特許第6043890号(P6043890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6043890Webページの編集のためのデータ処理システム、データ処理装置、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043890
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】Webページの編集のためのデータ処理システム、データ処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   G06F13/00 560A
【請求項の数】14
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-502552(P2016-502552)
(86)(22)【出願日】2014年11月11日
(86)【国際出願番号】JP2014079896
(87)【国際公開番号】WO2016075762
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2016年1月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506169506
【氏名又は名称】株式会社シンメトリック
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂田 和敏
(72)【発明者】
【氏名】中西 準
(72)【発明者】
【氏名】江頭 慎太郎
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−055324(JP,A)
【文献】 特開2004−038283(JP,A)
【文献】 特表2010−508607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webブラウザと、前記Webブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバと、記憶装置とを備えるデータ処理システムであって、
前記Webブラウザと前記プロキシサーバと前記記憶装置は、1つの装置に配置され、もしくは、2以上の装置に分散配置され、
前記Webブラウザと前記プロキシサーバは互いに接続され、
前記記憶装置は前記Webブラウザおよび前記プロキシサーバの各々に接続され、
前記Webブラウザは、通常モードと編集モードのいずれかで動作し、
前記Webブラウザは、前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在のモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを取得するモード指示データ取得手段を備え、
前記プロキシサーバは、前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得し、当該表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す表示指示データ取得手段を備え、
前記Webブラウザは、前記表示指示データ取得手段が前記要求に応じて取得した表示指示データの記憶を予め定められた記憶装置に指示する記憶指示手段を備え、
前記モード指示データ取得手段は、前記Webブラウザに対する前記ユーザの操作に応じて生成され、表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記ユーザにより指定されたコンポーネントを示すコンポーネント指定データを取得し、
前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが通常モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得し、
前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが編集モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記モード指示データ取得手段が取得したコンポーネント指定データが示すコンポーネントを前記記憶装置から取得し、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記モード指示データ取得手段が取得したコンポーネント指定データが示さないコンポーネントをWebサーバから取得する
データ処理システム。
【請求項2】
前記モード指示データ取得手段は、前記Webブラウザから、前記コンポーネント指定データを含む前記モード指示データを取得する
請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記表示指示データ取得手段は、表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記Webブラウザからの要求に応じて最初に前記Webブラウザに引き渡すコンポーネントである文書データに従い前記Webブラウザから引き渡される前記コンポーネント指定データを取得する
請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記表示指示データ取得手段は、表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記Webブラウザからの要求に応じて最初に前記Webブラウザに引き渡すコンポーネントである文書データに、前記Webブラウザから取得した前記モード指示データを含めた後、前記モード指示データを含む文書データを前記Webブラウザに引き渡す
請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
Webブラウザと、前記Webブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバと、記憶装置とを備えるデータ処理システムであって、
前記Webブラウザ、前記プロキシサーバ、および前記記憶装置は、1つの装置に配置され、もしくは、2以上の装置に分散配置され、
前記Webブラウザと前記プロキシサーバは互いに接続され、
前記記憶装置は前記Webブラウザおよび前記プロキシサーバの各々に接続され、
前記Webブラウザは、通常モードと編集モードのいずれかで動作し、
前記Webブラウザは、前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在のモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを取得するモード指示データ取得手段を備え、
前記プロキシサーバは、前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得し、当該表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す表示指示データ取得手段を備え、
前記Webブラウザは、前記表示指示データ取得手段が前記要求に応じて取得した表示指示データの記憶を予め定められた記憶装置に指示する記憶指示手段を備え、
前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが通常モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得し、
前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが編集モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち予め定められた条件を満たすコンポーネントを前記記憶装置から取得し、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記条件を満たさないコンポーネントをWebサーバから取得する
データ処理システム。
【請求項6】
前記プロキシサーバまたは前記Webブラウザは、前記ユーザにより指示された、表示指示データに対する変更を示す変更指示データを取得する変更指示データ取得手段を備え、
前記プロキシサーバまたは前記Webブラウザは、前記表示指示データ取得手段により取得された表示指示データに対し、前記変更指示データ取得手段により取得された変更指示データに従い変更を加える変更手段を備え、
前記表示指示データ取得手段は、前記Webブラウザからの要求に応じて、前記変更手段により変更の加えられた表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
前記プロキシサーバは、前記Webブラウザとともに端末装置に配置される仮想プロキシサーバである
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
Webブラウザと記憶装置の各々に接続され、前記Webブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバであって、
前記Webブラウザは、通常モードと編集モードのいずれかで動作し、
前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在の前記Webブラウザのモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを前記Webブラウザから取得するモード指示データ取得手段と、
前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得し、当該表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す表示指示データ取得手段と
を備え、
前記モード指示データ取得手段は、前記Webブラウザに対する前記ユーザの操作に応じて生成され、表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記ユーザにより指定されたコンポーネントを示すコンポーネント指定データを前記Webブラウザから取得し、
前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが通常モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得し、
前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが編集モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記モード指示データ取得手段が取得したコンポーネント指定データが示すコンポーネントを前記記憶装置から取得し、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記モード指示データ取得手段が取得したコンポーネント指定データが示さないコンポーネントをWebサーバから取得する
プロキシサーバ。
【請求項9】
Webブラウザと記憶装置の各々に接続され、前記Webブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバであって、
前記Webブラウザは、通常モードと編集モードのいずれかで動作し、
前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在の前記Webブラウザのモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを前記Webブラウザから取得するモード指示データ取得手段と、
前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得し、当該表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す表示指示データ取得手段と
を備え、
前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが通常モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得し、
前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが編集モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち予め定められた条件を満たすコンポーネントを前記記憶装置から取得し、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記条件を満たさないコンポーネントをWebサーバから取得する
プロキシサーバ。
【請求項10】
前記ユーザにより指示された、表示指示データに対する変更を示す変更指示データを取得する変更指示データ取得手段と、
前記表示指示データ取得手段により取得された表示指示データに対し、前記変更指示データ取得手段により取得された変更指示データに従い変更を加える変更手段と
を備え、
前記表示指示データ取得手段は、前記Webブラウザからの要求に応じて、前記変更手段により変更の加えられた表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す
請求項8または9に記載のプロキシサーバ。
【請求項11】
通常モードと編集モードのいずれかで動作するWebブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバとして機能するコンピュータであって、前記Webブラウザと記憶装置の各々に接続されたコンピュータに、
前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在の前記Webブラウザのモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを前記Webブラウザから取得する処理と、
前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得する処理と、
前記Webブラウザに前記表示指示データを引き渡す処理と
を実行させ、
前記モード指示データが通常モードを示している場合、前記表示指示データを取得する処理において、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得させ、
前記モード指示データが編集モードを示している場合、前記表示指示データを取得する処理より前に、取得する表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記ユーザにより指定されたコンポーネントを示すコンポーネント指定データを取得させ、前記表示指示データを取得する処理において、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記コンポーネント指定データが示すコンポーネントを前記記憶装置から取得させ、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記コンポーネント指定データが示さないコンポーネントをWebサーバから取得させる
ためのプログラム。
【請求項12】
通常モードと編集モードのいずれかで動作するWebブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバとして機能するコンピュータであって、前記Webブラウザと記憶装置の各々に接続されたコンピュータに、
前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在の前記Webブラウザのモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを前記Webブラウザから取得する処理と、
前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得する処理と、
前記Webブラウザに前記表示指示データを引き渡す処理と
を実行させ、
前記モード指示データが通常モードを示している場合、前記表示指示データを取得する処理において、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得させ、
前記モード指示データが編集モードを示している場合、前記表示指示データを取得する処理において、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち予め定められた条件を満たすコンポーネントを前記記憶装置から取得させ、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記条件を満たさないコンポーネントをWebサーバから取得させる
ためのプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、
前記ユーザにより指示された、表示指示データに対する変更を示す変更指示データを取得する処理と、
前記表示指示データを取得する処理において取得した表示指示データに対し、前記変更指示データに従い変更を加える処理と
を実行させ、
前記Webブラウザに前記表示指示データを引き渡す処理において、前記変更を加える処理において変更を加えた表示指示データを前記Webブラウザに引き渡させる
ための請求項11または12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを前記Webブラウザとして機能させる
ための請求項11乃至13のいずれか1項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置においてWebページを編集するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置において実行されるWebブラウザによって、HTMLデータや当該HTMLデータにより参照される画像データ等をWebサーバから取得し、取得したこれらのデータにより指示されるWebページを表示する技術が広く利用されている。
【0003】
Webブラウザに対し、Webページの表示を指示するデータ(以下、本願において「表示指示データ」という)には、HTML、XML、XHTML等の言語で記述されたWebページの基本構成を指示する文書データ、Webページに埋め込まれる画像(静止画、動画)等を示すコンテンツデータ、CSS、DSSSL、XSL等の言語で記述されたWebページの外観を指示するスタイルシート、JavaScript(「JAVASCRIPT」は日本国における登録商標)、VBScript、DHTML等の言語で記述されたWebページに対する各種操作を指示するスクリプトなど、複数の種類のコンポーネントで構成される。なお、スタイルシートやスクリプトはテキストデータであるため、文書データの一部としてWebサーバからWebブラウザに配信されることもある。
【0004】
WebブラウザがWebサーバから過去に取得した表示指示データのコンポーネントを再利用する技術がある。例えば、特許文献1には、Webブラウザが過去にWebサーバから取得した文書データにより参照され、取得済みのスクリプトをローカルの記憶部に記憶しておき、Webブラウザが再度、同じWebページの表示を行う際、Webサーバから再度取得した文書データにより参照されるスクリプトを外部のWebサーバから再度取得する代わりに、ローカルの記憶部から取得して用いる仕組みが記載されている。このように、Webサーバから取得した文書データにより参照されるコンポーネントを再利用のためにローカルの記憶部に記憶しておく技術は、同じURIに応じたWebページの再表示における高速化を目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−059060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
稼働中のWebサーバに記憶されているWebページの表示指示データに変更を加えることなく、Webブラウザにおいて表示されるWebページの表示内容に変更を加えたい場合がある。例えば、サービス中の環境でしか検証できない状況下でWebページの内容を刷新したい場合や、PC用のWebページが配信されている状況下で当該PC用のWebページと連動するスマートフォン用のWebページを開発したい場合などがその例である。
【0007】
上記のニーズを満たす方法として、Webブラウザからの要求に応じてWebサーバからWebブラウザに文書データが配信される途中で、当該文書データに対し変更を加える方法がある。この方法による場合、開発者はWebサーバからWebブラウザに配信される途中で文書データに加えられる変更を指示する変更指示データを開発する。この方法によれば、WebブラウザはWebサーバに記憶されている文書データとは異なる変更後の文書データに従いWebページの表示を行う。そのため、Webサーバに記憶されているデータは維持された状態で、Webブラウザにおいて表示されるWebページの表示内容が異なったものとなる。
【0008】
また、上記のニーズを満たす他の方法として、文書データにより参照されてWebページの表示に用いられる画像データ、スクリプト、スタイルシート等のデータ(以下、これらのデータを「リソースデータ」と総称する)を置換する方法がある。この方法による場合、開発者は置換用のリソースデータ(オリジナルのリソースデータと置換されるリソースデータ)を開発する。この方法によれば、WebブラウザがWebサーバから取得した文書データに従いWebサーバからリソースデータを取得する際、置換用のリソースデータが取得される。その結果、Webサーバに記憶されているデータは維持された状態で、Webブラウザにおいて表示されるWebページの表示内容が異なったものとなる。
【0009】
前者の方法による場合、開発者は開発中の変更指示データに従い変更された文書データに応じて表示されるWebページの表示内容を確認する、という検証作業を繰り返す必要がある。後者の方法による場合、開発者は開発中の置換用のリソースデータを用いて表示されるWebページの表示内容を確認する、という検証作業を繰り返す必要がある。
【0010】
Webサーバから配信される文書データが動的に変化する場合がある。すなわち、同じURIに応じてWebサーバから配信される文書データであっても、表示回数や表示時刻、要求時のGETデータやPOSTデータの内容等の諸条件によってそれらの内容が異なる場合がある。このようにWebサーバから配信される文書データの再現性が乏しいと、開発中の変更指示データや置換用のリソースデータの検証作業が困難となる。
【0011】
また、同じWebページの配信回数に上限がある場合がある。例えば、商品注文の購入完了ページなどは、通常、Webサーバからの配信回数が1回に限られており、同じWebページを再表示することができない。このように配信回数に上限の設けられたWebページに関しては、配信回数の上限を超えると文書データが取得できず、上記の検証作業を継続できない。
【0012】
また、Webページの配信回数に応じて課金が発生する場合もある。この場合、上記の検証作業のためにWebページのテスト表示を行う毎に課金が発生し、開発コストが嵩む。
【0013】
上述の背景に鑑み、本発明は、Webページの開発者がWebページの表示内容に変更を加える作業を容易にするための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明は、Webブラウザと、前記Webブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバと、記憶装置とを備えるデータ処理システムであって、前記Webブラウザと前記プロキシサーバと前記記憶装置は、1つの装置に配置され、もしくは、2以上の装置に分散配置され、前記Webブラウザと前記プロキシサーバは互いに接続され、前記記憶装置は前記Webブラウザおよび前記プロキシサーバの各々に接続され、前記Webブラウザは、通常モードと編集モードのいずれかで動作し、前記Webブラウザは、前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在のモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを取得するモード指示データ取得手段を備え前記プロキシサーバは、前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得し、当該表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す表示指示データ取得手段を備え前記Webブラウザは、前記表示指示データ取得手段が前記要求に応じて取得した表示指示データの記憶を予め定められた記憶装置に指示する記憶指示手段を備え、前記モード指示データ取得手段は、前記Webブラウザに対する前記ユーザの操作に応じて生成され、表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記ユーザにより指定されたコンポーネントを示すコンポーネント指定データを取得し、前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが通常モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得し、前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが編集モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記モード指示データ取得手段が取得したコンポーネント指定データが示すコンポーネントを前記記憶装置から取得し、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記モード指示データ取得手段が取得したコンポーネント指定データが示さないコンポーネントをWebサーバから取得するデータ処理システムを第1の態様として提供する。
【0015】
上記の第1の態様にかかるデータ処理システムにおいて、前記モード指示データ取得手段は、前記Webブラウザから、前記コンポーネント指定データを含む前記モード指示データを取得する、という構成が第2の態様として採用されてもよい。
【0016】
また、上記の第1の態様にかかるデータ処理システムにおいて、前記表示指示データ取得手段は、表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記Webブラウザからの要求に応じて最初に前記Webブラウザに引き渡すコンポーネントである文書データに従い前記Webブラウザから引き渡される前記コンポーネント指定データを取得する、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
【0017】
また、上記の第の態様にかかるデータ処理システムにおいて、前記表示指示データ取得手段は、表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記Webブラウザからの要求に応じて最初に前記Webブラウザに引き渡すコンポーネントである文書データに、前記Webブラウザから取得した前記モード指示データを含めた後、前記モード指示データを含む文書データを前記Webブラウザに引き渡す、という構成が第4の態様として採用されてもよい。
【0018】
また、本発明は、Webブラウザと、前記Webブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバと、記憶装置とを備えるデータ処理システムであって、前記Webブラウザ、前記プロキシサーバ、および前記記憶装置は、1つの装置に配置され、もしくは、2以上の装置に分散配置され、前記Webブラウザと前記プロキシサーバは互いに接続され、前記記憶装置は前記Webブラウザおよび前記プロキシサーバの各々に接続され、前記Webブラウザは、通常モードと編集モードのいずれかで動作し、前記Webブラウザは、前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在のモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを取得するモード指示データ取得手段を備え前記プロキシサーバは、前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得し、当該表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す表示指示データ取得手段を備え前記Webブラウザは、前記表示指示データ取得手段が前記要求に応じて取得した表示指示データの記憶を予め定められた記憶装置に指示する記憶指示手段を備え、前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが通常モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得し、前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが編集モードを示している場合、前記要求に応じ表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち予め定められた条件を満たすコンポーネントを前記記憶装置から取得し、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記条件を満たさないコンポーネントをWebサーバから取得するデータ処理システムを第5の態様として提供する。
【0019】
また、上記の第1乃至第5のいずれかの態様にかかるデータ処理システムにおいて、前記プロキシサーバまたは前記Webブラウザは、前記ユーザにより指示された、表示指示データに対する変更を示す変更指示データを取得する変更指示データ取得手段を備え前記プロキシサーバまたは前記Webブラウザは、前記表示指示データ取得手段により取得された表示指示データに対し、前記変更指示データ取得手段により取得された変更指示データに従い変更を加える変更手段を備え、前記表示指示データ取得手段は、前記Webブラウザからの要求に応じて、前記変更手段により変更の加えられた表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す、という構成が第6の態様として採用されてもよい。
【0020】
また、上記の第1乃至第6のいずれかの態様にかかるデータ処理システムにおいて、前記プロキシサーバは、前記Webブラウザとともに端末装置に配置される仮想プロキシサーバである、という構成が第7の態様として採用されてもよい。
【0022】
また、本発明は、Webブラウザと記憶装置の各々に接続され、前記Webブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバであって、前記Webブラウザは、通常モードと編集モードのいずれかで動作し、前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在の前記Webブラウザのモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを前記Webブラウザから取得するモード指示データ取得手段と、前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得し、当該表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す表示指示データ取得手段とを備え、前記モード指示データ取得手段は、前記Webブラウザに対する前記ユーザの操作に応じて生成され、表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記ユーザにより指定されたコンポーネントを示すコンポーネント指定データを前記Webブラウザから取得し、前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが通常モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得し、前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが編集モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記モード指示データ取得手段が取得したコンポーネント指定データが示すコンポーネントを前記記憶装置から取得し、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記モード指示データ取得手段が取得したコンポーネント指定データが示さないコンポーネントをWebサーバから取得するプロキシサーバを第の態様として提供する。
【0023】
また、本発明は、Webブラウザと記憶装置の各々に接続され、前記Webブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバであって、前記Webブラウザは、通常モードと編集モードのいずれかで動作し、前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在の前記Webブラウザのモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを前記Webブラウザから取得するモード指示データ取得手段と、前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得し、当該表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す表示指示データ取得手段とを備え、前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが通常モードを示している場合、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得し、前記表示指示データ取得手段は、前記モード指示データ取得手段が取得したモード指示データが編集モードを示している場合、前記要求に応じ表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち予め定められた条件を満たすコンポーネントを前記記憶装置から取得し、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記条件を満たさないコンポーネントをWebサーバから取得するプロキシサーバを第の態様として提供する。
【0024】
また、上記の第または第の態様にかかるプロキシサーバにおいて、前記ユーザにより指示された、表示指示データに対する変更を示す変更指示データを取得する変更指示データ取得手段と、前記表示指示データ取得手段により取得された表示指示データに対し、前記変更指示データ取得手段により取得された変更指示データに従い変更を加える変更手段とを備え、前記表示指示データ取得手段は、前記Webブラウザからの要求に応じて、前記変更手段により変更の加えられた表示指示データを前記Webブラウザに引き渡す、という構成が第10の態様として採用されてもよい。
【0026】
また、本発明は、通常モードと編集モードのいずれかで動作するWebブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバとして機能するコンピュータであって、前記Webブラウザと記憶装置の各々に接続されたコンピュータに、前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在の前記Webブラウザのモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを前記Webブラウザから取得する処理と、前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得する処理と、前記Webブラウザに前記表示指示データを引き渡す処理とを実行させ、前記モード指示データが通常モードを示している場合、前記表示指示データを取得する処理において、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得させ、前記モード指示データが編集モードを示している場合、前記表示指示データを取得する処理より前に、取得する表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記ユーザにより指定されたコンポーネントを示すコンポーネント指定データを取得させ、前記表示指示データを取得する処理において、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記コンポーネント指定データが示すコンポーネントを前記記憶装置から取得させ、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記コンポーネント指定データが示さないコンポーネントをWebサーバから取得させるためのプログラムを第12の態様として提供する。
【0027】
また、本発明は、通常モードと編集モードのいずれかで動作するWebブラウザの代理としてネットワークを介してWebサーバとの間でデータの送受信を行うプロキシサーバとして機能するコンピュータであって、前記Webブラウザと記憶装置の各々に接続されたコンピュータに、前記Webブラウザに対するユーザの操作に応じて生成され、現在の前記Webブラウザのモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すモード指示データを前記Webブラウザから取得する処理と、前記Webブラウザから、URIを含み、当該URIにより識別されるWebページの表示を前記Webブラウザに対し指示する表示指示データの要求を受け取り、当該要求に含まれるURIにより識別される表示指示データをWebサーバまたは前記記憶装置から取得する処理と、前記Webブラウザに前記表示指示データを引き渡す処理とを実行させ、前記モード指示データが通常モードを示している場合、前記表示指示データを取得する処理において、前記要求に応じた表示指示データをWebサーバから取得させ、前記モード指示データが編集モードを示している場合、前記表示指示データを取得する処理において、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち予め定められた条件を満たすコンポーネントを前記記憶装置から取得させ、前記要求に応じた表示指示データを構成する複数のコンポーネントのうち前記条件を満たさないコンポーネントをWebサーバから取得させるためのプログラムを第13の態様として提供する。
【0028】
上記の第11または第12の態様にかかるプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記ユーザにより指示された、表示指示データに対する変更を示す変更指示データを取得する処理と、前記表示指示データを取得する処理において取得した表示指示データに対し、前記変更指示データに従い変更を加える処理とを実行させ、前記Webブラウザに前記表示指示データを引き渡す処理において、前記変更を加える処理において変更を加えた表示指示データを前記Webブラウザに引き渡させる、という構成が第13の態様として採用されてもよい。
【0029】
また、上記の第11乃至第13のいずれかの態様にかかるプログラムにおいて、前記コンピュータを前記Webブラウザとして機能させる、という構成が第14の態様として採用されてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、Webページの開発者がWebページの表示内容に変更を加える作業において、編集モードでない場合にWebサーバから取得されたWebページの表示指示データの少なくとも一部が記憶装置に記憶され、編集モードにおいては記憶装置に記憶された表示指示データの少なくとも一部がWebページの表示に用いられる。そのため、同じURIに応じたWebページに変更を加え、変更後のWebページをテスト表示する、という検証作業を繰り返す際の再現性が確保され、開発作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】一実施形態にかかるデータ処理システムの全体構成を示した図である。
図2】一実施形態にかかる端末装置に用いられるコンピュータの基本構成を示した図である。
図3】一実施形態にかかる端末装置の機能構成を示した図である。
図4】一実施形態にかかる記憶装置に記憶されている文書データベースのデータ構成を例示した図である。
図5】一実施形態にかかる記憶装置に記憶されているリソースデータベースのデータ構成を例示した図である。
図6】一実施形態にかかる記憶装置に記憶されている変更指示データベースのデータ構成を例示した図である。
図7】一実施形態にかかるWebブラウザの機能構成を示した図である。
図8】一実施形態にかかる仮想プロキシサーバの機能構成を示した図である。
図9】一実施形態にかかるWebブラウザにより表示されるコンポーネント指定画面を例示した図である。
図10A】一実施形態にかかるデータ処理システムの動作のシーケンス(文書要求データの送信)を示した図である。
図10B】一実施形態にかかるデータ処理システムの動作のシーケンス(図10Aの続き)を示した図である。
図11】一実施形態にかかるデータ処理システムの動作のシーケンス(リソース要求データの送信)を示した図である。
図12】一変形例にかかるデータ処理システムの全体構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[実施形態]
以下に、本発明の一実施形態にかかるデータ処理システム1を説明する。データ処理システム1はWebページの開発者(ユーザ)により行われるWebページの表示内容に変更を加える作業を支援するためのシステムである。
【0036】
図1はデータ処理システム1の全体構成を示した図である。データ処理システム1はユーザにより使用される端末装置11とWebページの表示指示データを任意の要求元の端末装置に配信するWebサーバ12を備える。端末装置11とWebサーバ12はネットワーク9を介して互いにデータ通信を行う。
【0037】
データ処理システム1において、ユーザはWebサーバ12から配信される文書データ(HTMLデータ等)に対する変更を指示する変更指示データと、文書データにより参照される置換用のリソースデータの両方またはいずれか一方を開発する。そして、開発中の変更指示データおよび置換用のリソースデータを用いてWebページをテスト表示させ、不備があれば変更指示データおよび置換用のリソースデータに修正を加える、という検証作業を繰り返す。
【0038】
完成した変更指示データは、例えばWebサーバ12の代理として文書データの配信を行うリバースプロキシサーバ(図1において図示略)にアップロードされる。その後、任意の端末装置からの文書データの要求に応じてWebサーバ12から要求元の端末装置に文書データが配信される途中で、リバースプロキシサーバにおいて文書データに対する変更指示データに従った変更が行われ、変更後の文書データが要求元の端末装置に配信される。また、完成した置換用のリソースデータは、例えば置換前のリソースデータの配信元のWebサーバ12にアップロードされ、置換前のリソースデータと置換される。その結果、端末装置において実行されるWebブラウザにより表示されるWebページの表示内容は、ユーザが意図した変更後の表示内容となる。
【0039】
なお、上述の、完成した変更指示データをリバースプロキシサーバにアップロードする方法に代えて、変更指示データに従い変更された後の文書データをWebサーバ12にアップロードし、オリジナルの文書データを変更後の文書データで置換する方法が採用されてもよい。また、上述の、完成した置換用のリソースデータによってWebサーバ12に記憶されているオリジナルのリソースデータを置換する方法に代えて、オリジナルのリソースデータは維持しつつ、例えばWebサーバ12に記憶されている文書データにおけるリソースデータの参照先を、置換用のリソースデータに書き換える方法が採用されてもよい。
【0040】
端末装置11のハードウェア構成は、例えば端末装置用の一般的なコンピュータである。図2は、端末装置11のハードウェアの一例であるコンピュータ10の基本構成を示した図である。コンピュータ10は、各種データを記憶する記憶装置101、記憶装置101に記憶されているプログラムに従った各種処理を実行するプロセッサ102、ネットワーク9を介してWebサーバ12との間でデータ通信を行う通信IF(Interface)103、ユーザに対し各種画像を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置104、ユーザの操作を受け付けるキーボード等の操作装置105を備える。
【0041】
なお、コンピュータ10がデータ入出力IFを介して、外付けの記憶装置、表示装置、操作装置等と接続されていてもよい。
【0042】
図3は、端末装置11の機能構成を示した図である。端末装置11は記憶装置101に記憶されているプログラムに従う処理を実行することにより、図3に示す構成を備える装置として機能する。
【0043】
端末装置11は、機能構成部として、エディタ110、Webブラウザ111、仮想プロキシサーバ112、記憶装置113を備える。
【0044】
エディタ110は、ユーザが変更指示データのソースコードや、置換用のリソースデータ(スクリプトやスタイルシート等のテキスト形式のリソースデータ等)を記述するために用いるツールである。ユーザの操作に応じてエディタ110により生成された変更指示データのソースコードは、コンパイラにより実行形式の変更指示データ(変換プログラム)に変換された後、記憶装置113に引き渡され、記憶装置113に記憶される。また、ユーザの操作に応じてエディタ110により生成されたスクリプトやスタイルシート等のテキスト形式のリソースデータは、エディタ110から記憶装置113に引き渡され、記憶装置113に記憶される。
【0045】
Webブラウザ111は、Webブラウザの基本機能(表示指示データを解釈してWebページを表示する機能)に加え、拡張機能として、後述する所定の条件下において、Webページの表示に用いた文書データの記憶を記憶装置113に指示する機能と、記憶装置113に記憶されている文書データ、リソースデータおよび変更指示データの各々に関し、ユーザがWebページのテスト表示に用いたいと思うデータをユーザに指定させる機能を備える。Webブラウザ111は、例えば通常のWebブラウザに対し当該拡張機能を追加するアドインプログラムを組み込むことにより実現される。
【0046】
Webブラウザ111は、通常モードと編集モードを備え、ユーザがそれらのモードを切り替えることができる。データ処理システム1においては、ユーザは後述するコンポーネント指定画面においていずれのコンポーネント(文書データまたはリソースデータ)も指定しないことによりWebブラウザ111を通常モードで動作させ、いずれかのコンポーネントを指定することによりWebブラウザ111を編集モードで動作させることができる。
【0047】
通常モードにおいては、Webブラウザ111は概ね通常のWebブラウザと同様に振る舞う。一方、編集モードにおいては、コンポーネント指定画面においてユーザにより指定されたコンポーネント(文書データまたはリソースデータ)を指定するパラメータを付加したURIを仮想プロキシサーバ112に引き渡す。このURIに対する応答として、Webブラウザ111は仮想プロキシサーバ112から、ユーザにより指定されたコンポーネント(文書データまたはリソースデータ)に関しては記憶装置113から取得され、ユーザにより指定されなかったコンポーネントに関してはWebサーバ12から取得されたデータを受け取る。その結果、Webブラウザ111により、開発中の置換用のリソースデータを用いたWebページのテスト表示が行われる。
【0048】
仮想プロキシサーバ112は、Webブラウザ111の代理としてWebサーバ12との間のデータ通信を行う、いわゆるフォワードプロキシサーバとしての基本機能を備える。仮想プロキシサーバ112は、当該基本機能に加え、拡張機能として、Webブラウザ111から引き渡されるURIにコンポーネント(文書データまたはリソースデータ)を指定するパラメータが付加されている場合、当該パラメータにより指定されるコンポーネントを記憶装置113から読み出して、Webブラウザ111に引き渡す機能を備える。また、仮想プロキシサーバ112は、後述する所定の条件下において、Webブラウザ111からの要求に応じてWebサーバ12から取得した文書データの記憶を記憶装置113に指示する機能を備える。
【0049】
記憶装置113は、エディタ110により記述されたソースコードに従いコンパイラにより生成された変更指示データと、エディタ110により記述されたリソースデータ(スクリプトやスタイルシート等のテキスト形式のコンポーネント)に加え、例えば外部の装置から取得されたリソースデータ(画像データ等)を記憶する。さらに、記憶装置113は、Webブラウザ111からの要求に応じて仮想プロキシサーバ112がWebサーバ12から取得した文書データを記憶する。
【0050】
記憶装置113は、記憶装置113に記憶される文書データを管理するためのデータベースである文書データベースを記憶している。図4は、文書データベースのデータ構成を例示した図である。文書データベースは複数の文書データの各々に応じたデータレコードの集まりである。文書データベースのデータレコードには、フィールドとして[文書データID]、[URI]、[取得時刻]、[文書データ]、[メタデータ]、[メモ]が含まれる。
【0051】
[文書データID]には文書データを識別するIDが格納される。[URI]には文書データのURIが格納される。[取得時刻]には文書データがWebブラウザ111により取得された時刻を示すデータが格納される。[文書データ]には文書データが格納される。なお、[文書データ]には文書データ本体に代えて文書データのファイル名等の識別データが格納されてもよい。[メタデータ]にはTTL(Time To Live)、セッションID、プロトコル名、GETデータ、POSTデータ等の各種メタデータが格納される。[メモ]には、ユーザにより入力されたメモを示すデータが格納される。なお、記憶装置113には同じURIに応じた複数の文書データが記憶され得る。従って、文書データベースの異なるデータレコードの[URI]に同じURIが格納されることがある。
【0052】
また、記憶装置113は、記憶装置113に記憶されるリソースデータ(置換用のリソースデータ)を管理するためのデータベースであるリソースデータベースを記憶している。図5はリソースデータベースのデータ構成を例示した図である。リソースデータベースは複数の置換用のリソースデータの各々に応じたデータレコードの集まりである。リソースデータベースのデータレコードには、フィールドとして[リソースデータID]、[URI]、[作成時刻]、[リソースデータ]、[メモ]が含まれる。
【0053】
[リソースID]には置換用のリソースデータを識別するIDが格納される。[URI]には置換用のリソースデータに応じた置換前のリソースデータの参照先のURI(文書データに記述されている参照先のURI)が格納される。[作成時刻]には置換用のリソースデータの作成時刻が格納される。[リソースデータ]には置換用のリソースデータが格納される。なお、[リソースデータ]には置換用のリソースデータ本体に代えて置換用のリソースデータのファイル名等の識別データが格納されてもよい。[メモ]には、ユーザにより入力されたメモを示すデータが格納される。なお、記憶装置113には同じURIに応じた複数の置換用のリソースデータが記憶され得る。従って、リソースデータベースの異なるデータレコードの[URI]に同じURIが格納されることがある。
【0054】
また、記憶装置113は、記憶装置113に記憶される変更指示データを管理するためのデータベースである変更指示データベースを記憶している。図6は変更指示データベースのデータ構成を例示した図である。変更指示データベースは複数の変更指示データの各々に応じたデータレコードの集まりである。変更指示データベースのデータレコードには、フィールドとして[変更指示データID]、[URI]、[作成時刻]、[変更指示データ]、[メモ]が含まれる。
【0055】
[変更指示データID]には変更指示データを識別するIDが格納される。[URI]には変更対象の文書データのURIが格納される。[作成時刻]には変更指示データの作成時刻が格納される。[変更指示データ]には変更指示データが格納される。なお、[変更指示データ]には変更指示データ本体に代えて変更指示データのファイル名等の識別データが格納されてもよい。[メモ]には、ユーザにより入力されたメモを示すデータが格納される。
【0056】
続いて、Webブラウザ111および仮想プロキシサーバ112の機能構成を説明する。図7は、Webブラウザ111が備える機能構成を示した図である。Webブラウザ111は、既述のように、通常のWebブラウザの機能に加え、拡張機能を備える。以下、通常のWebブラウザの機能については説明を省略し、Webブラウザ111が備える拡張機能に関し説明する。Webブラウザ111は、モード指示データ取得手段1111、モード指示手段1112、記憶指示手段1113を備える。
【0057】
モード指示データ取得手段1111は、ユーザの操作に応じて生成されるモード指示データを取得する。データ処理システム1において、モード指示データは、Webブラウザ111の現在のモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すとともに、編集モードにおいて仮想プロキシサーバ112が記憶装置113から取得すべきコンポーネントを指定するコンポーネント指定データの役割も果たす。
【0058】
データ処理システム1においては、モード指示データはWebブラウザ111が仮想プロキシサーバ112に引き渡すURIに統合されている。以下に、モード指示データ取得手段1111が取得するモード指示データの例を示す。
(1)http://example.jp/a.html
(2)http://example.jp/a.html?DocumentID=H001&ResourceID=R001&ResourceID=R002&ConversionID=C001
(3)http://example.jp/a.html?ConversionID=C001
【0059】
上記の(1)および(3)のURIは通常モードを示すモード指示データの役割を果たす。すなわち、「DocumentID=」および「ResourceID=」で始まるパラメータのいずれも付加されていないURIは、通常モードを示す。
【0060】
一方、上記の(2)のURIは編集モードを示すモード指示データの役割を果たす。すなわち、「DocumentID=」および「ResourceID=」で始まるパラメータの少なくとも一方が付加されているURIは、編集モードを示す。
【0061】
モード指示手段1112は、モード指示データ取得手段1111により取得されたモード指示データ(URI)を含み文書データを要求する文書要求データを生成し、仮想プロキシサーバ112に引き渡す。文書要求データに含まれるモード指示データは、既述のように編集モードにおいて仮想プロキシサーバ112が記憶装置113から取得すべきコンポーネントを指定するコンポーネント指定データの役割も果たす。従って、モード指示手段1112は、コンポーネント指定データを仮想プロキシサーバ112に引き渡すコンポーネント指定手段の役割も果たす。
【0062】
記憶指示手段1113は、Webブラウザ111が仮想プロキシサーバ112を介してWebサーバ12から取得した文書データを文書データベース(図4)に記憶させる。なお、本実施形態においては、記憶指示手段1113は、Webブラウザ111が仮想プロキシサーバ112から取得した文書データのうち、仮想プロキシサーバ112が記憶装置113から取得した文書データと、仮想プロキシサーバ112において変更の行われた文書データは文書データベースに記憶させない。ただし、記憶指示手段1113が、Webブラウザ111が仮想プロキシサーバ112から取得した文書データの全て(仮想プロキシサーバ112がWebサーバ12と記憶装置113のいずれから取得したか、また、仮想プロキシサーバ112において変更が行われたか否か、を問わない)を文書データベースに記憶させる構成が採用されてもよい。
【0063】
記憶指示手段1113は、文書データベースに文書データを記憶させる際、文書データに対し文書データベースにおいてユニークな文書データIDを割り振り、割り振った文書データIDを、文書データのURI、取得時刻、文書データ、メタデータと共に記憶装置113に引き渡し、これらのデータを新たなデータレコードとして文書データベースに追加させる。
【0064】
図8は、仮想プロキシサーバ112が備える機能構成を示した図である。仮想プロキシサーバ112は、既述のように、通常のプロキシサーバ(フォワードプロキシサーバ)の機能に加え、拡張機能を備える。以下、通常のプロキシサーバの機能については説明を省略し、仮想プロキシサーバ112が備える拡張機能に関し説明する。仮想プロキシサーバ112は、モード指示データ取得手段1120、表示指示データ取得手段1121、変更指示データ取得手段1122、変更手段1123、記憶指示手段1124を備える。
【0065】
モード指示データ取得手段1120は、Webブラウザ111から引き渡される文書要求データを取得する。Webブラウザ111から引き渡される文書要求データに含まれるURIは、既述のように、Webブラウザ111の現在のモードが通常モードと編集モードのいずれであるかを示すデータ(モード指示データ)であるとともに、編集モードにおいて仮想プロキシサーバ112が記憶装置113から取得すべきコンポーネントを指定するデータ(コンポーネント指定データ)でもある。モード指示データ取得手段1120はWebブラウザ111から取得した文書要求データに含まれるURI(モード指示データ、コンポーネント指定データ)を表示指示データ取得手段1121に引き渡す。
【0066】
表示指示データ取得手段1121は、モード指示データ取得手段1120を介してWebブラウザ111から取得したURIにおける文書データIDの指定の有無に応じて、記憶装置113(文書データIDの指定がある場合)またはWebサーバ12(文書データIDの指定がない場合)から文書データを取得する。
【0067】
表示指示データ取得手段1121は、Webブラウザ111から取得したURIにおいて変更指示データIDの指定がない場合、取得した文書データをそのままWebブラウザ111に引き渡す。一方、表示指示データ取得手段1121は、Webブラウザ111から取得したURIにおいて変更指示データIDの指定がある場合、取得した文書データを変更手段1123(後述)に引き渡し、変更手段1123において変更された文書データをWebブラウザ111に引き渡す。また、表示指示データ取得手段1121は、Webブラウザ111から取得したURIにおいて文書データIDの指定がなく、変更指示データIDの指定がある場合、Webサーバ12から取得した文書データを記憶指示手段1124(後述)に引き渡す。
【0068】
変更指示データ取得手段1122は、モード指示データ取得手段1120を介してWebブラウザ111から取得したURIにおいて指定された変更指示データIDにより識別される変更指示データを記憶装置113から取得する。変更指示データ取得手段1122は、取得した変更指示データを変更手段1123に引き渡す。
【0069】
変更手段1123は、表示指示データ取得手段1121がWebサーバ12または記憶装置113から取得した文書データを表示指示データ取得手段1121から受け取り、変更指示データ取得手段1122が記憶装置113から取得した変更指示データを変更指示データ取得手段1122から受け取る。変更手段1123は、表示指示データ取得手段1121から引き渡された文書データに対し、変更指示データ取得手段1122から引き渡された変更指示データに従う変更を加える。変更手段1123は、変更後の文書データを表示指示データ取得手段1121に引き渡す。
【0070】
記憶指示手段1124は、表示指示データ取得手段1121から引き渡された文書データを文書データベース(図4)に記憶させる。記憶指示手段1124は、Webブラウザ111の記憶指示手段1113と同様に、文書データベースに文書データを記憶させる際、文書データに対し文書データベースにおいてユニークな文書データIDを割り振り、割り振った文書データIDを、文書データのURI、取得時刻、文書データ、メタデータと共に記憶装置113に引き渡し、これらのデータを新たなデータレコードとして文書データベースに追加させる。
【0071】
上記のように、表示指示データ取得手段1121はモード指示データ取得手段1120を介してWebブラウザ111から取得したURIに応じた文書データをWebブラウザ111に引き渡す。Webブラウザ111は、仮想プロキシサーバ112から引き渡された文書データに従いWebページの表示を行う。Webブラウザ111が仮想プロキシサーバ112から取得した文書データに、リソースデータに対する参照情報が記述されている場合、Webブラウザ111はWebブラウザの基本機能として、それらの参照情報、すなわちリソースデータのURIを含むリソース要求データを生成し、仮想プロキシサーバ112に引き渡す。
【0072】
仮想プロキシサーバ112の表示指示データ取得手段1121は、Webブラウザ111から引き渡されるリソース要求データに含まれるURIを取得する。表示指示データ取得手段1121は、先にWebブラウザ111から取得した文書要求データに含まれるURIにおいてリソースデータIDの指定が1以上あった場合、リソースデータベース(図5)からこれらのリソースデータIDのデータレコードを抽出し、抽出したデータレコードのいずれかのURIと、リソース要求データに含まれるURIが一致するか否かを判定する。リソースデータベースから抽出されたデータレコードのURIのいずれかがリソース要求データに含まれるURIと一致する場合、表示指示データ取得手段1121はリソースデータベースから抽出したデータレコードのうち、リソース要求データに含まれるURIと同じURIを含むデータレコードに応じた置換用のリソースデータを記憶装置113から取得する。
【0073】
一方、表示指示データ取得手段1121は、上記のようにリソースデータベースから抽出したデータレコードに含まれるURIのいずれも、リソース要求データに含まれるURIと一致しない場合、または、表示指示データ取得手段1121が先にWebブラウザ111から取得した文書要求データに含まれるURIにおいてリソースデータIDの指定がなかった場合、表示指示データ取得手段1121はリソース要求データに含まれるURIに従い、Webサーバ12からリソースデータを取得する。
【0074】
表示指示データ取得手段1121は、Webブラウザ111からのリソース要求データに応じて、上記のように記憶装置113またはWebサーバ12から取得したリソースデータをWebブラウザ111に引き渡す。
【0075】
続いて、ユーザがデータ処理システム1を利用する際に行う作業を説明する。ユーザは、変更作業を行う対象のWebページのURIをWebブラウザ111に入力する。このURIの入力に応じて、Webブラウザ111には通常のWebページが表示される。Webブラウザ111に表示されたWebページの文書データは自動的に文書データベース(図4)に登録される。
【0076】
続いて、ユーザはWebブラウザ111に対し所定の操作を行い、コンポーネント指定画面を表示させる。図9は、コンポーネント指定画面を例示した図である。コンポーネント指定画面には、指定可能な文書データ、リソースデータ、変更指示データがリスト表示される。コンポーネント指定画面に表示される文書データ、リソースデータ、および変更指示データは、文書データベース(図4)、リソースデータベース(図5)、および変更指示データベース(図6)の各々に登録されているデータである。
【0077】
ユーザはコンポーネント指定画面において、Webページのテスト表示に用いたい文書データ、リソースデータ、変更指示データを各々指定する。なお、ユーザはコンポーネント指定画面において、文書データ、リソースデータ、変更指示データの各々に関し、データを指定しないこともできる。その後、ユーザがコンポーネント指定画面において、例えば「Webページ表示」ボタンをクリック等すると、Webブラウザ111にはユーザにより指定されたコンポーネント(文書データ、置換用のリソースデータ)及び/又は変更指示データを用いて変更されたWebページがテスト表示される。
【0078】
ユーザは、テスト表示されたWebページの表示内容を確認し、開発中の置換用のリソースデータや変更指示データに問題があれば、それらのデータの修正作業を行い、コンポーネント指定画面において修正後のデータを指定した後、Webブラウザ111に変更後のWebページのテスト表示を行わせる、という作業を繰り返す。その結果、ユーザは、Webページの表示内容を変更するための置換用のリソースデータや変更指示データの開発を効率的に行うことができる。
【0079】
続いて、データ処理システム1の動作を説明する。図10Aおよび図10B(以下、これらを「図10」と総称する)は、データ処理システム1の動作のシーケンスを示した図である。ユーザがWebブラウザ111に通常のURIを入力するか、またはコンポーネント指定画面(図9)にて文書データ等の指定をした後に、Webページの表示を指示する所定の操作(「Webページ表示」ボタンのクリック等)を行うと、Webブラウザ111はユーザの操作に応じたURIを含む文書要求データを仮想プロキシサーバ112に対し送信する(ステップS101)。なお、以下、Webブラウザ111、仮想プロキシサーバ112、記憶装置113の間でデータの受け渡しが行われる場合、便宜的に「送受信が行われる」というように表現する。
【0080】
ステップS101において、ユーザの操作に応じて生成されたURIが編集モードを示す場合、Webブラウザ111は仮想プロキシサーバ112をトンネリングする暗号化通信を用いない。例えば、ユーザに指定された文書データのURIが「https:」で始まる場合、Webブラウザ111は編集モードにおいては、このURIを「http:」で始まるURIに変更した後、非暗号通信のプロトコルに従い仮想プロキシサーバ112との間のデータ通信を行う。その結果、仮想プロキシサーバ112はWebブラウザ111から送られてくる文書要求データやリソース要求データに応じた処理を行うことができる。
【0081】
仮想プロキシサーバ112は、Webブラウザ111から送信されてきた文書要求データに含まれるURIにおいて文章データIDが指定されているか否かを判定する(ステップS102)。文書データIDの指定がない場合(ステップS102;「No」)、仮想プロキシサーバ112は文書要求データに含まれるURIに応じてWebサーバ12に対し文書データの要求を送信する(S103)。Webサーバ12は要求に応じた文書データを仮想プロキシサーバ112に送信する(ステップS104)。
【0082】
一方、文書要求データに含まれるURIにおいて文書データIDが指定されている場合(ステップS102;「Yes」)、仮想プロキシサーバ112は指定された文書データIDの文書データを文書データベース(図4)から読み出す(ステップS105)。
【0083】
続いて、仮想プロキシサーバ112は、文書要求データに含まれるURIにおいて変更指示データIDが指定されているか否かを判定する(ステップS106)。変更指示データIDが指定されていない場合(ステップS106;「No」)、仮想プロキシサーバ112は次に説明するステップS107〜S108およびS110〜S111の処理を行うことなくステップS112に処理を移す。
【0084】
一方、文書要求データに含まれるURIにおいて変更指示データIDが指定されている場合(ステップS106;「Yes」)、仮想プロキシサーバ112は文書要求データに含まれるURIにおいて文書データIDが指定されているか否かを判定する(ステップS107)。文書データIDが指定されている場合(ステップS107;「Yes」)、仮想プロキシサーバ112は次に説明するステップS108の処理を行うことなくステップS110に処理を移す。文書データIDが指定されていない場合(ステップS107;「No」)、仮想プロキシサーバ112はステップS104において受信した文書データ(Webサーバ12から取得した文書データ)に文書データIDを付与した後、付与した文書データID、文書データのURI等とともに文書データを記憶装置113に引き渡し、それらのデータを文書データベースに記憶するように指示する(ステップS108)。記憶装置113は仮想プロキシサーバ112の指示に従い、文書データベースに新たなデータレコードを追加し、追加したデータレコードに仮想プロキシサーバ112から引き渡されたデータを格納する(ステップS109)。
【0085】
続いて、仮想プロキシサーバ112はURIにおいて指定されている変更指示データIDにより識別される変更指示データを変更指示データベース(図6)から読み出す(ステップS111)。続いて、仮想プロキシサーバ112はステップS104においてWebサーバ12から取得した文書データ、もしくはステップS105において文書データベースから読み出した文書データを、ステップS110において変更指示データベースから読み出した変更指示データに従い変更する(ステップS111)。
【0086】
続いて、仮想プロキシサーバ112は上記のようにして得られた文書データをWebブラウザ111に送信する(ステップS112)。Webブラウザ111は、仮想プロキシサーバ112から送信されてくる文書データを受信すると、ステップS101において仮想プロキシサーバ112に送信した文書要求データに含まれるURIにおいて文書データIDおよび変更指示データIDの少なくとも一方が指定されていたか否かを判定する(ステップS113)。文書要求データに含まれるURIにおいて文書データIDおよび変更指示データIDの少なくとも一方が指定されていた場合(ステップS113;「Yes」)、Webブラウザ111は次に説明するステップS114の処理を行うことなくステップS116に処理を移す。
【0087】
一方、文書要求データに含まれるURIにおいて文書データIDおよび変更指示データのいずれも指定されていなかった場合(ステップS113;「No」)、Webブラウザ111はステップS112において受信した文書データ(仮想プロキシサーバ112がWebサーバ12から取得した文書データ)に文書データIDを付与した後、付与した文書データID、文書データのURI等とともに文書データを記憶装置113に引き渡し、それらのデータを文書データベースに記憶するように指示する(ステップS114)。記憶装置113はWebブラウザ111の指示に従い、文書データベースに新たなデータレコードを追加し、追加したデータレコードにWebブラウザ111から引き渡されたデータを格納する(ステップS115)。
【0088】
Webブラウザ111は、ステップS112において仮想プロキシサーバ112から受信した文書データに従い、Webページの表示を行う(ステップS116)。
【0089】
ステップS112においてWebブラウザ111が取得する文書データには、多くの場合、Webページの表示に用いられるリソースデータに対する参照情報が記述されている。Webブラウザ111は、ステップS116においてWebページの表示を行う際、文書データに記述されている参照情報に従いリソースデータを取得し、取得したリソースデータを用いてWebページの表示を行う。
【0090】
図11は、Webブラウザ111が文書データに記述されている参照情報に従いリソースデータを取得する際にデータ処理システム1により行われる動作のシーケンスを示した図である。なお、文書データに複数の参照情報が記述されている場合、それらの参照情報の各々に関し、図11に示される動作が行われる。
【0091】
まず、Webブラウザ111は、参照情報に含まれるURI(リソースデータのURI)を含むリソース要求データを生成し、仮想プロキシサーバ112に送信する(ステップS201)。
【0092】
仮想プロキシサーバ112は、Webブラウザ111から送信されてきたリソース要求データに含まれるURIが、ステップS101においてWebブラウザ111から受信した文書要求データに含まれるURIにおいて指定されていたリソースデータIDのいずれかに応じたURIと一致するか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、まず仮想プロキシサーバ112は、ステップS101において受信した文書要求データに含まれるURIにおいて、リソースデータIDが指定されていなかった場合、ステップS202の判定において「No」と判定する。また、仮想プロキシサーバ112は、ステップS101において受信した文書要求データに含まれるURIにおいて、リソースデータIDが1以上指定されていた場合、それらのリソースデータIDに応じたデータレコードをリソースデータベース(図5参照)から抽出する。続いて、仮想プロキシサーバ112は、抽出したデータレコードの中から、リソース要求データに含まれるURIを含むデータレコードを検索する。この検索に失敗した場合、仮想プロキシサーバ112はステップS202の判定において「No」と判定する。一方、リソースデータベースから抽出したデータレコードの中から、リソース要求データに含まれるURIを含むデータレコードが検索された場合、仮想プロキシサーバ112はステップS202の判定において「Yes」と判定する。
【0093】
ステップS202の判定結果が「No」の場合、仮想プロキシサーバ112はリソース要求データに含まれるURIに応じてWebサーバ12に対しリソースデータの要求を送信する(S203)。Webサーバ12は要求に応じたリソースデータを仮想プロキシサーバ112に送信する(ステップS204)。
【0094】
一方、ステップS202の判定結果が「Yes」の場合、仮想プロキシサーバ112はリソースデータベースから抽出され、リソース要求データに含まれるURIを含むデータレコードから、置換用のリソースデータを読み出す(ステップS205)。
【0095】
続いて、仮想プロキシサーバ112は、ステップS204においてWebサーバ12から受信したリソースデータ、またはステップS205において記憶装置113から読み出した置換用のリソースデータをWebブラウザ111に送信する(ステップS206)。Webブラウザ111は、ステップS206において仮想プロキシサーバ112から送信されてきたリソースデータまたは置換用のリソースデータを用いて、ステップS116におけるWebページの表示を行う。
【0096】
上述したデータ処理システム1によれば、通常モードにおいてWebブラウザ111がWebページの表示に用いた文書データが記憶され、編集モードにおいて再利用可能となる。従って、Webページのテスト表示が繰り返し行われる際、再現性が保たれるとともに、表示回数の制限や課金等の不都合も回避される。
【0097】
[変形例]
上述した実施形態は本発明の一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形することができる。以下にそれらの変形の例を示す。なお、上述した実施形態及び以下の変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0098】
(1)上述した実施形態においては、図3に示されるように、エディタ110、Webブラウザ111、仮想プロキシサーバ112、記憶装置113の全てが1つの装置(端末装置11)に配置される構成が採用されている。これらの4つの機能が2以上の装置に分散配置されてもよい。
【0099】
図12は、この変形例にかかるデータ処理システム2の全体構成を示した図である。以下、データ処理システム2が備える構成部のうち、上述の実施形態にかかるデータ処理システム1と同様の構成部に関しては、データ処理システム1において用いた符号と同じ符号を用いる。
【0100】
データ処理システム2は、データ処理システム1が備える端末装置11に代えて、端末装置21、プロキシサーバ22、記憶装置23を備える。端末装置21は、端末装置11が備える機能構成(図3)のうち、エディタ110とWebブラウザ111の機能構成を備える。プロキシサーバ22は、端末装置11が備える機能構成のうち、仮想プロキシサーバ112の機能構成を備える。記憶装置23は、端末装置11が備える機能構成のうち、記憶装置113の機能構成を備える。端末装置21、プロキシサーバ22、記憶装置23は互いにネットワーク9を介してデータ通信を行う。
【0101】
データ処理システム2の構成はこの変形例の一例であって、例えば、端末装置11が備えるエディタ110、Webブラウザ111、および記憶装置113の機能を備える端末装置と、端末装置11が備える仮想プロキシサーバ112の機能を備えるプロキシサーバを設ける構成、端末装置11が備えるエディタ110とWebブラウザ111の機能を備える端末装置と、端末装置11が備える仮想プロキシサーバ112と記憶装置113の機能を備えるプロキシサーバを設ける構成、端末装置11が備えるエディタ110、Webブラウザ111、および仮想プロキシサーバ112の機能を備える端末装置と、記憶装置113の機能を備える端末装置とは独立した記憶装置を設ける構成などが採用されてもよい。
【0102】
(2)上述した実施形態においては、仮想プロキシサーバ112が変更指示データ取得手段1122および変更手段1123を有し、変更指示データに従う変更を文書データに対し行う構成が採用されている。これに代えて、Webブラウザ111が変更指示データ取得手段および変更手段を有し、Webブラウザ111が記憶装置113から読み出した変更指示データに従い、仮想プロキシサーバ112から取得した文書データを変更する構成が採用されてもよい。
【0103】
(3)上述した実施形態においては、端末装置11がWebサーバ12から取得した文書データは、ユーザにより変更指示データIDの指定がある場合、すなわち、文書データが仮想プロキシサーバ112により変更される場合には、仮想プロキシサーバ112の指示により記憶装置113(文書データベース)に記憶され、それ以外の場合、すなわち、文書データが仮想プロキシサーバ112により変更されない場合には、Webブラウザ111の指示により記憶装置113(文書データベース)に記憶される。文書データがWebブラウザ111および仮想プロキシサーバ112のいずれの指示に従い記憶装置113に記憶されるか、という点は、実施形態に例示の構成に限られない。例えば、Webブラウザ111が全ての文書データの記憶を記憶装置113に指示する構成や、仮想プロキシサーバ112が全ての文書データの記憶を記憶装置113に指示する構成等が採用されてもよい。
【0104】
ただし、Webブラウザ111とWebサーバ12との間で、仮想プロキシサーバ112をトンネルする暗号化通信が行われる場合、仮想プロキシサーバ112は暗号化された文書データをWebサーバ12から受信することになる。従って、端末装置11がWebサーバ12から取得した全ての文書データを仮想プロキシサーバ112の指示により記憶装置113に記憶させる構成が採用される場合、仮想プロキシサーバ112はWebサーバ12から受信した暗号化された文書データをWebブラウザ111に送信した後、Webブラウザ111から復号化された文書データを受信する等の仕組みが必要となる。
【0105】
また、文書要求データに含まれるURIにおいて変更指示データIDが指定されている場合、Webブラウザ111が文書要求データに対する応答として仮想プロキシサーバ112から受信する文書データは、Webブラウザ12から取得された後に仮想プロキシサーバ112において変更された文書データである。従って、端末装置11がWebサーバ12から取得した全ての文書データをWebブラウザ111の指示により記憶装置113に記憶させる構成が採用される場合、Webブラウザ111は仮想プロキシサーバ112から、変更後の文書データに加え、変更前の文書データを受信する等の仕組みが必要となる。
【0106】
(4)上述した実施形態においては、Webブラウザ111からの要求に応じて仮想プロキシサーバ112がWebサーバ12から取得した表示指示データのコンポーネントのうち、文書データのみが記憶装置113に記憶され、文書データにより参照されるリソースデータに関しては記憶装置113に記憶されない構成が採用されている。これに代えて、仮想プロキシサーバ112がWebサーバ12から取得した全てのコンポーネントが記憶装置113に記憶される構成が採用されてもよい。
【0107】
この変形例によれば、通常モードにおいてWebブラウザ111が表示したWebページに関しては、編集モードにおいてWebブラウザ111がWebサーバ12からデータを取得することなく再表示できる。従って、ユーザは、端末装置11がネットワーク9に接続できない環境下においても変更指示データや置換用のリソースデータの開発を行うことができる。
【0108】
(5)コンポーネント指定画面(図9)において、ユーザが文書データ、置換用のリソースデータ、変更指示データを選択する作業を容易とするために、ユーザが一度選択したこれらのデータの組み合わせをテンプレートとして保存可能としてもよい。この変形例によれば、類似した異なるWebページのテスト表示において同じ組み合わせのリソースデータや変更指示データを指定したい場合、ユーザはテンプレートを指定するだけでよく作業効率が向上する。
【0109】
(6)Webブラウザ111が、コンポーネント指定画面(図9)において、ユーザが文書データ、置換用のリソースデータ、変更指示データを選択する作業を容易とするために、選択しても無意味なデータをリストにおいて非表示にしたり、選択して意味があるデータと異なる態様で(例えば、異なる色で)表示したりする構成が採用されてもよい。以下に本変形例におけるWebブラウザ111が、ユーザにより指定されたデータに応じてコンポーネント指定画面の表示を変更する動作の例を説明する。
【0110】
ユーザにより一度に指定可能な文書データの数は最大1つである。従って、Webブラウザ111は、ユーザによりいずれかの文書データが指定された場合、例えば、文書データのリスト中の他の文書データの表示をグレーアウトし、指定不可能とする。また、ユーザにより一度に指定可能な変更指示データの数は最大1つである。従って、Webブラウザ111は、ユーザによりいずれかの変更指示データが指定された場合、例えば、変更指示データのリスト中の他の変更指示データの表示をグレーアウトし、指定不可能とする。
【0111】
また、置換用のリソースデータは、いずれかの文書データにおいて参照されているリソースデータを置換するために開発されている。従って、Webページのテスト表示に用いられる文書データにおいて参照されているURIのいずれかと、置換用のリソースデータのURIは一致する必要がある。従って、Webブラウザ111は、ユーザによりいずれかの文書データが指定された場合、リソースデータのリストにおいて、ユーザにより指定された文書データにより参照されているURIのいずれにも対応していないリソースデータの表示をグレーアウトし、指定不可能とする。
【0112】
また、1つの文書データにおいて同じURIにより参照されるリソースデータは同じリソースデータである。従って、Webページのテスト表示において同じURIに応じた異なる2以上の置換用のリソースデータが同時に指定されると不都合が生じる。従って、Webブラウザ111は、ユーザによりいずれかの置換用のリソースデータが指定された場合、リソースデータのリスト内の同じURIに応じたリソースデータの表示をグレーアウトし、指定不可能とする。
【0113】
また、変更指示データは、いずれかの文書データを変更するために開発されている。従って、Webページのテスト表示に用いられる文書データのURIと、変更指示データに応じたURIは一致する必要がある。従って、Webブラウザ111は、ユーザによりいずれかの文書データが指定された場合、変更指示データのリストにおいて、ユーザにより指定された文書データのURIに対応していない変更指示データの表示をグレーアウトし、指定不可能とする。
【0114】
また、ユーザにより変更指示データが指定され、当該指定された変更指示データに応じたURI(変更指示データに従う変更の対象の文書データのURI)が、例えば「https:」で始まる場合のように、仮想プロキシサーバ112をトンネリングする暗号化通信によりWebサーバ12から取得される文書データのURIである場合、ユーザは当該URIに応じた文書データIDを指定する必要がある。仮に文書データIDの指定がなく、変更指示データIDの指定があれば、仮想プロキシサーバ112は暗号化された文書データをWebサーバ12から取得するため、仮想プロキシサーバ112は文書データに対しユーザに指定された変更指示データに従う変更を行うことができないためである。従って、Webブラウザ111は、例えばユーザによりいずれかの変更指示データが指定された場合、文書データのリストにおいて、ユーザにより指定された変更指示データのURIに対応していない文書データの表示をグレーアウトし、指定不可能とするとともに、グレーアウトされていない文書データのいずれかの指定を促す。
【0115】
(7)Webブラウザ111が、コンポーネント指定画面(図9)において、ユーザが文書データ、置換用のリソースデータ、変更指示データを選択する作業を容易とするために、これらのデータのリストにおいて、例えばURIや取得時刻、作成時刻、メモ等の内容、データ種別等に基づき、ユーザにより指定された条件に従いソートやフィルタリングを行って表示する構成が採用されてもよい。
【0116】
(8)上述した実施形態においては、実行形式の変換プログラムが変更指示データとして用いられる。変更指示データの形式は実行形式に限られない。例えば、変更指示データは、文書データの変更規則を示すデータであってもよい。この場合、仮想プロキシサーバ112は、変更指示データIDにより識別される変更指示データが示す変換規則をパラメータとして用いて、予め拡張機能として備える変換ツールにより文書データの変更を行う。
【0117】
(9)上述した実施形態においては、仮想プロキシサーバ112がWebブラウザ111から受信したリソース要求データに含まれるURIに従い置換用のリソースデータを取得する際(図11、ステップS205)、先にWebブラウザ111から取得した文書要求データ(図10、ステップS101)に含まれていたURIに含まれていたリソースデータIDを用いる。これに代えて、Webブラウザ111がリソース要求データにリソースデータIDを含める構成が採用されてもよい。
【0118】
例えば、Webブラウザ111は、リソース要求データの送信の際、文書要求データに含ませて仮想プロキシサーバ112に送信したURIをリファラ情報としてリソース要求データにも含ませる。仮想プロキシサーバ112は、リソース要求データにリファラ情報として含まれるURIに含まれるリソースデータIDを用いて、置換用のリソースデータを記憶装置113から読み出す。
【0119】
また、Webブラウザ111が、リソース要求データに含まれるリソースデータのURIに代えて、リソースデータIDをリソース要求データに含ませてもよい。この場合、Webブラウザ111は、ユーザによりコンポーネント指定画面において指定された置換用のリソースデータのURIと、文書データにより参照されているリソースデータのURIが一致した場合、文書データにより参照されているリソースデータのURIに代えて、置換用のリソースデータのリソースデータIDを含むリソース要求データを生成し、仮想プロキシサーバ112に送信する。
【0120】
また、文書要求データに応じて仮想プロキシサーバ112がWebブラウザ111に文書データを送信する際に、仮想プロキシサーバ112が、文書データに含まれる参照情報を、リソースデータのURIではなく置換用のリソースデータのリソースデータIDを参照する情報に書き換える構成が採用されてもよい。この場合も、Webブラウザ111は参照情報に従いリソースデータIDを含むリソース要求データを生成し、仮想プロキシサーバ112に送信する。
【0121】
(10)上述した実施形態においては、編集モードにおいて記憶装置113から取得されるべきコンポーネントがユーザにより指定される。これに代えて、ユーザは通常モードと編集モードの切り替えの指示は行うがコンポーネントの指定は行わない構成が採用されてもよい。この場合、仮想プロキシサーバ112は、通常モードにおいては表示指示データのコンポーネントの全てをWebサーバ12から取得する一方、編集モードにおいては、所定の条件を満たす文書データまたはリソースデータ(置換用のリソースデータ)を記憶装置113から読み出し、その他の文書データまたはリソースデータに関してはWebサーバ12から取得する。
【0122】
例えば、仮想プロキシサーバ112は、Webブラウザ111から編集モードであることを示すモード指示データを取得した後、文書要求データを取得した場合、当該文書要求データに含まれるURIに応じたデータレコードを文書データベース(図4)から抽出する。仮想プロキシサーバ112は、文書データベースからいずれのデータレコードも抽出されなかった場合、Webサーバ12から文書データを取得する。一方、仮想プロキシサーバ112は、文書データベースから1以上のデータレコードが抽出された場合、例えば取得時刻が最新のものを選択し、選択したデータレコードに応じた文書データを記憶装置113から読み出す。
【0123】
また、仮想プロキシサーバ112は、編集モードにおいてリソース要求データを取得した場合、当該リソース要求データに含まれるURIに応じたデータレコードをリソースデータベース(図5)から抽出する。仮想プロキシサーバ112は、リソースデータベースからいずれのデータレコードも抽出されなかった場合、Webサーバ12からリソースデータを取得する。一方、仮想プロキシサーバ112は、リソースデータベースから1以上のデータレコードが抽出された場合、例えば取得時刻が最新のものを選択し、選択したデータレコードに応じたリソースデータを記憶装置113から読み出す。
【0124】
この変形例によれば、ユーザがテスト表示に使用するコンポーネントを指定する作業が軽減される。
【0125】
(11)上述の実施形態においては、端末装置11はコンピュータ10がプログラムに従う処理を実行することにより実現される。これに代えて、端末装置11が、集積回路等により図3に示した機能を実現する専用装置として構成されてもよい。
【0126】
(12)上述の実施形態または変形例において、コンピュータ10が端末装置11を実現するために実行するプログラムは、ネットワークを介してコンピュータ10にダウンロードされる形で提供されてもよいし、CD−ROM、フラッシュメモリ等のコンピュータ読取可能な記録媒体に持続的に記録された形で提供され、当該記録媒体からコンピュータ10が読み取る形で利用されてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1…データ処理システム、9…ネットワーク、10…コンピュータ、11…端末装置、12…Webサーバ、101…記憶装置、102…プロセッサ、103…通信IF、104…表示装置、105…操作装置、110…エディタ、111…Webブラウザ、112…仮想プロキシサーバ、113…記憶装置、1111…モード指示データ取得手段、1112…モード指示手段、1113…記憶指示手段、1120…モード指示データ取得手段、1121…表示指示データ取得手段、1122…変更指示データ取得手段、1123…変更手段、1124…記憶指示手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12