(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第3トランジスタが強反転状態(strong inversion mode)で動作し、前記第2電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第4トランジスタが強反転状態(strong inversion mode)で動作することを特徴とする請求項1に記載の画素。
前記コンタクトホールが前記板の縁に沿って複数個形成されることにより、前記ソース電極およびドレイン電極と前記半導体層との接触面積が増大することを特徴とする請求項4に記載の画素。
前記第1電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第3トランジスタが強反転状態(strong inversion mode)で動作し、前記第2電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第4トランジスタが強反転状態(strong inversion mode)で動作することを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光表示装置。
前記コンタクトホールが前記板の縁に沿って複数個形成されることにより、前記ソース電極およびドレイン電極と前記半導体層との接触面積が増大することを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した問題を解決するためになされた本発明の目的は、従来用いられていたチャネルドーピングマスクを製造工程で除去することにより、製造時間および製造費用が節減される簡略な構造の画素およびこれを用いた有機電界発光表示装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の特徴によれば、本発明の画素は、第1ノードと第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、第1電源と前記第1ノードとの間に接続され、ゲート電極は第2ノードに接続される第1トランジスタと、走査信号の供給に対応してデータ信号を前記第2ノードに供給する第2トランジスタと、ソース電極とドレイン電極とが互いに電気的に接続され、前記第1電源と前記第2ノードとの間に接続される第3トランジスタと、ソース電極とドレイン電極とが互いに電気的に接続され、前記第2ノードと前記第1ノードとの間に接続される第4トランジスタとを含む。
【0009】
また、前記データ信号は、第1電圧または前記第1電圧より大きい電圧値に設定される第2電圧を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、前記第1電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第3トランジスタがMOSキャパシタとして動作し、前記第2電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第4トランジスタがMOSキャパシタとして動作することを特徴とする。
【0011】
また、前記第1電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第3トランジスタが強反転状態(strong inversion mode)で動作し、前記第2電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第4トランジスタが強反転状態(strong inversion mode)で動作することを特徴とする。
【0012】
さらに、前記第3トランジスタおよび前記第4トランジスタは、基板上に形成される半導体層と、前記半導体層上に形成されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されるゲート電極と、前記ゲート電極および前記ゲート絶縁膜上に形成される層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成され、前記ゲート絶縁膜および層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記半導体層と電気的に接続されたソース電極およびドレイン電極とを含む。
【0013】
なお、前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、前記ゲート電極の上側において1つの板で形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記コンタクトホールが前記板の縁に沿って複数個形成されることにより、前記ソース電極およびドレイン電極と前記半導体層との接触面積が増大することを特徴とする。
【0015】
さらに、前記第1〜第4トランジスタは、PMOSトランジスタまたはNMOSトランジスタであることを特徴とする。
【0016】
本発明の有機電界発光表示装置は、走査線、データ線、第1電源および第2電源に接続される画素を含む画素部と、前記走査線を介して各画素に走査信号を供給する走査駆動部と、前記データ線を介して各画素にデータ信号を供給するデータ駆動部とを含み、前記画素は、第1ノードと前記第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、前記第1電源と前記第1ノードとの間に接続され、ゲート電極は第2ノードに接続される第1トランジスタと、走査信号の供給に対応してデータ信号を前記第2ノードに供給する第2トランジスタと、ソース電極とドレイン電極とが互いに電気的に接続され、前記第1電源および前記第2ノードの間に接続される第3トランジスタと、ソース電極とドレイン電極とが互いに電気的に接続され、前記第2ノードと前記第1ノードとの間に接続される第4トランジスタとを含む。
【0017】
また、前記データ信号は、第1電圧または前記第1電圧より大きい電圧値に設定される第2電圧を有することを特徴とする。
【0018】
さらに、前記第1電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第3トランジスタがMOSキャパシタとして動作し、前記第2電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第4トランジスタがMOSキャパシタとして動作することを特徴とする。
【0019】
また、前記第1電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第3トランジスタが強反転状態(strong inversion mode)で動作し、前記第2電圧を有するデータ信号が前記第2ノードに供給される場合、前記第4トランジスタが強反転状態(strong inversion mode)で動作することを特徴とする。
【0020】
さらに、前記第3トランジスタおよび前記第4トランジスタは、基板上に形成される半導体層と、前記半導体層上に形成されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されるゲート電極と、前記ゲート電極および前記ゲート絶縁膜上に形成される層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成され、前記ゲート絶縁膜および層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記半導体層と電気的に接続されたソース電極およびドレイン電極とを含む。
【0021】
なお、前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、前記ゲート電極の上側において1つの板で形成されることを特徴とする。
【0022】
また、前記コンタクトホールが前記板の縁に沿って複数個形成されることにより、前記ソース電極およびドレイン電極と前記半導体層との接触面積が増大することを特徴とする。
【0023】
さらに、前記第1〜第4トランジスタは、PMOSトランジスタまたはNMOSトランジスタであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上のような本発明によれば、従来用いられていたチャネルドーピングマスクを製造工程で除去することにより、製造時間および製造費用が節減される簡略な構造の画素およびこれを用いた有機電界発光表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
その他、実施形態の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【0027】
本発明の利点および特徴、そして、それらを達成する方法は、添付した図面とともに詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になるはずである。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現可能であり、以下の説明において、ある部分が他の部分に接続されているとするとき、これは、直接的に接続されている場合のみならず、その中間に別の素子を挟んで電気的に接続されている場合をも含む。また、図面において、本発明と関係のない部分は本発明の説明を明確にするために省略し、明細書全体にわたり、類似の部分については同一の図面符号を付した。
【0028】
以下、本発明の実施形態およびこれを説明するための図面を参照して、本発明の画素およびこれを用いた有機電界発光表示装置について説明する。
【0029】
図1は、本発明の好ましい実施形態にかかる有機電界発光表示装置を示す図である。
【0030】
図1を参照すれば、本発明の好ましい実施形態にかかる有機電界発光表示装置は、走査線S1〜Sn、データ線D1〜Dm、第1電源ELVDDおよび第2電源ELVSSに接続される画素10を含む画素部20と、走査線S1〜Snを介して各画素10に走査信号を供給する走査駆動部30と、データ線D1〜Dmを介してデータ信号を各画素10に供給するデータ駆動部40とを含み、走査駆動部30およびデータ駆動部40を制御するためのタイミング制御部50をさらに含むことができる。
【0031】
各画素10は、第1電源ELVDDおよび第2電源ELVSSに接続される。
【0032】
第1電源ELVDDおよび第2電源ELVSSを受けた画素10の各々は、第1電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2電源ELVSSまで流れる電流により、データ信号に対応する光を生成する。
【0033】
走査駆動部30は、タイミング制御部50の制御により走査信号を生成し、生成された走査信号を走査線S1〜Snを介して各画素10に供給する。
【0034】
データ駆動部40は、タイミング制御部50の制御によりデータ信号を生成し、生成されたデータ信号をデータ線D1〜Dmを介して各画素10に供給する。
【0035】
また、データ駆動部40は、データ信号が第1電圧V1または第2電圧V2を有するように動作することができ、ここで、第2電圧V2は、第1電圧V1より大きい電圧値を有するように設定可能である。
【0036】
図2は、本発明の好ましい実施形態にかかる画素を示す図である。
図2では、説明の便宜上、第n走査線Snおよび第mデータ線Dmに接続された画素10を示す。
【0037】
特に、ここでは、画素10を構成するトランジスタP1〜P4がPMOSトランジスタから構成された場合を説明する。
【0038】
図2を参照すれば、本発明の好ましい実施形態にかかる各画素10は、有機発光ダイオードOLEDと、データ線Dmおよび走査線Snに接続され、有機発光ダイオードOLEDに供給される電流量を制御するための画素回路12とを備える。
【0039】
有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は画素回路12に接続され、カソード電極は第2電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、画素回路12から供給される電流に対応して所定輝度の光を生成する。
【0040】
画素回路12は、走査線Snに走査信号が供給されたとき、データ線Dmに供給されるデータ信号に対応し、第1電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2電源ELVSSに流れる電流を制御する。
【0041】
このために、画素回路12は、第1トランジスタP1と、第2トランジスタP2と、第3トランジスタP3と、第4トランジスタP4とを含む。
【0042】
まず、有機発光ダイオードOLEDは、第1ノードN1と第2電源ELVSSとの間に接続される。
【0043】
具体的には、有機発光ダイオードOLEDは、アノード電極が第1ノードN1に接続され、カソード電極が第2電源ELVSSに接続できる。
【0044】
第1トランジスタP1は、駆動トランジスタであって、ゲート電極に供給されるデータ信号に対応する電流を生成し、有機発光ダイオードOLEDに供給する。
【0045】
このために、第1トランジスタP1は、第1電源ELVDDと第1ノードN1との間に接続され、ゲート電極は第2ノードN2に接続される。
【0046】
具体的には、第1トランジスタP1は、ソース電極が第1電源ELVDDに接続され、ドレイン電極が第1ノードN1に接続できる。
【0047】
第2トランジスタP2は、走査信号の供給に対応してデータ信号を第2ノードN2に供給することができる。
【0048】
すなわち、第2トランジスタP2は、走査線Snから走査信号が供給される場合にターンオンされ、データ線Dmからのデータ信号を第1トランジスタP1のゲート電極に供給することができる。
【0049】
これにより、第1トランジスタP1は、自身のゲート電極に供給されるデータ信号の電圧レベルに対応する電流を生成し、有機発光ダイオードOLEDに供給することができる。
【0050】
具体的には、第2トランジスタP2は、ゲート電極が走査線Snに接続され、ソース電極がデータ線Dmに接続され、ドレイン電極が第2ノードN2に接続できる。
【0051】
第3トランジスタP3は、一種のMOS(Metal Oxide Semiconductor)キャパシタとして動作することができ、このために、ソース電極とドレイン電極とが電気的に接続される。
【0052】
具体的には、第3トランジスタP3は、ソース電極とドレイン電極とが第1電源ELVDDに接続され、ゲート電極は第2ノードN2に接続できる。
【0053】
これにより、第3トランジスタP3のソース電極とドレイン電極とは互いに電気的に接続され、第1トランジスタP1のソース電極に電気的に接続できる。
【0054】
特に、第3トランジスタP3は、半導体層にチャネルが形成されるだけの、十分に低い電圧(例えば、データ信号の第1電圧V1)がゲート電極に供給される場合、ゲート絶縁膜を挟んだ半導体層とゲート電極とが所定のキャパシタンス(capacitance)を有する1つのキャパシタとして動作することになる。
【0055】
第4トランジスタP4は、第3トランジスタP3と同様に、一種のMOSキャパシタとして動作することができ、このために、ソース電極とドレイン電極とが電気的に接続される。
【0056】
具体的には、第4トランジスタP4は、ソース電極とドレイン電極とが第2ノードN2に接続され、ゲート電極は第1ノードN1に接続できる。
【0057】
これにより、第4トランジスタP4のソース電極とドレイン電極とは互いに電気的に接続され、第1トランジスタP1のゲート電極と電気的に接続できる。
【0058】
特に、第4トランジスタP4は、半導体層にチャネルが形成されるだけの、十分に高い電圧(例えば、データ信号の第2電圧V2)がソース電極およびドレイン電極に供給される場合、ゲート絶縁膜を挟んだ半導体層とゲート電極とが所定のキャパシタンスを有する1つのキャパシタとして動作することになる。
【0059】
第1ノードN1は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極、第1トランジスタP1のドレイン電極、第4トランジスタP4のゲート電極が接続される接点として定義できる。
【0060】
第2ノードN2は、第1トランジスタP1のゲート電極、第2トランジスタP2のドレイン電極、第3トランジスタP3のゲート電極、第4トランジスタP4のソース電極およびドレイン電極が接続される接点として定義できる。
【0061】
第1電源ELVDDは、高電位電源であって、第1トランジスタP1のソース電極に接続される。
【0062】
第2電源ELVSSは、前記第1電源ELVDDより低いレベルの電圧を有する低電位電源であって、有機発光ダイオードOLEDのカソード電極に接続される。
【0063】
図3は、
図2に示された画素の駆動方法を示す波形図である。以下、
図2および
図3を参照して、本発明の好ましい実施形態にかかる画素10の動作を説明する。
【0064】
まず、第1期間T1では、ローレベルの電圧を有する走査信号が供給され、第1電圧V1を有するデータ信号が供給される。
【0065】
走査信号が供給されることにより第2トランジスタP2がターンオンされ、ターンオンされた第2トランジスタP2により前記データ信号が第2ノードN2に供給される。
【0066】
第2ノードN2に供給されたデータ信号は、十分に低い電圧の第1電圧V1を有するため、第3トランジスタP3のゲート電極に第1電圧V1が供給されることにより、第3トランジスタP3の半導体層にはチャネルが形成され、前記第3トランジスタP3はMOSキャパシタとして動作することになる。
【0067】
しかし、第4トランジスタP4は、ソース電極およびドレイン電極に第1電圧V1が供給されることにより、第4トランジスタP4の半導体層にはチャネルが形成されないため、MOSキャパシタとして動作しなくなる。
【0068】
したがって、MOSキャパシタとして動作する第3トランジスタP3には、第1電源ELVDDと第1電圧V1との差に該当する電圧が充電可能であり、これにより、次の走査信号が供給されるまで第1トランジスタP1のゲート−ソース電圧は一定に維持できる。そのため、第1トランジスタP1は、当該ゲート−ソース電圧に対応する電流を生成し、有機発光ダイオードOLEDを発光させることができる。
【0069】
次に、第2期間T2では、ローレベルの電圧を有する走査信号が供給され、第2電圧V2を有するデータ信号が供給される。
【0070】
走査信号が供給されることにより第2トランジスタP2がターンオンされ、ターンオンされた第2トランジスタP2により前記データ信号が第2ノードN2に供給される。
【0071】
第2ノードN2に供給されたデータ信号は、十分に高い電圧の第2電圧V2を有するため、第3トランジスタP3のゲート電極に第2電圧V2が供給されることにより、第3トランジスタP3の半導体層にはチャネルが形成されないため、MOSキャパシタとして動作しなくなる。
【0072】
しかし、第4トランジスタP4のソース電極およびドレイン電極には第2電圧V2が供給されることにより、第4トランジスタP4の半導体層にはチャネルが形成され、前記第4トランジスタP4はMOSキャパシタとして動作することになる。
【0073】
したがって、MOSキャパシタとして動作する第4トランジスタP4には、第2電圧V2と第1ノードN1の電圧(有機発光ダイオードOLEDのアノード電極の電圧)との差に該当する電圧が充電可能であり、これにより、次の走査信号が供給されるまで第1トランジスタP1はターンオフ状態となり、有機発光ダイオードOLEDの発光を中断させることができる。
【0074】
すなわち、第1電圧V1を有するデータ信号が供給される第1期間T1では、第3トランジスタP3がMOSキャパシタとして動作するが、第2電圧V2を有するデータ信号が供給される第2期間T2では、第4トランジスタP4がMOSキャパシタとして動作可能である。
【0075】
また、第3トランジスタP3のキャパシタ特性を強化させるために、第1電圧V1を有するデータ信号が供給される場合、前記第3トランジスタP3は強反転状態(strong inversion mode)で動作することが好ましく、第4トランジスタP4のキャパシタ特性を強化させるために、第2電圧V2を有するデータ信号が供給される場合、前記第4トランジスタP4は強反転状態で動作することが好ましい。
【0076】
このために、データ信号の第1電圧V1は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極電圧以下の電圧値に設定され、データ信号の第2電圧V2は、第1電源ELVDD以上の電圧値に設定可能である。
【0077】
図4は、本発明の他の実施形態にかかる画素を示す図である。特に、ここでは、画素10を構成するトランジスタP1〜P4がNMOSトランジスタから構成された場合を説明する。
【0078】
この場合、大部分の構成が
図2に示された画素と同様であるが、
図2に示された画素に比べて導電型が逆で実現されることにより、第3トランジスタP3および第4トランジスタP4の接続関係が変化する。
【0079】
すなわち、第3トランジスタP3は、ソース電極とドレイン電極とが第2ノードN2に接続され、ゲート電極が第1電源ELVDDに接続される。
【0080】
また、第4トランジスタP4は、ソース電極とドレイン電極とが第1ノードN1に接続され、ゲート電極が第2ノードN2に接続される。
【0081】
本実施形態にかかる画素の動作を簡単に説明すると、ハイレベルの電圧を有する走査信号が供給され、第1電圧V1を有するデータ信号が供給された場合、ターンオンされた第2トランジスタP2により前記データ信号が第2ノードN2に供給される。
【0082】
第2ノードN2に供給されたデータ信号は、十分に低い電圧の第1電圧V1を有するため、第3トランジスタP3のソース電極およびドレイン電極に第1電圧V1が供給されることにより、第3トランジスタP3の半導体層にはチャネルが形成され、前記第3トランジスタP3はMOSキャパシタとして動作することになる。
【0083】
しかし、第4トランジスタP4は、ゲート電極に第1電圧V1が供給されることにより、第4トランジスタP4の半導体層にはチャネルが形成されないため、MOSキャパシタとして動作しなくなる。
【0084】
したがって、MOSキャパシタとして動作する第3トランジスタP3には、第1電源ELVDDと第1電圧V1との差に該当する電圧が充電可能であり、これにより、次の走査信号が供給されるまで第1トランジスタP1のゲート−ソース電圧は一定に維持できる。そのため、第1トランジスタP1は、所定期間の間ターンオフ状態となり、有機発光ダイオードOLEDの発光を中断させることができる。
【0085】
ハイレベルの電圧を有する走査信号が供給され、第2電圧V2を有するデータ信号が供給された場合、ターンオンされた第2トランジスタP2により前記データ信号が第2ノードN2に供給される。
【0086】
第2ノードN2に供給されたデータ信号は、十分に高い電圧の第2電圧V2を有するため、第3トランジスタP3のソース電極およびドレイン電極に第2電圧V2が供給されることにより、第3トランジスタP3の半導体層にはチャネルが形成されないため、MOSキャパシタとして動作しなくなる。
【0087】
しかし、第4トランジスタP4のゲート電極には第2電圧V2が供給されることにより、第4トランジスタP4の半導体層にはチャネルが形成され、前記第4トランジスタP4はMOSキャパシタとして動作することになる。
【0088】
したがって、MOSキャパシタとして動作する第4トランジスタP4には、第2電圧V2と第1ノードN1の電圧(有機発光ダイオードOLEDのアノード電極の電圧)との差に該当する電圧が充電可能であり、これにより、次の走査信号が供給されるまで第1トランジスタP1は当該ゲート−ソース電圧に対応する電流を生成し、有機発光ダイオードOLEDを発光させることができる。
【0089】
また、第3トランジスタP3のキャパシタ特性を強化させるために、第1電圧V1を有するデータ信号が供給される場合、前記第3トランジスタP3は強反転状態(strong inversion mode)で動作することが好ましく、第4トランジスタP4のキャパシタ特性を強化させるために、第2電圧V2を有するデータ信号が供給される場合、前記第4トランジスタP4は強反転状態で動作することが好ましい。
【0090】
図5は、
図2に示された画素の断面を示す図であり、
図6は、
図5に示された画素のレイアウト図である。
【0091】
図5および
図6を参照して、画素10を構成する第1〜第4トランジスタP1〜P4の構造について詳細に説明する。
【0092】
第1〜第4トランジスタP1〜P4は、基板100上に形成されるが、前記基板100は、一例として、ガラス、プラスチック、シリコンまたは合成樹脂のような絶縁性を呈する材質からなり得、ガラス基板のような透明基板が好ましい。
【0093】
まず、第3トランジスタP3の構成を代表的に説明する。第3トランジスタP3は、半導体層102と、ゲート絶縁膜103と、ゲート電極104と、層間絶縁膜105と、ソース/ドレイン電極106a、106bとから構成される。
【0094】
また、基板100上にバッファ層101が形成できる。バッファ層101は、基板100に含有された不純物による汚染を防止するためのもので、シリコン酸化膜(SiO
2)またはシリコン窒化膜(SiNx)のような絶縁膜で形成される。
【0095】
半導体層102は、バッファ層101上に所定のパターンで形成される。半導体層102は、バッファ層101上に蒸着された非晶質シリコンをレーザなどを用いて結晶化したポリシリコン(LTPS:low temperature poly silicon)を用いることができる。
【0096】
半導体層102上にはゲート絶縁膜103が形成される。ゲート絶縁膜103は、窒化膜、酸化膜、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜のうちの1つからなり、これらに限定されない。
【0097】
ゲート電極104は、ゲート絶縁膜103上に所定のパターンで形成される。ゲート電極104上には層間絶縁膜105が形成される。
【0098】
ゲート絶縁膜103は、半導体層102とゲート電極104との間を絶縁させ、層間絶縁膜105は、ゲート電極104とソース/ドレイン電極106a、106bとの間を絶縁させる。
【0099】
ソース/ドレイン電極106a、106bは、層間絶縁膜105上に形成される。ソース/ドレイン電極106a、106bは、ゲート絶縁膜103および層間絶縁膜105に形成されたコンタクトホールchを介して半導体層102の両側とそれぞれ電気的に接続される。
【0100】
ゲート電極104およびソース/ドレイン電極106a、106bは、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)などの金属、またはこれら金属の合金や積層構造で形成可能であり、これらに限定されない。
【0101】
平坦化層107は、層間絶縁膜105およびソース/ドレイン電極106a、106b上に形成され、窒化膜、酸化膜のうちの1つからなるが、これらに限定されない。
【0102】
そして、平坦化層107が一部除去された部分には、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極110が形成される。
【0103】
前記有機発光ダイオードOLEDのアノード電極110は第1トランジスタP1のドレイン電極と電気的に接続される。
【0104】
また、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極110上に発光層112が形成される。
【0105】
前記発光層112は、正孔輸送層と、有機発光層と、電子輸送層とが積層された構造で形成され、正孔注入層と、電子注入層とをさらに含むことができる。
【0106】
また、前記発光層112上には有機発光ダイオードOLEDのカソード電極114が形成される。前記有機発光ダイオードOLEDのカソード電極114は第2電源ELVSSに接続される。
【0107】
上述した第3トランジスタP3の構造は、残りのトランジスタP1、P2、P4にも同様に適用可能であるため、残りのトランジスタP1、P2、P4の説明は省略する。
【0108】
図7は、第3トランジスタおよび第4トランジスタのソース電極およびドレイン電極がゲート電極の上側において1つの板で形成される場合の、画素の断面を示す図であり、
図8は、
図7に示された画素のレイアウト図である。
【0109】
図5および
図6を参照すれば、第3トランジスタP3および第4トランジスタP4のソース電極106aとドレイン電極106bとはゲート電極104を避けて接続できるが、
図7および
図8を参照すれば、第3トランジスタP3および第4トランジスタP4のソース電極106aとドレイン電極106bとは、各ゲート電極104の上側において1つの板130で形成できる。
【0110】
これにより、ソース電極106aとドレイン電極106bとが形成する板130とゲート電極104との間に形成される重畳面積を介して追加の静電容量を確保することができる。
【0111】
図9は、コンタクトホールを追加形成した画素のレイアウト図である。
【0112】
図9を参照すれば、このとき、第3トランジスタP3および第4トランジスタP4のソース/ドレイン電極106a、106bを半導体層102と接続させるコンタクトホールchを前記板130の縁に沿って複数個形成することにより、ソース/ドレイン電極106a、106bと半導体層102との接触面積を増大させることができる。
【0113】
ソース/ドレイン電極106a、106bと半導体層102との接触面積が増加することにより、より安定的にデータ信号を維持することができる。
【0114】
すなわち、第3トランジスタP3のように、ソース電極106aとドレイン電極106bとが形成する板130の上下側縁にコンタクトホールchを形成するとともに、左右側縁にも追加のコンタクトホールchを形成することができる。
【0115】
また、第4トランジスタP4のように、左側縁にのみ追加のコンタクトホールchを形成し、ソース/ドレイン電極106a、106bと半導体層102との接触面積を増大させることができる。
【0116】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施可能であることを理解することができる。そのため、上述した実施形態はすべての面で例示的なものであって、限定的ではないと理解しなければならない。本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そして、その均等の概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。