特許第6043584号(P6043584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043584
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ラベル型抜装置及びラベル型抜方法
(51)【国際特許分類】
   B31D 1/02 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   B31D1/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-235015(P2012-235015)
(22)【出願日】2012年10月24日
(65)【公開番号】特開2014-83778(P2014-83778A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】591186888
【氏名又は名称】株式会社トッパンTDKレーベル
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】小島 雅広
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−318066(JP,A)
【文献】 特開昭59−064295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するロータリシリンダと、
前記ロータリシリンダに巻き付けられたロータリ刃部と、
前記ロータリシリンダに対向配置されて前記ロータリシリンダと反対方向に回転するアンビルロールと、
を備え、
前記ロータリ刃部が、複数種類で選択可能な異なる形状の型抜刃を有し、
前記アンビルロールが、前記ロータリシリンダに近接するように移動可能であり、
前記ロータリ刃部と前記アンビルロールとの間でラベル部材を搬送させることにより、前記型抜刃により前記ラベル部材に有するラベルを型抜きすることを特徴とするラベル型抜装置。
【請求項2】
前記ロータリシリンダの回転を制御するロータリシリンダ駆動系と、前記アンビルロールの上下駆動を制御するアンビルロール上下駆動系と、前記ラベル部材の搬送を制御するラベル搬送駆動系と、を総括する主制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のラベル型抜装置。
【請求項3】
前記ロータリ刃部は、前記型抜刃のそれぞれのエッジが前記ラベルに当接する型抜開始位置を検出するための指標マークを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラベル型抜装置。
【請求項4】
記ラベル部材のラベルに対応して前記ラベル部材に設けられたアイマークを検出するアイマーク検出手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載のラベル型抜装置。
【請求項5】
回転するロータリシリンダと、
複数種類で選択可能な異なる形状の型抜刃を有して前記ロータリシリンダに巻き付けられたロータリ刃部と、
前記ロータリシリンダに対向配置されて前記ロータリシリンダと反対方向に回転するアンビルロールと、
を用い、
前記ロータリシリンダを回転させるとともに、前記アンビルロールを前記ロータリシリンダに対向配置させて前記ロータリシリンダと反対方向に回転させ、前記アンビルロールを、前記ロータリシリンダに近接するように移動させながら、前記ロータリ刃部と前記アンビルロールとの間でラベル部材を搬送させることにより、前記型抜刃により前記ラベル部材に有するラベルを型抜きすることを特徴とするラベル型抜方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に貼り付けるラベルを得るためにラベル部材からラベルを所望の形状に型抜きするラベル型抜装置及びラベル型抜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベル型抜装置、ロータリ刃部、及びラベル型抜方法の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1のラベル型抜装置は、略閉ループ状の軌跡に沿う断続的な切り込みを帯状シートに形成する切り込み形成手段を備える。
また、特許文献1のラベル型抜装置は、切り込みで囲まれる内側領域を接着用シートとして被着体に貼付する。
そして、特許文献1のラベル型抜装置は、接着用シートの外側の不要シート部分を接着用シートから分離する貼付分離手段を備える。
【0003】
また、ラベル型抜装置、ロータリ刃部及び、ラベル型抜方法の他の例が特許文献2に記載されている。
特許文献2のラベル型抜装置は、原反の繰り出し経路上でテープ基材に閉ループ状の切り込みを形成して貼付用テープを形成するカット装置を備える。
特許文献2のラベル型抜装置は、貼付用テープをベースシートから剥離する剥離装置を備える。
また、特許文献2のラベル型抜装置は、所定の被着体を支持する支持体と剥離装置とを相対移動させて貼付用テープを被着体に貼付する貼付装置を備える。
そして、特許文献2のラベル型抜装置は、剥離装置で貼付用テープを剥離した後の原反を巻き取る巻取装置を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−98278号公報
【特許文献2】特開2006−73920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2のようなラベル型抜装置は、型抜刃に同一種類の型が繰り返し形成されている。そのため、特許文献1及び特許文献2のようなラベル型抜装置は、互いに異なる形状のラベルを選択して型抜きすることができなかった。
【0006】
また、近年、多様な需要に伴い、ロールラベルを使用し、任意形状のラベル部材のラベルを製品に張り付ける要望が増加している。例えば、あらかじめ型抜きされた糊付ラベルを剥離紙と称されるライナーに張り合わせ、これをロール状に巻き付けたロールラベルが知られている。型抜きされたラベルは、ライナーより剥離され、ラベルのみが商品に張り付けられる。
【0007】
しかし、この場合は、ラベルをあらかじめ型抜きする必要性が有ること、ライナーに張り付けなければならないこと、ライナーを使用後に廃棄する必要があること等から、ラベル単価が高くなり、また、廃棄物が生じることによる環境問題も懸念される。
【0008】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、任意の抜き形状を選択して型抜きをすることができるラベル型抜装置及びラベル型抜方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るラベル型抜装置は、回転するロータリシリンダと、前記ロータリシリンダに巻き付けられたロータリ刃部と、前記ロータリシリンダに対向配置されて前記ロータリシリンダと反対方向に回転するアンビルロールと、を備え、前記ロータリ刃部が、複数種類で選択可能な異なる形状の型抜刃を有し、前記アンビルロールが、前記ロータリシリンダに近接するように移動可能であり、前記ロータリ刃部と前記アンビルロールとの間でラベル部材を搬送させることにより、前記型抜刃により前記ラベルに有するラベルを型抜きすることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るラベル型抜方法は、回転するロータリシリンダと、複数種類で選択可能な異なる形状の型抜刃を有して前記ロータリシリンダに巻き付けられたロータリ刃部と、前記ロータリシリンダに対向配置されて前記ロータリシリンダと反対方向に回転するアンビルロールと、を用い、前記ロータリシリンダを回転させるとともに、前記アンビルロールを前記ロータリシリンダに対向配置させて前記ロータリシリンダと反対方向に回転させ、前記アンビルロールを、前記ロータリシリンダに近接するように移動させながら、前記ロータリ刃部と前記アンビルロールとの間でラベル部材を搬送させることにより、前記型抜刃により前記ラベル部材に有するラベルを型抜きすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るラベル型抜装置及びラベル型抜方法によれば、任意の抜き形状を選択して型抜きをすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置の概念図である。
図2】本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置に適用されるロールラベルからラベルが型抜きされる状態を示す概略図である。
図3】本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置の概略外観斜視図である。
図4図3に示したラベル型抜装置の詳細外観斜視図である。
図5図3に示したラベル型抜装置におけるアンビルロールの動きを説明する正面図であって、(a)はアンビルロールの下死点での正面図、(b)はアンビルロールの上死点での正面図である。
図6】本発明に係る一実施形態のロータリ刃部の展開状態の平面図である。
図7図6に示した型抜刃のC−C線断面図である。
図8図6に示したロータリ刃部の詳細平面図である。
図9】本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置の主制御部のブロック構成図である。
図10】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法を説明する駆動用モータの速度制御と時間との関係図である。
図11】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法におけるモータ速度定速時のインデックス信号のタイミングチャートである。
図12A】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法におけるロータリシリンダ駆動処理部の制御流れを説明するフローチャートである。
図12B】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法におけるロータリシリンダ駆動処理部の制御流れを説明するフローチャートである。
図13】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法におけるモータ速度定速時のアイマークセンサ信号のタイミングチャートである。
図14】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法におけるロールラベル搬送駆動処理部の制御流れを説明するフローチャートである。
図15】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法におけるアンビルロール上下駆動処理部の制御流れを説明するフローチャートである。
図16】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法における主制御処理部の制御流れを説明するフローチャートである。
図17】本発明に係る一実施形態のラベル型抜き装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置、ロータリ刃部及び、ラベル型抜方法について図面を参照して説明する。
まず、本発明に係わるラベル型抜装置の概念について説明する。図1は、本実施形態のラベル型抜装置の概念図である。図2は、ラベル型抜装置に適用されるロールラベルからラベルが型抜きされる状態を示す概略図である。
図1図2に示すように、ラベル型抜装置10は、ロールラベル11が取り付けられ、ロールラベル11からラベルSを型抜きし、さらにラベルSを商品に貼り付ける装置である。
ロールラベル11は、片面が粘着性を有するラベル部材Rにおいて粘着性を有していない側の面に、ラベルSとアイマーク12とが印刷されている。ラベルSは、型抜きする対象である。すなわち、ロールラベル11のラベル部材Rに所定の模様等が印刷されることによりラベル部材R上にラベルSが形成されている。アイマーク12は、型抜きするラベルSの開始位置を示す黒色等の模様であり、印刷等によってラベル部材R上に形成されている。ロールラベル11は、剥離紙を有していない。また、型抜きにより残ったラベル部材Rの残存部Tは、不図示の残存ラベル巻取り機構により順次巻き取られる。
【0015】
次に、ラベル型抜装置10の構造について説明する。図3は、本実施形態のラベル型抜装置10の概略外観斜視図である。図4は、ラベル型抜装置10の詳細外観斜視図である。図5は、ラベル型抜装置におけるアンビルロールの動きを説明する正面図であって、(a)はアンビルロールの下死点での正面図、(b)はアンビルロールの上死点での正面図である。
図3図4に示すように、ラベル型抜装置10は、アンビルユニット13と、ロータリユニット14と、主制御部40とを備える。
【0016】
アンビルユニット13は、アンビルロール17と、アンビルロール上下駆動用モータ19と、アンビルロールセンサ20とを備える。
アンビルロール17は、回転軸18に対して自由回転する。アンビルロール17の回転軸18は、ロータリ刃部23へ近づいたりロータリ刃部23から離れたりするように(図3中の上下方向)往復駆動される。具体的には、回転軸18は、後述するカム機構38を介して、アンビルロール上下駆動用モータ19を原動力として、アンビルロール17の真下で上下方向に往復駆動される。アンビルロール17は、金属ロール軸にABS樹脂等が蒸着された構造を有する。このため、アンビルロール17は、後述するロータリ刃部23が好適に接する弾性を有し、適切な型抜きを可能としている。
【0017】
アンビルロール上下駆動用モータ19は、アンビルロール17の回転軸18を上下駆動するためのカム機構38とギア機構39とを回転駆動するステッピングモータである。アンビルロール上下駆動用モータ19は、各型抜刃25、26、27、28の高さとラベル部材R等の厚みを加算した十分な上下駆動量を持つように、駆動ストローク(H)並びにステップ送り量(h1)が設定されている。
なお、カム機構38及びギア機構39に代えて、アンビルローラ上下駆動用モータ19の回転軸に固定されたウォームギアと、当該ウオームギアと噛み合うピニオンと、ピニオンの回転中心と同軸をなしてピニオンに固定され当該回転中心を中心とした螺旋状のねじ山を有するシャフトと、回転軸18が回転可能となるように回転軸を支持しシャフトのねじ山が回転可能に係合するねじ溝を有する支持部とを有していてもよい。このような構成では、アンビルロール上下駆動用モータ19の正逆回転を切り替えることにより回転軸18を上下駆動することができる。なお、この場合、アンビルロール上下駆動用モータ19にかかる負荷は高くなるが、回転軸18を高精度に駆動することができる。
本実施形態では、アンビルロール上下駆動用モータ19は、ステッピングモータが採用されている。
【0018】
図5(a)に示すように、アンビルロールセンサ20は、アンビルロール17の上死点位置A1を検出するとともに、アンビルロール17の下死点位置A2を検出する。アンビルロールセンサ20により、アンビルロール17の上下位置を判定することができる。
【0019】
アンビルユニット13は、ロータリシリンダ15に対してアンビルロール17を加圧する前の状態(非加圧高さ位置)において、アンビルロール上下駆動用モータ19を駆動制御する。そして、アンビルユニット13は、アンビルロールセンサ20がオン(検出)になるまでアンビルロール17を下げる。これにより、アンビルロール17は下死点位置A2に保持される。
また、図5(b)に示すように、アンビルユニット13は、ロータリシリンダ15に対してアンビルロール17を加圧する状態(加圧高さ位置)において、アンビルロール上下駆動用モータ19を駆動制御する。そして、アンビルロールセンサ20がオン(検出)になるまでアンビルロール17を上昇させる。これにより、アンビルロール17は上死点位置A1に上昇され、ラベル部材Rをロータリ刃部23に押し付ける。
【0020】
図3に戻り、ロータリユニット14は、ロールラベル11のラベル部材Rが供給され、ラベル部材RからラベルSを型抜きするための装置である。ロータリユニット14は、ロータリシリンダ15と、ロータリシリンダ駆動用モータ16と、ラベル搬送駆動機構37と、ロールラベル搬送駆動用モータ21と、アイマークセンサ22と、インデックスセンサ34とを備える。
【0021】
ロータリシリンダ15は、円柱状の外面を有し、歯車減速機構35を介してロータリシリンダ駆動用モータ16に接続されている。ロータリシリンダ15の外面には、ロータリ刃部23が取り付けられている。
【0022】
図6は、本実施形態におけるロータリ刃部23の展開状態の平面図である。図7は、図6に示した型抜刃のC−C線断面図である。図8は、図6に示したロータリ刃部の詳細平面図である。
ロータリ刃部23は、ロータリシリンダ15に取り付けられ、ロータリシリンダ15の周方向にロータリシリンダ15とともに回転する柔軟な板状部材である。
図6図7に示すように、ロータリ刃部23は、本体24、第1型抜刃25、第2型抜刃26、第3型抜刃27、第4型抜刃28、取付孔29、第1指標マーク30、第2指標マーク31、第3指標マーク32、及び第4指標マーク33を有する。
【0023】
図8に示すように、本体24は、磁性材により形成されているロータリシリンダ15に磁石固定されるように取り付けられる。具体的には、本実施形態では、本体24はステンレス鋼からなる。本体24は、その全長Lがロータリシリンダ15の周長と等しい。
【0024】
第1型抜刃25、第2型抜刃26、第3型抜刃27、及び第4型抜刃28は、ロータリ刃部23がロータリシリンダ15に取り付けられたときのロータリシリンダ15の回転方向の先側から元側へ向かって、この順に形成されている。
第1型抜刃25、第2型抜刃26、第3型抜刃27、及び第4型抜刃28は、いずれもラベルSの形状を規定する抜刃であり、それぞれ異なる形状にエッチング法により形成されている。すなわち、本実施形態では、ラベルSは、4つの異なる抜刃により互いに異なる抜き形状で型抜きされる。
なお、ロータリ刃部23が有する複数種類の選択可能な異なる形状の型抜刃とは、異なる形状を一列に並べた場合、同一種を一列に並べた場合、異なる又は同一種を並列に並べた場合のそれぞれを含む。
【0025】
取付孔29は、本体24をロータリシリンダ15に取り付けるための孔であり、ロータリ刃部23をロータリシリンダ15に対して精度良く且つ容易に位置決めするために設けられている。
【0026】
第1指標マーク30、第2指標マーク31、第3指標マーク32、及び第4指標マーク33は、本体24の側縁部の一方側に設けられている。本実施形態では、第1指標マーク30、第2指標マーク31、第3指標マーク32、及び第4指標マーク33は、本体24の一部が矩形形状に切り欠かれた形状を有している。
【0027】
ロータリ刃部23の各指標30、31、32、33は、各型抜刃25、26、27、28の回転方向に対する開始位置を示すインデックスLn(本実施形態ではL1ないしL4)としての機能を有する。
具体的には、第1指標マーク30は、第1型抜刃25の位置を示す指標であるとともに、ロータリ刃部23の全体の先頭を示す指標である。第2指標マーク31は、第2型抜刃26の位置を示す指標である。第3指標マーク32は、第3型抜刃27の位置を示す指標である。第4指標マーク33は、第4型抜刃28の位置を示す指標である。
【0028】
第2指標マーク31、第3指標マーク32、及び第4指標マーク33は、互いに同じ大きさに形成されている。また、第1指標マーク30は、第2指標マーク31、第3指標マーク32、及び第4指標マーク33とは異なる形状を有している。具体的には、L1の切り欠き幅>L2の切り欠き幅>取付孔29の幅となるように構成されている。これにより、インデックスセンサ34を用いて第1指標マーク30を特定することができる。なお、第2指標マーク31、第3指標マーク32、及び第4指標マーク33は、第1指標マーク30がインデックスセンサ34(図17参照)に検出された後、第1指標マーク30を1つ目の切り欠きとして切り欠きの数が順次カウントされることにより特定できる。
【0029】
第1指標マーク30において、ロータリ刃部23の回転方向の先側(本実施形態では取付孔29が形成されている側)のエッジが、ロータリ刃部23における型抜刃全体の先頭位置を示す切り欠きエッジである。
そして、ロータリ刃部23は、それぞれW1の回転送り量を持つ第1型抜刃25と次の第2型抜刃26までのギャップ量Gを設けた構成を1単位としている。
第2型抜刃26、第3型抜刃27、第4型抜刃28に対しても、第1型抜刃25と同様にして、回転送り量とギャップ量とを考慮して第2指標マーク31、第3指標マーク32、及び第4指標マーク33が設定されている。
【0030】
ギャップ量Gは、各型抜刃25、26、27、28間の分離上で必要となり、ラベル型抜装置10の型抜き速度や性能により決定される。
また、ロータリ刃部23は、ロータリシリンダ15に取り付けるために取付孔29が本体24に形成されており、取付孔29も、インデックスセンサ34の検出エリアを通過する。しかしながら、本実施形態では、取付孔29の直径がインデックスセンサ34上でL2の切欠き幅より小さいので、取付孔29が指標として誤認識されることはない。
言い換えれば、L2ないしL4の切欠き幅は取付孔29の幅より大きいことが好ましい。
【0031】
また、インデックスL1ないしL4の開始位置は、ロータリ刃部23の開始位置から所定のオフセット量Fだけずれて設定されていてもよい。オフセット量Fがあっても、後述するIs(センサー等の機械的オフセット量)として主制御部40において計算することにより好適に補正することができる。
【0032】
ロータリシリンダ駆動用モータ16は、ロータリシリンダ15を一方向に回転させる動力源である。ロータリシリンダ駆動用モータ16を原動力としてロータリシリンダ15が回転することにより、ロータリシリンダ15とアンビルローラ17との間に挿入されたラベル部材Rは一方向に送られる。
また、本実施形態では、ロータリシリンダ駆動用モータ16としてステッピングモータが採用されている。そして、ロータリシリンダ駆動用モータ16において、あらかじめラベル部材Rの型抜きに必要とされる最少ステップ送り量(S1)が得られるように各部ギア比率等が設定されている。
【0033】
ラベル搬送駆動機構37は、ロータリシリンダ15とアンビルロール17との間へ向かってラベル部材Rを送り込むとともに、型抜きされたラベル部材Rをロータリシリンダ15とアンビルロール17との間から引き出す。ラベル搬送駆動機構37は、ロールラベル搬送用駆動用モータ21に対して、歯車減速機構36を介して接続されている。
【0034】
ロールラベル搬送駆動用モータ21は、ラベル型抜装置10に装填されたラベル部材Rを搬送するためにラベル搬送駆動機構37を駆動させる動力源である。
また、本実施形態では、ロールラベル搬送駆動用モータ21としてステッピングモータが採用されている。そして、ロールラベル搬送駆動用モータ21において、あらかじめラベル部材Rの型抜きに必要とされる最少ステップ送り量(S1)が得られるように各部ギア比率等が設定されている。
【0035】
アイマークセンサ22は、ロータリユニット14に組み込まれており、アイマーク12を検出することにより、ラベル部材R上のラベルSの先端を検出する。
【0036】
インデックスセンサ34は、ロータリユニット14は、ロータリシリンダ15の回転に同期して各指標30、31、32、33を検出する光学式反射センサである。
インデックスセンサ34は、本体24において各指標30、31、32、33が形成された部位をインデックス領域として認識するために設けられたセンサであり、インデックス領域の有無情報とインデックス領域の長さ情報をロータリシリンダ15の回転に同期して検出する。詳細は後述するが、インデックスセンサ34によって検出されたインデックス領域の有無情報及びインデックス領域の長さ情報は、主制御部40(図9参照)により処理される。
【0037】
主制御部40は、ロータリシリンダ駆動用モータ16、アンビルロール上下駆動用モータ19、アンビルロールセンサ20、ロールラベル搬送用駆動用モータ21、アイマークセンサ22、及びインデックスセンサ34に電気的に接続されている。
【0038】
次に、主制御部40の構成および主制御部40によるラベル型抜装置10の動作制御の流れについて説明する。
図9は、主制御部40のブロック構成図である。図10は、本実施形態に係る一実施形態のラベル型抜方法を説明する駆動用モータの速度制御と時間との関係図である。図11は、本実施形態のラベル型抜方法におけるモータ速度定速時のインデックス信号のタイミングチャートである。図12は、本実施形態のラベル型抜方法におけるロータリシリンダ駆動処理部の制御流れを説明するフローチャートである。図13は、本実施形態のラベル型抜方法におけるモータ速度定速時のアイマークセンサ信号のタイミングチャートである。図14は、本実施形態のラベル型抜方法におけるロールラベル搬送駆動処理部の制御流れを説明するフローチャートである。図15は、本実施形態のラベル型抜方法におけるアンビルロール上下駆動処理部の制御流れを説明するフローチャートである。図16は、本実施形態のラベル型抜方法における主制御処理部の制御流れを説明するフローチャートである。図17は、本実施形態のラベル型抜き装置の模式図である。
【0039】
図9に示す主制御部40は、ラベル型抜装置10全体を制御する装置である。
主制御部40は、主として、ロータリシリンダ駆動処理部51、ロールラベル搬送駆動処理部52、アンビルロール上下駆動処理部53、主制御処理部54、及び共通メモリ55から構成されている。共通メモリ55には、ラベル型抜装置10の動作制御に必要な情報が記憶されている。
【0040】
ロータリシリンダ駆動処理部51は、ロータシリンダモータ駆動回路56を通じてロータリシリンダ駆動用モータ16に電気的に接続されている。ロータリシリンダ駆動処理部51は、インデックスセンサ検出回路57を通じてインデックスセンサ34からセンサ信号が与えられる。ロータリシリンダ駆動処理部51は、ロータリシリンダ15の駆動とロータリ刃部23上のインデックス情報と管理情報コードを共通メモリ55に設定する。そして、ロータリシリンダ駆動処理部51は、ロータリシリンダ15の現在位置情報を管理するとともにインデックス検出結果を共通メモリ55に設定する。
【0041】
ロールラベル搬送駆動処理部52は、ロールラベル搬送モータ駆動回路58を通じてロールラベル搬送駆動用モータ21に電気的に接続されている。ロールラベル搬送駆動処理部52は、アイマークセンサ検出回路59を通じてアイマークセンサ22からセンサ信号が与えられる。ロールラベル搬送駆動処理部52は、ロールラベル11を搬送するロールラベル搬送駆動と、ロールラベル11上のアイマーク12の検出とを行う。ロールラベル搬送駆動処理部52は、ロールラベル11の型抜き開始位置情報を管理するとともに共通メモリ55に設定する。
【0042】
アンビルロール上下駆動処理部53は、アンビルロール上下モータ駆動回路60を通じてアンビルロール上下駆動用モータ19に電気的に接続されている。アンビルロール上下駆動処理部53は、アンビルロールセンサ検出回路61を通じてアンビルロールセンサ20からセンサ信号が与えられる。アンビルロール上下駆動処理部53は、アンビルロール17の上下駆動を管理するとともに、状態情報を共通メモリ55に設定する。
【0043】
図10は、本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法を説明する駆動用モータの速度制御と時間との関係図である。図10に示すように、ステッピングモータでは、励磁相の切り替え時間を変化させることで駆動回転速度を制御できる。
この時の励磁相1回毎の切り替えで進む回転軸の回転角度は一定となり、ギアを介して回転するロータリシリンダ15に装填されたロータリ刃部23の送り量はピッチ(S1)となる。
同様にして、ラベル搬送系モータの駆動ギア比等もピッチ(S1)となるように構成されている。
これにより、ロータリ刃部23とラベル部材Rの搬送とは同じ送りピッチS1で搬送でき、各型抜刃25、26、27、28の各開始位置や抜き送り量(Wn)等もピッチS1の整数倍となる。
当然ながら、これ等の制御時間の単位はS1ピッチの回転・送り時間:Ts1に比例した時間単位となる。
【0044】
図11に示すように、ロータリシリンダ15の回転方向に対して各指標マーク30、31、32、33をインデックスセンサ34で検出した際、L1のインデックス領域ではL2のインデックス領域より反射時間が長い反射(オン)(TL1>TL2)となる。
そのため、ロータリシリンダ駆動用モータ16の送りピッチ時間Ts1に同期してセンサオン時間を観測できる。
この方法により、ロータリ刃部23上の各型抜刃25、26、27、28の開始位置と原点位置とを判別することが容易に可能である。
ロータリ刃部23のシート長や各型抜刃25、26、27、28の寸法は、送りピッチS1で換算して行うことになる。
【0045】
次に、TL=1000ステップとした場合でのロータリシリンダ駆動処理部51の判別処理の流れについて図12を用いて説明する。
主制御処理部54では、ロータリシリンダ15に装填されたロータリ刃部23の各型抜刃25、26、27、28の構成を知る必要が有る。
そのため、ロータリシリンダ駆動処理部51に対して『開始1』を処理する指令を出す。
この指令により、ロータリシリンダ駆動処理部51では、インデックステーブルと称するインデックスNo.(番号)に対応した3つの項目からなる。
そのため、共通メモリ55に確保されている有限配列の情報保存領域の内容を初期化する。
また、インデックスNo.を0として未検出状態とする。
【0046】
そして、ロータリシリンダ15上に装填されたロータリ刃部23は、ロータリシリンダ駆動用モータ16のステッピング駆動によりピッチS1単位で回転移動する。
そのため、このステップ移動量をステップアドレスとして管理して1ステップ毎に加算される。
但し、ロータリシリンダ15が1000ステップで一周するために、ステップアドレスは、0〜999の変化として扱う。
そして、ロータリシリンダ駆動処理部51に有する不図示のモータ加減速処理で処理される。
【0047】
ロータリシリンダ15が停止状態からV1速度まで加速回転させる。
そして、ロータリシリンダ15を定速V1で回転を維持する。
この状態で、インデックスセンサ34によりロータリ刃部23のインデックス領域が検出される。
【0048】
インデックス領域をインデックスセンサ34が検出すると、オンの期間に対応したステップアドレスの差分量によりTL1又はTL2領域の判別ができる。
この処理は、インデックステーブルの開始位置にインデックスセンサ34がオフからオンになった時点のステップアドレスを、インデックステーブルの終了位置にインデックスセンサ34がオンからオフとなった時点のステップアドレスを格納し、差分を計算し求める。
【0049】
このとき、最初のTL1位置をインデックステーブルの最初に並べ直すために、Lfフラグ領域に識別情報としてTL1=1、TL2=0を記録する。
なお、本実施形態では、ロータリシリンダ15が定速V1となってからインデックセンサ34による検出を開始するので、検出を開始したときのステップアドレスは0とは限らない。このため、本実施形態では、最初にインデックスを検出したときの開始位置のステップアドレスを基準として、ロータリシリンダ15の一周を判定する。具体的には、ステップアドレスが、999を超えて再び0からカウントされ、最初にインデックスを検出したときの開始位置のステップアドレスと等しくなったときに、ロータリシリンダ15の1回転の検出が終了したと判定する。
ロータリシリンダ15の1回転の検出が終了すると、ロータリシリンダ15を停止させ、インデックステーブル内のLfフラグ=1が存在する開始位置を基準として、インデックステーブル内の開始・終了位置を正規化しソートする。
【0050】
次に、ロータリシリンダ15を停止させた時点のステップアドレス値と、Is(インデックスセンサ34から抜き原点位置までのロータリシリンダ15の外周に沿った寸法にロータリ刃部23のオフセットFを加算した寸法をステップ数に換算)とからオフセット値(例えば600)を算出する。
そして、インデックステーブル内の開始・終了位置を更に正規化する。
この処理により、インデックステーブル内の開始・終了位置は、抜き原点位置を0とする絶対位置管理が可能となる。
そして、ラベル部材Rの型抜き位置合わせ制御の基準を、抜き原点位置基準で処理することができる(S101〜S120)。
【0051】
主制御処理部54では、ロータリシリンダ15に装填された目的の型抜刃nを選択し、型抜きを行うために、ロータリシリンダ駆動処理部51に対して『開始2』『開始3』を処理する指令を出す。
【0052】
『開始2』の指令では、ロータリシリンダ駆動処理部51は、型抜刃nに対応したインデックスNo.の示すインデックステーブル内の開始位置を停止位置とする。
そして、ロータリシリンダ15をV1で加速回転し停止させることで抜き原点位置へ型抜刃nの刃先を移動させる(S121〜S125)。
【0053】
『開始3』の指令では、ロータリシリンダ駆動処理部51は、抜き原点位置から型抜刃nに対応した型刃の長さを加算した停止位置までV1速度に加速回転し停止させる。
このとき、型抜刃nに対応した型刃の長さを加算した停止位置とは、WnをステップS1で換算した値)である。
そして、ラベル部材Rの型抜きを行う(S131〜S135)。
【0054】
ロールラベル搬送駆動処理部52では、ロールラベル搬送駆動用モータ21を制御する。
すなわち、ロールラベル搬送駆動処理部52では、ロールラベル11をラベル搬送用ローラ62(図17参照)に挟み込み、ピッチS1単位でラベル部材Rを送り出す。
【0055】
図13に示すように、このとき、ラベル部材R上に印刷されているアイマーク12を光学反射式のアイマークセンサ22により検出し、ラベル部材R上の抜き開始位置を検出して抜き原点位置までラベル部材Rを正しく送る処理を行う。
【0056】
次に、ロールラベル搬送駆動処理部52の判別処理の流れについて説明する。
図14に示すように、主制御処理部54では、ロールラベル11上の各型抜き開始位置を抜き原点位置まで搬送する必要が有る。
そのため、ロールラベル搬送駆動処理部52に対して『開始1』を処理する指令を出す。
この指令により、ロールラベル搬送駆動処理部52では、装填されたロールラベル11をロールラベル搬送駆動用モータ21のステッピング駆動によりピッチS1単位で搬送する。
このステップ移動量は、ロータリシリンダ15のステップ量と同じで、搬送ステップアドレスとして管理し、1ステップ毎に加算される。
なお、この搬送ステップ量の管理は、ロールラベル搬送駆動処理部52に有する不図示のモータ加減速処理で処理される。
【0057】
ロールラベル11を停止状態からV1速度まで加速搬送させながら光学反射式のアイマークセンサ22によりラベル部材R上に予め印刷されている黒色のアイマーク12が検出される。
アイマーク領域をアイマークセンサ22が検出すると、アイマーク12の幅に対応したオンの期間(搬送ステップアドレスの差分量)を正しく判別できる。
アイマーク12の黒色エッジに対応してセンサ信号がオンになるので、搬送ステップアドレス値をアイマークオフセット値として共通メモリ55に格納する。
そして、ロールラベル搬送駆動用モータ21の駆動を一時停止する。
ロールラベル搬送駆動用モータ21の駆動停止でロールラベル11が行き過ぎたステップ量をアイマークオフセット値と差分計算する。
そして、アイマークセンサ22から抜き原点までのステップ換算したオフセット量Fsに対する残り搬送量が求められる。
続いて、この残り搬送量をV1の搬送速度で加速→定速→減速→停止を行う(S201〜S211)。
これらの処理により、ロールラベル11上のアイマーク12のエッジ位置は、抜き原点位置まで搬送される。
【0058】
主制御処理部54では、ロータリシリンダ15に装填された目的の型抜刃nを選択し、型抜きを行うために、ロールラベル搬送駆動処理部52に対して『開始2』、『開始3』を処理する指令を出す。
『開始2』の指令では、ロールラベル搬送駆動処理部52は、指定された搬送速度V1でロールラベル11をピッチS1単位で搬送しながら同時にアイマーク12の検出処理を行う。
ロールラベル11の搬送中にアイマーク12を検出すると、前記した処理と同様に、アイマーク12の黒色エッジに対応した搬送ステップアドレス値をアイマークオフセット値として共通メモリ55に格納する(S221〜S223)。
【0059】
『開始3』の指令では、ロールラベル搬送駆動処理部52は、次のロールラベル11上のアイマーク開始位置を抜き原点まで搬送する。
そのため、『開始2』で求めたアイマークオフセット値より、前記した処理同様に残り搬送量を求めてV1の搬送速度で加速→定速→減速→停止を行いアイマークエッジ位置を抜き原点位置まで搬送させる(S231〜S234)。
【0060】
次に、アンビルロール上下駆動処理部53の判別処理の流れについて説明する。
図15に示すように、アンビルロール上下駆動処理部53では、アンビルロール17を上下駆動させるためのアンビルロール上下駆動用モータ19を制御する。
また、アンビルロール上下駆動処理部53では、ロールラベル11を挟み込んでアンビルロール17とロータリシリンダ15との間で加圧(アンビルロール上昇)する制御を行う。
そして、アンビルロール上下駆動処理部53では、ロールラベル11とロータリシリンダ15との間で非加圧状態(アンビルロール下降)に制御する処理を行う(S241〜S247)。
【0061】
主制御処理部54では、ロータリシリンダ15上の型抜刃nを選択する。
また、主制御処理部54では、ロールラベル11上の各型抜き開始位置を抜き原点位置まで搬送する際にアンビルロール17を非加圧状態にする。
そして、主制御処理部54では、型抜きを行うためにアンビルロール17を加圧状態にする。
その際に、主制御処理部54では、アンビルロール上下駆動処理部53に対して『開始1』を処理する指令を出す。
この指令により、アンビルロール上下駆動処理部53では、アンビルユニット13に装備されたアンビルロールセンサ20の検出を行う。
そして、アンビルロール17の上下ストローク量(上位置、下位置)を検出し、共通メモリ55に格納する。
【0062】
上位置は、アンビルロール17が上昇してロータリシリンダ15に装填されたロータリ刃部23の各型抜刃25、26、27、28の高さに接触する程度の位置を示す。
これに対して、下位置は、アンビルロール17が下降してラベル搬送ローラ62と同じ高さを示す。
ここで、ラベル搬送ローラ62と同じ高さとは、ラベル部材Rの面が、ロータリ刃部23の各型抜刃25、26、27、28に接触せず若干の空隙が存在する高さである。
【0063】
装填されたロールラベル11は、ロールラベル搬送駆動用モータ21のステッピング駆動によりピッチS1単位で搬送される。
このステップ移動量は、ロータリシリンダ15のステップ量と同じで、搬送ステップアドレスとして管理し、1ステップ毎に加算される。
この搬送ステップ量の管理は、アンビルロール上下駆動処理部53に有する不図示のモータ加減速処理で処理される。
【0064】
アンビルロール17は下死点位置A2を基準とする。
そして、アンビルロール上下駆動用モータ19が下死点位置A2で停止状態からV2速度まで加速回転させながらアンビルロールセンサ20が上死点位置A1でオンになるまでのストロークでアンビルロール17を上昇回転させる。
上昇下降は、アンビルロール上下駆動用モータ19をCW(時計回り)又はCCW(反時計回り)方向に回転方向を切り替えて制御する。
【0065】
図5(a)に示したように、アンビルロール上下駆動用モータ19をCW方向に回転させることで回転軸18が上昇し、アンビルロールセンサ20が上死点位置A1でオンになる。
これとは逆に、アンビルロール上下駆動用モータ19をCCW方向に回転させることで回転軸18が下降し、アンビルロールセンサ20が下死点位置A2でオンになる。
上下制御では、あらかじめ下死点位置A2から上死点位置A1までのステップ数S1に換算したストローク量を求めて置く。
そして、アンビルロールセンサ20が下死点位置A2でオンになった位置のステップアドレスを下死点位置A2として共通メモリ55に記憶する。
このように、計算により上死点位置A1を求めることにより、上死点位置A1までの回転送り量が制御できる。
【0066】
主制御処理部54では、次のインデックスr位置へロータリシリンダ15を回転させるためや、ロールラベル11上のアイマーク12の開始位置を抜き原点まで搬送するために、アンビルロール上下駆動処理部53に対して『開始2』の指令を出す。
『開始2』の指令では、ロータリ刃部23を加圧中の状態(上死点位置A1に)でアンビルロール17が上昇停止している状態である。
そのため、指定された搬送速度V2でアンビルロール17を下死点位置A2まで下降させ、ロータリ刃部23がラベル部材Rに接触しない位置まで退避させ停止する(S251〜S254)。
【0067】
主制御処理部54では、ロータリシリンダ15に装填された目的の型抜刃nを選択し型抜きを行うために、アンビルロール上下駆動処理部53に対して『開始3』の指令を出す。
『開始3』では、ロータリ刃部23にアンビルロール17を突き当てて加圧するために、回転軸18を上死点位置A1又はアンビルロールセンサ20が上死点位置A1でオンになるまで上昇させ停止する(S261〜S264)。
【0068】
次に、上述した処理を総括する主制御処理部54の判別処理の流れについて説明する。
図16に示すように、『開始1』では各部の初期化処理を行う。
そのため、アンビルロール17を下降させながら下死点位置A2の検出処理を行い、ロータリシリンダ15上のインデックス検出とインデックステーブル作成とを行う。
また、ロールラベル11上のアイマーク12の検出を行って、ラベル部材Rの抜き開始位置を抜き原点まで搬送する(S271〜S273)。
【0069】
『開始2』では、『開始1』で準備した状態からアンビルロール17を上昇させ(加圧状態)、ロールラベル11を搬送しながらロータリシリンダ15を型抜刃nの抜き長さWn量回転させながらラベルの型抜きを行う。
ラベルSの1枚の型抜きが終了すると、アンビルロール17を下降させた後、次の型抜きの準備のためにロールラベル11を搬送する。
そして、アイマーク12の検出位置から抜き原点までロールラベル11を搬送する。
同時に、ロータリシリンダ15を回転させて同じ型抜刃nの選択を進める(S281〜S290)。
これ等を順次繰り返すことで、型抜刃nを選択してラベルSの型抜きが可能となる。
【0070】
次に、本実施形態のラベル型抜装置10の使用時の動作及び作用について説明する。
図17に示すように、ラベル型抜装置10は、ラベル部材Rが搬送されてきた際に、アイマークセンサ22によりラベル部材Rのアイマーク12が検出された時点から、アイマークセンサ22から抜き原点位置B1までのステップ量を演算する。
そして、ラベル型抜装置10は、ラベル部材Rが搬送されてきた際に、インデックスセンサ34により、インデックスセンサ34から抜き原点位置B1までのステップ量を演算する。
そこで、ラベル型抜装置10は、抜き原点位置B1まで搬送された時に、アンビルロール17が上死点位置A1まで上昇することにより押し上げられてロータリシリンダ15に外装されているロータリ刃部23に加圧接触する。
【0071】
そして、ラベル型抜装置10は、ロールラベル搬送駆動用モータ21とロータリシリンダ駆動用モータ16の同期回転により、ロータリ刃部23の回転に伴い、ラベル部材Rが加圧されてラベル部材RからラベルSが型抜きされる。
このとき、アンビルロール17がアンビルロール上下駆動用モータ19により下死点位置A2に位置している状態では、ラベル部材Rがロータリ刃部23に接触しない。そのため、アンビルロール17がアンビルロール上下駆動用モータ19により下死点位置A2に位置している状態では、ラベル部材Rが搬送又はロータリシリンダ15が回転してもラベル部材Rへの型抜きが生じない。
【0072】
ラベル型抜装置10は、ロータリシリンダ15に装填されたロータリ刃部23の第1型抜刃25と第2型抜刃26と第3型抜刃27と第4型抜刃28とを選択してアンビルロール17の上昇移動によりラベル部材Rの加圧回転制御が行われる。
そして、型抜きされたラベルSと型抜き後の残存部Tは順次送り出されることになる。
従って、ラベル型抜装置10は、第1型抜刃25と第2型抜刃26と第3型抜刃27と第4型抜刃28のうちの所望の型抜刃のみを用いてラベルSを型抜きすることができる。
【0073】
以上、説明したように、本発明の一実施形態のラベル型抜装置10によれば、複数種類で選択可能な異なる形状の型抜刃25、26、27、28を有するロータリ刃部23に対してアンビルロール17がロータリシリンダ15に近接するように移動される。
これにより、ラベル型抜装置10によれば、ロータリ刃部23とアンビルロール17との間でラベル部材Rを搬送させることにより、型抜刃25、26、27、28によりラベル部材Rに有するラベルSを型抜きする。
従って、ラベル型抜装置10によれば、任意の抜き形状を選択して型抜きをすることができる。
【0074】
また、ラベル型抜装置10によれば、主制御部40が、ロータリシリンダ駆動系と、アンビルロール上下駆動系と、ラベル搬送駆動系と、を一括制御できるために回路構成を簡略化できる。
【0075】
そして、ラベル型抜装置10によれば、ロータリ刃部23に有する指標マーク30、31、32、33により、型抜刃25、26、27、28のそれぞれのエッジがラベルSに当接する型抜開始位置を検出できるために、ラベルSに対する位置ずれを防止できる。
【0076】
更に、ラベル型抜装置10によれば、ロータリ刃部23のアイマーク12により、ラベル部材RのラベルSの位置を検出できるために、ラベルSを確実に型抜きできる。
【0077】
加えて、ラベル型抜装置10によれば、ライナーを使用しないロールラベル11を適用することで、資源の無駄使いを無くして環境問題の発生を防止できる。
【0078】
本発明の一実施形態のロータリ刃部23によれば、複数種類で異なる形状の型抜刃25、26、27、28を選択的に使用可能であるために、生産性の向上を図れる。
【0079】
本発明の一実施形態のラベル型抜方法によれば、任意の抜き形状を選択して型抜きをすることにより、生産性の向上を図れる。
【0080】
なお、本発明のラベル型抜装置、ロータリ刃部及び、ラベル型抜方法は、前述した実施形態に限定されない。
【0081】
例えば、本発明に係るラベル型抜装置、ロータリ刃部及び、ラベル型抜方法の一例として、型抜刃上に設けたインデックス形成方法として以下の方法が考えられる。
インデック形成を、ラベル部材の開始インデックスを示す部分と、各型抜刃の開始位置を示すインデックスとを分離して設ける。
この実現のために必要な検出センサは、ラベル部材の開始インデックス用と各型抜刃の開始位置を示すインデックス用の複数になる。
インデックス形成方法として、上記実施形態では切り欠きを設ける方法を示したが、インデックス形成方法はこれに限られない。例えば、ラベル部材上に凸凹を設け、これをセンサ(例えば静電容量センサ等)で検出する方法があり得る。
また、アンビルロールの上下駆動機構の実現方法は種々の構造が考えられ、上述の手段には限定されない。
【符号の説明】
【0082】
10 ラベル型抜装置
12 アイマーク
15 ロータリシリンダ
17 アンビルロール
23 ロータリ刃部
25 第1型抜刃(型抜刃)
26 第2型抜刃(型抜刃)
27 第3型抜刃(型抜刃)
28 第4型抜刃(型抜刃)
30 第1指標マーク(指標マーク)
31 第2指標マーク(指標マーク)
32 第3指標マーク(指標マーク)
33 第4指標マーク(指標マーク)
40 主制御部
R ラベル部材
S ラベル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17