(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モノマー(A)を、重縮合体の製造に使用するモノマーのモルの総数に対して0.1mol%から100mol%の範囲の含有量で使用する、請求項1または2に記載の使用。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このため、技術水準の物質および/または製造方法は全く満足のいくものではない。
【0011】
具体的には技術水準の重縮合体のポリマーネットワーク結合よりも強いポリマーネットワーク結合を有するおよび/または技術水準の重縮合体よりも良好な温度挙動もしくは良好な機械的強度を示す、特性が改善されている重縮合体が入手可能である必要性が依然として存在する。
【0012】
含まれる会合性基のポリマー鎖当たり数および/または該会合性基の鎖中での位置が正確に制御され得るおよび/または任意に調整され得る超分子重縮合体が入手可能である必要性が特に存在する。鎖内におよび制御された様式で分散しているペンダント会合性基(即ち、鎖末端以外)を有する重縮合体の必要性が特に存在する。
【0013】
最後に、非常に費用がかからない超分子ポリマーの製造方法の必要性が存在し、該製造方法を、予測した結果に関して、具体的には得られたポリマーの鎖の構造に関して容易にならびに/または確実におよび再現性よく行なうことができ、ならびに/または重縮合体の、特にポリアミド、ポリエステル、ポリ(チオエステル)、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル、ポリイミンおよびポリアミンの様々な性質を調整して該様々な性質内の主要な1つのみに言及することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
用語「少なくとも二官能性のモノマー」は、ポリマー鎖の成長に関与することができる、具体的には重縮合体の単位の形成に関与することができる少なくとも2つの反応性官能基を有しているモノマーを意味すると理解される。
【0015】
従って、本発明の第1の主題は、重縮合体を製造するための、式(I):
【0016】
【化1】
(式中、
「反応性官能基」と称されるX
1およびX
1’は、−NH
2、−COOH、−PO
3H、−OPO
3H、−OH、−SH、−COSH、−CSSH、−CSOH、−ハロゲン、−CN、−NCO、−NCSまたは−エポキシから独立して選択される同一のまたは異なる官能基を示し、
Xは、窒素原子またはリン原子、P(=O)O
3基、飽和の、部分的に不飽和のまたは完全に不飽和のC
4−C
7炭化水素環であって場合により窒素、酸素、ケイ素、リンもしくは硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子により中断されているC
4−C
7炭化水素環、好ましくはC
5−C
6炭化水素環またはCR
3基、SiOR
3基、SiR
3基もしくはSiHal基を示し、R
3は水素原子または直鎖のもしくは分岐したC
1−C
20アルキルラジカル、好ましくはC
1−C
6アルキルラジカルから選択され、HalはF原子、Cl原子、Br原子またはI原子を表し、好ましくはCl原子を表し、
R
1、R
1’およびR
2は同一でありまたは異なり、互いに独立して、単結合または飽和のもしくは不飽和のおよび直鎖のもしくは分岐したC
1−C
30炭化水素鎖を表し、好ましくC
1−C
20炭化水素鎖を表し、更にはC
1−C
10炭化水素鎖を表し、該炭化水素鎖は、窒素、酸素、ケイ素、リンもしくは硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子により、または場合により窒素、酸素および硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む飽和の、部分的に不飽和のまたは完全に不飽和の炭化水素環により、場合により置換されており、ならびに場合により中断されており、
Bは、基(B1)から(B4):
【0017】
【化2】
(式中、
Zは、酸素原子もしくは硫黄原子または−NH基を表し、好ましくは酸素原子を表し、
Rは、飽和のまたは不飽和のおよび直鎖のまたは分岐したC
1−C
10アルキル基を表す。)から選択される会合性基を示す。)に対応する少なくとも二官能性のモノマー(A)の使用である。
【0018】
用語「反応性官能基」は、縮合反応により他の化学官能基と反応して共有結合を形成することができ、結果として具体的には重縮合体に特徴的な繰り返し単位、例えばアミド単位、エステル単位、チオエステル単位、ウレタン単位、尿素単位、エーテル単位、イミン単位およびアミン単位が形成される化学官能基を意味すると理解される。一実施形態では、アミド単位、エステル単位、ウレタン単位および尿素単位が好ましい。
【0019】
続いて、少なくとも1つの反応性官能基を有する化合物を示すために、「少なくとも単官能性の」化合物に言及することができる。少なくとも2つの同一のまたは異なる反応性官能基を有する化合物を示すために、「少なくとも二官能性の」化合物に言及することができる。
【0020】
用語「重縮合体」は、重縮合反応により得られるポリマーまたはコポリマーを意味すると理解される。重縮合は、一般的に小分子が除去されてポリマーまたはコポリマーが形成される反応機構、例えばポリアミド型またはポリエステル型の重縮合体の形成の場合に水が除去されてポリマーまたはコポリマーが形成される反応機構または小分子が除去されることなくポリマーまたはコポリマーが形成される反応機構、例えばポリウレタンまたはエポキシの形成の場合に小分子が除去されることなくポリマーまたはコポリマーが形成される反応機構により定義される。重縮合は重合であり、即ち少なくとも二官能性のモノマーの反応性官能基間の反応を含む分子鎖の成長段階である。
【0021】
R
1、R
1’およびR
2に関する「飽和の」C
1−C
30炭化水素鎖は、分岐したC
1−C
30炭化水素鎖を意味し、好ましくはC
1−C
20炭化水素鎖を意味し、該炭化水素鎖は飽和しており、もしくは不飽和であり、および/または1つ以上の=O、−OH、−NH
2もしくはハロゲン基で置換されており、および/または−O−等の1つ以上のヘテロ原子により中断されていると理解すべきである。
【0022】
R
1、R
1’およびR
2はカルバメート基
−N−C(=O)−O−
│
を含まないと理解される。
【0023】
本発明の別の主題は、当業者に既知の任意の技法によるおよび上記で定義した少なくとも1種のモノマー(A)を使用する重縮合体の製造方法である。
【0024】
好ましい実施形態では、モノマー(A)を、重縮合体の製造に使用するモノマーのモルの総数に対して0.1mol%から100mol%の範囲の含有量で、好ましくは1mol%から80mol%の範囲の含有量で、更には1mol%から50mol%の範囲の含有量で使用する。
【0025】
別の実施形態では、モノマー(A)を、重縮合体の製造に使用する少なくとも二官能性のモノマーのモルの総数に対して0.1mol%から100mol%の範囲の含有量で、好ましくは0.5mol%から100mol%の範囲の含有量で、1mol%から100mol%の範囲の含有量で、5mol%から100mol%の範囲の含有量で、10mol%から100mol%の範囲の含有量で、更には40mol%から100mol%の範囲の含有量で使用する。
【0026】
別の実施形態では、モノマー(A)を、重縮合体の製造に使用する少なくも二官能性のモノマーのモルの総数に対して20mol%から95mol%の範囲の含有量で、30mol%から70mol%の範囲の含有量で、更には40mol%から60mol%の範囲の含有量で使用する。
【0027】
後に分かるように、残余の100%は有利には(A)以外の別のモノマー(C)であることができ、該モノマー(C)は少なくとも単官能性であり、有利には二官能性であり、および会合性基を含まない。
【0028】
本発明の別の主題は、この製造方法により得ることができる、ペンダント会合性基を有する重縮合体である。
【0029】
モノマー(A)の一部は新規であり、これ自体が本発明の別の主題を形成する。このため、本発明はまた、以下の限定を有する上述の式(I)のモノマー(A’)にも関する:XがN原子を表し、および
*R
1=R
1’=−CH
2−の場合、X
1およびX
1’は同時にCOOHを表すことができない、
*X
1=X
1’=OHまたはCNの場合、R
1およびR
1’は同時に−CH
2−CH
2−を表すことができない。
【0030】
文書独国特許第3214909号明細書には、カチオン性誘導体および染料の布地への付着を改善するための該カチオン性誘導体の使用が記載されていることに留意すべきである。実施例2には、文書の教示に従ったカチオン性誘導体の合成における中間体として含まれる1−[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]イミダゾリジン−2−オンを形成するためのN−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オンとエチレンオキシドとの反応が開示されている。このため、この中間体は重合に使用されることを意図されていない。
【0031】
一方、文書米国特許第2858319号明細書は、イミダゾリジニル基を有する二酸等の多価金属イオンの封鎖剤として使用されると考えられるイミダゾリジノン誘導体:1−[β−(N,N−ビス(カルボキシメチル)アミノ)エチル]−2−イミダゾリジノンを教示する。本文書には、この誘導体が重合に使用されることについて説明されておらず示唆もされていない。
【0032】
一方、文書国際公開第94/20474号パンフレットは、イミダゾリドンをベースとするジアミンおよびペンダントイミダゾリジノン基をエポキシまたはポリウレタン/尿素ポリマーに供給することを目的とする鎖伸長モノマーとしてのジアミンの誘導体を教示する。本文書の実施例3には以下の誘導体が開示されている。
【0033】
【化3】
【0034】
この誘導体は、熱可逆性のカルバメート架橋N−C(=O)−Oを含む。このため、誘導体を190℃近くの温度に加熱する場合、誘導体が分解してイソシアネートおよびアルコールがもたらされる。従って、このような誘導体が、この温度範囲内で行なわれる重縮合中におよび水が生じる間に使用される場合、イソシアネートが水と反応してアミンおよび二酸化炭素ガスが生じる。官能性の変化および発生したバブリングにより、制御された方式で超分子重縮合体を調製することが不可能となる。
【0035】
最後に、本発明の主題は、ポリマー物品またはポリマー組成物を製造するための本発明に従った重縮合体の使用および得られたポリマーの物品および組成物である。
【0036】
本発明により有利には、会合性基を有しない従来の重縮合体の見かけ分子量と比べて周囲条件下で高い見かけ分子量を示す重縮合体の合成が可能となる。このため、重縮合体の鎖の長さを短くすることおよび重縮合体の機械的強度を失うことなく高温条件下で鎖を流動化させることが可能である。
【0037】
加えて、本発明により、技術水準から既知である超分子重縮合体(該超分子重縮合体は鎖末端でのみ会合性基を示す。)とは対照的に、鎖上にペンダント会合性基を含む超分子重縮合体の合成が可能となり、鎖上でのペンダント会合性基の数および位置を任意に調整するおよび制御することが可能である。このため、例えば以下の手段の内の1つ以上を使用することにより、ポリマー鎖の構造を最終重縮合体での要求に特性の関数として適合させることが可能である:
−例えば、ランダムポリマーまたはブロックポリマーを得るためのモノマーの添加順序、
−例えば、所定の含有量の会合性基を有するポリマーを得るための(会合性基を有するモノマー/使用したモノマーの合計)比、
−重縮合反応の管理を制御するための、溶媒中で多少濃縮された剤形としてのモノマーの導入、
−およびその他。
【0038】
加えて、技術水準の既知の方法の大部分とは対照的に(該方法は会合性分子を既存のポリマーにグラフト化するためにある。)、本発明に係る重縮合体の製造方法は重縮合を主に使用し、該重縮合は実施および調節が容易である単純化学であるという利点を示す。加えて、本発明に係る重縮合体の製造方法は、ポリマー鎖当たりの会合性分子の良好な組み込み率ならびに/または組み込まれた会合性分子の数に関するおよび/もしくは鎖中における会合性分子の位置に関する高い精度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明をより詳細におよび暗黙に限定されることなく以下に説明する。
【0040】
間隔に言及する場合、「...から...の範囲」様式の表現は間隔の限界値を含むが、「...と...との間」様式の表現は間隔の限界値を除外する。
【0041】
特に言及しない限り、表したパーセントは重量パーセントである。
【0042】
特に言及しない限り、言及するパラメータを大気圧および周囲温度(20℃)で測定している。
【0043】
モノマー(A)
モノマー(A)は上述した一般式(I)を示す。当然のことながら、モノマー(A)は、下記の本発明の有利な実施形態の内のいずれか1つに従って、場合により互いに組み合わせて、より具体的な式を示すことができる。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、X
1およびX
1’は、−NH
2、―COOH、−OH、―NCOまたは−CNから独立して選択される反応性官能基を示す。
【0045】
本発明のより具体的な実施形態によれば、X
1およびX
1’は、−NH
2、―COOHまたは−OHから独立して選択される反応性官能基を示す。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、X
1およびX
1’は異なる反応性官能基を示し、好ましくは互いに反応することができる官能基を示す。このことにより、例えばモノマー(A)のみの縮合により重縮合体の製造が可能となる。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、Xは窒素原子もしくはリン原子またはCR
3基を示し、R
3は水素原子または直鎖のもしくは分岐したC
1−C
20アルキルラジカルである。好ましくは、Xは窒素原子またはCR
3基を示し、R
3は水素原子または直鎖のもしくは分岐したC
1−C
6アルキルラジカルであり、例えばエチルラジカルである。より好ましくは更に、Xは窒素原子を示す。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、R
1およびR
1’は同一である。別の少なくとも二官能性のモノマーとの重縮合反応中でのこのようなモノマーの使用により、合成されるポリマー鎖の対称性(等方性および規則性)が促進される。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、R
1およびR
1’はそれぞれ、−(CH(R
4)−CH(R
5)−O)
n−鎖および−(CH(R
4)−CH(R
5)−O)
m−鎖を示し、nおよびmはそれぞれ1から20の範囲の、好ましくは3から20の範囲のおよびより好ましくは3から10の範囲の同一のまたは異なる整数の添数を示し、R
4およびR
5は、水素原子、直鎖のもしくは分岐したC
1−C
6アルキルラジカルまたはアリルラジカルから独立して選択される。好ましくは、R
4およびR
5は、水素原子、直鎖のもしくは分岐したC
1−C
3アルキルラジカルまたはフェニルラジカルから独立して選択される。より好ましくは更に、R
1は−(CH
2−CH
2−O)
n−鎖、−(CH(CH
3)−CH
2−O)
n−鎖、−(CH
2−CH(CH
3)−O)
n−鎖、−(CH
2−CH(CH
2−CH
3)−O)
n鎖、−(CH(CH
2−CH
3)−CH
2−O)
n鎖、−(CH(Ph)−CH
2−O)
n−鎖または−(CH
2−CH(Ph)−O)
n−鎖を示し、R
1’は−(CH
2−CH
2−O)
m−鎖、−(CH(CH
3)−CH
2−O)
m−鎖、−(CH
2−CH(CH
3)−O)
m−鎖、−(CH
2−CH(CH
2−CH
3)−O)
m鎖、−(CH(CH
2−CH
3)−CH
2−O)
m鎖、−(CH(Ph)−CH
2−O)
m−鎖または−(CH
2−CH(Ph)−O)
m−鎖を示し、Phはフェニルラジカルである。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、R
1およびR
1’はそれぞれ−(C=O)−O−(CH
2)
2−鎖を示す。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、モノマー(A)は以下のものから選択される:
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−NH−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=N、R
2=−(CH
2−CH
2−NH)
2−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=CH、R
2=−O−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=N、R
2=−(CH
2)
6−およびB=B4、R=CH
3;または
・X=N、R
2は単共有結合であり、B=B1;または
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−NH−(C=O)−CH=CH−(C=O)−およびB=B2、Z=O;または
・X=CR
3、ここでR
3は上記で定義した通りであり、R
2=−(CH
2)
2−NH−(C=O)−CH=CH−(C=O)−NH−およびB=B2、Z=O;または
・X=CR
3、ここでR
3は上記で定義した通りであり、R
2=−(CH
2)
2−NH−CH
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=CR
3、ここでR
3は上記で定義した通りであり、R
2=−(CH
2)
2−O−CH
2−およびB=B2、Z=O;または
・これらの化合物の混合物。
【0052】
本発明のより具体的な実施形態によれば、モノマー(A)は以下のものから選択される:
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−NH−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=N、R
2=−(CH
2−CH
2−NH)
2−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=CH、R
2=−O−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=O;または
・X=N、R
2=−(CH
2)
6−およびB=B4、R=CH
3;または
・X=N、R
2は単共有結合であり、B=B1;または
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−NH−(C=O)−CH=CH−(C=O)−およびB=B2、Z=O;または
・X=CR
3、ここでR
3は上記で定義した通りであり、R
2=−(CH
2)
2−NH−(C=O)−CH=CH−(C=O)−NH−およびB=B2、Z=O;または
・X=CR
3、ここでR
3は上記で定義した通りであり、R
2=−(CH
2)
2−NH−CH
2−およびB=B2、Z=O;または
・これらの化合物の混合物。
【0053】
モノマー(A)は、会合性基(B)が(B2)基であるものから好ましくは選択される。より好ましくは更に、モノマー(A)は、X=N、R
2=−(CH
2)
2−およびB=B2、Z=Oであるものから選択される。
【0054】
より好ましくは、本発明に従って使用することができるモノマー(A)の例として、以下の式の内の1つに対応するものを挙げることができる:
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−(C=O)−O−(CH
2)
2−およびX
1=X
1’=OH;
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−NH−(C=O)−CH=CH−(C=O)−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−(CH
2)
2−およびX
1=X
1’=OH;
・X=CR
3、ここでR
3はエチルラジカルであり、R
2=−(CH
2)
2−NH−(C=O)−CH=CH−(C=O)−NH−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−CH
2−およびX
1=X
1’=OH;
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−(CH
2)
2−およびX
1=X
1’=OH;
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−(CH
2)
2−およびX
1=X
1’=COOH;
・X=CR
3、ここでR
3は水素原子であり、R
2=−(CH
2)
2−NH−CH
2、B=B2、Z=O、R
1は単結合であり、R
1’=−CH
2−およびX
1=X
1’=COOH;
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−CH
2−およびX
1=X
1’=COOH;
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−(CH
2)
2−およびX
1=X
1’=CN;
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−(CH
2)
3−およびX
1=X
1’=NH
2;
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−(CH
2)
2−およびX
1=X
1’=CHO;
・X=N、R
2=−(CH
2)
2−、B=B2、Z=O、R
1=R
1’=−(CH
2)
3−およびX
1=X
1’=OH;
・X=CH、R
2=−(CH
2)
2−NH−CH
2−、B=B2、Z=O、R
1は単結合であり、R
1’=−(CH
2)
2−およびX
1=X
1’=CN;
・X=CH、R
2=−(CH
2)
2−NH−CH
2−、B=B2、Z=O、R
1=−CH
2−、R
1’=−(CH
2)
3−およびX
1=X
1’=NH
2;
・X=CH、R
2=−(CH
2)
2−O−CH
2−、B=B2、Z=O、R
1は単結合であり、R
1’=−(CH
2)
2−およびX
1=X
1’=CN;
・X=CH、R
2=−(CH
2)
2−O−CH
2−、B=B2、Z=O、R
1=−CH
2−、R
1’=−(CH
2)
3−およびX
1=X
1’=NH
2;
・またはこれらの化合物の混合物。
【0055】
モノマー(A)の製造方法
モノマー(A)は市販されており、または該モノマー(A)を、当業者に既知の方法によりもしくは特許、科学出版物、Chemical Abstractsおよびインターネットに由来する文献で入手可能な手法を適合させることにより容易に調製することができる。
【0056】
これらの条件では、文書独国特許第3214909号明細書、具体的には実施例2で説明されている合成方法および文書米国特許第2858319号明細書、より具体液には実施例1で説明されている合成方法を挙げることができる。
【0058】
【化4】
に対応する会合性分子と、式(Ib)、(Ib’)および(Ic):
X
1−R
1−Tb (Ib)
X
1’−R
1’−Tb’ (Ib’)
X
1−R
1−Tc−R
1’−X
1’ (Ic)
(式中、
X、R
2、B、X
1、X
1’、R
1およびR
1’は上記で定義されており、Ta、Ta’、Tb、Tb’およびTcは、TaがTbと反応してXとR
1との間に共有結合を形成することができ、Ta’がTb’と反応してXとR
1’との間に共有結合を形成することができならびに/またはTaおよびTa’がTcと反応してR
1
X(R
2) R
1’基を形成することができるような原子または基である。)の内の1つに対応する少なくとも1種の官能化剤との反応により、モノマー(A)を有利に得ることができる。
【0059】
Ta、Ta’、Tb、Tb’およびTcは、具体的には当業者に既知である任意の種類の反応性官能基であることができ、より具体的には以下の官能基:−NH
2、−COOH、−PO
3H、−OPO
3H、−OH、−SH、−COSH、−CSSH、−CSOH、−ハロゲン、−CN、−NCO、−NCS、−エポキシ、メシレートまたはトシレートから独立して選択され得る。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、TaおよびTa’は、アミン、アルコール、カルボン酸、メシレート、トシレートおよびハロゲンから選択され、具体的にはCl、官能基から選択される。
【0061】
式(Ia)の会合性分子
本発明の一実施形態によれば、会合性分子は、1−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン(UDETA)、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリドン(HEIO)、1−(2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル)イミダゾリドン(UTETA)、1−(2−[2−{2−アミノエチルアミノ}エチルアミノ]エチル)イミダゾリドン(UTEPA)、N−(6−アミノヘキシル)−N’−(6−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリミジン−2−イル)尿素(UPy)、3−アミノ−1,2,4−トリアゾ−ル(3−ATA)またはこれらの混合物から選択される。
【0062】
より好ましくは、会合性分子はUDETAである。
【0063】
尿素とポリアミンとの反応により会合性分子UDETA、UTETAおよびUTEPAを得ることができる。例えば、尿素と、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチエンテトラミン(TETA)およびテトラエチレンペンタミン(TEPA)との反応により、UDETA、UTETAおよびUTEPAそれぞれを調製することができる。尿素と、対応するジアミノアルコール、即ち2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノールとの反応により、会合性分子HEIOを得ることができる。
【0064】
官能化剤
モノマー(A)中に得られることが望まれる反応性官能基X
1およびX
1’の種類に応じて官能化剤が選択される。
【0065】
X
1および/またはX
1’がアルコール官能基であることが望ましい場合、例えば、官能化剤は以下から有利に選択され得る:
・エポキシドおよびこの混合物、具体的にはエチレンオキシド(EO)、ブチレンオキシド(BO)、プロピレンオキシド(PO)、スチレンオキシド(SO)またはこれらの混合物;
・カーボネートおよびこの混合物、具体的にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセロールカーボネートまたはこれらの混合物;
・アミノアルコールおよびこの混合物、具体的には式HO−R
1−NH−R
1’−OH(式中、R
1およびR
1’は上記で定義されている。)のものおよび式CH
3−CH
2−C[(CH
2−OH)
2]NH
2のものならびにこれらの混合物。
【0066】
X
1および/またはX
1’が酸性官能基であることが望ましい場合、例えば、官能化剤は以下から有利に選択され得る:
・アクリル酸;
・メタクリル酸;
・イタコン酸;
・モノクロロ酢酸、モノブロモ酢酸およびこれらの塩;
・ならびにこれらの混合物。
【0067】
X
1および/またはX
1’がニトリル官能基であることが望ましい場合、例えば、官能化剤は以下から有利に選択され得る:
・アクリロニトリル;
・メチレングルタロニトリル;
・これらの混合物。
【0068】
得たニトリルを当業者に既知の任意の方法に従って、例えば水素添加により、アミンに有利に変換することができる。
【0069】
X
1および/またはX
1’がアルデヒド官能基であることが望ましい場合、例えば、官能化剤は有利にはアクロレインであることができる。
【0070】
得たアルデヒドを当業者に既知の任意の方法に従って、例えば還元的アミノ化により、アミンに有利に変換することができる。
【0071】
アミノ化段階を行なう場合、還元的アミノ化は水素添加段階と同時であることができ、または該水素化段階に続くことができる。
【0072】
得たアルデヒドを当業者に既知の任意の方法に従って、例えば水素添加によりジオールに変換することもできる。
【0073】
重縮合体および該重縮合体の製造方法
本発明の別の主題は、上記で定義した少なくとも1種のモノマー(A)を使用する重縮合体の製造方法である。
【0074】
より具体的には、本方法は以下の段階を含む:
a)上記で定義した少なくとも1種のモノマー(A)を準備する段階;
b)場合により、少なくとも1種の少なくとも単官能性の、有利には少なくとも二官能性の、更には三官能性以上の、モノマー(A)とは異なるおよび会合性基を含まないモノマー(C)を準備する段階;
c)モノマー(A)の重縮合により、ならびに場合によりモノマー(C)の重縮合により、重合反応を行なう段階;
d)重縮合体を得る段階。
【0075】
このため、本発明に係る方法により、単純な重縮合反応によってポリマー鎖中にペンダント会合性基を有する超分子重縮合体を得ることが可能となる。
【0076】
当業者に既知の任意の技法に従って、または特許、科学出版物、Chemical Abstractsおよびインターネットに由来する文献で入手可能な手法(温度、圧力等)を適合させることにより、重縮合反応を行なうことができる。
【0077】
用語「少なくとも1種のモノマー(A)」は使用されるモノマー(A)の種類を示し、該モノマー(A)のモルの数を示さない。このため、1つのモノマー(A)が単一の式(I)に対応して使用され、または幾つかのモノマー(A)が異なる式(I)に対応して使用される。
【0078】
また、用語「少なくとも1種のモノマー(C)」は使用されるモノマー(C)の種類を示し、該モノマー(C)のモルの数を示さない。このため、1つのモノマー(C)が単一の化学式に対応して使用され、または幾つかのモノマー(C)が異なる化学式に対応して使用される。
【0079】
用語「モノマー(A)とモノマー(C)の重縮合」は、モノマー(A)および(C)に起因している単位を含む重縮合体の形成を意味すると理解される。
【0080】
段階d)での用語「重縮合体を得る」は、段階c)の後にまたは場合により1つ以上の中間段階後に、例えば取り出しおよび/または精製後に直接得られる、モノマー(A)に起因する、モノマー(A)と場合によりモノマー(C)に起因する単位を含む重縮合体を意味すると理解される。
【0081】
本発明の会合性基を有するモノマーによって、本発明に係るポリマーの合成方法により、合成されるポリマーの鎖に含まれる会合性基の数および/または位置を容易に変更することが可能となる。例えば、得られるポリマー中の会合性基の数を変えるためには、使用されるモノマーの総数に対するモノマー(A)の比を調整すればよい。一方、例えばモノマー(A)および場合によりモノマー(C)を順次の態様で導入することにより、会合性基の位置を変えることができる。このため、会合性基を有するブロックを含むコポリマーを合成することが可能である。
【0082】
本発明の一実施形態によれば、重縮合体の製造方法は、少なくとも1種の第1のモノマー(A)および式(I)が異なる1種の第2のモノマー(A)を使用し、第1のモノマー(A)の反応性官能基X
1およびX
1’は第2のモノマー(A)の反応性官能基X
1およびX
1’と異なり、および第2のモノマー(A)の反応性官能基X
1およびX
1’と反応することができる。加えて、重縮合体の製造方法は、1つ以上の別の同一のまたは異なる式(I)のモノマー(A)を使用し、但し、該モノマー(A)の反応性官能基が、既に存在する少なくとも1種のモノマー(A)の反応性官能基と反応することができる場合に限られる。モノマー(A)は同時にまたは連続して導入することができる。
【0083】
本発明の一実施形態によれば、第1のモノマー(A)の反応性官能基はアミン官能基であり、第2のモノマー(A)の反応性官能基は酸性官能基であり、この結果、形成される重縮合体はポリアミドである。
【0084】
本発明の一実施形態によれば、第1のモノマーの反応性官能基はイソシアネート官能基であり、第2のモノマーの反応性官能基はアルコール官能基であり、この結果、形成される重縮合体はポリウレタンである。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、第1のモノマー(A)の反応性官能基はイソシアネート官能基であり、第2のモノマー(A)の反応性官能基はアミン官能基であり、この結果、形成される重縮合体はポリ尿素である。
【0086】
本発明の一実施形態によれば、第1のモノマー(A)の反応性官能基は酸性官能基であり、第2のモノマー(A)の反応性官能基はアルコール官能基であり、この結果、形成される重縮合体はポリエステルである。
【0087】
本発明の別の実施形態によれば、重縮合体の製造方法は式(I)の少なくとも1種のモノマー(A)を使用し、該モノマー(A)の反応性官能基X
1およびX
1’は互いに異なりおよび互いに反応することができる。
【0088】
例えば、本発明の一実施形態によれば、重縮合体の製造方法はモノマー(A)を使用し、該モノマー(A)の官能基X
1はアミン官能基であり、該モノマー(A)の官能基X
1’は酸性官能基であり、この結果、形成される重縮合体はポリアミドである。
【0089】
本発明の一実施形態によれば、重縮合体の製造方法はモノマー(A)を使用し、該モノマー(A)の官能基X
1はイソシアネート官能基であり、該モノマー(A)のX
1’官能基はアルコール官能基であり、この結果、形成される重縮合体はポリウレタンである。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、重縮合体の製造方法はモノマー(A)を使用し、該モノマー(A)の官能基X
1はイソシアネート官能基であり、該モノマー(A)のX
1’官能基はアミン官能基であり、この結果、形成される重縮合体はポリ尿素である。
【0091】
本発明の一実施形態によれば、当業者に既知の方法に従って、イソシアネート官能基をブロックの形態で使用することができる。
【0092】
本発明の一実施形態によれば、重縮合体の製造方法はモノマー(A)を使用し、該モノマー(A)のX
1官能基は酸性官能基であり、該モノマー(A)のX
1’官能基はアルコール官能基であり、この結果、形成される重縮合体はポリエステルである。
【0093】
本発明の別の実施形態によれば、重縮合体の製造方法は、モノマー(A)または式(I)の同一のもしくは異なるモノマー(A)に加えて、少なくとも単官能性の、二官能性の、更には三官能性以上の、モノマー(A)と異なるモノマー(C)を使用し、該モノマー(C)は会合性基を含まず、および重縮合体の合成用の当業者に既知のモノマーから選択される。
【0094】
本発明のより具体的な実施形態によれば、モノマー(C)は式(II):
[Y
1−R
5−Y
1’]
(II)
(式中、
Y
1およびY
1’は、−NH
2、−COOH、−PO
3H、−OPO
3H、−OH、−SH、−COSH、−CSSH、−CSOH、−ハロゲン、−CN、−NCO、−NCSまたは−エポキシから独立して選択される同一のまたは異なる官能基(「反応性官能基」として知られている。)を示し、および
R
5は、飽和のまたは不飽和のおよび直鎖のまたは分岐したC
1−C
30炭化水素鎖を示し、該炭化水素鎖は場合により、窒素、酸素、硫黄、ケイ素およびリンから選択される1つ以上のヘテロ原子によりまたは窒素、酸素、硫黄、ケイ素およびリンから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合により含む飽和の、部分的に不飽和のまたは完全に不飽和の環により中断されている。)に対応する二官能性モノマーである。
【0095】
ある実施形態によれば、Y
1およびY
1’は、−NH
2、−COOH、−OHおよび−NCOから独立して選択される反応性官能基を示す。
【0096】
一実施形態によれば、Y
1およびY
1’は異なる反応性官能基を示す。このことにより、例えば同じ反応中にモノマー(C)と幾つかの種類のモノマー(A)との反応が可能となり、またはモノマー(C)と、異なる反応性官能基X
1およびX
1’を有するモノマー(A)との反応が官能となる。
【0097】
上記式(II)に対応する二官能性モノマー(C)の非限定的な例として、既に前述したものを挙げることができ、具体的には:
・芳香族二酸、例えばイソフタル酸およびテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸もしくは2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシビフェニルまたはフランジカルボン酸、
・脂肪族二酸、例えば直鎖のもしくは分岐したC
4−C
24脂肪族二酸、例えばアジピン酸、セバシン酸、ドデカン−1,12−二酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、タプシン酸(ヘキサデカン二酸)またはオクタデカン二酸、
・脂環式二酸、例えばシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸またはシクロブタン−1,3−ジカルボン酸、
・フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸またはテレフタル酸、
・脂環式ジアミン、例えばビス(3,3’−メチル−4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)エタン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン(BMACP)、イソプロピリデンジ(シクロヘキシルアミン)(PACP)または2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナン(BAMN)、
・脂肪族ジアミン、例えば直鎖のもしくは分岐したC
2−C
24脂肪族ジアミン、例えば1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,19−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミンまたは1,12−ドデカメチレンジアミン、
・好ましくは少なくとも6つの炭素原子を含む、脂環式ジオール、例えばヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオールまたはドデカンジオール(典型的には1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオールまたは1,12−ドデカンジオール)、
・芳香族ジオール、例えばレゾルシノール、ハイドロキノンまたはビスフェノールA、
・分岐したジオール、例えば1,6−ヘキシレングリコール、
・脂肪族のまたは脂環式のジイソシアネート、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンまたはイソホロンジイソシアネート、
・芳香族ジイソシアネート、例えば2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、パラ−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートまたはIPDI(イソホロンジイソシアネート)、
・アミノ酸、例えばC
5−C
14アミノ酸、例えば11−アミノウンデカン酸または10−アミノデカン酸
を挙げることができる。
【0098】
モノマー(C)の含有量は、重縮合体の製造に使用されるモノマーのモルの総数に対する、使用されるモノマー(A)の含有量の残余から100mol%を表す。
【0099】
本発明の別の主題は、上記で詳細に説明した製造方法により得ることができる重縮合体である。
【0100】
本発明の一実施形態によれば、重縮合体は、該重縮合体のモルの総数に対して0.1mol%から50mol%の、好ましくは1mol%から20mol%の会合性基Bを含む。
【0101】
使用されるモノマー(A)および場合により(C)のモルの総数に対するモノマー(A)のモルの数の比を変更することにより、重縮合体中に存在する会合性基Bの数を容易に調整することができる。
【0102】
本発明の一実施形態によれば、重縮合体はホモポリマー、ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーである。
【0103】
用途
本発明の別の主題は、物品または組成物を製造するための本発明に係るモノマーまたは重縮合体の使用である。
【0104】
最後に、本発明の主題は、このような物品およびこのような組成物である。
【0105】
用語「物品」は2次元を有する部材、例えばシートまたは3次元を有する部材を意味すると理解される。
【0106】
用語「組成物」は、周囲温度での水または1種以上の溶媒での溶液または分散液を意味すると理解される。
【0107】
本発明に係るモノマーおよび重縮合体を様々な分野で使用することができ、例えば航空学、宇宙分野、自動車業界、海軍産業、エネルギー、鉄道産業、風力発電、太陽光発電、ウォータースポーツ等のスポーツおよびレジャー、建設産業、土木工学、製紙産業および織物工業で、ならびに一般的に高いストレス、具体的には機械的なおよび/または熱的なストレスがかかる任意の分野で使用することができる。
【0108】
物品として、賦形された補強材、艇体等の船体またはパネルを具体的に挙げることができる。
【0109】
組成物として、接着剤組成物、例えば接着剤、接着剤エマルション、有機のもしくは水性の接着剤溶液または結合剤、例えば塗料、インク、ワニスおよび/もしくは織物の保護用の結合剤が好ましい。
【0110】
用語「接着剤」は、製剤化されているまたは製剤化されていない、溶媒がない重縮合体、即ち接着を確立するために蒸発を必要としない接着剤組成物を意味すると理解される。
【0111】
例示のみを目的とし、添付した特許請求の範囲により定義された本発明の範囲を限定することを目的としない以下の実施例を考慮して本発明を更に理解することができる。
【実施例】
【0112】
モノマー(A)の合成
[実施例1A]会合性基を有するジオール:1−[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]−2−イミダゾリジノンの調製
N−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン500g(3.87M)および50%次亜リン酸(触媒)水溶液0.2重量%を、予め洗浄して乾燥させたおよびアルコキシ化を行うために装備された6lのオートクレーブに投入する。反応媒体の良好な撹拌を確実に行うために、最小量のヒール(heel)は500gである。アミンの総アルカリ度(7.6meq/g)での測定およびアミンの含水量(500ppm)の測定により、アミンの特性を決定する。含水量は不純物の形成を制限するのに重要である。オートクレーブを閉じ、窒素による3回の緩やかな加圧/減圧により気相からの空気のパージを行う。最後のパージ中に、60℃の温度において試験で使用する圧力の20%超の圧力を印加することにより、アセンブリの気密性(leaktightness)を試験する。媒体の温度を80℃から90℃の範囲にし、窒素圧を2.2バール絶対に調整する。全体の圧力が3.5バールを超えないようにエチレンオキシド(EO)を導入してアミンのエトキシ化を開始させる。反応の開始は発熱に反映される。圧力を3.5バール近くに維持しつつ、合計で340g(7.73M)のEOを反応の発熱に依存する流量で導入する。全てのEOを導入する場合、圧力が安定するまでおよび窒素の残圧近くで反応が起こることできる。反応媒体を60℃に冷却する。その後、窒素でアセンブリをパージしおよび生成物を脱気することによりEOの残渣痕跡を生成物から除去する。
【0113】
内容物の排出後、淡黄色の粘着性液体生成物830gを得る。5mmのTXI(
1H/
13C/
31P)プローブを装備したBruker AV500分光計でNMR分析を行う。クロロホルムの滴下で試料を溶解させて
13Cで測定する。この分析により、1−[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]−2−イミダゾリジノンが該当することが分かる。
【0114】
【化5】
【0115】
【表1】
【0116】
[実施例1B]会合性基を有するジオール:1−(2−[ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]エチル)イミダゾリジン−2−オンの調製
エチレンオキシドをプロピレンオキシドに置き換えて実施例1Aを繰り返す。
【0117】
[実施例1C]会合性基を有するジオール:1−(2−[ビス(2−ヒドロキシブチル)アミノ]エチル)イミダゾリジン−2−オンの調製
エチレンオキシドをブチレンオキシドに置き換えて実施例1Aを繰り返す。
【0118】
[実施例1D]会合性基を有するジオール:1−(2−[ビス(2−ヒドロキシスチリル)アミノ]エチル)イミダゾリジン−2−オンの調製
エチレンオキシドをスチレンオキシドに置き換えて実施例1Aを繰り返す。
【0119】
[実施例1E]会合性基を有するジオール:ポリエトキシ化した、プロポキシ化したおよびブトキシ化したN−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オンの調製
エチレンオキシドを、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドの混合物に置き換えて実施例1Aを繰り返す。即ち、第1の試験1Eaでは様々なオキシドを混合物として同時に導入し、第2の試験1Ebでは様々なオキシドを連続して導入する。
【0120】
[実施例2A]会合性基を有する二酸:3,3’−{[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル]イミノ}ジプロパン酸の調製
【0121】
【化6】
【0122】
イソプロパノール200gおよび95%の純度のN−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン28.8g(0.2M)を、機械撹拌器、加熱、滴下漏斗および窒素で不活性の状態にするシステムを装備した500cm
3の反応器に投入する。媒体を60℃にし、次いで氷アクリル酸36g(0.5M)を緩やかに流し込む。混合物を2時間にわたって60℃で維持する。混合物を冷却してベージュ色の粉末をろ過により回収し、乾燥後の粉末の重量は40.8gである。単離収率は75%である。DSCで測定した融点は159から160℃である。NMR分析により、粉末が3,3’−{[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル]イミノ}ジプロパン酸であることが分かる。
【0123】
[実施例2B]会合性基を有する二酸:[2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチルイミノ]二酢酸の調製
【0124】
【化7】
【0125】
モノクロロ酢酸ナトリウム233g(2M)、水500gおよび水酸化バリウム171g(1M)を、機械撹拌器、加熱、滴下漏斗および窒素で不活性の状態にするシステムを装備した2000cm
3の反応器に投入する。溶液を0℃で維持する。水300g中のN−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン129g(1M)を滴下で流し込む。3時間にわたる周囲温度での維持後に、バリウム二塩([2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチルイミノ]二酢酸のバリウム塩)
201gをろ過で回収する。生成物を水中に再懸濁させ、98%硫酸で酸性化させる。必要に応じて、メタノールを添加して沈降を促進させる。このようにして、Koflerベンチ(Kofler bench)で測定した194℃と196℃との間の融点を示す[2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチルイミノ]二酢酸55gを回収する。
【0126】
[実施例2C]会合性基を有する二酸:[2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチルイミノ]二酢酸の調製
【0127】
【化8】
【0128】
モノクロロ酢酸ナトリウムをモノブロモ酢酸ナトリウムに置き換えて実施例2Bを繰り返す。
【0129】
[実施例3]会合性基を有するジニトリル:1−[2−[ビス(2−シアノエチル)アミノ]エチル]−2−イミダゾリジノンの調製
【0130】
【化9】
【0131】
N−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン129g(1M)および水2gを、自己吸引タービン(self−suction turbine)を備えた電磁式撹拌器、加熱用ジャケットおよび反応器のヘッドスペースを窒素で不活性の状態にするシステムを装備した500cm
3のオートクレーブに投入する。反応器のヘッドスペースを窒素で不活性の状態にし、次いで生成物を80℃にする。アクリロニトリル58g(1.1M)をポンプにより30分を超えて導入し、その後1時間にわたり混合物を撹拌し続ける。反応の2番目の段階のために、水9gに溶解したシュウ酸4.4g(0.048M)を導入する。オートクレーブを窒素でパージし、次いで、温度を130℃にした後に30分間、アクリロニトリル58g(1M)をポンプにより再び導入する。第3級アミンの形態において第1級アミンが非常に優勢であるまで反応を継続させる。その後、混合物を90℃に冷却し、窒素の除去を行なって水および過剰なアクリロニトリルを除去する。所期の生成物を95%の収率で得る。粗反応生成物をそのままで使用することができる。
【0132】
[実施例4]会合性基を有するトリアミン:1−[2−[ビス(3−アミノプロピル)アミノ]エチル]−2−イミダゾリジノンおよび対応するジイソシアネートの調製
【0133】
【化10】
【0134】
1−[2−[ビス(2−シアノエチル)アミノ]エチル]−2−イミダゾリジノン117.5g(0.5M)およびエタノール120gと、ラネーニッケル触媒9gとを、自己吸引タービンを備えた電磁式撹拌器、加熱用ジャケットおよび反応器のヘッドスペースを窒素で不活性の状態にするシステムを装備した500cm
3のオートクレーブに投入する。反応器のヘッドスペースを窒素で不活性の状態にする。オートクレーブの気密性を確認し、次いで周囲温度でアンモニア17g(1M)を導入する。反応媒体を50℃にする。その後、徐々に温度を80℃にしつつおよび150バールの全圧で水素を導入する。水素が消費されなくなるまで、これらの条件下で水素添加を継続する。反応媒体を50℃に冷却し、脱気して窒素によりパージする。触媒をろ別し、次いで溶媒を蒸発させる。トリアミンを80%の収率で得る。短経路スクレープド膜蒸留(short−path scraped film distillation)により精製を行う。
【0135】
従来の条件下で行われるCOCl
2の導入によるホスゲン化によって、合成されたモノマーの末端アミン官能基をイソシアネート官能基に変換することが可能となる。
【0136】
[実施例5]:会合性基を有するジニトリルおよび会合性基を有するトリアミンの調製
【0137】
【化11】
【0138】
N−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン129g(1M)および水2gを、機械撹拌器、加熱用ジャケット、滴下漏斗および窒素で不活性の状態にするシステムを装備した500cm
3の反応器に投入する。生成物を75から80℃にし、次いでメチレングルタロニトリル116g(1.1M)を緩やかに流し込む。反応を起こさせ、所与の第2級アミンへの第1級アミンの電位差滴定により反応をモニタリングする。反応の終了時に、ジニトリルを89%の収率で得る。生成物をそのままで使用することができる。
【0139】
得たN−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オンとメチレングルタロニトリル(MGN)との縮合生成物117.5g(0.5M)ならびにエタノール100gおよびラネーニッケル触媒9gを、自己吸引タービンを備えた電磁式撹拌器、加熱用ジャケットおよび反応器のヘッドスペースを窒素で不活性の状態にするシステムを装備した500cm
3のオートクレーブに投入する。反応器のヘッドスペースを窒素で不活性の状態にする。オートクレーブの気密性を確認し、次いで周囲温度でアンモニア17g(1M)を導入する。反応媒体を50℃にする。その後、徐々に温度を100℃にしつつおよび150バールの全圧で水素を導入する。水素の消費が止まるまで、これらの条件下で水素添加を継続する。反応媒体を50℃に冷却し、脱気して窒素によりパージする。触媒をろ別し、次いで溶媒を蒸発させる。トリアミンを92%の収率で得る。短経路スクレープド膜蒸留により精製を行う。
【0140】
[実施例6]会合性基を有するジニトリルおよび会合性基を有するエーテルジアミンの調製
【0141】
【化12】
【0142】
N−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリジン−2−オン130g(1M)および水酸化カリウムペレット2gを、機械撹拌器、加熱用ジャケット、滴下漏斗および窒素で不活性の状態にするシステムを装備した500cm
3の反応器に投入する。生成物を80℃にし、次いでメチレングルタロニトリル116g(1.1M)を緩やかに流し込む。反応の終了時に、実質的にメチレングルタロニトリルがもうない場合、酸で触媒を中和する。所期のジニトリルを95%の収率で得る。生成物をそのままで使用することができ、または過剰なメチレングルタロニトリルから生成物を分離するための蒸留により精製することができる。
【0143】
得たN−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリジン−2−オンとメチレングルタロニトリル(MGN)との縮合生成物118g(0.5M)ならびにエタノール100gおよびラネーニッケル触媒9gを、自己吸引タービンを備えた電磁式撹拌器、加熱用ジャケットおよび反応器のヘッドスペースを窒素で不活性の状態にするシステムを装備した500cm
3のオートクレーブに投入する。反応器のヘッドスペースを窒素で不活性の状態にする。オートクレーブの気密性を確認し、次いで周囲温度でアンモニア17g(1M)を導入する。反応媒体を50℃にする。その後、徐々に温度を100℃にしつつおよび150バールの全圧で水素を導入する。水素の消費が止まるまで、これらの条件下で水素添加を継続する。反応媒体を50℃に冷却し、脱気して窒素によりパージする。触媒をろ別し、次いで溶媒を蒸発させる。エーテルジアミンを90%の収率で得る。短経路スクレープド膜蒸留により精製を行う。
【0144】
重縮合体の合成
実施例1で合成したジオール(モノマー(A))およびアジピン酸(モノマー(C))から、重縮合体(ポリエステル)の合成に関する試験を行った。
【0145】
実施例1で得たジオール(モノマー(A))およびアジピン酸(モノマー(C))を窒素下において当モル量で、可変速撹拌モーター、反応物質、窒素などの不活性ガスおよび測定プローブ(例えば温度プローブ)の導入が可能な注入口、真空にするシステム(真空ポンプ、真空トラップ等)に接続され得る蒸気の凝縮/取り出し用のシステムならびに熱交換流体、例えば恒温槽のオイルの循環により反応器の内容物の加熱または冷却が可能なジャケットを装備した500cm
3のガラス反応器に投入する。生じた水を蒸留し、Dean&Stark装置によって連続して回収する。水の蒸留が停止するまで反応を継続させる。得られたポリエステルを溶融状態で反応器から取り出す。