特許第6043661号(P6043661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6043661繋ぎ用シート保持装置および保持方法、並びに、長尺体繋ぎ装置および繋ぎ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043661
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】繋ぎ用シート保持装置および保持方法、並びに、長尺体繋ぎ装置および繋ぎ方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 21/00 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   B65H21/00
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-55433(P2013-55433)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-181096(P2014-181096A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 健
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−305950(JP,A)
【文献】 特開2002−087660(JP,A)
【文献】 特開2002−096952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/00 − 19/30
B65H 21/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新長尺体と旧長尺体とを繋ぐ繋ぎ用シートを保持する繋ぎ用シート保持装置であって、
吸引力付与手段に接続して前記繋ぎ用シートを吸着保持するとともに、前記繋ぎ用シートを吸着保持した後に前記吸引力付与手段から離脱する吸引孔が形成された保持面を有し、前記吸引孔と一緒に前記吸引力付与手段から離脱するとともに、前記吸引孔が前記吸引力付与手段から離脱した後も前記繋ぎ用シートの保持力を維持して前記繋ぎ用シートを前記保持面に保持させる保持力維持手段を備えていることを特徴とする繋ぎ用シート保持装置。
【請求項2】
新長尺体と旧長尺体とに繋ぎ用シートを貼付して当該新長尺体と旧長尺体とを繋ぐ長尺体繋ぎ装置であって、
前記繋ぎ用シートを保持する繋ぎ用シート保持装置と、
前記繋ぎ用シート保持装置に吸引力を付与する吸引力付与手段と、
前記繋ぎ用シート保持装置を支持可能に設けられ、当該繋ぎ用シート保持装置に前記繋ぎ用シートを供給する供給手段と、
前記繋ぎ用シート保持装置を支持可能に設けられ、前記新長尺体と前記旧長尺体とに跨って前記繋ぎ用シートを貼付する貼付手段とを備え、
前記繋ぎ用シート保持装置は、前記吸引力付与手段に接続して前記繋ぎ用シートを吸着保持するとともに、前記繋ぎ用シートを吸着保持した後に前記吸引力付与手段から離脱する吸引孔が形成された保持面を有し、前記吸引孔と一緒に前記吸引力付与手段から離脱するとともに、前記吸引孔が前記吸引力付与手段から離脱した後も前記繋ぎ用シートの保持力を維持して前記繋ぎ用シートを前記保持面に保持させる保持力維持手段を備えていることを特徴とする長尺体繋ぎ装置。
【請求項3】
前記繋ぎ用シート保持装置を前記貼付手段に搬送する搬送手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の長尺体繋ぎ装置。
【請求項4】
新長尺体と旧長尺体とを繋ぐ繋ぎ用シートを保持する繋ぎ用シート保持方法であって、
保持面に形成された吸引孔を吸引力付与手段に接続して前記保持面で前記繋ぎ用シートを吸着保持する工程と、
前記吸引力付与手段から前記吸引孔が離脱した後も前記繋ぎ用シートの保持力を維持して前記繋ぎ用シートを前記保持面に保持させる工程とを実施することを特徴とする繋ぎ用シート保持方法。
【請求項5】
新長尺体と旧長尺体とに繋ぎ用シートを貼付して当該新長尺体と旧長尺体とを繋ぐ長尺体繋ぎ方法であって、
吸引力付与手段に接続して前記繋ぎ用シートを吸着保持するとともに、前記繋ぎ用シートを吸着保持した後に前記吸引力付与手段から離脱する吸引孔が形成された保持面を有し、前記吸引孔と一緒に前記吸引力付与手段から離脱するとともに、前記吸引孔が前記吸引力付与手段から離脱した後も前記繋ぎ用シートの保持力を維持して前記繋ぎ用シートを前記保持面に保持させる保持力維持手段を備えた繋ぎ用シート保持装置を用いて前記繋ぎ用シートを保持する工程と、
前記繋ぎ用シート保持装置で保持した繋ぎ用シートを前記新長尺体と前記旧長尺体とに跨って貼付する工程とを実施することを特徴とする長尺体繋ぎ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繋ぎ用シート保持装置および保持方法、並びに、長尺体繋ぎ装置および繋ぎ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺体を繋ぎ合わせる長尺体繋ぎ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の長尺体繋ぎ装置は、旧ウェブおよび新ウェブを重ねて保持するウェブ保持具と、旧ウェブおよび新ウェブを切断する切断具と、所定長さの接合テープ(繋ぎ用シート)を吸引装置で吸着保持して両ウェブに貼付するテープ保持具(繋ぎ用シート保持装置)とを備え、重ね合わせた両ウェブを切断具で切断した後、両ウェブの不要部を除去し、テープ保持具で旧ウェブの終端縁と新ウェブの先端縁とに接合テープを貼付するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−305950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の装置では、繋ぎ用シートの吸引が解除されると、繋ぎ用シートを保持することができなくなり、繋ぎ用シートが位置ずれしたり、繋ぎ用シート保持装置から落下したりするという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、繋ぎ用シートの吸引が解除されても繋ぎ用シートを保持し続けることができる繋ぎ用シート保持装置および保持方法、並びに、長尺体繋ぎ装置および繋ぎ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の繋ぎ用シート保持装置は、新長尺体と旧長尺体とを繋ぐ繋ぎ用シートを保持する繋ぎ用シート保持装置であって、吸引力付与手段に接続して前記繋ぎ用シートを吸着保持するとともに、前記繋ぎ用シートを吸着保持した後に前記吸引力付与手段から離脱する吸引孔が形成された保持面を有し、前記吸引孔と一緒に前記吸引力付与手段から離脱するとともに、前記吸引孔が前記吸引力付与手段から離脱した後も前記繋ぎ用シートの保持力を維持して前記繋ぎ用シートを前記保持面に保持させる保持力維持手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の長尺体繋ぎ装置は、新長尺体と旧長尺体とに繋ぎ用シートを貼付して当該新長尺体と旧長尺体とを繋ぐ長尺体繋ぎ装置であって、前記繋ぎ用シートを保持する繋ぎ用シート保持装置と、前記繋ぎ用シート保持装置に吸引力を付与する吸引力付与手段と、前記繋ぎ用シート保持装置を支持可能に設けられ、当該繋ぎ用シート保持装置に前記繋ぎ用シートを供給する供給手段と、前記繋ぎ用シート保持装置を支持可能に設けられ、前記新長尺体と前記旧長尺体とに跨って前記繋ぎ用シートを貼付する貼付手段とを備え、前記繋ぎ用シート保持装置は、前記吸引力付与手段に接続して前記繋ぎ用シートを吸着保持するとともに、前記繋ぎ用シートを吸着保持した後に前記吸引力付与手段から離脱する吸引孔が形成された保持面を有し、前記吸引孔と一緒に前記吸引力付与手段から離脱するとともに、前記吸引孔が前記吸引力付与手段から離脱した後も前記繋ぎ用シートの保持力を維持して前記繋ぎ用シートを前記保持面に保持させる保持力維持手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明の長尺体繋ぎ装置は、前記繋ぎ用シート保持装置を前記貼付手段に搬送する搬送手段を備えていることが好ましい。
【0009】
本発明の繋ぎ用シート保持方法は、新長尺体と旧長尺体とを繋ぐ繋ぎ用シートを保持する繋ぎ用シート保持方法であって、保持面に形成された吸引孔を吸引力付与手段に接続して前記保持面で前記繋ぎ用シートを吸着保持する工程と、前記吸引力付与手段から前記吸引孔が離脱した後も前記繋ぎ用シートの保持力を維持して前記繋ぎ用シートを前記保持面に保持させる工程とを実施することを特徴とする。
【0010】
本発明の長尺体繋ぎ方法は、新長尺体と旧長尺体とに繋ぎ用シートを貼付して当該新長尺体と旧長尺体とを繋ぐ長尺体繋ぎ方法であって、吸引力付与手段に接続して前記繋ぎ用シートを吸着保持するとともに、前記繋ぎ用シートを吸着保持した後に前記吸引力付与手段から離脱する吸引孔が形成された保持面を有し、前記吸引孔と一緒に前記吸引力付与手段から離脱するとともに、前記吸引孔が前記吸引力付与手段から離脱した後も前記繋ぎ用シートの保持力を維持して前記繋ぎ用シートを前記保持面に保持させる保持力維持手段を備えた繋ぎ用シート保持装置を用いて前記繋ぎ用シートを保持する工程と、前記繋ぎ用シート保持装置で保持した繋ぎ用シートを前記新長尺体と前記旧長尺体とに跨って貼付する工程とを実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のような本発明によれば、保持力維持手段を設けたことで、繋ぎ用シートの吸引が解除されても繋ぎ用シートを保持し続けることができる。
【0012】
本発明において、搬送手段を設ければ、供給手段と貼付手段とが離間している場合でも、貼付手段に繋ぎ用シートを搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る長尺体繋ぎ装置の正面図。
図2】長尺体繋ぎ装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本明細書におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、水平面内の軸とし、Z軸は、水平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の紙面に直交する手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0015】
図1および図2において、長尺体繋ぎ装置1は、新長尺体RS1と旧長尺体RS2とに繋ぎ用シートCSを貼付して当該新長尺体RS1と旧長尺体RS2とを繋ぐものであって、新長尺体RS1および旧長尺体RS2を保持する長尺体保持手段2と、繋ぎ用シートCSを保持する繋ぎ用シート保持装置3と、繋ぎ用シート保持装置3に吸引力を付与する減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段からなる吸引力付与手段4と、繋ぎ用シート保持装置3を支持可能に設けられ、当該繋ぎ用シート保持装置3に繋ぎ用シートCSを供給する供給手段5と、繋ぎ用シート保持装置3を支持可能に設けられ、新長尺体RS1と旧長尺体RS2とに跨って繋ぎ用シートCSを貼付する貼付手段6と、繋ぎ用シート保持装置3を貼付手段6に搬送する搬送手段7とを備えている。
【0016】
長尺体保持手段2は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段21と、減圧手段21に接続された保持部材22とを備え、保持部材22の下面に設けられた図示しない吸引孔を介して新長尺体RS1および旧長尺体RS2を保持可能に設けられている。
【0017】
繋ぎ用シート保持装置3は、吸引力付与手段4に接続可能に設けられた吸引孔35が形成された保持面31Aを有し、当該保持面31Aで繋ぎ用シートCSを吸着保持するとともに、吸引力付与手段4からの離脱後も繋ぎ用シートCSの保持力を維持可能とする保持力維持手段としての自粘性のエラストマーや両面接着シート等の自粘性部材34を備えている。自粘性部材34は、フレーム31に支持され、フレーム31の下面には、位置決め穴33が形成されている。また、自粘性部材34は、フレーム31の上面に形成された凹部32内に設けられ、その左右幅が凹部32の左右幅よりも小さく設定されることで、当該自粘性部材34の左右両側に、溝36が形成される。吸引孔35は、フレーム31および自粘性部材34を相互に貫通している。
【0018】
供給手段5は、基材シートBSの一方の面に接着剤層ADを有する帯状の繋ぎ用シートCSを支持する支持ローラ51と、繋ぎ用シートCSを案内するガイドローラ52と、駆動機器としてのリニアモータ53のスライダ53Aに支持された駆動機器としての直動モータ54と、直動モータ54の出力軸54Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段に接続された吸着部材55と、駆動機器としてのリニアモータ56のスライダ56Aに支持された駆動機器としての直動モータ57と、直動モータ57の出力軸57Aに支持された切断刃58と、繋ぎ用シート保持装置3を支持する支持面59Aおよび吸引力付与手段4に連通するチャンバ59Bを有するテーブル59とを備えている。支持面59Aには、チャンバ59Bに連通する吸引口59Cと、位置決め穴33に係合する位置決めピン59Dとが設けられている。なお、ガイドローラ52および吸着部材55は、接着剤層ADに対向する面にフッ素樹脂コーティングや粗面処理等の不接着処理が施されている。
【0019】
貼付手段6は、駆動機器としての直動モータ61の出力軸61Aに支持されるとともに、繋ぎ用シート保持装置3を支持する支持面62Aを有するテーブル62を備えている。支持面62Aには、位置決め穴33に係合する位置決めピン62Bが設けられるとともに、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段に接続されている。
【0020】
搬送手段7は、駆動機器としてのリニアモータ71のスライダ71Aに支持された駆動機器としての直動モータ72と、直動モータ72の出力軸72Aに支持されたブラケット73と、ブラケット73に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段に接続された複数の吸着パッド74とを備えている。
【0021】
以上の長尺体繋ぎ装置1において、繋ぎ用シートCSで新長尺体RS1と旧長尺体RS2とを繋ぐ手順を説明する。
先ず、繋ぎ用シートCSを図1中実線で示すようにセットすると、供給手段5が図示しない減圧手段を駆動し、吸着部材55で繋ぎ用シートCSの先端部を保持する。また、位置決め穴33に位置決めピン59Dを係合させてテーブル59に繋ぎ用シート保持装置3を支持させる。さらに、図2に示すように、旧長尺体RS2の後端部に新長尺体RS1の先端部を突き合わせた状態で、保持部材22に新長尺体RS1および旧長尺体RS2を保持させる。
【0022】
次に、供給手段5がリニアモータ53、直動モータ54を駆動し、スライダ53Aを図1中右側の二点鎖線で示す位置に移動させた後、吸着部材55を下降させる。次いで、吸引力付与手段4が図示しない減圧手段を駆動し、繋ぎ用シートCSを吸着保持することで、繋ぎ用シートCSが保持面31Aで保持される。その後、供給手段5が直動モータ57を駆動し、図1中右側の溝36に沿って切断刃58を前後方向に移動させて繋ぎ用シートCSを切断する。
【0023】
次に、供給手段5が図示しない減圧手段の駆動を停止するとともに、リニアモータ53および直動モータ54を駆動し、図1中左側の二点鎖線で示す位置に吸着部材55を移動させて繋ぎ用シートCSを押さえる。次いで、供給手段5がリニアモータ56および直動モータ57を駆動し、切断刃58を図1中二点鎖線で示す位置に移動させた後、図1中左側の溝36に沿って切断刃58を前後方向に移動させて繋ぎ用シートCSを切断する。これにより、繋ぎ用シート保持装置3上に所定形状の繋ぎ用シートCS1が形成される。その後、供給手段5がリニアモータ56を駆動し、切断刃58を図1中実線で示す位置に移動させる。また、供給手段5が図示しない減圧手段、リニアモータ53、および直動モータ54を駆動し、繋ぎ用シートCSの先端部を吸着した吸着部材55を図1中実線で示す位置に移動させる。なお、切断により生じた不要シートUSは、図示しない回収手段により回収される。
【0024】
次に、搬送手段7がリニアモータ71、直動モータ72を駆動し、吸着パッド74をフレーム31に当接させた後、搬送手段7が図示しない減圧手段を駆動し、繋ぎ用シート保持装置3を保持する。そして、吸引力付与手段4が駆動を停止した後、搬送手段7がリニアモータ71、直動モータ72を駆動し、図2中二点鎖線で示すように、繋ぎ用シート保持装置3をテーブル62の支持面62A上に搬送する。なお、この搬送中において、繋ぎ用シートCS1には吸引力付与手段4の吸引力が付与されないことになるが、自粘性部材34の粘着力によって繋ぎ用シート保持装置3に保持されるので、当該繋ぎ用シートCS1が繋ぎ用シート保持装置3から脱落してしまうような不都合は発生しない。その後、貼付手段6が図示しない減圧手段を駆動し、支持面62Aに繋ぎ用シート保持装置3を吸着保持させると、搬送手段7が図示しない減圧手段の駆動を停止するとともに、リニアモータ71および直動モータ72を駆動し、吸着パッド74を図2中実線に示す位置に移動させる。そして、貼付手段6が直動モータ61を駆動し、図2中二点鎖線で示すように、繋ぎ用シート保持装置3を上昇させた後、当該繋ぎ用シート保持装置3を下降させることで、新長尺体RS1と旧長尺体RS2とに跨って繋ぎ用シートCS1が貼付され、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0025】
以上のような実施形態によれば、自粘性部材34を設けたことで、繋ぎ用シートCS1の吸引が解除されても繋ぎ用シートCS1を保持し続けることができる。
【0026】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0027】
例えば、保持力維持手段は、静電気によって物体を引き付ける静電チャックで構成してもよいし、図1のAAに示すように、フレーム31に形成されたチャンバ59Bに連通するチャンバ31Bと、フレーム31をテーブル59から離間させたときにチャンバ31B内の減圧状態を維持可能な弁31Cとで構成してもよい。
さらに、自粘性部材34は、フレーム31の外形と同じ大きさに構成してもよいし、保持面31A上に点在させてもよいし、吸引孔35が形成されていない位置に設けてもよい。
また、自粘性部材34は、加熱または冷却することで粘着力を生じるものであってもよく、この場合の加熱手段または冷却手段をフレーム31に設けてもよい。
【0028】
さらに、供給手段5は、予め所定形状に切断された繋ぎ用シートCS1を繋ぎ用シート保持装置3に供給してもよく、テーブル62に支持された繋ぎ用シート保持装置3に繋ぎ用シートCS1を直接供給してもよい。
また、供給手段5は、所定形状の繋ぎ用シートCS1を形成した後、供給手段5が図示しない減圧手段の駆動を停止させ、吸着部材55による繋ぎ用シートCSの先端部の保持を解除し、繋ぎ用シートCSを支持ローラ51で巻き取るようにしてもよい。
さらに、吸着部材55に換えて、繋ぎ用シートCSの先端部を保持および剥離可能な仮着部材で構成してもよいし、繋ぎ用シートCSの先端部を挟持して繋ぎ用シートCSを繋ぎ用シート保持装置3に供給する構成としてもよい。
【0029】
また、貼付手段6は、フレーム31を介してテーブル62で保持した繋ぎ用シートCSを圧縮エアで吹き飛ばして新長尺体RS1および旧長尺体RS2に貼付する所謂エアジェットタイプのものとしてもよいし、押圧ローラ、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材で押圧して貼付してもよい。
【0030】
さらに、搬送手段7は、繋ぎ用シート保持装置3を搬送可能な任意の構成を採用でき、例えば、繋ぎ用シート保持装置3を挟持して搬送する構成を採用したり、ベルトコンベア等のベルト回行手段で構成したりしてもよい。
【0031】
また、各長尺体RS1、RS2の種別や材質などは、特に限定されず、例えば、帯状の接着シート、紙、布、鋼板、ベルト、樹脂、木板などであってもよく、長尺の糸、紐、針金、コード、チューブ、ホースなどであってもよい。
さらに、繋ぎ用シートCSは、基材シートBSと接着剤層ADとの間に設けられる中間層を有するものや、他の層を有する等3層以上のものや剥離シートに仮着されたもの等でもよく、その他任意のシート、フィルム、テープ等、任意の用途、形状のシート等が適用できる。
【0032】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、保持力維持手段は、吸引力付与手段からの離脱後も繋ぎ用シートの保持力を維持可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0033】
1 長尺体繋ぎ装置
2 長尺体保持手段
3 繋ぎ用シート保持装置
4 吸引力付与手段
5 供給手段
6 貼付手段
7 搬送手段
31 フレーム
31A 保持面
34 自粘性部材(保持力維持手段)
35 吸引孔
CS、CS1 繋ぎ用シート
RS1 新長尺体
RS2 旧長尺体
図1
図2