(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、比較的平滑な表面を有する金属板、すなわち平均表面粗さRa
(金属板)が0.40μm以下である金属板と、当該金属板上に形成された、無機材料からなる塗膜と、を有する塗装金属板に関する。当該金属塗装板は、例えばエレベータのドア材や操作パネル、家電製品の外板、家具や調度品、建材等に適用可能である。
【0014】
前述のように、金属板の耐汚染性を高めること等を目的として、金属板表面に無機材料からなる塗膜を形成することが検討されている。しかしながら、表面平滑性の高い金属板表面に無機材料からなる塗膜を形成すると、金属板表面で反射した光と、塗膜表面で反射した光とが干渉しやすく、干渉模様が生じやすかった。一方で、塗膜の厚みを厚くし、干渉模様を抑制すると、金属板由来の質感が損なわれやすく、意匠性が低下しやすかった。
【0015】
これに対し、本発明者らは、金属板表面に形成される塗膜の平均厚みtと、塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)とが、所定の関係を満たすことで、塗膜が薄くても干渉模様が生じ難くなり、意匠性に優れた塗装金属板が得られることを見出した。具体的には、塗膜の平均厚みt、および塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)が、以下の式(1)を満たす場合に、干渉模様が生じ難くなる。
Ra
(塗膜)≧0.03/t+0.15 (1)
なお、塗膜の平均厚みtは0.2μm以上3.0μm以下である。
【0016】
塗膜の平均厚みtおよび塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)が、上記式(1)を満たすことで、干渉模様が生じ難くなる理由は、以下の通りである。金属板上に形成された塗膜の厚みtが薄いほど、金属板表面で反射した光と、塗膜表面で反射した光とが干渉しやすく、干渉模様が生じやすくなる。そこで、本発明の塗装金属板では、塗膜の厚みtが薄いほど、塗膜の表面の表面粗さRa
(塗膜)が大きくなるように塗膜を形成する。塗膜表面が適度な凹凸を有することで、塗膜表面で反射する光の方向や、金属板表面で反射され、塗膜表面から出射する光の方向がばらつきやすくなる。その結果、塗膜表面で反射する光および金属板表面で反射する光が干渉し難くなり、干渉模様が生じ難くなる。
【0017】
ここで、当該塗膜の平均厚みt、および塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)は、下記式(2)をさらに満たすことが好ましい。塗膜の平均厚みt、および塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)が式(2)を満たすと、さらに干渉模様が生じ難くなる。
Ra
(塗膜)≧0.08/t+0.12 (2)
【0018】
ただし、塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)が過度に大きいと、塗装金属板の光沢感等が失われ、意匠性が低下することがある。そこで、塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)の上限値は、0.8μmであることが好ましく、0.4μmであることがより好ましい。
【0019】
また、塗膜の平均厚みtは、0.2μm以上3.0μm以下であればよいが、0.2〜1.0μmであることがより好ましい。塗膜の平均厚みtが過度に厚くなると、塗装金属板において、金属板由来の質感が損なわれやすくなる。これに対し、塗膜の平均厚みtが3.0μm以下であれば、塗膜の光透過性が良好となり、意匠性の高い塗装金属板が得られやすくなる。また、塗膜が、上記平均表面粗さRa
(塗膜)を有する場合、塗膜の平均厚みtが0.2μm以上であると、金属板表面に塗膜が隙間なく形成されやすくなり、塗装金属板の耐食性が良好になりやすい。
【0020】
なお、金属板の平均表面粗さRa
(金属板)、および塗膜表面の平均表面粗さRa
(塗膜)はそれぞれ、JIS B0601:2001に準拠して測定される値であり、公知の表面粗さ測定機等によって測定することが可能である。また、塗膜の平均厚みtは、塗装金属板を任意に切り出し、断面を観察することにより測定される。具体的には、塗装金属板から切り出した試験片を樹脂で包埋後、研磨等で適当な断面を作製する。さらにイオンミリング加工等で高精度の観察断面を作製する。そして、任意の10箇所について、SEMやTEMで観察し、10箇所の厚みの平均を、平均厚みtとする。
【0021】
本発明の塗装金属板において、塗膜は、金属板の一方の面のみに形成されていてもよく、両方の面に形成されていてもよい。また塗膜は、金属板の一部の領域のみに形成されていてもよく、金属板の一方の面もしくは両面の全ての領域に形成されていてもよい。
【0022】
また、塗装金属板の塗膜を有する任意の10箇所の、1mm
2当たりの塗膜被覆率の平均値(以下、「平均塗膜被覆率」とも称する)は95%以上であることが好ましく、金属板上に隙間なく形成されていることが特に好ましい。なお、塗膜被覆率を特定する領域(1mm
2)の形状は特に制限されず、例えば正方形や長方形等の矩形状、円形状等、いずれの形状であってもよいが、通常は矩形状である。平均塗膜被覆率は、以下の方法で特定される。
【0023】
SEM(走査型電子顕微鏡)/EDS(エネルギー分散型X線分光法)にて、塗膜が形成されている領域のうち、任意の10箇所(1mm
2の領域)について、Si元素分布を測定する。続いて、得られたSiの分布画像を画像処理ソフトで2値化する。2値化に際しては、塗膜非形成部(金属板)のSi検出値を基準とし、僅かでもSiが増加している領域を塗膜が存在する領域として処理する。そして、得られる2値化画像から、Siが増加している領域(塗膜が存在する領域)の画素数を、全画素数で除し、塗膜被覆率を算出する。そして、これらの塗膜被覆率の平均値を、平均塗膜被覆率とする。
【0024】
ここで、金属板は、平均表面粗さRa
(金属板)が0.40μm以下である金属板であればよく、平均表面粗さRa
(金属板)は、より好ましくは0.05〜0.35μmである。このような金属板としては、例えばSUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼や、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼を用いることができる。機械的強度が要求される用途では、オーステナイト系、フェライト系ステンレス鋼を冷間圧延で加工硬化した材料や、SUS410、SUS420系等のマルテンサイト系ステンレス鋼板や、SUS631等の析出強化型ステンレス鋼板を使用することが好ましい。また、ステンレス鋼板以外に、銅、炭素鋼、鉄−ニッケル系合金、各種めっき鋼板、アルミ板を用いてもよい。
【0025】
これらの金属板は、常法に従って表面加工がなされたものであってもよい。金属板は、例えば、BA仕上げや鏡面仕上げ等、平滑な表面仕上げを施したものであってもよく、意匠性や機能性のためにHL仕上げ等、直線状の研磨加工を施したものであってもよい。また、バイブレーション研磨等、曲線状の研磨加工を施したものであってもよく、ドット状の凹凸加工を施したもの等であってもよい。さらに、酸化発色やスパッタリング着色等、各種手法によって着色したものであってもよい。
【0026】
一方、塗膜は、実質的に組成式K
2O・xSiO
2(3.5≦x<6.8)で表される組成物からなり、ケイ酸カリウム(K
2O・nSiO
2(2≦n≦4)とコロイダルシリカ(SiO
2)との混合液を塗布・乾燥して得られる膜とすることができる。なお、上記組成式K
2O・xSiO
2は、塗膜中での元素の状態を示すものではなく、構成元素の比を示すものである。塗膜中では通常、SiO
2がシロキサン結合を形成している。一方、カリウムは、カリウムイオンとなり、シロキサン結合していないシリケートイオンと電気的に引き合って存在している。
【0027】
上記組成式中のxで表される、酸化カリウム(K
2O)に対する酸化ケイ素(SiO
2)の割合は、3.5以上6.8未満であればよいが、3.8以上5.2以下であることがより好ましい。xで表される値が3.5未満であると、カリウムイオンが塗膜表面に過剰に溶出し、溶出したカリウムイオンが大気中の二酸化炭素と反応として炭酸塩となり析出する白華現象が生じやすくなる。一方、xで表される値が6.8以上であると、塗膜形成時に、コロイダルシリカを多量に混合する必要がある。その結果、造膜性が低下し、膜として十分な強度を有さないことがある。なお、上記塗膜の組成は、ケイ酸カリウムとコロイダルシリカとの混合比等によって調整することができる。また上記塗膜の組成は、EDS、XRF、EPMA等で確認することができ、XPS、IR等によりSiの化学結合状態を確認することができる。
【0028】
本発明の塗装金属板では、塗膜が組成式K
2O・xSiO
2(3.5≦x<6.8)で表される組成物からなるため、耐汚染性が高い。その理由は、以下のように推察される。上記組成物からなる塗膜では、表面にカリウムが微溶出する。そして、カリウムイオンが、大気中の水分と水和し、大気中の水分を引き寄せる。その結果、塗装金属板の表面全体が薄い水膜で覆われる。したがって、塗装金属板表面に皮脂や油性インク等の油汚れが付着したとしても、汚れが水膜上に浮いた状態となり、拭き取り等によって容易に汚れを除去することが可能となる。
【0029】
また一般に、塗装金属板表面に汚れが付着してから時間が経過すると、汚れの一部の成分が塗膜や金属板に含浸し、汚れの除去が困難となることがある。これに対し、本発明での塗装金属板では、表面に十分な厚みの水膜が存在するため、汚れ成分が塗装金属板に浸透し難い。さらに、塗膜の親水性が高いことから、塗装金属板表面と汚れとの間に水が浸透しやすい。したがって、水拭き等によって塗装金属板表面に付着した汚れを剥離することが可能となる。塗膜の親水性は、塗膜表面に微溶出するカリウムイオンの高い水和性、およびシラノール基の親水性によって発現すると考えられる。
【0030】
ここで、上記塗膜は、金属板上にケイ酸カリウムおよびコロイダルシリカの混合液を、後述する方法で塗布し、乾燥させることで得られる。なお、塗膜を形成するためのケイ酸カリウムおよびコロイダルシリカは、一般試薬であってもよく、工業用薬品であってもよい。ケイ酸カリウムの市販品の例には、日本化学工業社製の「Aケイ酸カリ」や「2Kケイ酸カリ」、富士化学社製の「2号ケイ酸カリ」、日産化学社製の「スノーテックスK2」等が含まれる。一方、コロイダルシリカの市販品の例には、ADEKA社製の「アデライトAT」や、日産化学社の「スノーテックス」、日本化学工業社の「シリカドール」が含まれる。また、塗膜形成用の混合液には、ケイ酸カリウムおよびコロイダルシリカと共に、必要に応じて溶剤、レベリング剤、消泡剤等を添加してもよい。
【0031】
塗膜形成用の混合液の塗布方法は、塗膜の平均厚みtおよび塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)が式(1)を満たすように塗膜を形成可能であれば制限されない。ただし、一般的な塗布法(例えば、ロールコート法や、カーテンフローコート法、バーコート法、スプレー法等)により、混合液を金属板上に塗布するのみでは、混合液がレベリングしやすく、平均厚みtおよび平均表面粗さRa
(塗膜)が上記式(1)を満たす塗膜を得ることは難しい。
【0032】
ここで、上記式(1)を満たす塗膜を得る手法の一例として、霧化スプレー法を採用し、上記混合液を、複数回に分けて塗布・乾燥させる方法が挙げられる。霧化スプレー法によれば、従来のスプレー法よりもスプレー吐出ノズルから放たれる混合液の粒径を小さく制御(霧化)することができ、鋼板に混合液が着弾した(塗布された)際のレベリングを抑制することができる。また、塗装1回当たりの塗布量を少なくできることから厚みを制御(薄く)しやすくなり、塗布および乾燥の繰返し回数を増やすことができる。そして、混合液の少量塗布および乾燥を繰り返すことで、次第に平均表面粗さRa
(塗膜)が大きくなり、上述の式(1)を満たす塗膜が形成される。
【0033】
また、金属板上に塗布する混合液中の不揮発成分(ケイ酸カリウムおよびコロイダルシリカ)の量を少なくし、混合液の塗布および乾燥を繰返し行う方法も挙げられる。混合液中の不揮発成分の量が少ない場合、塗布1回当たりの実質塗膜形成成分を少なくできる。これにより、厚みを制御(薄く)しやすくなり、塗布および乾燥の繰返し回数を増やすことができる。そして、このような混合液の塗布および乾燥を繰り返すことで、次第に平均表面粗さRa
(塗膜)が大きくなり、上述の式(1)を満たす塗膜が形成される。この場合、混合液中の不揮発成分量は、所望の塗膜の厚みtや平均表面粗さRa
(塗膜)に応じて適宜選択されるが、混合液の総量に対して、例えば4質量%未満とすることができる。
【0034】
また、混合液の乾燥時間や乾燥温度は、混合液に含まれる溶剤の量や種類に応じて適宜選択される。
【0035】
霧化スプレー法を採用する場合、その塗装回数は、塗装1回当たりの塗布量(スプレー時間)の調整と、目標とする塗膜の平均厚みtや平均表面粗さRa
(塗膜)に応じて適宜選択されるが、通常2〜20回程度であることが好ましく、4〜12回程度であることがより好ましい。
【0036】
霧化スプレー法により、上述の塗膜を形成する方法の一例として、金属板をコンベア等により微速で搬送しつつ、霧化スプレーガンを金属板の進行方向と垂直に往復運動させる方法が挙げられる。当該方法によれば、塗膜を効率良く、連続的に形成することが可能となる。
【0037】
さらに、ロールコート法により混合液の塗布を行った後、霧化スプレー法で混合液をさらにオーバーコートする方法を採用することもできる。従来、ロールコート単独では所望の塗膜の厚みtで上記式(1)を満たす平均表面粗さRa
(塗膜)を得ることが難しいが、霧化スプレー法によるオーバーコートを行うことで表面粗さが付与できる。当該方法によれば、ロールコートの特徴である均一塗布性により金属板表面に隙間なく塗膜を形成することが可能となる。したがって、当該方法によれば、耐食性の高い塗装金属板が得られやすくなる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されない。
【0039】
以下の方法により、塗装金属板を作製し、それぞれについて、表面の耐汚染性、および干渉模様の有無を確認した。なお、金属板は、以下の表1に示す金属板A〜Fを用いた。
【0040】
【表1】
【0041】
[混合液の調製]
ケイ酸カリウム(富士化学社製、商品名 2号ケイ酸カリ、K
2O・nSiO
2、n=3.61)およびコロイダルシリカ(日本化学工業社製、商品名シリカドール)を固形分換算で100:13.3の質量比で混合し、混合液を得た。このときの不揮発成分(ケイ酸カリウムおよびコロイダルシリカ)の濃度は、3質量%とした。
【0042】
[混合液の塗布]
金属板A〜Fに、表2に示す方法(ロールコート法、スプレーコート法、および/または霧化スプレー法)で混合液を塗布した。また、各方法による混合液の塗布回数を表2に示す。
また、得られた塗膜の平均厚みtを以下のように測定した。まず、塗装金属板を切り出し、切り出した試験片を樹脂で包埋後に研磨よって断面を作製した。さらにイオンミリング加工等で高精度の観察断面を作製して任意の10箇所について、SEMで観察した。そして、測定された10箇所の厚みの平均を、平均厚みtとした。また、得られた塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)を、JIS B0601:2001に準拠して、東京精密社製の表面粗さ測定機サーフコム130Aを用いて測定した。測定された値を表2に示す。また、塗膜の平均厚みtおよび塗膜の平均表面粗さRa
(塗膜)が、下記式(1)または式(2)をそれぞれ満たすか否かを評価した。表2の評価において、式(1)または(2)を満たす場合は〇、満たさない場合は×とした。
Ra
(塗膜)≧0.03/t+0.15 (1)
Ra
(塗膜)≧0.08/t+0.12 (2)
【0043】
[評価]
各実施例および比較例で得られた塗装金属板について、干渉模様の有無の確認、および油性インク除去試験(耐汚染性)を行った。結果を表2に示す。
【0044】
(1)干渉模様の確認
干渉模様の有無は、標準光源下で目視にて評価した。標準光源装置には、X−Rite社製、商品名:マクベスJudgeIIを用いた。また、参照光は、TL84とした。干渉模様は、以下のような基準で評価した。
〇:発生なし(意匠への影響:なし)
△:僅かに発生(意匠への影響:軽微)
×:著しい発生(意匠への影響:有り)
【0045】
(2)油性インク除去試験(耐汚染性)
実施例および比較例で得られた塗装金属板に、油性マーカー(寺西化学工業製、商品名:マジックインキ(登録商標)No.700黒)で描画した。そして、描画部分の油性インクを、描画から1分後および1時間後に、水を含浸させた布(旭化成社製、商品名:ベンコットM3−II)で拭き取り、水拭き後の油性インクの痕跡の程度を評価した。油性インクの痕跡は、以下のような基準で評価した。
◎:痕跡なし(除去率100%)
〇:極僅かな痕跡有り(除去率90%以上〜100%未満)
△:痕跡有り(除去率5%以上〜90%未満)
×:殆ど除去されない(除去率5%未満)
【0046】
【表2】
【0047】
表2に示すように、塗膜の平均厚みtおよび平均表面粗さRa
(塗膜)が、上述の式(1)を満たさない場合(評価が×である場合)には、干渉模様が生じたのに対し(No.2、3、18、24、および25)、式(1)を満たす場合(評価が〇である場合)には、干渉模様が生じ難かった(No.4〜12、14〜16、19〜23、および26)。塗膜表面に十分な凹凸が形成されることで、金属板表面で反射した光と塗膜表面で反射した光とが干渉し難くなったと推察される。また特に、塗膜の平均厚みtおよび平均表面粗さRa
(塗膜)が、上述の式(2)を満たす場合(評価が〇である場合)には、干渉模様が発生しなかった(No.7〜12、14〜16、21〜23、および26)。ただし、塗膜の平均厚みtが3.0μmを超えると、金属板由来の質感が失われた(No.26)。また、金属板の表面粗さRa
(金属板)が4.0μmを超える場合にも、塗装後の表面粗さが上述の式(1)を満たさなくとも干渉模様が生じなかった(No.13)。
【0048】
また、塗膜を形成しなかった場合には、油性インク試験にて、油性インク痕を除去できなかった(No.1)。これに対し、塗膜を形成することで、いずれも油性インクを除去することができた(No.2〜16、および18〜26)。ただし、塗膜を構成する組成物について、組成式K
2O・xSiO
2のxが3.5未満となると、白華が生じ、塗装金属板の意匠性が低下した(No.16)。一方で、xが6.8以上であると、造膜できなかった(No.17)。さらに、塗膜の平均厚みが0.2μm未満であると、塗膜被覆率が92%と低くなり、耐食性が低下した(No.25)。
(3.5≦x<6.8)で表される組成物からなり、平均厚みtが0.2μm以上3.0μm以下である塗膜と、を有する。前記塗膜の平均厚みtおよび前記塗膜の平均表面粗さRa