特許第6043647号(P6043647)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043647
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/04 20060101AFI20161206BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20161206BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   A47F3/04 D
   F25D11/00 101C
   F25D17/08 318B
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-29424(P2013-29424)
(22)【出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2014-155672(P2014-155672A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2016年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】上野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義康
【審査官】 横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−243744(JP,A)
【文献】 特開2003−322453(JP,A)
【文献】 実開昭54−072763(JP,U)
【文献】 実開昭48−039897(JP,U)
【文献】 実開昭50−058695(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/04
F25D 11/00
F25D 17/06
F25D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体(12)に画成された内部空間に配設され、該内部空間を冷却室(20)と物品が収納される収納室(18)とに上下に区分する冷却ダクト(24)と、下方に延在する前記冷却ダクト(24)の底壁部(58)と間をあけて、前記冷却室(20)に配設された冷却器(22)と、前記冷却室(20)に収容された設置部材(28)に配設され、前記冷却ダクト(24)に設けられた流入口(25)から該流入口(25)との間に前記冷却器(22)を挟んで設けられた流出口(26)に向けて空気を送り、収納室(18)と冷却室(20)との間で空気を循環させる冷却ファン(FM)とを備えた貯蔵庫において、
前記設置部材(28)は、前記冷却器(22)の空気流通方向前側に空気流通路を画成するように配設されて、前記冷却ダクト(24)の底壁部(58)から離間すると共に該底壁部(58)に沿って冷却器(22)側に向けて延在する底板部(50)で、前記流入口(25)に合うように前記冷却ファン(FM)を支持し、
前記冷却ダクト(24)は、前記流入口(25)の全周を囲って前記冷却室(20)側に突出するように形成され、前記冷却ファン(FM)を囲んで前記設置部材(28)の底板部(50)に当接する案内壁部(65)を備えた
ことを特徴とする貯蔵庫。
【請求項2】
前記冷却ダクト(24)には、前記案内壁部(65)に隣接して、前記冷却室(20)側に立ち上がったボス部(66)が設けられ、
前記ボス部(66)は、前記案内壁部(65)が前記底板部(50)に当接した際に該ボス部(66)の上端と該底板部(50)との間に隙間ができる高さで設定され、
前記流入口(25)を前記収納室(18)側から覆うカバー(36)を、前記ボス部(66)を介して前記隙間を縮めるように前記底板部(50)にネジ止めした請求項1記載の貯蔵庫。
【請求項3】
前記冷却器(22)を加熱することで該冷却器(22)に付着した霜を除去する除霜運転は、前記冷却室(20)に配設された温度検知手段(TH)で検知した温度によって除霜完了を判定し、
前記設置部材(28)は、前記底板部(50)が前記冷却器(22)の空気流通方向前面を越えて該冷却器(22)の下側に延在するよう形成され、該底板部(50)における冷却器(22)の下側に延在する部位の温度を、前記温度検知手段(TH)で検知し得るよう構成された請求項1または2記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品を冷蔵または冷凍保存する貯蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食料品店やコンビニエンスストア等の店舗では、食品や飲料品等の物品を冷蔵または冷凍保存するショーケースなどの貯蔵庫が用いられている(例えば、特許文献1参照)。貯蔵庫には、断熱箱体の内部に、物品の収納室が画成され、断熱箱体の下側に圧縮器や凝縮器等から構成される冷凍機が設置される機械室が設けられる。また、貯蔵庫には、断熱箱体の内部上側に、冷凍機を構成する冷却器が配設される冷却室が冷却ダクトによって画成される。収納室と冷却室とは、冷却室の前側に形成された吸込口および冷却室の後側に形成された吹出口を介して連通し、吸込口に対応して冷却室に配設された冷却ファンによって、吸込口を介して収納室内の空気が冷却室に取り込まれる。そして、冷却器で冷却された冷却室の空気が、吹出口を介して冷却室から収納室に送り出され、収納室と冷却室との間で空気が循環することで、収納室内が低温に保たれるようになっている。
【0003】
特許文献1に開示の冷蔵庫では、冷却ファンがファン支持板に支持されて、冷却ダクトの吸込口に相対した状態で、冷却室において冷却器の前側に収容されている。ファン支持板と冷却ダクトとの間は、冷却ファンの羽根を収容するスペースがあいており、ファン支持板の後縁に連なってドレンパンが冷却器の下側に延在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−114076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の冷蔵庫は、冷却ファンの作動により吸込口から吸い込まれた空気の一部が、ファン支持部と冷却ダクトとの隙間からドレンパンと冷却ダクトとの隙間に逃げてしまい、冷却器に接触しない空気の流れが発生してしまう問題がある。これにより、空気の冷却効率が悪化してしまう。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る貯蔵庫に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、冷却室において冷却器で空気を効率よく冷却し得る貯蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の貯蔵庫は、
箱体に画成された内部空間に配設され、該内部空間を冷却室と物品が収納される収納室とに上下に区分する冷却ダクトと、下方に延在する前記冷却ダクトの底壁部と間をあけて、前記冷却室に配設された冷却器と、前記冷却室に収容された設置部材に配設され、前記冷却ダクトに設けられた流入口から該流入口との間に前記冷却器を挟んで設けられた流出口に向けて空気を送り、収納室と冷却室との間で空気を循環させる冷却ファンとを備えた貯蔵庫において、
前記設置部材は、前記冷却器の空気流通方向前側に空気流通路を画成するように配設されて、前記冷却ダクトの底壁部から離間すると共に該底壁部に沿って冷却器側に向けて延在する底板部で、前記流入口に合うように前記冷却ファンを支持し、
前記冷却ダクトは、前記流入口の全周を囲って前記冷却室側に突出するように形成され、前記冷却ファンを囲んで前記設置部材の底板部に当接する案内壁部を備えたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、流入口から取り込んだ空気を、案内壁部によって設置部材で画成する空気流通路に案内することができるので、冷却器による空気の冷却効率を向上させることができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記冷却ダクトには、前記案内壁部に隣接して、前記冷却室側に立ち上がったボス部が設けられ、
前記ボス部は、前記案内壁部が前記底板部に当接した際に該ボス部の上端と該底板部との間に隙間ができる高さで設定され、
前記流入口を前記収納室側から覆うカバーを、前記ボス部を介して前記隙間を縮めるように前記底板部にネジ止めしたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、カバーを取り付けるネジによって冷却ダクトの案内壁部と設置部材の底板部とを密着させることができ、流入口と設置部材との間で空気が逃げることを防止できる。また、冷却ファンの作動に伴って案内壁部を介して冷却ダクトが振動することを防止できる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記冷却器を加熱することで該冷却器に付着した霜を除去する除霜運転は、前記冷却室に配設された温度検知手段で検知した温度によって除霜完了を判定し、
前記設置部材は、前記底板部が前記冷却器の空気流通方向前面を越えて該冷却器の下側に延在するよう形成され、該底板部における冷却器の下側に延在する部位の温度を、前記温度検知手段で検知し得るよう構成されたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、除霜運転で流下する水を一時的に受ける設置部材の温度で除霜完了を判定しているので、精度よく除霜の完了を判定し得る。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る貯蔵庫によれば、冷却室において冷却器で空気を効率よく冷却し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の好適な実施例に係る貯蔵庫を示す正面図である。
図2】実施例の冷却室を後斜め上方から見た概略斜視図である。
図3図2のA−A線で破断した概略断面図であり、冷却ダクトを仮想線で示している。
図4図2のB−B線で破断した概略断面図である。
図5図2のC−C線で破断した概略断面図である。
図6】実施例の冷却ダクト、ファンダクト、冷却器および支持部材を取り付けた状態を前斜め上方から見た概略斜視図である。
図7】(a)は、実施例の冷却器および支持部材を取り付けた状態を前斜め上方から見た概略斜視図であり、(b)は、実施例の冷却器および支持部材を取り付けた状態を斜め下方から見た概略説明図である。
図8】(a)は、実施例のファンダクト、冷却器および支持部材を取り付けた状態を前斜め上方から見た概略斜視図であり、(b)は、実施例のファンダクト、冷却器および支持部材を取り付けた状態を斜め下方から見た概略説明図である。
図9図6のD−D線で破断した概略断面図である
図10図5のE−E線で破断した概略断面図である。
図11】実施例の支持部材を示す概略斜視図である。
図12】実施例のファンダクトを示す概略斜視図である。
図13】実施例の冷却ダクトを示す概略平面図である。
図14図13のF−F線で破断した概略断面図であり、排水ガイドの図示を省略している。
図15】実施例の冷却ダクトを示す概略斜視図であり、排水ガイドの図示を省略している。
図16】実施例のファンカバーを示す概略底面図である。
図17図5のE−E線に対応した位置で破断した変更例の排水部を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る貯蔵庫につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【実施例】
【0013】
図1に示すように、実施例に係る貯蔵庫10は、外板と内板の間にウレタンフォーム等の断熱材を充填して構成され、前方に開口した内部空間を備える矩形状の箱体12と、この箱体12の下側に設けられ、該箱体12を支える筐体13とを備える。貯蔵庫10は、箱体12の前面に開口した箱体開口部(開口部)12aの上部に取り付けられたフロントパネル14の下縁に設けられた上レール15と、箱体開口部12aの下縁に設けられた下レール16とによりスライド可能に支持された2枚の扉17,17によって、箱体開口部12aを開閉可能に構成される。そして、貯蔵庫10は、扉17を開放して、箱体開口部12aを介して内部空間に画成される収納室18に対して物品が出し入れされる。なお、実施例では、扉17としてガラス扉が用いられており、実施例の貯蔵庫10は、収納室18に収納された物品を外から視認できるショーケースとも呼ばれるものである。また、貯蔵庫10は、筐体13の内部に画成された機械室13aに、圧縮機や凝縮器などの冷凍機を構成する機器(何れも図示せず)が配設され、箱体12の内部空間に画成される冷却室20に配設される冷却器22との間に、冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍回路が構成されている。なお、機械室13aには、冷凍機の制御を担う電装箱(図示せず)なども配設される。
【0014】
図4および図5に示すように、箱体12は、内部空間におけるフロントパネル14の後側に配設された冷却ダクト24によって、該内部空間が冷却室20とこの冷却室20の下側の収納室18とに上下に区分される。冷却室20には、前記冷凍機を構成して、該冷凍機の通常運転により空気を冷却する冷却器22と、収納室18および冷却室20の間で空気を循環させる冷却ファンFMと、冷却室20の温度を検知する温度検知手段TH(図3参照)とが配設される。冷却器22には、機械室13aに設置された冷凍機の構成機器との間で、冷媒管23を介して冷媒が循環される。冷媒管23は、箱体開口部12aの左右方向中央部に上下に延在するように配設された棚柱21に収容されて(図5参照)、収納室18を通って機械室13aと冷却室20との間で取り回される。図4に示すように、冷却室20には、前側に収納室18から冷却室20に空気を取り込む流入口25が設けられると共に、この流入口25から該流入口25との間に冷却器22を挟んで後側に離間して、冷却室20から収納室18へ空気を送り出す流出口26が設けられる。冷却ファンFMは、冷却室20の内部に収容配置されたファンダクト(設置部材)28に支持され(図6および図8参照)、冷却室20の内側から流入口25に整合するように配置される(図4参照)。そして、貯蔵庫10は、冷却ファンFMの作動により流入口25を介して収納室18から取り込んだ空気を、前から後に向けて流通させて、冷却器22で冷却された空気を流出口26から収納室18へ送り出すことで、収納室18の温度を調節するようになっている。なお、実施例では、冷却ダクト24の底部前側に、流入口25が左右に並べて2箇所設けられ、各流入口25に対応して冷却ファンFMが設置されている。
【0015】
前記貯蔵庫10では、冷却器22を加熱することで該冷却器22に付着した霜を除去する除霜運転が適宜タイミングで行われ、除霜運転では温度検知手段THで検知した温度によって除霜の完了を判定している。実施例では、除霜運転において、圧縮機を停止して冷却器22による空気の冷却を止めると共に、冷却ファンFMを作動して収納室18の空気を冷却室22に循環させることで、冷却器22に付着した霜を融かすようになっている。ここで、冷却ダクト24は、冷却室20を画成する部材としてだけでなく、除霜運転において冷却器22等から流下する水(以下、除霜水という)を回収するドレンパンとしても兼用される。そして、貯蔵庫10は、冷却ダクト24で回収した除霜水を、該冷却ダクト24の後部に設けられた排水部30を介して、内部空間の後面を画成する後壁12bに設けられた排水路32に排出するようになっている(図5参照)。排水路32は、後壁12bを構成する外板と内板との間に配設された排水パイプからなり、後壁12bから収納室18に臨んで開口する排水口32aから後側に向かうにつれて下方傾斜するエルボ部32bに、上下方向に延在する直管部32cが連なっている。排水路32は、排水口32aがフロントパネル14の下縁に設けられた上レール15よりも上側に位置するように配置され(図5参照)、扉17のガラスを介して真正面から排水口32aが視認し難くなっている。なお、排水口32aは、内部空間の左右方向中央部に配置され、箱体開口部12aの左右方向中央部に延在する棚柱21の後側に位置している。
【0016】
図3に示すように、貯蔵庫10では、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24の夫々が、箱体12の上壁12cによって画成される内部空間の天井面34に対してネジ止めされて、箱体12に固定される。なお、貯蔵庫10では、箱体12の前側に設けられた箱体開口部12aを介して、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24の着脱が行われる。貯蔵庫10には、冷却器22を天井面34にネジ止め固定して該天井面34から吊り下げると共に、冷却ファンFMが設置されたファンダクト28を、冷却器22の前側(冷却室20での空気流通方向前側)に配置して天井面34にネジ止め固定することで、ファンダクト28によって冷却ファンFMの空気送出方向下流から冷却器22に至る空気流通路が画成される。そして、貯蔵庫10には、冷却器22およびファンダクト28を下側から覆うように、冷却ダクト24を天井面34にネジ止め固定することで、流入口25から流出口26に連通する冷却室20が画成される。流入口25は、冷却ダクト24の収納室18側に取り付けられた網目状のファンカバー(カバー)36によって覆われている。ここで、貯蔵庫10は、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24の夫々についてネジを止めたり外したりする際に、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24の夫々を、天井面34に取り付けられた支持部材38によって支持可能に構成されている(図2および図3参照)。実施例では、左右に離間配置された一対の支持部材38,38によって、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24が支持される。なお、実施例では、一対の支持部材38,38が、左右対称な形状であり、冷却器22,ファンダクト28および冷却ダクト24は、各支持部材38に対応して該支持部材38に支持される部分を有している。
【0017】
(支持部材)
図11に示すように、支持部材38は、水平に板面が延在する支持固定部39と、支持固定部39の後部に形成され、冷却器22を支持可能な保持受止部40と、支持固定部39の前部に形成され、ファンダクト28を支持可能な設置受止部41と、支持固定部39の外側部に形成され、冷却ダクト24を支持可能なダクト受止部42とを備える。実施例の支持部材38は、板金を折り曲げて、保持受止部40、設置受止部41およびダクト受止部42が支持固定部39と一体形成される。また、支持部材38には、支持固定部39の内側部に上方へ突出する差込片43が形成されている。支持部材38は、差込片43を天井面34に開設された差込孔(図示せず)に挿入して前後左右に位置決めしたもとで、支持固定部39を天井面34に突き合わせ、該支持固定部39に設けられたネジ通孔S1を介して、ネジを支持固定部39の下側から天井面34に設けられたネジ孔H1に締結して、天井面34に設置される(図3および図7参照)。
【0018】
図11に示すように、保持受止部40は、支持固定部39の後端縁から該支持固定部39の下側に折り曲げた板片によって構成され、前側および左右方向が開放した支持空間を形成している。また、保持受止部40は、支持固定部39と該支持固定部39の下側に延在する板片との間が、冷却器22の後述する保持部材46の保持固定部48の板厚よりも僅かに大きい程度に設定される。保持受止部40は、支持固定部39との間に、冷却器22において支持部材38に支持される保持掛止部としても機能する前記保持固定部48の後部を前側から挿脱可能になっており、後部が挿入された保持固定部48を天井面34に沿わせて支持するよう構成される(図3参照)。なお、保持受止部40は、前端部が後側から前端に向かうにつれて下方傾斜するよう形成され、保持固定部48を前側から挿入し易くなっている。
【0019】
図11に示すように、設置受止部41は、支持固定部39の前縁から前方へ延出する板片であり、支持固定部39の上面よりもファンダクト28の後述する設置掛止部54の板厚程度低くなるように、段状に折り曲げられている。設置受止部41は、支持固定部39を天井面34に取り付けた際に、天井面34に相対して延在し、該天井面34との間に前側および左右に開放した支持空間を形成する。設置受止部41は、該設置受止部41と天井面34との間に、ファンダクト28の設置掛止部54を前側から挿脱可能になっており、設置掛止部54をファンダクト28の上端部(後述する設置固定部)が天井面34に沿うように支持する構成とされる(図3参照)。ここで、設置受止部41は、前端部が後側から前端に向かうにつれて下方傾斜するよう形成され、ファンダクト28の設置掛止部54を前側から挿入し易くなっている。
【0020】
図11に示すように、ダクト受止部42は、支持固定部39の外側縁から下垂するように折り曲げ形成された側板片42aと、この側板片42aの下端から内側方へ延出するように折り曲げ形成された下板片42bとから鉤状に構成され、支持固定部39の外側縁に前後に離間して2箇所に設けられている。また、ダクト受止部42は、支持固定部39と該支持固定部39の下側に延在する下板片42bとの間が、冷却ダクト24の後述するダクト掛止部64の上下寸法よりも僅かに大きい程度に設定される。そして、ダクト受止部42は、前後および内側方に開放した支持空間を形成している。ダクト受止部42は、支持固定部39と下板片42bとの間に、冷却ダクト24のダクト掛止部64を前側から挿脱可能になっており、ダクト掛止部64を冷却ダクト24の上端部(後述するダクト固定部)が天井面34に沿うように支持する構成とされる(図3参照)。
【0021】
(冷却器)
図7に示すように、冷却器22は、熱伝導性に優れた金属パイプからなり、冷媒が流通する熱交換管44と、左右方向に直線部が延在するように蛇行状に折り曲げられた熱交換管44の各側部を保持する一対の保持部材46,46とから基本的に構成される。保持部材46は、板面が前後方向および上下方向に延在する保持板部47と、この保持板部47の上端から外側方へ延出するように折り曲がった保持固定部48とを備えた板状の部材である。冷却器22では、保持板部47を互いに対面させて左右方向に離間して配置された一対の保持部材46,46によって、両保持板部47に挿通した熱交換管44の直線部が互いに間をあけた状態で支持される。そして、冷却器22は、冷却室20での空気流通方向(前から後)と交差するように延在する熱交換管44の直線部に、冷却ファンFMにより冷却室20を流通する空気が接触するようになっている。なお、冷却器22は、保持板部47の外側で熱交換管44が湾曲している。
【0022】
前記冷却器22は、左右の保持部材46,46における保持固定部48,48の後部を対応する側の支持部材38の保持受止部40に前側から挿脱可能であり、保持固定部48における保持受止部40に支持される後部よりも前側にネジ通孔S2が設けられている。冷却器22は、保持固定部48の後部を保持受止部40に夫々挿入することで、左右の保持受止部40,40によって後方への移動が規制されてある程度位置決めされると共に、保持固定部48,48が天井面34に沿う水平な取り付け姿勢となるように支持される(図3参照)。冷却器22は、保持固定部48に上下に貫通形成されたネジ通孔S2およびこのネジ通孔S2に整合した支持部材38における支持固定部39のネジ通孔S2を介して、ネジを保持固定部48の下側から天井面34に設けられたネジ孔H2に締結して、天井面34から冷却室20に吊り下がった状態で箱体12に設置される(図7参照)。実施例では、天井面34へのネジ止め部分となる保持固定部48が、支持部材38に支持される保持掛止部を兼ねている。このように、冷却器22は、保持固定部48の後部を支持部材38の保持受止部40で支持した状態で、天井面34に対してネジを着脱可能に構成される。
【0023】
(ファンダクト)
図12に示すように、ファンダクト28は、底板部50と、この底板部50の前縁から立ち上がる前板部51と、底板部50の左右の側縁から夫々立ち上がる側板部52とから、上方および後方に開放した箱状に構成される。なお、実施例のファンダクト28は、金属製である。また、ファンダクト28は、前板部51の上端に前方へ延出するように折り曲げ形成された設置固定部53と、各側板部52の上端に外側方へ延出するように折り曲げ形成された設置掛止部54とを備え、設置固定部53に上下に貫通するネジ通孔S3が形成されている。なお、実施例の設置掛止部54には、前記設置受止部41に支持される後縁部よりも前側の部位に、上下に貫通するネジ通孔S3が形成され、設置固定部としても兼用される。すなわち、設置掛止部54は、前記設置受止部41の前後寸法よりも前後に長く形成される。底板部50は、前から後に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されたファン設置部50aと、このファン設置部50aの後縁に連ねて形成され、冷却器22における保持部材46の保持板部47底面に沿って、略水平に延在する案内部50bとを備える。ファン設置部50aには、左右に離間して一対の取付口55,55が開設され(図8および図9参照)、各取付口55に臨ませて冷却ファンFMが、該ファン設置部50aの上側から設置される。そして、ファンダクト28は、流入口25に合わせて冷却ファンFMを支持している。
【0024】
前記ファンダクト28は、左右の側板部52,52の間隔が、冷却器22における左右の保持板部47,47間よりも僅かに大きく(図8(b)参照)、設置固定部53と底板部50の案内部50bとの間隔が保持部材46の上下寸法よりも僅かに大きく形成される(図3参照)。また、ファンダクト28は、左右の側板部52,52の後縁部が保持板部47の外側面前縁部に重なると共に、案内部50bの少なくとも後縁部が保持板部47の底面前縁部に重なるように形成され、側板部52よりも案内部50bが後方へ延出している。なお、ファンダクト28では、設置掛止部54の後縁よりも案内部50bおよび側板部52が後方に延在している。そして、ファンダクト28は、冷却器22における左右の保持板部47,47を左右の側板部52,52間に挟むと共に、保持板部47の底面に沿って案内部50bが延在するよう配設され、冷却器22の前側に空気流通路を画成するよう構成される。なお、ファンダクト28の前部中央に設けられた凹部には、棚柱21および冷媒管23が収容される。
【0025】
前記ファンダクト28は、左右の設置掛止部54,54の後部を、対応する側の支持部材38の設置受止部41の上側に前側から挿脱可能になっている。ファンダクト28は、設置掛止部54を設置受止部41の上側に差し込んだ際に、支持部材38に支持されたもとで先に取り付けられた冷却器22の保持板部47の下側に、底板部50の案内部50bも差し込まれ、設置掛止部54と案内部50bによって保持部材46を上下に挟んでいる(図3参照)。また、ファンダクト28は、設置掛止部54を設置受止部41の上側に差し込んだ際に、冷却器22における左右の保持板部47,47を左右の側板部52,52によって挟んでいる(図8参照)。更に、ファンダクト28は、設置掛止部54を設置受止部41の上側に夫々挿入するのに伴い、設置固定部53および設置掛止部54が天井面34に沿う水平な取り付け姿勢となるように支持される。そして、ファンダクト28は、設置固定部53および設置掛止部54に形成されたネジ通孔S3を介して、ネジを下側から天井面34に設けられたネジ孔H3(図7(b)参照)に締結して、天井面34から冷却室20に吊り下がった状態で箱体12に設置される。ファンダクト28は、設置掛止部54を設置受止部41の上側に挿入することで、左右の設置受止部41によって後方への移動が規制されて前後方向にある程度位置決めされると共に、左右の保持板部47,47を左右の側板部52,52で挟むことで、左右の保持板部47,47によって左右方向の移動が規制されて左右方向にある程度位置決めされる。このように、ファンダクト28は、設置掛止部54を支持部材38の設置受止部41で支持した状態で、天井面34に対してネジを着脱可能に構成される。
【0026】
図4に示すように、前記ファンダクト28は、冷却器22の前部下側に左右に亘って延在する案内部50bで、除霜運転において冷却器22の前部から流下する除霜水を一時的に受け、この除霜水を案内部50bの後縁から冷却ダクト24に流下させるよう構成される。すなわち、貯蔵庫10は、冷却器22の少なくとも前部から冷却ダクト24に除霜水が直接流下しないように構成され、冷却器22の前部から流下する除霜水をファンダクト28の案内部50bで受けて、除霜水を該案内部50bから冷却ダクト24において排水部30に近い側に流下させるようになっている。なお、ファンダクト28の案内部50bは、温度検知手段THによって間接的に温度検知される部位となるので、熱伝導性のよい金属等で構成するのが望ましい。
【0027】
(冷却ダクト)
図13図15に示すように、冷却ダクト24は、底壁部58と、この底壁部58の前縁から立ち上がる前壁部59と、底壁部58の左右の側縁から夫々立ち上がる側壁部(壁部)60とから、上方および後方に開放した箱状に構成される。なお、実施例の冷却ダクト24は、合成樹脂の成形品が用いられる。冷却ダクト24は、左右の側壁部60,60が底壁部58の後縁よりも後方へ延出しており、底壁部58の後縁に側壁部60よりも低い後壁部61が立ち上げ形成されている。冷却ダクト24は、天井面34に取り付けた際に、後壁部61と天井面34および後壁12bとの間に隙間があくように構成されて、この隙間が前記流出口26となっている。底壁部58は、全体として前から後に向かうにつれて下方傾斜するように形成されており、前記流入口25が開設された開口形成部58aと、この開口形成部58aよりも傾斜角度がなだらかに形成されて、冷却器22の下側に延在する回収部58bとを備える。なお、開口形成部58aには、左右に離間して一対の流入口25,25が開設される。冷却ダクト24には、底壁部58の傾斜下端となる後縁左右方向中央に、排水部30が後方へ延出するように形成され、底壁部58の傾斜に案内された除霜水が排水部30を介して箱体12の排水路32に排出される。排水部30は、側壁部60の後縁よりも後方へ延出するように形成されて、この延出部分が後壁12bに開口する排水口32aを介して排水路32のエルボ部32bに挿入される(図5参照)。また、冷却ダクト24は、底壁部58の後縁(後壁部61)が各側壁部60に連なる外側縁から排水部30(左右方向中央)へ向かうにつれて後方へ偏倚するように延在している(図13参照)。
【0028】
前記冷却ダクト24には、前壁部59の上端に水平方向に延在するダクト固定部63が形成され、このダクト固定部63に上下に貫通するネジ通孔S4が形成される(図13参照)。ここで、ダクト固定部63は、前壁部59よりも後方に延在するように形成される。冷却ダクト24は、両側壁部60,60の上端部に、外側方へ突出するよう形成されたダクト掛止部64を備える。ダクト掛止部64は、両側壁部60,60の左右方向に対向する位置に、前後方向に離間して各側壁部60に2箇所設けられる。実施例のダクト掛止部64は、側壁部60の一部を外側方へ膨出するように成形した箱状部分であり、左右に対向配置された対をなすダクト掛止部64,64の外側面間の間隔が、左右に対向配置された対をなすダクト受止部42,42の側板片42a,42a間の間隔よりも僅かに小さくなるよう設定されている(図6参照)。また、ダクト掛止部64は、その上下寸法が、ダクト受止部42における支持固定部39と下板片42bとの間隔よりも僅かに小さくなるよう設定されている。更に、各ダクト掛止部64は、下側後縁が面取りされており、ダクト受止部42に前側から差し込み易くなっている。なお、冷却ダクト24の前部中央に設けられた凹部には、棚柱21および冷媒管23が収容される。
【0029】
前記冷却ダクト24は、左右のダクト掛止部64,64を、対応する側の支持部材38のダクト受止部42に夫々前側から挿脱可能になっている。冷却ダクト24は、ダクト掛止部64をダクト受止部42に夫々挿入することで、ダクト固定部63が天井面34に沿う水平な取り付け姿勢となるように支持される(図3参照)。また、冷却ダクト24は、左右のダクト受止部42,42の間に左右のダクト掛止部64,64が挟まれて、左右方向に移動規制されて左右方向にある程度位置決めされると共に、側壁部60の後縁が後壁12bに当たることで後方への移動が規制されて、ダクト受止部42によるダクト掛止部64の支持状態が保たれる。そして、冷却ダクト24は、ダクト固定部63に形成されたネジ通孔S4を介して、ネジを下側から天井面34に設けられたネジ孔H4(図7(b)および図8(b)参照)に締結して、両支持部材38,38、冷却器22およびファンダクト28を覆って天井面34から内部空間に吊り下がった状態で箱体12に設置される。このように、冷却ダクト24は、ダクト掛止部64を支持部材38のダクト受止部42で支持した状態で、天井面34に対してネジを着脱可能に構成される。冷却ダクト24は、前壁部59と側壁部60の後端との間の前後寸法が、箱体12の内部空間の前後寸法よりも小さく設定されて、冷却ダクト24と内部空間との間にできる前後の僅かな余裕空間Y(図4および図5参照)を利用して、側壁部60の後端よりも後方へ延出する排水部30を排水路32の排水口32aに差し込んでいる。ここで、冷却ダクト24は、該冷却ダクト24を前側の余裕空間Yにずらした状態で、各ダクト掛止部64が対応のダクト受止部42の前側に外れるように構成されており、フロントパネル14を箱体12に取り付けた後であっても、扉17,17を開放した箱体開口部12aを介して冷却ダクト24を着脱可能になっている。
【0030】
図4に示すように、前記冷却ダクト24は、底壁部58の開口形成部58aが、該開口形成部58aに沿うように形成されたファンダクト28の底板部50におけるファン設置部50aの下方に離間して延在するよう構成され、ファン設置部50aに支持された冷却ファンFMが流入口56の上側に整合している。また、冷却ダクト24は、回収部58bが冷却器22の底から離間しており、回収部58bが、冷却器22の左右全体に亘って延在すると共に冷却器22の前側から該冷却器22の後側までに亘って延在している。冷却ダクト24には、流入口25の全周を囲って冷却室20側に突出する案内壁部65が開口形成部58aの上面に形成され、この案内壁部65がファンダクト28の取付口55からファン設置部50aの下方に突き出た冷却ファンFMおよび取付口55を囲んでファン設置部50aの下面に当接するよう構成される。案内壁部65の上端は、ファンダクト28におけるファン設置部50aの下面に全周に亘って当接し、冷却室20には、開口形成部58aとファン設置部50aとの隙間に、ファンダクト28で画成される空気流通路に流入口25から繋がる流路が案内壁部65によって画成される。
【0031】
(ファンカバー)
図4に示すように、流入口25は、冷却ダクト24の開口形成部58aに下側から取り付けられたファンカバー36によって覆われている。図16に示すように、ファンカバー36は、環状の枠部67と、この枠部67の内側に形成され、空気の流通を許容する網状部68とを備えている。図9に示すように、ファンカバー36は、枠部67の内側部に鉤状に形成された一対の爪部69,69を、開口形成部58aにおける流入口25近傍に形成された係止孔62に夫々引っ掛け、枠部67の外側部に形成されたネジ通孔S5および開口形成部58aに形成されたボス部66を介して、ファン設置部50aに設けられたネジ孔S5(図8参照)にネジNを締結して取り付けられる。ボス部66には、ネジNを挿通可能な貫通孔が設けられる。ボス部66は、前記案内壁部65の外側方に隣接して、冷却室20側に立ち上がるように形成され、案内壁部65がファン設置部50a下面に当接した際に該ボス部66の上端とファン設置部50aとの間に隙間(締め込み隙間という)ができる寸法で設定されている(図9参照)。すなわち、案内壁部65は、開口形成部58aからの立ち上がり高さが、ファン設置部50aと開口形成部58aとの離間間隔と同一に設定されているのに対し、ボス部66は、開口形成部58aからの立ち上がり高さが、案内壁部65よりも低く、ファン設置部50aと開口形成部58aとの離間間隔より短く設定されている。ファンカバー36は、ネジ通孔S5およびボス部66を介して前記締め込み隙間を縮めるようにファン設置部50aのネジ孔H5にネジ止めされ、これにより案内壁部65の上端がファン設置部50aに対して密着される。
【0032】
(排水ガイド)
図4および図14に示すように、冷却ダクト24は、除霜水を受ける底壁部58の回収部58bが、排水部30が設けられた後縁(第1の端縁)に向けて前縁(排水部30が設けられた第1の端縁と対向する第2の端縁)から下方傾斜するよう形成される。回収部58bには、該回収部58bの傾斜による除霜水の誘導方向(前から後)と交差するように延在する排水ガイド70が設けられている(図13参照)。排水ガイド70は、回収部58bの外側縁(第1の端縁および第2の端縁と交差する第3の端縁)側から、後縁の左右方向中央部に設けられた排水部30側に向かうにつれて後縁側に寄るように形成されている。すなわち、前記誘導方向と交差する排水ガイド70は、排水部30から遠い位置から該排水部30に近づくにつれて回収部58bの傾斜下端側に偏倚するように形成される。排水ガイド70は、回収部58bから上方に突出するように一体形成され、該排水ガイド70は、その外側部が回収部58bの外側縁に立ち上がる側壁部60の内側に連なると共に、該排水ガイド70における排水部30側の内端部が後縁に立ち上がる後壁部61から離間するように配置される。また、排水ガイド70は、排水部30の導入口から前側へ延長した延長ラインを越えて延在せず、その内端部が導入口の前側または前側近傍に配置される。実施例の冷却ダクト24には、排水部30を挟んで左右対称な関係で一対の排水ガイド70,70が回収部58bに設けられる。実施例では、右側の排水ガイド70の内端部が、排水部30における導入口の右側縁の延長ライン上に配置され、左側の排水ガイド70の内端部が、該導入口の左側縁の延長ライン上に配置され、両排水ガイド70,70の内端部間が排水部30の導入口と略同一間隔で離間しており、排水部30における導入口の前側に排水ガイド70が延在しないようになっている。
【0033】
図5に示すように、排水ガイド70は、その外端部が、ファンダクト28における案内部50bの後端よりも後側に配置され、ファンダクト28から流下する除霜水を回収部58bにおける排水ガイド70よりも前側(回収部58bの傾斜上端側)で回収するように構成される。排水ガイド70は、冷却器22の底(実施例では保持部材46における保持板部47の下端が対応)と回収部58bとの間の隙間を塞ぐ高さで形成される。すなわち、外端部から内端部に向かうにつれて傾斜下端側に延在する排水ガイド70は、前から後に向かって下方傾斜して冷却器22の底から離間する回収部58bに合わせて、外端部から内端部に向かうにつれて回収部58bからの突出高さが大きくなるように形成される。そして、排水ガイド70は、上端の高さ位置が全体に亘って同じまたは略同じになっている。
【0034】
(排水部)
図5および図13に示すように、排水部30は、上方が開放した凹溝状の排水流通部72と、この排水流通部72の下面に形成された規制片74とから構成される。排水流通部72は、その底面が回収部58bよりも一段下がるように形成され、排水口32aを介して排水路32のエルボ部32bに挿入される後端部の略半円状の縦断面寸法が、排水口32aおよびエルボ部32bの直径(開口断面)よりも小さく設定される。排水流通部72は、両側縁の後端上部が面取りされており、前から後に向かうにつれて上下寸法が小さくなる先細り形状になっている(図5参照)。規制片74は、排水流通部72における排水路32に挿入される挿入部位に設けられて、排水流通部72の下面から下方へ延出する板状片であり、排水流通部72の挿入部位をエルボ部32bの内底面から離間させるよう機能する。規制片74は、排水流通部72の前記挿入部位において、該排水流通部72の後端よりも前側に離間して配置され、実施例では、該排水流通部72の後端から前記余裕空間Yの前後幅と略同一の範囲に配置される。実施例の規制片74は、排水流通部72の前述した面取り部分前端の下方に略対応する部位に、左右方向に板面が延在するように設けられ、排水流通部72の左右幅よりも狭い幅で形成されている(図10参照)。また、排水部30は、排水流通部72の上端から規制片74の下端までの上下寸法が、排水口32aおよびエルボ部32bの直径よりも小さくなるように設定される(図10参照)。すなわち、排水部30は、排水路32との寸法差によって、排水路32に挿入した部分のある程度の位置ズレが許容される一方、規制片74とエルボ部32bの内底面との当接により、排水流通部72の流出端がエルボ部32bの内底面から離間するように位置決めされる。なお、エルボ部32bと排水流通部72とは、略同じ方向に延在している。
【0035】
(温度検知手段)
図3図7および図8に示すように、温度検知手段THは、架台部76に支持されて、冷却器22の下側に配設されている。なお、実施例では、温度検知手段THとしてサーミスタが用いられている。温度検知手段THは、冷却器22における熱交換管44の直線部の下側で、該直線部から離間し、冷却器22に対して一側方(実施例では右側方)および後側に偏倚した位置に設けられる。また、温度検知手段THは、冷却器22の前部下側に延在するファンダクト28の底板部50よりも後側に配置される。温度検知手段THは、架台部76の下面に支持されて、冷却器22から流下する除霜水が直接当たらないようになっている。架台部76は、金属等の熱伝導性のよい材料から構成された板状部材であり、前端部がファンダクト28における底板部50の案内部50bに接続されて、案内部50bの後縁から後方へ延出している。架台部76は、保持片76aによって温度検知手段THが下面に接するように支持し、架台部76を介して案内部50bの温度を間接的に検知し得るようになっている。そして、貯蔵庫10では、冷却器22に付着した霜を除去する除霜運転の完了を、温度検知手段THで検知した温度によって判定している。
【0036】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る貯蔵庫10の作用について説明する。貯蔵庫10は、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24を着脱する際に、これらの部材22,28,24を支持部材38で支持した状態でネジを取り付けまたは取り外しすることができる。具体的には、箱体12における内部空間の天井面34に、一対の支持部材38,38をネジ止めする。ここで、各支持部材38は、差込片43を天井面34の差込孔に挿入することで、位置決めした状態でネジ止めすることができ、天井面34に対して簡単に精度よく取り付けることができる。冷却器22における左右両側の上端部に設けられた保持固定部48,48を、左右の支持部材38,38において前側に開放した支持空間を画成している対応の保持受止部40,40に前側から挿入することで、保持受止部40,40によって冷却器22の保持固定部48,48を天井面34に沿わせた状態で支持することができる。そして、冷却器22は、保持固定部48において保持受止部40より前側で、支持部材38に邪魔されない部位に設けられたネジ通孔S2を介して、天井面34のネジ孔H2にネジ止めされる。このように、冷却器22は、支持部材38の保持受止部40に荷重を預けた状態で、ネジの着脱作業を行うことができるので、箱体12への着脱を簡単に行うことができる。また、冷却器22は、支持部材38の保持受止部40によって位置決めされるので、ネジ通孔S2を対応のネジ孔H2に合わせ易く、簡単に精度よく取り付けることができる。
【0037】
次に、ファンダクト28における左右両側の上端部に設けられた設置掛止部54,54を、左右の支持部材38,38において前側に開放した支持空間を画成している対応の設置受止部41,41の上側に前側から挿入することで、設置受止部41,41によってファンダクト28の設置固定部53および設置掛止部54を天井面34に沿わせた状態で支持することができる。そして、ファンダクト28は、設置受止部41より前側で、支持部材38に邪魔されない部位に配置されるネジ通孔S3を介して、天井面34のネジ孔H3にネジ止めされる。このように、ファンダクト28は、支持部材38の設置受止部41に荷重を預けた状態で、ネジの着脱作業を行うことができるので、箱体12への着脱を簡単に行うことができる。また、ファンダクト28は、支持部材38の設置受止部41によって位置決めされるので、ネジ通孔S3を対応のネジ孔H3に合わせ易く、簡単に精度よく取り付けることができる。しかも、ファンダクト28は、該ファンダクト28における左右の側板部52,52間に、先に取り付けられた冷却器22における左右の保持部材46,46が嵌り込んで、冷却器22に対しても位置決めされるので、冷却器22の前側に該冷却器22に向けて適切に空気を案内し得る空気流通路を画成することができる。
【0038】
次に、冷却ダクト24における左右両側の上端部に設けられたダクト掛止部64,64を、左右の支持部材38,38において前側に開放した支持空間を画成している対応のダクト受止部42,42に前側から挿入することで、ダクト受止部42,42によって冷却ダクト24のダクト固定部63を天井面34に沿わせた状態で支持することができる。そして、冷却ダクト24は、ダクト受止部42より前側で、支持部材38に邪魔されない部位に配置されるネジ通孔S4を介して、天井面34のネジ孔H4にネジ止めされる。このように、冷却ダクト24は、支持部材38のダクト受止部42に荷重を預けた状態で、ネジの着脱作業を行うことができるので、箱体12への着脱を簡単に行うことができる。また、冷却ダクト24は、支持部材38のダクト受止部42によって位置決めされるので、ネジ通孔S4を対応のネジ孔H4に合わせ易く、簡単に精度よく取り付けることができる。しかも、冷却ダクト24は、先に取り付けられたファンダクト28の底板部50におけるファン設置部50aに、底壁部58の開口形成部58aに設けられた案内壁部65が当接することで、ファンダクト28に対して位置決めされると共に、該底壁部58の回収部58bに設けられた排水ガイド70が冷却器22の保持部材46,46に当接することで、冷却器22に対して位置決めされる。すなわち、冷却ダクト24は、冷却器22およびファンダクト28に対して位置ズレなく取り付けることができる。
【0039】
前記貯蔵庫10は、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24における支持部材38への挿脱と、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24におけるネジの着脱を前側から行うことができるので、箱体12の前側の箱体開口部12aを介して冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24の着脱を行うことができる。冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24は、箱体開口部12aに近い手前側でネジ止めし、ネジ止め部分よりも箱体開口部12aから遠い奥側で支持部材38で支持することで、奥側のネジ止め部分を省略することができる。すなわち、奥側のネジを止めるために、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24の幅寸法を小さく設定する必要がなく、冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24の設計の自由度が高くなり、例えばこれらの部材22,28,24を複数の機種で共通化することも可能になる。また、貯蔵庫10は、共通の支持部材38で冷却器22、ファンダクト28および冷却ダクト24を支持しているので、支持部材38のコストを抑えることができる。
【0040】
前記貯蔵庫10では、冷却ダクト24において流入口25の全周を囲んで突出形成された案内壁部65が、ファンダクト28で画成される空気流通路に連通する取付口55を囲んでファンダクト28に当接している。ファンダクト28と冷却ダクト24とは、冷却ファンFMの一部を間に収容し得るように離間して配置されているが、前記案内壁部65によって流入口25から取付口55に通じる画成された流路が形成されているので、冷却ファンFMの作動により流入口25から取り込んだ空気が、冷却ダクト24とファンダクト28の隙間から冷却ダクト24の底壁部58に沿って後側に逃げて冷却器22と熱交換しないことを防止できる。すなわち、冷却ファンFMの作動により流入口25から取り込んだ空気を、ファンダクト28で画成されて冷却器22に空気を誘導する空気流通路に漏れなく案内することができるので、冷却器22による空気の冷却効率を向上させることができる。
【0041】
前記流入口25に取り付けられるファンカバー36は、該ファンカバー36のネジ通孔S5および冷却ダクト24に突設されたボス部66を介してファンダクト28のネジ孔H5にネジ止めされる。ここで、冷却ダクト24において冷却室20側に突出する前記案内壁部65に隣接して形成されたボス部66は、該案内壁部65よりも僅かに突出高さが低く設定されているので、ネジ止めした際に、ファンダクト28側に冷却ダクト24を引き付けることができ、これにより案内壁部65をファンダクト28に密着させることができる。従って、貯蔵庫10は、冷却ダクト24の流入口25とファンダクト28の取付口55との間で空気が逃げることをより確実に防止できる。貯蔵庫10は、冷却ダクト24の案内壁部65とファンダクト28が密着しているので、冷却ファンFMの作動に伴って、案内壁部65とファンダクト28との接触による騒音の発生や冷却ダクト24の振動を防止することができる。ファンカバー36は、冷却ダクト24の前側に配設されているので、箱体開口部12aを介して前側からネジNを簡単に着脱することができ、案内壁部65で画成される流路を簡単に掃除することができる。
【0042】
前記ファンダクト28は、底板部50の案内部50bが冷却器22の下側まで延びており、冷却器22の底に沿って延在する案内部50bによって、冷却ファンFMで取り込んだ空気を冷却器22に案内し、冷却器22で空気を効率よく冷却させることができる。貯蔵庫10は、除霜運転において冷却器22の前部から流下する除霜水をファンダクト28の案内部50bで一旦受けている。案内部50bは、除霜運転において冷却器22から流下した霜混じりの除霜水が完全に融けるまでは、温度が上昇しない。例えば、冷却器22の全体から冷却ダクト24の回収部58bに除霜水が直接流下する構成であると、回収部58bから離れた温度検知手段THによって霜が完全に融けているか否かが判らず、霜が残っているのにかかわらず除霜運転が終了してしまうことがある。ここで、実施例の貯蔵庫10は、除霜運転において、温度検知手段THが案内部50bの温度を架台部76を介して間接的に検知しているので、案内部50bに滞留した霜混じりの除霜水がある状態では温度が低いので除霜運転の完了温度を検知せず、霜が完全に融けて案内部50bの温度が上昇することで除霜運転の完了温度を検知することになる。すなわち、実施例の貯蔵庫10によれば、精度よく除霜の完了を判定し得る。
【0043】
前記冷却ダクト24では、除霜運転において冷却器22から回収部58bにおける排水ガイド70,70の上流側に流下した除霜水が、排水ガイド70,70で一旦受け止められ、回収部58bの傾斜に誘導された除霜水が、外側部から排水部30側に向かうにつれて回収部58bの傾斜下端側に寄るように延在する排水ガイド70,70に沿って案内される。すなわち、冷却ダクト24において、排水ガイド70によって除霜水を前から後だけでなく、前から後側への流下につれて排水部30側へ向けた左右方向に移動させることができ、回収部58bの傾斜下端に設けられた排水部30に除霜水を集めることができ、排水部30に対して除霜水をスムーズに誘導することができる。また、排水ガイド70における排水部30側の内端部が、回収部58bの傾斜下端に延在する後壁部61の前側に離間しているので、回収部58bにおいて排水ガイド70よりも傾斜下流側に流下した除霜水を、排水ガイド70に邪魔されずに排水部30から排出することができる。しかも、排水ガイド70における排水部30側の内端部が、排水部30の導入口前側に配置されているので、該内端部から流下した除霜水が回収部58bの傾斜に誘導されて排水部30からスムーズに排出される。このように、ドレンパンとしても機能する実施例の冷却ダクト24によれば、排水部30側が下がるように左右方向に傾斜を形成しなくても、回収部58bの傾斜下端に除霜水が残ることを防止できる。また、冷却ダクト24は、回収部58bを左右方向に水平に形成したり、左右方向の傾斜を緩くすることができるから、冷却ダクト24をコンパクトにすることができる。
【0044】
更に、排水ガイド70は、冷却器22の底に合わせた高さで回収部58bに形成されているので、排水ガイド70によって空気が冷却器22と冷却ダクト24の回収部58bとの間に逃げてしまうのを防ぐことができ、空気を冷却器22と適切に接触させて効率よく冷却することができる。なお、排水ガイド70は、上端が冷却器22の保持部材46の下端に接しているだけなので、冷却器22による回収部58bの冷却を抑えることができる。
【0045】
前記排水部30は、排水路32のエルボ部32bに対する排水流通部72の挿入位置がズレても、規制片74がエルボ部32bの内底面に当接して下側への移動を規制されることで、排水流通部72の流出端をエルボ部32bの内底面から離した状態を保つことができる。すなわち、排水流通部72の流出端がエルボ部32bの内底面に接触した状態になることで生じる除霜水の収納室18側への逆流を、規制片84による位置規制により防止することができる。
【0046】
(変更例)
本発明は、前述の実施例の構成に限定されず、以下のようにも変更することも可能である。
(1)支持部材は2つの例を挙げたが、1つでも3つ以上であってもよい。
(2)支持部材は、冷却ダクトを少なくとも支持できればよい。すなわち、支持部材によって、冷却ダクトとファンダクトとを支持し、冷却器を支持しない構成であっても、支持部材によって、冷却ダクトと冷却器とを支持し、ファンダクトを支持しない構成であっても、支持部材によって、冷却ダクトのみを支持する構成であってもよい。
(3)支持部材に引っ掛けるための掛止部とネジ止めするための固定部とが一緒であっても、別々であってもよい。
【0047】
(4)ファンダクトは、底板部の案内部が冷却器の前部だけでなく、該案内部が冷却器の底全体に亘って延在する構成であってもよい。案内部における冷却器の下側の延在長さが長くなれば、空気を冷却器とより接触するように案内部によって案内することができる。
【0048】
(5)図17に示すように、排水部30は、規制片74の下縁を、排水路32におけるエルボ部32bの内底面に沿って形成し、該規制片74により排水流通部72の下面とエルボ部32bとの間を塞ぐよう構成してもよい。このように、変更例の排水部30によれば、規制片74によって排水流通部72と排水路32との間を塞ぐことができるので、排水路32からの逆流をより適切に防止し得る。
【0049】
(6)排水ガイドは、冷却器の底から上端が離間する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
12 箱体,18 収納室,20 冷却室,22 冷却器,24 冷却ダクト,
25 流入口,26 流出口,28 設置部材,36 ファンカバー(カバー),
50 底板部,58 底壁部,65 案内壁部,66 ボス部,
FM 冷却ファン,TH 温度検知手段
図1
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