(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの第1の軸受支持要素(21a、22a)を含む少なくとも1つの第1の軸受層(20a)と、少なくとも1つの第2の軸受支持要素(21c、22c)を含む少なくとも1つの第2の軸受層(20b)と、を備えた軸受装置(20)であって、
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)が少なくとも1つの中間滑走要素(21b、22b)によって滑走式に相互接続され、少なくとも1つの第1の滑走表面(16a)が前記少なくとも1つの第1の軸受支持要素(21a、22a)と前記少なくとも1つの中間滑走要素(21b、22b)との間に配置され、少なくとも1つの第2の滑走表面(16b)が前記少なくとも1つの第2の軸受支持部材(21c、22c)と前記少なくとも1つの中間滑走要素(21b、22b)との間に配置され、
前記少なくとも1つの中間滑走要素(21b、22b)が、少なくとも1つの第1のたわみ節(14a)により前記少なくとも1つの第1の軸受支持要素(21a、22a)に弾力的に取り付けられ、少なくとも1つの第2のたわみ節(14b)により前記少なくとも1つの第2の軸受支持要素(21c、22c)に弾力的に取り付けられる、軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1のたわみ節(14a)及び/又は前記少なくとも1つの第2のたわみ節(14b)が、少なくとも1つのエラストマーばね及び/又は少なくとも1つの機械ばねを含むことを特徴とする、請求項1記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1のたわみ節(14a)及び/又は前記少なくとも1つの第2のたわみ節(14b)が、前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)の無負荷状態で緩和されることを特徴とする、請求項1記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節(14a、14b)が、少なくとも実質的に剪断荷重を伝えるために設計されることを特徴とする、請求項1記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)が、限られた角振幅を備えた真円又は球面軸受を規定することを特徴とする、請求項1記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)が装荷状態にある時に前記少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節(14a、14b)が復元力を発生し、前記復元力が、前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)のうちの対応する1つに関連する現行角振幅とともに増進する大きさを含むことを特徴とする、請求項5記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受支持要素(21a、22a、21c、22c)と前記少なくとも1つの中間滑走要素(21b、22b)が、シェル形ブッシュを規定することを特徴とする、請求項5記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(30a、30b)が、限られた線形変位を備えたリニア軸受を規定することを特徴とする、請求項1記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(30a、30b)が装荷状態にある時に前記少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節(14a、14b)が復元力を発生し、前記復元力が、前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(30a、30b)のうちの対応する1つに関連する現行線形変位とともに増進する大きさを含むことを特徴とする、請求項8記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1の滑走表面(16a)及び/又は前記少なくとも1つの第2の滑走表面(16b)が、ポリテトラフルオロエチレン滑走コンポーネントによって形成されることを特徴とする、請求項1記載の軸受装置(20)。
前記少なくとも1つの第1のたわみ節(14a)及び/又は前記少なくとも1つの第2のたわみ節(14b)が、少なくとも1つのエラストマーばね及び/又は少なくとも1つの機械ばねを含むことを特徴とする、請求項11記載の多羽根回転翼(1)。
前記少なくとも1つの第1のたわみ節(14a)及び/又は前記少なくとも1つの第2のたわみ節(14b)が、前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)の無負荷状態で緩和されることを特徴とする、請求項11記載の多羽根回転翼(1)。
前記少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節(14a、14b)が、少なくとも実質的に剪断荷重を伝えるために設計されることを特徴とする、請求項11記載の多羽根回転翼(1)。
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)が、限られた角振幅を備えた真円又は球面軸受を規定することを特徴とする、請求項11記載の多羽根回転翼(1)。
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)が装荷状態にある時に前記少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節(14a、14b)が復元力を発生し、前記復元力が、前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受層(20a、20b)のうちの対応する1つに関連する現行角振幅とともに増進する大きさを含むことを特徴とする、請求項15記載の多羽根回転翼(1)。
前記少なくとも1つの第1及び第2の軸受支持要素(21a、22a、21c、22c)と前記少なくとも1つの中間滑走要素(21b、22b)が、シェル形ブッシュを規定することを特徴とする、請求項15記載の多羽根回転翼(1)。
前記回転翼ハブ(5)が前記少なくとも1つの第1の軸受支持要素を形成し、前記多数の回転翼羽根(2)のうちの前記少なくとも1つが、前記少なくとも1つの第2の軸受支持要素を形成する継手スリーブ(7)を含むことを特徴とする、請求項11記載の多羽根回転翼(1)。
前記少なくとも1つの第1の滑走表面(16a)及び/又は前記少なくとも1つの第2の滑走表面(16b)が、ポリテトラフルオロエチレン滑走コンポーネントによって形成されることを特徴とする、請求項11記載の多羽根回転翼(1)。
【背景技術】
【0002】
一般に、少なくとも1つの第1の軸受層と少なくとも1つの第2の軸受層とを備えた軸受装置は、それぞれの許容運動に関して大まかに分類することができる。従って、4つの大まかな軸受装置カテゴリ、即ち、蝶番運動を可能にするように構成される蝶番運動軸受装置、球面回転を可能にするように構成される球面軸受装置、軸回転を可能にするように構成されるラジアル軸受装置、及び直線運動を可能にするように構成される並進軸受装置を定義することができる。
【0003】
蝶番運動軸受装置は当業者によって周知のものであり、例えば、ドア、窓などに使用されている。しかし、このような蝶番運動軸受装置は本出願とは無関係のものであり、従って、簡潔及び簡明にするため、その詳細な説明は省略することができる。
【0004】
球面軸受装置も当業者によって周知のものであり、例えば、中国実用新案第202833642U号、米国特許出願第2011/0206303A1号、国際特許出願第2011/008704A1号、イタリア特許出願第RM2009/0222A1号、国際特許出願第2010/037476A2号、国際特許出願第2009/108644A1号、米国特許出願第2009/0212558A1号、日本特許出願公開第2007−069820A号、欧州特許出願第1605173A1号、中国実用新案第2677102U号、米国特許出願第2004/0184869A1号、欧州特許出願第1199483A1号、米国特許第5601408A号、ドイツ特許出願第4138609A1号、ハンガリー第9104038D0号、フランス特許出願第2642121A1号、ドイツ特許第3132711C1号、ノルウェー特許出願第8102321A号、米国特許第4121861A号、及びドイツ特許出願第2520947A1号という文献に記載されている。従って、簡潔及び簡明にするため、このような球面軸受装置についてはより詳細な説明は以後省略する。
【0005】
また、ラジアル軸受装置も当業者によって周知のものであり、例えば、中国特許出願第102852975A号、ドイツ特許出願第102011077816A1号、ドイツ特許出願第102011077814A1号、中国実用新案第202468702U号、欧州特許出願第2503164A1号、ドイツ特許出願第102011001902A1号、ロシア特許出願第2010/127030A号、ドイツ特許出願第102010012474A1号、国際特許出願第2011/062257A1号、ドイツ特許出願第102009022206B3号、中国実用新案第201606408U号、ドイツ特許出願第102008049813A1号、中国実用新案第201412443U号、ドイツ特許出願第102007062290A1号、カナダ特許出願第2636221A1号、中国実用新案第200989377U号、フランス特許出願第2910090A1号、ドイツ特許出願第102006051643A1号、国際特許出願第2008/047046A1号、ドイツ特許出願第102006004297A1号、ロシア特許出願第2005/119120A号、ドイツ特許出願第102005027503A1号、国際特許出願第2006/045389A1号、ドイツ特許出願第102004014775A1号、ドイツ実用新案第20316009U1号、イタリア特許出願第MI2004/0569A1号、中国実用新案第2573752U号、国際特許出願第2004/002762A1号、スウェーデン特許出願第2002/00617D0号、ロシア特許第2224146C2号、ドイツ特許第10039573C1号、日本特許出願公開第2000−027857号、ドイツ特許出願第4112253A1号、フランス特許出願第2663090A1号、日本特許平成第028512号、米国特許第4664539A号、イタリア特許第8220932D0号、ドイツ特許出願第2639893A1号、ドイツ特許出願第2726914A1号、米国特許第3950964A号、イタリア特許第964486B号、ドイツ特許出願第2155048A1号、米国特許第2958563A号、ドイツ特許第870047C号、ドイツ特許第729032C号、及び東独特許第49729A号という文献に記載されている。従って、簡潔及び簡明にするため、このような軸受装置についてもより詳細な説明は以後省略する。
【0006】
模範的な並進軸受装置は中国実用新案第101908668U号という文献に記載されている。この並進軸受装置は、複数の軸受層を備えた多層軸受の形で実施され、外側軸受リング、内側軸受リング、外側軸受リングと内側軸受リングとの間の環状空間内に均等に配置された複数の多層摺動モジュール、並びに多層摺動モジュールの両端又は適切な中間位置に配置された複数の拘束メカニズムを含む。拘束メカニズムは、多層摺動モジュールを拘束するために使用され、拘束メカニズム内に配置される。より具体的には、拘束メカニズムは、多層摺動モジュールを規定する関連の摺動レールを保持するために多層軸受の各端に使用されるリセットスプリング又はダイヤフラムによって実現される。この配置を使用すると、リセットスプリング又はダイヤフラムによって引き起こされるモーメントが内側軸受リングに向かって減少するので、内側軸受リングの摺動レールは外側軸受リングの摺動レールより大きい距離を移動することができる。
【0007】
上記の軸受装置のいずれでも、関連の軸受手段(bearing means)により対応する軸受支持要素(bearing support element)間の相対運動を可能にするように構成される関連の軸受層が設けられている。このような運動は関連の軸受層又は軸受層コンポーネント間の相対速度によって特徴付けられ、この相対速度は基礎をなす軸受装置の耐久性を少なくともある程度決定するものである。更に、軸受手段と軸受支持要素との間の相対速度には適用例固有の最大値が存在し、これは、例えば、適用可能な軸受手段の選択並びに比較的高荷重の軸受装置におけるそれらの寸法を制限する。
【0008】
より具体的には、単一の軸受層又は並列に配置された複数の軸受層を備えた軸受装置では、通常、軸受リングとして実現される対応軸受支持要素は、関連の軸受手段によって互いに相対的に移動可能である。しかし、このような軸受層によって実現可能な相対速度は、所与の角回転速度及び振幅について、軸受リングの直径に依存し、従って、軸受装置の最大回転速度はその軸受リングの最大直径によって制限される。これは、軽量設計において頻繁に要求される大きいシャフト径を制限するものである。
【0009】
特に、いわゆる保守の手間がかからないか又は保守不要の軸受装置では、基礎をなす耐久性は、軸受リング間の表面圧と相対速度の積(P×V)に比例している。従って、この積(P×V)の値は軸受リングのそれぞれ与えられた直径から独立しているので、このような軸受装置の基礎をなす幅を変更することによって、耐用年数の持続時間を変更することができる。しかし、軸受装置の幅は任意のサイズにすることができない。従って、比較的高い荷重と高い角振動数と振幅では、保守の手間がかからないか又は保守不要の軸受装置の適用は不可能である。
【0010】
更に、同心円状に配置された複数の軸受装置は、その軸受装置の関連の抵抗、例えば、摩擦が、通常、それぞれの実現例において必ず変化し、その結果、実現可能な相対速度にほとんど依存しないので、通常、冗長性を提供するために使用されない。従って、最低抵抗を有する関連の軸受支持要素は最高相対速度で移動し、その他のすべての軸受支持要素はかなり低い相対速度で移動するか又は静止したままになる。しかし、このような相対速度は規定されない。
【0011】
その上、エラストマー軸受装置は、通常、同心円状に配置された複数のエラストマー層を含み、そのエラストマー層は、剛性中間層、例えば、スチールによって分離されている。これらの中間層はエラストマー層を支持し、そうでなければ、エラストマー層は、基礎をなす相対的に高い横収縮が比較的高い荷重で発生することにより横方向に圧搾されることになり、従って、軸受装置が故障することになる。エラストマー層の数は、回転角振動数ではなく、所与の荷重及びエラストマー層の全厚に基づくものである。しかし、エラストマー軸受は、一般に、保管時間が限られ、相対的に高い質量と高い品質分散及び耐久性を有する。更に、最大回転角はエラストマー層の全厚とそれぞれに適用されたエラストマーの所与の降伏点に依存する。適用されたエラストマーは同時に圧縮応力と剪断応力にかけられるので、所与のタイプの荷重についてのみ最適化することができないが、少なくとも両方のタイプの荷重について受け入れられる妥協点を表す必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の一目的は、少なくとも1つの第1の軸受層と少なくとも1つの第2の軸受層とを備え、耐久性、安定性、及び頑強性が増進した軸受装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、少なくとも1つの第1の軸受層と少なくとも1つの第2の軸受層とを備え、請求項1の特徴を備えた軸受装置によって解決される。
【0014】
より具体的には、本発明による軸受装置は、少なくとも1つの第1の軸受支持要素を含む少なくとも1つの第1の軸受層と、少なくとも1つの第2の軸受支持要素を含む少なくとも1つの第2の軸受層と、を含む。少なくとも1つの第1及び第2の軸受層は少なくとも1つの中間滑走要素(intermediate gliding element)によって滑走式に相互接続され、少なくとも1つの第1の滑走表面(gliding surface)は少なくとも1つの第1の軸受支持要素と少なくとも1つの中間滑走要素との間に配置され、少なくとも1つの第2の滑走表面は少なくとも1つの第2の軸受支持部材(bearing support member)と少なくとも1つの中間滑走要素との間に配置される。少なくとも1つの中間滑走要素は、少なくとも1つの第1のたわみ節(flexible connector)により少なくとも1つの第1の軸受支持要素に弾力的に取り付けられ、少なくとも1つの第2のたわみ節により少なくとも1つの第2の軸受支持要素に弾力的に取り付けられる。
【0015】
少なくとも1つの中間滑走要素を使用して少なくとも1つの第1の軸受支持要素と少なくとも1つの第2の軸受支持要素を滑走式に相互接続することにより、少なくとも2つの軸受層を直列に配置することができる。より具体的には、単一の中間滑走要素を使用して単一の第1の軸受支持要素と単一の第2の軸受支持要素を滑走式に相互接続することにより、第1及び第2の軸受層が直列に配置される。しかし、N個の中間滑走要素を使用して単一の第1の軸受支持要素と単一の第2の軸受支持要素を滑走式に相互接続することにより、N+1個の軸受層を直列に配置することができる。更に、N個の中間滑走要素を使用してM個の第1及び第2の軸受支持要素が滑走式に相互接続される場合、並列に配置され、それぞれがN+1個の直列軸受層(serial bearing layer)を有するM個の軸受段(bearing stage)を提供することができる。
【0016】
好ましくは、多数の軸受層が直列に配置される。真円又は球面軸受装置の場合、これは、それぞれの軸受層の同心配置によって達成することができ、並進軸受装置では、これは、層状配置によって達成することができる。これらの直列軸受層間で発生する全体的な相対速度は、それぞれ直列に配置された対応する軸受支持要素、中間滑走要素、滑走表面、及びたわみ節に分配され、それにより、全体的な相対速度の分配はそれぞれの軸受層に設けられたたわみ節によって実行され、従って、すべての直列軸受層について一定の速度分配を達成することができる。
【0017】
有利なことに、互いに直列に搭載された個々の軸受層の全相対速度は増加し、単一の軸受層の対応する最大相対速度を超えることすら可能である。これにより、本発明の軸受装置の内側部品、即ち、中間滑走要素、滑走表面、及びたわみ節のシャフト又は継手の直径をより大きくすることが可能になる。更に、軸受装置コンポーネントの角振動数又はシフト速度をより高くすることも可能になる。
【0018】
好ましくは、本発明の軸受装置は、たわみ節を実施する機械ばね又はエラストマーばね(elastomeric spring)を含む。エラストマーばねを使用する場合、このばねは圧力荷重の代わりに互いに対する軸受層の移動によって発生する剪断荷重を少なくとも実質的に伝えるように優先的に実施されるので、従来から使用されているばねより小さく設計することができる。このような圧力荷重は有利なことに滑走表面に分配される。
【0019】
更に、従来の軸受装置と比較して、本発明の軸受装置の個々の直列軸受層の相対速度は、同じ荷重、回転数、角振幅、及び同様の寸法の時に単一ストックのものより小さくなる。しかし、比較的多数の軸受装置の耐久性は軸受層間又は軸受層コンポーネント間の相対速度の関数であるので、全体としての軸受装置の耐久性はこの相対速度の低減によって増進することができる。
【0020】
その上、直列軸受層のうちの1つが動作中に閉塞した場合、例えば、停止した場合、本発明の軸受装置の残りの直列軸受層は、有利なことに、依然として移動を可能にする。互いに直列に搭載された個々の軸受層の全相対速度の増進並びにそれぞれの個々の軸受層の最大可能角振幅の低減とともに、これは、本発明の軸受装置の安全性を大幅に増進する。
【0021】
剪断ひずみを許容範囲内に保持するために、より大きい角振幅によってエラストマーばねの厚さ全体が非常に大きくなるので、機械ばねを使用すると、より小型かつ軽量の設計を可能にすることができる。更に、それぞれの直列軸受層の残りのコンポーネントは、機械ばねとは無関係のサイズにすることができ、エラストマー材料と比較して比較的大きい耐久性及び保管時間を備えた材料の使用が可能である。その上、エラストマー材料が機械ばねの材料として選択された場合でも、この弾性ばねは主要な軸受荷重によって荷重を加えられず、機械ばねとしてのみ見なされなければならず、圧縮強さは従属的役割を果たす。
【0022】
好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1のたわみ節及び/又は少なくとも1つの第2のたわみ節は、少なくとも1つのエラストマーばね及び/又は少なくとも1つの機械ばねを含む。
【0023】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1のたわみ節及び/又は少なくとも1つの第2のたわみ節は、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層の無負荷状態で緩和される。
【0024】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節は、少なくとも実質的に、剪断荷重を伝えるために設計される。
【0025】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層は、限られた角振幅を備えた真円又は球面軸受を規定する。
【0026】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層が装荷状態にある時に少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節が復元力を発生し、復元力は、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層のうちの対応する1つに関連する現行角振幅とともに増進する大きさを含む。
【0027】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2の軸受支持要素と少なくとも1つの中間滑走要素はシェル形ブッシュを規定する。
【0028】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層は、限られた線形変位を備えたリニア軸受を規定する。
【0029】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層が装荷状態にある時に少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節が復元力を発生し、復元力は、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層のうちの対応する1つに関連する現行線形変位とともに増進する大きさを含む。
【0030】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1の滑走表面及び/又は少なくとも1つの第2の滑走表面は、ポリテトラフルオロエチレン滑走コンポーネントによって形成される。
【0031】
本発明は、多数の回転翼羽根(rotor blade)と、関連の回転翼ハブ(rotor hub)を備えた回転翼取り付け部(rotor head)と、を含む多羽根回転翼(multi-blade rotor)を更に提供し、多数の回転翼羽根のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの第1の軸受支持要素を含む少なくとも1つの第1の軸受層と、少なくとも1つの第2の軸受支持要素を含む少なくとも1つの第2の軸受層と、を備えた軸受装置により回転翼ハブと接続される。少なくとも1つの第1及び第2の軸受層は少なくとも1つの中間滑走要素によって滑走式に相互接続され、少なくとも1つの第1の滑走表面は少なくとも1つの第1の軸受支持要素と少なくとも1つの中間滑走要素との間に配置され、少なくとも1つの第2の滑走表面は少なくとも1つの第2の軸受支持部材と少なくとも1つの中間滑走要素との間に配置される。少なくとも1つの中間滑走要素は、少なくとも1つの第1のたわみ節により少なくとも1つの第1の軸受支持要素に弾力的に取り付けられ、少なくとも1つの第2のたわみ節により少なくとも1つの第2の軸受支持要素に弾力的に取り付けられる。
【0032】
従って、本発明により、多羽根回転翼の1つ以上の回転翼羽根を関連の回転翼ハブに接続するために、多羽根回転翼を備えた本発明の軸受装置の有利な適用例が可能になる。
【0033】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1のたわみ節及び/又は少なくとも1つの第2のたわみ節は、少なくとも1つのエラストマーばね及び/又は少なくとも1つの機械ばねを含む。
【0034】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1のたわみ節及び/又は少なくとも1つの第2のたわみ節は、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層の無負荷状態で緩和される。
【0035】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節は、少なくとも実質的に、剪断荷重を伝えるために設計される。
【0036】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層は、限られた角振幅を備えた真円又は球面軸受を規定する。
【0037】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層が装荷状態にある時に少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節が復元力を発生し、復元力は、少なくとも1つの第1及び第2の軸受層のうちの対応する1つに関連する現行角振幅とともに増進する大きさを含む。
【0038】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1及び第2の軸受支持要素と少なくとも1つの中間滑走要素はシェル形ブッシュを規定する。
【0039】
他の好ましい一実施形態によれば、多数の回転翼羽根のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの第1の軸受支持要素を形成する継手スリーブを含み、回転翼ハブは少なくとも1つの第2の軸受支持要素を形成する。
【0040】
他の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの第1の滑走表面及び/又は少なくとも1つの第2の滑走表面は、ポリテトラフルオロエチレン滑走コンポーネントによって形成される。
【0041】
添付図面に関連して以下の説明において例として本発明の好ましい諸実施形態について概説する。これらの添付図面では、同一の又は同一機能のコンポーネント及び要素は同一参照番号及び文字で示され、その結果、以下の説明では1回しか説明しない。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、回転翼航空機の多羽根回転翼1、特にヘリコプタのメインロータ用の多羽根回転翼を示しており、これはSTARFLEXロータと同様の全関節式回転翼として例証的に実施されている。多羽根回転翼1は、好ましくは、多数の回転翼羽根2と、関連の回転翼ハブ5を備えた回転翼取り付け部3と、を含み、このハブは優先的に関連の回転翼支柱4と一体化している。しかし、図面を単純かつ明瞭にするため、多数の回転翼羽根2については
図1並びに残りの図のいずれでもより詳細に示されていないことに留意されたい。
【0044】
多数の回転翼羽根2のうちの少なくとも1つは、第1の実施形態による軸受装置6により回転翼ハブ5に接続され、この軸受装置は、好ましくは、限られた角振幅を備えた球面軸受装置として実施されている。好ましくは、多数の回転翼羽根2のうちの少なくとも1つは、球面軸受装置6により回転翼ハブ5に接続される継手スリーブ7を含む。
【0045】
図2は、多数の回転翼羽根2のうちの少なくとも1つの継手スリーブ7と回転翼ハブ5との間の領域における球面軸受装置6の位置決めを更に例示するために、
図1の多数の回転翼羽根2のうちの少なくとも1つと回転翼ハブ5を備えた回転翼支柱4の切り抜き図を示している。球面軸受装置6は、好ましくは、回転翼ハブ5に対して多数の回転翼羽根2にうちの少なくとも1つのフラップ、ピッチ、及びドラグ・ヒンジのための球面運動を可能にするように実施される。
【0046】
図3は、
図1及び
図2の球面軸受装置6を示しており、この軸受装置は第1の実施形態により実施され、回転翼ハブ5を
図1及び
図2の継手スリーブ7に接続する。より具体的には、この第1の実施形態により、球面軸受装置6は、少なくとも1つの第1の軸受支持要素を備えた少なくとも1つの第1の軸受層と、少なくとも1つの第2の軸受支持要素を備えた少なくとも1つの第2の軸受層と、を含む。例として、球面軸受装置6は、回転翼ハブ5によって実施される単一の第1の軸受支持要素を備えた単一の第1の軸受層6aと、継手スリーブ7によって実施される単一の第2の軸受支持要素を備えた単一の第2の軸受層6gと、を含む。
【0047】
2つ以上の第1の軸受層と2つ以上の第2の軸受層を設けると、これらの軸受層を並列に配置することが可能になることに留意されたい。従って、並列軸受装置を提供することができる。
【0048】
継手スリーブ7と回転翼ハブ5は、球面軸受装置6の領域において、シェル形又は球面形状を例証的に含み、好ましくは、少なくとも1つの中間滑走要素によって滑走式に相互接続される。好ましくは、継手スリーブ7と回転翼ハブ5は、多数の中間滑走要素によって滑走式に相互接続され、以下により詳細に記載されているように、多数の直列配置の軸受層が継手スリーブ7と回転翼ハブ5との間に設けられるようになっている。例として、6つの中間滑走要素12a、12b、12c、12d、12e、12fが設けられ、これらは例証的に実施され、以下、シェル形又は球面ブッシュと呼ばれる。
【0049】
継手スリーブ7と球面ブッシュ12aとの間には、少なくとも1つの第1の滑走表面が配置される。例証的に、2つの第1の滑走表面9a、10aが継手スリーブ7と球面ブッシュ12aとの間に配置される。この2つの第1の滑走表面9a、10aは、好ましくは、継手スリーブ7に接着又は結合され、第1の内側開口部を有する一体型の球面滑走コンポーネントを規定する。しかし、この2つの第1の滑走表面9a、10aは2つの別個のコンポーネントとして実施することもでき、3つ以上のこのようなコンポーネントを設けることさえ可能である。
【0050】
同様に、回転翼ハブ5と球面ブッシュ12fとの間には、少なくとも1つの第2の滑走表面が配置される。例証的に、2つの第2の滑走表面9g、10gが回転翼ハブ5と球面ブッシュ12fとの間に配置される。この2つの第2の滑走表面9g、10gは、好ましくは、球面ブッシュ12fに接着又は結合され、第2の内側開口部を有する一体型の球面滑走コンポーネントを規定する。しかし、この2つの第2の滑走表面9g、10gは2つの別個のコンポーネントとして実施することもでき、3つ以上のこのようなコンポーネントを設けることさえ可能である。
【0051】
例証的に、対応する中間滑走表面は、例示されているように、それぞれ2つの隣接球面ブッシュの間にそれぞれ配置され、それらのうちの1つに接着又は結合される。換言すれば、中間滑走表面9b、10bは球面ブッシュ12a、12bの間に配置され、中間滑走表面9c、10cは球面ブッシュ12b、12cの間に配置され、中間滑走表面9d、10dは球面ブッシュ12c、12dの間に配置され、中間滑走表面9e、10eは球面ブッシュ12d、12eの間に配置され、中間滑走表面9f、10fは球面ブッシュ12e、12fの間に配置される。このようなそれぞれ2つの第2の滑走表面9b、10b、9c、10c、9d、10d、9e、10e、及び9f、10fは、それぞれ優先的に、関連の内側開口部を備えた一体型の球面滑走コンポーネントを規定するが、しかし、2つ以上の別個のコンポーネントとして実施することもできる。滑走表面9a、10a、9b、10b、9c、10c、9d、10d、9e、10e、9f、10f、9g、10gの内側開口部は、好ましくは、関連のたわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gを受け入れるように構成される。
【0052】
一態様によれば、滑走表面9a、10a、9b、10b、9c、10c、9d、10d、9e、10e、9f、10f、9g、10gのそれぞれ1つは、球面又は少なくとも湾曲形状を有し、回転翼ハブ5又は継手スリーブ7のいずれかに強固に取り付けられるか、或いは球面ブッシュ12a、12b、12c、12d、12e、12fの関連の球面ブッシュに強固に取り付けられる。例証的に、滑走表面9a、10aは回転翼ハブ5に強固に取り付けられ、滑走表面9b、10b、9c、10c、9d、10d、9e、10e、9f、10f、9g、10gはそれぞれ球面ブッシュ12a、12b、12c、12d、12e、12fに強固に取り付けられる。
【0053】
滑走表面9a、10a、9b、10b、9c、10c、9d、10d、9e、10e、9f、10f、9g、10gは、球面ブッシュ12a、12b、12c、12d、12e、12fを使用して回転翼ハブ5と継手スリーブ7との間に実施される軸受層の数を規定する。従って、7つの直列配置の軸受層6a、6b、6c、6d、6e、6f、6gが継手スリーブ7と回転翼ハブ5との間に実施される。
【0054】
好ましくは、球面ブッシュ12aは、少なくとも1つの第1のたわみ節、例証的にたわみ節11aにより回転翼ハブ5に弾力的に取り付けられ、球面ブッシュ12fは、少なくとも1つの第2のたわみ節、例証的にたわみ節11gにより継手スリーブ7に弾力的に取り付けられる。更に、それぞれ2つの隣接球面ブッシュは、それぞれ、たわみ節11b、11c、11d、11e、11fのうちの関連の1つにより互いに弾力的に取り付けられる。従って、球面ブッシュ12a、12bはたわみ節11bによって互いに弾力的に取り付けられ、球面ブッシュ12b、12cはたわみ節11cによって互いに弾力的に取り付けられ、球面ブッシュ12c、12dはたわみ節11dによって互いに弾力的に取り付けられ、球面ブッシュ12d、12eはたわみ節11eによって互いに弾力的に取り付けられ、球面ブッシュ12e、12fはたわみ節11fによって互いに弾力的に取り付けられる。
【0055】
一態様によれば、たわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gは、回転翼ハブ5、継手スリーブ7、及び球面ブッシュ12a、12b、12c、12d、12e、12fを相互接続し、滑走表面9a、10a、9b、10b、9c、10c、9d、10d、9e、10e、9f、10f、9g、10gは、
図4に関連して以下により詳細に説明するように、それらが強固に取り付けられていない関連のコンポーネントから間隔を開けて配置され、それにより関連のギャップを規定するようになっている。例えば、滑走表面9a、10aは球面ブッシュ12aから間隔を開けて配置され、滑走表面9b、10bは球面ブッシュ12bから間隔を開けて配置され、以下同様である。
【0056】
たわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gは、好ましくは、少なくとも1つのエラストマーばねを含む。これらは、第1及び第2の軸受層6a、6gが装荷状態にある時に動作中に復元力を生成するように優先的に構成され、前記復元力は、第1及び第2の軸受層6a、6gのうちの対応する1つに関連する現行角振幅とともに増進する大きさを含む。
【0057】
本発明の一態様によれば、たわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gのそれぞれ1つは、エラストマー材料を使用して実施される。更に、たわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gは、好ましくは、回転翼ハブ5、継手スリーブ7、又は球面ブッシュ12a、12b、12c、12d、12e、12fにそれぞれ接着又は結合され、少なくとも実質的に、動作中に発生する剪断荷重を伝えるために設計される。
【0058】
たわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gは一般に、変位荷重を可能にするために構成する必要があり、従って、相対運動によって発生した所与の限られた角変位は故障なしにそれぞれの軸受層6a、6b、6c、6d、6e、6f、6gで発生することに留意されたい。しかし、このような変位荷重は、エラストマーばねの場合、上述の剪断荷重である。
【0059】
軸受層6a、6b、6c、6d、6e、6f、6gのそれぞれ1つは、例証的に、関連の内側及び外側ピボット中心と関連の内側及び外側軸受半径を有する個々の球面軸受を規定する。内側及び外側軸受半径は参照符号8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8hによって参照され、8aは軸受層6aの内側軸受半径を規定し、8bは軸受層6aの外側軸受半径を規定し、以下同様である。ピボット中心は、一般に、参照符号13によって参照され、図面を単純かつ明瞭にするため、軸受層6aの内側ピボット中心及び軸受層6gの外側ピボット中心のみは参照符号13a、13hによって個別に参照される。これらのピボット中心13は、好ましくは、荷重がかかった状態でたわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gのプレテンションを可能にするために、特にエラストマーばねの場合に、動作中のこれらのエラストマーばねの故障又は破壊を回避するために、オフセットになっている。
【0060】
一態様によれば、軸受層6a、6b、6c、6d、6e、6f、6gは、いわゆる自己給油軸受として実施され、相対速度及び表面速度は基礎をなす最大能力及び耐久性に特に大きい影響を及ぼす。従って、滑走表面9a、10a、9b、10b、9c、10c、9d、10d、9e、10e、9f、10f、9g、10gのうちの少なくとも1つ、好ましくは、それぞれ1つは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)滑走コンポーネントによって形成される。
【0061】
多羽根回転翼1と、従って、球面軸受装置6の動作中に、たわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gは、好ましくは、それぞれの軸受層6a、6b、6c、6d、6e、6f、6gの無負荷状態で緩和され、軸受層6a、6b、6c、6d、6e、6f、6gが装荷状態である時に復元力を発生する。この復元力は、好ましくは、軸受層6a、6b、6c、6d、6e、6f、6gのうちの対応する1つに関連する現行角振幅とともに増加する大きさを含む。
【0062】
継手スリーブ7と、従って、
図1及び
図2の多数の回転翼羽根2のうちの少なくとも1つが所与の角振幅で回転翼ハブ5に対して変位する場合、滑走表面9a、10a、9b、10b、9c、10c、9d、10d、9e、10e、9f、10f、9g、10gがそれらが強固に取り付けられていないコンポーネントに接触するまで、たわみ節11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gは圧縮される。例えば、滑走表面9a、10aは球面ブッシュ12aに接触し、滑走表面9b、10bは球面ブッシュ12bに接触し、以下同様である。この構成では、すべてのピボット中心13は単一のピボット中心に合体する。
【0063】
図4は、
図1及び
図2の回転翼ハブ5を継手スリーブ7に接続し、第2の実施形態により実施される、
図1及び
図2の球面軸受装置6を示している。より具体的には、この第2の実施形態によれば、球面軸受装置6は、直列に配置された2つの球面ブッシュ12a、12bを備えた3つの軸受層6a、6b、6cのみを含む。
【0064】
第1の実施形態とは対照的に、球面ブッシュ12a、12bのそれぞれ1つは、この場合、少なくとも断面図では、2つの肩33a、33b、33c、33dを含む。より具体的には、球面ブッシュ12aは、この場合、2つの肩33a、33bを含み、これらは、好ましくは、球面ブッシュ12aの所与の半径を第1の値から第2の値に低減する単一の環状肩を規定する。球面ブッシュ12bは、この場合、2つの肩33c、33dを含み、これらは、好ましくは、球面ブッシュ12bの所与の半径を第3の値から、好ましくは少なくともおおよそ第1の値に対応する第4の値に低減する単一の環状肩を規定する。更に、回転翼ハブ5は、この場合、好ましくは、特定の軸受支持要素5aを含み、この支持要素は断面図では少なくともおおよそ鳩の尾の形をしている。
【0065】
その上、第2の実施形態によれば、軸受層6a、6b、6cは、この場合、滑走表面9a、9b、9cのみを含み、これらはそれぞれ回転翼ハブ5及び球面ブッシュ12a、12bに強固に取り付けられている。より具体的には、滑走表面9aは、好ましくは、特定の軸受支持要素5aの領域で、例えば、圧入、接着、又は結合により、回転翼ハブ5に強固に取り付けられ、滑走表面9bは、好ましくは、第1の値を備えた所与の半径を有する領域で、例えば、圧入、接着、又は結合により、球面ブッシュ12aに強固に取り付けられ、滑走表面9cは、好ましくは、第3の値を備えた所与の半径を有する領域で、例えば、圧入、接着、又は結合により、球面ブッシュ12bに強固に取り付けられる。
【0066】
一態様によれば、球面ブッシュ12bは、少なくとも2つのたわみ節36a、36fにより、継手スリーブ7に弾力的に取り付けられる。これらのたわみ節36a、36fは、例証的に、第4の値を備えた所与の半径を有する球面ブッシュ12bの領域に配置され、滑走表面9cと継手スリーブ7との間にギャップ32cが規定されるようになっている。しかし、3つ以上のたわみ節を適用できることと、代わってたわみ節36a、36fが1つの環状コネクタも実施できることに留意されたい。
【0067】
好ましくは、球面ブッシュ12bは、少なくとも2つのたわみ節36b、36eにより、球面ブッシュ12aにも弾力的に取り付けられる。これらのたわみ節36b、36eは、例証的に、第4の値を備えた所与の半径を有する球面ブッシュ12bの領域と、第2の値を備えた所与の半径を有する球面ブッシュ12aの領域に配置され、滑走表面9bと球面ブッシュ12bとの間にギャップ32bが規定されるようになっている。しかし、3つ以上のたわみ節を適用できることと、代わってたわみ節36b、36eが1つの環状コネクタも実施できることに留意されたい。
【0068】
更に、球面ブッシュ12aは、少なくとも2つのたわみ節36c、36dにより、回転翼ハブ5にも弾力的に取り付けられる。これらのたわみ節36c、36dは、例証的に、第2の値を備えた所与の半径を有する球面ブッシュ12aの領域に配置され、滑走表面9aと球面ブッシュ12aとの間にギャップ32aが規定されるようになっている。しかし、この場合も3つ以上のたわみ節を適用できることと、代わってたわみ節36c、36dが1つの環状コネクタも実施できることに留意されたい。
【0069】
たわみ節36a、36b、36c、36d、36e、36fは、好ましくは、少なくとも1つのエラストマーばねを含む。本発明の一態様によれば、たわみ節36a、36b、36c、36d、36e、36fのそれぞれ1つは、エラストマー材料を使用して実施される。更に、たわみ節36a、36b、36c、36d、36e、36fは、好ましくは、それぞれ回転翼ハブ5、継手スリーブ7、又は球面ブッシュ12a、12bに接着又は結合され、少なくとも実質的に動作中に発生する剪断荷重を伝えるために設計される。
【0070】
第2の実施形態による球面軸受装置6の機能は第1の実施形態による球面軸受装置の機能に対応し、従って、簡潔及び簡明にするため、その詳細な説明は省略することができる。
【0071】
図5は、本発明による直列配置の軸受装置の機能を代表的に説明するために、第3の実施形態による軸受装置15を示している。軸受装置15は、例証的に、並進軸受装置として実施され、より具体的には、限られた線形変位のために構成される平面軸受装置として実施され、好ましくは、関連の平面軸受層34a、34b、34c、34dによって相互接続される多数の平面軸受支持要素15a、15b、15c、15d、15eを含み、平面軸受支持要素15b、15c、15dは例証的に中間滑走要素を規定する。
【0072】
平面軸受層34a、34b、34c、34dのそれぞれ1つは、限られた線形変位を備えたリニア軸受を規定し、好ましくは、それぞれ少なくとも1つの滑走表面35a、35b、35c、35dと、それぞれ少なくとも1つのたわみ節17a、17b、17c、17dを含む。滑走表面35a、35b、35c、35dは、例証的に、プレート形の平面滑走表面として実施され、たわみ節17a、17b、17c、17dは、
図1〜
図4とは対照的に、機械ばねとして実施される。
【0073】
図5のセクション(A)では、平面軸受装置15は無負荷状態で示され、機械ばね17a、17b、17c、17dは緩和され、平面軸受支持要素15a、15b、15c、15d、15eはそれに応じてそれぞれの中立位置に位置決めされている。
図5のセクション(B)では、平面軸受装置15は装荷状態で示され、機械ばね17a、17b、17c、17dは緊張している。
【0074】
装荷状態では、平面軸受支持要素15eは、例証的に、L
Totalとも呼ばれる全線形変位19で平面軸受支持要素15aに対して変位方向18aに直線的に変位する。この全線形変位L
Totalは、それぞれの中立位置から隣接平面軸受支持要素15a、15b、15c、15dに対する個々の平面軸受支持要素15b、15c、15d、15eの対応する変位距離L
1、L
2、・・・、L
nを規定するすべての変位セクション19a、19b、19cの合計として規定され、n+1は設けられる平面軸受支持要素15a、15b、15c、15dの数を規定し、nは実施される平面軸受層34a、34b、34c、34dの数を規定する。
【0075】
例示されている例では、設けられる平面軸受支持要素15a、15b、15c、15dの数はn+1=5であり、設けられる平面軸受層34a、34b、34c、34dの数はn=4である。更に、変位セクション19aは平面軸受支持要素15bと平面軸受支持要素15aとの間の変位距離L
1を表し、変位セクション19bは平面軸受支持要素15cと平面軸受支持要素15bとの間の変位距離L
2を表し、以下同様である。
【0076】
全線形変位L
Total次第で、すべての機械ばね17a、17b、17c、17dの全弾性力Fを決定することができる。この全弾性力Fは、全線形変位L
Totalの時に以下のようになる。
F=C
Total×L
Total
【0077】
この全弾性力Fは、すべての機械ばね17a、17b、17c、17dの全剛性C
Totalに比例し、それぞれの個々の機械ばね17a、17b、17c、17dは剛性C
kを有し、k=1・・・nであり、従って、C
Totalは以下のようになる。
C
Total=1/(1/C
1+1/C
2+・・・+1/C
n)
【0078】
ここで、すべての適用された機械ばね17a、17b、17c、17dが少なくとも実質的に同一に実施されていると想定すると、直列に配置されたすべての機械ばね17a、17b、17c、17dの弾性力は同一である。従って、所与の平面軸受層kにおける対応する変位距離は以下のようになる。
L
k=F/C
k=L
Total×(C
Total/C
k)
【0079】
換言すれば、平面軸受層34a、34b、34c、34dのそれぞれ1つでは、動作中に設定されるそれぞれの変位距離L
1、L
2、・・・、L
nは、個別にそれぞれの機械ばね17a、17b、17c、17dの剛性C
kに対する直列に接続されたすべての機械ばね17a、17b、17c、17dの全剛性C
Totalの割合に比例する。
【0080】
次に、平面軸受装置15の全相対速度v
Totalは、変位距離L
1、L
2、・・・、L
nに比例して、平面軸受層34a、34b、34c、34dのそれぞれに分かれ、従って、所与の軸受層kの相対速度v
kは以下のようになる。
v
k=v
Total×(L
k/L
Total)=v
Total×(C
Total/C
k)
【0081】
平面軸受装置15の動作中に発生する最大弾性力は、好ましくは、設けられる平面軸受層34a、34b、34c、34dの摩擦抵抗間の差より数倍大きく、従って、それぞれの機械ばね17a、17b、17c、17dの剛性によって規定される相対速度は少なくともおおよそ事前定義されることに留意されたい。
【0082】
限られた線形変位を備えた平面軸受装置15の場合、
図1〜
図4の球面軸受装置6などの限られた角振幅を備えた真円又は球面軸受装置の場合にも、基礎をなす相対速度はそれぞれの相対変位により間接的に設定できることに更に留意されたい。この目的のために、機械ばね17a、17b、17c、17dは、平面軸受層34a、34b、34c、34dのそれぞれ1つにおいて平面軸受支持要素15a、15b、15c、15d、15eの間に挿入される。これらは、平面軸受層34a、34b、34c、34dの中立位置で緩和され、それぞれの線形変位によって緊張する可能性がある。これは、相似的に
図1〜
図4の球面軸受装置6に適用され、エラストマーばね11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gは球面軸受層6a、6b、6c、6d、6e、6f、6gのそれぞれ1つに挿入される。
【0083】
図6は、少なくとも本質的に限られた角振幅のために構成されるラジアル・アキシアル軸受装置(radial-axial bearing arrangement)として例証的に実施される、第4の実施形態による軸受装置20を示している。ラジアル・アキシアル軸受装置20は、例証的に、第1の軸受支持要素21aと第2の軸受支持要素21cとを含む。この第1及び第2の軸受支持要素21a、21cの間には、2つのラジアル軸受層20a、20bが直列に配置される。この2つの直列ラジアル軸受層20a、20bは、中間滑走要素21bによって滑走式に相互接続される。
【0084】
例として、第1の軸受支持要素21aは、例えば、圧入、接着、又は結合接続により、軸受ホルダ23aに強固に取り付けられ、第2の軸受支持要素21cは、例えば、圧入、接着、又は結合接続により、シャフト25に強固に取り付けられ、ナット24によりシャフト25上に固定される。シャフト25は、矢印18bによって示されているように、2つの直列ラジアル軸受層20a、20bにより、関連の回転軸の周りを回転可能であり、従って、軸受ホルダ23aに対して所与の角振幅で変位可能である。
【0085】
例証的に、第1の直列ラジアル軸受層20aは第1の軸受支持要素21aと中間滑走要素21bとの間に配置され、第2の直列ラジアル軸受層20bは中間滑走要素21bと第2の軸受支持要素21cとの間に配置される。第1の直列ラジアル軸受層20aは、第1の軸受支持要素21aと中間滑走要素21bとの間に配置され、好ましくは、例えば、圧入、接着、又は結合接続により、第1の軸受支持要素21aに強固に取り付けられ、定義済みのギャップだけ中間滑走要素21bから間隔を開けて配置される少なくとも1つの第1の滑走表面16aを含む。第2の直列ラジアル軸受層20bは、中間滑走要素21bと第2の軸受支持要素21cとの間に配置され、好ましくは、例えば、圧入、接着、又は結合接続により、中間滑走要素21bに強固に取り付けられ、定義済みのギャップだけ第2の軸受支持要素21cから間隔を開けて配置される少なくとも1つの第2の滑走表面16bを含む。
【0086】
滑走表面16a、16bはPTFE滑走コンポーネントによって優先的に形成され、従って、第1及び第2の直列ラジアル軸受層20a、20bは自己給油軸受として実施される。更に、滑走表面16a、16bは、真円軸受を形成するように環状コンポーネントとして優先的に設けられる。
【0087】
一態様によれば、第1の軸受支持要素21a、中間滑走要素21b、及び第2の軸受支持要素21cは、それぞれ、関連のつば形フランジ22a、22b、22cが設けられたスリーブ又は中空円筒として実施される。つば形フランジ22aは、好ましくは、少なくとも1つの第1のたわみ節14aにより、つば形フランジ22bに弾力的に取り付けられ、そのつば形フランジ22bは、好ましくは、少なくとも1つの第2のたわみ節14bにより、つば形フランジ22cに弾力的に取り付けられる。
【0088】
少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節14a、14bのそれぞれ1つは、少なくとも1つのエラストマーばねを優先的に含む。好ましくは、少なくとも1つの第1及び第2のたわみ節14a、14bは、それぞれつば形フランジ22a、22b、22cに接着又は結合されるエラストマー・リングとして設けられる。
【0089】
好ましくは、エラストマーばね14bの基礎をなすばね剛性に対するエラストマーばね14aの基礎をなすばね剛性の所与の割合は、中間滑走要素21b上の所与のトレッドの直径に対する第1の軸受支持要素21a上の所与のトレッドの直径の割合に等しい。この結果、シャフト25と軸受ホルダ23aとの間の相対速度が軸受層20a、20b間の滑走速度に均一に分配されることになる。
【0090】
エラストマーばね14a、14bによりシャフト25の回転軸に沿って軸受ホルダ23aに対するシャフト25の線形変位が可能になることに留意されたい。従って、エラストマーばね14a、14bは、少なくともある程度は並進軸受として機能する。
【0091】
ラジアル・アキシアル軸受装置20の機能は、
図1〜
図4の球面軸受装置6及び
図5の並進軸受装置15の上記の機能と同様であることに更に留意されたい。従って、簡潔及び簡明にするため、ラジアル・アキシアル軸受装置20については詳細に説明しない。
【0092】
図7は、同じく少なくとも本質的に限られた角振幅のために構成されるラジアル・アキシアル軸受装置として例証的に実施される、第5の実施形態による軸受装置26を示している。ラジアル・アキシアル軸受装置26は、
図6のラジアル・アキシアル軸受装置20に基づくものであり、従って、
図6のこのラジアル・アキシアル軸受装置20との相違点についてのみ以下により詳細に説明する。
【0093】
ラジアル・アキシアル軸受装置26では、好ましくは、第1のアキシアル軸受層20cはつば形フランジ22aとつば形フランジ22bとの間に配置され、第2のアキシアル軸受層20dはつば形フランジ22bとつば形フランジ22cとの間に配置される。第1及び第2のアキシアル軸受層20c、20dは第1及び第2のラジアル軸受層20a、20bに対して並列に配置される。
【0094】
より具体的には、第1及び第2のアキシアル軸受層20c、20dは、それぞれ、関連の滑走表面16c、16dを含み、その滑走表面は、好ましくは、プレート形及びリング形であり、PTFE滑走コンポーネントによって形成される。これらの滑走表面16c、16dは、例えば、圧入、接着、又は結合接続により、それぞれつば形フランジ22a及びつば形フランジ22bに強固に取り付けられる。好ましくは、滑走表面16c、16dは、関連のギャップだけ、それぞれつば形フランジ22b及びつば形フランジ22cから間隔を開けて配置される。
【0095】
更に、
図6とは対照的に、つば形フランジ22aはラジアル方向に拡張され、つば形フランジ22b、22cにはそれぞれのL形ラジアル拡張部27a、27bが設けられる。つば形フランジ22aは、好ましくは、そのラジアル拡張部の領域で、少なくとも1つの第1のたわみ節14aにより、L形ラジアル拡張部27aに弾力的に取り付けられ、そのL形ラジアル拡張部27aは、好ましくは、少なくとも1つの第2のたわみ節14bにより、L形ラジアル拡張部27bに更に弾力的に取り付けられる。たわみ節14a、14bは、好ましくは、それぞれつば形フランジ22a及びL形ラジアル拡張部27a、27bに接着又は結合される。
【0096】
ラジアル拡張部27a、27bは、例として、断面図においてL形であるに過ぎないことに留意されたい。しかし、斜視図で見た場合、それらはプレート形又はつば形の端面フランジを備えた中空円筒として形成されるであろう。任意選択のスペーサ23bは例証的にナット24と第2の軸受支持要素21c、即ち、そのつば形フランジ22cとの間に示されていることに更に留意されたい。この任意選択のスペーサ23bは、シャフト25上の第2の軸受支持要素21cのより確実な固定を可能にするが、全体的な設計を単純にするために省略することもできる。
【0097】
図8は、限られた角振幅のために構成されるラジアル軸受装置として例証的に実施される、第6の実施形態による軸受装置28を示している。ラジアル軸受装置28も、
図6のラジアル・アキシアル軸受装置20に基づくものであり、従って、この場合も
図6のこのラジアル・アキシアル軸受装置20との相違点についてのみ以下により詳細に説明する。
【0098】
一態様によれば、つば形フランジ22aはラジアル方向に拡張され、I形アキシアル拡張部28aが設けられ、つば形フランジ22bにはI形アキシアル拡張部28bが設けられる。更に、つば形フランジ22cは第2の軸受支持要素21cから除去され、その軸受支持要素21cはこの時点でアキシアル拡張部28cを含む。
【0099】
I形アキシアル拡張部28aは、好ましくは、
図4の少なくとも1つの第1のたわみ節36aにより、I形アキシアル拡張部28bに弾力的に取り付けられ、そのI形アキシアル拡張部28bは、好ましくは、
図4の少なくとも1つの第2のたわみ節36bにより、アキシアル拡張部28cに更に弾力的に取り付けられる。たわみ節36a、36bは、好ましくは、それぞれI形アキシアル拡張部28a、28b及びアキシアル拡張部28cに接着又は結合される。
【0100】
アキシアル拡張部28a、28bは、例として、断面図においてI形であるに過ぎないことに留意されたい。しかし、斜視図で見た場合、それらはスリーブとして形成されるであろう。
【0101】
更に、ナット24はラジアル軸受装置28において省略されていることに留意されたい。従って、第2の軸受支持要素21cとシャフト25との接続はナット24なしで確実に固定する必要がある。
【0102】
図9は、並進軸受装置として、より具体的には、限られた線形変位のために構成される平面軸受装置として例証的に実施される、第7の実施形態による軸受装置29を示している。並進軸受装置29は、例証的に、2つの外側滑走プレート29a、29bと、内側の中間滑走要素31と、を含む。
【0103】
外側滑走プレート29a、29bと中間滑走要素31との間には、例として、2つの平面軸受層30a、30bが設けられる。この2つの平面軸受層30a、30bは、例証的に、好ましくは、中間滑走要素31と外側滑走プレート29bにそれぞれ取り付けられるPTFEプレートとして実施される、
図5の2つの平面滑走表面35a、35bを含む。
【0104】
中間滑走要素31は、模範的に、へら形であり、たわみ節37a、37bにより外側滑走プレート29a、29bに弾力的に取り付けられ、そのたわみ節は、好ましくは、例えば、
図6〜
図8のたわみ節と類似して、エラストマーばねとして実施される。これらのたわみ節37a、37bは、好ましくは、それぞれ中間滑走要素31及び外側滑走プレート29a、29bに接着又は結合される。
【0105】
動作中に、外側滑走プレート29aは、
図5の矢印18aによって示されているように、外側滑走プレート29bに対して直線的に変位することができる。
【0106】
図10は、動作中の
図9の平面軸受装置29を示している。例証的に、外側滑走プレート29aは、ここでは例として平面軸受層30a、30bのそれぞれ1つに関連する変位セクション19a、19bのみから構成される、
図5の全線形変位19について直線的に変位する。
【0107】
上記の好ましい諸実施形態は、単に、本発明について可能な諸実施形態に本発明を制限するためではなく、その諸実施形態を例示するために記載されていることに留意されたい。その代わりに、本発明の多数の変更及び変形は可能であり、従って、その変更及び変形も本発明の一部であると見なさなければならない。例えば、個々の軸受層の直列配置は、転がり軸受、例えば、玉軸受、真円ころ軸受、又は円錐ころ軸受、摩擦軸受、例えば、流体、静圧、又は寿命潤滑軸受、並びに、異なるタイプの軸受の組み合わせなど、多種多様な軸受装置タイプに適用することができる。また、個々の軸受層の直列配置は、スラスト軸受、ラジアル・アキシアル軸受、球面軸受、及び/又は平面軸受など、多種多様な軸受装置カテゴリ又は形式にも適用することができる。その上、直列配置の軸受のそれぞれ所与の数は適用例固有に変更することができる。その上、相対速度の分配モードも適用例固有に変更することができる。例えば、荷重が軸受ホルダに対して回転しない場合、最も外側の相対速度を非常に小さく保持することができ、及び/又は荷重がシャフトそれぞれのボルトに対して回転しない場合、最も内側の相対速度を非常に小さく保持することができる。最後に、その他のタイプのばね及びばね材料も使用することができる。