特許第6043815号(P6043815)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6043815薄膜トランジスタのアレイ基板及びその製造方法、並びに電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043815
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタのアレイ基板及びその製造方法、並びに電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20161206BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20161206BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20161206BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20161206BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20161206BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20161206BHJP
   H01L 29/872 20060101ALI20161206BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20161206BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H01L29/78 627C
   H01L29/78 618B
   H01L29/78 616V
   H01L29/78 617M
   H01L29/78 616U
   H01L29/50 M
   H01L29/58 G
   H01L29/48 D
   G09F9/30 338
   G09F9/00 338
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-560220(P2014-560220)
(86)(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公表番号】特表2015-515125(P2015-515125A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】CN2012085482
(87)【国際公開番号】WO2013131384
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2015年11月16日
(31)【優先権主張番号】201210055454.X
(32)【優先日】2012年3月5日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲寧▼ 策
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 学▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 静
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0002124(US,A1)
【文献】 特開2007−150240(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/136505(WO,A1)
【文献】 特開2007−294970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
G09F 9/00
G09F 9/30
H01L 29/417
H01L 29/423
H01L 29/47
H01L 29/49
H01L 29/786
H01L 29/872
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法であって、
透明基板に、第1の透明導電層で形成された画素電極のパターンと、第1の金属層で形成された互いに分離しているドレイン電極、ソース電極及びデータラインのパターンとを形成する第1のパターニング工程と、
前記第1のパターニング工程をした前記透明基板に、ゲート絶縁層のパターンと、透明酸化物層で形成された活性層のパターンとを形成する第2のパターニング工程と、
前記第2のパターニング工程をした前記透明基板に、第2の透明導電層で形成された共通電極のパターンと、第2の金属層で形成されたゲート電極及びゲートラインのパターンとを形成する第3のパターニング工程と、を備え
前記第2のパターニング工程が、
前記第1のパターニング工程をした前記透明基板に前記透明酸化物層及び前記ゲート絶縁層を順に堆積する工程と、
前記ゲート絶縁層にフォトレジスト層を塗布する工程と、
ダブルトーンマスクによって前記フォトレジスト層を露光して現像した後、エッチングし、前記ゲート絶縁層のパターンを形成し、前記フォトレジスト層に対してアッシング工程を行った後、再度エッチングし、前記活性層のパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする、薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【請求項2】
前記第1のパターニング工程が、
前記透明基板に前記第1の透明導電層及び前記第1の金属層を順に堆積する工程と、
前記第1の金属層にフォトレジスト層を塗布する工程と、
ダブルトーンマスクによって前記フォトレジスト層を露光して現像した後、エッチングし、前記第1の金属層で形成された互いに分離している前記ドレイン電極、前記ソース電極及び前記データラインのパターンを形成し、前記フォトレジスト層に対してアッシング工程を行った後、再度エッチングし、前記第1の透明導電層で形成された前記画素電極のパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【請求項3】
前記透明基板に前記第1の透明導電層及び前記第1の金属層を順に堆積する工程が、
マグネトロンスパッタによって、前記透明基板に厚みが40〜70nmである前記第1の透明導電層、及び厚みが200〜400nmである前記第1の金属層を堆積する工程を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【請求項4】
前記第1の透明導電層としてIZOまたはITOを用い、
前記第1の金属層としてCr、W、Ti、Ta、Mo、Al及びCuの中の少なくとも1つを用いることを特徴とする、請求項3に記載の薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【請求項5】
前記第1のパターニング工程をした前記透明基板に前記透明酸化物層及び前記ゲート絶縁層を順に堆積する工程が、
マグネトロンスパッタによって、前記第1のパターニング工程をした前記透明基板に厚みが20〜50nmである前記透明酸化物層を堆積する工程と、
プラズマ化学気相蒸着法又はマグネトロンスパッタによって前記透明酸化物層に厚みが300〜400nmである前記ゲート絶縁層を堆積する工程と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【請求項6】
前記透明酸化物層としてIGZO、ZnOまたはIZOを用い、
マグネトロンスパッタによって前記ゲート絶縁層を堆積するとき、前記ゲート絶縁層としてAl又はAlNを用い、
プラズマ化学気相蒸着法によって前記ゲート絶縁層を堆積するとき、前記ゲート絶縁層としてSiOまたはSiNxを用いることを特徴とする、請求項5に記載の薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【請求項7】
前記第3のパターニング工程が、
前記第2のパターニング工程をした前記透明基板に前記第2の透明導電層及び前記第2の金属層を順に堆積する工程と、
前記第2の金属層にフォトレジスト層を塗布する工程と、
ダブルトーンマスクによって前記フォトレジスト層を露光して現像した後、エッチングし、前記第2の金属層で形成された前記ゲート電極及び前記ゲートラインのパターンを形成し、前記フォトレジスト層に対してアッシング工程を行った後、再度エッチングし、前記第2の透明導電層で形成された前記共通電極のパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【請求項8】
前記第2のパターニング工程をした前記透明基板に前記第2の透明導電層及び前記第2の金属層を順に堆積する工程が、
マグネトロンスパッタによって、前記第2のパターニング工程をした前記透明基板に厚みが40〜70nmである前記第2の透明導電層及び厚みが200〜400nmである前記第2の金属層を堆積する工程を備えることを特徴とする、請求項7に記載の薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【請求項9】
前記第2の透明導電層としてIZO又はITOを用い、
前記第2の金属層としてCr、W、Ti、Ta、Mo、Al及びCuの中の少なくとも1つを用いることを特徴とする、請求項8に記載の薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタのアレイ基板及びその製造方法、並びに電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、殆どのフラットパネルディスプレイは、アクティブマトリックス式液晶ディスプレイ(Active Matrix Liquid Crystal Display、AMLCD)であり、非結晶シリコン(a−Si)は、低温で大面積に製造しやすく、技術が成熟しているため、現在最も幅広く応用されている技術である。
【0003】
薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display、TFT−LCD)は、アクティブマトリックス式液晶ディスプレイの1種である。TFT−LCDは、液晶を駆動する電界の方向によって、垂直電界型、水平電界型及び多次元電界型に分けられる。垂直電界型は、ツイストネマチック(TNと略称する)型TFT−LCDを備え、水平電界型は面内切替型(IPSと略称)型TFT−LCDを備え、多次元電界型は高級超次元切替(Advanced Super Dimension Switch、ADSDSまたはADS)型TFT−LCDを備える。
【0004】
ADS型TFT−LCDは、同一平面内にスリット電極の縁部に生じる電界、及びスリット電極層と平板電極層との間に生じる電界によって、多次元電界を形成し、液晶セル内においてスリット電極間及び電極の真上の全ての配向する液晶分子を全て回転可能にさせ、液晶の作動効率を向上させて光透過率を増大させた。高級超次元切替技術は、TFT−LCD製品の画面品質を向上させることができ、解像度が高く、透過率が高く、電力の消費が少なく、視野角が広く、開口率が高く、色収差が低く、プッシュムラ(Push Mura)がない等のメリットを有する。
【0005】
また、透明酸化物TFTは近年急速に発展している薄膜トランジスタであり、数多くのメリットによってますます注目されている。透明酸化物TFTは、移動度が高く、均一性がよく、透明で、製造工程が簡単である等のメリットを有し、大きいサイズの液晶ディスプレイの要求をよく満たせる。また、透明酸化物TFTの製造工程は、従来技術のLCD生産ラインとよくマッチングでき、変革しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来技術に係る透明酸化物TFTアレイ基板の製造工程は複雑で、少なくとも4回のパターニング工程がないと実現できないため、製造コストが高い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの実施例は、薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法を提供し、該製造方法は、透明基板に、第1の透明導電層で形成された画素電極のパターンと、第1の金属層で形成された互いに分離しているドレイン電極、ソース電極及びデータラインのパターンとを形成する第1のパターニング工程と、前記第1のパターニング工程をした透明基板に、ゲート絶縁層のパターンと、透明酸化物層で形成された活性層のパターンとを形成する第2のパターニング工程と、前記第2のパターニング工程をした透明基板に、第2の透明導電層で形成された共通電極のパターンと、第2の金属層で形成されたゲート電極及びゲートラインのパターンとを形成する第3のパターニング工程と、を備える。
【0008】
本発明の他の実施例は、薄膜トランジスタのアレイ基板を提供し、該アレイ基板は透明基板と、前記透明基板にあり、且つ第1の透明導電層で形成された画素電極と、前記画素電極にあり、且つ第1の金属層で形成されたソース電極、ドレイン電極及びデータラインと、前記透明基板にあり、透明酸化物層で形成された活性層と、前記活性層にあるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層にあり、第2の透明導電層で形成された共通電極と、前記共通電極上にあり、且つ第2の金属層で形成されたゲート電極及びゲートラインと、を備える。
【0009】
本発明の他の実施例は、電子デバイスを提供し、該電子デバイスは前記薄膜トランジスタのアレイ基板を備える。
【0010】
以下、本発明の実施例の技術案をさらに明確に説明するため、実施例の図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の図面は本発明の一部の実施例に関するものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例に係る薄膜トランジスタのアレイ基板の構造概略図である。
図2】本発明の実施例の第1のパターニング工程において、第1の透明導電層及び第1の金属層を堆積した後の断面概略図である。
図3】本発明の実施例の第1のパターニング工程において、グレートーン又はハーフトーンマスクによって露光して現像した後の断面概略図である。
図4】本発明の実施例の第1のパターニング工程において、第1及び第2回のエッチングをした後の断面概略図である。
図5】本発明の実施例の第2のパターニング工程において、第1及び第2回のエッチングをした後の断面概略図である。
図6】本発明の実施例の第3のパターニング工程において、第2の透明導電層及び第2の金属層を堆積した後の断面概略図である。
図7】本発明の実施例の第3のパターニング工程において、グレートーンまたはハーフトーンマスクによって露光して現像した後の断面概略図である。
図8】本発明の実施例の第3のパターニング工程において、第1及び第2回のエッチングをした後に形成された透明酸化物TFTアレイ基板の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例の目的、技術案及びメリットをさらに明確にするように、図面を参照しながら、本発明の実施例の技術案を明確で完全に説明する。下記の実施例は、当然ながら、本発明の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造性のある労働をする必要がない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に入る。
【0013】
本発明の実施例は、従来技術では透明酸化物TFTアレイ基板の製造工程が複雑で製造コストが高い問題に対して、薄膜トランジスタのアレイ基板及びその製造方法を提供し、3回のパターニング工程のみによって透明酸化物TFTアレイ基板を製造することができ、透明酸化物TFTアレイ基板の製造工程を簡単化し、製造時間を短縮し、生産コストを低下させた。本発明の実施例は、薄膜トランジスタのアレイ基板を有する電子デバイスをさらに提供する。
【0014】
本発明の実施例に係る薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法は、
ステップ101として、透明基板に、第1の透明導電層で形成された画素電極のパターンと、第1の金属層で形成された互いに分離しているドレイン電極、ソース電極及びデータラインのパターンとを形成する第1のパターニング工程と、
ステップ102として、第1のパターニング工程をした透明基板に、ゲート絶縁層のパターンと、透明酸化物層で形成された活性層のパターンを形成する第2のパターニング工程と、
ステップ103として、第2のパターニング工程をした透明基板に、第2の透明導電層で形成された共通電極のパターンと、第2の金属層で形成されたゲート電極及びゲートラインのパターンとを形成する第3のパターニング工程と、を備えてもよい。
【0015】
以上のように、本発明の実施例に係る薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法は、3回のみのパターニング工程によって透明酸化物TFTアレイ基板を製造することができ、透明酸化物TFTアレイ基板の製造工程を簡単化した。パターニング工程の回数が減少したため、製造時間が短縮され、製造コストが低下した。本発明の実施例で製造されるアレイ基板は、透明酸化物薄膜トランジスタを用いるため、TFTアレイ基板の特性を著しく向上させるとともに、開口率が高く、移動度が高く、視野角が広い等のメリットも有する。
【0016】
図1は本発明の実施例に係る薄膜トランジスタのアレイ基板の構造概略図である。図1に示すように、本発明の実施例に係る薄膜トランジスタのアレイ基板は、透明基板21(例えば、ガラス基板)と、透明基板21にあり、かつ第1の透明導電層で形成された画素電極22と、画素電極22にあり、且つ第1の金属層で形成された互いに分離しているソース電極、ドレイン電極及びデータライン23と、透明基板21にあり、透明酸化物で形成され、ソース電極及びドレイン電極を被覆するように形成された活性層24と、活性層24にあるゲート絶縁層25と、ゲート絶縁層25にあり、且つ第2の透明導電層で形成された共通電極26と、共通電極26にあり、且つ第2の金属層で形成されたゲート電極及びゲートライン27と、を備えてもよい。
【0017】
本発明の実施例に係る薄膜トランジスタのアレイ基板を、3回のパターニング工程によって製造することができ、透明酸化物TFTアレイ基板の製造工程が簡単化された。パターニング工程の回数が減少したため、製造時間が短縮され、製造コストが低下した。本発明の実施例に係るアレイ基板は、透明酸化物薄膜トランジスタを用い、TFTアレイ基板の特性を著しく向上させるとともに、開口率が高く、移動度が高く、視野角が広い等のメリットを有する。
【0018】
本発明の実施例は、薄膜トランジスタのアレイ基板を備える電子デバイスをさらに提供する。本発明の実施例に係る電子デバイスは、液晶パネル、電子ペーパーディスプレイ、液晶テレビ、電子リーダー等であってもよいが、本発明の実施例はそれらに限らない。
【0019】
以下、図2図8を参照しながら、本発明の実施例に係る薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法を詳細に説明する。本発明の実施例に係る薄膜トランジスタのアレイ基板の製造方法は、以下のステップを備えてもよい。即ち、
【0020】
ステップ101は、透明基板に、第1の透明導電層で形成された画素電極のパターンと、第1の金属層で形成された互いに分離しているドレイン電極、ソース電極及びデータラインのパターンとを形成する第1のパターニング工程である。
【0021】
まず、図2に示すように、マグネトロンスパッタによって、透明基板1に厚みが40〜70nmである第1の透明導電層2を堆積する。その後、再度マグネトロンスパッタによって、第1の透明導電層2に厚みが200〜400nmである第1の金属層3を堆積する。
【0022】
そして、図3に示すように、フォトレジストマスク4を形成するように、第1の金属層3上にフォトレジスト層を塗布し、ハーフトーンマスクによってフォトレジスト層を露光して現像する。図3に示す構造では、WPはフォトレジスト無し領域、HPはフォトレジスト一部保留領域、NPはフォトレジスト完全保留領域であり、フォトレジストマスク4は、フォトレジスト一部保留領域HP及びフォトレジスト完全保留領域NPのフォトレジストを備える。
【0023】
次に、図4に示すように、フォトレジストマスク4をエッチングマスクとして、第1回のエッチングを行い、ドレイン電極、ソース電極及びデータライン5を形成する。その後、フォトレジストマスク4に対してアッシング工程を行い、アッシングした後のフォトレジストマスク4は、フォトレジスト完全保留領域NPのフォトレジストのみを備える。その後、アッシングした後のフォトレジストマスク4をエッチングマスクとして、第2回のエッチングを行い、画素電極6を形成する。
【0024】
本発明の実施例では、例えば、第1の透明導電層2の厚みは40nmであってもよい。また、本発明の実施例では、第1の透明導電層2として、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムスズ(ITO)または他の透明導電材料を用いてよく、第1の金属層3として、Cr、W、Ti、Ta、Mo、Al及びCuの中の少なくとも1つを用いてもよいが、本発明の実施例はそれに限らない。
【0025】
当業者が分かるように、ステップ101の第1のパターニング工程を実現するための技術案は前述の技術案に限らない。例えば、本発明の幾つかの実施例では、ハーフトーンマスクの代わりに、他のダブルトーンマスク、例えば、グレートーンマスクによって露光して現像することができる。
【0026】
ステップ102は、第1のパターニング工程をした透明基板に、ゲート絶縁層のパターンと、透明酸化物層で形成された活性層のパターンとを形成する第2のパターニング工程である。
【0027】
まず、図5に示すように、ステップ101をした透明基板に、マグネトロンスパッタによって厚みが20〜50nmである透明酸化物層を堆積し、そして、マグネトロンスパッタによって、厚みが300〜400nmであるゲート絶縁層を堆積する。
【0028】
本発明の実施例では、例えば、ゲート絶縁層の厚みが400nmである。また、本発明の実施例では、透明酸化物層として、酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛(ZnO)またはIZOを用いてもよく、ゲート絶縁層として、酸化アルミニウム(Al)、または窒化アルミニウム(AlN)を用いてもよいが、本発明の実施例はそれらに限らない。
【0029】
又は、本発明の幾つかの実施例では、マグネトロンスパッタの代わりに、プラズマ化学気相蒸着法(PECVD)によってゲート絶縁層を堆積することができる。このとき、ゲート絶縁層として、二酸化珪素(SiO)または窒化珪素(SiNx)を用いてもよい。
【0030】
次に、フォトレジストマスクを形成するように、ゲート絶縁層上にフォトレジスト層を塗布し、ハーフトーンマスクによってフォトレジスト層を露光して現像する。そして、フォトレジストマスクをエッチングマスクとして、第1回のドライエッチング(例えば、反応性イオンエッチング(RIE))を行い、データラインの上方のゲート絶縁層を除去し、ゲート絶縁層のパターン8を形成する。その後、フォトレジストマスクに対してアッシング工程を行った後、アッシングした後のフォトレジストマスクをエッチングマスクとして、第2回のウェットエッチングを行い、データラインを露出させ、活性層のパターン7を形成し、図5に示すような構造を得る。
【0031】
当業者が分かるように、ステップ102の第2のパターニング工程を実現するための技術案は前述の技術案に限らない。例えば、本発明の幾つかの実施例では、ハーフトーンマスクの代わりに、他のダブルトーンマスク、例えば、グレートーンマスクによって、露光して現像することができる。また、ゲート絶縁層をエッチングするとき、ドライエッチングの代わりに、ウェットエッチングの技術案を用いてもよい。
【0032】
ステップ103は、第2のパターニング工程をした透明基板に、第2の透明導電層で形成された共通電極のパターンと、第2の金属層で形成されたゲート電極及びゲートラインのパターンとを形成する第3のパターニング工程である。
【0033】
まず、図6に示すように、ステップ102をした透明基板に、マグネトロンスパッタによって、厚みが40〜70nmである第2の透明導電層9と、厚みが200nm〜400nmである第2の金属層10を堆積する。
【0034】
次に、図7に示すように、フォトレジストマスク11を形成するように、第2の金属層10にフォトレジスト層を塗布し、ハーフトーンマスクによってフォトレジスト層を露光して現像する。図7に示す構造では、WPがフォトレジスト無し領域であり、HPがフォトレジスト一部保留領域であり、NPがフォトレジスト完全保留領域であり、フォトレジストマスク11は、フォトレジスト一部保留領域HP及びフォトレジスト完全保留領域NPのフォトレジストを備える。
【0035】
そして、図8に示すように、フォトレジストマスク11をエッチングマスクとして、第1回のエッチングを行い、第2の金属層10で形成されたゲート電極及びゲートライン12を形成する。そして、フォトレジストマスク11に対してアッシング工程を行い、アッシングした後のフォトレジストマスク11は、フォトレジスト完全保留領域NPのフォトレジストのみを備える。その後、アッシングしたフォトレジストマスク11をエッチングマスクとして、第2回のエッチングを行い、第2の透明導電層9で形成された共通電極13を形成する。
【0036】
本発明の実施例では、例えば、第2の透明導電層9の厚みが40nmである。また、本発明の実施例では、第2の透明導電層9は、IZOまたはITOを用いてもよく、第2の金属層10は、Cr、W、Ti、Ta、Mo、Al及びCuの中の少なくとも1つを用いてもよいが、本発明の実施例はそれらに限らない。
【0037】
当業者が分かるように、ステップ103の第3のパターニング工程を実現するための技術案は前述の技術案に限らない。例えば、本発明の幾つかの実施例では、ハーフトーンマスクの代わりに、他のダブルトーンマスク、またはグレートーンマスクによって露光して現像することができる。
【0038】
以上のように、本発明の実施例によれば、3回のみのパターニング工程によって透明酸化物TFTアレイ基板を製造することができ、透明酸化物TFTアレイ基板の製造工程が簡単化された。パターニング工程の回数が減少したため、フォトエッチング工程及び保護層の堆積工程の回数が減少し、製造時間が短縮され、製造コストが低下した。本発明の実施例のアレイ基板は透明酸化物薄膜トランジスタを用い、TFTアレイ基板の特性を著しく向上させるとともに、開口率が高く、移動度が高く、視野角が広い等のメリットも有する。
【0039】
以上の実施例は本発明の技術案を説明するものに過ぎず、技術案を限定するものではない。前述の実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者が分かるように、前述の各実施例に記載された技術案を修正し、または一部の技術的特徴を均等的に変更することができる。このような修正や変更によって技術案の趣旨が本発明の各実施例の技術案の精神と範囲から逸脱するようにならない。
【符号の説明】
【0040】
1 透明基板
2 第1の透明導電層
3 第1の金属層
4 フォトレジストマスク
5 ドレイン電極、ソース電極及びデータライン
WP フォトレジスト無し領域
HP フォトレジスト一部保留領域
NP フォトレジスト完全保留領域
6 画素電極
7 活性層
8 ゲート絶縁層
9 第2の透明導電層
10 第2の金属層
11 フォトレジストマスク
21 透明基板
22 画素電極
23 ソース電極、ドレイン電極及びデータライン
24 活性層
25 ゲート絶縁層
26 共通電極
27 ゲート電極及びゲートライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8