特許第6043775号(P6043775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043775
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】給紙装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/28 20060101AFI20161206BHJP
   B65H 1/14 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   B65H1/28 310
   B65H1/14 322A
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-223365(P2014-223365)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-88667(P2016-88667A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2016年5月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷先 亨夫
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−42494(JP,A)
【文献】 特開2002−37468(JP,A)
【文献】 特開2011−136804(JP,A)
【文献】 特開平11−292306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H1/14、1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙が載置される第1トレイと、前記第1トレイに載置された用紙を送り出す第1給紙ローラーと、前記第1トレイに載置された用紙が前記第1給紙ローラーと接するように第1上昇モーターからの動力を得て前記第1トレイを上昇させる第1昇降機構と、を含む第1給紙部と、
用紙が載置される第2トレイと、前記第2トレイに載置された用紙を送り出す第2給紙ローラーと、前記第2トレイに載置された用紙が前記第2給紙ローラーと接するように第2上昇モーターからの動力を得て前記第2トレイを上昇させる第2昇降機構と、を含み、前記第1給紙部と水平方向に並べて設けられる第2給紙部と、
前記第1トレイと前記第2トレイの間に立てられる仕切板と、
発光部と受光部を有する透過型光センサーであり、前記第1トレイに取り付けられ前記第2トレイの位置を確認するためのセンサー部と、
前記センサー部の出力が入力され、前記第1上昇モーターと前記第2上昇モーターのON/OFFを制御する制御部と、を備え、
前記第2トレイには、前記第2トレイが昇降されたとき、前記発光部と前記受光部の間を通過するように遮光板が取り付けられ、
前記遮光板は、前記第1トレイと前記第2トレイの高さが同じ高さとなったとき、前記遮光板の下側のエッジが前記発光部と前記受光部の光軸と重なるように取り付けられ、
前記センサー部は、前記第1トレイと前記第2トレイの高さが同じ状態になると透過状態を示す透過出力値から前記遮光板による遮光によって遮光状態であることを示す遮光出力値に変化し、
前記仕切板を取り外し、前記第1トレイの載置面と前記第2トレイのそれぞれの載置面よりも大きなサイズの用紙を前記第1トレイと前記第2トレイの両方にまたがってセットして両方のトレイを上昇させるトレイ並行上昇モードのとき、
前記制御部は、前記第1上昇モーターを停止させつつ前記第2上昇モーターを所定時間回転させて前記第2トレイを上昇させて前記センサー部の出力を前記遮光出力値から前記透過出力値とする第2トレイ上昇動作と、前記所定時間の前記第2上昇モーターの回転後、前記第2上昇モーターを停止させつつ前記第1上昇モーターを前記センサー部の出力が前記透過出力値から前記遮光出力値に変化するまで回転させて前記第1トレイを上昇させる第1トレイ上昇動作を前記第1トレイと前記第2トレイの高さの差が予め定められた許容範囲に収まるように交互に繰り返して、前記第1トレイと前記第2トレイの両方を上昇させることを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
用紙が載置される第1トレイと、前記第1トレイに載置された用紙を送り出す第1給紙ローラーと、前記第1トレイに載置された用紙が前記第1給紙ローラーと接するように第1上昇モーターからの動力を得て前記第1トレイを上昇させる第1昇降機構と、を含む第1給紙部と、
用紙が載置される第2トレイと、前記第2トレイに載置された用紙を送り出す第2給紙ローラーと、前記第2トレイに載置された用紙が前記第2給紙ローラーと接するように第2上昇モーターからの動力を得て前記第2トレイを上昇させる第2昇降機構と、を含み、前記第1給紙部と水平方向に並べて設けられる第2給紙部と、
前記第1トレイと前記第2トレイの間に立てられる仕切板と、
光部と受光部を有する透過型光センサーであり、前記第1トレイに取り付けられ前記第2トレイの位置を確認するためのセンサー部と、
前記センサー部の出力が入力され、前記第1上昇モーターと前記第2上昇モーターのON/OFFを制御する制御部と、を備え、
前記第2トレイには、前記第2トレイが昇降されたとき、前記発光部と前記受光部の間を通過するように遮光板が取り付けられ、
前記遮光板は、前記第1トレイと前記第2トレイの高さが同じ高さとなったとき、前記遮光板の上側のエッジが前記発光部と前記受光部の光軸と重なるように取り付けられ、
前記センサー部は、前記第1トレイと前記第2トレイの高さが同じ状態になると前記遮光板による遮光によって、透過状態を示す透過出力値から遮光状態であることを示す遮光出力値に変化し、
前記仕切板を取り外し、前記第1トレイの載置面と前記第2トレイのそれぞれの載置面よりも大きなサイズの用紙を前記第1トレイと前記第2トレイの両方にまたがってセットして両方のトレイを上昇させるトレイ並行上昇モードのとき、
前記制御部は前記第2上昇モーターを停止させつつ前記第1上昇モーターを所定時間回転させて前記第1トレイを上昇させて前記センサー部の出力を前記遮光出力値から前記透過出力値とする前記第1トレイ上昇動作と、前記所定時間の前記第1上昇モーターの回転後、前記第1上昇モーターを停止させつつ前記第2上昇モーターを前記センサー部の出力が前記透過出力値から前記遮光出力値に変化するまで回転させて前記第2トレイを上昇させる前記第2トレイ上昇動作を、前記第1トレイと前記第2トレイの高さの差が予め定められた許容範囲に収まるように交互に繰り返して、前記第1トレイと前記第2トレイの両方を上昇させることを特徴とする給紙装置。
【請求項3】
前記第2給紙ローラーは、前記第1給紙ローラーよりも印刷がなされる位置までの用紙搬送距離が短い位置に設置され、
前記第1トレイに載置された用紙のうちの最上位と前記第1給紙ローラーが接することにより前記第1トレイが給紙位置に達したことを検知する第1上限センサーと、
前記第2トレイに載置された用紙のうちの最上位の用紙と、前記第2給紙ローラーが接することにより前記第2トレイが給紙位置に達したことを検知し、前記第1上限センサーよりも下側に設けられる第2上限センサーと、を含み、
前記制御部は、前記トレイ並行上昇モードでは前記第2上限センサーに基づき、前記第2トレイの給紙位置まで、前記第1トレイと前記第2トレイを上昇させ、前記第2給紙ローラーを回転させて前記第1トレイと前記第2トレイにまたがって載置された用紙の給紙を行うことを特徴とする請求項に記載の給紙装置。
【請求項4】
記第1昇降機構は、前記第1トレイが引き出されると、重力の作用により、前記第1トレイを基準位置まで下降させ、
前記第2昇降機構は、前記第2トレイが引き出されると、重力の作用により、前記第2トレイを前記第1トレイと同じ位置まで下降させることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の給紙装置。
【請求項5】
請求項1乃至の何れか1項に記載の給紙装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置、および、この給紙装置を含む画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、印刷に用いる用紙を収容し、給紙を行う給紙装置が設けられる。A3用紙のような大きなサイズも収容できるように、用紙束を1つだけセットするタイプの給紙装置が多い。しかし、A3サイズ対応の給紙装置に、例えば、A4やB5の用紙をセットすると、使われないスペースが多くできる。そこで、1つの給紙装置に、用紙束を並行にセットできるようにして、用紙の収容枚数を増やす場合がある。
【0003】
用紙束を2列セット可能なシート給送装置が特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1には、第1のシート積載台を昇降可能とし、第1のシート積載台からシートを給送し、昇降可能な第2のシート積載台を第1のシート積載台に対してほぼ水平に並設し、第2のシート積載台上のシート束を一括して第1のシート積載台へ移送し、シート束の移送時に、第1のシート積載台と第2のシート積載台とがほぼ同じ高さ位置に停止する各停止位置を検知し、第1のシート積載台上のシートが無くなると第2のシート積載台上のシート束を第1のシート積載台上に自動的に移送してシート給送動作を継続するタンデム給送動作が実行可能なシート給送装置が記載されている。この構成では、タンデム給送動作時に、シート束崩れの発生を検知して、サービスコールを無くそうとする(特許文献1:請求項1、段落[0009]、[0010])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−263014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載のシート給送装置は、予備のシートをセットする積載台上のシート束をシートが無くなった積載台にまとめて移すものである。一方、複数のトレイを1段の給紙装置内に設け、各トレイからそれぞれ給紙できるようにした給紙装置もある(以下、このような給紙装置を「各トレイ独立給紙型の給紙装置」と称する。)。言い換えると、各トレイ独立給紙型の給紙装置は、1つの(1段の)給紙装置を複数の部屋に区切り、各部屋からそれぞれ給紙を行えるようになっている。
【0006】
このような、各トレイ独立給紙型の給紙装置では、各トレイに対し、それぞれ給紙ローラーや、トレイの昇降機構が設けられる。そして、各トレイの用紙の残枚数にあわせて、それぞれの給紙ローラーとそれぞれのトレイ上の用紙が接するように、各トレイが上昇させられる。
【0007】
各トレイ独立給紙型の給紙装置では、比較的小さいサイズの用紙の束を、例えば、2列並べてセットすることができるようになっている。これにより、給紙装置内の空間を有効活用することができる。その反面、各トレイ独立給紙型の給紙装置では、1つのあたりの用紙トレイのサイズは小さくなり、大きなサイズの用紙(例えば、A3サイズやB4サイズ)をセットできない。従来、各トレイ独立給紙型の給紙装置には、大きなサイズの用紙も載置できるようにしたものは存在せず、使用者は大きなサイズの用紙をセットしたくても、構造的にできず、使い勝手が良くない場合があるという問題がある。
【0008】
ここで、特許文献1記載のシート給送装置は、1段のスペース内に、シート束を2列セットすることができる。しかし、シート給送装置内のトレイよりも大きなサイズの用紙束をセットすることは想定されておらず、関係する記載はない。従って、特許文献1の記載に基づき、上記の問題を解決することはできない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、各トレイ独立給紙型の給紙装置において、高価なモーター、回路を用いること無く、複数のトレイにまたがってセットされた大サイズの用紙を崩すことなく、両トレイを上昇させる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に係る給紙装置は、また、請求項2に係る給紙装置は、用紙が載置される第1トレイと、前記第1トレイに載置された用紙を送り出す第1給紙ローラーと、前記第1トレイに載置された用紙が前記第1給紙ローラーと接するように第1上昇モーターからの動力を得て前記第1トレイを上昇させる第1昇降機構と、を含む第1給紙部と、用紙が載置される第2トレイと、前記第2トレイに載置された用紙を送り出す第2給紙ローラーと、前記第2トレイに載置された用紙が前記第2給紙ローラーと接するように第2上昇モーターからの動力を得て前記第2トレイを上昇させる第2昇降機構と、を含み、前記第1給紙部と水平方向に並べて設けられる第2給紙部と、前記第1トレイと前記第2トレイの間に立てられる仕切板と、発光部と受光部を有する透過型光センサーであり、前記第1トレイに取り付けられ前記第2トレイの位置を確認するためのセンサー部と、前記センサー部の出力が入力され、前記第1上昇モーターと前記第2上昇モーターのON/OFFを制御する制御部と、を備える。前記第2トレイには、前記第2トレイが昇降されたとき、前記発光部と前記受光部の間を通過するように遮光板が取り付けられる。前記遮光板は、前記第1トレイと前記第2トレイの高さが同じ高さとなったとき、前記遮光板の下側のエッジが前記発光部と前記受光部の光軸と重なるように取り付けられる。前記センサー部は、前記第1トレイと前記第2トレイの高さが同じ状態になると透過状態を示す透過出力値から前記遮光板による遮光によって遮光状態であることを示す遮光出力値に変化する。前記仕切板を取り外し、前記第1トレイの載置面と前記第2トレイのそれぞれの載置面よりも大きなサイズの用紙を前記第1トレイと前記第2トレイの両方にまたがってセットして両方のトレイを上昇させるトレイ並行上昇モードのとき、前記制御部は、前記第1上昇モーターを停止させつつ前記第2上昇モーターを所定時間回転させて前記第2トレイを上昇させて前記センサー部の出力を前記遮光出力値から前記透過出力値とする第2トレイ上昇動作と、前記所定時間の前記第2上昇モーターの回転後、前記第2上昇モーターを停止させつつ前記第1上昇モーターを前記センサー部の出力が前記透過出力値から前記遮光出力値に変化するまで回転させて前記第1トレイを上昇させる第1トレイ上昇動作を前記第1トレイと前記第2トレイの高さの差が予め定められた許容範囲に収まるように交互に繰り返して、前記第1トレイと前記第2トレイの両方を上昇させる。また、請求項2に係る給紙装置は、用紙が載置される第1トレイと、前記第1トレイに載置された用紙を送り出す第1給紙ローラーと、前記第1トレイに載置された用紙が前記第1給紙ローラーと接するように第1上昇モーターからの動力を得て前記第1トレイを上昇させる第1昇降機構と、を含む第1給紙部と、用紙が載置される第2トレイと、前記第2トレイに載置された用紙を送り出す第2給紙ローラーと、前記第2トレイに載置された用紙が前記第2給紙ローラーと接するように第2上昇モーターからの動力を得て前記第2トレイを上昇させる第2昇降機構と、を含み、前記第1給紙部と水平方向に並べて設けられる第2給紙部と、前記第1トレイと前記第2トレイの間に立てられる仕切板と、発光部と受光部を有する透過型光センサーであり、前記第1トレイに取り付けられ前記第2トレイの位置を確認するためのセンサー部と、前記センサー部の出力が入力され、前記第1上昇モーターと前記第2上昇モーターのON/OFFを制御する制御部と、を備える。前記第2トレイには、前記第2トレイが昇降されたとき、前記発光部と前記受光部の間を通過するように遮光板が取り付けられる。前記遮光板は、前記第1トレイと前記第2トレイの高さが同じ高さとなったとき、前記遮光板の上側のエッジが前記発光部と前記受光部の光軸と重なるように取り付けられる。前記センサー部は、前記第1トレイと前記第2トレイの高さが同じ状態になると前記遮光板による遮光によって、透過状態を示す透過出力値から遮光状態であることを示す遮光出力値に変化する。前記仕切板を取り外し、前記第1トレイの載置面と前記第2トレイのそれぞれの載置面よりも大きなサイズの用紙を前記第1トレイと前記第2トレイの両方にまたがってセットして両方のトレイを上昇させるトレイ並行上昇モードのとき、前記制御部は、前記第2上昇モーターを停止させつつ前記第1上昇モーターを所定時間回転させて前記第1トレイを上昇させて前記センサー部の出力を前記遮光出力値から前記透過出力値とする前記第1トレイ上昇動作と、前記所定時間の前記第1上昇モーターの回転後、前記第1上昇モーターを停止させつつ前記第2上昇モーターを前記センサー部の出力が前記透過出力値から前記遮光出力値に変化するまで回転させて前記第2トレイを上昇させる前記第2トレイ上昇動作を、前記第1トレイと前記第2トレイの高さの差が予め定められた許容範囲に収まるように交互に繰り返して、前記第1トレイと前記第2トレイの両方を上昇させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、原稿搬送装置にセットされた原稿の読み取りの残り時間を正確に求めることができる。そして、正確な残り時間を使用者に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】複合機の構造を示す図である。
図2】複合機のハードウェア構成を示す図である。
図3】給紙装置の一例を示す図である。
図4】左トレイ昇降機構の一例を示す図である。
図5】右トレイ昇降機構の一例を示す図である。
図6】トレイ並行上昇モードを説明するための図である。
図7】各トレイへのセンサー部と遮光板の取り付けの一例を示す図である。
図8】センサー部の一例を示す図である。
図9】センサー部の一例を示す図である。
図10】センサー部の光軸に対する遮光板の設置位置の一例を示す図である。
図11】トレイ並行上昇モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】トレイ並行上昇モードでのトレイ上昇を説明するための図である。
図13】変形例でのトレイ並行上昇モードでのトレイ上昇を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図1図13を用いて説明する。ここで、本説明では、本発明に係る給紙装置1を備えた複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載される構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0014】
(複合機100の概要)
まず、図1を用いて、実施形態に係る複合機100の概要を説明する。図1は、複合機100の構造を示す図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の複合機100は、正面前方に取り付けられた操作パネル2を有する。操作パネル2は、複合機100に関する情報や、ジョプに関する情報を表示する表示部21を含む。また、操作パネル2は、使用者の設定を受け付けるための入力部として、ハードキー23やタッチパネル部22を含む。
【0016】
そして、複合機100の上部には、原稿搬送部3aと画像読取部3bとが設けられる。原稿搬送部3aは、セットされた原稿を搬送し、読み取り位置を通過させる。画像読取部3bは、搬送される原稿やコンタクトガラスにセットされた原稿を読み取って画像データを生成する。
【0017】
又、複合機100は、内部に、印刷部4を含む。印刷部4は、給紙装置1、搬送部4a、画像形成部4b、定着部4cなどを含む。給紙装置1は、複数枚の用紙を収容し、印刷のとき、用紙を送り出す(詳細は後述)。搬送部4aは、給紙装置1から供給された用紙を画像形成部4bまで搬送し、定着部4cを通過した用紙を機外への排出のために搬送する。画像形成部4bは、印刷する画像データに基づき、トナー像を形成し、用紙にトナー像を転写する。定着部4cは、トナー像が転写された用紙を加熱・加圧し、用紙にトナー像を定着させる。
【0018】
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図2は、複合機100のハードウェア構成を示す図である。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係る複合機100は、主制御部5を含む。主制御部5は、複合機100に含まれる各部を制御する。主制御部5は、CPU51や、印刷や送信に用いる画像データに対して画像処理を行う画像処理部52や、その他の電子回路や素子を含む。CPU51は、記憶部53に記憶される制御プログラムや制御用データに基づき複合機100の各部の制御や演算を行う。記憶部53は、ROM、フラッシュROM、HDDのような不揮発性と記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置の組み合わせである。
【0020】
そして、主制御部5は、印刷部4(給紙装置1、搬送部4a、画像形成部4b、定着部4cなど)を制御する(印刷を制御する)エンジン制御部6(制御部に相当)や、原稿搬送部3a、画像読取部3bに動作指示を与える。エンジン制御部6は、主制御部5の指示を受け、給紙装置1に給紙を行わせ、搬送部4aに用紙を搬送させ、画像形成部4bにトナー像の形成と転写を行わせ、定着部4cに定着を行わせる。例えば、主制御部5は、コンピューター200から受信した印刷用データや、原稿搬送部3aと画像読取部3bの原稿読み取りで得られた画像データに基づく印刷をエンジン制御部6に指示し、印刷部4に印刷を行わせる(コピー機能、プリンター機能)。
【0021】
エンジン制御部6は、エンジンCPU61や、給紙装置1を含む印刷部4を制御するためのデータやプログラムを記憶するエンジンメモリー62を含む。エンジンCPU61は、主制御部5からの指示や、エンジンメモリー62のデータ、プログラムに基づき、印刷部4の動作を制御する。また、エンジン制御部6は、印刷部4に設けられる各種センサーの出力を受け、印刷部4の状態を認識する。尚、エンジン制御部6は、各種モーターのON/OFFや回転速度を制御するため、モーター制御回路63を含む(図3参照)。
【0022】
又、主制御部5には、通信部54が接続される。主制御部5は、通信部54の動作、通信処理を制御する。通信部54は、パーソナルコンピューターやサーバーのようなコンピューター200やファクシミリ装置300と通信を行うためのインターフェイスである。又、主制御部5は、操作パネル2の報知等の動作を制御する。主制御部5は、操作パネル2でなされた操作、設定内容を認識し、設定内容や印刷の実行指示を認識する。
【0023】
(給紙装置1の概要)
次に、図1図3を用いて、実施形態に係る給紙装置1の概要を説明する。原稿搬送部3aと画像読取部3bを説明する。図3は、給紙装置1の一例を示す図である。
【0024】
実施形態に係る給紙装置1は、ハウジング10内に、用紙が載置される左トレイ71(第1トレイに相当)と、用紙が載置される右トレイ81(第2トレイに相当)を含む。ハウジング10は、上面が開口しており、箱形状である。図1に示すように、ハウジング10の外側には、左右1箇所ずつに、スライドユニット12が設けられる。スライドユニット12により、ハウジング10(給紙装置1)、及び給紙装置1に取り付けられている部材を複合機100から前方に水平に引き出すことができる。
【0025】
使用者は、ハウジング10を引き出し、用紙を上面方向から積載する。一つのトレイには500〜1000枚程度の用紙の束をセットすることができる。そして、用紙の補充後にハウジング10を押し戻すと、スライドユニット12によりハウジング10が複合機100の本体内に格納され、給紙装置1が閉じられる。給紙装置1には、ハウジング10の開閉(引き出されているか否か)を検知するための開閉センサーS1が設けられる。エンジン制御部6は、開閉センサーS1の出力に基づき、ハウジング10が引き出されている状態か、閉じられて本体に格納されている状態であるかを認識する。
【0026】
左トレイ71と右トレイ81は、同じサイズであり、単体では、A4サイズの用紙まで積載可能である。左トレイ71は、左トレイ昇降機構72によって昇降される(詳細は後述)。また、右トレイ81は、右トレイ昇降機構82によって昇降される(詳細は後述)。左トレイ71と右トレイ81は、複合機100の左右方向であって、水平方向に並べて設けられる。
【0027】
左トレイ71に対しては、左給紙ローラー73(第1給紙ローラーに相当)が設けられる。エンジン制御部6は、左トレイ昇降機構72(第1昇降機構に相当)の左上昇モーター74(第1上昇モーターに相当)を回転させ、左トレイ71が上限位置(給紙位置)まで上昇したことを左上限センサー75(第1上限センサーに相当)の出力に基づき認識し、左給紙ローラー73と接するまで左トレイ71を上昇させる。このように、エンジン制御部6は、左上昇モーター74のON/OFFを制御する。そして、左トレイ71から給紙を行うとき、エンジン制御部6は、左給紙モーター76を回転させる(図3参照)。これにより、左給紙ローラー73が回転する。左給紙ローラー73の用紙の送り出し先には、左給紙モーター76、あるいは、その他のモーターの駆動を受けて用紙を搬送する左給紙パス77が設けられる。
【0028】
左給紙パス77は、左トレイ71から給紙された用紙を搬送部4aに合流させる。左給紙パス77の上流に左分離ローラー対78が設けられる。左分離ローラー対78は、左分離モーター79の駆動を受けて回転する。左分離ローラー対78は、上側のローラーが用紙を順方向に、下側のローラーが逆方向に搬送する方向に回転し、重送が生じたとき、下側の用紙を左トレイ71に送り返す。また、左給紙パス77には、用紙が適切に送り出されたか否かを検知するための左給紙センサー710が設けられる。
【0029】
右トレイ81に対しては、右給紙ローラー83(第2給紙ローラーに相当)が設けられる。エンジン制御部6は、右トレイ昇降機構82(第2昇降機構に相当)の右上昇モーター84(第2上昇モーターに相当)を回転させ、右トレイ81が上限位置(給紙位置)まで上昇したことを右上限センサー85(第2上限センサーに相当)の出力に基づき認識し、右給紙ローラー83と接するまで右トレイ81を上昇させる。このように、エンジン制御部6は、右上昇モーター84のON/OFFを制御する。そして、右トレイ81から給紙を行うとき、エンジン制御部6は、右給紙モーター86を回転させる(図3参照)。これにより、右給紙ローラー83が回転する。右給紙ローラー83の用紙の送り出し先には、右給紙モーター86、あるいは、その他のモーターの駆動を受けて用紙を搬送する右給紙パス87が設けられる。
【0030】
右給紙パス87は、右トレイ81から給紙された用紙を搬送部4aに合流させる。右給紙パス87の上流に右分離ローラー対88が設けられる。右分離ローラー対88は、右分離モーター89の駆動を受けて回転する。右分離ローラー対88は、上側のローラーが用紙を順方向に、下側のローラーが逆方向に搬送する方向に回転し、重送が生じたとき、下側の用紙を右トレイ81に送り返す。また、右給紙パス87には、用紙が適切に送り出されたか否かを検知するための右給紙センサー810が設けられる。
【0031】
このような左給紙モーター76、左分離モーター79、左トレイ昇降機構72、左上限センサー75などによって、第1給紙部7が構成される。第1給紙部7は、給紙装置1の左側に格納された用紙束の給紙を行う部分である。また、右給紙モーター86、右分離モーター89、右トレイ昇降機構82、右上限センサー85などによって、第2給紙部8が構成される。第2給紙部8は、給紙装置1の右側に格納された用紙束の給紙を行う部分である。そして、第1給紙部7と第2給紙部8は、複合機100の左右方向であって、水平方向に並べて設けられる。
【0032】
そして、図1に示すように、第1給紙部7と第2給紙部8の間を仕切る仕切板11が設けられる。仕切板11は、第1給紙部7と第2給紙部8の間で垂直方向に立つ板であり、複合機100の前後方向に沿って第1給紙部7と第2給紙部8の間を仕切る。この仕切板11によって、左トレイ71と右トレイ81のうち、何れか一方から他方に用紙がなだれ込まない。
【0033】
詳細は後述するが、この仕切板11は取り外し可能となっている。この仕切板11が取り付けられているか、取り外されているかを検知するために、給紙装置1の中央下方で仕切板11の設置箇所の下方に、仕切り有無センサーS2が設けられる。エンジン制御部6は、仕切り有無センサーS2の出力に基づき、仕切板11が取り付けられているか取り外されているかを認識、検知できる。尚、仕切板11が取り付けられているか否かの入力を操作パネル2が受け付けることにより、エンジン制御部6や主制御部5は、仕切板11の有無を認識してもよい。
【0034】
(昇降機構)
次に、図3図5を用いて、左トレイ71と右トレイ81を昇降させる機構を説明する。図4は、左トレイ昇降機構72の一例を示す図である。図5は、右トレイ昇降機構82の一例を示す図である。
【0035】
まず、左トレイ昇降機構72を説明する。まず、図4に示すように、左トレイ71には、正面側と及び背面側のそれぞれに、水平方向に突出する突起72aが横方向(左右方向)に並べて2箇所ずつ設けられる(計4箇所)。そして、ハウジング10の前壁10aと後壁10bには、各突起72aに対応する位置にそれぞれ開口72bが設けられる。開口72bは、垂直に延びている。各突起72aは、開口72bからハウジング10の外側に突出する。
【0036】
図4に示すように、ハウジング10の左側面側に左トレイ71の左トレイ昇降機構72が設けられる。左トレイ昇降機構72は、ワイヤー72c、リール72d、回転軸72e、プーリー72f、継手部72gを備える。ワイヤー72cは、ハウジング10の正面の外側と背面の外側との2箇所に、各々2本ずつ設けられる。リール72dは、ハウジング10の正面側及び背面側に1個ずつ、計2個設けられる。各ワイヤー72cは、その一端がリール72dに、他端が何れかの突起72aの上面に接続され、その間で各ワイヤー72cは、ハウジング10の外側上部に設けられたプーリー72fに掛けられる。
【0037】
前後方向に延びる回転軸72eは、ハウジング10の左下部に設けられる。回転軸72eは、継手部72gを介して、左上昇モーター74に連結される。エンジン制御部6は、左上昇モーター74を駆動させ、左トレイ71が上昇する方向に回転軸72、及びリール72dを回転させる。具体的に、リール72dにワイヤー72cが巻き取られると左トレイ71が上昇し、ワイヤー72cが繰り出されると左トレイ71が下降する。
【0038】
ハウジング10を前方に引き出したとき、継手部72gの作用により、左上昇モーター74と回転軸72との間を連結が外れる。ハウジング10を前方に引き出したとき、継手部72gの箇所で左上昇モーター74と回転軸72との連結が解除されるので、左トレイ71は重力の作用により自動的に下降しようとする。言い換えると、ハウジング10を前方に引き出し左トレイ71が引き出されるという予め定められた下降条件が満たされたとき、左トレイ昇降機構72は、重力の作用により、左トレイ71を下降させる。最終的に、左トレイ71は、下限位置(基準位置)まで下降する。尚、左トレイ71と右トレイ81の下限位置は同じである。そのため、ハウジング10を引き出すと、左トレイ71と右トレイ81の高さは同じとなる。
【0039】
また、ハウジング10を閉じたとき、継手部72gの作用により、左上昇モーター74と回転軸72が連結する。エンジン制御部6は、開閉センサーS1の出力に基づきハウジング10が閉じられたことを認識すると、左上昇モーター74を駆動させ、左トレイ71を給紙可能な位置まで上昇させる。
【0040】
具体的には、左給紙ローラー73は、上下方向に揺動可能となっている。そして、左トレイ71の上昇によって、左給紙ローラー73が一定以上持ち上げられると、左給紙ローラー73に対して設けられた左上限センサー75(スイッチ)がON(又はOFF)する。この左上限センサー75の出力変化に基づき、エンジン制御部6は、左トレイ71が給紙位置(上限位置)に到達したことを検知する。そして、エンジン制御部6は、左上昇モーター74を停止させる。
【0041】
次に、右トレイ昇降機構82を説明する。基本的に、右トレイ昇降機構82は、左トレイ昇降機構72と同様の構成である。まず、図5に示すように、右トレイ81には、正面側と及び背面側のそれぞれに、水平方向に突出する突起82aが横方向(左右方向)に並べて2箇所ずつ設けられる(計4箇所)。そして、ハウジング10の前壁10aと後壁10bには、各突起82aに対応する位置にそれぞれ開口82bが設けられる。開口82bは、垂直に延びている。各突起82aは、開口82bからハウジング10の外側に突出する。
【0042】
図5に示すように、ハウジング10の右側面側に右トレイ81の右トレイ昇降機構82が設けられる。右トレイ昇降機構82は、ワイヤー82c、リール82d、回転軸82e、プーリー82f、継手部82gなどを備える。ワイヤー82cは、ハウジング10の正面の外側と背面の外側との2箇所に、各々2本ずつ設けられる。リール82dは、ハウジング10の正面側及び背面側に1個ずつ、計2個設けられる。各ワイヤー82cは、その一端がリール82dに、他端が何れかの突起82aの上面に接続され、その間で各ワイヤー82cは、ハウジング10の外側上部に設けられたプーリー82fに掛けられる。
【0043】
前後方向に延びる回転軸82eは、ハウジング10の右下部に設けられる。回転軸82eは、継手部82gを介して、右上昇モーター84に連結される。エンジン制御部6は、右上昇モーター84を駆動させ、右トレイ81が上昇する方向に回転軸82e、及びリール82dを回転させる。具体的に、リール82dにワイヤー82cが巻き取られると右トレイ81が上昇し、ワイヤー82cが繰り出されると右トレイ81が下降する。
【0044】
ハウジング10を前方に引き出したとき、継手部82gの作用により、右上昇モーター84と回転軸82eとの間を連結が外れる。ハウジング10を前方に引き出したとき、継手部82gの箇所で右上昇モーター84と回転軸82eとの連結が解除されるので、右トレイ81は重力の作用により自動的に下降しようとする。言い換えると、ハウジング10を前方に引き出して右トレイ81が引き出されるという予め定められた下降条件が満たされたとき、右トレイ昇降機構82は、重力の作用により、右トレイ81を下降させる。最終的に、右トレイ81は、下限位置(基準位置)まで下降する。
【0045】
また、ハウジング10を閉じたとき、継手部82gの作用により、右上昇モーター84と回転軸82eが連結する。エンジン制御部6は、開閉センサーS1の出力に基づきハウジング10が閉じられたことを認識し、右上昇モーター84が駆動させ、右トレイ81を給紙可能な位置まで上昇させる。
【0046】
具体的には、右給紙ローラー83は、上下方向に揺動可能となっている。そして、右トレイ81の上昇によって、右給紙ローラー83が一定以上持ち上げられると、右給紙ローラー83に設けられた右上限センサー85(スイッチ)がON(又はOFF)する。この右上限センサー85の出力変化に基づき、エンジン制御部6は、右トレイ81が給紙位置(上限位置)に到達したことを検知する。そして、エンジン制御部6は、右上昇モーター84を停止させる。
【0047】
(トレイ並行上昇モード)
次に、図6を用いて実施形態に係る給紙装置1でのトレイ並行上昇モードの概要を説明する。図6は、トレイ並行上昇モードを説明するための図である。
【0048】
実施形態に係る給紙装置1は、筐体(ハウジング10内)に、複数のトレイを有する。図6の上側の図で示すように、左トレイ71と右トレイ81は、別個独立して、給紙位置まで上昇させることができる。具体的に、エンジン制御部6は、左トレイ71の用紙束の厚みに応じて、左トレイ71を給紙位置(上限位置)まで上昇させ、右トレイ81の用紙束の厚みに応じて、右トレイ81を給紙位置(上限位置)まで上昇させる。これにより、給紙装置1内のスペースを有効活用し、給紙装置1に1つの用紙サイズのみ収容可能な給紙装置1に比べ、給紙装置1に収容できる用紙の枚数を増やすことができる。また、一方のトレイにA4用紙を、他方のトレイにB5用紙を載置、セットすることもでき、用紙サイズの種類も増やすことができる。
【0049】
しかし、給紙装置1自体の断面積が同じ場合(例えば、複合機100の断面積と同じ、又は、ほぼ同じ面積)、給紙装置1内に複数のトレイを設けると、1つあたりのトレイのサイズは小さくなる。給紙装置1内のトレイが1つのとき、セット可能な用紙サイズは、複合機100のサイズにあわせ、A3サイズである場合が多い。しかし、例えば、給紙装置1内に2つのトレイを設けると、載置可能な用紙サイズがA3サイズの1/2のサイズ(即ち、A4サイズ)までとなる。従って、給紙装置1内に複数のトレイを設けると、大きなサイズ(例えば、A3やB4サイズ)の給紙は行えない。
【0050】
そこで、本実施形態の給紙装置1は、図6の下側の図に示すように、仕切板11が取り外し可能とする。そして、図6の下側の図に示すように、仕切板11を取り外した状態で、左トレイ71の載置面71aと右トレイ81の載置面81aよりも大きなサイズの用紙(例えば、A3やB4)を左トレイ71と右トレイ81の両方にまたがってセットして両方のトレイを一緒に上昇させることができる。なお、両トレイを並行して上昇させるモードを、以下では、「トレイ並行上昇モード」と称する。
【0051】
(トレイを並行的に上昇させるための構成)
次に、図7図10を用いて、両トレイを並行的に上昇させるための構成を説明する。図7は、各トレイへのセンサー部9と遮光板90の取り付けの一例を示す図である。図8図9は、センサー部9の一例を示す図である。図10はセンサー部9の光軸91aに対する遮光板90の設置位置の一例を示す図である。
【0052】
両トレイ(左トレイ71と右トレイ81)にまたがって用紙を載置した状態で両トレイを上昇させたとき、左トレイ71と右トレイ81の上昇速度に差があると、左トレイ71と右トレイ81の高さの差dが大きくなり、載置された用紙の束が崩れる場合がある。用紙の束が崩れた状態では、給紙を適切に行うことができない。また、途中、用紙束が崩れなくても、給紙位置に到達したとき、左トレイ71と右トレイ81の高さの差dが大きいと、給紙方向に対する用紙の傾きのため、給紙を適切に行うことができない場合がある。
【0053】
そのため、本実施形態の給紙装置1のトレイ並行上昇モードでは、左トレイ71と右トレイ81にまたがって用紙をセットして各トレイを上昇させるとき、(用紙枚数がどのような枚数でも)左トレイ71と右トレイ81の高さの差dを用紙が崩れたり、給紙に問題が生じたりしないように、左トレイ71と右トレイ81の高さの差dを許容範囲に収めつつ上昇させる。
【0054】
ここで、本実施形態の給紙装置1では、左上昇モーター74と右上昇モーター84には、直流モーター(ブラシモーター)が用いられる。ブラシモーターは、多数の用紙が積載されたトレイを上昇させるためのトルクを得やすい、安価である、と言う利点がある。
【0055】
しかし、ブラシモーターは、一定の電圧(電流)を供給した場合、回転速度に個体差がある、負荷の大きさによって回転速度が変わる、といった面も有する。従って、左上昇モーター74と右上昇モーター84にブラシモーターを用いるとき、2つのモーターを同じ速度で回転させ、同じ速度で左トレイ71と右トレイ81を上昇させることは、ステッピングモーターを使う場合に比べて難しい。ステッピングモーターを用いると、パルスの周波数を同じにして複数のモーターの回転速度を同調させることが比較的容易である。しかし、ステッピングモーターを用いると、ステッピングモーター自体がブラシモーターに比べ高価であり、更に、ステッピングモーターの駆動用の回路や基板が必要となる。そのため、ステッピングモーターを用いると給紙装置1のコストが大きく増大しかねない。
【0056】
そこで、本実施形態の給紙装置1では、図7に示すように、センサー部9と遮光板90のみを用いて、2つのトレイの高さをほぼ同じで維持しつつ上昇させる。具体的に、センサー部9は、左トレイ71に取り付けられる。取り付け位置は、仕切板11の邪魔にならない位置であり、左トレイ71の下側であって、右手前側又は右奥側の隅の位置に設けられる。センサー部9は、図8図10に示すように透過式の光センサーである。尚、センサー部9は、透過型光センサーに限られず、右トレイ81の位置を確認でき、左トレイ71と右トレイ81が同じ高さとなったことを検知可能なセンサーを用いることができる。
【0057】
図8図10に示すように、センサー部9は、受光部92に向けて光を発する発光部91(例えば、LED)と、発光部91からの光を受け、受光量に応じた電流(電圧)を出力する受光部92を含む。また、図10に示すように、エンジン制御部6からの点灯を指示する信号に基づき、発光部91を発光させ、消灯を指示する信号に基づき発光部91を消灯する点灯回路93が設けられる。
【0058】
そして、右トレイ81には、遮光板90が取り付けられる。遮光板90は、センサー部9の凹部分に対応する位置に設けられる。遮光板90は、右トレイ81の高さに応じ、センサー部9の発光部91と受光部92の間を遮る、又は、光を透過する位置に設けられる。言い換えると、遮光板90は、右トレイ81の上昇や下降がなされると、センサー部9の発光部91と受光部92の間を遮光板90が通過するような位置に取り付けられる。
【0059】
受光部92の出力は、センサー部9の信号処理回路94に入力される。尚、信号処理回路94は、エンジン制御部6側に設けてもよいし、エンジンCPU61を用いて受光部92の出力が処理されてもよい。そして、信号処理回路94は、受光部92の出力値が所定の閾値以上であるか否かにより、High又はLowを出力する。エンジン制御部6には、センサー部9(信号処理回路94)の出力が入力される。ここで、本説明では、センサー部9(信号処理回路94)は、遮光板90に遮光されている意味(遮光出力値)としてHigh(ON)を出力し、遮光板90に遮光されておらず透過状態である意味(透過出力値)としてLow(OFF)を出力する例を説明する。尚、論理は逆でもかまわない。
【0060】
具体的に、遮光板90は、左トレイ71と右トレイ81の高さが同じ高さとなったとき、センサー部9の出力がLowからHighが切り替わる(透過出力値から遮光出力値に切り替わる)ような位置に取り付けられる。具体的には、遮光板90は、左トレイ71と右トレイ81の高さが同じ高さとなったとき、遮光板90の下側のエッジが発光部91と受光部92の光軸91aと重なるように取り付けられる(図9参照、図9で光軸91aの位置を破線で図示)。即ち、信号処理回路94の閾値は、遮光板90の下側のエッジが発光部91と受光部92の光軸91aと重なる位置であるときの受光部92の出力値である。これにより、エンジン制御部6は、センサー部9の出力変化を見ることで左トレイ71と右トレイ81が同じ高さとなったか否かを確認することができる。
【0061】
(トレイ並行上昇モードでのトレイ上昇の処理の流れ)
次に、図11図12を用いて、トレイ並行上昇モードでのトレイ上昇の処理の流れの一例を示す。図11は、トレイ並行上昇モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12は、トレイ並行上昇モードでのトレイ上昇を説明するための図である。
【0062】
まず、図11のフローチャートのスタートを説明する。エンジン制御部6は、給紙装置1の仕切板11が外されていることをトレイ並行上昇モードで両トレイの並行上昇を開始するための条件とする。エンジン制御部6は、仕切板11が取り外されていることを、仕切り有無センサーS2の出力に基づき認識する。仕切り有無センサーS2を設けず、操作パネル2への操作により、仕切板11を取り外した旨の入力がなされてもよい。従って、エンジン制御部6は、操作パネル2への入力に基づき、仕切板11が外されていることを認識してもよい。
【0063】
また、エンジン制御部6は、給紙装置1のハウジング10が引き出しと押し戻し(開閉)がなされたことをトレイ並行上昇モードで両トレイを給紙位置までの上昇開始の条件とする。ハウジング10の開閉によって、両トレイ(左トレイ71と右トレイ81)が基準位置(下限位置)まで下降する。上昇させるためには、上昇前に両トレイが下降した状態である必要がある。また、両トレイの基準位置(下降しきった位置)は同じなので、両トレイは同じ高さとなる。更に、ハウジング10の開閉がなされたとき、仕切板11の取り外しがなされたり、収容用紙の入れ替えや補給がなされ、両トレイにまたがって用紙の束がセットされたりする。
【0064】
図11のスタートは、トレイ並行上昇モードで両トレイ(左トレイ71と右トレイ81)の並行的な上昇を開始する条件が満たされた状態である。
【0065】
まず、エンジン制御部6は、センサー部9の出力値が遮光出力値であるか否か(左トレイ71と右トレイ81がほぼ同じ高さにあるか否か)を確認する(ステップ♯1)。もし、センサー部9の出力値が透過出力値であるとき(ステップ♯1のNo)、両トレイが下限(基準位置)まで下がり切っておらず、両トレイの高さが大きくずれている可能性がある。このような状態でトレイを上昇させると、ずれが拡大し、収容された(セットされた)用紙束が崩れるおそれがある。
【0066】
そこで、エンジン制御部6は、透過出力値のとき、操作パネル2の表示部21に、ハウジング10を開ける旨や、両トレイの高さが現時点でずれているので点検すべき旨のメッセージを表示させる(ステップ♯2)。そして、画面に表示された確認キー(不図示)に対する操作がタッチパネル部22で受け付けられると、フローは、ステップ♯1に戻る。
【0067】
一方、エンジン制御部6は、センサー部9の出力が遮光出力値であって、遮光板90で遮光されるほど左トレイ71と右トレイ81の高さが近いことを確認できたとき(ステップ♯1のYes、図12のうち(1.初期状態)の図の状態)、左上昇モーター74を停止させつつ、左トレイ71と右トレイ81の高さの差dを許容範囲に収まるように右上昇モーター84を所定時間駆動させ、右トレイ81を上昇させる(ステップ♯3、第2トレイ上昇動作)。所定時間の駆動後、エンジン制御部6は、右上昇モーター84を停止させる(ステップ♯4、図12のうち(2.右トレイ81上昇)の図の状態)。所定時間の駆動の結果、センサー部9の出力は、透過出力値となり、エンジン制御部6はセンサー部9の出力が透過出力値となったことを認識する(ステップ♯5)。
【0068】
なお、所定時間、右上昇モーター84を動作させても透過出力値とならないとき、エンジン制御部6は、さらに所定時間、右上昇モーター84を回転させてもよい。この場合、右上昇モーター84のみを回転させた合計時間が予め定められた限界時間を超えても透過出力値とならないとき、センサー部9の故障や遮光板90の剥がれなどのトラブルが考えられるので、エンジン制御部6は、操作パネル2にエラーを表示させるようにしてもよい。
【0069】
例えば、「許容範囲」の長さは、適宜定められる。例えば、「許容範囲」の長さは、0.5mm〜1mm〜数mm(2、3ミリ)といった長さ(高さ)とされる。例えば、実験で、載置する用紙の枚数を変えつつ、両トレイにまたがって用紙を載置し、右上昇モーター84を回転させ、セット枚数が何枚でも、載置された用紙束が崩れず、給紙位置まで上昇後の給紙に問題が生じないような左トレイ71と右トレイ81の高さの差に基づき許容範囲を定めることができる。
【0070】
左トレイ71と右トレイ81が同じ高さにある状態で右上昇モーター84を回転によってセンサー部9の出力は透過出力値とするので、「所定時間」は、遮光板90の下端エッジと発光部91の光軸91aが一致している状態での遮光出力値である状態から透過出力値となるまで第2トレイを上昇させるのに要する時間以上とされる。また、「所定時間」は、左トレイ71と右トレイ81の高さの差dが許容範囲に収まるほどの右上昇モーター84の回転時間に設定される。また、従って、所定時間は、センサー部9の出力変化と予め定められた許容範囲との兼ね合いで定められる。用いるモーターにもよるが、例えば、「所定時間」は、10ミリ秒〜数十ミリ秒程度とされる。
【0071】
続いて、エンジン制御部6は、右上昇モーター84を停止させつつ、左上昇モーター74をセンサー部9の出力が遮光出力値となるまで左トレイ71を上昇させる(ステップ♯6、第1トレイ上昇動作、図12のうち(3.左トレイ71上昇)の図の状態)。これにより、右トレイ81の位置に追いつくように左トレイ71が上昇させられる。
【0072】
そして、エンジン制御部6は、右上限センサー85の出力を確認する。具体的には、載置された用紙束と右給紙ローラー83が接するとともに、上下方向で揺動する右給紙ローラー83が右トレイ81及び用紙に持ち上げられ、給紙位置(上限位置)となったことによって、エンジン制御部6が、右上限センサー85の出力値の変化を認識したか否かを確認する(ステップ♯7)。
【0073】
右給紙ローラー83(右トレイ81)が給紙位置の高さに到っていなければ(ステップ♯7のNo)、フローは、ステップ♯2に戻る。その結果、給紙位置に到るまで、エンジン制御部6は、両トレイの高さの差dを許容範囲に収めつつ、第2トレイ上昇動作と、第1トレイ上昇動作を交互に繰り返させる。その結果、両トレイは、ほぼ同じ高さで上昇してゆく。
【0074】
一方、右給紙ローラー83(右トレイ81)が給紙位置の高さに到ったとき(ステップ♯7のYes、図12のうち(4.上昇完了状態)の図の状態)、エンジン制御部6は、第2トレイ上昇動作と第1トレイ上昇動作の繰り返しを終了する(ステップ♯8)。そして、本フローは、終了する(エンド)。
【0075】
両トレイそれぞれから給紙を行えるように、給紙装置1には、各トレイに対しそれぞれ給紙ローラー(左給紙ローラー73と右給紙ローラー83)が設けられる。また、左トレイ71に載置された用紙のうちの最上位と左給紙ローラー73が接することにより左トレイ71が給紙位置に達したことを検知する左上限センサー75と、右トレイ81に載置された用紙のうちの最上位の用紙と、右給紙ローラー83が接することにより右トレイ81が給紙位置に達したことを検知する右上限センサー85が設けられる。
【0076】
そして、右給紙ローラー83は、左給紙ローラー73よりも印刷位置(画像形成部4b)までの用紙搬送距離が短い位置に設置されている。そのため、給紙パスとの関係で、画像形成部4bまでの搬送距離が短い右給紙ローラー83及び右上限センサー85は、左給紙ローラー73及び左上限センサー75よりも下側に設けられる。そして、左給紙ローラー73に用紙束の最上位を接するまで上昇させようとすると右給紙ローラー83が邪魔になる場合がある。又、左給紙ローラー73の給紙パスの入り口の位置から、左給紙ローラー73を回転させても、左トレイ71と右トレイ81にまたがってセットされた大きなサイズの用紙を搬送部4aに向けて搬送できない。
【0077】
そこで、エンジン制御部6は、トレイ並行上昇モードでは右上限スイッチに基づき、右トレイ81の給紙位置まで、左トレイ71と右トレイ81を上昇させ、右給紙ローラー83を回転させて左トレイ71と右トレイ81にまたがって載置された用紙の給紙を行わせる。言い換えると、大サイズの用紙は、右給紙ローラー83から給紙がなされるようにセットされる。
【0078】
1つの筐体内に複数のトレイが並んで設けられる給紙装置1では、大量の用紙がセットされたトレイを上昇させるための大トルクを得やすいなどの理由から、安価な直流モーター(ブラシモーター)が用いられる。しかし、負荷の大きさによって回転速度が変化する、同じ電圧、電流を供給したとき同じ負荷でも各モーターの回転速度にばらつきがある(個体差)、などの理由で、安価なブラシモーターでは、全トレイの高さを同じ高さで維持しつつ、それぞれのモーターを等速回転させて全トレイの上昇速度を一致させることは難しい。
【0079】
そこで、実施形態に係る給紙装置1は、用紙が載置される第1トレイ(左トレイ71)と、第1トレイに載置された用紙を送り出す第1給紙ローラー(左給紙ローラー73)と、第1トレイに載置された用紙が第1給紙ローラーと接するように第1上昇モーター(左上昇モーター74)からの動力を得て第1トレイを上昇させる第1昇降機構(左トレイ昇降機構72)と、を含む第1給紙部7と、用紙が載置される第2トレイ(右トレイ81)と、第2トレイに載置された用紙を送り出す第2給紙ローラー(右給紙ローラー83)と、第2トレイに載置された用紙が第2給紙ローラーと接するように第2上昇モーター(右上昇モーター84)からの動力を得て第2トレイを上昇させる第2昇降機構(右トレイ昇降機構82)と、を含み、第1給紙部7と水平方向に並べて設けられる第2給紙部8と、第1トレイと第2トレイの間に立てられる仕切板11と、第1トレイに取り付けられ第2トレイの位置を確認するためのセンサー部9と、センサー部9の出力が入力され、第1上昇モーターと第2上昇モーターのON/OFFを制御する制御部(エンジン制御部6)と、仕切板11を取り外し、第1トレイの載置面と第2トレイのそれぞれの載置面よりも大きなサイズの用紙を第1トレイと第2トレイの両方にまたがってセットして両方のトレイを上昇させるトレイ並行上昇モードと、を備える。そして、制御部(エンジン制御部6)は、トレイ並行上昇モードでは、第1上昇モーターを停止させつつ第2上昇モーターを駆動して第2トレイを上昇させる第2トレイ上昇動作と、第2上昇モーターを停止させつつ第1上昇モーターを駆動して第1トレイを上昇させる第1トレイ上昇動作を、センサー部9の出力に基づき第1トレイと第2トレイの高さの差dが予め定められた許容範囲に収まるように交互に繰り返して、第1トレイと第2トレイの両方を上昇させる。
【0080】
これにより、これにより、高さ(位置)の差dを抑えつつ、先に上昇した第2トレイに追いつくように第1トレイが上昇する。従って、並べて設けられた給紙用トレイまたがって大サイズの用紙の束をセットしても、第1トレイと第2トレイの高さの差dを問題の無い(用紙束の崩れや上昇後の給紙ミスのない)範囲内で収めつつ、第1トレイと第2トレイを給紙ローラーに向けて上昇させることができる。従って、各トレイ独立給紙型の給紙装置1で、従来ではセットできなかった大きなサイズの用紙をセットし、給紙可能とすることができる。そのため、使い勝手がよく、大きなサイズの用紙をセットしても、問題無く使用できる各トレイ独立給紙型の給紙装置1を提供することができる。また、ステッピングモーターやステッピングモーター用の駆動回路を用いず、ブラシモーターのような安価なモーターを用いても、またがって載置された用紙束の崩れを起こすことなく第1トレイと第2トレイをともに上昇させることができる。従って、製造コストの増大はない。また、給紙位置にまで各トレイを上昇させても、上昇時の各トレイの高さのずれは常時抑えられるので、実際の給紙でも特に問題は生じない(給紙性能は低下しない)。ここで、「許容範囲」は、第1トレイと第2トレイにまたがって載置された用紙束が崩れず、給紙位置まで第1トレイと第2トレイを上昇させたとき、問題無く給紙を行うことができるほどの第1トレイと第2トレイの高さの差dである。
【0081】
また、センサー部9は、発光部91と受光部92を有する透過型光センサーである。そして、遮光板90は、第1トレイ(左トレイ71)と第2トレイ(右トレイ81)の高さが同じ高さとなったとき、遮光板90の下側のエッジが発光部91と受光部92の光軸91aと重なるように取り付けられる。更に、第2トレイには、第2トレイが昇降されたとき、発光部91と受光部92の間を通過するように遮光板90が取り付けられる。センサー部9は、透過状態を示す透過出力値のとき、第1トレイと第2トレイの高さが同じ状態になると遮光板90による遮光によって遮光状態であることを示す遮光出力値に変化する。制御部(エンジン制御部6)は、トレイ並行上昇モードで、第2トレイ上昇動作として、第1上昇モーター(左上昇モーター74)を停止させつつ第2上昇モーター(右上昇モーター84)を所定時間回転させて第2トレイを上昇させてセンサー部9の出力を遮光出力値から透過出力値とし、所定時間の第2上昇モーターの回転後、第1トレイ上昇動作として、第2上昇モーターを停止させつつ第1上昇モーターをセンサー部9の出力が遮光出力値から遮光出力値に変化するまで回転させて第1トレイを上昇させる。
【0082】
これにより、第2トレイが先行しつつ、第1トレイが第2トレイに追いつくように、第1トレイと第2トレイは上昇する。そして、上昇中、第1トレイと第2トレイは、同じ高さ、または、ほぼ同じ高さを保つ。従って、第1トレイと第2トレイを交互に上昇させても、高さの差dが極めて少なくなる。そして、ブラシモーターのような安価なモーターを用いても、第1トレイと第2トレイをほぼ同じ高さで維持しつつ、上昇させることができる。
【0083】
また、第2給紙ローラー(右給紙ローラー83)は、第1給紙ローラー(左給紙ローラー73)よりも印刷がなされる位置までの用紙搬送距離が短い位置に設置される。給紙装置1は、第1トレイ(左トレイ71)に載置された用紙のうちの最上位と第1給紙ローラーが接することにより第1トレイが給紙位置に達したことを検知する第1上限センサー(左上限センサー75)と、第2トレイ(右トレイ81)に載置された用紙のうちの最上位の用紙と、第2給紙ローラーが接することにより第2トレイが給紙位置に達したことを検知し、第1上限センサーよりも下側に設けられる第2上限センサー(右上限センサー85)と、を含む。制御部(エンジン制御部6)は、トレイ並行上昇モードでは第2上限スイッチに基づき、第2トレイの給紙位置まで、第1トレイと第2トレイを上昇させ、第2給紙ローラーを回転させて第1トレイと第2トレイにまたがって載置された用紙の給紙を行う。
【0084】
これにより、下側に位置する給紙ローラーで給紙を行える位置を上限位置として、第1トレイと第2トレイの上昇がなされ、両トレイの上昇に要する時間は短くてすむ。また、第1トレイと第2トレイにまたがって載置された用紙を速やかに印刷部4位置まで送り届けることができる。
【0085】
また、予め定められた下降条件が満たされたとき、第1昇降機構(左トレイ昇降機構72)は、第1トレイ(左トレイ71)が引き出されると、重力の作用により、第1トレイを基準位置まで下降させ、第2昇降機構(右トレイ昇降機構82)は、第2トレイ(右トレイ81)が引き出されると、重力の作用により、第2トレイを第1トレイと同じ位置まで下降させる。
【0086】
例えば、給紙装置1の第1トレイと第2トレイが引き出されたときなど、予め定められた下降条件が満たされたとき、第1トレイと第2トレイの高さが同じとなる。これにより、第1トレイと第2トレイにまたがって用紙をセットするとき、載置する時点から用紙束が傾くことや崩れることがない。また、第1トレイと第2トレイの上昇を開始する当初から両トレイをほぼ同じ高さで維持しつつ上昇させることができる。
【0087】
また、画像形成装置(複合機100)は、実施形態に係る給紙装置1を含む。従来ではセットできなかった大きなサイズをセットすることができ、大きなサイズの用紙をセットしても、問題無く使用できる各トレイ独立給紙型の給紙装置1を含むので、使い勝手のよい画像形成装置を提供することができる。また、従来よりも利便性が高められても、給紙装置1の製造コストの上昇が抑えられるので、コスト的な競争力の高い画像形成装置を提供することができる。
【0088】
(変形例1)
図13を用いて、変形例1を説明する。図13は、変形例でのトレイ並行上昇モードでのトレイ上昇を説明するための図である。
【0089】
上記の実施形態の説明では、トレイ並行上昇モードでは、センサー部9の出力が遮光出力値のとき、右トレイ81を上昇させ、右トレイ81の上昇後、左トレイ71を上昇させ、左トレイ71を右トレイ81に追従させる例を説明した。しかし、図13に示すように、センサー部9の出力が遮光出力値のとき、左トレイ71を上昇させ、左トレイ71の上昇後、右トレイ81を上昇させ、右トレイ81を左トレイ71に追従させるようにしてもよい。
【0090】
この場合、上記の実施形態と同様に、透過型光センサーを含むセンサー部9を左トレイ71に設ければよく、右トレイ81に遮光板90を取り付ければよい。そして、この変形例では、図13の各状態の図に示すように、遮光板90は、左トレイ71と右トレイ81の高さが同じ高さとなったとき、遮光板90の上側のエッジが発光部91と受光部92の光軸91aと重なるように取り付ける。そして、センサー部9は、透過状態を示す透過出力値から、右トレイ81の上昇によって、左トレイ71と右トレイ81の高さが同じ状態になると遮光板90の上側のエッジによる遮光で、遮光状態であることを示す遮光出力値に変化することになる。
【0091】
そして、エンジン制御部6は、トレイ並行上昇モードで、センサー部9の出力値が遮光出力値である状態では(図13に示す(1.初期状態))、右上昇モーター84を停止させつつ左上昇モーター74を所定時間回転させて第1トレイを上昇させつつセンサー部9の出力を透過出力値とさせ(図13に示す(2.左トレイ71上昇))、所定時間の左上昇モーター74の回転後、左上昇モーター74を停止させつつ右上昇モーター84をセンサー部9の出力が遮光出力値に変化するまで回転させる(図13に示す(3.右トレイ81上昇))。図13の(1.初期状態)〜(3.右トレイ81上昇が繰り返され)、その結果、左トレイ71と右トレイ81はほぼ同じ高さを維持しつつ、給紙位置まで上昇する(図13に示す(4.上昇完了状態))。
【0092】
即ち、本変形例では、センサー部9は、発光部91と受光部92を有する透過型光センサーである。第2トレイ(右トレイ81)には、第2トレイが昇降されたとき、発光部91と受光部92の間を通過するように遮光板90が取り付けられる。遮光板90は、第1トレイ(左トレイ71)と第2トレイの高さが同じ高さとなったとき、遮光板90の上側のエッジが発光部91と受光部92の光軸91aと重なるように取り付けられる。センサー部9は、透過状態を示す透過出力値から、第1トレイと第2トレイの高さが同じ状態になると遮光板90による遮光によって、遮光状態であることを示す遮光出力値に変化する。そして、制御部(エンジン制御部6)は、トレイ並行上昇モードで、第1トレイ上昇動作として、第2上昇モーター(右上昇モーター84)を停止させつつ第1上昇モーター(左上昇モーター74)を所定時間回転させて第1トレイを上昇させてセンサー部9の出力を遮光出力値から透過出力値とし、所定時間の第1上昇モーターの回転後、第2トレイ上昇動作として、第1上昇モーターを停止させつつ第2上昇モーターをセンサー部9の出力が透過出力値から遮光出力値に変化するまで回転させて第2トレイを上昇させる。
【0093】
これにより、第1トレイを先行させつつ(優先的に)上昇させる場合、第2トレイの上昇停止時、第1トレイと第2トレイは、同じ高さ、または、ほぼ同じ高さを保つ。従って第1トレイと第2トレイを交互に上昇させても、高さの差dが極めて少なくなる。そして、ブラシモーターのような安価なモーターを用いても、第1トレイと第2トレイをほぼ同じ高さで維持しつつ、上昇させることができる。
【0094】
(変形例2)
上記の実施形態、変形例では、左トレイ71にセンサー部9を、右トレイ81に遮光板90を設ける例を説明した。しかし、左トレイ71に遮光板90を、右トレイ81にセンサー部9を設けてもよい。
【0095】
(変形例3)
上記の実施形態では、トレイから右方向に用紙を送るタイプの給紙装置1を説明した。しかし、トレイから右方向に用紙を送るタイプの給紙装置1にも本発明を適用することができる。この場合、上記説明での左トレイ71は、左方向に用紙を送るタイプの給紙装置1では右側のトレイ(第1トレイ)に相当する。また、上記説明での右トレイ81は、左方向に用紙を送るタイプの給紙装置1では、左側のトレイ(第2トレイ)に相当する。
【0096】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1 給紙装置 11 仕切板
6 エンジン制御部(制御部) 7 第1給紙部
71 左トレイ(第1トレイ)
72 左トレイ昇降機構(第1昇降機構)
73 左給紙ローラー(第1給紙ローラー)
74 左上昇モーター(第1上昇モーター)
75 左上限センサー(第1上限センサー)
8 第2給紙部 81 右トレイ(第2トレイ)
82 右トレイ昇降機構(第2昇降機構)
83 右給紙ローラー(第2給紙ローラー)
84 右上昇モーター(第2上昇モーター)
85 右上限センサー(第2上限センサー)
9 センサー部 90 遮光板
91 発光部 91a 光軸
92 受光部 100 複合機(画像形成装置)
図1
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図13