(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リンク部材は、水平方向に長い長孔と、該長孔に移動可能に挿通された軸と、を有し、前記作動部材の前記押圧部による前記第1の被押圧部の押圧動作によって前記軸を中心として下方に揺動可能であると共に、前記第2の開閉部材による前記第2の被押圧部の押圧動作によって前記長孔に沿って水平方向に移動可能に設けられており、前記第1の被押圧部の押圧動作及び前記第2の被押圧部の押圧動作によって、前記スイッチ部をオン位置に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記リンク部材は、上下方向に長い長孔と、該長孔に移動可能に挿通された軸と、を有し、前記作動部材の前記押圧部による前記第1の被押圧部の押圧動作又は前記第2の開閉部材による前記第2の被押圧部の押圧動作によって前記軸を中心としてシーソー状に揺動可能であると共に、前記作動部材の前記押圧部による前記第1の被押圧部の押圧動作及び前記第2の開閉部材による前記第2の被押圧部の押圧動作によって前記長孔に沿って下方に移動可能に設けられており、前記第1の被押圧部の押圧動作及び前記第2の被押圧部の押圧動作によって、前記スイッチ部をオン位置に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら
図13で説明した従来例の画像形成装置及び特許文献1に記載の画像形成装置においては、開閉検出器105のスイッチ部104を押し込む凸部102及び突起が、開閉部材101の先端や中央寄りの位置に設けられている。
【0007】
このような場合、開閉部材101の反りや捩れ、開閉部材101の寸法のバラツキ等によって凸部102や突起の位置が変わりやすく、開閉部材101を閉じた際に、スイッチ部104やリンク機構が凸部102や突起で正常に押圧されない虞がある。この場合、スイッチ部102やリンク機構の変位量が足りず、開閉部材が閉じられたことを開閉検出器105が正確に検出しないという問題が発生する。
【0008】
本発明は上記事情を考慮し、開閉部材の反りや捩れ等の変形に係らずに開閉部材の開閉状態を正確に検出できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、支軸を中心として該支軸と一体に回動する開閉部材と、該開閉部材の開閉状態を検出する開閉検出器と、を備えた画像形成装置であって、前記支軸と一体に回動する作動部材を備え、該作動部材は、前記支軸を中心とした円弧状の外周面を有する押圧部と、該押圧部の外周面の回転軌跡の内側に形成された外周面を有する逃げ部と、を有し、前記開閉検出器は、前記開閉部材の回動に連動した前記作動部材の回動に伴って前記作動部材の押圧部によって押し込まれるオン位置と、前記開閉部材の回動に連動した前記作動部材の回動に伴って前記逃げ部によって押し込み解除されるオフ位置と、に切り替わるように構成されたスイッチ部を有し、該スイッチ部の切り替えにより前記開閉部材の開閉状態を検出するように設けられていることを特徴とする。
【0010】
このような構成を採用することにより、開閉部材の反りや捩れ等の変形に係らずに開閉部材の開閉状態を正確に検出できる。さらに、押圧部の円弧状の外周部でスイッチ部を押し込むので、開閉部材の開閉角度にバラツキが生じた場合でもスイッチ部を押圧部で安定に押し込むことができ、開閉検出器の検出不要を防止できる。
【0011】
本実施形態において、前記支軸と前記開閉検出器とは同じ部材に支持されていることを特徴としてもよい。
【0012】
このような構成を採用することにより、支軸及び作動部材と開閉検出器との位置決め精度を高くできるので、検出精度を高めることができる。
【0013】
本実施形態において、第2の支軸を中心として該第2の支軸と一体に回動可能又は支持部材により所定の方向に移動可能に設けられて、前記開閉検出器で開閉状態が検出される第2の開閉部材と、前記開閉部材の回動に連動した前記作動部材の回動に伴って前記作動部材の前記押圧部によって押圧されると共に前記開閉部材の回動に連動した前記作動部材の回動に伴って前記逃げ部によって押圧解除される第1の被押圧部と、前記第2の開閉部材によって押圧される第2の被押圧部と、を有するリンク部材と、を備え、前記開閉検出器は、前記作動部材の前記押圧部による前記リンク部材の前記第1の被押圧部の押圧動作及び前記第2の開閉部材による前記リンク部材の前記第2の被押圧部の押圧動作によって、前記スイッチ部がオン位置に切り替わり、前記開閉部材及び前記第2の開閉部材の閉状態を検出するように設けられていることを特徴としてもよい。
【0014】
このような構成を採用することにより、2個の開閉部材の開閉状態を1個の開閉検出器で検出することができるので、構成の簡易化とコストダウンが可能になる。また、開閉部材においては押圧部の寸法精度を高め、第2の開閉部材においてはリンク部材を介して移動ストロークを増やすことにより、開閉検出器を安定に作動させることができる。
【0015】
本実施形態において、前記リンク部材は、水平方向に長い長孔と、該長孔に移動可能に挿通された軸と、を有し、前記作動部材の前記押圧部による前記第1の被押圧部の押圧動作によって前記軸を中心として下方に揺動可能であると共に、前記第2の開閉部材による前記第2の被押圧部の押圧動作によって前記長孔に沿って水平方向に移動可能に設けられており、前記第1の被押圧部の押圧動作及び前記第2の被押圧部の押圧動作によって、前記スイッチ部をオン位置に切り替えることを特徴としてもよい。
【0016】
このような構成を採用することにより、第2の開閉部材においては、スイッチ部が押し込まれる方向と異なる水平方向へ移動するリンク部材を介して移動ストロークを増やすことにより、開閉検出器を安定に作動させることができる。
【0017】
本実施形態において、前記リンク部材は、上下方向に長い長孔と、該長孔に移動可能に挿通された軸と、を有し、前記作動部材の前記押圧部による前記第1の被押圧部の押圧動作又は前記第2の開閉部材による前記第2の被押圧部の押圧動作によって前記軸を中心としてシーソー状に揺動可能であると共に、前記作動部材の前記押圧部による前記第1の被押圧部の押圧動作及び前記第2の開閉部材による前記第2の被押圧部の押圧動作によって前記長孔に沿って下方に移動可能に設けられており、前記第1の被押圧部の押圧動作及び前記第2の被押圧部の押圧動作によって、前記スイッチ部をオン位置に切り替えることを特徴としてもよい。
【0018】
このような構成を採用することにより、第2の開閉部材においては、シーソー運動するリンク部材を介して移動ストロークを増やすことにより、開閉検出器を安定に作動させることができる。
【0019】
本実施形態において、前記第1の被押圧部及び前記第2の被押圧部が押圧される方向と反対の方向に前記リンク部材を付勢する付勢部材を備えていることを特徴としてもよい。
【0020】
このような構成を採用することにより、各開閉部材が閉位置から開位置へ回動した際に、開閉検出器のスイッチ部からリンク部材を離間させることができる。
【0021】
本実施形態において、前記リンク部材は、前記支軸及び前記開閉検出器と同じ部材に支持されていることを特徴としてもよい。
【0022】
このような構成を採用することにより、支軸及び作動部材と、リンク部材、開閉検出器との位置決め精度を高くできるので、検出精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、開閉部材の反りや捩れ等の変形に係らずに開閉部材の開閉状態を正確に検出することができる画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0026】
まず、
図1及び
図2を用いてカラープリンター1(画像形成装置)の全体の構成について説明する。
図1は、カラープリンターの全体の構成を模式的に示す正面図であり、
図2は、カラープリンターの上面カバー及び側面カバーを開いた状態を示す正面図である。
図1における手前側をカラープリンターの正面側(前側)とし、左右の向きは、カラープリンターを正面から見た方向を基準として説明する。
【0027】
カラープリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には用紙(記録媒体)を収納した給紙カセット3が設けられ、プリンター本体2の上部には排紙トレイ4が設けられている。
【0028】
プリンター本体2の内部の中央部には、中間転写ベルト6が複数のローラー間に架設され、中間転写ベルト6の下方には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光装置7が配置されている。中間転写ベルト6の下側には、4個の画像形成部8がトナーの色(例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色)ごとに設けられている。各画像形成部8には、感光体ドラム9が回転可能に設けられており、感光体ドラム9の周囲には、帯電器10と、現像器11と、一次転写部12と、クリーニング装置13と、除電器14とが、一次転写のプロセス順に配置されている。現像器11の上方には、トナーコンテナ収容部15が設けられており、各画像形成部8と対応するトナーコンテナ16が、トナーの色ごとに左右方向に並んで収容されている。トナーコンテナ収容部15の上方には、一部に排紙トレイ4が形成された上面カバー30(開閉部材)が右辺を中心として回動可能に設けられている。トナーコンテナ16を交換する際には、
図2に示されるように、上面カバー30を回動してトナーコンテナ収容部15を開くことができるようになっている。
【0029】
プリンター本体2の内部の右側には、給紙カセット3から排紙トレイ4に向かって縦方向に延びる用紙の搬送経路17が設けられている。搬送経路17の上流端には給紙部18が設けられ、搬送経路17の中流部には中間転写ベルト6の一端(図面上右端)に二次転写部19が設けられ、搬送経路16の下流部には定着装置20が設けられ、搬送経路17の下流端には排紙口21が設けられている。搬送経路17の右側には、側面カバー40(第2の開閉部材)が下辺を中心として回動可能に設けられており、搬送経路17中に紙詰まりが発生した際には、
図2に示されるように、側面カバー40を回動して対処できるようになっている。
【0030】
次に、このような構成を備えたカラープリンター1の画像形成動作について説明する。カラープリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着装置19の温度設定等の初期設定が実行される。そして、カラープリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
【0031】
まず、帯電器10によって感光体ドラム9の表面が帯電された後、露光装置7からのレーザー光(矢印P参照)により感光体ドラム9の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像は、トナーコンテナ16から供給されるトナーによって現像器11によって対応する色のトナー像に現像される。このトナー像は、一次転写部12において中間転写ベルト6の表面に一次転写される。以上の動作を各画像形成部8が順次繰り返すことによって、中間転写ベルト6上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、感光体ドラム9上に残留したトナー及び電荷は、クリーニング装置13及び除電器14によって除去される。
【0032】
一方、給紙部18によって給紙カセット3から取り出された用紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて二次転写部19へ搬送され、二次転写部19において、中間転写ベルト6上のフルカラーのトナー像が用紙に二次転写される。トナー像を二次転写された用紙は、搬送経路17の下流側へ搬送されて定着装置20に進入し、この定着装置20において用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙口21から排紙トレイ4上に排出される。
【0033】
カラープリンター1には、上面カバー30や側面カバー40が閉じられていない状態で誤って稼働し始めることを防ぐために、上面カバー30や側面カバー40が閉じられたか否かを検出する開閉検出器50が備えられている。
【0034】
図3及び
図4を参照して、上面カバー30の開閉状態を検出する開閉検出器50について説明する。
図3及び
図4は上面カバーと開閉検出器とを示す正面図であり、
図3は上面カバーの開状態を示し、
図4は上面カバーの閉状態を示す。
【0035】
上面カバー30は、扁平な直方体状の本体部31と、本体部31の右辺に沿って設けられた支軸32と、を有する。支軸32の両端はプリンター本体2に設けられた支持部2aに回動可能に支持されており、本体部31は、トナーコンテナ収容部15を開く開位置と、トナーコンテナ収容部15を閉じる閉位置との間を、支軸32を中心として回動するようになっている。
【0036】
支軸32の一端には、開閉検出器50を作動させるための作動部材60が設けられている。作動部材60は支軸32と一体に、すなわち、上面カバー30と一体に回動する。作動部材60は、正面視にて支軸32を中心とした略扇型の正面形状を有する所定の厚さの部材である。
【0037】
作動部材60は、正面視にて扇型形状の押圧部61と、正面視にて三角形状の逃げ部62と、を有する。具体的には、押圧部61は、正面視にて支軸32を中心とした円弧状の外周面を有し、逃げ部62は、押圧部61の外周面の回転軌跡の内側に形成された正面視にて直線状の外周面を有する。押圧部61は、上面カバー30の開き方向(
図3、
図4の時計回り方向)における下流側に配置され、逃げ部62は上流側に配置されており、押圧部61の外周面と逃げ部62の外周面とは湾曲部63を介して滑らかに連続している。押圧部61の外周面の円周方向における中央付近には、正面視にてV字状の凹部64が形成されている。
【0038】
プリンター本体2には、上面カバー30を開位置で保持するためのロック部材66が支持されている。ロック部材66は、四角柱状の中空の部材であり、正面視にてV字状に形成された先端部66aを有する。ロック部材66は、
図3に示される上面カバー30が開位置において作動部材60の押圧部61の凹部64に対向するように配置されて、凹部64に対して進退する方向に支持されて、凹部64に進出する方向にコイルばね67で付勢されている。上面カバー30が開位置に回動すると、コイルばねで付勢されてロック部材66が進出し、作動部材60の凹部64に先端部66aが係合する。これにより、作動部材60、すなわち、上面カバー30が開位置に保持される。なお、上面カバー30を閉じる際は、上面カバー30を閉じる方向に回動させれば、ロック部材66の先端部66aは、作動部材60の凹部64の側面で退出方向に押されて凹部64から外れるので、上面カバー30は開位置から回動可能となる。
【0039】
開閉検出器50は、横長の直方体状の本体を有し、本体の上面の左端部にスイッチ部51が配置されたものであり、例えば、マイクロスイッチを使用できる。スイッチ部51は、所定の荷重を掛けることで押し込み可能であると共に、押し込みを解除すれば自由姿勢に戻る自動復帰型である。スイッチ部51が押し込まれてオン位置に切り替わると開閉検出器50が作動し、上面カバー30が閉状態であることが検出される。スイッチ部51の押し込みが解除されて自由姿勢に戻ると、スイッチ部51はオフ位置に切り替わり開閉検出器50は非作動状態となる。
【0040】
開閉検出器50は、上面カバー30の支軸32の下方においてプリンター本体2の支持部2aに固定されており、作動部材60の外周面にスイッチ部51が対向している。開閉検出器50は、上面カバー30の回動と共に作動部材60が回動して押圧部61の外周面に対向した際には押圧部61でスイッチ部51が押し込まれてオン位置に切り替わり、さらに上面カバー30が回動して作動部材60の逃げ部62の外周面に対向した際にはスイッチ部51の押し込みが解除されてオフ位置に切り替わるように構成されている。
【0041】
上記構成を有するカラープリンター1において、開閉検出器50で上面カバー30の開閉状態を検出する方法を説明する。
図3に示される上面カバー30の開位置においては、作動部材60は、逃げ部62の外周面が開閉検出器50のスイッチ部51に対向し、押圧部61の凹部64にロック部材66の先端部66aが係合している。したがって、スイッチ部51はオフ位置に位置し、開閉検出器50は作動していない。上面カバー30を閉位置に回動させ始めると、ロック部材66の先端部66aは作動部材60の凹部64の側面で退出方向に押されて凹部64から外れ、上面カバー30は回動可能となる。
【0042】
上面カバー30を回動させると、支軸32とともに作動部材60も回動し、湾曲部63を介して押圧部61の外周面が開閉検出器50のスイッチ部51に対向するようになる。すると、
図4に示されるように、押圧部61の外周面がスイッチ部51を押し込み、スイッチ部51はオン位置に切り替わる。これにより開閉検出器50が作動し、上面カバー30が閉じられたことが検出される。
【0043】
上記したように本発明の一実施形態に係る画像形成装置1においては、上面カバー30と一体に回動する支軸32に設けた作動部材60の回動によって開閉検出器50のスイッチ部51を切り替えるので、上面カバー30の本体部31の反りや捩れ等の変形に係らずに上面カバー30の開閉状態を正確に検出できる。
【0044】
本実施形態では、作動部材60の押圧部61の外周面の移動方向は円周方向であり、スイッチ部51が押し込まれる方向の垂直方向とは異なるので、スイッチ部51の押し込みストロークよりも、押圧部61の移動ストロークを長くすることができる。なお、本実施形態に使用した開閉検出器50のように、押し込みストロークの短いスイッチ部51を安定に作動させるには、スイッチ部51を作動させる部材の寸法精度を高めたり、別部品を介してストロークを増やしたりすることが必要になる。したがって、作動部材60の押圧部61の円弧状の外周面と支軸32との距離の寸法精度を高めると共に押圧部61の移動ストロークを長くすることにより、スイッチ部51を安定に押し込むことができる。
【0045】
さらには、押圧部61の外周面は円弧状であるので、上面カバー30の開閉角度にバラツキが生じても、押圧部61の中心角度の範囲内においては同じ押し込み量を確保できる。
【0046】
また、支軸32と開閉検出器50とを同じ支持部2aに支持したので、支軸32に設けられた作動部材60と開閉検出器50との位置決め精度を出しやすく、開閉検出器50の検出精度を高めることができる。
【0047】
次に、本発明の他の実施形態に係るカラープリンターにおける開閉部材及び開閉検出器を
図5〜
図8等を参照して説明する。この実施形態では、上面カバー30の開閉状態と側面カバー40の開閉状態とを1個の開閉検出器50で検出する。
図5は上面カバー開位置・側面カバー開位置を示し、
図6は上面カバー閉位置・側面カバー開位置を示し、
図7は上面カバー開位置・側面カバー閉位置を示し、
図8は上面カバー閉位置・側面カバー閉位置を示す。上面カバー30及び開閉検出器50は、前述の実施形態と同様の構成・形状を有するので、前述の実施形態と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0048】
図5に示されるように、側面カバー40は、扁平な直方体状の本体部41と、本体部41の下辺に沿って設けられた支軸(第2の支軸、図示されず)と、を有する。支軸の両端はプリンター本体2に回動可能に支持されており、本体部41は、
図2に示されるように、支軸を中心として、用紙搬送経路17の右側の面を開く開位置と、用紙搬送経路17の右側の面を閉じる閉位置との間を回動するようになっている。本体部41の内側の面の中央付近には、内方向(本体部を閉じる方向)に突出する突起43が形成されている。突起43は、正面視にて三角形状の形状を有する。また、プリンター本体2の側面には、側面カバー40が閉位置に回動する際に、突起43が入り込む開口部2bが形成されている。
【0049】
上面カバー30の支軸32が支持された支持部2aと、側面カバー40の突起43が挿通される開口部2bとの間には、上面カバー30の開閉及び側面カバー40の開閉によって作動するリンク部材70が配置されている。
【0050】
リンク部材70は、左右方向に長い部材であり、正面視にて略直方体状の上面側端部71(第1の被押圧部)と、左右方向に延びる長尺状の側面側端部72(第2の被押圧部)と、上面側端部71と側面側端部72の間の略Z字状の中間部73と、を有する。
【0051】
上面側端部71は、上面カバー30の支軸32に設けられた作動部材60の外周面に上面が対向するように配置されている。上面側端部71の上面の中央部は平坦な面であり、中央部の両側はそれぞれ下方向に傾斜した傾斜部となっている。
【0052】
側面側端部72は、側面カバー40の突起43が挿通される開口部2bの奥側(
図5の左側)内に配置されている。側面側端部72は、正面視にて横向きのT字状に形成されており、右端面には幅広の先端部72aが形成されている。先端部72aの右端面は、側面カバー40の突起43と対向するようになっている。側面側端部72の右寄りの位置には、左右方向に長い長孔75が形成されている。
【0053】
中間部73の下面には、正面視にて逆台形状の凸部76が下方に突出するように形成されている。
【0054】
リンク部材70は、長孔75に移動可能に挿通された軸78によってプリンター本体2に支持されており、軸78の周囲を下方に揺動可能、かつ長孔75に沿って左右方向に移動可能となっている。つまり、作動部材60の押圧部61で上面側端部71の上面が押圧されると、リンク部材70は軸78を支点として下方に揺動する。また、側面カバー40の突起43で側面側端部72の先端部72aの右端面が押圧されると、リンク部材70は長孔75に沿って左方向に移動する。
【0055】
リンク部材70の上面側端部71と中間部73との隅と、プリンター本体2との間にはコイルばね79が配置されている。コイルばね79は、リンク部材70を上方向及び右方向に付勢している。
【0056】
開閉検出器50は、リンク部材70の中間部73の外周面の下方においてプリンター本体2の支持部2aに固定されており、中間部73の凸部76の外周面にスイッチ部51が対向している。リンク部材70の揺動による凸部76の上下方向の変位量は、スイッチ部51のオン位置からオフ位置への変位量(押し込みストローク)と同等となるように設定されている。また、リンク部材70の左右方向移動による凸部76の左右方向の移動量は、スイッチ部51に凸部76が対向する位置と、スイッチ部51から凸部76が離間した位置との間隔となるように設定されている。
【0057】
上記構成を有するカラープリンターにおいて、上面カバー30と側面カバー40の開閉状態を開閉検出器50で検出する方法を説明する。
図5に示される上面カバー30開位置・側面カバー40開位置においては、リンク部材70の上面側端部71の上面に作動部材60の逃げ部62の外周面が対向し、作動部材60の押圧部61の凹部64にロック部材66が係合している。つまり、リンク部材70の上面側端部71は押圧部61で押圧されていない。また、リンク部材70の側面側端部72の先端部72aに側面カバー40の突起43は当接していない。つまり、リンク部材70はコイルばね79によって上右方向に付勢されている。なお、リンク部材70がコイルばね79で上方に付勢されても、リンク部材70の上面側端部71が作動部材60の逃げ部62に干渉しないように設定されている。したがって、リンク部材70の中間部73に形成された凸部76は、開閉検出器50のスイッチ部51の上方に位置すると共に右側に離れており、スイッチ部51はオフ位置に位置し、開閉検出器50は作動しない。
【0058】
図6に示される上面カバー30閉位置・側面カバー40開位置においては、作動部材60の押圧部61がリンク部材70の上面側端部71を押圧しており、リンク部材70はコイルばね79の付勢力に抗して軸78を中心として下方向に揺動し(
図6の矢印A参照)、スイッチ部51の押し込みストロークだけ凸部76が下降している。しかし、リンク部材70の側面側端部72の先端部72aに側面カバー40の突起43は当接しておらず、コイルばね79によってリンク部材70は右方向に付勢されており、凸部76は、スイッチ部51から右側に離れている。したがって、スイッチ部51はオフ位置に位置し、開閉検出器50は作動しない。
【0059】
図7に示される上面カバー30開位置・側面カバー40閉位置においては、側面カバー40の突起43は開口部2b内に挿入されてリンク部材70の側面側端部72の先端部72aを押圧しており、リンク部材70はコイルばね79の付勢力に抗して左方向に移動し(
図7の矢印B参照)、凸部76がスイッチ部51の上方に位置している。しかし、作動部材60は、逃げ部62がリンク部材70の上面側端部71に対向し、押圧部61の凹部64にロック部材66が係合しており、リンク部材70は作動部材60で押圧されていないので、リンク部材70の凸部76はスイッチ部51の上方に位置している。したがって、スイッチ部51はオフ位置に位置し、開閉検出器50は作動しない。
【0060】
図8に示される上面カバー30閉位置・側面カバー40閉位置においては、作動部材60の押圧部61はリンク部材70の上面側端部71を押圧しており、リンク部材70は軸78を中心として下方向に揺動し(
図8の矢印A参照)、スイッチ部51の押し込みストロークだけ凸部76が下降する。また、側面カバー40の突起43は開口部2b内に挿入されてリンク部材70の側面側端部72の先端部72aを押圧しており、リンク部材70はコイルばね79の付勢力に抗して左方向に移動し(
図8の矢印B参照)、スイッチ部51に凸部76が対向している。したがって、リンク部材70の凸部76がスイッチ部51を押し込み、スイッチ部51はオン位置に切り替わる。これにより開閉検出器50が作動して上面カバー30及び側面カバー40が閉位置であることを検出する。
【0061】
上記したように本実施形態においては、上面カバー30と側面カバー40の開閉状態を1個の開閉検出器50で検出することができるので、部品点数を削減できるとともに画像形成装置の構成を簡易化できる。
【0062】
また、前述の実施形態と同様に、上面カバー30においては、作動部材60の押圧部61の円弧状の外周面と支軸32との距離の寸法精度を高めることで、リンク部材70を安定に揺動運動するようにして、スイッチ部51を安定に押し込むことができる構成とした。一方、側面カバー40においては、スイッチ部51が押し込まれる方向である垂直方向と異なる左右方向へ移動するリンク部材70を介することで移動ストロークを増やすことができ、押し込みストロークが短いスイッチ部51を安定に作動させることができるようになっている。
【0063】
さらに、支軸32と開閉検出器50と同じ支持部2aにリンク部材70を支持したので、支軸32に設けられた作動部材60と開閉検出器50、リンク部材70との位置決め精度を出しやすく、開閉検出器50の検出精度を高めることができる。
また、上記の実施形態において、側面カバー40は支持部材によってプリンター本体2に水平方向に移動可能に支持されて開閉する構成であっても良い。このような構成でも、上記のリンク部材70により、上面カバー30と側面カバー40の開閉を開閉検出器50で検知することが可能である。
【0064】
次に、リンク部材80の他の例について
図9〜
図12を参照して説明する。
図9は上面カバー開位置・側面カバー開位置を示し、
図10は上面カバー閉位置・側面カバー開位置を示し、
図11は上面カバー開位置・側面カバー閉位置を示し、
図12は上面カバー閉位置・側面カバー閉位置を示す。上面カバー30及び側面カバー40、開閉検出器50は、前述の実施形態と同様の構成・形状を有するので、前述の実施形態と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0065】
リンク部材80は、左右方向に長い部材であり、正面視にて略直方体状の上面側端部81(第1の被押圧部)と、左右方向に延びる長尺状の側面側端部82(第2の被押圧部)と、上面側端部81と側面側端部82の間の略Z字状の中間部83と、を有する。
【0066】
上面側端部81は、上面カバー30の支軸32に設けられた作動部材60の外周面に上面が対向するように配置されている。上面側端部81の上面の中央部は平坦な面であり、中央部の両側はそれぞれ下方向に傾斜した傾斜部となっている。
【0067】
側面側端部82は、側面カバー40の突起43が挿通される開口部2b内に配置されている。側面側端部82の右端面と下面との角には、正面視にて三角形状の先端部82aが右方向に突出するように形成されている。先端部82aは、右方向に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する。先端部82aの傾斜面は、側面カバー40の突起43の下面と対向するようになっている。
【0068】
中間部83の中央付近には、上下方向に延びる長孔85が形成されている。また、中間部83の下面には、正面視にて逆台形状の凸部86が下方に突出するように形成されている。
【0069】
リンク部材80は、長孔85に移動可能に挿通された軸88によってプリンター本体2に支持されており、軸88の周囲をシーソー運動するように揺動可能、かつ長孔85に沿って上下方向に移動可能となっている。つまり、上面カバー30の支軸32に設けられた作動部材60の押圧部61で上面側端部81が押圧されると、リンク部材80は、上面側端部81が下降し側面側端部82が上昇するように、軸88の周囲をシーソー運動する。また、側面カバー40の突起43で側面側端部82の先端部82aの傾斜面が押圧されると、リンク部材80は、側面側端部82が下降し上面側端部81が上昇するように、軸88の周囲をシーソー運動する。
【0070】
開閉検出器50は、リンク部材80の中間部83の外周面の下方においてプリンター本体2の支持部2aに固定されて、中間部83の凸部86の下面にスイッチ部51が接触している。スイッチ部51は所定の荷重を掛けないと押し込まれないように構成されており、リンク部材80の自重のみではスイッチ部51は押し込まれない。
【0071】
上記構成を有するカラープリンターにおいて、上面カバー30と側面カバー40との開閉状態を開閉検出器50で検出する方法を説明する。
図9に示される上面カバー30開位置・側面カバー40開位置においては、リンク部材80の上面側端部81の上面に作動部材60の逃げ部62の外周面が対向し、ロック部材66が押圧部61の凹部64に係合しており、リンク部材80は押圧部61で押圧されていない。また、側面カバー40の突起43はリンク部材80の側面側端部82の先端部82aに当接していない。したがって、リンク部材80の中間部83に形成された凸部86は、開閉検出器50のスイッチ部51に接触しているだけでスイッチ部51を押し込んでないので、スイッチ部51はオフ位置にあり開閉検出器50は作動しない。
【0072】
図10に示される上面カバー30閉位置・側面カバー40開位置においては、作動部材60の押圧部61はリンク部材80の上面側端部81を押圧しているが、側面カバー40の突起43はリンク部材80の側面側端部82の先端部82aに当接していない。このため、リンク部材80は、開閉検出器50のスイッチ部51に載置された姿勢のまま、上面側端部81が下降し側面側端部82が上昇するように(
図10の矢印C、矢印D参照)、軸88を中心としてシーソー運動する。したがって、リンク部材80の凸部86は、開閉検出器50のスイッチ部51に接触しているだけで押し込んでいないので、スイッチ部51はオフ位置にあり開閉検出器50は作動しない。
【0073】
図11に示される上面カバー30開位置・側面カバー40閉位置においては、側面カバー40の突起43は開口部2b内に挿入されてリンク部材80の側面側端部82の先端部82aの傾斜面を下方に押圧しているが、リンク部材80の上面側端部81に作動部材60の逃げ部62が対向し、ロック部材66が押圧部61の凹部64に係合している。このため、リンク部材80は、開閉検出器50のスイッチ部51に載置された姿勢のまま、側面側端部82が下降し上面側端部81が上昇するように(
図11の矢印E、矢印F参照)、軸88を中心としてシーソー運動する。したがって、リンク部材80の凸部86は、開閉検出器50のスイッチ部51に接触しているだけで押し込んでいないので、スイッチ部51はオフ位置にあり開閉検出器50は作動しない。
【0074】
図12に示される上面カバー30閉位置・側面カバー40閉位置においては、作動部材60の押圧部61はリンク部材80の上面側端部81を押圧すると共に側面カバー40の突起43は開口部2b内に挿入されてリンク部材80の側面側端部82の先端部82aを押圧している。これにより、リンク部材80の上面側端部81は押圧部61で押圧されて下降すると共に側面側端部82は突起43で押圧されて下降する(
図12の矢印G、矢印H参照)。つまり、リンク部材80は長孔85に沿って下降し、リンク部材の凸部86がスイッチ部51を押し込む。これによりスイッチ部がオン位置に切り替わり、開閉検出器50が作動して上面カバー30と側面カバー40が閉じられたことを検出する。
【0075】
上記したように本実施形態においても、上面カバー30と側面カバー40の開閉状態を1個の開閉検出器50で検出することができるので、部品点数を削減できるとともに画像形成装置の構成を簡易化できる。
また、本実施形態においても、側面カバー40は支持部材によってプリンター本体2に水平方向に移動可能に支持されて開閉する構成であっても良い。
【0076】
また、リンク部材80が軸88の周囲をシーソー運動する際の力点となる側面側端部82と支点となる軸88との距離は比較的長いので、側面側端部82の移動ストロークを増やすことができ、スイッチ部51を安定に押し込むことができる。
【0077】
さらに、開閉検出器50のスイッチ部51は所定の荷重を掛けないと押し込まれないので、リンク部材80を上方へ付勢するコイルばねのような付勢部材は不要となる。ただし、付勢部材を設けることもできる。この場合、リンク部材80の軸88の両側の部分をそれぞれ上方に付勢するように付勢部材を設ければよい。
【0078】
さらに、本発明の実施形態では、カラープリンター1に本発明の構成を適用した場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等のプリンター1以外の画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。
【0079】
さらに、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。