特許第6043491号(P6043491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043491
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】無線基地局及びスケジューリング方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/10 20090101AFI20161206BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20161206BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20161206BHJP
【FI】
   H04W72/10
   H04W72/04 111
   H04W16/32
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-49815(P2012-49815)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-187647(P2013-187647A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】ウリ アンダルマワンティ ハプサリ
(72)【発明者】
【氏名】ウメシュ アニール
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】安部田 貞行
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−019313(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02244515(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0170495(US,A1)
【文献】 Panasonic,Logical Channel Prioritization Procedure for Carrier Aggregation [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #69bis R2-102088,2010年 4月 6日,[retrieved on 2016.10.20], Retrieved from the Internet: <URL: http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_69bis/Docs/R2-102088.zip>,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_69bis/Docs/R2-102088.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局であって、
前記無線基地局配下のセルに接続されている移動局に対するスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部を具備し、
前記スケジューリング部は、CA(Carrier Aggregation)を行っている移動局に対するスケジューリング処理において、ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出した場合に、特定種別のベアラを特定のコンポーネントキャリアに割り当てる特定のスケジューリング処理を行い、前記ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出していない場合には、ベアラの種別を意識しないスケジューリング処理を行うように構成されていることを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記スケジューリング部は、前記特定のスケジューリング処理においては、C-planeベアラを主キャリアに割り当て、U-planeベアラを副キャリアに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記スケジューリング部は、前記特定のスケジューリング処理においては、C-planeベアラ及び音声通信用U-planeベアラを主キャリアに割り当て、パケット通信用U-planeベアラを副キャリアに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項4】
無線基地局であって、
前記無線基地局配下のセルに接続されている移動局に対するスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部を具備し、
前記スケジューリング部は、CA(Carrier Aggregation)を行っている移動局に対するスケジューリング処理において、ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出した場合に、各ベアラにマッピングされている論理チャネルの優先度に基づいて、各ベアラを割り当てるコンポーネントキャリアを決定する特定のスケジューリング処理を行い、前記ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出していない場合には、各ベアラにマッピングされている論理チャネルの優先度を意識しないスケジューリング処理を行うように構成されていることを特徴とする無線基地局。
【請求項5】
無線基地局におけるスケジューリング方法であって、
前記無線基地局配下のセルでCA(Carrier Aggregation)を行っている移動局に対するスケジューリング処理において、
ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出する検出工程と、
前記検出工程において、前記ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出した場合には、特定種別のベアラを特定のコンポーネントキャリアに割り当てる特定のスケジューリング処理を行い、前記検出工程において、前記ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出していない場合には、ベアラの種別を意識しないスケジューリング処理を行う工程とを有することを特徴とするスケジューリング方法。
【請求項6】
無線基地局におけるスケジューリング方法であって、
前記無線基地局配下のセルでCA(Carrier Aggregation)を行っている移動局に対するスケジューリング処理において、
ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出する検出工程と、
前記検出工程において、前記ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出した場合には、各ベアラにマッピングされている論理チャネルの優先度に基づいて、各ベアラを割り当てるコンポーネントキャリアを決定する特定のスケジューリング処理を行い、前記検出工程において、前記ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出していない場合には、各ベアラにマッピングされている論理チャネルの優先度を意識しないスケジューリング処理を行う工程とを有することを特徴とするスケジューリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局及びスケジューリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPで仕様化が進められているLTE(Long Term Evolution)-Advanced方式の移動通信システムでは、CA(Carrier Aggregation)を行うことが検討されている。
【0003】
LTE-Advanced方式の移動通信システムでは、移動局UEは、1つの無線基地局eNBとの間で、異なる周波数帯域の複数のCC(Component Carrier、コンポーネントキャリア)を同時に用いて、CAを行うことができるように構成されている。
【0004】
また、CAが行われる場合、移動局UEは、無線基地局からの指示に応じて、複数のCCの中から、1つをPCC(Primary Component Carrer)として設定し、その他をSCC(Secondary Component Carrer)として設定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-142596号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS36.814
【非特許文献2】3GPP TS36.912
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
LTE-Advanced方式の移動通信システムでは、マクロセルのカバレッジエリア内における高トラフィックエリアに、1つ又は複数のピコセルを配置することが検討されている。
【0008】
しかしながら、現在のLTE-Advanced方式の移動通信システムでは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤ及びRLC(Radio Link Control)レイヤは、各CCについて意識せず、MAC(Media Access Control)レイヤが、各CCについて意識するように構成されている。
【0009】
一方、現在のLTE-Advanced方式の移動通信システムでは、MACレイヤは、ベアラや論理チャネルについて意識していない。
【0010】
したがって、例えば、無線基地局eNBのMACレイヤは、1つ又は複数のピコセルが配置された高トラフィックエリアにおいて、マクロセル及びピコセルを用いたCAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、ベアラや論理チャネルを意識することができず、適切なトラフィック分散を実現することができないという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、適切なトラフィック分散を実現することができる無線基地局及びスケジューリング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、無線基地局であって、前記無線基地局配下のセルに接続されている移動局に対するスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部を具備し、前記スケジューリング部は、CAを行っている移動局に対するスケジューリング処理において、特定種別のベアラを特定のコンポーネントキャリアに割り当てるように構成されていることを要旨とする。
【0013】
本発明の第2の特徴は、無線基地局であって、前記無線基地局配下のセルに接続されている移動局に対するスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部を具備し、前記スケジューリング部は、CAを行っている移動局に対するスケジューリング処理において、各ベアラにマッピングされている論理チャネルの優先度に基づいて、各ベアラを割り当てるコンポーネントキャリアを決定するように構成されていることを要旨とする。
【0014】
本発明の第2の特徴において、前記スケジューリング部が2つ設けられており、 前記スケジューリング部の一方は、特定種別のベアラのみを対象としたスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0015】
本発明の第3の特徴は、無線基地局におけるスケジューリング方法であって、前記無線基地局配下のセルでCAを行っている移動局に対するスケジューリング処理において、特定種別のベアラを特定のコンポーネントキャリアに割り当てる工程を有することを要旨とする。
【0016】
本発明の第3の特徴は、無線基地局におけるスケジューリング方法であって、前記無線基地局配下のセルでCAを行っている移動局に対するスケジューリング処理において、各ベアラにマッピングされている論理チャネルの優先度に基づいて、各ベアラを割り当てるコンポーネントキャリアを決定する工程を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、適切なトラフィック分散を実現することができる無線基地局及びスケジューリング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る無線基地局における「Logical Channel Priority」とベアラ種別とのマッピングの一例を示す図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る無線基地局の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の第3の実施形態に係る無線基地局における「Logical Channel Priority」とベアラ種別とのマッピングの一例を示す図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る無線基地局の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。本実施形態に係る移動通信システムは、LTE-Advanced方式の移動通信システムである。
【0020】
なお、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、移動局UEは、無線基地局eNBとの間で、周波数帯域F1のCC及び周波数帯域F2のCCを同時に用いて、信号の送受信を行うことができるように構成されている、すなわち、CAを行うことができるように構成されている。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、無線基地局eNB配下に、マクロセルとして、セル#1が設けられており、ピコセルとして、セル#11/#12が設けられている。
【0022】
ここで、セル#1(マクロセル)では、周波数帯域F1のCCが用いられており、セル#11/#12(ピコセル)では、周波数帯域F2のCCが用いられている。
【0023】
図1に示すように、例えば、周波数帯域F1として、エリアカバレッジ範囲を重視したコア(カバレッジ)バンドが用いられ、周波数帯域F2として、高速な通信を重視した容量バンドが用いられることが想定されている。
【0024】
例えば、周波数帯域F1として、800MHz帯や2GHz帯等が用いられ、周波数帯域F2として、3.5GHz帯等が用いられてもよい。
【0025】
また、例えば、各CCの帯域幅は、1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz又は20MHzのいずれかであってもよい。なお、1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz又は20MHzは、それぞれ6RB(Resource Block)、15RB、25RB、50RB、75RB又は100RBで構成されている。ここで、1RBは、180kHzである。
【0026】
また、本実施形態に係る移動通信システムでは、セル#1のカバレッジエリアとセル#11/#12のカバレッジエリアとが地理的に重畳するように構成されている。
【0027】
図2に示すように、無線基地局eNBは、PDCPレイヤ機能と、RLCレイヤ機能と、MACレイヤ機能とを具備している。
【0028】
PDCPレイヤ機能は、ROHC(Robust Header Compression)機能や、Security機能等を具備している。
【0029】
RLCレイヤ機能は、Segmentation機能や、ARQ機能等を具備している。
【0030】
MACレイヤ機能は、1つのUnicast Scheduling/Priority Handling機能を具備している。かかるUnicast Scheduling/Priority Handling機能は、スケジューリング部10を構成する。
【0031】
また、MACレイヤ機能は、各移動局UEに対して、1つのMultiplexing機能を具備しており、各移動局UEによってCAにおいて用いられている各CCに対応するHARQエンティティを具備している。
【0032】
ここで、各CCは、1つのHARQエンティティによって処理されるように構成されている。
【0033】
スケジューリング部10は、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、特定種別のベアラを特定のCCに割り当てるように構成されている。
【0034】
例えば、スケジューリング部10は、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、C-planeベアラをPCCに割り当て、U-planeベアラをSCCに割り当てるように構成されていてもよい。
【0035】
或いは、スケジューリング部10は、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、C-planeベアラ及び音声通信用U-planeベアラをPCCに割り当て、パケット通信用U-planeベアラをSCCに割り当てるように構成されていてもよい。
【0036】
なお、スケジューリング部10は、ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出した場合に、上述のCAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0037】
すなわち、スケジューリング部10は、ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出していない場合には、通常のスケジューリング処理(すなわち、ベアラの種別を意識しないで行うスケジューリング処理)を行うように構成されていてもよい。
【0038】
或いは、スケジューリング部10は、各CCの輻輳状況に応じて、上述のCAを行っている移動局に対するスケジューリング処理を行うか否かについて決定するように構成されていてもよい。
【0039】
例えば、スケジューリング部10は、所定数のCCにおいて輻輳の発生を検出した場合に、上述のCAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0040】
すなわち、スケジューリング部10は、所定数のCCにおいて輻輳の発生を検出した場合には、通常のスケジューリング処理(すなわち、ベアラの種別を意識しないで行うスケジューリング処理)を行うように構成されていてもよい。
【0041】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、MACレイヤにおけるスケジューリング部10が、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、特定種別のベアラを特定のCCに割り当てることができるため、移動通信システムのおけるセル構成やトラフィック状況に基づいて、適切なトラフィック分散を実現することができる。
【0042】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
図3及び図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。以下、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0043】
本実施形態に係る移動通信システムにおいて、スケジューリング部10は、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、各ベアラにマッピングされている「Logical Channel Priority」に基づいて、各ベアラを割り当てるCCを決定するように構成されている。
【0044】
例えば、スケジューリング部10は、図3に示すベアラの種別とCQI(Channel Quality Indicator)と「Logical Channel Priority」とCCの識別情報とを関連付けるテーブルを管理していてもよい。
【0045】
スケジューリング部10は、かかるテーブルを参照して、特定種別のベアラに関連付けられているCQIや「Logical Channel Priority」やCCを抽出することができる。
【0046】
以下、図4を参照して、本実施形態に係る無線基地局において、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理の動作について説明する。
【0047】
図4に示すように、ステップS101において、スケジューリング部10は、移動局UEごとに、かかる移動局UE用のベアラに関連付けられている「Logical Channel Priority」の中から、現時点で、最も高い「Logical Channel Priority」を選択し、選択した「Logical Channel Priority」に関連付けられているCCを抽出する。
【0048】
ここで、スケジューリング部10は、選択した「Logical Channel Priority」に関連付けられている移動局UE用のベアラを、選択した「Logical Channel Priority」に関連付けられているCCに割り当てることを決定する。
【0049】
ステップS102において、スケジューリング部10は、移動局UEごとに、スケジューリング係数を算出する。ここで、スケジューリング部10は、移動局UEごとに、かつ、CCごとに、スケジューリング係数を算出してもよい。
【0050】
また、スケジューリング部10は、選択した「Logical Channel Priority」に関連付けられているCQIを用いて、スケジューリング係数を算出してもよい。
【0051】
ステップS103において、スケジューリング部10は、算出したスケジューリング係数に基づいて、スケジューリング処理の対象となる移動局UEを決定する。
【0052】
例えば、スケジューリング部10は、最も大きいスケジューリング係数の移動局UEを、スケジューリング処理の対象となる移動局UEとするように決定してもよい。
【0053】
なお、スケジューリング部10は、CCごとに、スケジューリング処理の対象となる移動局UEを決定してもよい。
【0054】
本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムによれば、MACレイヤにおけるスケジューリング部10が、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、ベアラに関連付けられている「Logical Channel Priority」を活用することができるため、移動通信システムのおけるセル構成やトラフィック状況に基づいて、適切なトラフィック分散及び優先制御を実現することができる。
【0055】
(本発明の第3の実施形態に係る移動通信システム)
図5及び図6を参照して、本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。以下、上述の第1及び第2の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して、本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0056】
本実施形態に係る移動通信システムにおいて、無線基地局eNBは、2つのスケジューリング部10A/10Bを具備している。
【0057】
ここで、スケジューリング部10Aは、特定種別のベアラ(例えば、SRBや音声通信用ベアラ)のみを対象としたスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0058】
そして、スケジューリング部10Bは、残りの種別のベアラ(例えば、パケット通信用U-planeベアラを対象としたスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0059】
かかる2つのスケジューリング部10A/10Bは、それぞれ、独立にスケジューリング処理を行うように構成されている。
【0060】
なお、2つのスケジューリング部10A/10Bは、それぞれ、図5に示すベアラの種別とCQIと「Logical Channel Priority」とを関連付けるテーブルを管理していてもよい。
【0061】
スケジューリング部10A/10Bは、かかるテーブルを参照して、特定種別のベアラに関連付けられているCQIや「Logical Channel Priority」を抽出することができる。
【0062】
以下、図6を参照して、本実施形態に係る無線基地局において、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理の動作について説明する。
【0063】
図6に示すように、ステップS201Aにおいて、スケジューリング部10Aは、移動局UEごとに、かかる移動局UE用のSRB及び音声通信用ベアラに関連付けられている「Logical Channel Priority」の中から、現時点で、最も高い「Logical Channel Priority」を選択する。
【0064】
ここで、スケジューリング部10Aは、選択した「Logical Channel Priority」に関連付けられている移動局UE用のSRB及び音声通信用ベアラを、スケジューリング部10A用のCC(例えば、PCC)に割り当てることを決定する。
【0065】
ステップS202Aにおいて、スケジューリング部10Aは、移動局UEごとに、スケジューリング係数を算出する。
【0066】
ステップS203Aにおいて、スケジューリング部10Aは、算出したスケジューリング係数に基づいて、スケジューリング処理の対象となる移動局UEを決定する。
【0067】
一方、ステップS201Bにおいて、スケジューリング部10Bは、移動局UEごとに、かかる移動局UE用のSRB及び音声通信用ベアラ以外のベアラ(例えば、パケット通信用U-planeベアラに関連付けられている「Logical Channel Priority」の中から、現時点で、最も高い「Logical Channel Priority」を選択する。
【0068】
ここで、スケジューリング部10Bは、選択した「Logical Channel Priority」に関連付けられている移動局UE用のSRB及び音声通信用ベアラを、スケジューリング部10A用のCC(例えば、PCC)に割り当てることを決定する。
【0069】
ステップS202Bにおいて、スケジューリング部10Bは、移動局UEごとに、スケジューリング係数を算出する。
【0070】
ステップS203Bにおいて、スケジューリング部10Bは、算出したスケジューリング係数に基づいて、スケジューリング処理の対象となる移動局UEを決定する。
【0071】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0072】
本実施形態の第1の特徴は、無線基地局eNBであって、無線基地局eNB配下のセル#1/#11/#12に接続されている移動局UEに対するスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部10を具備し、スケジューリング部10は、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、特定種別のベアラを特定のCC(コンポーネントキャリア)に割り当てるように構成されていることを要旨とする。
【0073】
本実施形態の第1の特徴において、スケジューリング部10は、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、C-planeベアラをPCC(主キャリア)に割り当て、U-planeベアラをSCC(副キャリア)に割り当てるように構成されていてもよい。
【0074】
本実施形態の第1の特徴において、スケジューリング部10は、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、C-planeベアラ及び音声通信用U-planeベアラをPCCに割り当て、パケット通信用U-planeベアラをSCCに割り当てるように構成されていてもよい。
【0075】
本実施形態の第1の特徴において、スケジューリング部10は、ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出した場合に、上述のCAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0076】
本実施形態の第1の特徴において、スケジューリング部10は、各CCの輻輳状況に応じて、上述のCAを行っている移動局に対するスケジューリング処理を行うか否かについて決定するように構成されていてもよい。
【0077】
本実施形態の第2の特徴は、無線基地局eNBであって、無線基地局eNB配下のセル#1/#11/#12に接続されている移動局UEに対するスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部10を具備し、スケジューリング部10は、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、各ベアラにマッピングされている「Logical Channel Priority(論理チャネルの優先度)」に基づいて、各ベアラを割り当てるCCを決定するように構成されていることを要旨とする。
【0078】
本実施形態の第2の特徴において、スケジューリング部10が2つ設けられており、2つのスケジューリング部10の一方は、特定種別のベアラのみを対象としたスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0079】
本実施形態の第2の特徴において、スケジューリング部10は、ピコセルを含むCAがアクティブ化されたことを検出した場合に、CAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0080】
本実施形態の第3の特徴は、無線基地局eNBにおけるスケジューリング方法であって、無線基地局eNB配下のセルでCAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、特定種別のベアラを特定のCCに割り当てる工程を有することを要旨とする。
【0081】
本実施形態の第3の特徴は、無線基地局eNBにおけるスケジューリング方法であって、無線基地局eNB配下のセルでCAを行っている移動局UEに対するスケジューリング処理において、各ベアラにマッピングされている「Logical Channel Priority」に基づいて、各ベアラを割り当てるCCを決定する工程を有することを要旨とする。
【0082】
なお、上述の無線基地局eNBの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0083】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0084】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、無線基地局eNB内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局eNB内に設けられていてもよい。
【0085】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0086】
eNB…無線基地局
#1、#11、#12…セル
10…スケジューリング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6