【実施例1】
【0029】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、ユーザが所有する携帯電話端末、スマートフォン及びタブレット等の各種携帯端末装置(以下、単に「携帯端末」と言う)を用いる場合を示すこととする。
【0030】
図1は、本実施例1に係る忘れ物確認システムの概念を説明するための説明図である。同図に示すように、携帯端末100は、チェックリスト用のアプリケーションを起動することにより、忘れ物のチェック項目及びチェック用入力枠からなるチェックリストを表示部103上に表示することができる。ここでは、初期状態として、「財布」、「鍵」、「傘」、「窓施錠」及び「花粉マスク」をチェック項目とするチェックリスト103aが表示部103に表示された状況を示している。
【0031】
かかる状況において、この携帯端末100は、図示しない基地局、携帯電話網、無線通信網及び公衆回線網等を介して気象データサーバ250にアクセスし、気象状況並びに花粉状況等に関する情報(以下、「気象情報」と総称する)を取得する。ここでは、携帯端末100が気象データサーバ250から「降水確率15%」及び「花粉注意報無し」との気象情報を取得した場合を示している。
【0032】
この気象情報を取得した携帯端末100は、取得した気象情報に応答して、表示部103に表示したチェックリスト103aを修正し、修正後のチェックリスト103bを表示部103に表示する。ここでは、「財布」、「鍵」、「窓施錠」、「折り畳み傘」及び「診察券」をチェック項目としたチェックリスト103bを表示した状況を示している。
【0033】
ここで、このチェックリスト103bには、チェックリスト103aに存在したチェック項目「傘」が削除されるとともに、チェック項目「折り畳み傘」が追加されている。降水確率が「15%」と低く、ユーザが「傘」に代えて「折り畳み傘」を所持すれば足りるからである。
【0034】
同様に、このチェックリスト103bには、チェックリスト103aに存在したチェック項目「花粉マスク」が削除されている。花粉注意報が発令されておらず、「花粉マスク」を所持する必要がないためである。また、このチェックリスト103bには、「診察券」が追加されている。毎週木曜日にユーザが定期的に通院する必要があり、かつ、当日が診察日である場合を考慮したものである。
【0035】
このように、本実施例1に係る忘れ物確認システムでは、チェックリスト内のチェック項目を固定的に取り扱うのではなく、外部要因や曜日等の情報に基づいてチェック項目を更新し、ユーザにカスタマイズされたチェック項目とするよう構成している。なお、チェック項目の追加又は削除の具体的な処理についての説明は後述する。
【0036】
次に、本実施例1に係る携帯端末100の構成について説明する。
図2は、本実施例1に係る携帯端末100の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、携帯端末100は、アンテナ101、無線通信部102、表示部103、操作部104、GPS(Global Positioning System)ユニット105、音声入出力部106、記憶部107及び制御部108を有する。
【0037】
無線通信部102は、アンテナ101を介して図示しない基地局との間で無線通信を行う処理部であり、この基地局を介して気象データサーバ250等の情報サーバから外部情報を取得して制御部に出力する。また、図示省略したが無線LAN(Local Area Network)等を介して情報サーバと通信を行うことも可能である。
【0038】
表示部103は、制御部108からの表示データを表示するとともに、タップされた入力信号を、操作部104を介して制御部108に出力するタッチ式の液晶ディスプレイである。
【0039】
操作部104は、携帯端末筐体に設けられた複数の操作ボタン及びタッチパネル式の表示部103からの入力信号を受け付け、制御部108へ出力する。GPSユニット105は、GPS衛星からの信号を受信して携帯端末100の位置を検出し、制御部108へ出力する。音声入出力部106は、ユーザの音声並びに周囲の音声を入力し、これをA/D変換して制御部108に出力する。
【0040】
記憶部107は、不揮発性メモリ等により形成される記憶媒体であり、チェック項目候補データ107a、チェック項目修正ルールデータ107b、チェックリストデータ107c及びチェック状態データ107dを記憶する。
【0041】
チェック項目候補データ107aは、ユーザがチェックリストのチェック項目として選択する際の候補となる複数のチェック項目を有するデータである。このチェック項目候補データ107aには、デフォルトデータとしてあらかじめ決められたチェック項目と、ユーザ設定データとしてユーザが自身で設定したチェック項目が含まれる。なお、チェック項目候補データ107aは、チェック項目ごとに外部情報との関連を記憶する。
【0042】
チェック項目修正ルールデータ107bは、外部情報に応じてチェックリストデータ107c内のチェック項目を追加又は削除するためのルールを記憶するデータである。
【0043】
チェックリストデータ107cは、チェックリスト内の複数のチェック項目からなるデータである。このチェックリストデータ107cは、外部情報に応じて自動的に追加又は削除される。チェック状態データ107dは、チェックリスト内のチェック項目がユーザによってチェックされたか否かのログ情報からなるデータである。
【0044】
制御部108は、携帯端末100を全体制御する制御部であり、ユーザ設定データ登録処理部108a、チェックリストデータ生成部108b、チェックリストデータ修正処理部108c、チェック状態管理部108d、報知処理部108e及びタイマ処理部108fを有する。
【0045】
ユーザ設定データ登録処理部108aは、チェック項目候補データ107aのデフォルトデータに存在しないチェック項目をユーザ設定データとして登録する処理部である。新たなチェック項目を登録する場合には、登録するチェック項目と該チェック項目を修正する際の条件及び修正内容とを登録する。
【0046】
チェックリストデータ生成部108bは、ユーザが利用するチェックリストを生成する処理部である。新たなチェックリストを生成する場合には、チェック項目候補データ107a内に登録されたチェック項目からユーザが望むチェック項目を選択することで、該選択されたチェック項目が含まれるチェックリストデータ107cが生成される。例えば、携帯端末100の表示部103にチェック項目候補データ107a内に登録されたチェック項目を一覧表示しておき、このチェック項目のうちの選択されたチェック項目を含むチェックリストが生成されることになる。なお、かかるチェックリストデータ生成部108bは、ユーザの用途に応じて複数のチェックリストデータ107cを生成することができる。
【0047】
チェックリストデータ修正処理部108cは、外部情報に応答してチェックリストデータ107c内のチェック項目を追加又は削除することでチェックリストデータ107cを修正する処理部である。例えば、チェック項目の一つに「傘」が存在した場合であっても、降水確率が0%であればチェック項目「傘」をチェックリストデータ107cから削除する。一方、チェック項目に「診察券」が含まれていない場合であっても、当日が定期診断日である場合には、チェック項目「診察券」をチェックリストデータ107cに追加する。
【0048】
チェック状態管理部108dは、チェック状態データ107dを用いて、チェックリストデータ107cに含まれる各チェック項目がユーザに確認されたか否かの状態を管理する管理部である。具体的には、ユーザの外出予定時刻が到来した時点又はユーザが玄関付近で外出準備行動を行う状況を検知した時点で、チェックリストデータ107cに含まれる各チェック項目がユーザに確認されたか否かを判定し、その結果を報知処理部108eに通知する処理を行うとともに、チェック状態データとして記録する。
【0049】
報知処理部108eは、チェック状態管理部108dからチェックリストデータ107cに含まれるチェック項目のうちユーザに確認されないチェック項目が存在する旨の通知を受け付けた際に、その旨のアラームを報知する処理部である。
【0050】
タイマ処理部108fは、計時処理を行うタイマであり、現在時刻をチェックリストデータ修正処理部108c及びチェック状態管理部108dに対して通知する処理を行う。
【0051】
上記構成を有する携帯端末100を用いることにより、画一的なチェックリストではなく、外部情報に応じてチェック項目を動的に変動させたチェックリストを表示部103に表示し、もってユーザの忘れ物を効率良く防止することが可能となる。
【0052】
次に、
図3〜
図6を用いて、
図2に示したチェック項目候補データ107a、チェック項目修正ルールデータ107b、チェックリストデータ107c及びチェック状態データ107dについてさらに詳細に説明する。
【0053】
図3は、
図2に示したチェック項目候補データ107aの一例を示す図である。同図に示すように、このチェック項目候補データ107aには、デフォルトデータとして持ち物と行動がそれぞれ設定されている。ここでは、持ち物のチェック項目の一例として、「財布」、「鍵」及び「傘」が含まれる場合を示し、行動のチェック項目の一例として、「玄関施錠」、「窓施錠」及び「消灯」が含まれる場合を示している。
【0054】
また、このチェック項目候補データ107aには、デフォルトデータ以外にユーザが望むチェック項目をユーザ設定データとして登録することができる。ここでは、「折り畳み傘」、「診察券」及び「花粉マスク」のチェック項目をユーザ設定データとして登録した場合を示している。
【0055】
さらに、このチェック項目候補データ107aでは、チェック項目ごとに外部情報との関連に関するデータを含んでいる。かかるデータを含めた理由は、携帯端末100が外部情報を取得した場合に、該外部情報と関連するチェック項目を特定するためである。ここでは、チェック項目「傘」、「折り畳み傘」及び「花粉マスク」が気象データと関連し、チェック項目「診察券」が曜日データと関連する状況を示している。
【0056】
図4は、
図2に示したチェック項目修正ルールデータ107bの一例を示す図である。同図に示すように、このチェック項目修正ルールデータ107bでは、チェック項目ごとに条件(チェック項目の修正を適用するための条件)及び修正内容を対応付けられている。
【0057】
例えば、チェック項目「傘」には、「降水確率30%以上」という条件と「追加」という修正内容が対応付けられているため、外部情報として取得した気象情報に「降水確率40%」が含まれているならば、チェックリストデータ107cのチェック項目に「傘」が存在しない場合でも、このチェック項目「傘」をチェックリストデータ107cに追加する。また、チェック項目「傘」には、「降水確率30%未満」という条件と「削除」という修正内容が対応付けられているため、外部情報として取得した気象情報に「降水確率15%」が含まれているならば、チェックリストデータ107cのチェック項目に「傘」が存在する場合に、このチェック項目「傘」をチェックリストデータ107cから削除する。
【0058】
図5は、
図2に示したチェックリストデータ107cの一例を示す図である。同図(a)に示すように、当初のチェック項目が「財布」、「鍵」、「傘」、「窓施錠」及び「花粉マスク」である場合に、外部情報として気象データ(降水確率15%、花粉注意報なし)及び曜日データ(木曜日)を取得したならば、かかる外部情報に応答してチェックリストデータ107c内のチェック項目が修正される。
【0059】
具体的には、
図5(b)に示すように、チェックリストデータ107cからチェック項目「傘」とチェック項目「花粉マスク」が削除される。「降水確率15%」という気象データとチェック項目修正ルールデータ107b内の「降水確率30%未満」という条件から、チェックリストデータ107cからチェック項目「傘」が削除されるべきと判定されるためである。また、「花粉注意報なし」という気象データとチェック項目修正ルールデータ107b内の「花粉注意報なし」という条件から、チェックリストデータ107cからチェック項目「花粉マスク」が削除されるべきと判定されるためである。
【0060】
さらに、
図5(b)に示すように、チェックリストデータ107cにチェック項目「折り畳み傘」とチェック項目「診察券」が追加される。「降水確率15%」という気象データとチェック項目修正ルールデータ107b内の「降水確率10%以上30%未満」という条件から、チェックリストデータ107cにチェック項目「折り畳み傘」を追加すべきと判定されるためである。また、「木曜日」という曜日データとチェック項目修正ルールデータ107b内の「木曜日」という条件から、チェックリストデータ107cにチェック項目「診察券」を追加すべきと判定されるためである。
【0061】
図6は、
図2に示したチェック状態データ107dの一例を示す図である。同図に示すように、チェック状態データ107dは、チェックリストデータ107cを一意に識別するチェックリスト、チェック日時、チェック項目及びチェック状態を対応付けたデータである。
【0062】
かかるチェック状態データ107dは一種のログデータであり、このチェック状態データ107dを参照することで、未チェックであったチェック項目を把握することができる。
【0063】
次に、
図2に示したユーザ設定データ登録処理部108aによるユーザ設定データの登録処理手順について説明する。
図7は、
図2に示したユーザ設定データ登録処理部108aによるユーザ設定データの登録処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
同図に示すように、所定の操作が行われると、ユーザ設定データ登録処理部108aがユーザ設定データ登録メニューを表示部103に表示する(ステップS101)。
図8は、ユーザ設定データ登録メニューの一例を示す図である。同図に示すように、ユーザは、新たに登録するチェック項目の文字列「折り畳み傘」を入力するとともに、このチェック項目に対応する条件を条件設定する。具体的には、事前登録された条件(例えば、「降水確率」)をプルダウンメニューにより選択し、入力枠内に条件の細部となる数値を入力する。なお、ここでは、チェックリストデータ107cに追加する際の条件のみを入力する場合を示している。
【0065】
このようにして、ユーザがユーザ設定データを入力して完了ボタンを押下操作したならば(ステップS102;Yes)、チェック項目候補データ107aにチェック項目を追加し(ステップS103)、チェック項目修正ルールデータ107bにチェック項目、条件及び修正内容を追加する(ステップS104)。
【0066】
そして、新たなユーザ設定データを継続して入力する場合には(ステップS105;No)、ステップS101に移行して同様の処理を繰り返し、処理終了が選択されたならば(ステップS105;Yes)、上記一連の処理を終了する。
【0067】
次に、
図2に示した携帯端末100によるチェックリスト使用時の処理手順について説明する。
図9は、
図2に示した携帯端末100によるチェックリスト使用時の処理手順を示すフローチャートである。
【0068】
同図に示すように、ユーザが所望のチェックリストを選択して所定の起動操作がなされると、選択されたチェックリストに対応するチェックリストデータ107cが表示部103に表示制御される(ステップS201)。ここで、タイマ処理部108fにより通知された時刻から所定の時間が経過したと判定されたならば(ステップS202;Yes)、後述するチェックリストデータ107cの修正処理が行われ(ステップS203)、表示部103の表示内容が更新される(ステップS204)。一方、所定の時間が経過しないと判定されたならば(ステップS202;No)、そのままステップS205に移行する。
【0069】
その後、表示部103を介してタップ操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS205)、タップ操作を受け付けたならば(ステップS205;Yes)、該当するチェック項目のチェック結果を更新し(ステップS206)、表示部103の表示内容を更新する(ステップS207)。具体的には、チェックリストデータ107cの該当するチェック項目に対応するチェック結果の領域にチェック済みのフラグを立てることになる。
【0070】
その後、ユーザの外出を検知するまでの間は(ステップS208;No)、上記ステップS202に移行して同様の処理を繰り返し、ユーザの外出を検知したならば(ステップS208;Yes)、チェックリストデータ107cの全てのチェック項目に対応するチェック結果の領域にチェック済みのフラグが立てられているか否かを判定し(ステップS209)、チェック済みのフラグが立てられていないチェック項目が存在する場合には(ステップS209;Yes)、該当するチェック項目が未チェックである旨を報知する(ステップS210)。かかる報知は、警告音の出力若しくは表示部103への表示により行う。
【0071】
その後、チェックリストデータ107cの各チェック項目に対応するチェック漏れの累積回数を加算(ステップS211)し、このチェック結果を利用してチェック状態データを生成し(ステップS212)、上記一連の処理を終了する。
【0072】
次に、
図9のステップS203に示したチェックリストデータ107cの修正処理について説明する。
図10は、
図9のステップS203に示したチェックリストデータ107cの修正処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、携帯端末100は、あらかじめ登録された情報サーバ(
図1に示した気象データサーバ250等)にアクセスして外部情報(気象データ等)を取得する(ステップS301)。
【0073】
その後、この外部情報と関連するチェック項目が存在するか否かを確認する(ステップS302)。具体的には、チェック項目候補データ107aの「外部情報との関連」の欄を参照して該当するチェック項目が存在するか否かを判定する。
【0074】
その結果、外部情報と関連するチェック項目が複数存在する場合には(ステップS302;Yes)、そのうちの一つのチェック項目を選択し(ステップS303)、チェック項目修正ルールデータ107bの条件に応じてチェックリストデータ107cに追加又は削除する(ステップS304)。
【0075】
そして、外部情報と関連する未処理のチェック項目が存在する場合には(ステップS305;Yes)、ステップS303に移行して同様の処理を繰り返し、外部情報に関連する未処理のチェック項目がなくなったならば(ステップS305;No)、処理を終了する。
【0076】
次に、
図2に示した携帯端末100の各機能部をプログラムにより実現する場合について説明する。
図11は、
図2に示した携帯端末100の各機能部をプログラムにより実現する場合の説明図である。同図に示すように、
図2に示した携帯端末100は、CPU111(メインメモリを含む)、GPSユニット112、音声入出力ユニット113、無線通信ユニット114、操作受付ユニット115、ディスプレイユニット116、フラッシュメモリ117をバス119で接続した構成となる。
【0077】
ここで、このフラッシュメモリ117にチェックリストプログラム130を記憶しておき、CPU111は、このチェックリストプログラム130をフラッシュメモリ117から読み出して図示しないメインメモリに展開し、チェックリストプログラム130が有するプロセスを実行する。
【0078】
具体的には、かかるチェックリストプログラム130により、ユーザ設定データ登録プロセス121、チェックリストデータ生成プロセス122、チェックリストデータ修正プロセス123、チェック状態管理プロセス124、報知処理プロセス125及びタイマ処理プロセス126が生成される。
【0079】
このユーザ設定データ登録プロセス121が
図2に示すユーザ設定データ登録処理部108aに対応し、チェックリストデータ生成プロセス122が
図2に示すチェックリストデータ生成部108bに対応し、チェックリストデータ修正プロセス123が
図2に示すチェックリストデータ修正処理部108cに対応し、チェック状態管理プロセス124が
図2に示すチェック状態管理部108dに対応し、報知処理プロセス125が
図2に示す報知処理部108eに対応し、タイマ処理プロセス126が
図2に示すタイマ処理部108fに対応する。
【0080】
上述してきたように、本実施例1では、携帯端末100の表示部103にチェックリスト103aを表示しておき、気象データサーバ250等の外部サーバから外部情報を取得した場合に、この外部情報に応答してチェック項目を追加又は削除した修正後のチェックリスト103bを表示部103に表示するよう構成したので、ユーザに適合したチェックリストを提供し、もって忘れ物を効率良く防止することが可能となる。
【0081】
なお、本実施例1では、気象データサーバ250から気象データを取得する場合を例示しつつ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の外部サーバから外部情報を取得する場合に適用することもできる。例えば、
図12に示すように、情報サイト260から「医療機関の臨時休診」に関する外部情報を取得することもできる。かかる場合に、チェック項目「診察券」がチェックリストに存在する場合であっても、この「医療機関の臨時休診」に関する情報に応答してチェック項目「診察券」をチェックリストから外すことが可能となる。
【実施例2】
【0082】
ところで、上記実施例1では、ユーザにより選択された順序でチェックリスト内の各チェック項目を整列させる場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、過去にユーザがチェックをし忘れた実績に応じてチェックリスト内の各チェック項目を整列させることもできる。表示部103の上部にあるチェック項目ほどチェック忘れの可能性が低くなるためである。
【0083】
そこで、本実施例2では、「チェック漏れの累積回数」に基づいてチェック項目の並び順を変更する場合を示すこととする。なお、上記実施例1と共通する箇所についての重複した説明は省略することとする。
【0084】
図13は、過去の「チェック漏れ回数」に応じてチェック項目を変更する場合を説明するための説明図である。
図13のチェックリスト103aでは、「財布」、「鍵」、「傘」、「窓施錠」及び「花粉マスク」を表示している。この状態から、気象データや曜日データに基づいてチェック項目の追加及び削除を行なう場合に、実施例2では、「チェック漏れ回数」の順にソートして表示を行なう。
【0085】
図13のチェックリスト103bは、気象データに基づいて「花粉マスク」及び「傘」を削除して「折り畳み傘」を追加し、曜日データに基づいて「診察券」を追加している。このチェックリスト103bでは、「チェック漏れ回数」の順にソートした結果、「財布」、「鍵」、「診察券」、「窓施錠」、「折り畳み傘」の順に表示されている。
【0086】
チェックリスト103aが示すように、「傘」のチェック漏れ回数は、「窓施錠」よりも多い、すなわち、「窓施錠」よりも「傘」の方を忘れることが多いため、「傘」と「窓施錠」とを表示するときは、「傘」を先に表示する。
【0087】
一方、チェックリスト103bが示すように、「折り畳み傘」のチェック漏れ回数は、「窓施錠」よりも少ない、すなわち、「窓施錠」よりも「折り畳み傘」の方を忘れることが少ないため、「折り畳み傘」と「窓施錠」とを表示するときは、「折り畳み傘」を先に表示する。
【0088】
次に、本実施例2に係る携帯端末200の構成について説明する。
図14は、本実施例2に係る携帯端末200の構成を示す機能ブロック図である。実施例1と共通する部分は同一の符号を付すものとし、説明は省略する。
【0089】
チェックリストデータ修正処理部301は、過去のチェックリスト実績に応じてチェックリストデータ107c内のチェック項目をソートする処理部である。チェック漏れ回数が多いチェック項目についてはチェックリストの上位に表示する。
【0090】
チェック状態管理部302は、チェック状態データ107dを用いて、チェックリストデータ107cに含まれる各チェック項目が過去に何回チェック漏れがあったかを管理する処理部である。そのチェック漏れ回数はチェック項目候補データ303として記憶されることになる。また、チェック漏れ回数を累積しそのデータをチェックリストデータ修正処理部301に渡す。
【0091】
図15は、チェック項目候補データの一例を示す図である。同図に示すように、チェック項目はそれぞれチェック項目のチェック漏れ累積回数が記録される。同図の場合には、チェック項目「傘」、「財布」の順にチェック漏れが多いことが示されている。また、
図3と同様に、チェック項目とチェック漏れ回数と外部情報との関連が
図13のように表示されることになる。
【0092】
図16はチェック漏れ回数に基づく優先順位の変更手順を示すフローチャートである。同図は、
図9のチェックリストデータの修正処理に当たる処理を示したものである。
図16に示すように、外部情報によるチェックリスト項目追加の最終段階(ステップS406)で、チェック漏れ回数によるチェック項目のソート処理をしていることとしている。
【0093】
なお、ここではチェック漏れ回数に応じてチェック項目をソートすることとしているが、文字の大きさや色でチェック項目の優先を示すことも可能である。
【0094】
上述してきたように、本実施例2では、チェック漏れの累積回数に基づいてチェック項目の並び順等を変更するよう構成したので、過去にユーザがチェックをし忘れた実績に応じてチェックリストの表示を変更し、もって忘れ物を効率良く防止することが可能となる。
【実施例3】
【0095】
上記実施例1及び2では外部の情報サイト等から外部情報を取得し、連携する場合を示したが、本実施例3では、具体的に宅内に警備システムを導入している場合に、携帯端末300と警備システムがどのように連携するかを説明する。
【0096】
図17は、本実施例3に係る警備システムとの連携の概念を説明するための説明図である。実施例1および2と同様に、携帯端末300は、チェックリスト用のアプリケーションを起動することにより、忘れ物のチェック項目及びチェック用入力枠からなるチェックリストを表示部103に表示する。ここでは、初期状態として
図1と同様のチェック項目とするチェックリスト103aが表示部103に表示された状況を示している。
【0097】
図17では、警備システム500を起動させるチェック項目「警備セット」が追加されたことを示している。これに伴いチェック項目「窓施錠」が非表示となり、チェック項目「警備セット鍵」が新たに追加されている。チェック項目「窓施錠」が非表示となるのは、警備システム500がセットされたことで窓の施錠が警備システム500によってチェックされ、ユーザによる確認が不要となるためである。また、「警備セット鍵」は、警備システム500のオン・オフを切り替えるための鍵である。警備システム500をセットして外出する場合には、帰宅時に警備セット鍵を用いて警備システム500のオフ操作を行う必要があるため、「警備セット鍵」が持ち物として追加されている。なお、警備セット鍵は、非接触ICカードや、ICタグ、磁気カード等である。
【0098】
図18は、本実施例3に係る携帯端末300が警備システムと連携した場合の概念を示した図である。宅内の警備システム500は、ガスセンサ510、ドアの施錠センサ511、侵入者を監視する監視カメラ513、これらのセンサ類からの情報を監視し、監視情報を警備会社(警備センタ)400へ伝送するコントローラユニット512が設置されているものとする。
【0099】
携帯端末300、警備システム500及び警備センタ400は、前記の通信網を介して相互接続される。警備システム500は窓及び玄関の施錠状態を監視する施錠センサ511、玄関の監視カメラ513、監視カメラ513の監視状態を検知して警備センタ400に監視情報を送るコントローラユニット512からなる。警備センタ400は、コントローラユニット512から送信される監視データに基づき警備システム500の警備状況を把握する。
【0100】
次に、本実施例3に係る携帯端末300の構成について説明する。
図19は、本実施例3に係る携帯端末300の構成を示す機能ブロック図である。実施例1および2と共通する部分は同一の符号を付すものとし、説明は省略する。
【0101】
チェックリストデータ修正処理部401は、チェックリストにチェック項目「警備セット」が追加されることに伴い、チェックリストデータ107cのように関連するチェック項目の追加・削除を行う処理部である。
【0102】
チェック状態管理部402は、チェック項目「警備セット」のチェック状態を管理し、チェックされていない場合には、ユーザに対してチェックを促し、チェックされた場合には、警備システム500に対して「警備セット」の指示を出す処理部である。
【0103】
チェック項目修正ルールデータ404は、警備システム500をセットする場合において各チェック項目の関連を示すデータである。表示部103には、チェック項目「警備セット」が選択された場合のチェックリストが表示される。
【0104】
ここで、
図17に示すように、チェックリスト103cには、チェックリスト103aに存在していたチェック項目「窓施錠」が削除されるとともに、チェック項目「警備セット鍵」が追加されている。チェック項目「窓施錠」が削除されているのは、チェック項目「警備セット」をチェックすれば警備システム500がセットされ、警備システム500がチェック項目「窓施錠」をチェックすることになるからである。
【0105】
また、チェック項目「警備セット鍵」が追加されている。これは、警備システム500をセットして外出した場合、ユーザが、帰宅時に警備セット鍵を用いて警備システム500のオフ操作を行う必要があるため、持ち物として追加されている。
【0106】
このように、本実施例3に係る忘れ物確認システムでは、警備システム500をセットすることに伴い、チェック項目を更新し、ユーザにカスタマイズされたチェック項目とするように構成している。なお、チェック項目「警備セット」のチェックボックスをタッピングして警備セットを選択すれば、すべてのチェックが完了した時点において自動で警備セットがなされる。
【0107】
図20は、本実施例3に係るデフォルト設定にチェック項目「警備セット」が追加された場合のチェック項目候補データを示す図である。
図3と同様に、チェック項目候補データ403は、チェック項目ごと警備システム500との関連を記憶したものである。
【0108】
図21は、チェック項目「警備セット」の有り無しに応じてチェックリストデータ107c内のチェック項目を追加又は削除するためのルールを記憶したデータである。ここではチェック項目「警備セット」がチェックリストに追加されるかどうかで、チェック項目「窓施錠」及び「玄関施錠」が表示、非表示になることを示している。また、警備セットがチェックリストに追加された場合には、持ち物として「警備セット鍵」が追加され、警備セットがチェックリストから削除された場合には、「警備セット鍵」を削除することを示している。
【0109】
上記実施例1〜3では、外出前にチェックを行うのは、ユーザの外出予定時刻が到来した時点又はユーザが玄関付近で外出準備行動を行う状況を検知した時点としたが、警備システムの「警備を開始します」、あるいは「行ってきます」等の音声を検知して外出準備行動と判定してもよい。また、携帯端末に内蔵されている加速度センサを利用して靴を履く動作を検知して外出準備行動と判定してもよい。
【0110】
また、チェックリストプログラムとして実施する場合について、実施例1で詳細に説明し、実施例2及び3については説明を省略したが、実施例2及び3についても実施例1と同様に、チェックリストプログラムとして実施可能である。