ましい。
図6に示すデータ記憶部520の構成では、トランジスタ5
21の導通状態、又は非導通状態を制御することで、揮発性記憶回路501が有するデー
タの書き込み、記憶を行っている。そのため揮発性記憶回路501が有するデータを記憶
する期間において、ノードF1での電荷の移動、すなわち、電位の変動を抑えるトランジ
スタ521として、オフ電流が少ないトランジスタが用いられることが特に好ましい。
【0118】
トランジスタ521をオフ電流が少ないトランジスタとすることで、データ記憶部520
を、電源供給を停止後にデータを記憶できる不揮発性のメモリとすることができる。よっ
て、一旦、データ記憶部520に書き込まれた揮発性記憶回路501が有するデータは、
再度、トランジスタ521を導通状態とするまで、ノードF1に記憶し続けることができ
る。従って、ラッチ回路500を有するフリップフロップへの電源供給を停止する期間を
設けたとしても、一旦記憶したデータを保持し、データの再計算に要する時間や電力の削
減等が実現できる。
【0119】
なお
図6では、トランジスタ521、トランジスタ523及びトランジスタ524をnチ
ャネル型のトランジスタとして説明をするが、pチャネル型トランジスタとすることもで
きる。
【0120】
〈ラッチ回路の動作例〉
次に、
図6に示すラッチ回路500の動作について、
図7、
図8に示すタイミングチャー
トを用いて説明する。
【0121】
図7において、VDDはラッチ回路500に高電源電位VDDを与える配線の電位を表す
。また、RESETはリセット信号が与えられる配線の電位を表す。また、CLKはクロ
ック信号が与えられる配線の電位を表す。また、Dはデータ信号が与えられる配線の電位
を表す。また、Qは出力信号が与えられる配線の電位を表す。また、Save_1は第1
の制御信号Save_1が与えられる配線の電位を表す。また、Load_1は第2の制
御信号Load_1が与えられる配線の電位を表す。また、F1はノードF1の電位を表
す。また、F2はノードF2の電位を表す。また、F3はノードF3の電位を表す。また
、F4はノードF4の電位を表す。
【0122】
データ信号及び出力信号は、Hレベルの電位またはLレベルの電位であるが、ここでは入
力される順に”D0”乃至”D3”のように表記する。また、”D0”の反転値には、”
D0_b”として表記する。また図面においては、”D0”の反転値を”D0”の上側に
線を付して表記する。
【0123】
図7に示すタイミングチャートにおいて、期間T1乃至T5は、ラッチ回路500の状態
を表している。期間T1は通常動作期間(active state)である。期間T2
はデータのバックアップ期間(Backup)である。期間T3は動作停止期間(Off
state)である。期間T4はデータのリカバリー期間(Recovery)である
。期間T5は通常動作期間(active state)である。
【0124】
期間T1では、クロック信号がLレベルからHレベルに切り替わるタイミングで、データ
信号が”D0”から”D1”に変わる。この切り替わったデータ信号”D1”が、揮発性
記憶回路501が有するデータとして、マスターラッチ及びスレーブラッチが有する双方
のインバータラッチに与えられる。また期間T1では、クロック信号がHレベルからLレ
ベルに切り替わるタイミングで、揮発性記憶回路501が取り込んだデータを出力信号”
D1”として出力する。なお期間T1では、ノードF1乃至F4の電位は、不定値(un
known)として示しているが、前の期間に書き込まれたデータを記憶する構成として
もよい。
【0125】
次いで期間T2で、クロック信号はLレベルに固定され、第1の制御信号Save_1が
Hレベルになる。このとき、揮発性記憶回路501は取り込んだデータ”D1”をインバ
ータラッチで保持する。また、揮発性記憶回路501は取り込んだデータ”D1”がイン
バータ回路504を介してノードF1に与えられ、ノードF1の電位は、”D1_b”と
なる。同様に、ノードF2乃至F4についても、揮発性記憶回路501が有するインバー
タラッチが保持するいずれか一の電位が与えられ、
図7に示す状態となる。
【0126】
期間T3で、電源電圧の供給を停止し、第1の制御信号Save_1をLレベルにする。
このとき、ノードF1乃至F4は浮遊状態となり、データを記憶する。このように、不揮
発性記憶回路502にデータが記憶され、揮発性記憶回路501のデータは消失する。
【0127】
期間T4で、電源電圧の供給を再開し、第2の制御信号Load_1がHレベルになる。
このとき、揮発性記憶回路501が有するインバータラッチを構成するノードの一方また
は他方の電位は、M1とM2、及びM3とM4のトランジスタのチャネル抵抗の差で決定
される。例えば、データ”D1”がHレベルの場合、ノードF1はLレベルである。この
とき、トランジスタM1はオフであり、グラウンド電位GNDを供給する配線と揮発性記
憶回路501が有するインバータラッチを構成するノードの一方とは非導通状態である。
一方、データ”D1”がHレベルの場合、ノードF2はHレベルである。このとき、トラ
ンジスタM2はオンであり、グラウンド電位GNDを供給する配線と揮発性記憶回路50
1が有するインバータラッチを構成するノードの他方とは導通状態である。そのため、揮
発性記憶回路501が有するインバータラッチを構成するノードの一方または他方の電位
は、常にノードF1乃至F4の電位に従ってLレベルのノードが決まり、データの復元を
行うことができる。
【0128】
電源電圧の供給が再開されると、データ信号が与えられる配線の電位Dが”D1”に戻り
、クロック信号が与えられる配線にはLレベルの電位が供給される。このとき、ラッチ回
路500の出力電位が”D1”となる。したがって、揮発性記憶回路501にデータを復
元することができる。
【0129】
期間T5で、制御信号Load_1がLレベルになり、これ以降、通常動作期間になり、
データ演算が再開される。
【0130】
以上のような構成とすることで、電源電圧の供給を停止及び再開することを容易に実現す
ることができるプログラマブルロジックデバイスを提供することができる。揮発性記憶回
路501と不揮発性記憶回路502とでデータの退避及び復元を行うことで、電源電圧の
供給を適宜停止及び再開することができ、消費電力の低減を図ることができる。
【0131】
なお
図6に示すラッチ回路の回路構成は、ノードF1とF2、並びにノードF3とF4に
記憶されるデータは常に論理が反対の関係にあるため、復元動作を行う際、M1とM2の
何れか、及びM3とM4の何れかのトランジスタが必ず導通状態となり、揮発性記憶回路
501内のインバータラッチにLレベルの電位を与える。その為、高速にデータの復元が
可能であり、また駆動電圧を低くすることが可能である。
【0132】
図7では電源電圧の供給を停止する際の動作について説明したが、
図8ではコンテキスト
を切り替える際の動作について説明する。
図8では、一例として第1のコンテキストから
第2のコンテキストに切り替え、再度第1のコンテキストに切り替える構成について説明
する。
【0133】
図8において、CLKはクロック信号が与えられる配線の電位を表す。また、Dはデータ
信号が与えられる配線の電位を表す。また、Qは出力信号が与えられる配線の電位を表す
。また、Save_1は第1の制御信号Save_1が与えられる配線の電位を表す。ま
た、Load_1は第2の制御信号Load_1が与えられる配線の電位を表す。また、
Save_2は第1の制御信号Save_2が与えられる配線の電位を表す。また、Lo
ad_2は第2の制御信号Load_2が与えられる配線の電位を表す。また、F1はノ
ードF1の電位を表す。また、F2はノードF2の電位を表す。また、F3はノードF3
の電位を表す。また、F4はノードF4の電位を表す。また、F5はノードF5の電位を
表す。また、F6はノードF6の電位を表す。また、F7はノードF7の電位を表す。ま
た、F8はノードF8の電位を表す。
【0134】
データ信号及び出力信号は、Hレベルの電位またはLレベルの電位であるが、ここでは第
1のコンテキストで得られるデータについて、入力される順に”D0”乃至”D3”のよ
うに表記し、第2のコンテキストで得られるデータについて、入力される順に”d0”乃
至”d3”のように表記する。また、”D0”、”d0”の反転値には、”D0_b”、
”d0_b”として表記する。また図面においては、”D0”、”d0”の反転値を”D
0”、”d0”の上側に線を付して表記する。
【0135】
図8に示すタイミングチャートにおいて、期間T11乃至T17は、ラッチ回路500の
状態を表す。期間T11は第1のコンテキストによる通常動作期間(active st
ate)である。期間T12は第1のコンテキストによるデータのバックアップ期間(B
ackup)である。期間T13は第2のコンテキストによるデータのリカバリー期間(
Recovery)である。期間T14は第2のコンテキストによる通常動作期間(ac
tive state)である。期間T15は第2のコンテキストによるデータのバック
アップ期間(Backup)である。期間T16は第1のコンテキストによるデータのリ
カバリー期間(Recovery)である。期間T17は第1のコンテキストによる通常
動作期間(active state)である。
【0136】
まず第1のコンテキストによるデータの記憶を行う。期間T11では、クロック信号がL
レベルからHレベルに切り替わるタイミングで、データ信号が”D0”から”D1”に変
わる。この切り替わったデータ信号”D1”が、揮発性記憶回路501が有するデータと
して、マスターラッチ及びスレーブラッチが有する双方のインバータラッチに取り込まれ
る。また期間T11では、クロック信号がHレベルからLレベルに切り替わるタイミング
で、揮発性記憶回路501が取り込んだデータを出力信号”D1”として出力する。なお
期間T11では、ノードF1乃至F4の電位は、不定値(unknown)として示して
いる。また期間T11では、ノードF5乃至F8の電位は、前の期間に書き込まれたデー
タである”d0”及び”d0_b”として示している。
【0137】
次いで第1のコンテキストによるデータの記憶から第2のコンテキストによるデータの記
憶に切り替えるために、第1のコンテキストによるデータのバックアップを行う。期間T
12で、クロック信号はLレベルに固定され、第1の制御信号Save_1がHレベルに
なる。このとき、揮発性記憶回路501は取り込んだデータ”D1”をインバータラッチ
で保持する。また、揮発性記憶回路501は取り込んだデータ”D1”がインバータ回路
504を介してノードF1に与えられ、ノードF1の電位は、”D1_b”となる。同様
に、ノードF2乃至F4についても、揮発性記憶回路501が有するインバータラッチが
保持するいずれか一の電位が与えられ、
図8に示す状態となる。
【0138】
次いで、前の期間にバックアップしたデータの第2のコンテキストによる復元を行う。期
間T13で、第2の制御信号Load_2がHレベルになる。このとき、揮発性記憶回路
501が有するインバータラッチを構成するノードの一方または他方の電位は、M5とM
6、及びM7とM8のトランジスタのチャネル抵抗の差で決定される。例えば、データ”
d0”がHレベルの場合、ノードF5はLレベルである。このとき、トランジスタM5は
オフであり、グラウンド電位GNDを供給する配線と揮発性記憶回路501が有するイン
バータラッチを構成するノードの一方とは非導通状態である。一方、データ”d0”がH
レベルの場合、ノードF6はHレベルである。このとき、トランジスタM6はオンであり
、グラウンド電位GNDを供給する配線と揮発性記憶回路501が有するインバータラッ
チを構成するノードの他方とは導通状態である。そのため、揮発性記憶回路501が有す
るインバータラッチを構成するノードの一方または他方の電位は、常にノードF5乃至F
8の電位に従ってLレベルのノードが決まり、データの復元を行うことができる。
【0139】
次いで、復元したデータをもとに第2のコンテキストによるデータの記憶を行う。期間T
14では、クロック信号がLレベルからHレベルに切り替わるタイミングで、データ信号
”d0”が”d1”に変わり、データ信号”d1”が”d2”に変わる。これらの切り替
わったデータ信号”d1”及び”d2”が、揮発性記憶回路501が有するデータとして
、マスターラッチ及びスレーブラッチが有する双方のインバータラッチに取り込まれる。
また期間T14では、クロック信号がHレベルからLレベルに切り替わるタイミングで、
揮発性記憶回路501が取り込んだデータを出力信号”d1”及び”d2”として出力す
る。なお期間T14では、ノードF1乃至F4の電位は、前の期間に書き込まれたデータ
である”D1”及び”D1_b”として示している。また期間T14では、ノードF5乃
至F8の電位は、前の期間に書き込まれたデータである”d0”及び”d0_b”として
示している。
【0140】
次いで第2のコンテキストによるデータの記憶から再度第1のコンテキストによるデータ
の記憶に切り替えるために、第2のコンテキストによるデータのバックアップを行う。期
間T15で、クロック信号はLレベルに固定され、第1の制御信号Save_2がHレベ
ルになる。このとき、揮発性記憶回路501は取り込んだデータ”d2”をインバータラ
ッチで保持する。また、揮発性記憶回路501は取り込んだデータ”d2”がインバータ
回路504を介してノードF5に与えられ、ノードF5の電位は、”d2_b”となる。
同様に、ノードF6乃至F8についても、揮発性記憶回路501が有するインバータラッ
チが保持するいずれか一の電位が与えられ、
図8に示す状態となる。
【0141】
次いで、前の期間にバックアップしたデータの第1のコンテキストによる復元を行う。期
間T16で、第2の制御信号Load_1がHレベルになる。このとき、揮発性記憶回路
501が有するインバータラッチを構成するノードの一方または他方の電位は、M1とM
2、及びM3とM4のトランジスタのチャネル抵抗の差で決定される。例えば、データ”
D1”がHレベルの場合、ノードF1はLレベルである。このとき、トランジスタM1は
オフであり、グラウンド電位GNDを供給する配線と揮発性記憶回路501が有するイン
バータラッチを構成するノードの一方とは非導通状態である。一方、データ”D1”がH
レベルの場合、ノードF2はLレベルである。このとき、トランジスタM2はオンであり
、グラウンド電位GNDを供給する配線と揮発性記憶回路501が有するインバータラッ
チを構成するノードの他方とは導通状態である。そのため、揮発性記憶回路501が有す
るインバータラッチを構成するノードの一方または他方の電位は、常にノードF1乃至F
4の電位に従ってLレベルのノードが決まり、データの復元を行うことができる。
【0142】
次いで期間T17で、復元したデータをもとに第1のコンテキストによるデータの記憶が
再開される。
【0143】
以上のような構成とすることで、プログラマブルロジックエレメントが有するレジスタ内
のデータを保持し、コンテキストの切り替えを容易に実現することができるプログラマブ
ルロジックデバイスを提供することができる。また、以上のような構成とすることで、揮
発性記憶回路501と不揮発性記憶回路502の間でデータの退避及び復元を伴ったコン
テキストの切り替えを行うことができ、電源供給を停止した際の、データを保持すること
ができる。また、以上のような構成とすることで、電源電圧の供給を適宜停止及び再開す
ることができ、消費電力の低減を図ることができる。
【0144】
〈プログラマブルスイッチエレメントの構成例〉
次いで
図2で示すプログラマブルスイッチエレメント102の構成例について説明する。
【0145】
図9に示すプログラマブルスイッチエレメント102は、複数のルーティングスイッチ部
601(MC−RS:Multi−Context Routing Switch)を
有する。
図9では、複数のルーティングスイッチ部601がm行n列(m、nは2以上の
自然数)設けられている。各ルーティングスイッチ部601には、コンテキスト信号が与
えられる。また各ルーティングスイッチ部601は、ワード線(wline_1:0乃至
wline_2m−1:2m−2)、ビット線(bline_0乃至bline_n−1
)、入力線(SW_in_0乃至SW_in_n−1)、出力線(SW_out_0乃至
SW_out_m−1)に接続され、コンフィギュレーションデータの書き込み及びコン
フィギュレーションデータに応じた配線間の電気的接続が制御される。
【0146】
なおワード線の本数について、
図9では、ルーティングスイッチ部601毎に2本(wl
ine_1:0であれば、wline_1とwline_0)を設ける構成としている。
これは、本実施の形態において、コンテキスト信号で切り替えるコンテキスト数を2とし
て説明するためであり、コンテキスト数に応じて、適宜変更することができる。
【0147】
次いで
図10(A)では、
図9に示したルーティングスイッチ部601の具体的な回路構
成について説明する。ルーティングスイッチ部601は、コンテキスト数に応じたルーテ
ィングスイッチ701(RS:Routing Switch)と、セレクタ702(S
EL)を有する。
【0148】
ルーティングスイッチ701はそれぞれ、ワード線(wline_1:0)、ビット線b
line及び入力線SW_inに接続され、ビット線に与えられるコンフィギュレーショ
ンデータをワード線にワード信号が供給されるタイミングで記憶することができる。ルー
ティングスイッチ701は、コンフィギュレーションデータに応じて、いずれか一の入力
線SW_inとセレクタSELとの電気的な接続を切り替える。
【0149】
セレクタSELは、コンテキスト信号に従って、いずれか一の入力線SW_inといずれ
か一の出力線SW_outとの電気的な接続を切り替える。
【0150】
図10(B)に示す回路図は、
図10(A)に示すルーティングスイッチ701の具体的
な回路構成の一例である。
【0151】
図10(B)に示すルーティングスイッチ701は、トランジスタ711、トランジスタ
712および容量素子713を有する。トランジスタ711は、ゲートがワード線wli
neに接続され、ソース及びドレインの一方がビット線blineに接続され、ソース及
びドレインの他方が容量素子713に接続されている。トランジスタ712は、ゲートが
ノードSNに接続され、ソース及びドレインの一方が入力線SW_inに接続され、ソー
ス及びドレインの他方が出力端子RS_outに接続されている。
【0152】
なおトランジスタ711には、非導通状態でのリーク電流(オフ電流)が少ないトランジ
スタが用いられることが好ましい。
図10(B)に示すルーティングスイッチ701の構
成では、トランジスタ711の導通状態、又は非導通状態を制御することで、コンフィギ
ュレーションデータの書き込み、記憶を行っている。そのためコンフィギュレーションデ
ータを記憶する期間において、ノードSNでの電荷の移動を伴った電位の変動を抑えるス
イッチとして、オフ電流が少ないトランジスタが用いられることが特に好ましい。
【0153】
トランジスタ711をオフ電流が少ないトランジスタとすることで、ルーティングスイッ
チ701を、電源供給を停止後にデータの保持期間が存在する不揮発性のメモリとするこ
とができる。よって、一旦、ルーティングスイッチ701に書き込まれたコンフィギュレ
ーションデータは、再度、トランジスタ711を導通状態とするまで、ノードSNに記憶
し続けることができる。従って、ルーティングスイッチ部601への電源供給を停止する
期間を設けたとしても、一旦記憶したコンフィギュレーションデータを保持し、再度のコ
ンフィギュレーションデータの書き込みに要する時間や電力の削減等が実現できる。
【0154】
なお
図10(B)に示すノードSNとは、トランジスタ711のソース及びドレインの他
方と、トランジスタ712のゲートとが接続され、さらに容量素子713を構成する一方
の電極が電気的に接続された配線上の節点のことであり、素子間に設けられる接続を行う
ための配線や、該配線に付加される容量素子等のいずれかの箇所をいう。なお
図10(B
)では容量素子713を設ける構成としたが、トランジスタ712のゲート容量を利用す
ることで、容量素子を省略することもできる。
【0155】
なお
図10(B)では、トランジスタ711及び712をnチャネル型のトランジスタと
したが、pチャネル型トランジスタとすることもできる。
【0156】
上述したように、本発明の一態様では、複数のコンテキスト信号により機能の切り替えが
可能なプログラマブルロジックエレメントが有するレジスタ内において、揮発性記憶回路
と、コンテキスト信号の数に対応して複数の不揮発性記憶部が設けられた不揮発性記憶回
路と、を設ける構成とする。当該構成により、コンテキストを切り替える毎に、揮発性記
憶回路のデータの退避及び復元をコンテキストに応じて行うことができる。その結果、各
プログラマブルロジックエレメントが有するレジスタでのデータを保持することのできる
プログラマブルロジックデバイスとすることができる。
【0157】
または本発明の一態様は、プログラマブルロジックエレメント内にスイッチを設け、コン
フィギュレーションデータのセットに、パワー・ゲーティングを制御するためのスイッチ
のオンまたはオフの要否に関する情報を割り当て、複数のコンテキスト信号により機能の
切り替えを行う際、該スイッチのオンまたはオフの制御を行う構成とする。該構成とする
ことで、複雑な制御回路を用いることなく、プログラマブルロジックエレメント毎のパワ
ー・ゲーティングにより緻密な電力制御ができる。
【0158】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0159】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明したオフ電流の低いトランジスタの半導体層に
用いることのできる酸化物半導体層について説明する。
【0160】
トランジスタの半導体層中のチャネル形成領域に用いる酸化物半導体としては、少なくと
もインジウム(In)又は亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にIn及びZnを含む
ことが好ましい。また、それらに加えて、酸素を強く結びつけるスタビライザーを有する
ことが好ましい。スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ジルコニ
ウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びアルミニウム(Al)の少なくともいずれかを有
すればよい。
【0161】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(
Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム
(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホル
ミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ル
テチウム(Lu)のいずれか一種又は複数種を有してもよい。
【0162】
トランジスタの半導体層として用いられる酸化物半導体としては、例えば、酸化インジウ
ム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化
物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化
物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、
In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、S
n−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−Zr−Zn系酸化物、In
−Ti−Zn系酸化物、In−Sc−Zn系酸化物、In−Y−Zn系酸化物、In−L
a−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd
−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−
Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Z
n系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn
系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−
Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化
物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物等がある。
【0163】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=3:1:2、あるいはI
n:Ga:Zn=2:1:3の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の
酸化物を用いるとよい。
【0164】
半導体層を構成する酸化物半導体膜に水素が多量に含まれると、酸化物半導体と結合す
ることによって、水素の一部がドナーとなり、キャリアである電子を生じてしまう。これ
により、トランジスタの閾値電圧がマイナス方向にシフトしてしまう。そのため、酸化物
半導体膜の形成後において、脱水化処理(脱水素化処理)を行い酸化物半導体膜から、水
素、又は水分を除去して不純物が極力含まれないように高純度化することが好ましい。
【0165】
なお、酸化物半導体膜への脱水化処理(脱水素化処理)によって、酸化物半導体膜から
酸素が減少してしまうことがある。よって、脱水化処理(脱水素化処理)によって増加し
た酸素欠損を補填するため酸素を酸化物半導体膜に加える処理を行うことが好ましい。本
明細書等において、酸化物半導体膜に酸素を供給する場合を、加酸素化処理と記す場合が
ある、または酸化物半導体膜に含まれる酸素を化学量論的組成よりも多くする場合を過酸
素化処理と記す場合がある。
【0166】
このように、酸化物半導体膜は、脱水化処理(脱水素化処理)により、水素又は水分が
除去され、加酸素化処理により酸素欠損を補填することによって、i型(真性)化又は実
質的にi型(真性)である酸化物半導体膜とすることができる。なお、実質的に真性とは
、酸化物半導体膜中にドナーに由来するキャリアが極めて少なく(ゼロに近く)、キャリ
ア密度が1×10
17/cm
3以下、1×10
16/cm
3以下、1×10
15/cm
3
以下、1×10
14/cm
3以下、1×10
13/cm
3以下であることをいう。
【0167】
また、このように、i型又は実質的にi型である酸化物半導体膜を備えるトランジスタ
は、極めて優れたオフ電流特性を実現できる。例えば、酸化物半導体膜を用いたトランジ
スタが非導通状態のときのドレイン電流を、室温(25℃程度)にて1×10
−18A以
下、好ましくは1×10
−21A以下、更に好ましくは1×10
−24A以下、又は85
℃にて1×10
−15A以下、好ましくは1×10
−18A以下、更に好ましくは1×1
0
−21A以下とすることができる。なお、トランジスタが非導通状態とは、nチャネル
型のトランジスタの場合、ゲート電圧が閾値電圧よりも十分小さい状態をいう。具体的に
は、ゲート電圧が閾値電圧よりも1V以上、2V以上又は3V以上小さければ、トランジ
スタは非導通状態となる。
【0168】
また、成膜される酸化物半導体膜は、単結晶酸化物半導体膜と非単結晶酸化物半導体膜と
に大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導
体膜、多結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS(C Axis Aligned Cry
stalline Oxide Semiconductor)膜などをいう。
【0169】
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸
化物半導体膜である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の
酸化物半導体膜が典型である。
【0170】
微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶
ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも原
子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜より
も欠陥準位密度が低いという特徴がある。
【0171】
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結
晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−O
S膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内
に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC−OS膜は、微結晶酸化物半導体膜よりも欠
陥準位密度が低いという特徴がある。以下、CAAC−OS膜について詳細な説明を行う
。
【0172】
CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Elect
ron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結
晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CA
AC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
【0173】
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察
)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子
の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸
を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
【0174】
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TE
M観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列しているこ
とを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られな
い。
【0175】
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有して
いることがわかる。
【0176】
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装
置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO
4の結晶を有するCAAC−OS膜
のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが
現れる場合がある。このピークは、InGaZnO
4の結晶の(009)面に帰属される
ことから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概
略垂直な方向を向いていることが確認できる。
【0177】
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−pl
ane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは
、InGaZnO
4の結晶の(110)面に帰属される。InGaZnO
4の単結晶酸化
物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)と
して試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に
帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを5
6°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
【0178】
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不
規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行
な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配
列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
【0179】
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行
った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面また
は上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形
状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面
または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
【0180】
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜
の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面
近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAA
C−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分
的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
【0181】
なお、InGaZnO
4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法
による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れ
る場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性
を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍に
ピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
【0182】
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動
が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0183】
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CA
AC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
【0184】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0185】
(実施の形態4)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係るPLDが有するプログラマブルスイッチ
エレメントを構成する回路部に用いられるトランジスタの断面の構造について、図面を参
照して説明する。
【0186】
図11に、開示する発明の一態様に係る回路部の断面構造の一部を、一例として示す。な
お、
図11では、上記実施の形態2の
図6で図示したトランジスタ524、容量素子52
2、及びトランジスタ521を、例示している。
【0187】
また、本実施の形態では、トランジスタ524が、単結晶のシリコン基板に形成され、酸
化物半導体を活性層に用いたトランジスタ521が、トランジスタ524上に形成されて
いる場合を例示している。トランジスタ524は、非晶質、微結晶、多結晶又は単結晶で
ある、シリコン又はゲルマニウムなどの薄膜の半導体を活性層に用いていても良い。或い
は、トランジスタ524は、酸化物半導体を活性層に用いていても良い。全てのトランジ
スタが酸化物半導体を活性層に用いている場合、トランジスタ521はトランジスタ52
4上に積層されていなくとも良く、トランジスタ521とトランジスタ524とは、同一
の層に形成されていても良い。
【0188】
薄膜のシリコンを用いてトランジスタ524を形成する場合、プラズマCVD法などの気
相成長法若しくはスパッタリング法で作製された非晶質シリコン、非晶質シリコンをレー
ザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコン、単結晶シリコンウェハに水
素イオン等を注入して表層部を剥離した単結晶シリコンなどを用いることができる。
【0189】
なお、上記実施の形態2の
図6で説明したトランジスタのうち、トランジスタ521に酸
化物半導体を用い、トランジスタ523及びトランジスタ524にシリコンを用いる場合
、シリコンを用いたトランジスタの数に対し、酸化物半導体を用いたトランジスタの数は
少なくて済む。よって、シリコンを用いたトランジスタ上にトランジスタ521を積層さ
せることで、トランジスタ521のデザインルールを緩和させることができる。
【0190】
このような、シリコンを用いたトランジスタと酸化物半導体を用いたトランジスタとを積
層した構造のレジスタを有することによってPLDのチップ面積を縮小することができる
。また一つの回路ブロックにおいて、シリコンを用いたトランジスタの数は、酸化物半導
体を用いたトランジスタの数より多いため、実際のPLDのチップ面積は、シリコンを用
いたトランジスタの数で決定される。
【0191】
図11では、半導体基板800にnチャネル型のトランジスタ524が形成されている。
【0192】
半導体基板800は、例えば、n型又はp型の導電性を有するシリコン基板、ゲルマニウ
ム基板、シリコンゲルマニウム基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、G
aN基板、SiC基板、GaP基板、GaInAsP基板、ZnSe基板等)等を用いる
ことができる。
図11では、n型の導電性を有する単結晶シリコン基板を用いた場合を例
示している。
【0193】
また、トランジスタ524は、素子分離用絶縁膜801により、他のトランジスタと、電
気的に分離されている。素子分離用絶縁膜801の形成には、選択酸化法(LOCOS(
Local Oxidation of Silicon)法)又はトレンチ分離法等を
用いることができる。
【0194】
具体的に、トランジスタ524は、半導体基板800に形成された、ソース領域又はドレ
イン領域として機能する不純物領域802及び不純物領域803と、ゲート電極804と
、半導体基板800とゲート電極804の間に設けられたゲート絶縁膜805とを有する
。ゲート電極804は、ゲート絶縁膜805を間に挟んで、不純物領域802と不純物領
域803の間に形成されるチャネル形成領域と重なる。
【0195】
トランジスタ524上には、絶縁膜809が設けられている。絶縁膜809には開口部が
形成されている。そして、上記開口部には、不純物領域802、不純物領域803にそれ
ぞれ接する配線810、配線811と、ゲート電極804に接する配線812とが形成さ
れている。
【0196】
そして、配線810は、絶縁膜809上に形成された配線815に接続されており、配線
811は、絶縁膜809上に形成された配線816に接続されており、配線812は、絶
縁膜809上に形成された配線817に接続されている。
【0197】
配線815乃至配線817上には、絶縁膜820が形成されている。絶縁膜820には開
口部が形成されており、上記開口部に、配線817に接続された配線821が形成されて
いる。
【0198】
そして、
図11では、絶縁膜820上にトランジスタ521及び容量素子522が形成さ
れている。
【0199】
トランジスタ521は、絶縁膜820上に、酸化物半導体を含む半導体膜830と、半導
体膜830上の、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電膜832及び導電膜8
33と、半導体膜830、導電膜832及び導電膜833上のゲート絶縁膜831と、ゲ
ート絶縁膜831上に位置し、導電膜832と導電膜833の間において半導体膜830
と重なっているゲート電極834と、を有する。なお、導電膜833は、配線821に接
続されている。
【0200】
また、ゲート絶縁膜831上において導電膜833と重なる位置に、導電膜835が設け
られている。ゲート絶縁膜831を間に挟んで導電膜833及び導電膜835が重なって
いる部分が、容量素子522として機能する。
【0201】
なお、
図11では、容量素子522がトランジスタ521と共に絶縁膜820の上に設け
られている場合を例示しているが、容量素子522は、トランジスタ521と共に、絶縁
膜820の下に設けられていても良い。
【0202】
そして、トランジスタ521、容量素子522上に、絶縁膜841が設けられている。絶
縁膜841には開口部が設けられており、上記開口部においてゲート電極834に接する
導電膜843が、絶縁膜841上に設けられている。
【0203】
なお、
図11において、トランジスタ521は、ゲート電極834を半導体膜830の片
側において少なくとも有していれば良いが、半導体膜830を間に挟んで存在する一対の
ゲート電極を有していても良い。
【0204】
トランジスタ521が、半導体膜830を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有して
いる場合、一方のゲート電極にはオン又はオフを制御するための信号が与えられ、他方の
ゲート電極は、電位が他から与えられている状態であればよい。後者の場合、一対のゲー
ト電極に、同じ高さの電位が与えられていても良いし、他方のゲート電極にのみ接地電位
などの固定の電位が与えられていても良い。他方のゲート電極に与える電位の高さを制御
することで、トランジスタ521の閾値電圧を制御することができる。
【0205】
また、半導体膜830は、単膜の酸化物半導体で構成されているとは限らず、積層された
複数の酸化物半導体で構成されていても良い。例えば半導体膜830が、3層に積層され
て構成されている場合のトランジスタ521の構成例を、
図12(A)に示す。
【0206】
図12(A)に示すトランジスタ521は、絶縁膜820などの上に設けられた半導体膜
830と、半導体膜830と電気的に接続されている導電膜832、及び導電膜833と
、ゲート絶縁膜831と、ゲート絶縁膜831上に半導体膜830と重畳するように設け
られたゲート電極834と、を有する。
【0207】
そして、トランジスタ521では、半導体膜830として、酸化物半導体層830a乃至
酸化物半導体層830cが、絶縁膜820側から順に積層されている。
【0208】
そして、酸化物半導体層830a及び酸化物半導体層830cは、酸化物半導体層830
bを構成する金属元素の少なくとも1つを、その構成要素に含み、伝導帯下端のエネルギ
ーが酸化物半導体層830bよりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以
上又は0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下又は0.4eV
以下、真空準位に近い酸化物層である。さらに、酸化物半導体層830bは、少なくとも
インジウムを含むと、キャリア移動度が高くなるため好ましい。
【0209】
なお酸化物半導体層830cは、
図12(B)に示すように、導電膜832及び導電膜8
33の上層でゲート絶縁膜831と重畳させて設ける構成としてもよい。
【0210】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0211】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明したPLDを含む回路部を電子部品に適用す
る例、及び該電子部品を具備する電子機器に適用する例について、
図13、
図14を用い
て説明する。
【0212】
図13(A)では上述の実施の形態で説明したPLDを含む回路部を含むチップを電子部
品に適用する例について説明する。なお電子部品は、半導体パッケージ、又はIC用パッ
ケージともいう。この電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規
格や名称が存在する。そこで、本実施の形態では、その一例について説明することにする
。
【0213】
上記実施の形態4の
図11に示すようなトランジスタで構成される回路部は、組み立て工
程(後工程)を経て、プリント基板に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。
【0214】
後工程は、
図13(A)に示す各工程を経ることで完了することができる。具体的には、
前工程で得られる素子基板が完成(ステップS1)した後、基板の裏面を研削する(ステ
ップS2)。この段階で基板を薄膜化することで、前工程での基板の反り等を低減し、部
品としての小型化を図るためである。
【0215】
基板の裏面を研削して、基板を複数のチップに分離するダイシング工程を行う。そして、
分離したチップを個々にピックアップしてリードフレーム上に搭載し接合する、ダイボン
ディング工程を行う(ステップS3)。このダイボンディング工程におけるチップとリー
ドフレームとの接着は、樹脂による接着や、テープによる接着等、適宜製品に応じて適し
た方法を選択する。なお、ダイボンディング工程におけるチップとリードフレームとの接
着は、インターポーザ上にチップを搭載して行ってもよい。
【0216】
次いでリードフレームのリードとチップ上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的
に接続する、ワイヤーボンディングを行う(ステップS4)。金属の細線には、銀線や金
線を用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、ボールボンディングや、ウェ
ッジボンディングを用いることができる。
【0217】
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂等で封止される、モールド工程が施
される(ステップS5)。モールド工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、
機械的な外力から、内蔵される回路部やワイヤーを保護することができ、また水分や埃に
よる特性の劣化を低減することができる。
【0218】
次いでリードフレームのリードをメッキ処理する。そしてリードを切断及び成形加工する
(ステップS6)。このめっき処理によりリードの錆を防止し、後に電子部品をプリント
基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。
【0219】
次いでパッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す(ステップS7)。そして最終
的な検査工程(ステップS8)を経てPLDを含む回路部を有する電子部品が完成する(
ステップS9)。
【0220】
以上説明した電子部品は、上述の実施の形態で説明したPLDを有する回路部を含む構成
とすることができる。そのため、高機能化及び低消費電力化が図られた電子部品を実現す
ることができる。
【0221】
また、完成した電子部品の斜視模式図を
図13(B)に示す。
図13(B)では、電子部
品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示して
いる。
図13(B)に示す電子部品750は、リード751及び回路部753を示してい
る。
図13(B)に示す電子部品750は、例えばプリント基板752に実装される。こ
のような電子部品750が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板752上で電気
的に接続されることで半導体装置が完成する。完成した半導体装置754は、電子機器等
の内部に設けられる。
【0222】
次いで、コンピュータ、携帯情報端末(携帯電話、携帯型ゲーム機、音響再生装置なども
含む)、電子ペーパー、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)
、デジタルビデオカメラなどの電子機器に、上述の電子部品を適用する場合について説明
する。
【0223】
図14(A)は、携帯型の情報端末であり、筐体901、筐体902、第1の表示部90
3a、第2の表示部903bなどによって構成されている。筐体901と筐体902の少
なくとも一部には、先の実施の形態に示すPLDを有する半導体装置が設けられている。
そのため、高機能化及び低消費電力化が図られた携帯型の情報端末が実現される。
【0224】
なお、第1の表示部903aはタッチ入力機能を有するパネルとなっており、例えば
図1
4(A)の左図のように、第1の表示部903aに表示される選択ボタン904により「
タッチ入力」を行うか、「キーボード入力」を行うかを選択できる。選択ボタンは様々な
大きさで表示できるため、幅広い世代の人が使いやすさを実感できる。ここで、例えば「
キーボード入力」を選択した場合、
図14(A)の右図のように第1の表示部903aに
はキーボード905が表示される。これにより、従来の情報端末と同様に、キー入力によ
る素早い文字入力などが可能となる。
【0225】
また、
図14(A)に示す携帯型の情報端末は、
図14(A)の右図のように、第1の表
示部903a及び第2の表示部903bのうち、一方を取り外すことができる。第2の表
示部903bもタッチ入力機能を有するパネルとし、持ち運びの際、さらなる軽量化を図
ることができ、一方の手で筐体902を持ち、他方の手で操作することができるため便利
である。
【0226】
図14(A)に示す携帯型の情報端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など
)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表
示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を
制御する機能、等を有することができる。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(
イヤホン端子、USB端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。
【0227】
また、
図14(A)に示す携帯型の情報端末は、無線で情報を送受信できる構成としても
よい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロード
する構成とすることも可能である。
【0228】
更に、
図14(A)に示す筐体902にアンテナやマイク機能や無線機能を持たせ、携帯
電話として用いてもよい。
【0229】
図14(B)は、電子ペーパーを実装した電子書籍910であり、筐体911と筐体91
2の2つの筐体で構成されている。筐体911及び筐体912には、それぞれ表示部91
3及び表示部914が設けられている。筐体911と筐体912は、軸部915により接
続されており、該軸部915を軸として開閉動作を行うことができる。また、筐体911
は、電源916、操作キー917、スピーカー918などを備えている。筐体911、筐
体912の少なくとも一には、先の実施の形態に示すPLDを有する半導体装置が設けら
れている。そのため、高機能化及び低消費電力化が図られた電子書籍が実現される。
【0230】
図14(C)は、テレビジョン装置であり、筐体921、表示部922、スタンド923
などで構成されている。テレビジョン装置の操作は、筐体921が備えるスイッチや、リ
モコン操作機924により行うことができる。筐体921及びリモコン操作機924には
、先の実施の形態に示すPLDを有する半導体装置が搭載されている。そのため、高機能
化及び低消費電力化が図られたテレビジョン装置が実現される。
【0231】
図14(D)は、スマートフォンであり、本体930には、表示部931と、スピーカー
932と、マイク933と、操作ボタン934等が設けられている。本体930内には、
先の実施の形態に示すPLDを有する半導体装置が設けられている。そのため高機能化及
び低消費電力化が図られたスマートフォンが実現される。
【0232】
図14(E)は、デジタルカメラであり、本体941、表示部942、操作スイッチ94
3などによって構成されている。本体941内には、先の実施の形態に示すPLDを有す
る半導体装置が設けられている。そのため、高機能化及び低消費電力化が図られたデジタ
ルカメラが実現される。
【0233】
以上のように、本実施の形態に示す電子機器には、先の実施の形態に示すPLDを有する
半導体装置が搭載されている。このため、高機能化及び低消費電力化が図られた電子機器
が実現される。
【実施例】
【0234】
本実施例では、上記実施の形態で説明したPLDを有する半導体装置のチップを作製し、
コンテキスト信号を切り替えた際、またはデータのバックアップまたはリカバリーをする
際、の出力される信号の波形を示すことで、該半導体装置の高機能化及び低消費電力化が
実現されることについて説明する。
【0235】
図2で示したPLDを用いて作成した半導体装置において、コンテキスト信号及び半導体
装置の機能に従って、入力信号を出力する回路の出力信号の波形図を
図15に示す。
図1
5では、コンテキストを切り替えるコンテキスト信号(Context)のほか、入力信
号としてクロック信号(CLK)、出力信号として”OUT_0”乃至”OUT_2”を
示している。
【0236】
図15においてコンテキスト信号は、一例として、第1のコンテキスト(Context
_1)(クロック信号を1/2分周した信号として出力する機能に対応)、第2のコンテ
キスト(Context_2)(クロック信号を1/4分周した信号として出力する機能
に対応)を切り替えるものである。なお
図15のタイミングチャート図において、電源電
圧を2.5Vとし、クロック信号の駆動周波数を10MHzとした。
【0237】
なお
図15に示す出力信号”OUT_0”乃至”OUT_2”は、
図2で示したPLDに
おける入出力端子部114Lが有するプログラマブルロジックエレメント”LE_00”
乃至”LE_02”の出力信号を出力する端子より得られる。つまり、コンテキスト信号
を切り替えることで、PLDの機能が切り替わり、出力信号”OUT_0”乃至”OUT
_2”が切り替わることになる。
【0238】
図15に示すようにコンテキスト信号を切り替えることで、1クロック(1CLK)の切
り替え期間を経て、第1のコンテキストから第2のコンテキストへと機能が切り替わり、
出力信号が切り替わることが確認できた。
【0239】
次いで、
図2で示したPLDを用いて作成した半導体装置において、データのバックアッ
プを行い、そして電源供給を停止し、その後電源供給を再開してデータのリカバリーを行
った場合の回路の出力信号の波形図を
図16に示す。
図16では、電源供給が行われる期
間として信号VDDをHレベル、電源供給が行われない期間(OFF)として信号VDD
をLレベルで表している。また
図16では、データのバックアップ期間(Backup)
において第1の制御信号(Save_1)をHレベルとし、データのリカバリー期間(R
ecovery)において、第2の制御信号(Load_1)をHレベルで表している。
【0240】
また、コンテキストの切り替えにより、昇降を繰り返すカウンター回路としての機能に切
り替えられたPLDを有する半導体装置の出力信号の波形図を
図16に示す。
図16では
、第1の制御信号、第2の制御信号、入力信号としてデジタル/アナログコンバータの出
力信号(DAC output)、出力信号として”OUT_0”乃至”OUT_4”を
示している。
【0241】
なお
図16に示す出力信号”OUT_0”乃至”OUT_4”は、
図2で示したPLDに
おける入出力端子部114Lが有するプログラマブルロジックエレメント”LE_00”
乃至”LE_04”の出力信号を出力する端子より得られる。なお
図16のタイミングチ
ャート図において、電源電圧を2.5Vとし、クロック信号の駆動周波数を16kHzと
した。
【0242】
図16に示すようにデータのバックアップを行い、その後電源供給を停止し、そして電源
供給を再開してデータのリカバリーを行う動作が正常に行われていることが確認できた。
また、電源供給を停止する前後でPLDを有する半導体装置は、昇降を繰り返すカウンタ
ー回路としての機能を維持し、コンフィギュレーションメモリに記憶したコンフィギュレ
ーションデータの不揮発性も確認できた。
【0243】
次いで、
図2で示したPLDを用いて作成した半導体装置において、コンテキスト信号に
よってコンテキストを切り替える前後でのデータのバックアップ及びデータのリカバリー
を行い、使用しないプログラマブルロジックエレメントでのパワー・ゲーティングを行っ
た場合の回路の出力信号の波形図を
図17に示す。
図17では、データのバックアップ期
間(Backup)において第1の制御信号(Save_1)をHレベルとし、データの
リカバリー期間(Recovery)において、第2の制御信号(Load_1)をHレ
ベルとしている。
図17では、コンテキストを切り替えるコンテキスト信号(Conte
xt)のほか、入力信号としてクロック信号(CLK)、出力信号として”OUT_0”
乃至”OUT_6”を示している。
【0244】
図17においてコンテキスト信号は、一例として、第1のコンテキスト(Context
_1)(シフト回路としての機能に対応)、第2のコンテキスト(Context_2)
(カウンター回路としての機能に対応)を切り替えるものである。なお
図17のタイミン
グチャート図において、電源電圧を2.5Vとし、クロック信号の駆動周波数を2.5M
Hzとした。
【0245】
なお
図17において、第1のコンテキストではシフト回路の出力信号として、”OUT_
0”乃至”OUT_6”を用いるものとし、第2のコンテキストではカウンター回路の出
力信号として、”OUT_1”乃至”OUT_6”を用いるものとした。すなわち第2の
コンテキストでは、出力信号”OUT_0”を用いず、プログラマブルロジックエレメン
トLE_00をパワー・ゲーティングする構成とした。
【0246】
なお
図17に示す出力信号”OUT_0”乃至”OUT_6”は、
図2で示したPLDに
おける入出力端子部114Lが有するプログラマブルロジックエレメント”LE_00”
乃至”LE_06”の出力信号を出力する端子より得られる。つまり、コンテキスト信号
を切り替えることで、PLDの機能が切り替わり、出力信号”OUT_0”乃至”OUT
_6”が切り替わることになる。
【0247】
図17に示すようにコンテキスト信号を切り替えることで、シフト回路からカウンター回
路への機能の切り替わり、及びカウンター回路からシフト回路への機能の切り替わりを確
認できた。また、データのバックアップの前後において、シフト回路の出力信号の波形と
、カウンター回路におけるカウントアップする波形がつながっていることを確認すること
ができた。また、データのリカバリーの前後において、カウンター回路の出力信号の波形
の影響を受けることなく、前の期間でバックアップしたデータをリカバリーし、再度シフ
ト回路として機能させた際の出力信号の波形を確認することができた。
【0248】
次いで、
図2で示したPLDを用いて作成した半導体装置において、消費電力の削減効果
について検証した。試作した
図2で示したPLDを用いて作成した半導体装置に対して、
電源供給を停止する場合と、電源供給を再開する場合での、パワー・ゲーティングの有無
による消費電力の変化について測定を行った。
【0249】
なおパワー・ゲーティングの条件としては、電源電圧を2.5Vとし、クロック信号の駆
動周波数を10MHzとして、消費電力の測定をおこなった。またプログラマブルロジッ
クデバイス単体の消費電力は、同条件でのSPICEシミュレーションで算出した、半導
体装置全体の消費電力に対する各回路部の消費電力の割合から見積もった。
【0250】
その結果、プログラマブルロジックデバイス1個あたりの消費電力は、パワー・ゲーティ
ングを行う構成では0.06μW、パワー・ゲーティングを行わない構成では15.72
μWであり、パワー・ゲーティングを行うことにより消費電力を15.66μW(99.
6%)削減できることがわかった。
【0251】
次いで
図18(A)は、電源供給を停止する場合での、パワー・ゲーティングの有無によ
る消費電力の変化について示したグラフである。また
図18(B)は、電源供給を再開す
る場合での、パワー・ゲーティングの有無による消費電力の変化について示したグラフで
ある。
【0252】
なお
図2で示したPLDを用いて作成した半導体装置の構成において、5個のプログラマ
ブルロジックエレメントでシフトレジスタを構成し、残り15個のプログラマブルロジッ
クエレメントについて、パワー・ゲーティングを行わない場合と行う場合とに分けて消費
電力の測定をおこなった。
【0253】
なお
図18(A)で示す、”context”は、パワー・ゲーティングによって電源供
給を停止する場合での、コンテキストの切り替えに要する消費電力の変化を表している。
また、
図18(A)で示す、”15PLE”は、パワー・ゲーティングによって電源供給
を停止する場合での、パワー・ゲーティングを行う15個のプログラマブルロジックエレ
メントで要する消費電力の変化を表している。また、
図18(A)で示す、”conte
xt+15PLE”は、パワー・ゲーティングによって電源供給を停止する場合での、コ
ンテキストの切り替えと、パワー・ゲーティングを行う15個のプログラマブルロジック
エレメントとで要する消費電力の変化を表している。また、
図18(A)で示す、”st
andby”はコンテキストの切り替えによるプログラマブルロジックエレメントへのパ
ワー・ゲーティングを行わない場合での消費電力の変化を表している。
【0254】
また
図18(B)で示す、”context”は、パワー・ゲーティングによって電源供
給を再開する場合での、コンテキストの切り替えに要する消費電力の変化を表している。
また、
図18(B)で示す、”15PLE”は、パワー・ゲーティングによって電源供給
を再開する場合での、パワー・ゲーティングを行う15個のプログラマブルロジックエレ
メントで要する消費電力の変化を表している。また、
図18(B)で示す、”conte
xt+15PLE”は、パワー・ゲーティングによって電源供給を再開する場合での、コ
ンテキストの切り替えと、パワー・ゲーティングを行う15個のプログラマブルロジック
エレメントとで要する消費電力の変化を表している。また、
図18(B)で示す、”st
andby”はコンテキストの切り替えによるプログラマブルロジックエレメントへのパ
ワー・ゲーティングを行わない場合での消費電力の変化を表している。
【0255】
また、パワー・ゲーティング有無による、電力オーバーヘッドの違いをみるため、上述の
パワー・ゲーティングの有無による消費電力量の違いを、SPICEシミュレーションで
見積もった。
【0256】
ここで、電力オーバーヘッドには、コンテキスト信号の制御、スイッチPSWの制御に要
する消費電力が含まれる。その結果、コンテキストの変更による電源供給の停止/再開に
要する時間は90ns/700ns、電源供給の停止/再開時の電力オーバーヘッドは2
.80nJ/3.36nJで、内訳はコンテキスト信号の制御に要する消費電力が0.9
8nJ/0.99nJ、スイッチPSWの制御に要する消費電力が1.82nJ/2.3
7nJであった。電力オーバーヘッドと待機電力が等しくなる、いわゆる損益分岐時間は
23.3μsとなった。なお、上記結果より、パワー・ゲーティングするプログラマブル
ロジックエレメントの数を1、5または10個とすると、損益分岐時間はそれぞれ、51
.8μs、31.5μs、25.6μsになると見積もられた。パワー・ゲーティングす
るプログラマブルロジックエレメントの数が多ければ電力オーバーヘッドにおけるコンテ
キスト信号の制御に要する消費電力の寄与を小さくできるため、損益分岐時間は短縮する
。
【0257】
最後に揮発性記憶回路と不揮発性記憶回路間のデータ転送特性を検証した。その結果、デ
ータのバックアップには、200ns、データのリカバリーには、20ns要することが
わかった。また
図16で示した検証結果より、コンテキストの切り替えに要する期間は、
50ns以下であるため、異なるコンテキスト間での回路の切り替え、並びにデータの退
避及び復帰が高速で実行できることが示された。