(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ウサギWBC凝集アッセイの顕微鏡法観察。ドナーXおよび対照の血漿をウサギWBCとともにインキュベートし、次に、顕微鏡法を用いて観察した。ドナーXの血漿(A、C)または対照の血漿(B、D)とともにインキュベートされたウサギ白血球の光学(A、B)および位相差(C、D)顕微鏡写真。凝集はドナーXの血漿(A、C)で観察されたが、対照の血漿(B、D)では観察されなかった。
【
図2】ヒトWBC凝集アッセイの顕微鏡法観察。ドナーXおよび対照の血漿をヒトWBCとともにインキュベートし、次に、顕微鏡法を用いて観察した。ドナーXの血漿(A、C)または対照血漿(B、D)とともにインキュベートされたヒト白血球の光学(A、B)および位相差(C、D)顕微鏡写真。凝集はドナーXの血漿(A、C)および対照血漿(B、D)で観察されなかった。
【
図3】ドナーXウサギWBC凝集の位相差および蛍光顕微鏡法観察。ドナーXおよび対照の血漿をウサギWBCとともにインキュベートし、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させ、次に、位相差または蛍光顕微鏡法を用いて観察した。パネル(A)は、ドナーXの血漿とともにインキュベートされたウサギWBCの位相差顕微鏡写真を示す。パネル(B)は、ドナーXの血漿とともにインキュベートされ、次に、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGで処置されたウサギWBCの蛍光顕微鏡写真を示す。強い蛍光が凝集した細胞クラスターにおいて観察された。これは、ドナーXの血漿由来のヒトIgGが細胞凝集の原因であったことを示す。
【
図4】ウサギWBC凝集アッセイの蛍光顕微鏡法観察。ドナーXおよび対照の血漿をウサギWBCとともにインキュベートし、次に、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させた。パネル(A)は、ウサギWBCの陽性蛍光を示す。パネル(B)は、対照血漿についての結果を示す。
【
図5】ウサギWBC凝集アッセイの蛍光顕微鏡法観察。ドナーXおよび対照の血漿をウサギWBCとともにインキュベートし、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させ、次に、蛍光顕微鏡法を用いて観察した。パネル(A)は、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGとともにインキュベートされたウサギWBCの陽性蛍光、および凝集細胞の40倍画像(下段パネル)を示す。これらの結果は、ドナーXの血漿が、ウサギWBCの細胞表面抗原と反応性であるIgGを含有することを示す。パネル(B)は、対照血漿について観察された弱い蛍光を示し、ウサギWBCの位相差顕微鏡写真では凝集を示さない(下段パネル)。
【
図6】ヒトWBCの凝集アッセイの蛍光顕微鏡法観察。ドナーXおよび対照の血漿をヒトWBcとともにインキュベートし、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させ、次に、蛍光顕微鏡法を用いて観察した。(A、ドナーX)および(B、対照血漿)のいずれも強い蛍光または凝集を示さず(下段パネル)、これは、ドナーXの血漿がヒトWBCの細胞表面抗原に反応性でないIgGを含有することを示す。
【
図7A】蛍光フローサイトメトリーヒストグラム。ウサギWBCをドナーXまたは対照の血漿とともにインキュベートし、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させ、次に、フローサイトメトリーによって分析した。ヒストグラムは、観察された相対蛍光を示す。パネルAおよびBは2つの別々の実験を示す。ドナーXの血漿は、対照血漿の相対蛍光の少なくとも3倍の相対蛍光を有する最大のシグナルを与えた。定量的な結果についてはTable 4(表4)およびTable 5(表5)を参照されたい。
【
図7B】蛍光フローサイトメトリーヒストグラム。ウサギWBCをドナーXまたは対照の血漿とともにインキュベートし、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させ、次に、フローサイトメトリーによって分析した。ヒストグラムは、観察された相対蛍光を示す。パネルAおよびBは2つの別々の実験を示す。ドナーXの血漿は、対照血漿の相対蛍光の少なくとも3倍の相対蛍光を有する最大のシグナルを与えた。定量的な結果についてはTable 4(表4)およびTable 5(表5)を参照されたい。
【
図8A】蛍光フローサイトメトリーヒストグラム。ヒトWBCをドナーXまたは対照の血漿とともにインキュベートし、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させ、次に、フローサイトメトリーによって分析した。ヒストグラムは、観察された相対蛍光を示す。パネルAおよびBは2つの別々の実験を示す。ドナーXの血漿は、対照血漿と有意に相違しなかった。定量的な結果についてはTable 6(表6)およびTable 7(表7)を参照されたい。
【
図8B】蛍光フローサイトメトリーヒストグラム。ヒトWBCをドナーXまたは対照の血漿とともにインキュベートし、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させ、次に、フローサイトメトリーによって分析した。ヒストグラムは、観察された相対蛍光を示す。パネルAおよびBは2つの別々の実験を示す。ドナーXの血漿は、対照血漿と有意に相違しなかった。定量的な結果についてはTable 6(表6)およびTable 7(表7)を参照されたい。
【
図9AB】発熱性IVIG-Cを含有するドナーXの血漿単離物の試料の電気泳動およびウェスタンブロッティング分析。レーン1:分子量マーカー;レーン2:発熱性IGIV-C(ドナーX);レーン3:非発熱性IGIV-C;レーン4:ウサギ血清;レーン5:ウシ胎児血清;レーン6:ウマ血清。(A)インスタントブルー染色したゲル。(B)抗ヒトIgGアルカリホスファターゼ免疫コンジュケート(IgG-AP)を用いて探査されたウェスタンブロット対照(一次抗体なし)。
【
図9CD】発熱性IVIG-Cを含有するドナーXの血漿単離物の試料の電気泳動およびウェスタンブロッティング分析。レーン1:分子量マーカー;レーン2:発熱性IGIV-C(ドナーX);レーン3:非発熱性IGIV-C;レーン4:ウサギ血清;レーン5:ウシ胎児血清;レーン6:ウマ血清。(C)一次抗体および抗ヒトIgG-APとして発熱性IGIV-Cを含有するドナーXの血漿単離物を用いたウェスタンブロット。(D)一次抗体および抗ヒトIgG-APとして非発熱性IGIV-Cを用いたウェスタンブロット。
【
図10AB】発熱性IVIG-Cを含有するドナーXの血漿単離物の試料の電気泳動およびウェスタンブロッティング分析。レーン1:分子量マーカー;レーン2:ウシ胎児血清;レーン3:ウサギ血清;レーン4:1:5に希釈したウサギ血清;レーン5:1:10に希釈したウサギ血清;レーン6:1:50に希釈したウサギ血清。(A)抗ヒトIgGアルカリホスファターゼ免疫コンジュゲート(IgG-AP)を用いて探査したウェスタンブロット対照(一次抗体なし)。(B)一次抗体および抗ヒトIgG-APとして発熱性IGIV-Cを含有するドナーXの血漿単離物を用いたウェスタンブロット。
【
図10CD】発熱性IVIG-Cを含有するドナーXの血漿単離物の試料の電気泳動およびウェスタンブロッティング分析。レーン1:分子量マーカー;レーン2:ウシ胎児血清;レーン3:ウサギ血清;レーン4:1:5に希釈したウサギ血清;レーン5:1:10に希釈したウサギ血清;レーン6:1:50に希釈したウサギ血清。(C)一次抗体および抗ヒトIgG-APとして非発熱性IGIV-Cを用いたウェスタンブロット。(D)インスタントブルー染色したゲル。
【
図11】ドナーXの血漿はラットWBCと交差反応する:ラットWBC凝集アッセイの蛍光顕微鏡法観察。ラットWBCをドナーXまたは対照の血漿とともにインキュベートし、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGと反応させ、次に、蛍光顕微鏡法を用いて観察した。パネル(A)は、フルオレセイン標識した抗ヒトIgGとともにインキュベートされたラットWBCの陽性蛍光および凝集、ならびに凝集細胞の40倍画像(下段パネル)を示す。これらの結果は、ドナーXの血漿が、ラットWBCの細胞表面抗原と反応性であるIgGを含有することを示す。パネル(B)は、対照血漿について観察された弱い蛍光を示し、ラットWBCの40倍画像は凝集を示さない(下段パネル)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書においては、血液および血液製剤において非定型抗体を同定する方法が記載される。個体(本明細書において「ドナーX」と呼ばれる)が、生物治療タンパク質生成物を製造するための他のユニットとともにプールされた血漿を提供した。処理中に、プールされた血漿は、USP発熱性ウサギアッセイを用いて発熱性についてアッセイされた。予期せずに、プールされた血漿は、USPウサギ試験において発熱性として陽性を示した。さらなるアッセイで、発熱性薬剤をドナーXの血漿まで追跡した。カブトガニ血球抽出成分(LAL)アッセイは、ドナーXの血漿が細菌内毒素で汚染されていないことを示した。代わりに、本明細書に記載されているアッセイは、ドナーXの血漿が発熱性反応の原因となる非定型抗体を含有していることを実証した。
【0012】
具体的には、光学および蛍光顕微鏡検査は、ドナーXの血漿が、ヒトWBCではなく、ウサギおよびラットWBCを凝集することを示した。ウサギWBCの交差反応性はドナーXに特異的であり、これは、ドナーXの両親、兄弟姉妹、および子供由来の血漿が反応しなかったためである。蛍光フローサイトメトリー実験は、ドナーXの血漿がウサギWBCの細胞表面抗原と反応性であるIgG抗体を含有していたことを示し、ウェスタンブロット実験がIgG抗体とウサギ血清の反応性を確認した。まとめると、これらの結果は、ドナーXが、ウサギWBCと交差反応性である体液性免疫を誘導することができたげっ歯動物またはげっ歯動物の昆虫ベクターに暴露された可能性があることを示唆する。このようにして、いくつかの個体からの血漿は、USPウサギ発熱性試験において陽性を示し得るが、これは、それらの血漿が細菌で汚染されているためではなく、ウサギWBC抗原と交差反応する非定型抗体を含有するためである。
【0013】
(実施例)
(実施例1)
米国薬局方(USP)発熱性物質アッセイ
現行の米国薬局方§151は、発熱性物質アッセイの概要を示す。試験は、試験溶液の静脈内注射後のウサギの体温上昇を測定することを伴う。このアッセイは、生成物が、10分以下の時間内で静脈内に注射された、10mL/kgを超えない投薬量で試験されたウサギによって許容され得るかどうかを決定するように設計されている。最初に、3匹のウサギに注入される。いずれのウサギも≧0.5℃の個々の体温上昇を示す場合、テストは5匹の追加のウサギを用いて継続される。8匹のウサギのうち3匹以上が≧0.5℃の体温上昇を示し、および/または8匹の個々の体温上昇の合計が3.3℃を超える場合、検査中の物質は発熱性であると考えられる。
【0014】
ドナーXの血漿の試料、またはいずれのドナーXの血漿も含まないプールされた試料を10mLの塩化ナトリウム溶液(0.9%NaCl)で1:100に希釈し、3匹の健常な成熟ウサギの耳静脈に注射した。ウサギの体温は、注射から10分以内に直腸で測定された。体温データをTable 1(表1)に示す。ドナーXを含まない血漿試料は、ウサギのいずれにおいても体温上昇を誘導しなかった。対照的に、ドナーXの血漿を試験したとき、1.1〜1.2℃の間の体温上昇が測定された。3匹のウサギの総体温上昇は3.4℃であったので、ドナーXの血漿は発熱性であると考えられ、別の5匹のウサギまでテストを広げる必要はなかった。
【0015】
0%または10%のドナーXの血漿を含有するプール中の免疫グロブリンは、プロテインAカラムを用いて捕捉され、発熱性について試験された。ドナーXを含まない血漿試料は体温の上昇を誘導しなかったが、ドナーXの血漿を含有する試料は発熱性が高かった。これらの結果は、ウサギにおける発熱性反応がドナーXの血漿中の免疫グロブリンに関連している可能性があることを示した。
【0017】
(実施例2)
一連の実験は、ドナーXの血漿を用いて、その発熱性の性質をより良く理解するために行われた。
【0018】
白血球凝集および顕微鏡法実験
凝集実験は、ドナーXの血漿とウサギまたはヒト白血球(WBC)との間の相互作用を評価するために行われた。WBCは、Histopaque(登録商標)(Sigma-Aldrich)を用いた密度勾配遠心分離によって、ウサギおよびヒト全血から採取し、BSAを補足した通常の緩衝化された生理食塩水に懸濁した。次に、ウサギおよびヒトWBCは、96ウェルマイクロプレートでドナーXおよび対照の血漿とともにインキュベートした。インキュベーションおよび洗浄後、蛍光標識された抗ヒトIgGを加え、マイクロプレートをインキュベートし、洗浄し、顕微鏡下で調べた。可視光および位相差顕微鏡法を用いて凝集について各ウェルを調べ、次に、蛍光顕微鏡法を用いて観察した(続くセクションにおいて結果を検討する)。
【0019】
ドナーXの血漿およびウサギWBCを含有する試験ウェルにおいて有意な凝集が観察された(
図1Aおよび
図1C)が、ドナーXの血漿およびヒトWBCを含有する試験ウェルにおいては観察されなかった(
図2Aおよび
図2C)。対照血漿およびウサギWBCを含有するウェル(
図1Bおよび
図1D)または対照血漿およびヒトWBCを含有するウェル(
図2Bおよび
図2D)において、凝集は観察されなかった。これらの結果は、多数のアッセイで再現された。ドナーXのIgGがウサギWBCに結合するが、ヒトWBCに結合しないことを示す。
図2を参照されたい。
【0020】
いくつかの凝集実験中に、細胞毒性は、ウサギWBCとドナーXの血漿を含有する試料において観察されたが、対照血漿とウサギWBCを含有するウェル、およびヒトWBCとドナーXまたは対照の血漿を含有するいずれのウェルにおいても観察されなかった。ドナーXの血漿がウサギWBCに対して毒性であるという観察は、ドナーXの免疫グロブリンの、これらの細胞への特異的な結合を示唆した。
図1〜3を参照されたい。
【0021】
蛍光顕微鏡法実験
蛍光顕微鏡法実験は、上述した凝集および光学顕微鏡法研究と並行して行った。結果をTable 2(表2)に示す。対照血漿(
図4B)とともにまたは蛍光標識された抗ヒトIgGのみとともにインキュベートされた試料についての相対的に弱い程度の蛍光と比較して、ウサギWBCは、ドナーXの血漿とともにインキュベートされた試料において強い蛍光を示した(
図4Aおよび
図5A)。
図4と
図5を参照されたい。これらの所見は、ウサギWBCについて観察された蛍光が、ドナーXに存在するIgGに特異的であることを示した。ドナーXと対照の血漿の両方とともにインキュベートされたヒトWBC(
図6)、または蛍光標識された抗ヒトIgGのみ(ドナーXまたは対照の血漿が添加されていない)とともにインキュベートされたヒトWBCについて、弱い程度の蛍光が観察された。
図6B。これらの知見は、ヒトWBCについて観察された蛍光が、ドナーXまたは対照のIgGの存在とは独立して、非特異的結合であったことを示した。
【0023】
(実施例3)
フローサイトメトリー実験
抗体結合および顕微鏡法によって観察された蛍光を定量化するために、フローサイトメトリー研究を行った。これらの実験において、ウサギおよびヒトのWBCをドナーXおよび対照の血漿とともにインキュベートし、洗浄し、その後、蛍光標識された抗ヒトIgGを添加し、それとともにインキュベートした。細胞試料を洗浄し、濃度範囲が約3×10
6〜5×10
6細胞/mLとなるように通常の緩衝化された生理食塩水に再懸濁し、フローサイトメトリーによって分析した。
【0024】
図7は、ドナーXまたは対照の血漿とともにインキュベートされた2種のウサギWBC試料の相対蛍光強度を示すヒストグラムオーバーレイを含む。アッセイ対照として2つの追加の試料、未染色のウサギWBC(細胞対照)と蛍光標識された抗ヒトIgGのみで処理されたウサギWBCを含めた。ドナーXの血漿とともにインキュベートされたウサギWBC試料の蛍光の中央値は、実験1では3264であり、実験2では922であった。これは、ウサギWBCを対照血漿とともにインキュベートした後に観察された値よりも有意に高かった(実験1と2についてそれぞれ蛍光の中央値は499と175であった)。Table 3(表3)とTable 4(表4)を参照されたい。このように、ドナーXの血漿とともにインキュベートされたウサギWBCと、対照の血漿とともにインキュベートされたウサギWBCとの間にいくらかの重なりがあったとしても、蛍光強度に明確な差があった。これらの結果は、上記で検討された、顕微鏡法研究結果とよく相関し、この場合、WBCはドナーXの血漿と反応し、対照血漿とともにインキュベートされたWBCよりも有意に強い蛍光を生じた。
【0027】
フローサイトメトリー実験は、ヒトWBCを用いて繰り返した。結果を
図8およびTable 5(表5)とTable 6(表6)に示す。ドナーXの血漿および対照血漿とともにインキュベートされたヒトWBCは類似したヒストグラムであり、蛍光強度に有意差がないことを示した。これらの結果は、先に検討されたドナーXおよび対照の血漿で処理されたヒトWBCが同程度の蛍光を生じた顕微鏡法研究の結果と相関していた。蛍光色素標識された抗ヒトIgGのみで染色されたヒトWBC試料はまた、ドナーXおよび対照の血漿試料と有意な重なりを示し、したがって、二次抗体による、有意な程度の非特異的結合を示した。
【0030】
要約すると、フローサイトメトリー分析は、対照血漿と比較して、ドナーXの免疫グロブリン(すなわち、IgG)のウサギWBCへの有意な結合、およびヒトWBCへの最小の結合を示した。
【0031】
(実施例4)
補足的なウサギ発熱性物質試験
ドナーXの免疫グロブリンに対する可能な遺伝的関連およびウサギの発熱性に対する効果を評価するために、USP発熱性物質アッセイをドナーXの血縁者によって提供された血清について行った。ドナーXの血清の試料もまた対照として試験した。先の研究は、ドナーXの血漿が1:100の希釈で有意な発熱性物質反応を生じたことを実証したため、全ての試験試料は、ウサギ発熱性物質試験の前に、滅菌した通常の生理食塩水(0.9%NaCl、USP、注射用)で1:100に希釈された。各試料のアリコートはまた、発熱性物質反応の供給源として内毒素汚染を調べるためにLALアッセイにも用いられた。発熱性物質およびLAL結果をTable 7(表7)に示す。
【0033】
ドナーX由来の血清は、3匹のうちの2匹の試験ウサギにおいて有意な体温上昇を生じ、総体温上昇は1.9℃であった。この反応は、ドナーXの血漿を用いた以前の試験と一致した。両親、兄弟姉妹、および子供を含むドナーXの血縁者由来の血清は、有意な体温上昇を生じなかった。全ての試料についてのカブトガニ血球抽出成分アッセイ(LAL)の結果は陰性であり、外因性の内毒素がウサギ発熱性反応に寄与しなかったことを示した。
【0034】
(実施例5)
赤血球凝集研究
ドナーXの血漿がウサギRBC上の抗原に特異的な免疫グロブリンを含有するかどうかを決定するために、ドナーXの血漿は、一連の凝集実験においてウサギ赤血球を用いて試験された。ドナーXの血漿免疫グロブリンとウサギRBCとの間の不適合性は、潜在的に溶血および発熱を引き起こすことができた。これらの研究については、ドナーXおよび対照の血漿は、ウサギRBCの懸濁液に対して滴定された。懸濁液は、3つの時点:(1)即時;(2)37℃での30分のインキュベーション後;および(3)抗ヒトグロブリン血清を加えた後、において観察された。
【0035】
ドナーXおよび対照の血漿の両方は、全ての時点でウサギRBCの強力な凝集を生じ、同等の力価が、ドナーXおよび陽性対照について観察された。溶血は、低い希釈度のドナーXと陽性対照の両方で観察された。
【0036】
ドナーXおよび対照の血漿中に存在する抗Aおよび/または抗Bの免疫グロブリンの存在が、ヒトAおよびBの抗原に類似したエピトープを有するウサギRBC抗原と潜在的に交差反応する可能性があった。そこで、ドナーXおよび対照の血漿は、交差反応する抗Aおよび抗Bの抗体を除くために、ヒトAおよび/またはBのRBCを用いて予め吸収させた。次に、予め吸収された血漿は、上述のウサギRBCに対して試験された。ドナーXおよび対照の血漿の両方ともに、最初の結果と同様、強い凝集を生じた。ドナーXおよび対照の血漿間に反応性の差異は観察されなかった。これらの結果は、ウサギRBC上の抗原/エピトープに対する広範な交差反応性を有する、ドナーXの血漿中の抗体の存在を示した。さらに、これらの結果は、RBCを媒介した方法がウサギにおいて発熱性反応の原因とならないことを示唆する。
【0037】
ドナーXの血漿はまた、RBC抗体同定パネルを用いて、ヒトRBC抗原に対する抗体についても試験された。全てのパネル細胞に関して陰性結果が得られ、ドナーXの血漿が臨床的に有意な同種異系抗体を含有していないことを確認した。
【0038】
また、抗原の表現型決定はドナーXのRBC上で行われ、Rh、ケル(Kell)、ダフィ(Duffy)、キッド(Kidd)、ルイス(Lewis)、MNS、P、およびルセラン(Lutheran)血液型の系に属するRBC抗原についての型決定を含んでいた。ドナーXのRBCは通常のRBC表現型であって、異常な結果はなかった。
【0039】
(実施例6)
ドナーXの血漿を含有する下流側の血漿生成物は、発熱性反応の発生に関与する因子を同定するためにアッセイされた。ドナーXの血漿を含有する血漿プールから生成された、10%カプリル酸塩を含有する/クロマトグラフィー精製されたヒト免疫グロブリンのグロブリン(静脈注射用)(例えば、IGIV-C 10%、すなわち、Gamunex(登録商標)、Grifols Therapeutics Inc.,旧Talecris Biotherapeutics, Inc.)を、ウェスタンブロッティングを用いてアッセイした。
【0040】
ウェスタンブロッティング
ドナーXを含有する血漿プールから生成した「発熱性」IGIV-C、ドナーXを含まない血漿プールから生成した非発熱性IGIV-C、ウサギ血清、ウシ胎児血清、およびウマ血清の試料を4つの4〜20%還元SDS-PAGEゲル上で泳動した。1つのゲルをインスタントブルーで染色し(
図9A)、一方、他の3つをPVDFメンブレンに転写した(
図9B〜D)。1つのメンブレンは、アルカリホスファターゼにコンジュゲートされた抗ヒトIgGとのみ反応させた(
図9B)。残りのメンブレンは、発熱性IGIV-Cまたは非発熱性IGIV-Cと反応させ、次に、抗ヒトIgGアルカリホスファターゼコンジュゲートと反応させた(
図9C〜D)。レーン1: MW(分子量)マーカー;レーン2:発熱性IGIV-C(ドナーX);レーン3:非発熱性IGIV-C;レーン4:ウサギ血清;レーン5:ウシ胎児血清;レーン6:ウマ血清。
【0041】
インスタントブルー染色されたゲルは、同等量のウサギ血清、ウシ胎児血清およびウマ血清がゲル上に装填されたことを示した。
図9Aのレーン4〜6。抗ヒトIgGのみで染色されたメンブレンは、二次抗体(抗ヒトIgG)が特異的であり、ヒトIgG(発熱性および非発熱IGIV-C)とのみ反応したことを示した。
図9Bのレーン2とレーン3。発熱性IGIV-Cおよび抗ヒトIgGアルカリホスファターゼのコンジュゲートと反応させたメンブレンは、発熱性IGIV-Cがウサギ血清と強く反応し、胎児ウシおよびウマの血清とは弱く反応することを示した。
図9Cのレーン4〜6。非発熱性IGIV-Cおよび抗ヒトIgGアルカリホスファターゼのコンジュゲートと反応させたメンブレンは、非発熱性IGIV-Cが、ウサギ血清を含む3つの試験血清と弱く反応することを示した。
図9Dのレーン4〜6。まとめると、これらの結果は、発熱性IGIV-Cがウサギ血清と強く反応するが、一方、非発熱性IGIV-Cは反応しないことを示す。
【0042】
ウシ胎児血清および種々の濃度のウサギ血清の試料を4つの4〜20%SDS-PAGEゲル上で泳動した。3つのゲルをPVDFメンブレンに転写し(
図10A〜C)、1つのゲルをインスタントブルーで染色した(
図10D)。1つのメンブレンをアルカリホスファターゼにコンジュゲートした抗ヒトIgGのみと反応させた(
図10A)。残りのメンブレンを発熱性IGIV-Cまたは非発熱性IGIV-Cと反応させ、次に、抗ヒトIgGアルカリホスファターゼ免疫複合体と反応させた(
図10B〜C)。レーン1: MWマーカー;レーン2:ウシ胎児血清;レーン3:ウサギ血清;レーン4:1:5に希釈したウサギ血清;レーン5:1:10に希釈したウサギ血清;レーン6:1:50に希釈したウサギ血清。
【0043】
メンブレンを抗ヒトIgGのみで探査したときに、ウェスタンブロットは陰性であった。
図10A。しかしながら、発熱性IGIV-Cを一次Abとして用いた場合、上記メンブレンは、希釈していないウサギ血清ならびに1:5および1:10に希釈したウサギ血清に特異的に反応した。
図10Bのレーン3〜5を参照されたい。1:50希釈のウサギ血清は反応性でなかった(レーン6)。非発熱性IGIV-Cを一次抗体として使用した場合、希釈していないウサギ血清だけが検出された。
図10Cのレーン4。インスタントブルー染色されたゲルは、ゲルに装填された相対量のウシ胎児血清およびウサギ血清を示した。
図10Dのレーン2〜3。全体的に、これらの結果は、発熱性IGIV-Cが、非発熱性IGIV-Cよりも約10倍を超える、ウサギ血清に対する抗体を含有することを示す。
【0044】
(実施例7)
ラットWBCの蛍光顕微鏡法および凝集
Histopaque(登録商標)を用いた密度勾配遠心分離によって、ラットWBCを全血から単離した。上記の実施例2について記載したように、ラットWBCをドナーXの血漿と反応させた。ドナーXの血漿は、ラットWBCについて明確な凝集およびの蛍光を生じた。
図11を参照されたい。
【0045】
(実施例8)
結果の概要
顕微鏡法(
図1〜6)およびフローサイトメトリー実験(
図7〜8)の結果は、ドナーXのIgGがウサギWBCと容易に結合することを示した。抗体結合は、凝集と蛍光強度の両方によって実証された。対照血漿はウサギWBCについていくらか蛍光を生じたが、蛍光の程度は、ドナーXについて観察されたものよりも有意に少なかった。対照血漿は実験のいずれにおいてもウサギWBCの凝集を引き起こさなかったが、一方、ドナーXの血漿は凝集を常に生じた。ドナーXの血漿(IgG)は、実験のいずれにおいてもヒトWBCについて凝集を生じず、これは、ドナーXのIgGがヒトWBCに結合しないことを示した。
【0046】
ドナーXのIgGのウサギWBCへの結合は、ウサギWBCの活性化および内因性(白血球)発熱性物質の放出に対する起こり得る誘因であり、観察された発熱反応を引き起こした。
【0047】
ドナーXの近親者(すなわち、両親、兄弟姉妹、および子供)について行われたウサギ発熱性物質アッセイは、一様に陰性であった。Table 7(表7)。これらの結果は、ウサギの体温反応に関して、ドナーXのIgGの固有の特性が、優性対立遺伝子ベースではなく、むしろドナーXに対して抗体特異的であることを示した。
【0048】
ウサギRBCを用いた実験は、ドナーXおよび対照の血漿両方ともが、ウサギWBC上の抗原に対する広範な交差反応性を有する抗体を含有することを実証した。ドナーXおよび対照の血漿は、ウサギRBCと非常に類似した反応を生じ、RBCを媒介にした方法がウサギにおける発熱性反応の原因でないことを示唆した。
【0049】
ウェスタンブロッティング実験は、発熱性IGIV-C(ドナーXの血漿単離物を含有)がウサギ血清と強く反応し、一方、非発熱性IGIV-Cが反応しないことを示した。これは、発熱性IGIV-CにおけるドナーX由来の非定型IgGの存在が、USP発熱性物質試験において発熱性反応を誘発する原因であったことを示す。さらに、ウェスタンブロッティング実験は、発熱性IGIV-Cが、非発熱性IGIV-Cよりも、ウサギ血清に対して約10倍を超える抗体を含有することを示した。これは、発熱性反応を引き起こすドナーXの非定型抗体による可能性の高い確率的影響を示した。
【0050】
ラット白血球細胞を用いた実験は、ドナーXの血漿が、ラットWBCと交差反応し、ラットWBCの凝集を引き起し得ることを示す。これらの結果は、ラットへの直接的曝露、またはげっ歯動物(例えば、ノミ)の昆虫ベクターによる間接的曝露が、ラット細胞とウサギ細胞の両方に対する交差反応性を有する「非定型」IgG-免疫グロブリン免疫をもたらし得たことを示唆した。
【0051】
(実施例9)
ハイスループットアッセイ
ハイスループットのELISA、蛍光、またはウェスタンブロット実験は、96ウェル、192ウェル、もしくは384ウェルプレートまたはメンブレン中で試験試料をインキュベートし、洗浄し、ブロッキングし、および酵素もしくは蛍光色素-免疫複合体を用いて試料を探査することによって、次に、他の検出方法の中でも、蛍光測定、発光測定、密度測定、比色、またはUV/可視吸光度を介して結果を分析することによって行われる。このようなハイスループットアッセイは、処理前、処理中および処理後に、血液もしくは血漿試料または生成物のインライン分析を可能にし、アッセイにおいて偽陽性の発熱性物質の結果を生じ得る、非定型免疫グロブリンを含有する試料などの反応性試料を排除することができる。