【実施例】
【0018】
[物干しハンガーの構成]
図1は、本発明の物干しハンガー10の構成を示す図である。
図1(a)は伸縮ハンガー4の腕部41を延ばした状態を示している。なお、伸縮ハンガー4については後に詳しく説明する。
【0019】
物干しハンガー10は、固定台1と固定台1の下面に設置されたガイドレール2を有している。また、外装部40と腕部41からなる複数の伸縮ハンガー4がガイドレール2を移動する。伸縮ハンガー4には取付金具5とローラ固定金具6が取付られ、ローラ固定金具6にはローラ7が設置されておりハンガーユニットを構成している(
図2(a))。伸縮ハンガー4は、ローラ7によってガイドレール2上を滑るように移動することができる(
図2(b))。なお、複数の伸縮ハンガー4は連結ケーブル9で相互に連結されている。
【0020】
固定台1の上面の右端側には巻取り具3が設置されている。巻取り具3は巻取りバンド3aを巻き取るための装置である。巻取りバンド3aの端部は、左端の伸縮ハンガー4にローラ8を経由して固定されている。
図1(a)は、巻取りバンド3aが短くなった状態を示す。また、固定台1の上側の両端部には吊り下げワイヤー12を介して固定部11が設置されている。物干しハンガー10は、固定部11によって物干し竿20に設置されている。
【0021】
図1(b)は、物干しハンガー10の伸縮ハンガー4の腕部41を外装部40の内部に収納した状態を示している。腕部41を収納することで、物干しハンガー10全体をコンパクトにすることができる。また、
図1(c)は腕部41の端部に洗濯バサミ13を取り付けた状態を示している。洗濯バサミ13によって、靴下やハンカチ、タオル等を干すことができる。
【0022】
図3(a)は、複数の伸縮ハンガー4を右側に寄せた状態を示している。この状態では、巻取りバンド3aは最大に伸びた状態となっている。この状態で巻取り具3のボタン3bを押すと、物干しハンガー10は巻取りバンド3aが巻取り具3に巻き取られ、
図1(a)の状態になる。巻取り具3の内部には、メジャー等と同様にぜんまいバネが収納されている。
図3(b)は、洗濯バサミ13が取り付けられた伸縮ハンガー4が右側に寄せられた状態を示している。更に、
図3(c)は伸縮ハンガー4の腕部41が、外装部40に収納された状態で右側に寄せられた状態を示している。
図3(c)の状態の物干しハンガー10は、いわば未使用状態を示しており非常にコンパクトな状態になることがわかる。
【0023】
[伸縮ハンガーの構成]
図4を参照しつつ、伸縮ハンガー4の構成について説明する。
図4(a1)〜(a3)は腕部41が外装部40に収納された状態を示している。
【0024】
伸縮ハンガー4は、1つの外装部40と2つの腕部41によって構成されている。外装部40の内部には腕部41が挿入される2つの空間が形成されており、空間の間には仕切壁40aが設けられている。また、腕部41の内側先端部には磁石41aが埋め込まれており、
図4(a2)の状態では左右の腕部41の内側先端部が引き合っている状態となっている。磁石41aは、ネオジム磁石等の強力な磁石が使用される。更に、左右の腕部41の内側先端は、連結ワイヤー42によって連結されている。この連結ワイヤー42の機能については、後に説明する。
【0025】
なお、腕部41の内側先端の下側近傍にはストッパーネジ43(ストッパー手段)が固定され、外装部40の下側面には、ストッパーネジ43が移動するための溝部40bが形成されている。
図4(b1)、(b2)は腕部41が外装部40から引き出された状態を示している。ストッパーネジ43は、腕部41が外装部40から引き出された際にストッパーとして機能する(
図4(b2))。連結ワイヤー42は、腕部41が引き出された場合に、
図4(b2)のように引き伸ばされた状態になる。
【0026】
図5を用いて、伸縮ハンガー4の腕部41を外装部40に収納する手順について説明する。
図5(a)は、腕部41が延ばされた状態を示し、この状態で連結ワイヤー42の輪部に指を入れ下方に引き下ろす。連結ワイヤー42を引き下ろすと同時に、腕部41は外装部40の内側に移動する。
図5(b)は、腕部41の収納が終了した状態を示しており、連結ワイヤー42は下側に突出した状態になっている。
【0027】
図6は、物干しハンガー10の伸縮ハンガー4に洗濯物50が干された状態を示している。
図6(a)は、伸縮ハンガー4の腕部41が伸びた状態であり、洗濯物50を乾かしている場合である。この場合には、伸縮ハンガー4の全体の長さは長く洗濯物50が皺になったりすることはない。
図6(b)は、伸縮ハンガー4の腕部41を収納した状態であり、伸縮ハンガー4の全体の長さは短くなっている。伸縮ハンガー4の全値の長さが短くなることで、洗濯物50を簡単に伸縮ハンガー4から外すことができる。従来のように、洗濯物のシャツのボタンを外さなければハンガーから外せないという問題を解消することができる。
【0028】
[物干しハンガーのストッパー機構]
図7は、本発明の物干しハンガーのストッパー機構を説明するための図である。
図7(a)はストッパー金具45が閉じた状態を示し、
図7(b)はストッパー金具45が開いた状態を示している。ストッパー金具45は、固定台1の下面の
図3(c)に示したX部に設置されているものとする。
【0029】
使用者は、物干しハンガー10を
図1に示した状態で使用している場合には
図7(a)のようにストッパー金具45を閉じた状態にする。そして、物干しハンガー10が
図3に示した未使用状態である場合には
図7(b)のようにストッパー金具45を開いた状態にし、複数の伸縮ハンガー4が風等によりばらけることを防止することができる。
【0030】
[円形の物干しハンガー]
図8は、円形状のガイドレール30に複数の伸縮ハンガー4を設置した場合の物干しハンガー80を示す。
図8(a)は伸縮ハンガー4の腕部41を延ばした状態を示し、
図8(b)は腕部41を収納した状態を示す。このようにガイドレール30を円形状にすることで、物干しハンガー80をよりコンパクトにすることができる。
図8の物干しハンガー80では、ガイドレール30に吊り下げ金具31が固定され、吊り下げ金具31の上側端部に固定部32が設置されている。物干しハンガー80は、固定部32によって物干し竿20に設置される。
【0031】
[ハンガー]
図9は、伸縮ハンガー4にフック35を取り付けて通常のハンガー90とした場合の例である。
図9(a)は腕部41が伸びた状態を示し、
図9(b)は腕部41が収納された状態を示している。ハンガー90の腕部41が伸びた状態では、衣類51を通常通り吊るすことができる。衣類51をハンガー90から外す場合には、連結ワイヤー42を引き出すことで腕部41を短くし衣類を外す。
【0032】
このように、伸縮ハンガーを通常のハンガーに用いた場合では、衣類を簡単にハンガーから取り外せるとともに、未使用時にはハンガーをコンパクトな形状にすることができる。