(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記信号の前記チャージアンプへの流入期間を制御する捕捉スイッチを有し、この捕捉スイッチによってチャージアンプ出力となるアナログ信号を、アナログ/ディジタル変換のタイミングにあわせて捕捉することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の静電容量検出回路。
前記演算増幅器の帰還経路に、抵抗素子、インピーダンス素子、能動素子又はインピーダンス素子及び能動素子を組み合わせた回路網のいずれかを前記帰還径路に対して並列に接続したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の静電容量検出回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、センサをなす駆動電極と検出電極との電極間容量(相互容量)は通常数pFと小さな値であるが、指の近接による変化量は更に小さく数100fFのオーダー以下である。このため、混入ノイズの影響は甚大である。混入ノイズの原因としてはタッチパッドやタッチセンサが組み込まれるシステムの電源からのノイズや同システム内にある液晶パネルの駆動信号などがあり、機器の複雑化などによりこれらのノイズ発生源の影響が無視できなくなってきている。
【0006】
特許第4275865号公報に記載の検出回路の場合、積分コンデンサへの電荷転送は、駆動パルスの立ち上がりエッジに対してのみ行われている。そのため、指等の操作体自体にノイズが印加されている、または、静電容量を検出するシステムの電源にノイズが印加されていると、転送される電荷にノイズが混入されることになる。積分期間に対して印加されるノイズの周波数が低くなると、混入ノイズの平均化が積分期間で充分でなくなり、出力データにノイズの影響が更に大きく現れてしまう欠点があった。
【0007】
米国特許出願公開第2011−0273400号明細書に記載の検出回路の場合、駆動パルスの両エッジで電荷転送を行うことで低周波のノイズに対してフィルタリング効果が向上されるが、オペアンプを使用した積分回路が2系統必要となり、回路規模や消費電力の増大を招いていた。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、回路規模の拡大や消費電力の増大を抑え、外来ノイズの多い環境下でもノイズの影響を抑制して、微小な静電容量の変化を高いS/N比で安定して検出可能な静電容量検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の静電容量検出回路は、センサ電極の電極間容量の検出電荷及び外来ノイズによる電荷を含む信号が流入する電荷積分回路と、前記電荷積分回路の出力をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/D変換器と、を備え、前記電荷積分回路は、前記電極間容量との間で転送される電荷を蓄積するキャパシタを備え、前記センサ電極の駆動側電極に与える駆動信号により転送される電荷を前記キャパシタで連続的に積分する
静電容量検出回路であって、前記電荷積分回路は、帰還経路に前記キャパシタが設けられた演算増幅器を有するチャージアンプと、前記キャパシタに印加される信号の向きを切り替える複数の切替スイッチを有し、前記センサ電極の駆動側電極に印加される駆動信号により前記センサ電極の検出側電極から流入する電荷の向きに応じて前記キャパシタの接続を切り替える切替回路と、を具備し、前記A/D変換器は、前記駆動信号の立ち上りエッジに対応する前記チャージアンプの出力電位と、前記駆動信号の立ち下りエッジに対応する前記チャージアンプの出力電位との差分の電位からなるアナログ信号をディジタル信号に変換することを特徴とする。
【0010】
上記静電容量検出回路によれば、駆動信号の立ち上りエッジと立ち下りエッジとでそれぞれ転送される電荷をキャパシタで連続的に積分することにより、低周波の外来ノイズが平均化されることで、外来ノイズの影響を減らすことができる。また、2系統の積分回路を用いることがないことから、最小限の回路構成で外来ノイズ耐性を大幅に向上できる。
【0012】
また、駆動信号の立ち上りと立ち下りの両エッジで電荷転送が可能となり、低周波のノイズが演算増幅器の帰還経路のキャパシタで連続的に積分する事が可能となることで、外来ノイズを平均化する事ができる。また、2系統の積分回路を用いることがないことから、最小限の回路構成で外来ノイズ耐性を大幅に向上できる。
さらに、チャージアンプの出力を時間差で擬似差動出力とすることで出力信号のダイナミックレンジが拡大し、ノイズの影響を少なくしてアナログ/ディジタル変換する事が可能となる。
【0013】
上記静電容量検出回路において、前記信号の前記チャージアンプへの流入期間を制御する捕捉スイッチを有し、この捕捉スイッチによってチャージアンプ出力となるアナログ信号を、アナログ/ディジタル変換のタイミングにあわせて捕捉することを特徴とする。
【0014】
これにより、チャージアンプにより低周波のノイズが演算増幅器の帰還経路のキャパシタで連続的に積分されるとともに、繰り返しサンプリング時におけるチャージアンプのアナログ信号出力の外来ノイズによる影響を抑制することができる。
【0015】
上記静電容量検出回路において、前記演算増幅器の帰還経路に、抵抗素子、インピーダンス素子、能動素子又はインピーダンス素子及び能動素子を組み合わせた回路網のいずれかを前記帰還径路に対して並列に接続したことを特徴とする。
【0016】
これにより、演算増幅器の帰還経路におけるキャパシタに印加される信号の向きを切り替える切替回路において、切り替え途中で複数の切替スイッチ接続状態がすべてOFFになるタイミングにおいて、スイッチの電荷注入の影響による演算増幅器の出力変動を抑制する事が可能となる。
【0021】
あるいは、本発明の静電容量検出回路は、センサ電極の電極間容量の検出電荷及び外来ノイズによる電荷を含む信号が流入する電荷積分回路と、前記電荷積分回路の出力をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/D変換器と、を備え、前記電荷積分回路は、前記電極間容量との間で転送される電荷を蓄積するキャパシタを備え、前記センサ電極の駆動側電極に与える駆動信号により転送される電荷を前記キャパシタで連続的に積分する静電容量検出回路であって、前記電荷積分回路は、帰還経路に前記キャパシタが設けられた演算増幅器を有するチャージアンプと、前記キャパシタに印加される信号の向きを切り替える複数の切替スイッチを有し、前記センサ電極の駆動側電極に印加される駆動信号により前記センサ電極の検出側電極から流入する電荷の向きに応じて前記キャパシタの接続を切り替える切替回路と、を具備し、前記A/D変換器は、前記チャージアンプの出力電位と参照電位との差分の電位からなるアナログ信号をディジタル信号に変換するものであって、前記チャージアンプの出力電位と参照電位との差分の電位からなるアナログ信号をディジタル信号に変換した出力に応じた信号を前記チャージアンプの入力に帰還する帰還回路を備えたことを特徴とする。
【0022】
上記静電容量検出回路によれば、駆動信号の立ち上りエッジと立ち下りエッジとでそれぞれ転送される電荷をキャパシタで連続的に積分することにより、低周波の外来ノイズが平均化されることで、外来ノイズの影響を減らすことができる。また、2系統の積分回路を用いることがないことから、最小限の回路構成で外来ノイズ耐性を大幅に向上できる。
また、駆動信号の立ち上りと立ち下りの両エッジで電荷転送が可能となり、低周波のノイズが演算増幅器の帰還経路のキャパシタで連続的に積分する事が可能となることで、外来ノイズを平均化する事ができる。また、2系統の積分回路を用いることがないことから、最小限の回路構成で外来ノイズ耐性を大幅に向上できる。
さらに、チャージアンプの出力を被検出容量の変化のダイナミックレンジに合わせて効率よくアナログ/ディジタル変換する事が可能となる。
その上、少ない分解能のアナログ/ディジタル変換器を用いてより分解能の高いデルタシグマ−アナログ/ディジタル変換器を実現する事が可能となる。
【0023】
あるいは、本発明の静電容量検出回路は、センサ電極の電極間容量の検出電荷及び外来ノイズによる電荷を含む信号が流入する電荷積分回路と、前記電荷積分回路の出力をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/D変換器と、を備え、前記電荷積分回路は、前記電極間容量との間で転送される電荷を蓄積するキャパシタを備え、前記センサ電極の駆動側電極に与える駆動信号により転送される電荷を前記キャパシタで連続的に積分する静電容量検出回路であって、前記電荷積分回路は、帰還経路に前記キャパシタが設けられた演算増幅器を有するチャージアンプと、前記キャパシタに印加される信号の向きを切り替える複数の切替スイッチを有し、前記センサ電極の駆動側電極に印加される駆動信号により前記センサ電極の検出側電極から流入する電荷の向きに応じて前記キャパシタの接続を切り替える切替回路と、を具備し、前記A/D変換器は、前記チャージアンプの出力電位と参照電位との差分の電位からなるアナログ信号をディジタル信号に変換するものであって、前記駆動信号の立ち上りエッジに対応する前記チャージアンプの出力電位と、前記駆動信号の立ち下りエッジに対応する前記チャージアンプの出力電位との差分の電位からなるアナログ信号をディジタル信号に変換した出力に応じた信号を前記チャージアンプの入力に帰還する帰還回路を備えたことを特徴とする。
【0024】
上記静電容量検出回路によれば、駆動信号の立ち上りエッジと立ち下りエッジとでそれぞれ転送される電荷をキャパシタで連続的に積分することにより、低周波の外来ノイズが平均化されることで、外来ノイズの影響を減らすことができる。また、2系統の積分回路を用いることがないことから、最小限の回路構成で外来ノイズ耐性を大幅に向上できる。
また、駆動信号の立ち上りと立ち下りの両エッジで電荷転送が可能となり、低周波のノイズが演算増幅器の帰還経路のキャパシタで連続的に積分する事が可能となることで、外来ノイズを平均化する事ができる。また、2系統の積分回路を用いることがないことから、最小限の回路構成で外来ノイズ耐性を大幅に向上できる。
さらに、チャージアンプの出力を被検出容量の変化のダイナミックレンジに合わせて効率よくアナログ/ディジタル変換する事が可能となる。
その上、チャージアンプの出力を擬似差動化しノイズの影響を少なくして、少ない分解能のアナログ/ディジタル変換器を用いてより分解能及びSN比の高いデルタシグマ−アナログ/ディジタル変換器を実現する事が可能となる。
【0025】
あるいは、本発明の静電容量検出回路は、センサ電極の電極間容量の検出電荷及び外来ノイズによる電荷を含む信号が流入する電荷積分回路と、前記電荷積分回路の出力をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/D変換器と、を備え、前記電荷積分回路は、前記電極間容量との間で転送される電荷を蓄積するキャパシタを備え、前記センサ電極の駆動側電極に与える駆動信号により転送される電荷を前記キャパシタで連続的に積分する静電容量検出回路であって、前記電荷積分回路は、前記センサ電極の検出側電極の電位と参照電位とが入力される差動増幅器と、前記差動増幅器の出力電圧で出力電流が制御される第1の電流出力回路と、前記第1の電流出力回路の出力電流を前記差動増幅器の入力へ帰還する帰還経路と、前記第1の電流出力回路とカレントミラーを構成する第2の電流出力回路とを備えた電流コンベア回路と、前記第2の電流出力回路の出力電流を積分する前記キャパシタの電位を初期化するとともに、前記センサ電極の検出側電極から流入する電荷の向きに応じて前記電流コンベア回路の出力と前記キャパシタとの接続を切り替える切替回路と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
上記静電容量検出回路によれば、駆動信号の立ち上りエッジと立ち下りエッジとでそれぞれ転送される電荷をキャパシタで連続的に積分することにより、低周波の外来ノイズが平均化されることで、外来ノイズの影響を減らすことができる。また、2系統の積分回路を用いることがないことから、最小限の回路構成で外来ノイズ耐性を大幅に向上できる。
また、第1の電流出力回路と第2の電流出力回路のカレントミラー比の設計自由度があることから、その設定により積分キャパシタのサイズを小さくする事が可能となり、全体として回路規模を小さくする事が可能となる。
【0027】
上記静電容量検出回路において、前記切替回路は、前記第2の電流出力回路の出力と前記キャパシタの一端との間に接続された第1のスイッチと、前記第2の電流出力回路の出力と前記キャパシタの他端との間に接続された第2のスイッチと、前記キャパシタの他端とグラウンドとの間に接続された第3のスイッチと、前記キャパシタの一端と電圧源との間に接続された第4のスイッチと、参照電位端と前記キャパシタの一端との間に接続された第5のスイッチと、を有する構成としても良い。
【0028】
上記静電容量検出回路において、前記切替回路は、前記第2の電流出力回路の出力と前記キャパシタの一端との間に接続された第1のスイッチと、前記第2の電流出力回路の出力と前記キャパシタの他端との間に接続された第2のスイッチと、前記キャパシタの他端と参照電位端との間に接続された第3のスイッチと、前記キャパシタの一端と参照電位端との間に接続された第4のスイッチと、を有する構成としても良い。
【0029】
あるいは、本発明の静電容量検出回路は、センサ電極の電極間容量の検出電荷及び外来ノイズによる電荷を含む信号が流入する電荷積分回路と、前記電荷積分回路の出力をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/D変換器と、を備え、前記電荷積分回路は、前記電極間容量との間で転送される電荷を蓄積するキャパシタを備え、前記センサ電極の駆動側電極に与える駆動信号により転送される電荷を前記キャパシタで連続的に積分する静電容量検出回路であって、前記電荷積分回路は、前記センサ電極の検出側電極の電位と参照電位とが入力される第1の差動増幅器と、前記第1の差動増幅器の出力電圧で出力電流が制御される第1の電流出力回路と、前記第1の電流出力回路の出力電流が前記第1の差動増幅器の入力へ帰還する帰還経路と、を備えた第1の演算増幅器と、前記センサ電極の検出側電極の電位と前記参照電位とが入力する第2の差動増幅器と、前記第2の差動増幅器の出力電圧で出力電流が制御される第2の電流出力回路と、を備えた第2の演算増幅器と、前記第2の電流出力回路の出力電流を積分する前記キャパシタの電位を初期化するとともに、前記センサ電極の検出側電極から流入する電荷の向きに応じて前記第2の演算増幅器の出力と前記キャパシタとの接続を切り替える切替回路と、を備えた
ことを特徴とする。
【0030】
上記静電容量検出回路において、前記A/D変換器は、デルタシグマ型変換器で構成しても良い。これにより、高いノイズ耐性を実現できる。
【0031】
本発明の入力デバイスは、互いに直交するX電極群とY電極群とがマトリクス状に配置されたセンサ電極と、前記センサ電極の電極間容量の変化を検出する静電容量検出回路とを具備した入力デバイスであって、前記静電容量検出回路は、上記いずれかの構成を採ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、回路規模の拡大や消費電力の増大を抑え、外来ノイズの多い環境下でもノイズの影響を抑制して、微小な静電容量の変化を高いS/N比で安定して検出可能な静電容量検出回路を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1には、本実施の形態1に係る静電容量検出回路1に対して、タッチパッド、タッチセンサ等のセンサ電極2が接続されている状態が示されている。センサ電極2は、2次元の平面に形成され、互いに直交するX電極群3とY電極群4とがマトリックス状に配置されている。センサ電極2のX電極群3とY電極群4をマトリックス状に配置することで、人間の指の近接の位置を検出できるようにしている。
【0035】
X電極群3及びY電極群4のそれぞれの電極(X電極、Y電極)は、シールド板などに対するGND容量Cpが存在する。また、
図1では1箇所のみ図示されているが、X電極とY電極の各交点には電極間容量Cmがそれぞれ形成される。この電極間容量Cmは、指が近接すると減少するため、各交点の静電容量を検出する事により指の近接位置を特定することができる。
【0036】
図2には、
図1において代表的なX電極1本とY電極1本のセンサ構成部分(電極間容量Cmが形成される交差点に相当)と、当該センサ構成部分に対応した静電容量検出回路1のブロック図が示されている。
図1のX電極を駆動電極とした場合のノード(駆動電極ノード)Sin、Y電極を検出電極とした場合のノード(検出電極ノード)Ainとして、駆動電極ノードSinから矩形波などの駆動信号を与えることで電極間容量Cmの大きさに応じた電荷量をチャージアンプ10で電圧に変換するものである。駆動電極ノードSinの電圧源VDD端子側は信号PUにてON/OFF制御されるスイッチSW1が設けられ、駆動電極ノードSinのGND端子側は信号PDにてON/OFF制御されるスイッチSW2が設けられる。
【0037】
図3はチャージアンプ10の具体的構成例を示す。検出電極ノードAinから演算増幅器11の負入力の経路に信号APTにてON/OFF制御される捕捉スイッチSW3を直列に設け、電極間容量Cmの電荷及び外来ノイズによる電荷を含む信号のチャージアンプ10への流入期間を制御する。つまり、捕捉スイッチSW3はチャージアンプ10への電荷の流入期間を制御することで、ON期間でチャージアンプ10へ電荷を含む信号が流入することでチャージアンプ10の出力が変化し、OFF期間では電荷を含む信号の流入が止まり、チャージアンプ10の出力がホールドされる。このことから、捕捉スイッチSW3がチャージアンプ10への流入期間を制御することにより、チャージアンプ出力となるアナログ信号をアナログ/ディジタル変換のタイミングにあわせて正確に捕捉しておくことができる。演算増幅器11の出力から負入力への帰還経路には信号φ1でON/OFF制御される切替SW4−1、4−2、及び信号φ2でON/OFF制御される切替スイッチ5−1、5−2の4つを設ける。これらの切替スイッチSW4−1、5−1、4−2、5−2が切替回路を構成する。この切替回路によりキャパシタとしての帰還容量Cfbの2つの端子が正と逆の向きに切り替え接続できる構成となっている。演算増幅器11の正入力には参照電位VRが接続される。参照電位は出力信号のダイナミックレンジを大きく取れるように演算増幅器11の電源の中点付近に設定される。
【0038】
チャージアンプ10の出力Aoutはアナログ/ディジタル変換器20に入力される(
図2参照)。アナログ/ディジタル変換器20は、変換タイミング規定信号AQが入力され、信号AQの立ち上りのタイミングで出力Aoutと参照電位VRの差分の電位をディジタル信号Doutに変換する。つまり、補足スイッチSW3でチャージアンプ10への電荷を含む信号の流入を制御し、捕捉スイッチSW3がOFFの時にチャージアンプ11の出力をホールドした状態で、信号AQの立ち上りに応じてAD変換することでノイズフィルタ効果の悪影響を排除する。
【0039】
図4に本実施の形態の動作説明のためのタイミングチャートを示す。信号PU、PDは各スイッチSW1,SW2をON/OFF制御することにより、駆動電極ノードSinに矩形波を与えるための信号である。信号PUがONになることでスイッチSW1がONするとVDDの電位が駆動電極ノードSinに設定され、信号PDがONになることでスイッチSW2がONするとGNDの電位が駆動電極ノードSinに設定される。スイッチSW1,SW2をON/OFF制御する信号PU、PDは通常ノンオーバーラップ信号(ON期間が重ならない)とするが、単純なディジタル信号をそのまま反転させるインバータロジックでも代用できる。
【0040】
T1〜T6は駆動信号のエッジのタイミングを示しており、この例では立ち上り、立ち下がりの両エッジで6回分の転送電荷を取り込んで積分した出力Aoutの電圧を参照電位VRとの差分として計測することとした例を示している。
【0041】
初めに、リセットシーケンスにおいてAPT、φ1、φ2の何れの信号(捕捉スイッチSW3,切替SW4−1、5−1、4−2、5−2)もONにして帰還容量Cfbの電荷をリセットすると共に検出電極ノードAinを参照電位VRに設定する。次に、APT、φ1、φ2の各信号(スイッチSW3,SW4−1、5−1、4−2、5−2)をOFFしてリセットシーケンスが終了する。
【0042】
次のタイミングT1で信号PUをONにすることでスイッチSW1をONにして駆動電極ノードSinをVDDへ遷移させると同時に信号APT、信号φ1をONにする。この時、演算増幅器11は帰還容量Cfbを介して負入力の電位を参照電位VRと同じ電位に保とうとして負帰還動作を行うため、センサ電極2から転送される電荷により出力Aoutは参照電位VRから降下した電位となる。外来ノイズの無い状態においては、駆動信号の各エッジによる出力Aoutの電位変化ΔAoutは、転送される電荷量から、次のようになる。
ΔAout=VDD×Cm/Cfb (1)
【0043】
図4では出力Aoutの変化のタイミング時の矢印の長さがΔAoutの大きさを示している。次に、信号APTをOFFにして捕捉スイッチSW3をOFFにすることで、センサ電極2とチャージアンプ10との電荷のやり取りが遮断される。更に信号PU及びφ1がOFFになり、各スイッチSW1、SW4−1、SW4−2がOFFになる。
【0044】
次のタイミングT2において駆動電極ノードSinをGNDへ遷移させるために信号PDがONする。また同時に信号APT、信号φ2がONする事でタイミングT1の時と逆向きの電荷移動がセンサ電極2とチャージアンプ10との間で起こるが、帰還容量Cfbの接続が信号φ1の時と逆向きになり、参照電位VRに対して正方向に蓄積された電荷になるため、参照電位VRに対して正の電位として変化することになる。
【0045】
このような動作がT3〜T6まで繰り返されたあと、信号AQの立ち上りエッジのタイミングでチャージアンプ10の出力Aoutと参照電位VRとの差の電位を静電容量計測値としてアナログ/ディジタル変換する。
【0046】
この一連のリセットシーケンス、検出シーケンスを繰り返し行いながら電極間容量Cmの大きさを検出するが、この実施の形態においては外来ノイズが混入しても、時間的に隣接してチャージアンプ10に取り込まれるノイズ電荷量は、
図4の一番下に示すように、ノイズN1−1,1−2,1−3の部分とノイズN2−1,2−2,2−3の部分とで相殺されるため、検出回路としてのノイズ耐性が大きく向上することになる。
【0047】
また、本発明は検出シーケンスが6回に限定されるものではなく、出力Aoutとして出力される電位がGNDとVDDの範囲に収まる範囲またはチャージアンプ10の動作電源範囲において、できるだけ多く繰り返されることでノイズ削減効果が大きくなる。更に駆動信号の立ち上り及び立ち下りそれぞれの電荷遷移が同じ回数行われることで、更にノイズ削減効果が大きくなる。
【0048】
チャージアンプ10のアナログ信号をディジタル信号に変換するタイミングを捕捉するための手段として、信号APTでON/OFF制御される捕捉スイッチSW3を導入した場合について説明したが、ここで捕捉スイッチSW3(信号ATP)を導入しない場合の問題点について説明する。例えば、信号APTでON/OFF制御される捕捉スイッチSW3を設けずに出力Aoutをアナログ/ディジタル変換器20に接続したとする。アナログ/ディジタル変換器20は内部にコンパレータを持つものが多いので、例えばアナログ/ディジタル変換器を1ビット出力としたコンパレータの場合について例示する。
図5に示すように、コンパレータ21の出力をCoutとし、その出力Coutを信号AQでラッチするラッチ回路22の出力をDoutとする。外来ノイズがある場合の出力Aoutとコンパレータ出力Coutの関係を
図6に示す。例えば、単一周波数のノイズが混入しその位相が異なる場合を想定すると、位相がN1のときのコンパレータ出力はCout1、位相がN2のときのコンパレータ出力はCout2となる。コンパレータ21は出力Aoutと参照電位VRを比較してHigh/Lowの出力をするが実際には時間遅延が存在し、
図6のような遅延(Delay)が生じてしまう。出力Aoutの電圧がN1、N2で全く同じとなる信号AQのタイミングでアナログ/ディジタル変換のタイミングを規定してもラッチされるディジタル信号は異なる値となってしまい、結果としてチャージアンプ10でのノイズのフィルタリング効果が大きく損なわれる。
【0049】
よって、出力Aoutをディジタル信号に変換するタイミングでアナログ信号を捕捉スイッチSW3(信号APT)で捕捉することで本来のフィルタリング効果が発揮されることになる。
図7Aのように、アナログ/ディジタル変換器20のコンパレータ21自体にラッチ機能を持たせたり、
図7Bのようにコンパレータ21の直前に出力Aout信号のトラック/ホールド回路23を付加したりしても信号APTで制御されるスイッチSW3と同様の効果を得る事ができる。
【0050】
(実施の形態2)
次に、チャージアンプ10の一部を変形した実施の形態2について説明する。
信号φ1、φ2で制御される切替回路(切替スイッチSW4−1、5−1、4−2、5−2)は通常はスイッチが互いに同時にONしないように制御されるため、信号φ1、φ2は、
図8に示すようなノンオーバーラップ信号となる。また、実際のスイッチはデータ信号が搬送され、スイッチに対して入出力されるデータ信号入出力部とスイッチを制御する制御信号が入力される制御信号入力部との間に静電容量結合が生じる。設計上その結合をキャンセルするためにダミートランジスタを設けるなどの手法がとられるが、無視できない影響が残る場合がある。この場合、
図8、
図9に示すように、スパイク状のノイズNinが発生する可能性がある。ノイズ発生時に信号φ1、φ2がともにOFFとなっている期間では、演算増幅器11には負帰還がかからずオープンループとなってしまう事から、出力Aoutに大きな出力変化が起こってしまう。この状態から次に信号φ1ないしφ2がONすると帰還容量Cfbに不要な電荷が流入してチャージアンプ出力のSN比の劣化が生じる場合がある。
【0051】
そこで、実施の形態2に適用されるチャージアンプ10は、
図10に示すように、演算増幅器11の負入力と出力の帰還経路に、抵抗値Rfbの抵抗素子12を接続する構成とした。
図10において
図3に示すチャージアンプ10と同一部分については同一符号を付している。かかる構成を有するチャージアンプ10において、スパイク状のノイズNinが発生したとしても、常に出力からの負帰還制御が抵抗素子12を介して行われる状態となるので、出力Aoutには大きな変化が発生しない。よって、出力AoutのSN比の大きな劣化を回避する事ができる。ただし、Cfb×Rfb(時定数)がサンプリング周期より小さくなると抵抗素子12による電荷のリークが無視できなくなる。よって、Cfb×Rfb(時定数)をリークの影響が無視できる大きさに設定するなどの注意が必要となる。
【0052】
また、帰還経路に接続されるものは抵抗素子12に限らず、トランジスタ、ダイオード等の能動素子やインピーダンス素子と能動素子を組み合わせた回路網を用いても良い。例えば、抵抗素子12の代わりにトランジスタのOFF特性を利用したデバイスを使うことで、製造プロセスの削減に寄与できる。
【0053】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3は、出力Aoutを駆動電極ノードSinの立ち上りエッジの時はサンプリング容量Csnにサンプリングし、駆動電極ノードSinの立ち下がりエッジの時はサンプリング容量Cspにサンプリングする。
【0054】
図11は本実施の形態3に適用されるチャージアンプ10及びアナログ/ディジタル変換器20の構成を示す。
図11において
図3に示すチャージアンプ10と同一部分については同一符号を付している。アナログ/ディジタル変換器20の負入力(N)に対してサンプリング容量Csnが接続されると共に、信号φ1によって制御されるスイッチSW4−3を介して演算増幅器11の出力Aoutが出力される。また、正入力(P)に対してサンプリング容量Cspが接続されると共に、信号φ2によって制御されるスイッチSW5−3を介して演算増幅器11の出力Aoutが出力される。
【0055】
図12に実施の形態3の動作説明のためのタイミングチャートを示す。
図4と同一動作部分は説明を省略する。演算増幅器11の出力Aoutをサンプリング容量CsnとCspに振り分けるスイッチSW4−3、SW5−3の制御に信号φ1、φ2ではなく、信号φ1、φ2より短い期間に設定する事で捕捉スイッチSW3(APT)の機能を代用することも可能である。
【0056】
本例においても、タイミングT1〜T6で積分動作を行うが、タイミングT1、T3、T5ではサンプリング容量Csnに負側のチャージアンプ出力が蓄積され、タイミングT2、T4、T6ではサンプリング容量Cspに正側のチャージアンプ出力が蓄積される。検出シーケンスの最後でアナログ/ディジタル変換するときは、サンプリング容量CsnとCspの電位の差(P−N)を計測値とする。
【0057】
これにより、チャージアンプ出力のダイナミックレンジを有効に使うことができ、アナログ信号として2倍の出力を得られることになる。したがって、わずかな回路素子の追加で更にSN比の向上が可能となる。また、コンパレータ21の比較対象が正極(P)と負極(N)の電圧になるため、低周波ノイズがコモンモードに変換されるため、積分の効果と差動の効果の両方によるノイズフィルタ効果が得られる。
【0058】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態4は、アナログ/ディジタル変換器20として、1ビット出力のコンパレータ24を用いてデルタシグマ型のアナログ/ディジタル変換器を実現したものである。
【0059】
図13は実施の形態4に係る静電容量検出回路のブロック図である。アナログ/ディジタル変換器20は、1ビット出力のコンパレータ24とディジタルフィルタ25とで構成されたデルタシグマ型のアナログ/ディジタル変換器である。コンパレータ24の出力を、デルタシグマ帰還容量Cdsを介して入力に帰還することでデルタシグマ変調を行うものである。デルタシグマ帰還容量Cdsの帰還タイミングはデルタシグマ帰還制御ロジック30で制御される。
【0060】
図14に実施の形態4の動作説明のためのタイミングチャートを示す。なお、駆動信号を発生させ、APT、φ1、φ2の制御信号によりチャージアンプ10にセンサ電極から電荷を取り込む動作は、実施の形態1と同様である。
【0061】
リセットシーケンスにおいて、信号φ1、φ2によって切替スイッチSW4−1、5−1、SW4−2、5−2をONすることにより帰還容量Cfbの電荷をリセットするところまでは実施の形態1と同様である。続いて行う最初の駆動信号の立ち上がり、立ち下がりの両エッジ(T1、T2)での積分動作において、信号Ddsが駆動信号と逆向きに変化することで初期電荷を帰還容量Cfbに転送する。このとき、駆動電極ノードSinに発生させる駆動信号による電荷転送も同時に行われる。信号Ddsの変化によりデルタシグマ帰還容量Cdsを介して帰還容量Cfbへ転送される信号Ddsの1つのエッジに対応する初期電荷Qdsは、Ddsの変化の大きさを駆動信号と同じVDDとすると次のように表わされる。
Qds=VDD×Cds (2)
【0062】
図14において、その電荷量に対応する出力Aoutの出力波形を破線で示すが、通常、Qdsの大きさは電極間容量に対応する電荷(VDD×Cm)より大きくなるように設定するので、駆動信号による転送電荷で矢印の方向に電荷が差し引かれる事で実線の波形となる。初期電荷はT1、T2の両エッジで帰還容量Cfbへ転送するため、トータルで(2)式の2倍の電荷が帰還容量Cfbへ初期電荷として転送される。
【0063】
駆動信号によりタイミングT1〜T5までのエッジで電極間容量Cmに対応する電荷が転送されるため、帰還容量Cfbの初期電荷から差し引かれる形で転送されていくことになり、チャージアンプ出力が参照電位に近づくようになる。駆動信号エッジの立ち上り、立ち下がりの単位での電荷転送完了後に信号AQが立ち上がることで、出力Aoutと参照電位VRとを比較した結果を示す比較結果信号(1ビット)をディジタルフィルタ25に取り込みながらFIRフィルタなどのディジタルフィルタリング処理で多ビットの出力Dout’に変換して出力する。コンパレータ24の比較結果(0または1)をディジタルフィルタ25が信号AQでラッチした値を、
図14の出力Aoutの下部に示している。
【0064】
T6の駆動エッジでの電荷転送後、出力Aoutが参照電位VRより大きくなると、コンパレータ24出力がHighになり信号AQの立ち上りタイミングではディジタルフィルタ25は[1]をラッチするとデルタシグマ帰還制御ロジック30にその情報が送出され、信号Ddsが次の駆動信号のエッジのタイミングT7及びT8でデルタシグマ変調の帰還信号としてフィードバックされる。この時の信号Ddsによる電荷転送も初期電荷の転送と同様にDdsの両エッジを使用して行われる。また、デルタシグマ帰還容量Cdsの大きさを変えることで出力ディジタル値のゲインを調整することが可能である。
【0065】
この一連の動作のように初期電荷(VDD×Cds×2)から駆動信号による電極間容Cmの大きさに応じた電荷が差し引かれる形で電荷積分動作が行われ、コンパレータ24出力結果をデルタシグマ帰還容量Cdsを介してその容量値に応じた電荷がフィードバックされることで簡単な構成でノイズ耐性の高いアナログ/ディジタル変換器を含む静電容量検出回路が構成できる。
【0066】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態5は、アナログ/ディジタル変換器20として、1ビット出力のコンパレータ24を用いてデルタシグマ型のアナログ/ディジタル変換器を実現したものである。基本的な構成及び動作は実施の形態4と同様であるので、ここでは主に実施の形態4との相違点について説明する。
【0067】
図15は実施の形態5に係る静電容量検出回路の構成図である。
図11、
図13に示す静電容量検出回路と同一部分には同一符号を付している。
【0068】
コンパレータ24の入力は出力Aoutを駆動電極ノードSinの立ち上りエッジの時はサンプリング容量Csnにサンプリングし、駆動電極ノードSinの立ち下がりエッジの時はサンプリング容量Cspにサンプリングする構成となっている。したがって、駆動信号の立ち下がりエッジ後においてコンパレータ24の負入力(Csnの電位)に対して正入力(Cspの電位)を比較し、その結果によりデルタシグマ変調を行う。
【0069】
図16のタイミングチャートにおいてはT6の駆動信号立ち下がりエッジ後にコンパレータ24入力において負入力(N)<正入力(P)になることで比較結果[1]がディジタルフィルタ25に転送されると共に、デルタシグマ帰還制御ロジック30、デルタシグマ帰還容量Cdsを介したデルタシグマ帰還動作が行われる。
【0070】
この場合、実施の形態3と同様に、コンパレータ24の比較対象がPとNの電圧になるため、低周波ノイズがコモンモードに変換されるため、積分の効果と差動の効果の両方の効果によるノイズフィルタ効果が得られ、簡単な構成でノイズ耐性の高いアナログ/ディジタル変換器を含む静電容量検出回路が構成できる。
【0071】
(実施の形態6)
実施の形態6に係る静電容量検出回路は、
図1に示す静電容量検出回路1と同様に、センサ電極2を構成するX電極群3とY電極群4とに接続されていて、指の近接位置を特定するために、X電極とY電極の各交点に形成される電極間容量Cmの大きさに応じた電荷量を検出する。
【0072】
図17には、
図1において代表的なX電極1本とY電極1本のセンサ構成部分(電極間容量Cmが形成される交差点に相当)と、当該センサ構成部分に対応した静電容量検出回路100のブロック図が示されている。
図1のX電極を駆動電極とし、Y電極を検出電極として、駆動電極ノードSinから矩形波などの駆動信号を与えることで電極間容量Cmの大きさに応じた電荷量を電荷積分回路110で検出する。
【0073】
図18は電荷積分回路110の具体的構成例を示す。電荷積分回路110は、差動増幅器111と、第1の電流出力回路gmA(gm1、gm2)と、第1の電流出力回路gmAとカレントミラー構成をとる第2の電流出力回路gmB(gm1’、gm2’)と、第2の電流出力回路gmBの出力に接続される積分キャパシタCintと、積分キャパシタCintの両端の端子が第2の電流出力回路gmBの出力及びVDD(電圧源)、GND(グラウンド)、VR(参照電位)に選択的に接続するためのスイッチSWf1、SWf2、SWr1、SWr2、SWrstを備える。これらスイッチSWf1、SWf2、SWr1、SWr2、SWrstが切替回路を構成する。差動増幅器111と第1の電流出力回路gmAとからなる回路ブロックは、一般的に演算増幅器OPAと呼ばれ、演算増幅器OPAと第2の電流出力回路gmBをあわせた回路ブロックは電流コンベア回路CCと呼ばれる。
【0074】
図18に示す例では、演算増幅器OPAにおける差動増幅器111の負入力に検出電極ノードAinが接続され、正入力に参照電位VRが接続される。参照電位VRは出力信号のダイナミックレンジを大きく取れるように、通常は演算増幅器OPAの電源の中点付近に設定されるが、本例では参照電位VRは電源の中点電圧とする。差動増幅器111の出力段に第1の電流出力回路gmA及び第2の電流出力回路gmBが接続される。第1の電流出力回路gmAは、電圧源(VDD)とグラウンド(GND)との間に直列に接続された2つの相互コンダクタンス素子gm1、gm2で構成される。相互コンダクタンス素子gm1、gm2は、例えばMOSトランジスタ構造を有していて、ゲート−ソース間に印加される電圧に応じてドレイン電流が変化する。差動増幅器111の正入力と負入力の電位差に応じて相補的に変化する第1出力と第2出力により相互コンダクタンス素子gm1、gm2を制御して演算増幅器OPAとして電圧/電流変換を行う機能を実現する。相互コンダクタンス素子gm1、gm2の中間接続点が負帰還経路112を介して差動増幅器111の負入力に接続されている。また、第2の電流出力回路gmBは、電圧源(VDD)とグラウンド(GND)との間に直列接続された2つの相互コンダクタンス素子gm1’、gm2’で構成される。相互コンダクタンス素子gm1’、gm2’は、例えばMOSトランジスタ構造を有していて、ゲート−ソース間に印加される電圧に応じてドレイン電流が変化する。相互コンダクタンス素子gm1とgm1’は差動増幅器の第1出力で制御され、相互コンダクタンス素子gm2とgm2’は差動増幅器の第2出力で制御される。すなわち、第2の電流出力回路gmBは、第1の電流出力回路gmAとカレントミラー構成を取っており、第1の電流出力回路gmAと第2の電流出力回路gmBとの間のカレントミラー比を調整することができる。外部ノイズによって積分キャパシタCintが飽和しないように、カレントミラー比を調整することにより、積分キャパシタCintのサイズを大型化することなくノイズ耐性を改善できる。積分キャパシタCintは、相互コンダクタンス素子gm1’と相互コンダクタンス素子gm2’の中間接続点(電流コンベア回路CCの出力)に対して、一方の端子がスイッチSWf1を介して接続可能に構成され、他方の端子がスイッチSWr1を介して接続可能に構成されている。また、積分キャパシタCintは、一方の端子がスイッチSWr2を介して電圧源(VDD)に接続され、他方の端子がスイッチSWf2を介してグラウンド(GND)に接続される。さらに、積分キャパシタCintは、一方の端子がスイッチSWrstを介して参照電位VRに接続されるように構成されている。積分キャパシタCintの他方の端子に現れる電圧が電荷積分回路110の出力Aoutとなる。
【0075】
図17に示すように、電荷積分回路110の出力Aoutはアナログ/ディジタル変換器20に入力される。アナログ/ディジタル変換器20は、変換タイミング規定信号となる信号AQの立ち上りのタイミングで電荷積分回路110の出力Aoutと参照電位VRとの差分の電位をディジタル信号Doutに変換する。
【0076】
図19は、
図18で示す電荷積分回路110を使用したときの動作タイミングを示す図である。
図4に示すタイミングチャートと同様に、PU、PDによってON/OFF制御される各スイッチSW1,SW2は駆動電極ノードSinに矩形波を発現するためのスイッチであり、PUによってスイッチSW1がONするとVDD、PDによってスイッチSW2がONするとGNDの電位が、駆動電極ノードSinに設定される。PU、PDは通常ノンオーバーラップ信号とするがディジタル信号を反転させる単純なインバータロジックでも代用できる。
図19のタイミングチャートにおけるT1〜T6はセンサ電極2からの電荷転送が起こる駆動信号のエッジのタイミングを示しており、この例では立ち上り、立ち下がりの両エッジで6回分の転送電荷が起こる。そして、積分キャパシタCintにおいて6回分の転送電荷を積分した値である出力Aoutを参照電位VRとの差分として計測することとした例を示している。
【0077】
初めに、リセットシーケンスにおいて、PDによりスイッチSW1をONして駆動電極ノードSinをGNDに初期化する。それと同時にスイッチSWrst、SWf2をONにして積分キャパシタCintの電荷を初期化する。このとき、積分キャパシタCintの両端の電位差はVR−GNDであり、GND=0とすると参照電位VRになる。検出ノードAinは演算増幅器OPAのボルテージフォロワ動作により参照電位VRと常に等しくなるように演算増幅器OPA出力から常に帰還がかかっている。次に、スイッチSW1、スイッチSWrstをOFFしてリセットシーケンスが終了する。
【0078】
検出シーケンスでは、タイミングT1でPUによりスイッチSW1をONして駆動電極ノードSinをVDDへ遷移させると同時にスイッチSWf1をONする。このとき、演算増幅器OPAは負入力の電位を参照電位VRと同じ電位に保とうとして負帰還動作を行うため、第1の電流出力回路gmA(gm1、gm2)からセンサ電極2に対して電荷をやり取りするため電流が流れる。具体的には次のような動作となる。駆動電極ノードSinに現れる駆動信号の立ち上がりエッジによって電極間容量Cmが刺激され、検出電極ノードAinの電圧が高くなる方向に変化する。このときの上昇電位は電極間容量Cmの蓄積電荷量に対応する。検出電極ノードAinの電圧変化に対応して差動増幅器111の負入力が参照電位VRよりも高くなると、相互コンダクタンス素子gm2のドレイン電流の方が相互コンダクタンス素子gm1のドレイン電流より大きくなる。相互コンダクタンス素子gm1と相互コンダクタンス素子gm2とでドレイン電流にアンバランスが生じると、相互コンダクタンス素子gm1と相互コンダクタンス素子gm2のドレイン電流の差分に相当する電流が、帰還経路112を経由して差動増幅器111の負入力に負帰還される。よって、検出電極ノードAinの電圧が下がり、負入力の電位が参照電位VRと同じ電位に戻される。このとき、電極間容量Cmから帰還経路112及び相互コンダクタンス素子gm2を経由してグラウンドに流れる電流量は、駆動信号の立ち上がりエッジによって駆動された電極間容量Cmの蓄積電荷に対応している。
【0079】
その時、第2の電流出力回路gmBは、第1の電流出力回路gmAとのカレントミラー比に応じた電流を出力する。具体的な動作は次のようになる。第2の電流出力回路gmBは、第1の電流出力回路gmAと同様に、相互コンダクタンス素子gm2’のドレイン電流の方が相互コンダクタンス素子gm1’のドレイン電流より大きくなる。積分キャパシタCintの一方の端子はスイッチSWf1を介して相互コンダクタンス素子gm1’と相互コンダクタンス素子gm2’の中間接続点に接続されていて、かつ積分キャパシタCintの他方の端子がスイッチSWf2を介してグラウンドに接続されているので、積分キャパシタCintから相互コンダクタンス素子gm2’を経由してグラウンドに電流が流れる。したがって、積分キャパシタCintの一方の端子に現れる電圧A’は参照電位VRから降下する電位となる。この時の出力電圧AoutはGNDである。外来ノイズの無い状態においては、駆動信号の立ち上がりエッジによるA’の電位変化ΔA’は転送電荷から(3)式のように表わすことができる。なお、駆動信号の立ち下がりエッジによるA’の電位変化ΔA’も同様である。
ΔA’=B×VDD×Cm/Cint (3)
Bは電流出力回路gmA,gmBのカレントミラー比を示す。第1の電流出力回路gmAと第2の電流出力回路gmBの電流出力をI1、I2とすると、B=I2/I1である。よって、この時の積分キャパシタCintの端子間の電位差(A’−Aout)はVR−ΔA’となる。次にスイッチSWf1、SWf2をOFFして、センサ電極2からの転送電荷に比例した電圧のΔA’分だけ参照電位VRから変化した積分キャパシタCintの電圧が保持される。その後、PUによりスイッチSW1がOFFになる。
【0080】
次のタイミングT2においてPDによりスイッチSW2がONすることで駆動電極ノードSinには駆動信号の立ち下がりエッジが現れる。同時にスイッチSWr1、SWr2がONすることにより、タイミングT1の立ち上がりエッジで駆動された時とは逆向きの電荷転送がセンサ電極2と電荷積分回路110との間で起こる。具体的には次のような動作となる。駆動電極ノードSinに現れる駆動信号の立ち下がりエッジによって電極間容量Cmが刺激され、検出電極ノードAinの電圧が低くなる方向へ降下する。このときの降下電位は電極間容量Cmの蓄積電荷量に対応している。検出電極ノードAinの電圧変化に対応して差動増幅器111の負入力が参照電位VRよりも低くなると、相互コンダクタンス素子gm1のドレイン電流の方が相互コンダクタンス素子gm2のドレイン電流より大きくなるアンバランスが生じる。相互コンダクタンス素子gm1と相互コンダクタンス素子gm2のドレイン電流の差分に相当する電流が、帰還経路112を経由して差動増幅器111の負入力に負帰還される。よって、検出電極ノードAinの電圧が上昇し、負入力の電位が参照電位VRと同じ電位に戻される。このとき、電圧源から相互コンダクタンス素子gm1および帰還経路112を経由して電極間容量Cmに流れる電流量は、駆動信号の立ち下がりエッジによって駆動された電極間容量Cmの蓄積電荷に対応している。
【0081】
このとき、第2の電流出力回路gmBは、第1の電流出力回路gmAとのカレントミラー比に応じた電流を出力する。具体的な動作は次のようになる。第2の電流出力回路gmBは、第1の電流出力回路gmAと同様に、相互コンダクタンス素子gm1’のドレイン電流の方が相互コンダクタンス素子gm2’のドレイン電流より大きくなる。積分キャパシタCintの一方の端子がスイッチSWr2を介して電圧源(VDD)に接続され、積分キャパシタCintの他方の端子はスイッチSWr1を介して相互コンダクタンス素子gm1’と相互コンダクタンス素子gm2’の中間接続点に接続されているので、電圧源(VDD)から相互コンダクタンス素子gm1’及びスイッチSWr1を経由して積分キャパシタCintに電流が流れる。よって、積分キャパシタCintの一方の端子に現れる電圧A’はVDDとなり、タイミングT2においては駆動電極ノードSinに印加される駆動信号の立ち下がりエッジになるので、電流コンベア回路CCの出力は接続された積分キャパシタCintの他方の端子に現れる出力電圧Aoutを上昇(正)方向に変化させる。
図19においては、出力Aoutの収束タイミング時の矢印1個分がΔA’を表しており、このときの収束電位はVDD−VR+2×ΔA’となる。
【0082】
このような動作がタイミングT3〜T6まで繰り返されたあと、アナログ/ディジタル変換器20において信号AQの立ち上りエッジのタイミングで電荷積分回路110の出力Aoutと参照電位VRとの差の電位が静電容量計測値としてアナログ/ディジタル変換される。
【0083】
この一連のリセットシーケンス、検出シーケンスを繰り返し行いながら電極間容量Cmの大きさを検出するが、この実施の形態6においては外来ノイズが混入しても、
図19に示すように、時間的に隣接して電荷積分回路110に取り込まれる電荷量はノイズN1−1,1−2,1−3の部分とノイズN2−1,2−2,2−3の部分とで相殺されるために、その電荷量に比例した電荷を積分する積分キャパシタCintでの検出シーケンス後の電圧はノイズ電荷が平均化された電圧となる。したがって、ノイズの影響を低減できることになり、特に低周波ノイズにおいて低減効果が大きい。
【0084】
また、検出シーケンスは6回に限定されるものではなく、出力Aoutとして出力される電位がGNDとVDDの範囲に収まる範囲または回路の動作可能範囲において、できるだけ多く繰り返されることでノイズ削減効果が大きくなる。更に駆動信号の立ち上り及び立ち下りエッジそれぞれでの電荷遷移が同じ回数行われることが望ましい。更に、実施の形態1に示すチャージアンプ10を使用した場合よりも、第1の電流出力回路gmAと第2の電流出力回路gmBのカレントミラー比Bの設計自由度があることから、その設定により積分キャパシタCintのサイズを小さくする事が可能となり、全体として回路規模を小さくする事が可能となる。
【0085】
図20に電荷積分回路の変形例を示す。この変形例に係る電荷積分回路は、積分キャパシタCintの両端の接続先を切り替える切替回路の構成を除けば、実施の形態6に示した電荷積分回路110(
図18)と基本的な原理は同じである。実施の形態6に示した電荷積分回路110は積分キャパシタCintの一方の端子はスイッチSWr2を介して電圧源(VDD)に接続可能に構成され、他方の端子はSWf2を介してグラウンド(GND)に接続可能に構成されていたが、本変形例では積分キャパシタCintの一方の両方の端子ともスイッチSWf2およびスイッチSWr2を介して参照電位VRに接続可能になるように構成される。
【0086】
図21は変形例に係る電荷積分回路を使用したときの動作タイミングを示す図である。この変形例では、リセットシーケンスにおいて、スイッチSWf2及びスイッチSWr2がOFFすることにより、積分キャパシタCintの両端の端子はいずれも参照電位VRに接続されて初期化される。
【0087】
また、各タイミングT1、T2…での積分動作において、積分キャパシタCintが電流コンベア回路CCに接続される側と反対の端子が参照電位VRに接続される以外は、
図18で示した電荷積分回路110の具体例と同様の動作である。例えば、タイミングT1では、スイッチSWf1がONして積分キャパシタCintの一方の端子が電流コンベア回路CCの出力(相互コンダクタンス素子gm1’と相互コンダクタンス素子gm2’の中間接続点)に接続され、スイッチSWf2はONのままであるので積分キャパシタCintの他方の端子は参照電位VRに接続される。また、タイミングT2では、スイッチSWr1がONして積分キャパシタCintの他方の端子が電流コンベアCC回路の出力(相互コンダクタンス素子gm1’と相互コンダクタンス素子gm2’の中間接続点)に接続され、スイッチSWr2がONして積分キャパシタCintの一方の端子は参照電位VRに接続される。
【0088】
このような変形例によれば、実施の形態6に示される電荷積分回路110に比べて1つのスイッチSWrstを削減できる。
【0089】
(実施の形態7)
次に本発明の実施の形態7について説明する。本実施の形態7は、実施の形態4と同様に、アナログ/ディジタル変換器20として、1ビット出力のコンパレータを用いてデルタシグマ型のアナログ/ディジタル変換器を実現したものである。電荷積分回路110は実施の形態6における
図18または変形例(
図20)と同一構成を採ることができる。
【0090】
図22は、本実施の形態7に適用されるアナログ/ディジタル変換器20の構成例を示す図である。アナログ/ディジタル変換器20は、電荷積分回路110の出力Aoutと参照電位VRとを比較する1ビット出力のコンパレータ121と、コンパレータ121の出力を信号AQでラッチしながらディジタルフィルタリング処理で多ビットの出力Dout’に変換するディジタルフィルタ122と、デルタシグマ帰還容量Cdsの帰還タイミングを制御するデルタシグマ帰還制御ロジック123とを有する。コンパレータ121の出力を、デルタシグマ帰還容量Cdsを介して入力に帰還することでデルタシグマ変調を行うものである。デルタシグマ帰還容量Cdsの帰還タイミングはデルタシグマ帰還制御ロジック123で制御される。
【0091】
図23に本実施の形態7に係る静電容量検出回路のタイミングチャートを示す。このタイミングチャートでは電荷積分回路として実施の形態6の変形例(
図20)を採用した場合を例示する。なお、駆動信号を発生させ、電荷積分回路110にセンサ電極2から電荷を取り込む動作は、実施の形態6の変形例と同様である。
【0092】
リセットシーケンスにおいて、PD、スイッチSWf2をONすることにより積分キャパシタCintの電荷を初期化するところまでは実施の形態6の変形例と同様である。続いて行う検出シーケンスにおいて、最初の駆動信号の立ち上がり、立ち下がりの両エッジ(T1、T2)での積分動作において、信号Ddsが駆動信号と逆向きに変化することで初期電荷を電荷積分回路110に転送する。このとき駆動電極ノードSinに発生する駆動信号による電荷転送も同時に行われる。信号Ddsの変化によりデルタシグマ帰還容量Cdsを介して積分キャパシタCintに対して信号Ddsの最初の1つのエッジに対応して転送される初期電荷Qdsは、(4)式で表わされる。
Qds=VDD×Cds×B (4)
Bは実施の形態6と同様に第1及び第2の電流出力回路gmA、gmBのカレントミラー比である。その電荷に対応する出力Aoutの出力波形を
図23中に2点鎖線で示すが、駆動電極ノードSinに印加される駆動信号による転送電荷で矢印の方向に電荷が差し引かれる事で破線の波形(A’)となる。このような動作が駆動信号の次のエッジとなる立下りで同様に行われ、信号Ddsによる初期電荷はタイミングT1、T2の両エッジで積分キャパシタCintへ転送されるため、トータルで(4)式で計算される電荷の2倍の電荷が初期電荷として転送される。
【0093】
駆動信号によりタイミングT1〜T5のエッジでセンサ電極2の電極間容量Cmに対応する電荷が転送されるため、積分キャパシタCintの初期電荷から差し引かれる形で転送されていくことになり、電荷積分回路110の出力が参照電位VRに近づくようになる。駆動信号のエッジの立ち上り、立ち下がりを一組とした単位での電荷転送完了後に、信号AQが立ち上がることで、コンパレータ121が電荷積分回路110の出力Aoutと参照電位VRとの比較結果を示す比較結果信号(1ビット)をディジタルフィルタ122にとりこみながらFIRフィルタなどのディジタルフィルタリング処理で多ビットの出力Dout’に変換して出力する。コンパレータ121の比較結果をディジタルフィルタ122が信号AQでラッチした値を出力Aoutの下部に示しておく(
図23)。
【0094】
駆動信号によるタイミングT6の立ち下がりエッジでの電荷転送後、電荷積分回路110の出力Aoutが参照電位VRより大きくなる。このとき、コンパレータ121の出力がHighになり信号AQの立ち上りタイミングではディジタルフィルタ122は[1]をラッチする。デルタシグマ帰還制御ロジック123にその情報が送出され、信号Ddsが次の駆動信号の立ち上がりエッジ(T7)及び立ち下がりエッジ(T8)のタイミングでデルタシグマ変調の帰還信号としてフィードバックする。また、デルタシグマ帰還容量Cdsの大きさを変えることで出力ディジタル値のゲインを調整することが可能である。
【0095】
この一連の動作のように初期電荷から駆動信号による電極間容量Cmの大きさに応じた電荷が差し引かれる形で電荷積分動作が行われ、コンパレータ121の出力結果をデルタシグマ帰還容量Cdsを介してその容量値に応じた電荷がフィードバックされることで簡単な構成でノイズ耐性の高いアナログ/ディジタル変換器を含む静電容量検出回路が構成できる。
【0096】
なお、上記実施の形態6、7で示した電流コンベア回路CCは、演算増幅器OPAの後段に第2の電流出力回路gmBを配置して、差動増幅器111を共用する構成としたが、本発明はこのような回路構成に限定されない。
【0097】
例えば、
図24に示すように、電荷積分回路110の入力部を2重化することで、電荷積分回路110の入力段へ帰還をかけるための演算増幅器OPA1と、積分キャパシタCintに電荷を蓄積するための演算増幅器OPA2とを備えた構成としても良い。演算増幅器OPA1、OPA2は、
図18に示す演算増幅器OPAと同じものを用いることができる。その他の構成要素には
図18に示す電荷積分回路110の各構成要素と同じ参照符号を付与している。
【0098】
このように、電荷積分回路110の入力段へ帰還をかけるための演算増幅器OPA1と、積分キャパシタCintに電荷を蓄積するための演算増幅器OPA2とを別々に設けた構成としても、上記実施の形態6、7と同様の作用効果を奏することができる。
【0099】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されているセンサ電極の大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。