(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、トナーコンテナが収容される収容部が設けられており、トナーコンテナの交換のためにトナーコンテナ収容部は開閉部材で開閉される。
【0003】
トナーコンテナ収容部の開閉部材の従来例を
図12及び
図13を参照して説明する。開閉部材101は、トナーコンテナ収容部を覆う本体部103と、支軸105を軸支するヒンジ部104と、を有する。本体部103とヒンジ部104とは別の部材で形成されている。ヒンジ部104には、
図13に示されるように、開閉部材101の開方向の上流側の端に、本体部103が嵌め込まれる凹部107が形成されており、下流側の端に、突起108が形成されている。突起108は、
図12に示されるように、開閉部材101が所定の角度開方向に回動した際に当て部材109に当接して、開閉部材101の回動を規制するようになっている。
【0004】
また、特許文献1には、開閉部材の回動機構として、原稿カバーの側板に回動支点となる支持ピンを立設し、湾曲形状の内面を有する支持板に支持ピンを軸支させた構造が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら
図12及び
図13に示される開閉部材101においては、トナーコンテナ収容部の構造上、開閉部材101の支軸105の近傍に当て部材109を配置せざるを得ない。このため、使用者が開閉部材101を開く際に操作する部分と当て部材109とのてこ比が大きくなり、開閉部材101を開いた際に、開閉部材101から当て部材109に作用する力が大きくなる。特にトナーコンテナ収容部を開閉する開閉部材101は比較的寸法が大きいので、当て部材109に作用する力はさらに大きくなる。また、開閉部材101が当て部材109に当たった後で、使用者がさらに開方向へ回動させてしまうような場合もある。これらのことから、当て部材109に当接する突起108や、開閉部材101の本体部103が当接するヒンジ部104の凹部107の壁107aが破損しやすいという問題がある。
【0007】
この対策として、ヒンジ部104を高強度の材料で形成したり板金部材で補強したりすることが考えられるが、材料費が高くなったり部品点数が増加したりして、コストアップを招いてしまう。
【0008】
また、上記の特許文献に記載されている開閉部材の回動機構においても、原稿カバーを開位置に回動させた際に支持ピンから支持板にかかる力の大きさによっては、支持板が破損する虞がある。
【0009】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、開位置で当て部材に当接するように設けられた開閉部材において、開位置からさらに開方向に回動するような力が加えられた場合でも開閉部材が破損しにくいように構成された画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、支軸を中心として回動する開閉部材と、該開閉部材が一定の角度開方向に回動して当接する当て部材と、を備えた画像形成装置であって、前記開閉部材と前記当て部材のそれぞれには、前記開閉部材が前記開方向に前記角度回動した姿勢において当接する第1の当接部と第1の被当接部、及び、前記開閉部材が前記開方向に前記角度回動した姿勢においては所定のクリアランスを介して対向し、前記開閉部材が前記角度から前記開方向にさらに回動した姿勢においては当接する第2の当接部と第2の被当接部と、が設けられていることを特徴とする。
【0011】
このような構成を採用することにより、開閉部材の開位置と、開位置からさらに回動した位置と、の二段階で開閉部材の回動を規制することができる。
【0012】
本発明において、前記開閉部材の前記第1の当接部が前記当て部材の前記第1の被当接部に当接する方向と、前記開閉部材の前記第2の当接部が前記当て部材の前記第2の被当接部に当接する方向とが対向する方向であり、前記開閉部材を前記角度から前記開方向にさらに回動させた際に、前記開閉部材の前記第1の当接部と前記第2の当接部とによって前記当て部材を対向する方向から挟み込むことにより前記開閉部材の変形が抑制されることを特徴としても良い。
【0013】
このような構成を採用することにより、開閉部材を開位置からさらに回動させた際に、開閉部材に作用する負荷が2箇所に分散すると共に負荷を打ち消し合うように作用するので、開閉部材の変形が抑制されて開閉部材の破損をより確実に防止できる。したがって、開閉部材の変形や破損を防止でき、補強部材の追加や高強度の材料の使用等の開閉部材の高強度化が不要になり、コストダウンが可能になる。
【0014】
本発明において、前記開閉部材は、本体部と、該本体部と一体に設けられると共に前記支軸が軸支されるヒンジ部と、を有し、前記第1の当接部は前記ヒンジ部に形成され前記第2の当接部は前記本体部に形成されていることを特徴としても良い。
【0015】
このような構成を採用することにより、ヒンジ部の破損を防ぐことができる。
【0016】
本発明において、前記開閉部材を前記角度回動した姿勢で維持するロック部材を備えていることを特徴としても良い。
【0017】
このような構成を採用することにより、開閉部材を開位置に回動させた状態でトナーコンテナの交換などの作業をやりやすくなる。
【0018】
本発明において、前記開閉部材を開方向へ付勢するダンパー部材を備えていることを特徴としても良い。
【0019】
このような構成を採用することにより、自重によって開閉部材が閉方向に一気に回動することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、開位置で当て部材に当接するように設けられた開閉部材において、開位置からさらに開方向に回動するような力が加えられた場合でも開閉部材が破損しにくい画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの全体の構成を示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、上面カバーを開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの上面カバーを示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの上面カバーのヒンジ部を示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの上面カバーと当て部材とを示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの上面カバーと当て部材とを示す側面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの上面カバー閉位置における上面カバーと当て部材の位置関係を示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの上面カバー開位置における上面カバーと当て部材の位置関係を示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの上面カバー閉位置における上面カバーと当て部材の位置関係を示す側面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの上面カバー開位置における上面カバーと当て部材の位置関係を示す側面図である。
【
図11】本発明の他の実施形態に係るカラープリンターの上面カバー開位置の状態を示す側面図である。
【
図12】従来のカラープリンターの開閉カバーを示す側面図である。
【
図13】従来のカラープリンターの開閉カバーのヒンジ部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0023】
まず、
図1及び
図2を用いてカラープリンター1(画像形成装置)の全体の構成について説明する。
図1は、カラープリンターの全体の構成を模式的に示す正面図であり、
図2は、カラープリンターの上面カバー及び側面カバーを開いた状態を示す正面図である。
図1における手前側をカラープリンターの正面側(前側)とし、左右の向きは、カラープリンターを正面から見た方向を基準として説明する。
【0024】
カラープリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には用紙(記録媒体)を収納した給紙カセット3が設けられ、プリンター本体2の上部には排紙トレイ4が設けられている。
【0025】
プリンター本体2の内部の中央部には、中間転写ベルト6が複数のローラー間に架設され、中間転写ベルト6の下方には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光装置7が配置されている。中間転写ベルト6の下側には、4個の画像形成部8がトナーの色(例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色)ごとに設けられている。各画像形成部8には、感光体ドラム9が回転可能に設けられており、感光体ドラム9の周囲には、帯電器10と、現像器11と、一次転写部12と、クリーニング装置13と、除電器14とが、一次転写のプロセス順に配置されている。現像器11の上方には、トナーコンテナ収容部15が設けられており、各画像形成部8と対応するトナーコンテナ16が、トナーの色ごとに左右方向に並んで収容されている。トナーコンテナ収容部15の上方には、上面カバー30(開閉部材)が右辺を中心として回動可能に設けられている。上面カバー30の右側部分は排紙トレイ4を形成している。トナーコンテナ16を交換する際には、
図2に示されるように、上面カバー30を回動してトナーコンテナ収容部15を開くことができるようになっている。
【0026】
プリンター本体2の内部の右側には、給紙カセット3から排紙トレイ4に向かって縦方向に延びる用紙の搬送経路17が設けられている。搬送経路17の上流端には給紙部18が設けられ、搬送経路17の中流部には中間転写ベルト6の一端(図面上右端)に二次転写部19が設けられ、搬送経路17の下流部には定着装置20が設けられ、搬送経路17の下流端には排紙口21が設けられている。
【0027】
次に、このような構成を備えたカラープリンター1の画像形成動作について説明する。カラープリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着装置20の温度設定等の初期設定が実行される。そして、カラープリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
【0028】
まず、帯電器10によって感光体ドラム9の表面が帯電された後、露光装置7からのレーザー光(矢印P参照)により感光体ドラム9の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像は、トナーコンテナ16から供給されるトナーによって現像器11によって対応する色のトナー像に現像される。このトナー像は、一次転写部12において中間転写ベルト6の表面に一次転写される。以上の動作を各画像形成部8が順次繰り返すことによって、中間転写ベルト6上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、感光体ドラム9上に残留したトナー及び電荷は、クリーニング装置13及び除電器14によって除去される。
【0029】
一方、給紙部18によって給紙カセット3から取り出された用紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて二次転写部19へ搬送され、二次転写部19において、中間転写ベルト6上のフルカラーのトナー像が用紙に二次転写される。トナー像を二次転写された用紙は、搬送経路17の下流側へ搬送されて定着装置20に進入し、この定着装置20において用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙口21から排紙トレイ4上に排出される。
【0030】
次に、
図3及び
図4を参照して、上面カバー30について説明する。
図3は上面カバーの全体の構造を示す斜視図であり、
図4は上面カバーの一部を拡大して示す斜視図である。上面カバー30は、トナーコンテナ収容部15を閉じる閉位置と開放する開位置との間を、右辺に沿って設けられた支軸を中心として回動可能に支持されている。さらに、上面カバー30は、開位置まで回動するとプリンター本体2に設けられた当て部材50に当接して、それ以上の回動が規制されるようになっている。
【0031】
上面カバー30は、トナーコンテナ収容部15を覆う本体部31と、支軸が軸支されるヒンジ部37と、を有する。
【0032】
図3に示されるように、本体部31は、扁平な略直方体状の形状であり、右辺側から緩い傾斜角度で左上方に傾斜した傾斜部32と、傾斜部32の左辺から連続した平面部33とを有する。傾斜部32の上面は、排紙トレイ4を形成している。
傾斜部32の下面には、前後の辺と右辺に沿ってリブ35が設けられている。リブ35は、傾斜部32の下面の前後の辺と右辺の内側に形成されており、傾斜部32の右端縁32a(第2の当接部)は、リブ35の右端縁よりも右方向に延出している。また、前後の辺に沿ったリブ35の右端部には、それぞれ右下方に突出する突出部35aが形成されている。
【0033】
図4に示されるように、ヒンジ部37は、支軸が挿通される軸孔38を有する円筒部39と、本体部31と連結されるアーム部40と、を有する。アーム部40は、正面視にて略L字状の2枚の板状部材41を平行に配置したものであり、各板状部材41の一方の端部が、円筒部39の両端のそれぞれから軸孔38と直交する方向に延出するように形成されている。アーム部40の内側の縁は、円筒部39から放射状に延びた後、軸孔38を中心とした略円弧状に湾曲している。アーム部40の外側の縁は、円筒部39から放射状に延びた後、軸孔38を中心として複数の折り曲げ部を介して湾曲している。両板状部材41の間は、複数のリブ42で接続されている。また、各板状部材41の内側の縁の放射状に延びた部分の間には、平板部43(第1の当接部)が形成されている。平板部43は、上面カバー30が開位置まで回動した際には、ほぼ水平面となるように形成されている。
【0034】
アーム部40の各板状部材41の他方の端部は、本体部31の傾斜部32に形成された各リブ35の突出部35aに連結されて、ヒンジ部37と本体部31とは一体となるように形成されている。ヒンジ部37は、
図3にも示されるように、本体部31の右辺の前後の端部からそれぞれ右方に突出しており、本体部31の右端とヒンジ部37との間には、
図4に示されるように、ヒンジ部37の円筒部39の軸孔38を中心とした扇型状の空間45が形成されている。なお、ヒンジ部37と本体部31とは、予め一体となるように形成してもよく、ヒンジ部37と本体部31とを別々に形成した後でヒンジ部37を本体部31に組み込むように形成してもよい。
【0035】
次に、
図5及び
図6を参照して、当て部材50について説明する。
図5は当て部材と上面カバーとを示す斜視図であり、
図6は当て部材と上面カバーとを示す正面図である。当て部材50は、
図5に示されるように、上面カバー30のヒンジ部37のそれぞれに対応するようにプリンター本体2に設けられている。
【0036】
当て部材50は、断面が略L字状のアングル材状の縦長の部材である。当て部材50の下端には、四角形状の下端面51が形成されている。
図6に示されるように、下端面51は、右方向に向かって高くなる2段の階段状に形成されており、下段部51a(第1の被当接部)と上段部51b(第2の被当接部)と、を有する。下段部51aの下面はほぼ水平面に形成され、上段部51bは、下段部51aよりも面積が広く形成されていると共に、下段部51aに向かって緩やかに下方に傾斜するように形成されている。
【0037】
図5に示されるように、当て部材50は、プリンター本体2のトナーコンテナ収容部15の右前及び右後の隅に角が当たるように配置されている。
【0038】
上記構成を有する上面カバー30と当て部材50において、上面カバー30の回動作業を、
図7〜
図10を参照して説明する。
図7は上面カバー閉位置を示す斜視図、
図8は上面カバー開位置を示す斜視図、
図9は上面カバー閉位置を示す側面図、
図10は上面カバー開位置を示す側面図である。
【0039】
上面カバー30は、トナーコンテナ収容部15に形成された軸孔(図示されず)と各ヒンジ部37の軸孔38とに、支軸55(
図8、
図9には図示されず)を挿通することによって、支軸55を中心として回動し、トナーコンテナ収容部15を開閉するようになっている。
【0040】
図7及び
図9に示されるように、上面カバー30の閉位置においては、ヒンジ部37の円筒部39は、当て部材50の下端面51の上段部51bの下方に位置し、本体部31の傾斜部32の右端縁32aとヒンジ部37の円筒部39との間の間隙から、当て部材50の下端面51の下段部51aが扇型状空間45に入り込んでいる。本体部31の傾斜部32の右端縁32aは、当て部材50の上段部51bの右方に離れて位置している。
【0041】
支軸55(
図8、
図9には図示されず)を中心にして上面カバー30を開位置に回動させると(
図9の矢印A参照)、
図8及び
図10に示されるように、やがて上面カバー30のヒンジ部37の平板部43が、当て部材50の下端面51の下段部51aの下面に下方から当接する。これにより、上面カバー30のそれ以上の回動が規制される。この際、上面カバー30の傾斜部32の右端縁32aと、当て部材50の下端面51の上段部51bの上面とは当接しておらず、所定のクリアランスGを介して対向している。クリアランスは、例えば0.5mmである。
【0042】
上面カバー30をさらに開方向に回動させると(
図10の矢印B参照)、
図8及び
図10に示されるように、上面カバー30のヒンジ部37の平板部43が、当て部材50の下端面51の下段部51aの下面に当接した状態のまま、上面カバー30の傾斜部32の右端縁32aが当て部材50の下端面51の上段部51bの上面に上方から当接する(
図10の一点鎖線参照)。これにより、上面カバー30のさらなる回動が規制される。この際、上面カバー30は、ヒンジ部37に対して本体部31が右方向に反るようにやや変形して、ヒンジ部37の平板部43と傾斜部32の右端縁32aとによって、当て部材50の下端面51をそれぞれ下方向(
図10の矢印C参照)と上方向(
図10の矢印D参照)とから挟む。
【0043】
上記したように本発明の実施の形態に係る上面カバー30においては、開位置と、開位置からさらに開方向へ回動した位置とによって、上面カバー30の回動を二段階で規制することができる。さらに、上面カバー30を開位置からさらに開方向へ回動した場合、ヒンジ部37の平板部43と傾斜部32の右端縁32aとの2箇所で当て部材50に当接するので、上面カバー30が当て部材50から受ける反力が2箇所に分散される。また、ヒンジ部37の平板部43は当て部材50の下端面51の下段部51aに下方から当接し(
図10の矢印C)、傾斜部32の右端縁32aは当て部材50の下端面51の上段部51bに上方から当接する(
図10の矢印D)ので、上面カバー30が受ける反力の方向が反対方向となり、互いに打ち消し合うように作用する。これにより、上面カバー30は反るようにやや変形するがそれ以上の変形が抑制される。したがって、上面カバー30の破損を防止するための補強部材の追加や高強度の材料の使用等の高強度化が不要になり、コストダウンが可能になる。
【0044】
さらに、上面カバー30においては、本体部31とヒンジ部37とが一体に形成されているので、上面カバー30を開位置からさらに開方向へ回動した際に、従来技術(
図12及び
図13参照)のように、本体部からヒンジ部に力がかかって連結部が破損するような問題は生じない。
【0045】
次に、
図11を参照して、本発明の他の実施形態に係る上面カバーについて説明する。この実施形態の上面カバー30には、上面カバー30を開位置に維持するロック部材60と、上面カバー30の閉位置への回動に抵抗を与えるダンパー部材70と、が備えられている。
【0046】
上面カバー30のヒンジ部37の外周面には、正面視にてV字状の凹部49が形成されている。
【0047】
ロック部材60は、四角柱状の中空の部材であり、正面視にてV字状に形成された先端部60aを有する。ロック部材60は、上面カバー30が開位置においてヒンジ部37の凹部49に対して進退する方向に支持されて、凹部49に進出する方向にコイルばね61で付勢されている。
【0048】
ダンパー部材70は、ねじりコイルばねであり、中央部の巻線部71と、巻線部71から延びる2本のアーム部72、73とを有する。巻線部71は支軸55に挿通されており、一方のアーム部72はヒンジ部37の左端面に係止されており、他方のアーム部73は当て部材50に係止されている。ダンパー部材70はヒンジ部37を
図11の時計方向に付勢している。すなわち、ダンパー部材70は上面カバー30を開位置へ付勢している。
【0049】
上記構成を有する上面カバー30においては、上面カバー30が開位置に回動すると、コイルばね61で付勢されてロック部材60が進出し、ヒンジ部37の凹部49に先端部60aが係合する。これにより、上面カバー30が開位置に保持されている。なお、上面カバー30を閉じる際は、上面カバー30を閉じる方向に回動させれば、ロック部材60の先端部60aは、ヒンジ部37の凹部49の側面で退出方向に押されて凹部49から外れるので、上面カバー30は開位置から回動可能となる。
【0050】
また、上面カバー30を開位置から閉位置に回動する際には、ダンパー部材70から上面カバー30に抵抗が与えられるので、上面カバー30が自重で一気に下降することを防ぐことができる。
【0051】
本発明の実施形態では、トナーコンテナ収容部15の開閉カバー30に本発明の構成を適用した場合について説明したが、紙詰まりの処理等を行うための用紙の搬送経路17を開閉するカバーや、原稿押さえカバーが設けられているカラープリンターの場合は原稿押さえカバー等に本発明の構成を適用しても良い。
【0052】
さらに、本発明の実施形態では、カラープリンター1に本発明の構成を適用した場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等のカラープリンター1以外の画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。
【0053】
さらに、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。