(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043784
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】口腔内X線撮像に関連するコリメータ装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/14 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
A61B6/14 300
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-500433(P2014-500433)
(86)(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公表番号】特表2014-508617(P2014-508617A)
(43)【公表日】2014年4月10日
(86)【国際出願番号】FI2012050286
(87)【国際公開番号】WO2012127115
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2015年2月25日
(31)【優先権主張番号】20110105
(32)【優先日】2011年3月21日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】591036309
【氏名又は名称】プランメカ オイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】ド ゴジンスキー クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ニーホルム クスター
【審査官】
伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/149402(WO,A1)
【文献】
米国特許第05463669(US,A)
【文献】
特開2009−226188(JP,A)
【文献】
特開2010−217141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
別個の構造体として、第1に、撮像に使用されるX線ビームを生成するため、およびこの照準を撮像される物体に定めるために前記ビームを制限するコリメータ構造体を有する放射線源(4)と、第2に、患者の口内で位置調整可能に構成された撮像センサ(30)と、撮像装置の制御システムとを含む口腔内X線撮像装置において、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)の両方に接続して配置されて、これらの空間的位置を測定し、こうした測定に基づいて測定信号を送信する3軸センサ(A、M、G)を含むこと、前記撮像装置の前記制御システムが、前記測定信号に基づいて前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)の、あるいは前記放射線源(4)に配置される構成要素の、前記相互の空間的位置に関する情報を判断する手段を含むこと、前記コリメータ構造体が、前記コリメータによって制限されるコリメータ開口部(40)の大きさ、形状、場所、位置のうちの少なくとも1つの調整を可能にする構造体によって実装され、前記コリメータ開口部(40)を調整するためのこの構造体は、電動化されるまたは他の電力手段によって機能するように、およびその制御が、前記撮像装置の前記制御システムから受け取られる制御信号を基に行われるように構成されることを特徴とする、口腔内X線撮像装置。
【請求項2】
前記コリメータ構造体が、管状部分、コリメータ管(4’)を含み、その内部に前記コリメータ開口部(40)を調整するための前記構造体が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記コリメータ開口部(40)を調整するための前記構造体が、前記放射線源(4)によって生成される前記ビームがそこから前記物体に向けられる前記コリメータ管(4’)の開口部からある距離で前記コリメータ管(4’)内に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記コリメータ開口部(40)を調整する前記構造体の制御が、
i)前記撮像装置が、前記制御システムに、前記装置に関連する少なくとも1つの構成要素の前記位置について知らせる測定信号を送信するように構成された手段を含み、前記コリメータ開口部(40)を調整する前記構造体の制御が、前記装置の前記制御システムから受け取られる前記測定信号に基づいている制御信号に基づいて行われるように構成される
ii)前記撮像装置が、撮像に使用されるその撮像センサ(30)に関する情報、またはその撮像センサ(30)の画像範囲の形状およびサイズに関する情報を受け取る手段を含み、前記コリメータ開口部(40)を調整する前記構造体の制御が、前記装置の前記制御システムから受け取られる前記情報に基づいている制御信号に基づいて行われるように構成される
iii)前記制御システムが、前記コリメータ構造体によって制限される前記コリメータ開口部(40)の前記サイズ、前記形状、前記場所、前記位置のうちの少なくとも1つを設定するためにあらかじめ設定された情報を含むように構成され、前記コリメータ開口部(40)を調整する前記構造体の制御が、前記装置の前記制御システムから受け取られる前記情報に基づいている制御信号に基づいて行われるように構成される
のうちの少なくとも1つに基づくように構成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像センサに関連する情報を受け取る前記手段が、そこから前記情報を入力するように構成されたユーザインタフェース、または有線もしくは無線リンクを介して対象の前記センサから直接に対象の前記情報を受け取るための手段を含むことを特徴とする、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
測定信号を生成する前記3軸センサが、少なくとも前記撮像センサ(30)と接続して配置される3軸磁気センサ(M1)を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
測定信号を生成する前記3軸センサが、少なくとも前記放射線源(4)と接続して配置される3軸磁気センサ(M2)を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
測定信号を生成する前記3軸センサが、第1に前記撮像センサ(30)と、第2に前記放射線源(4)と接続して配置される3軸加速度センサ(A1、A2)を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
測定信号を生成する前記3軸センサが、前記撮像センサ(30)と接続して配置された少なくとも3軸加速度センサ(A1)および少なくとも3軸磁気センサ(M1)と、前記放射線源(4)と接続して配置された少なくとも3軸加速度センサ(A2)および少なくとも3軸磁気センサ(M2)とを含むこと、ならびに前記制御システムに、前記センサ(A、M)から得られた測定信号に基づいて前記撮像センサ(30)および前記放射線源(4)の、あるいは前記放射線源(4)に配置された構成要素(40、50)の、相互の空間配向を計算する手段を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記コリメータ構造体に接続して、電源(PW)と機能的に接続して配置されたコイル(50)が配置されること、前記制御システムに、前記コイル(50)によって直流磁場を制御可能に生成する手段が配置されること、前記撮像センサ(30)および前記放射線源(4)の前記位置を測定する前記3軸センサ(A、M、G)が、少なくとも前記撮像センサ(30)と接続して配置された少なくとも3軸磁気センサ(M1)を含むこと、前記制御システムに、前記コイル(50)が前記電源(PW)によって磁場を誘導するように配置される状況と、前記コイル(50)が磁場を誘導しない状況の両方で測定された、対象の前記磁気センサ(M1)から得られる測定信号に基づいて、
i)前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)もしくは前記放射線源(4)に配置されたある構成要素との間の距離
ii)前記撮像センサ(30)が前記放射線源(4)によって生成される前記ビームの中心軸に対して位置する方向もしくは距離、またはこれらの両方
iii)前記コイル(50)によって生成される前記磁場における対象の前記磁気センサ(M1)の位置を定義する方向ベクトル
のうちの少なくとも1つを計算する手段を設けることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)の前記相互の空間的位置および場所を測定信号に基づいて計算する前記手段が、
i)第1に、前記撮像センサ(30)および前記放射線源(4)と接続して配置された前記加速度センサ(A1、A2)の前記測定信号に基づき、第2に、地球の磁場を測定する、前記撮像センサ(30)および前記放射線源(4)に接続して配置された前記磁気センサ(M1、M2)の前記測定信号に基づく、一連の座標における、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)もしくは前記放射線源(4)に配置されたある構成要素の前記相互の傾斜角
ii)第1に、前記撮像センサ(30)および前記放射線源(4)と接続して配置された前記加速度センサ(A1、A2)の前記測定信号に基づき、第2に、地球の磁場を測定する、前記撮像センサ(30)および前記放射線源(4)に接続して配置された前記磁気センサ(M1、M2)の前記測定信号に基づく、一連の座標における、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)もしくは前記放射線源(4)に配置されたある構成要素の前記相互の向き
iii)第1に、前記コイル(50)によって生成される前記磁場の前記測定信号と、第2に、前記地球の磁場を測定する前記測定信号の差の、前記撮像センサ(30)と接続して配置された前記磁気センサ(M1)の前記測定信号に基づく、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)、もしくは前記放射線源(4)に配置されたある構成要素との間の距離
iv)第1に、前記コイル(50)によって生成された前記磁場の前記測定と、第2に、前記地球の磁場を測定する前記測定信号の差の、前記撮像センサ(30)と接続して配置された前記磁気センサ(M1)の前記測定信号に基づく、前記撮像センサ(30)が前記コイル(50)によって生成される前記磁場の対称軸に対して位置している方向または距離、あるいはこれらの両方
v)第1に、前記コイル(50)によって生成された前記磁場の前記測定と、第2に、前記地球の磁場を測定する前記測定信号の差の、前記撮像センサ(30)と接続して配置された前記磁気センサ(M1)の前記測定信号に基づく、前記コイル(50)によって生成される前記磁場における対象の前記磁気センサ(M1)の位置を定義する方向ベクトルのうちの少なくとも1つまたはすべてを解明するように構成された、データ記憶媒体に記録されたアルゴリズムを含むことを特徴とする、請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記コイル(50)が、前記コリメータ構造体に接続して設置され、前記コイル(50)によって生成される前記磁場の前記対称軸が、前記放射線源(4)によって生成され、前記放射線源(4)の前記コリメータ構造体によって制限される前記X線ビームの中心光線と一致するようにすることを特徴とする、請求項10または11に記載の撮像装置。
【請求項13】
測定信号を生成する前記3軸センサが、前記撮像センサ(30)と接続して配置された少なくとも3軸磁気センサ(M1)を含み、前記撮像センサ(30)の個々のセンサは実質的に互いに近くおよび/または前記撮像センサ(30)の画像範囲の中心の実質的に中央に位置していることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記構成要素、すなわち前記装置の前記撮像センサ(30)および前記放射線源(4)の少なくとも1つに接続して、前記装置の前記制御システムに位置情報を送信するように配置されるジャイロ・センサ(G1、G2)が配置され、この制御システムは、前記位置を測定する少なくとも1つの他のセンサ(A1、A2、M1、M2)から得られる測定信号に基づいて、前記ジャイロ・センサ(G1、G2)から得られる前記位置情報を時間に応じて修正するように配置されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記装置が、ディスプレイ(D)、または前記放射線源(4)と接続して配置された、もしくは前記装置とは物理的に別個の、情報を送信するための別の手段を含むこと、ならびに前記制御システムが、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)の前記相互の場所もしくは位置、または両方に関連する位置情報をグラフィカルな形式または他の形式で生成して、対象の前記ディスプレイ(D)または情報を送信するための別の手段に表示されるように配置されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項16】
情報を送信するための前記手段がディスプレイ(D)であり、前記制御システムに前記センサ(30)の、または前記コリメータ・プレート構造体もしくは同等物によって制限される前記コリメータ開口部(40)の、またはこの両方の、または対象の瞬間に照射が開始される場合、前記センサ(30)に対して所与の時間におけるある向きの前記ビームの、仮想画像を表示する手段が設けられることを特徴とする、請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記X線ビームを制限する前記コリメータ構造体の前記コリメータ開口部(40)の前記調整が電動化され、対象の前記コリメータ開口部(40)を調整する前記構造体の制御が、前記装置の前記制御システムから受け取られる制御信号に基づいて行われるように構成され、この制御信号は、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)の前記相互の空間的位置もしくは場所、または両方の前記測定信号に基づいて計算された情報に少なくとも部分的に基づくように構成されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記X線ビームを制限する前記コリメータ構造体の前記コリメータ開口部(40)の前記調整が電動化され、対象の前記コリメータ開口部(40)を調整するコリメータ構造体の制御が、前記装置の前記制御システムから受け取られる制御信号に基づいて行われるように構成され、この制御信号は、前記コリメータ構造体によって制限される前記コリメータ開口部(40)の前記サイズ、前記形状、前記場所、前記位置のうちの少なくとも1つを設定するためにあらかじめ設定された情報を含むように構成されることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記制御システムと機能的に接続して、前記装置に使用される前記撮像センサ(30)の前記画像範囲の前記寸法に関して、前記制御システムに情報を送信する手段を配置し、前記コリメータ開口部(40)を調整するコリメータ構造体を制御するための前記制御信号が、前記撮像センサ(30)および前記放射線源(4)の前記空間的位置を測定する前記3軸センサ(A、M、G)から受け取られる測定信号に基づいて計算された情報に基づくように構成され、この情報は、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)の相互の傾斜角、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)の相互の回転、前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)との間の距離のうちの少なくとも1つに関する情報を含むことを特徴とする、請求項17または18に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記撮像センサ(30)と前記放射線源(4)の前記相互の配置が、あらかじめ定義された精度基準を満たさない場合、および/または、例えば前記撮像センサ(30)の前記加速度センサから、前記撮像センサ(30)があらかじめ決定された制限値よりも大きい加速運動中であるという信号が受け取られる場合、照射を防止する手段が前記撮像装置の制御システムに配置されていることを特徴とする、請求項1から19のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項21】
前記放射線源(4)によって生成される前記ビームが、前記撮像センサ(30)に対して正確に配置され、前記撮像センサ(30)があらかじめ定められた制限値よりも遅い加速運動中であることを認識することに対する反応として照射を開始する手段が前記撮像装置の制御システムに配置されていることを特徴とする、請求項1から19のいずれかに記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、撮像事象に関連した口腔内X線装置と口腔内X線センサの相互の配置に関連するX線ビームの視準に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科用口腔内X線画像は、一般的に、多関節アーム構造体およびハウジング内に設置されたX線源を含むX線検査装置を使用することによって撮影される。一般に、X線ビームを制限する伸長型コリメータが、ハウジングに取り付けられている、または取り付けられるように構成されている。撮像処理は、撮影する対象領域の付近にX線装置を配置することと、正確な向きおよび望ましい角度でセンサに当たるようにX線ビームを向けることとを含む。一般に、撮像の際に使用されるフィルムまたは画像情報の他の検出器に対して垂直にビームを構成することを目標にする。
【0003】
ビームの照準および向きを定めること、ならびに画像データ受信手段に対してビームが傾斜または回転されないことに関連する問題は、歯科医療従事者に一般的に知られている。したがって、センサに対してX線源の正確な配置を容易にするために、様々な照準装置が開発された。従来の技術による1つの手法は、照射を持続するために、X線源と、画像データ受信手段、例えばフィルム、リンのイメージング・プレート、CCDセンサもしくは他のデジタル・センサとを、互いに物理的に付着させることである。この手法を使用するいくつかの従来技術のシステムおよびアセンブリは、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4に提示されている。
【0004】
しかしながら、多くの歯科医療従事者は、患者の口内に設置されるセンサをX線装置に物理的に接続しなければならないこうしたシステムが実際には使用しづらいことがわかっている。この理由は、第1に、口内にセンサを設置する前に、アセンブリのすべての接続が行われる場合、X線管およびそのアーム構造体を含む比較的重い構造体全体を所与の瞬間に望まれる精密な位置に照準を定めることが困難であるとわかったことである。第2に、センサがまず口内の正確な位置に設置される場合、例えば、取付プロセスによってセンサが動かないように、または患者を不快にさせないように、照準シャフトを取り付けて構造体を組み立てることが困難であるとわかった。
【0005】
当技術分野では、撮像センサの位置に関する情報が、撮像装置にある、位置を検出するセンサによって取得される装置についても検討してきた。とりわけ、配置に利用される磁場が開示されたが、例えば撮像センサと放射線源の相互の空間的位置および向きを明確に決定し、このような情報に基づいてビームを正確に調整して、センサに照準を定めることができる、測定信号に基づいた装置は市場にない。やはり明らかに、装置自体の技術的構成に基づくと考えることができる口腔内X線装置によって生成されるビームのサイズまたは形状を調整するための市場の唯一の手順は、コリメータ・プレート、コリメータ管、または放射線源と接続して配置される同等物を手動で再配置することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,343,875B1号明細書
【特許文献2】米国特許第5,632,779A号明細書
【特許文献3】米国特許第4,507,798A号明細書
【特許文献4】米国特許第4,554,676A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明およびその好ましい実施形態の目的は、口腔内X線撮像に関連して、特にセンサの位置を検出する手段を含む装置に関連して、詳細には撮像に使用されるX線源によって生成されるビームについて、ビームを視準するための新規の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明およびその好ましい実施形態の本質的な特徴を、添付の特許請求の範囲に提示する。本発明の好ましい実施形態では、口腔内X線源と撮像センサの正しい相互の配置を、いくつかの測定信号に基づいて、これらの相互の位置を視覚的に推定する必要なしに、リアルタイムでも監視することができ、これによってセンサに対するビームのコリメーションを電動化して、あるいは電力によって動作可能に構成することができ、したがってユーザはコリメーションに気を配る必要がなくなり、コリメーションは撮像装置によって自動的に処理される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、口腔内撮像センサと放射線源の両方に接続して、これらの空間的位置を測定する手段を配置し、さらに、撮像センサと放射線源の相互の配置に関して上記測定信号に基づいて情報を生成する手段を装置の制御システムに配置する。本発明の1つの好ましい実施形態では、3軸磁気センサならびに3軸加速度センサが、撮像センサと放射線源の両方と接続して配置され、これにより取得される測定信号に基づいて、装置の制御システムは、撮像センサと放射線源の相互の傾斜角とこれらの相互の空間配向の両方を定義するように構成される。
【0010】
したがって、本発明の1つの好ましい実施形態では、3軸磁気センサが、一方では画像センサと、好ましくはセンサ後方の撮像範囲の実質的に中心点で接続し、他方ではX線源と、好ましくはX線源のコリメータ構造体の近傍に接続して配置される。本発明の1つの好ましい実施形態では、さらに、3軸加速度計が、撮像センサおよび放射線源に接続して配置される。次に、センサから得られる測定信号に基づいて、第1に、撮像センサおよびX線源の相互の傾き、ならびに第2に、三次元の座標セットの回転を計算することができる。
【0011】
上述の加速度センサおよび磁気センサの使用は、地球の磁場および重力場における測定情報を利用するという考えに基づいている。本発明の好ましい実施形態では、装置自体によって生成される既知の磁場がこのシステムに含まれる。次にこの場を利用して、装置で使用するために生成された測定信号に基づいて、撮像センサと放射線源の相互の場所を定義する方向ベクトルを解くことができる。
【0012】
したがって、本発明の好ましい実施形態により、ビームの中心光線に関連して撮像センサの撮像範囲の中心の位置、ならびに撮像センサと放射線源との間の距離、したがってセンサと好ましくは放射線源に配置されたコリメータとの間の距離も見つけることもできる。こうしたデータは特に、撮像装置の制御システムが自動的に、または誘導されるように、撮像センサと放射線源の相互の配置を設定でき、センサが完全にビーム内にあり、ビームの中心光線がセンサの撮像範囲の中心に当たり、X線ビームが撮像センサの撮像範囲に従って実質的に精密に制限されるようになることを望むとき必要である。
【0013】
結果として、本発明の1つの好ましい実施形態では、放射線源のコリメータ構造体と接続して、細い環状コイルを配置することが好ましく、細い環状コイルは、制御された直流磁場を生成するように配置される。次に、以下にさらに詳細に記載する方法で、撮像センサと接続して配置された3軸磁気センサから得られる測定信号に基づいて、撮像センサが放射線源に対して(すなわち上記コイルに対して)設置される距離および方向を解明することができる。
【0014】
本発明の1つの好ましい実施形態では、システムによって生成された測定信号に基づいて、撮像センサがビーム内または放射線源に十分近くにないとき、照射を防止する手段を装置の制御システムに配置する。これに応じて、装置は、撮像センサがX線ビームの範囲内に位置していることが検出されるとき、自動的に照射のスタンバイ・モードに備える(arm)ように設定することができる。装置は、あらかじめ定められた位置および向きの基準が満たされると認識する場合、独立して画像を撮影する動作モードで構成することもできる。次に、本発明の1つの実施形態では、通常の操作で照射の開始信号を与えるように使用されるトリガを、自動トリガを可能にするための、または自動照射モードのオン・オフを切り換えるための信号を与える安全装置として動作するように構成することができる。
【0015】
以下にさらに詳細に記載する好ましい実施形態の手段により、放射線源に対する撮像センサの位置を、傾斜角、回転、および距離、ならびにX線ビームの中心光線に対するセンサの撮像範囲の中心の位置に関して、自動的に検出することができる。これにより例えばディスプレイまたは情報を送信する他の手段上で使用者を誘導して、放射線源とセンサの相互位置を希望する通りに設定することができる。
【0016】
次に、本発明の原理および好ましい実施形態について、例によりさらに詳細に説明する。問題の諸実施形態は、例として提示し、本発明の考えられる様々な構成および変更をすべて示すものではなく、本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲に定義される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】1つの典型的な口腔内X線デバイスを示す図である。
【
図2a】1つの典型的な口腔内X線デバイスを示す図である。
【
図2b】1つの典型的な口腔内X線デバイスを示す図である。
【
図3】本発明の1つの好ましい実施形態による1つの装置の基本的構成要素を示す図である。
【
図4】
図3に示すコイルにより生成可能な磁場を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1、2a、および2bは、制御パネル(2)と、関節のあるアーム構造体(3)と、X線源(4)とを含む、典型的な口腔内X線デバイス(1)を示す。
図2bはさらに、X線ビームをより精密に制限し、したがって患者が受ける放射線量を最小にするためにX線源(4)のハウジングに取り付けることができる伸長型コリメータ管(4’)を示す。
【0019】
図3は、本発明の1つの好ましい実施形態による装置の基本的構成要素を示す。この装置は、第1に、放射線源のコリメータ管(4’)と結合して設置される電動コリメータ・プレート構造体(40)の近くに配置されたコイル(50)を含む。対象のコリメータ・プレート構造体(40)は、調整可能な開口を形成し、したがって放射線源により生成される放射線を必要に応じてビームに制限するように配置される。好ましくは、この構造体は、放射線源により生成されるビームがそこから物体に照準を定めるコリメータ管の開口部から離れた位置に置かれる。コイル(50)は、好ましくは、パルス電流(current as pulsed)を供給する直流電源(PW)に接続される。好ましくは、コイル(50)は、コリメータ・プレート構造体(40)と同心円状にコリメータ管(4’)と接続して配置される。放射線源と結合して、好ましくは上記コリメータ・プレート構造体(40)と接続して、3軸ジャイロ・センサ(G2)および3軸加速度センサ(A2)および3軸磁気センサ(M2)も配置される。放射線源と接続して、または他の好適な場所に、ディスプレイ(D)も配置される。
【0020】
これに応じて、撮像センサ(30)と接続して、3軸ジャイロ・センサ(G1)および3軸加速度センサ(A1)および3軸磁気センサ(M1)が配置される。これらのうち、磁気センサ(M1)は、放射線を検出しているセンサのピクセル・マトリクスが位置している側とは反対のセンサの側面の、センサの撮像範囲のほぼ中央に配置されるのが好ましい。
図3による装置に関連するセンサは、装置の制御システムと機能的に接続して配置され、装置の制御システムは、例えば通常のPCに置くことができるが、例えば少なくとも放射線源(4)と接続した部分の一部については、他の場所にも置くこともできる。制御システムは、センサから測定信号を受け取り、これらに基づいて、撮像装置に関連する撮像センサ(30)および放射線源(4)の位置および場所に関連する情報を生成するように構成される。さらに、制御システムは、コイル(50)の電源(PW)のパルスを制御するか、少なくとも対象のパルスに関する情報がこれに伝えられる、または伝えられている。
【0021】
本明細書では、
図3による装置が、本発明のいくつかの好ましい実施形態の組合せを形成すること、すなわち、本発明の基本的な考えは、
図3に示すもの以外の他の種類の装置で実現することもでき、本発明のすべての実践的な実施形態は、
図3に示すすべての構成要素または装置を必ずしも使用しないことを強調すべきである。
【0022】
次に、
図3による装置の様々な構成要素および部分的配置の目的および動作について、さらに詳細に調べる。
【0023】
加速度センサ(A1、A2)および磁気センサ(M1、M2)は、制御システムと機能的に接続して配置され、制御システムは、こうしたセンサから取得される測定信号に基づいて、地球の重力場および磁力場に対するセンサ(30)および放射線源(4)の向き定義する手段を含む。さらに、制御システムは、放射線源(4)に接続して配置されるコイル(50)によって生成される磁場に対してセンサ(30)に配置された磁気センサ(M1)の場所を測定する手段を含む。
【0024】
本発明を実現させることに本質的に関連するセンサ(30)と放射線源(4)の相互の向きに関する情報を、いくつかの測定信号に基づく多相計算を用いて見出すことができる。本発明において、例えば、3軸磁気センサおよび3軸加速度センサ、すなわち互いと異なる立体角で配置された3つの個々のセンサ・ユニットを備えて配置されるセンサが使用可能である。またこのようなセンサは市販されており、例えば、HoneywellのGMR磁気センサHMC5843、およびKionixの加速度センサKXPS5−2050である。このようなセンサは、磁場または重力場の強度に加えて、測定地点における場のベクトルの方向も測定することができる。次に、
図3による装置の情報の取得は、加速度センサおよび磁気センサ(A1、M1;A2、M2)によって測定される方向ベクトルのクロス積の計算を含むことができる。このクロス積ベクトルは、したがって重力場と地球の磁場の両方と直角である。第1に形成されたクロス積と測定された加速度ベクトルとの間に第2のクロス積がさらに形成されるとき、こうした2つのクロス積および加速度ベクトルが、直交する座標のセットの軸を形成し、地球の磁場および重力場に対するこの軸の向きがわかる。装置の制御システムが、加速度センサ(A1、A2)および磁気センサ(M1、M2)がどのように放射線源(4)およびセンサ(30)と接続して配置されているかがわかるとき、これらが上記の座標のセットにおいてどのように配置されているかがさらにわかり、これにより、放射線源とセンサの相互の空間配向を判断することもできる。したがって、例えば、センサ(30)の撮像範囲を含む面と、放射線源(4)に配置されたコリメータ構造体(40)のコリメータ開口部を含む面との間の傾き、また放射線源(1)によって生成されるビームに対するセンサ(30)の回転も見出すことができる。
【0025】
口腔内X線撮像と関連して、一般に照射中に、センサ(30)と放射線源(4)との間は数十センチメートルの距離もない。したがって、上記の相互の位置の測定は、センサ(30)と放射線源(4)の両方の地点で地球の磁場が実質的に同じであり、地球の磁場におけるいかなる外乱も、局所的なものさえも、この状況を実質的に変える可能性が低いという仮定に基づく。さらに、実際にはセンサ(30)および放射線源(4)が非加速動作中である、すなわち本質的に静止している状況で取得された測定信号が使用されることが、装置の機能性には重要である。
【0026】
実際には、上記のタイプのセンサ(A1、A2、M1、M2)から取得された信号は、例えばローパス・フィルタリングのような様々なフィルタリングを受けなければならない。これにより、上記のような情報取得にはわずかな遅延が存在する可能性がある。一方、加速度センサ(A1、A2)から得られる測定信号は、センサが加速動作中である状況では有効に利用することができない。
【0027】
ジャイロ・センサ(G1、G2)は、そこから得られる測定信号の積分により、所与の事例で使用されるセンサの基準位置に対するセンサの位置が明らかになるセンサである。このようなセンサの例が、製造業者InveSenseの製品ITG−3200である。しかしながら、このようなセンサから得られる測定信号は、時間に対して一定ではなく、多少のずれがある。したがって、ジャイロ・センサ(G1、G2)を単独で使用することは、この装置の実際の操作に必ずしも最適な解決法ではないが、1つまたは複数のジャイロ・センサの援助により、磁気センサ(M1、M2)および加速度センサ(A1、A2)に基づく上記の装置の操作を迅速化することができる。本発明のこのような一実施形態において、ジャイロ・センサ(G1、G2)の積分信号が、例えばカルマン(Kalman)・フィルタリングを使用することによって、例えば、装置の他のセンサ(A1、A2、M1、M2)から取得される、時間に対して一定であるが遅い、フィルタリングされた信号によって上記積分信号を修正することによって、時間に応じて修正されるように、装置を実装することができる。
【0028】
放射線源に接続して配置されたコイル(50)の電源(PW)は、好ましくはパルス電流を供給するように定められた直流電源である。次にコイル(50)は、制御可能交番磁場を生成する。好ましくは、電源は、制御システムによって制御されて、またはコイル(50)が時間の各瞬間にどの種類の磁場を生成するか、またはコイル(50)がいかなる場も全く生成しないかに関する情報を、制御システムが引き続き有するように、低周波数において遮断される。したがって、好ましくは、この装置は所望の周期性で、好ましくは常に同じサイズの所望のサイズの制御された直流磁場を生成し、例えば、場の強度が一定となり、コイルから約5〜15cmの範囲の距離のある所望地点のその大きさが約0.4Gとなるようにする。
【0029】
次に、上記部分的配置について、まず、地球の磁場の影響を考えずに、理論的に説明する。放射線源(4)と接続して配置されたコイル(50)によって生成される磁場における撮像センサ(30)の位置が変更されるとき、撮像センサ(30)と接続して配置された3軸磁気センサ(M1)は、磁気センサ(M1)がこの磁場のどこに位置しているかに応じて、コイル(50)によって生成された磁場が常に異なるように見える。磁場におけるその位置が対象の地点で場のベクトルと平行である3軸磁気センサ(M1)の個々のセンサは、磁場を全く検出せず、場のベクトルに対して垂直に配置されたセンサの測定信号は、対象の地点の場の強度に等しく、場のベクトルに対してある角度に向くセンサによって測定された信号強度は、対象の地点の場の強度のcos(Φ)である。コイル(50)によって生成される磁場がわかるとき、3軸磁気センサ(M1)の個々のセンサによって測定される部分的な信号の相互の強度は、特定の方向およびサイズの場のベクトルを定義し、これがさらに、コイル(50)によって生成される磁場における磁気センサの位置を明確に定義する。
図4は、特定の方向および大きさ(長さ)を有するベクトルを示し、その特定の向きおよび大きさは、ベクトルの位置に本発明での使用に適用できる磁気センサが設置されるとき、その測定信号に基づいて測定することができる。次に、磁気センサ(M1)によって生成された測定信号に基づいて、例えば撮像センサ(30)の撮像範囲の中心を特定することが可能であり、その時点で磁気センサ(M1)は、同じくセンサの、コイル(50)から既知の距離にコイル(50)によって生成された磁場の対称軸上に位置することが好ましい。コイル(50)によって生成された磁場の対称軸が、放射線源(4)によって生成されたX線ビームの中心軸と一致するように、コイル(50)が放射線源(4)に配置されるとき、この原理に基づいて、撮像センサ(30)を放射線源(4)によって生成されたビームの中心に配置することができる。
【0030】
実際には、測定信号における地球の磁場の影響を考慮に入れていないので、上記の理論考察に従って行動することは、所望の最終結果につながらない。撮像センサ(30)と接続して配置された磁気センサ(M1)の測定信号へのコイル(50)によって生成された磁場の影響のみを測定可能にするために、本発明の好ましい実施形態によるコイル(50)の直流電源(PW)のパルスを利用する。次に、センサ信号を、地球の磁場のみを測定する瞬間と、コイル(50)によって生成された磁場も測定する瞬間の両方において調べることができる。コイル(50)によって生成された磁場および地球の磁場の結合された影響を測定するときに得られる結果から地球の磁場の影響を除去するとき、またコイルによって生成される磁場がわかっているとき、測定信号に基づいて、放射線源(4)に接続して配置されたコイル(50)によって生成される磁場における(センサに設置された磁気センサ(M1)の)撮像センサの位置を明確に定義するベクトルを定義することができ、放射線源(4)におけるコイル(50)の位置がわかるとき、放射線源(4)に対する撮像センサの位置も定義することができる。
【0031】
上述のように位置を決定することは、本発明の一実施形態により、放射線源に接続して配置されたコイル(50)により生成される磁場がまずモデル化される計算に基づくことができる。磁場のモデル化は、放射線源(4)から所望の操作セクタ内の装置によって生成される磁場の具体的な測定に基づくことができ、または磁場のモデル化は、位置および方向、ならびに場の強度の間の関係の関数によって実現することができる。したがって、このモデルと、撮像センサ(30)に配置された磁気センサ(M1)によって測定された方向ベクトルとの間の誤差関数を形成することができる。この誤差関数の位置に関する最小値は、例えば、ニュートン−ラプソン(Newton−Raphson)法を用いて反復することにより発見することができる。この反復の結果として、上記のベクトルがもたらされ、装置中の磁気センサ(M1)位置を明確に定義する。本発明の好ましい実施形態では、この位置データを上記の決定の通りの座標セットにさらに変換することができ、これにより、最終結果として、コイル(50)によって生成される磁場によって測定される撮像センサ(30)の位置と、上記の方法で見出される放射線源(4)により生成されるビームに対するセンサ(30)の向きの両方が決定される。
【0032】
位置データの変換は、例えば、磁気センサおよび加速度センサのベクトル(Y)の測定信号から得られる座標の第1のクロス積、このベクトル(Y)および加速度センサベクトル(X)から得られるベクトル(A)のクロス積を示す場合、ベクトル(X,Y,A)は、加速度センサおよび磁気センサの測定座標で表される、このような直交する座標セット(M)の軸を形成し、このx軸およびy軸は、地球の表面と平行であり、z軸は下方を向き、x軸は磁場と平行であるように、実行することができる。ベクトル(Y)をベクトル(0,1,0)すなわちy軸と平行になるように回転し、ベクトル(X)をベクトル(1,0,0)すなわちx軸と平行になるように回転する、このような変換(T)を定義することによって変換が得られ、これによって磁気センサおよび加速度センサの測定信号の座標セットと、地球の磁場および重力場により定義される座標セットとの間の移動が可能になる。
【0033】
図3に示すコリメータ・プレート構造体と接続して、好ましくはコリメータ開口部の少なくとも1つの寸法を調整する手段、好ましくはコリメータ開口部の少なくとも形状およびサイズを調整するための手段を配置する。また、実際の放射線源を移動させることによってビームの向きおよび方向を調整することもできるが、コリメータ開口部の向き、場所、および位置を調整可能に構成することもできる。コリメータ・プレート構造体の機能は、好ましくは少なくともコリメータ開口部のサイズおよび/または形状を調整する機能を電動化して構成することができる。電動化された機能は、装置の制御システムから受け取られる信号に従ってコリメータ開口部を調整するように自動化して構成することができ、この信号は、撮像センサ(30)と放射線源(4)の相互の位置に関する、装置の制御システムによって生成される情報、さらに装置に使用される撮像センサ(30)の形状およびサイズに関する情報に基づくものである。使用中のセンサに関連する情報は、装置に手動で入力することができ、または代替的には、センサ(30)に接続して、使用中のセンサに関連する情報(センサのサイズ)を自動的に装置に伝える手段を配置することができる。したがって、装置は、撮像に使用される撮像センサ(30)に関する情報を受け取る手段、または対象の撮像センサ(30)の撮像範囲の形状およびサイズに関する情報を受け取る手段を含むことができる。このような手段は、上記情報をそこから入力できるようにされたユーザインタフェースを備えることができ、または装置は、対象のセンサから直接に有線もしくは無線リンクを介して対象の情報を受け取る手段を含むことができる。例えば、コリメータ構造体(4’,40)によって制限される開口部の様々な典型的な特徴、例えば開口部のサイズ、形状、場所、および位置に関する制御システム情報に事前に配置することも可能であり、これにより、電動化の制御が、このような事前に設定された情報に基づいた、装置の制御システムから得られる、制御信号に基づいて行われるように定めることができる。
【0034】
自動化されたコリメータに送信可能な情報に対応する情報を、ディスプレイに視覚的に提示するように定めることができ、これによりセンサと放射線源の相互の配置を、ディスプレイによって誘導されるように手動で行うことができる。ディスプレイには、センサ(30)またはコリメータ・プレート構造体(40)もしくは同等物によって制限されたコリメータ開口部、あるいは両方の仮想画像が提示されるように定めることができ、照射が所与の瞬間に開始される場合、センサ(30)に対する向きのビームの仮想画像も提示されるように構成する。このようなディスプレイは、好ましくは放射線源に接続して配置される。このような装置により、患者の口内でセンサ(30)がどの位置にあるかを正確に見ることが実際にはほとんど不可能であるという問題を解決することができるだけでなく、人間の知覚による照準から測定信号に基づく自動的な照準にさらに踏み出すことなどもできる。
【0035】
センサと放射線源の相互の配置が、あらかじめ定められた精度基準を満たさない場合、および/または、例えばセンサの加速度センサから、センサがあらかじめ定められた制限値よりも大きい加速運動であるという信号が受け取られる場合、制御システムに照射を防止するための手段を設けることができる。
【0036】
一方、X線源を手に握って使用する状況を特に考慮して、装置は、センタに対してビームが正確に配置され、センサがあらかじめ定められた制限値よりも遅い加速運動であることを認識することに対する反応として、照射を自動的に開始するように実装することもできる。
【0037】
本発明のいくつかの好ましい実施形態について上述したが、詳細の多くは、本発明の基本的な考えを逸脱することなく、他の方法でも実施することができる。例えば、測定センサは、すでに3つを使用することが非常に適切ではあるが、必ずしも特に3軸である必要はない。磁気センサおよび加速度センサを使用するとき、ジャイロ・センサの使用は必須ではなく、本発明の様々な実施形態は、とりわけ
図3と関連して上述した範囲内で、変わる可能性がある。実質的には、この装置は、撮像センサと放射線源の両方に接続して配置された手段を含んで、これらの空間的位置を測定し、こうした測定に基づいた測定信号を装置の制御システムに送信し、この手段は少なくとも磁気センサであることが好ましい。センサを適切に選択することによって、および制御された方法で磁場を生成する手段を装置に設けることによって、センサの、およびそれを通じてセンサが固定される構成要素の、相互の距離、向き、角度、位置、回転、または使用を望む任意の他の等価語を解明することができる。このような測定と関連するすべての計算は、装置の制御システムの一部として構成することができ、したがって装置では、コリメーションが自動的に電動化される、または装置によって生成される測定情報に基づいて制御されるように実装されて、ビームの照準を正確に定めるだけでなく、各撮像に最適なビームのサイズ、形状、向きなどを調整する。