特許第6043902号(P6043902)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6043902
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】クリップ
(51)【国際特許分類】
   G09F 1/10 20060101AFI20161206BHJP
   G09F 15/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   G09F1/10 G
   G09F15/00 N
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-96067(P2016-96067)
(22)【出願日】2016年5月12日
【審査請求日】2016年5月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500497803
【氏名又は名称】篠崎 要蔵
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 要蔵
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−152933(JP,A)
【文献】 実開平01−091584(JP,U)
【文献】 特開2011−156851(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3155478(JP,U)
【文献】 実開昭51−071718(JP,U)
【文献】 実開昭51−18610(JP,U)
【文献】 米国特許第2040443(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/10− 1/14
G09F 15/00
B42F 1/02
F16B 2/20− 2/26
F16B 5/00− 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材が、一連に平たく折り曲がって成るクリップであって、
略一周する外枠部(A)と、外枠部の一端から外枠部の内側に曲り込んだ内入部(B)とで成り、
間口に通じる導入経路となる内入部(B)と外枠部(A)との間が、一定の間隔(C)をとって成る、ことを特徴としたクリップ。
【請求項2】
線材が、一連に平たく折り曲がって成るクリップであって、
略一周する外枠部(A)と、外枠部の一端から外枠部の内側に曲り込んだ内入部(B)とで成り、
内入部(B)は、外枠部(A)に一定の間隔(C)をとって成る、
尚、外枠部の端部分(a)が、挟み付けるための開いた間口を成す、ことを特徴としたクリップ。
【請求項3】
線材が、一連に平たく折り曲がって成るクリップであって、
略一周する外枠部(A)と、外枠部の一端から外枠部の内側に曲り込んだ内入部(B)とで成り、
間口に通じる導入経路となる内入部(B)と外枠部(A)との間が、一定の間隔(C)をとって成る、
尚、内入部(B)の端部分(b)が、内側に折り曲がり、外枠部(A)の端部分(a)が、外側に折り曲がって成る、ことを特徴としたクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本クリップは、板あるいは板状のものに広告紙片等の紙片を掲示する、あるいは挟み付けるためのクリップである。
【0002】
スーパーストアー、ドラッグストアー、八百屋などでは、段ボール箱の蓋あるいは段ボール箱の上半部を切り取り、商品が入ったままの状態で箱ごと陳列している実状がある。
本クリップは、主として段ボール箱の切り口の縁に、チラシ、値札などの広告紙片を掲示する用途を念頭にしたものである。
【背景技術】
【0003】
従来、似たようなかたちのものに特許文献1のクリップがある。
本出願のものは、平たく折り曲がって成るものであるが、特許文献1のものは立体を成すものである、また、本クリップと同様の使い方ができるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第1551652号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
掲示した広告紙片、即ち、挟み付けた紙片がずり落ちないよう、しっかり挟み押えることができるクリップを得ること。
付け外しが容易なものであること。
広告紙片を掲示するクリップとして、邪魔になる部分をもたないこと。
【課題を解決するための手段】
【0006】
線材が平たく折り曲がって成るクリップであって、略四辺形あるいは略多辺形に、略一周する外枠部(A)と、外枠部の一端から外枠部の内側に曲り込んだ内入部(B)とで成る、内入部(B)は、外枠部(A)に一定の間隔をとって成る、あるいは外枠部の端部分(a)が、挟み付けるための開いた間口を成す、ものである。
【発明の効果】
【0007】
縦横に張る線を以って挟み押えることにより、掲示紙片をしっかり挟持するものになった。
挟み付ける対象の板厚に、柔軟に対応できるクリップを得た。
付け外しが、スムーズに行えるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のクリップである。
図2】使用の様子を示したである。
図3】本発明のクリップである。
図4】使用方法を説明した図である。
図5】本発明のクリップである。
図6】本発明のクリップである。
図7】本発明のクリップである。
図8】本発明のクリップである。
図9】本発明のクリップである。
図10】本発明のクリップである。
図11】本発明のクリップである。
図12】本発明のクリップである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図を追って、実施例を説明する。
【0010】
図1を説明する。
図1に示すクリップは、線材を平たく折り曲げて成したものである。
外辺A1、A2、A3、A4で成す略四辺形に折り曲がった外枠部(A)と、外枠部の一端から外枠部の内側に曲り込んだ内入部(B)とで成り、内入部(B)は、外枠部(A)に一定の間隔(C)をとって成る。
尚、内入部(B)の端部分(b)は内側に折り曲がり、外枠部(A)の端部分(a)は、外側に折り曲がって成るものである。
【0011】
図1に示すクリップの特徴は、外枠部(A)の端(a)を外側に折り曲げて、挟み付けるための開いた間口を成し、内入部(B)は、外枠部(A)との間を一定の間隔(C)をとって、挟み付けるための導入経路を成したものである。
【0012】
図2を説明する。
図2は、図1に示した本クリップを以って、蓋を切り取った段ボール箱(E)の縁に、広告紙片(F)を挟み付けた(掲示した)様子を示した図である。
【0013】
図3を説明する。
図3は、本クリップの原形あるいは基本形を説明するものである。
【0014】
内入部(B)については、図3(1)に示すように、外辺A1に対向する内辺B1を成すものにするか、あるいは図3(2)に示すように、外辺A1とA2に対向する内辺B1、B2を成すものにするかは、任意に決めて良い。
云いかえるなら、内入部は、略一周する外枠部に対して、外枠部の内側を略4分の1周ないし略半周するかたちを取るものである。
【0015】
図3(1)(2)に示したものは、内入部(B)が、外枠部(A)に一定の間隔(C)をとって成るものである、また、外辺A1の端(a)について、挟み付けるための間口として、やや外方に開いた(折り曲げた)かたちを取ったものである。
【0016】
図3(3)に示したものは、図3(1)(2)に対比して、例えば図3(3)に示すように導入経路の径(C)を、一定の間隔以上の充分な間隔をとった場合には、外辺A1の端(a)について、必ずしも外方に折り曲げたかたちをとる必要はないことを説明するものである。
因みに、一定の間隔とは、挟み付ける対象の板(E)の厚みに見合う幅、あるいは厚みに対応する幅を云う。
【0017】
翻って、あらためて図1について説明する。
図1は、図3に示した原形あるいは基本形を変形した一例である。図1は、外辺A1の端(a)を外側に折り曲げ、挟み付けの間口を滑らかに開いたかたちを成すとともに、まるめ折ることによって線材の切断部分で、人が怪我をしないようにしたものでもある。
尚、図1に示したように、外辺A1の端(a)のまるめ折りの「かたち」と「大きさ」は、指の腹が適切に当るようにしておくと、取り付けた(挟み付けた)状態(体勢あるいは姿勢)を調整するとき、あるいは取り外すときに、操作がし易いものになる。
因みに、まるめ折りは、クリップのデザインとして、任意のかたちに折り曲げたものにして良い。
内入部(B)の端(b)を内側にまるめ折ったのは、付け外しの際に線材の切断部分が突っ掛からないようにしたものである。但し、必ずしも内入部の端(b)は、まるめ折るかたちを取らなければならない、とするものではない。
【0018】
図4を説明する。
図4は、図1のクリップを、板の縁に挟み付ける様子を説明する図である。
図4(1)に示すように外辺A1を板(E)の向こう側に引っ掛け、図4(2)に示す体勢に回転させ、図4(3)に示すように押し下げて挟み付けるものである。
【0019】
図4(3)を以って、本クリップの機能を説明する。
外辺A3は、表側から押える部分(A4、B1)と、裏側から押える部分(A2、A1)とを折り分ける部分であるとともに、板(E)の厚みに対応するための部分である。
端的に云うならば、本クリップは縦横に張るA4、B1を以って表側から挟み押え、縦横に張るA2、A1を以って裏側から挟み押える、とするものである。
【0020】
図5を説明する。
図5は、挟み付けた状態に於いてアクセントになるよう、図1を変形させて、内入部(B)の端(b)について、大きくまるめ折ったものである。また、外枠部(A)の端(a)も丸くまるめ折ったかたちにした。
即ち、前記したように、まるめ折りは任意のかたちに折り曲げて良い、とする一例である。
【0021】
図6を説明する。
図6は、細い線材(1.5ミリ径)を用いて成したもので、0.3〜0.5ミリ厚の薄い板に挟み付けるものとして成したクリップである。該厚みに適うかたちとして内辺B1と外辺A1との間隔(C)を、0.5ミリほどにしたものである。
上記したように、極く薄い板厚の板に使用するクリップの場合は、現実的には内辺B1と外辺A1との間隔(C)が無いほどに近接するものにもなるが、技術的な概念としては、そこには一定の間隔がある、と見做すものとする。
【0022】
図7を説明する。
図7は、3ミリ厚の板で成した段ボール箱に挟み付けるものとして、2ミリ径の線材を用いて成したクリップである。該厚みに適うかたちとして、内辺B1と外辺A1との間隔を3ミリほどにしたものである。
【0023】
因みに、図5に示したクリップは、5ミリ厚あるいは8ミリ厚の板で成した段ボール箱の縁に挟み付けるものとして、2ミリ径の線材を用いて成したクリップで、該厚みに適うかたちとして、内辺B1と外辺A1との間隔を8ミリほどにしたものである。
【0024】
仮りに、同じ太さ(径)、同じ材質の線材を用いたとき、図7に示すものより図6に示すもののように横幅を狭くしたものの方が、バネが強く働くものになる。云いかえるなら、図6に示すものより図7に示すもののように、横幅を広くしたものの方がバネが軟らかく働くものになる。
【0025】
図8〜12を説明する。
本クリップは、図1、3、5、6、7に示したクリップに限らず、図8〜12に示す如きのかたちの変形であっても良い。
本明細書で説明している図は、それぞれが一例である。
因みに、図8〜12に示すクリップも、請求項1の記載内容に包含されているもの、とする。
【0026】
図8は、内辺B1の変形の一例を示した図である。
図9は、図3(1)(2)に於ける外辺A1のaに代わる措置を、内辺B1に施した一例である。
図10は、図3(1)(2)に於ける外辺A1のaに代わる外辺A1とaのかたちである。
図11、12は、図1〜10で説明した略四辺形のものと異なる略多辺形の一例を示した図である。
【0027】
補足説明をする。
実施例では、市販の針金(鉄線)を使用したが、使用する線材の材質、太さなどは、任意に選択して良い。
基本的な機能を損なわない限りに於いて、形状、輪郭、デザイン、大きさなど任意に決めて良い。
本明細書に於いては、略四辺形のもの、及び、略多辺形のものを通して説明したが、略円形あるいは略楕円形のものなど、任意のデザインであって良い。
本発明は、全体の図を通して発明の全容を説明しているものであって、個々の図で説明した技術内容によって、請求項に記載する技術内容が限定されるものではない。
使用途として、段ボール箱の縁に挟み付ける例を説明したが、板状のものに挟み付けるクリップとして多岐に使用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
現在でも、本図2に示した如き用途に使用できる適切なクリップがない。
実用に適うクリップを得たことで、スーパーストアー、ドラッグストアー、八百屋などの販売促進に役立つことができる。
【符号の説明】
【0029】
A 外枠部
a 外枠部の端部分(導入部の間口を成す部分)
B 内入部
b 内入部の端部分
C 導入経路の径(間口から奥行きにかけての径幅)
E 段ボール箱、板
F 掲示紙片、紙片
【要約】
【課題】板の縁に掲示する(挟み付ける)広告紙片等の紙片について、ずり落ちないよう、挟み付けることができるものにすること、併せて、挟み付けが容易にできるものとする。
【解決手段】線材が平たく折り曲がって成るクリップであって、略四辺形あるいは略多辺形に、略一周する外枠部(A)と、外枠部の一端から外枠部の内側に曲り込んだ内入部(B)とで成る。尚、内入部(B)は、外枠部(A)に一定の間隔をとって成る。外枠部の端部分(a)が、外側に折り曲がり、挟み付けるための開いた間口を成すものにした。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12