特許第6043760号(P6043760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043760
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】物干しハンガー及びハンガー
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/00 20060101AFI20161206BHJP
   A47G 25/44 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   D06F57/00 340
   D06F57/00 350
   D06F57/00 380
   A47G25/44 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-144314(P2014-144314)
(22)【出願日】2014年7月14日
(65)【公開番号】特開2016-19618(P2016-19618A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2016年1月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512102302
【氏名又は名称】張沢 洪植
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100066061
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(74)【代理人】
【識別番号】100143340
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 美良
(72)【発明者】
【氏名】張沢 洪植
【審査官】 横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第02496561(US,A)
【文献】 特開平11−178700(JP,A)
【文献】 実公昭50−010902(JP,Y1)
【文献】 実開昭64−035080(JP,U)
【文献】 実開昭59−013294(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3009015(JP,U)
【文献】 特開2013−220267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/00
A47G 25/44
D06F 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状の外装部と、前記外装部の左右端部から前記外装部の内部に挿入される2つの腕部と、2つの前記腕部の内側の先端を連結する連結ワイヤーと、2つの前記腕部の内側の先端に固定された磁石と、を有し、前記外装部は、2つの前記腕部が挿入される空隙を有するとともに中央部に仕切壁を有し、前記連結ワイヤーを下方に引き下げることによって、2つの前記腕部は前記外装部の内部に収納され、前記収納された2つの前記腕部は、前記仕切壁を介して前記磁石により互いに引き合っている状態となるハンガーと、
前記ハンガーの上部に設置されたローラと、
を有する複数のハンガーユニットと、
複数の前記ハンガーユニットのローラが移動するためのガイドレールと、
前記ガイドレールが下面に設置された固定台と、
備えることを特徴とする物干しハンガー。
【請求項2】
前記ハンガーは、前記腕部を前記外装部から引き出した際に、前記腕部が前記外装部から脱落するのを防止するためのストッパー手段を有することを特徴とする請求項1記載の物干しハンガー。
【請求項3】
前記ガイドレールが円形状に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の物干しハンガー。
【請求項4】
複数の前記ハンガーユニットを連結するための連結ケーブルと、
前記ガイドレールを移動する複数の前記ハンガーユニットのうちの一のハンガーユニットに係止されたバンドと、
前記バンドを巻き取る巻き取り手段と、
備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物干しハンガー。
【請求項5】
前記ハンガーの前記腕部の外側の先端に、洗濯バサミを有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の物干しハンガー。
【請求項6】
円弧状の外装部と、
前記外装部の左右端部から前記外装部の内部に挿入される2つの腕部と、
2つの前記腕部の内側の先端を連結する連結ワイヤーと、
2つの前記腕部の内側の先端に固定された磁石と、
前記外装部の上面に設置されたフックと、
有し
記外装部は、2つの前記腕部が挿入される空隙を有するとともに、中央部に仕切壁を有し、
前記連結ワイヤーを下方に引き下げることによって、2つの前記腕部前記外装部の内部に収納され、
前記収納された2つの前記腕部は、前記仕切壁を介して前記磁石により互いに引き合っている状態となることを特徴とするハンガー。
【請求項7】
前記腕部を前記外装部から引き出した際に、前記腕部が前記外装部から脱落するのを防止するためのストッパー手段を有することを特徴とする請求項6記載のハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物を干すための物干しハンガー及びハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の形状、機能を有する物干しハンガーが使用されている。図10(a)に一般的な物干しハンガー60を示す。この物干しハンガー60は、連結部61に設けられた複数の係止孔62に複数のハンガー63がそれぞれ挿入され、連結部61の上側中央に設置された固定部64が物干し竿20を把持する構成を有している。そして、洗濯物50はハンガー63のそれぞれに掛けられ乾燥される(図10(b))。
【0003】
また、例えば特許文献1には、物干し作業を作業者自身が移動しながら行うのではなく、干した洗濯物を移動させることにより、作業を容易に行うことができる物干し装置に関する技術が開示されている。特許文献1の物干し装置70を、図11に示す。物干し装置70は、パンタグラフ式のアーム76の中心部に滑車74を有しており、これをレール72に挿入し、水平方向への伸縮運動により、付属のグリップ75に掛けたハンガー71を手動で均等に配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−254765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図10(a)に示した物干しハンガー60や特許文献1の物干し装置70では、ボタン50aを掛けた状態でシャツ等の洗濯物50を干した場合(図10(b))、ハンガー63からシャツ等を外すためにはボタン50aを外さなければならず手間と時間がかかるという問題があった。また、物干しハンガー60、物干し装置70は全体が嵩張るため、室内に収納する場合には大きなスペースを占有するという課題があった。
【0006】
本発明は、以上の課題に着目して成されたもので、洗濯物を簡単にハンガーから外すことができ、かつ全体をコンパクトに収納することができる物干しハンガー及びハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、以下の構成を備えるものである。
【0008】
(1)円弧状の外装部と、前記外装部の左右端部から前記外装部の内部に挿入される2つの腕部と、2つの前記腕部の先端を連結する連結ワイヤーと、2つの前記腕部の先端に固定された磁石と、を有し、円弧状の前記外装部は、2つの前記腕部が挿入される空隙を有するとともに中央部に仕切壁を有するハンガーと、
前記ハンガーの上部に設置されたローラと、を有する複数のハンガーユニットと、
複数の前記ハンガーユニットのローラが移動するためのガイドレールと、
前記ガイドレールが下面に設置された固定台と、
を有することを特徴とする物干しハンガー。
【0009】
(2)前記腕部を前記外装部から引き出した際に、前記腕部が前記外装部から脱落するのを防止するためのストッパー手段を有することを特徴とする前記(1)記載の物干しハンガー。
【0010】
(3)前記ガイドレールが円形状に形成されたことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の物干しハンガー。
【0011】
(4)複数の前記ハンガーユニットを連結するための連結ケーブルと、
前記ガイドレールを移動する複数の前記ハンガーユニットのうちの一のハンガーユニットに係止されたバンドと、
前記バンドを巻き取る巻き取り手段と、
を有することを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の物干しハンガー。
【0012】
(5)前記腕部の先端に、洗濯バサミを有することを特徴とする前記(4)記載の物干しハンガー。
【0013】
(6)円弧状の外装部と、
前記外装部の左右端部から前記外装部の内部に挿入される2つの腕部と、
2つの前記腕部の先端を連結する連結ワイヤーと、
2つの前記腕部の先端に固定された磁石と、
前記外装部の上面に設置されたフックと、を有するハンガーであって、
円弧状の前記外装部は、2つの前記腕部が挿入される空隙を有するとともに、中央部に仕切壁を有し、
前記連結ワイヤーを下方に引き下げることによって、2つの前記腕部を前記外装部の内部に収納することを特徴とするハンガー。
【0014】
(7)前記腕部を前記外装部から引き出した際に、前記腕部が前記外装部から脱落するのを防止するためのストッパー手段を有することを特徴とする前記(6)記載のハンガー。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、洗濯物を簡単にハンガーから外すことができ、かつ全体をコンパクトに収納することができる物干しハンガー及びハンガーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の物干しハンガーの構成を示す外観図
図2】本発明の伸縮ハンガーの構成を示す外観図
図3】本発明の物干しハンガーの未使用状態を示す外観図
図4】本発明の伸縮ハンガーの構造を示す図
図5】本発明の伸縮ハンガーの使用方法を示す図
図6】本発明の伸縮ハンガーを用いたハンガーの使用例を示す図
図7】本発明の物干しハンガーのストッパー機構を示す図
図8】本発明の物干しハンガーの他の構成を示す外観図
図9】本発明のハンガーの使用方法を示す図
図10】従来の物干しハンガーの構成を示す図
図11】従来の他の物干しハンガーの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例】
【0018】
[物干しハンガーの構成]
図1は、本発明の物干しハンガー10の構成を示す図である。図1(a)は伸縮ハンガー4の腕部41を延ばした状態を示している。なお、伸縮ハンガー4については後に詳しく説明する。
【0019】
物干しハンガー10は、固定台1と固定台1の下面に設置されたガイドレール2を有している。また、外装部40と腕部41からなる複数の伸縮ハンガー4がガイドレール2を移動する。伸縮ハンガー4には取付金具5とローラ固定金具6が取付られ、ローラ固定金具6にはローラ7が設置されておりハンガーユニットを構成している(図2(a))。伸縮ハンガー4は、ローラ7によってガイドレール2上を滑るように移動することができる(図2(b))。なお、複数の伸縮ハンガー4は連結ケーブル9で相互に連結されている。
【0020】
固定台1の上面の右端側には巻取り具3が設置されている。巻取り具3は巻取りバンド3aを巻き取るための装置である。巻取りバンド3aの端部は、左端の伸縮ハンガー4にローラ8を経由して固定されている。図1(a)は、巻取りバンド3aが短くなった状態を示す。また、固定台1の上側の両端部には吊り下げワイヤー12を介して固定部11が設置されている。物干しハンガー10は、固定部11によって物干し竿20に設置されている。
【0021】
図1(b)は、物干しハンガー10の伸縮ハンガー4の腕部41を外装部40の内部に収納した状態を示している。腕部41を収納することで、物干しハンガー10全体をコンパクトにすることができる。また、図1(c)は腕部41の端部に洗濯バサミ13を取り付けた状態を示している。洗濯バサミ13によって、靴下やハンカチ、タオル等を干すことができる。
【0022】
図3(a)は、複数の伸縮ハンガー4を右側に寄せた状態を示している。この状態では、巻取りバンド3aは最大に伸びた状態となっている。この状態で巻取り具3のボタン3bを押すと、物干しハンガー10は巻取りバンド3aが巻取り具3に巻き取られ、図1(a)の状態になる。巻取り具3の内部には、メジャー等と同様にぜんまいバネが収納されている。図3(b)は、洗濯バサミ13が取り付けられた伸縮ハンガー4が右側に寄せられた状態を示している。更に、図3(c)は伸縮ハンガー4の腕部41が、外装部40に収納された状態で右側に寄せられた状態を示している。図3(c)の状態の物干しハンガー10は、いわば未使用状態を示しており非常にコンパクトな状態になることがわかる。
【0023】
[伸縮ハンガーの構成]
図4を参照しつつ、伸縮ハンガー4の構成について説明する。図4(a1)〜(a3)は腕部41が外装部40に収納された状態を示している。
【0024】
伸縮ハンガー4は、1つの外装部40と2つの腕部41によって構成されている。外装部40の内部には腕部41が挿入される2つの空間が形成されており、空間の間には仕切壁40aが設けられている。また、腕部41の内側先端部には磁石41aが埋め込まれており、図4(a2)の状態では左右の腕部41の内側先端部が引き合っている状態となっている。磁石41aは、ネオジム磁石等の強力な磁石が使用される。更に、左右の腕部41の内側先端は、連結ワイヤー42によって連結されている。この連結ワイヤー42の機能については、後に説明する。
【0025】
なお、腕部41の内側先端の下側近傍にはストッパーネジ43(ストッパー手段)が固定され、外装部40の下側面には、ストッパーネジ43が移動するための溝部40bが形成されている。図4(b1)、(b2)は腕部41が外装部40から引き出された状態を示している。ストッパーネジ43は、腕部41が外装部40から引き出された際にストッパーとして機能する(図4(b2))。連結ワイヤー42は、腕部41が引き出された場合に、図4(b2)のように引き伸ばされた状態になる。
【0026】
図5を用いて、伸縮ハンガー4の腕部41を外装部40に収納する手順について説明する。図5(a)は、腕部41が延ばされた状態を示し、この状態で連結ワイヤー42の輪部に指を入れ下方に引き下ろす。連結ワイヤー42を引き下ろすと同時に、腕部41は外装部40の内側に移動する。図5(b)は、腕部41の収納が終了した状態を示しており、連結ワイヤー42は下側に突出した状態になっている。
【0027】
図6は、物干しハンガー10の伸縮ハンガー4に洗濯物50が干された状態を示している。図6(a)は、伸縮ハンガー4の腕部41が伸びた状態であり、洗濯物50を乾かしている場合である。この場合には、伸縮ハンガー4の全体の長さは長く洗濯物50が皺になったりすることはない。図6(b)は、伸縮ハンガー4の腕部41を収納した状態であり、伸縮ハンガー4の全体の長さは短くなっている。伸縮ハンガー4の全値の長さが短くなることで、洗濯物50を簡単に伸縮ハンガー4から外すことができる。従来のように、洗濯物のシャツのボタンを外さなければハンガーから外せないという問題を解消することができる。
【0028】
[物干しハンガーのストッパー機構]
図7は、本発明の物干しハンガーのストッパー機構を説明するための図である。図7(a)はストッパー金具45が閉じた状態を示し、図7(b)はストッパー金具45が開いた状態を示している。ストッパー金具45は、固定台1の下面の図3(c)に示したX部に設置されているものとする。
【0029】
使用者は、物干しハンガー10を図1に示した状態で使用している場合には図7(a)のようにストッパー金具45を閉じた状態にする。そして、物干しハンガー10が図3に示した未使用状態である場合には図7(b)のようにストッパー金具45を開いた状態にし、複数の伸縮ハンガー4が風等によりばらけることを防止することができる。
【0030】
[円形の物干しハンガー]
図8は、円形状のガイドレール30に複数の伸縮ハンガー4を設置した場合の物干しハンガー80を示す。図8(a)は伸縮ハンガー4の腕部41を延ばした状態を示し、図8(b)は腕部41を収納した状態を示す。このようにガイドレール30を円形状にすることで、物干しハンガー80をよりコンパクトにすることができる。図8の物干しハンガー80では、ガイドレール30に吊り下げ金具31が固定され、吊り下げ金具31の上側端部に固定部32が設置されている。物干しハンガー80は、固定部32によって物干し竿20に設置される。
【0031】
[ハンガー]
図9は、伸縮ハンガー4にフック35を取り付けて通常のハンガー90とした場合の例である。図9(a)は腕部41が伸びた状態を示し、図9(b)は腕部41が収納された状態を示している。ハンガー90の腕部41が伸びた状態では、衣類51を通常通り吊るすことができる。衣類51をハンガー90から外す場合には、連結ワイヤー42を引き出すことで腕部41を短くし衣類を外す。
【0032】
このように、伸縮ハンガーを通常のハンガーに用いた場合では、衣類を簡単にハンガーから取り外せるとともに、未使用時にはハンガーをコンパクトな形状にすることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 固定台
2 ガイドレール
3 巻取り具
4 伸縮ハンガー
5 取付金具
6 ローラ固定金具
7,8 ローラ
9 連結ケーブル
10 物干しハンガー
11 固定部
12 ワイヤー
40 外装部
41 腕部
45 ストッパー金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11