特許第6043787号(P6043787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6043787自動車両前面の枠組とアクチュエータを保持するように設計されたブラケットとの組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043787
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】自動車両前面の枠組とアクチュエータを保持するように設計されたブラケットとの組立体
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/52 20060101AFI20161206BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   B60R19/52 M
   B60K11/04 J
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-511849(P2014-511849)
(86)(22)【出願日】2012年5月22日
(65)【公表番号】特表2014-517791(P2014-517791A)
(43)【公表日】2014年7月24日
(86)【国際出願番号】EP2012059506
(87)【国際公開番号】WO2012160065
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年5月22日
(31)【優先権主張番号】1154581
(32)【優先日】2011年5月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ルイ、ラナール
(72)【発明者】
【氏名】フレデリス、バッカ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン、プレンシェット
(72)【発明者】
【氏名】マーク、ウィリアムズ
【審査官】 田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−260542(JP,A)
【文献】 特開2010−223150(JP,A)
【文献】 特開平09−008469(JP,A)
【文献】 特開2001−058551(JP,A)
【文献】 特開昭60−004443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/52
B60K 11/04
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両の前面用に設計された枠組(2)と、ブラケット(3)との組立体(1)であって、
前記組立体(1)が、前記枠組(2)上に前記ブラケット(3)を定置するための定置手段(26)を含み、
記ブラケット(3)が、前記枠組(2)上に取り付けられるべき1つないし複数の部材を駆動可能なアクチュエータ(4)を保持するように企図された固定取付手段(27)を含み、
前記定置手段(26)は、予備定置手段(28)と取付手段(29)とを含み、
前記予備定置手段(28)は、少なくとも1つのリブ(30)と、少なくとも1つのスロット(31)とを含み、
前記リブ(30)は前記ブラケット(3)に設けられ、前記スロット(31)は前記枠組(2)に設けられ、
前記枠組(2)に設けられた前記スロット(31)は前記ブラケット(3)に設けられたリブ(30)を案内して、前記ブラケット(3)が前記枠組(2)にねじを含む前記取付手段(29)によって固定されるべき位置に位置決めすることを特徴とする、組立体(1)。
【請求項2】
前記取付手段(29)は、一方が前記ブラケット(3)上に設置され他方が前記枠組(2)上に設置されて互いに対向して配置されたピン(41)とアイレット(42)とを含んでおり、前記ピン(41)と前記アイレット(42)とが取付要素を受け入れられるようになっている、請求項1記載の組立体(1)。
【請求項3】
前記ピン(41)が前記枠組(2)上に設置され、前記アイレット(42)が前記ブラケット上に設置されている、請求項2記載の組立体(1)。
【請求項4】
前記枠組(2)はU字形本体(24)を持ったアーム(11)を含み、前記スロット(31)は前記本体(24)の壁(35)上に設置され、前記ピン(41)は前記本体(24)の中央肢部(15)から生じている、請求項2または3記載の組立体(1)。
【請求項5】
自動車両の前面用に設計された枠組(2)と、ブラケット(3)との組立体(1)であって、
前記組立体(1)が、前記枠組(2)上に前記ブラケット(3)を定置するための定置手段(26)を含み、
前記ブラケット(3)が、前記枠組(2)上に取り付けられるべき1つないし複数の部材を駆動可能なアクチュエータ(4)を保持するように企図された固定取付手段(27)を含み、
前記定置手段(26)は、予備定置手段(28)と取付手段(29)とを含み、
前記予備定置手段(28)は、少なくとも1つのリブ(30)と、少なくとも1つのスロット(31)とを含み、
前記取付手段(29)は、一方が前記ブラケット(3)上に設置され他方が前記枠組(2)上に設置されて互いに対向して配置されたピン(41)とアイレット(42)とを含んでおり、前記ピン(41)と前記アイレット(42)とが取付要素を受け入れられるようになっており、
前記枠組(2)はU字形本体(24)を持ったアーム(11)を含み、前記スロット(31)は前記本体(24)の壁(35)上に設置され、前記ピン(41)は前記本体(24)の中央肢部(15)から生じている、組立体(1)。
【請求項6】
前記ピン(41)が前記枠組(2)上に設置され、前記アイレット(42)が前記ブラケット上に設置されている、請求項5記載の組立体(1)。
【請求項7】
自動車両の前面用に設計された枠組(2)と、ブラケット(3)との組立体(1)であって、
前記組立体(1)が、前記枠組(2)上に前記ブラケット(3)を定置するための定置手段(26)を含み、
前記ブラケット(3)が、前記枠組(2)上に取り付けられるべき1つないし複数の部材を駆動可能なアクチュエータ(4)を保持するように企図された固定取付手段(27)を含み、
前記ブラケット(3)は、前記アクチュエータ(4)用の収容区域(33)を伴った第1の面(32)を有しており、
前記枠組(2)上に前記ブラケット(3)を定置するためのアイレット(42)を含み、前記アイレット(42)が、前記ブラケット(3)の前記第1の面(32)から、具体的には前記アクチュエータ用の前記収容区域とは異なる取付区域(55)から生じており、前記アイレット(42)は前記ブラケットの前記第1の面(32)を越えて突き出ている、組立体(1)。
【請求項8】
前記ブラケット(3)の前記固定取付手段(27)は、少なくとも1つのラグ(56)と、少なくとも1つのペグ(57)とを含んでおり、前記ラグ(56)と前記ペグ(57)とが、前記アクチュエータ(4)用の前記収容区域(33)内で前記ブラケット(3)の前記第1の面(32)から突き出ている、請求項7記載の組立体(1)。
【請求項9】
前記枠組(2)上に前記ブラケット(3)を定置するためのリブ(30)を含み、前記ブラケット(3)は、前記第1の面(33)とは反対側の第2の面(34)を有し、前記リブ(30)は、前記第2の面(34)から生じて、その第2の面(34)から突き出ている、請求項7記載の組立体(1)。
【請求項10】
自動車両の前面用に設計された枠組(2)と、ブラケット(3)との組立体(1)であって、
前記組立体(1)が、前記枠組(2)上に前記ブラケット(3)を定置するための定置手段(26)を含み、
前記ブラケット(3)が、前記枠組(2)上に取り付けられるべき1つないし複数の部材を駆動可能なアクチュエータ(4)を保持するように企図された固定取付手段(27)を含み、
前記ブラケット(3)は、前記アクチュエータ(4)用の収容区域(33)を伴った第1の面(32)を有しており、
前記枠組(2)上に前記ブラケット(3)を定置するためのリブ(30)を含み、前記ブラケット(3)は、前記第1の面(33)とは反対側の第2の面(34)を有し、前記リブ(30)は、前記第2の面(34)から生じて、その第2の面(34)から突き出ている、組立体(1)。
【請求項11】
前記ブラケット(3)は、前記枠組(2)上への定着箇所であって、前記アクチュエータ(4)用の前記収容区域(33)の両側に設置された少なくとも2つの定着箇所を有している、請求項10記載の組立体(1)。
【請求項12】
前記アクチュエータ(4)を含んでいる、請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の組立体(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両の前面用に設計された枠組と、当該枠組上に取り付けられるべき1つないし複数の部材を駆動可能なアクチュエータを保持するように設計されたブラケットとの組立体に関する。本発明はまた、そのような組立体における枠組と、そのような組立体におけるブラケットとに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、あらゆるタイプの前面および/またはファンユニットに適用される。この分野においては、枠組に対して直接的に連結されたアクチュエータを用いて、枠組上に取り付けられた部材、特にベンチレーション(通気用)フラップを作動させることが知られている。
【0003】
多くのアクチュエータ技術、例えば直流モータやステップモータを用いるアクチュエータなどが存在する。
【0004】
更に、それぞれの技術が、構造や、寸法や、質量や、定着用接合部までもの点において異なる特性を呈している。
【0005】
枠組にアクチュエータを収容できるようにするためには、それぞれの新たなアクチュエータ用に枠組を改変しなければならない。枠組は、ベンチレーションフラップ・アクチュエータを保持することの他に多くの機能を果たす、大型で高価な部品である。その結果、アクチュエータのタイプが変更される度に枠組の構造を変えるのは、工業的な観点から、あまり有利なことではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題を克服することを企図したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、自動車両の前面用に設計された枠組と、ブラケットとの組立体であって、当該組立体が、枠組上にブラケットを定置するための手段を含むと共に、前記ブラケットが、前記枠組上に取り付けられるべき1つないし複数の部材を駆動可能なアクチュエータを保持するように企図された固定取付手段を含んでいる、組立体を提案するものである。
【0008】
前記枠組上に取り付けられるべき1つないし複数の部材は特に、車両の前面を通る外気流の通過を可能としたり妨げたりするベンチレーション・フラップである。
【0009】
かくして本発明は、選択されるアクチュエータのタイプに拘わらず、同じ枠組を使用することを可能とする。
【0010】
本発明の一態様によれば、定置手段は、予備定置手段と取付手段とを含んでいる。そして、ブラケットを、予備定置手段を用いてハウジング上の所定位置に置くと共に、取付手段によってハウジング上に保持することができる。
【0011】
本発明の例示的な実施形態によれば、予備定置手段は、少なくとも1つのリブと、少なくとも1つのスロットとを含んでいる。リブとスロットとは、この場合、相補的になっている。即ち、リブが、枠組上へのブラケットの予備的な定置を確保するようにスロットへ入り込む。リブはブラケット上に設置され、スロットは枠組上に設置されているのが有利である。
【0012】
本発明の一態様によれば、取付手段は、一方がブラケット上に設置され他方が枠組上に設置されて互いに対向して配置されたピンとアイレットとを含んでおり、前記ピンと前記アイレットとが取付要素を受け入れられるようになっている。ピンとアイレットとが互いに接触し、ピンとアイレットとによって受け入れられる取付要素、特にねじを用いて、枠組へブラケットが取り付けられる。ピンが枠組上に設置され、アイレットがブラケット上に設置されているのが有利である。
【0013】
例示的な実施形態によれば、前記枠組はU字形本体を持ったアームを含み、前記スロットは本体の壁上に設置され、ピンは本体の中央肢部から生じている。
【0014】
本発明の一態様によれば、ブラケットは、アクチュエータ用の収容区域を有する第1の面を含んでいる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、組立体は、枠組上にブラケットを定置するためのアイレットを含み、そのアイレットが、ブラケットの第1の面から、アクチュエータ用の収容区域とは異なる取付区域内で生じており、アイレットはブラケットの第1の面を越えて突き出ている。これは、組立体の取付手段内に含まれるアイレットであってもよい。
【0016】
例示的な実施形態によれば、ブラケットの固定取付手段は、少なくとも1つのラグと、少なくとも1つのペグとを含んでおり、ラグとペグとが、ブラケットの第1の面、具体的にはアクチュエータ用の収容区域から突き出ている。そして、ラグがアクチュエータの穴に入り込むことができる一方で、ペグは、アクチュエータを収容区域に対して押し付けられた状態に保つことができる。
【0017】
本発明の一態様によれば、組立体は、枠組上にブラケットを定置するためのリブを含み、ブラケットは、第1の面とは反対側の第2の面を有し、リブは、第2の面から生じて、その第2の面から突き出ている。これらは、組立体の予備定置手段内に含まれるリブであってもよい。
【0018】
本発明の別の態様によれば、ブラケットは、枠組上への定着箇所であって、アクチュエータ用の収容区域の両側に設置された少なくとも2つの定着箇所を有している。かくして、これらの2つの定着箇所は、収容区域に垂直な平面内、即ち第1の面が広がる平面に垂直な平面内に置かれ、それによりブラケットが枠組上で片持ち支持されるのを防いでいる。
【0019】
例示的な実施形態によれば、アクチュエータは、本発明による組立体の一部となっている。
【0020】
本発明は、上記で説明したような組立体における枠組、および上記で説明したような組立体におけるブラケットにも関する。
【0021】
添付図面は、如何にして本発明を実施できるかを理解するのを助ける。これらの図面において、同じ参照符号は同様の要素を指している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による、枠組、ブラケット、およびブラケット上に取り付けられるアクチュエータを含んでいる例示の組立体の部分的な分解斜視図。
図2図1の例におけるアクチュエータを除いた部分的な分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、例えば自動車両の前面および/または自動車両のファンユニットにおいて用いられる。
【0024】
本発明による組立体1が、部分的に斜視図にて分解されて図1に示されている。そのような組立体1は、自動車両前面の枠組2と、アクチュエータ4用のブラケット3とを含んでいる。そのアクチュエータ4は、枠組2上に取り付けられるべき1つないし複数の部材(図示せず)、特にベンチレーション・フラップを駆動することができる。
【0025】
前記枠組2は、前記ブラケット3、前記アクチュエータ4、および前記アクチュエータ4によって駆動される前記部材を、任意の他の部材と共に予め備え付けられて、車両のシャシ(車台)上に取り付けるように設計されていてよい。
【0026】
枠組2は、特に矩形の枠体5を含んでいる。即ち、枠組2は、矩形を成すように互いに連結された上側部6、下側部7、右側部8、および左側部(図示せず)を含んでいる。図1において、上側部6は、下側部7に対して上方へ平行に置かれ、右側部8は、図示しない左側部に対して平行に図の右側へ置かれている。
【0027】
枠組2はまた、U字形本体24を持ったアーム11を含んでいる。その本体24は、かくして基部と2つのフランジ部とを形成する3つの肢部を備え、枠組の上側部6と下側部7とを連結している。従ってアーム11は、当該アーム11を延ばす横軸線9に垂直な平面内でU字の断面を有している。3つの肢部は、第1の側方肢部13と、第2の側方肢部14と、第1の側方肢部13を第2の側方肢部14に連結する中央肢部(図2の参照符号15)とを含んでいる。第1および第2の側方肢部13,14は、枠体の上下側部6,7を延ばす縦軸線10に垂直な平面内に広がっている。第1の側方肢部13は枠組の左側部に面し、第2の側方肢部14は枠組の右側部8に面している。
【0028】
アーム11は、枠組2の中央区域に置かれていてよい。かくしてアーム11は、枠体5を2つの窓部、即ちアーム11の第2の側方肢部14と右側部8との間に位置する右窓部50と、アーム11の第1の側方肢部13と枠組2の左側部との間に位置する左窓部51とに仕切っている。そのアーム11は、具体的には、枠組2の上側部6と下側部7の中央部同士を連結していてよい。
【0029】
第1の側方肢部13および第2の側方肢部14の各遠位端部19は、横軸線9に垂直な平面内において、アーム11の本体24におけるU字形の両端部になっている。
【0030】
アーム11は、横軸線9に対する下端部20と上端部(図2の参照符号21)とを含んでいる。それらの端部20,21はアーム11を、この場合、構造体、例えば金属構造体23に対して連結している。この下端部20と上端部とは、それぞれ枠組2の下側部7と上側部6とに対して、第1および第2の側方肢部13,14の遠位端部19と面一で連結されてもいる。
【0031】
構造体23は、アーム11だけでなく、枠組2の上側部6、下側部7、左側部、および右側部8に対しても付着されるように、これもまた矩形になっている。
【0032】
アーム11の下端部20の所で、下側部7が構造体23と共に分断されている。その分断は、アーム11の3つの肢部12が、この下端部20の高さにU字形開口を形成するようになされている。このU字形開口によって、アーム11の各肢部12によって境界付けられた容積の内部にアクチュエータ4を挿入することが可能となる。
【0033】
第1の側方肢部13および第2の側方肢部14の各遠位端部19は、穴17の開いたラグ(突起)16を有している。これらの穴17は、ベンチレーション・フラップ(図示せず)のヒンジピンを受け入れるように企図されている。それらのベンチレーション・フラップは、開放位置にあるときには外気流の通過を可能とし、閉鎖位置にあるときには当該外気流を妨げるように企図されている。
【0034】
各穴17には、それに合った切欠き18がある。その切欠き18は、枠組2の右側部8と左側部のいずれかに作られている。これにより、第2の側方肢部14と右側部8との間、即ち右窓部50内にフラップを定置すると共に、第1の側方肢部13と枠組2の左側部との間、即ち左窓部51内にフラップを定置することが可能となる。そして、各フラップは、一方の側では、第1の側方肢部13または第2の側方肢部14におけるラグ16の穴17によって、他方の側では、枠組2の右側部8または左側部における切欠き18によって保持される。
【0035】
アーム11の本体24はまた、縦軸線10に垂直な平面内を延びる壁35を含んでいる。従って、その壁35は、第1および第2の側方肢部13,14に対して平行である。これは、当該側方肢部とは別個の壁であるか、それらの側方肢部の一方(この場合は第2の側方肢部14)において材料が特に厚くなった部分であるかのいずれかであってよい。
【0036】
右窓部50および左窓部51内、即ちフラップを収容するように企図された区域内には、枠組2の上側部6および下側部7の高さにストッパ22が設置されている。それらのストッパ22は、ベンチレーション・フラップが閉鎖位置にあるときに、これらのフラップと接触することができるものである。
【0037】
図2は、ブラケット3を示している。そのようなブラケット3は、縦軸線10に垂直な平面内に広がるプレート25の形態になっている。当該プレート25は、アクチュエータ4用の収容区域33のある第1の面32と、この第1の面32とは反対側の第2の面34とを含んでいる。そして第1の面32は、その収容区域33内にアクチュエータ4を収容することができると共に、第1の側方肢部13に面している。これに対して、第2の面34は、第1の面32とは反対に、第2の側方肢部14に面している。
【0038】
本発明によれば、組立体1は、枠組2上へのブラケット3の定置手段26を含んでおり、ブラケット3は、アクチュエータを保持するように企図された固定取付手段27を含んでいる。組立体1は、アクチュエータを特に包含していてもよい。
【0039】
図2は、本発明による定置手段26や取付手段27が設置される組立体1の区域だけでなく、それらの手段26,27もより詳細に示している。
【0040】
実際には、定置手段26は、例えば予備定置手段28と取付手段29とを含んでいる。この予備定置手段28は特に、少なくとも1つのリブ30と、少なくとも1つのスロット31とを含んでいる。
【0041】
図2に示す例示の実施形態において、組立体1は、ブラケット3上に設置された2つのリブ30(1つしか見えていない)と、枠組2上に設置された2つのスロット31とを含んでいる。
【0042】
各リブ30は、ブラケット3の第2の面34上に設置されている。即ち、それらのリブ30は、ブラケット3の第2の面34から生じ、そこから突き出ている。各リブ30は、横軸線9に垂直な平面内を延びている。
【0043】
各スロット31は、枠組2の壁35上に設置されている。それらのスロット31は、横軸線9と縦軸線10とに垂直な主軸線40に平行な方向に延びる、壁35に作られた切欠きである。スロット31は、それらが延びる方向に、上縁部38と下縁部39とによって縁取られている。各スロット31は特に末広がりになっており、即ち、上縁部38と下縁部39との間の距離が、壁35の遠位端部37から当該スロット31の基部までの間で狭くなって行く。
【0044】
スロット31の上縁部38と下縁部39との間の距離の狭まりが、リブ30をもうそれより先まで挿入されないように妨げるまで、リブ30がスロット31へと進入するように、スロット31とリブ30とが互いに相補的になっている。かくして、スロット31とリブ30とは、枠組2上へブラケット3を定置する、特に枠組2上へブラケット3を予備的に定置するのを助ける。
【0045】
取付手段29は、互いに向かい合ったピン41とアイレット42とを含んでいる。1番目はブラケット3上に設置され、2番目は枠組2上に設置されている。
【0046】
ピン41は、円筒状で、枠組2におけるアーム11の中央肢部15から生じている。ピン41は、中央肢部15から突き出て、主軸線40に平行、即ちアーム11の第1および第2の側方肢部13,14と平行な方向に延びている。従ってピン41は、アーム11における、第1の側方肢部13と第2の側方肢部14との間、特に第1の側方肢部13と壁35との間に設置されている。ピン41は、組立体1が組み立てられたときにアイレット42と接触する遠位端部44を有している。ピン41はまた、取付要素、特にねじ(図示せず)を受け入れることのできる穴45を有している。
【0047】
アイレット42は、ブラケット3の第1の面から生じ、そこから突き出ている。そのアイレット42は特に、ブラケット3へのアクチュエータ4の固定取付を妨げないように、アクチュエータ用の収容区域33とは別個の取付区域55から生じている。アイレット42は、主軸線40に垂直な平面内に広がる大面43と、当該アイレット42の応力耐性を強化するように横軸線9に垂直な平面内を延びる2つのブレース(斜材)46とを有している。アイレット42の大面43は、取付要素、特にねじを受け入れることのできる穴47を有している。組立体1が既に組み立てられているならば、アイレット42の大面43は、ピン41の遠位端部44と接触している。その接触は、取付要素の挿入を可能とするよう、アイレット42の穴47がピン41の穴45と整列するように行われる。それにより、アイレット42とピン41とが、枠組2上にブラケット3を定置し、特に枠組2に対してブラケット3を取り付けるのである。
【0048】
組立体1が既に組み立てられているならば、ブラケット3のプレート25は、枠組2の壁35とピン41との間に置かれ、ブラケット3の第2の面34は枠組2の壁35と接触し、リブ30はスロット31と協働し、アイレット42はピン41と協働している。従ってブラケット3は、ピン41とアイレット42との協働によって象徴される少なくとも1つの定着箇所と、リブ30の1つとスロット31の1つとの間の協働によって象徴される第2の定着箇所とを有している。枠組2上へのブラケット3の第1および第2の定着箇所は、ブラケット3が枠組2上で片持ち支持されるのを防ぐように、アクチュエータ4用の収容区域33の両側に置かれている。
【0049】
ブラケット3の固定取付手段27は、少なくとも1つのラグ56、特に4つのラグ56と、少なくとも1つのペグ(鉤)57とを含んでいる。4つのラグ56とペグ57とは、ブラケット3の第1の面32上に、特にブラケット3の収容区域33と同じ高さで設置されている。4つのラグ56とペグ57とは、ブラケット3の第1の面32から突き出て、縦軸線10と平行な方向へ延びている。4つのラグ56とペグ57とは、収容区域33の周縁部に設置されている。それは、収容区域33に対してアクチュエータを、4つのラグ56とペグ57との内側で定置することができるようなものである。ペグ57は特に、4つのラグ56のうち、収容区域33の中央肢部15の方を向いた側にある2つのラグ同士の間に設置されている。
【0050】
4つのラグ56のうち3つは、縦軸線10に垂直な平面内の断面に沿って十字形を成しており、最後のラグは円筒状である。3つの十字形のラグ56における第1の部分58と第2の部分59との、縦軸線10に垂直な平面内での寸法は、互いに異なっている。3つの十字形のラグ56における、収容区域33に近い方に位置する第1の部分58は、遠位端部の所に位置する第2の部分59よりも大きくなっている。従って、第1の部分58と第2の部分59との間の接合部の所にストッパが作り出されている。
【0051】
ペグ57は、主軸線40に垂直な平面内を延びて歯部62で終わる平坦部分61を含んでいる。
【0052】
枠組2、および上記で説明した枠組2を構成する要素の全ては、一体に作られる、即ち、それらは同じ材料から同時に作られて単一の部品を形成する、ということに留意されたい。同様に、ブラケット3、および上記で説明したブラケット3を構成する要素の全ては、一体に作られる、即ち、それらは同じ材料から同時に作られて単一の部品を形成する。
【0053】
図1は、アクチュエータ4を示すと共に、如何にして4つのラグ56とペグ57とがアブラケット3へのアクチュエータ4の固定取付を可能とするかを示している。
【0054】
アクチュエータ4は、モータ(図示せず)、例えば直流モータやステップモータを取り囲むハウジング65を含んでいる。そのモータは、シャフト(図示せず)によってベンチレーション・フラップを作動させることができる。そのシャフトは、縦軸線10と平行な方向に延びて、円筒状の穴66を通じてハウジング65を貫通する。円筒状の穴66は、ハウジング65の一側から他側までを横切ると共に、ギアシステム75を有している。この穴66、特にギアシステム75によって、モータはシャフトへ回転運動を伝達することができ、そのシャフトが今度はフラップを開放位置から閉鎖位置へと、或いはその反対へと回動させるのである。
【0055】
ブラケット3の4つのラグ56を受け入れる穴68を有した4つのフランジ67が、アクチュエータ4の周縁部の周りに配置されている。かくして、4つのフランジ67のうち3つが、それらの中の穴68を用いて3つの十字形のラグ56を受け入れ、1つのフランジ67が、その中の穴68を用いて円筒状のラグ56を受け入れる。そして、3つの十字形ラグ56を受け入れる3つのフランジ67は、それらがストッパ60と接触するまで、これらのラグ56上に据え付けられる。各フランジ67がこの位置にあるときには、アクチュエータ4のハウジング65における第1の側69が、ブラケット3の第1の面32と接触、特に収容区域33と接触する。更に、ペグ57の平坦部分が、(アクチュエータ4の第1の側69に垂直な)アクチュエータ4の第2の側70と接触する。またペグ57の歯部が、(第2の側70に垂直で、ハウジング65に関して第1の側69とは反対側の)アクチュエータ4の第3の側71で、アクチュエータ4をブロック(アクチュエータ4の動きを阻止)する。
図1
図2