(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043905
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】収納具
(51)【国際特許分類】
A45C 1/06 20060101AFI20161206BHJP
A45C 11/18 20060101ALI20161206BHJP
A45C 15/00 20060101ALI20161206BHJP
A45C 7/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
A45C1/06
A45C11/18 Z
A45C15/00 A
A45C7/00 R
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-146200(P2015-146200)
(22)【出願日】2015年7月7日
(65)【公開番号】特開2016-135227(P2016-135227A)
(43)【公開日】2016年7月28日
【審査請求日】2015年7月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-18825(P2015-18825)
(32)【優先日】2015年1月16日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516296795
【氏名又は名称】合同会社リボーン
(72)【発明者】
【氏名】高島 成央
【審査官】
大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−47412(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3148171(JP,U)
【文献】
実開昭59−150327(JP,U)
【文献】
実開昭61−2122(JP,U)
【文献】
実開昭58−175721(JP,U)
【文献】
特許第5667321(JP,B2)
【文献】
実開昭58−1312(JP,U)
【文献】
特開2002−65330(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0237107(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0006355(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0061778(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向的に配置される一対の表装部材の間に収納部を形成する収納具であって、前記表装部材としては、それぞれ財布、名刺入れ、手帳の何れかの機能を有する多種類のものを備えると共に、前記各表装部材は、その縁部に他の表装部材を互いに着脱自在に連結する連結部材を備え、前記多種類の表装部材のうちの任意の一対を前記連結部材を介して連結してなることを特徴とする収納具。
【請求項2】
前記多種類の表装部材は、互いに配色、デザインの異なるものからなることを特徴とする請求項1に記載の収納具。
【請求項3】
前記多種類の表装部材は、互いに素材の異なるものからなることを特徴とする請求項1に記載の収納具。
【請求項4】
前記連結部材は、短形状をした前記表装部材の全周に設けたオープンファスナーであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の収納具。
【請求項5】
前記連結部材は、短形状をした前記表装部材の一辺部に設けたオープンファスナーであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の収納具。
【請求項6】
前記連結部材は、矩形状をした前記表装部材の一辺部に対して直角に設けたオープンファスナーであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の収納具。
【請求項7】
前記表装部材は、連結部材として磁石を使用していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の収納具。
【請求項8】
前記表装部材は折り目を持つことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着脱自在収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今まで、財布の機能性効果をあげる為に家計管理に特化し収納機能に工夫を凝らしたものがある。(特許文献1参照)
財布の小銭入れ部分を着脱可能にしたものがある。(特許文献2参照)
また、財布の本体部分と紙幣や小銭、名刺やカード等の小物類を分類して収納できる収納部とを別体とし着脱自在としたものがあった。(特許文献3参照)
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許公開2011−255126号 公報
【特許文献2】特許公開2000−325122号 公報
【特許文献3】特許公開2014−144194号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来の収納具において収納、利便性や、個人でデザイン性を楽しむには十分な価値を持ったものであったが、文字通り収納具自体を折半して自分以外の他者(恋人や友人、家族等)との間で収納具の配色やデザイン、収納機能を共有する事はできなかった。
【0006】
そこで本件では、自分自身で楽しめることは勿論、自分以外の人間との関わり合いに収納具を介して共有することにより、自分以外の他者との繋がりを具現化することは出来ないか考えた。誰でも簡単に着脱可能にして、そのデザインや機能性を他者と共有することが出来る着脱自在収納具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為の手段として、財布、または名刺入れ、または手帳を備えた収納具(以下収納具という)において、それらを分断し、オープンファスナー、ボタン、ホック、マジックテープ、磁石、紐、棒、スライドレール等連結部材(以下連結部材という)を用いて異なるデザインの収納具との連結を可能にする。
【0008】
第一の収納具と、他の収納具とを同一或いは異なるデザインからなる両者に連結部材を用いて連結した着脱自在収納具である。
【0009】
第1の発明は、対向的に配置される一対の表装部材の間に収納部を形成する収納具であって、
前記表装部材としては、それぞれ財布、名刺入れ、手帳の何れかの機能を有する多種類のものを備えると共に、前記各表装部材は、その縁部に他の表装部材を互いに着脱自在に連結する連結部材を備え、
前記多種類の表装部材のうちの任意の一対を前記連結部材を介して連結してなることを特徴とする収納具である。
【0010】
第2の発明は、対向的に配置される一対の表装部材の間に収納部を形成する収納具であって、
前記表装部材としては、それぞれ財布、名刺入れ、手帳の何れかの機能を有する多種類のものを備えると共に、前記各表装部材は、その縁部に他の表装部材を互いに着脱自在に連結する連結部材を備え、
前記多種類の表装部材は、互いに配色、デザインの異なるものからなるうちの任意の一対を前記連結部材を介して連結してなることを特徴とする収納具である。
【0011】
第3の発明は、対向的に配置される一対の表装部材の間に収納部を形成する収納具であって、
前記表装部材としては、それぞれ財布、名刺入れ、手帳の何れかの機能を有する多種類のものを備えると共に、前記各表装部材は、その縁部に他の表装部材を互いに着脱自在に連結する連結部材を備え、
前記多種類の表装部材は、互いに素材の異なるものからなるうちの任意の一対を前記連結部材を介して連結してなることを特徴とする収納具である。
【0012】
第4の発明は、前記第1から第3の発明の連結部材を、短形状をした前記表装部材の全周に設けたオープンファスナーとしたことを特徴とする収納具である。
【0013】
第5の発明は、前記第1から第3の発明の連結部材を、短形状をした前記表装部材の一辺部に設けたオープンファスナーとしたことを特徴とする収納具である。
【0014】
第6の発明は、前記第1から第3の発明の連結部材を、矩形状をした前記表装部材の一辺部に対して直角に設けたオープンファスナーとしたことを特徴とする収納具である。
【0015】
第7の発明は、前記第1から第3の発明の表装部材が、連結部材として磁石を使用していることを特徴とする収納具である。
【0016】
第8の発明は、前記第1から第3の発明の表装部材が、折り目を持つことを特徴とする収納具である。【0017】
以下よりその着脱自在収納具の連結方法を図面を用いて説明する。
【0018】
図1、
図2、
図3 着脱自在収納具の連結部材の一つとして着脱自在収納具の二つ折り状態のものに取り付けられたオープンファスナーのスライダー部分である1aを持ち、1から2の方向にスライダーをスライドさせる事によって簡単に収納具を
表装部材3と
表装部材4に分断させる事ができる。
【0019】
そして収納具を異なる配色やデザインの収納具と結合させるときは
表装部材3と、
表装部材4とを、オープンファスナー部分を向い合せて2から1に1aをスライドさせるだけで異なった配色、及びデザインの着脱自在収納具が完成する(
図4)。
【0020】
着脱自在収納具にオープンファスナーを用いた組み合わせパターンの一部の例として
図5があるが、素材として革、布、エナメル素材、ビニール、合成皮革、紙、合成樹脂等が考えられ、裏面及び収納部の形状も、収納機能のないものから、財布、札挟み、名刺入れ、手帳、ブックカバー、小物入れ等と自在であることから、その組み合わせは非常に多岐に渡る事が考えられる。
【0021】
着脱自在収納具の連結部材の一例として、
図6の様に二つ折り形状の収納具に対して、折り目部分に沿うことなく分断するように直角に連結部材を使って着脱自在としているが、この場合ファスナー部分で折りたたむ事も、又ファスナー部分に対して直角に折りたたむ事もできる、すなわち矩形状をした前記表装部材の一辺部に設けたオープンファスナーの取り付け位置によって、折りたたみ方に幅を持たせることに成功した。
【0022】
着脱自在収納具の連結した状態の説明図と、着脱自在収納具を、分離した状態の説明図として
図7では連結部材としてオープンファスナーを使用して収納具の全周に装着させて着脱自在収納具としている。
【0023】
第一の着脱自在収納具と、その他の着脱自在収納具とを横並び、或いは縦並びに連結部材を用いて連結させた(
図8)第一の着脱自在収納具と、その他の着脱自在収納具の相互に第三の連結部材を取り付ける事により、さらに他の収納具と着脱自在収納具としている。
【0024】
手帳やブックカバーに連結部材を用いた着脱自在収納具の一例の説明図として
図9があるが、名刺入れにも対応できる。
【0025】
この発明の連結部材の一つとしてオープンファスナーを用いて着脱自在とした場合の方法の説明図として
図10があるが、ファスナースライダー部分を収納具の内側に取り付け、収納具表面部材がファスナー着脱部分を覆うことによりファスナー金具部分が露出することがなくなった。
【0026】
この発明の連結部材の一つとして磁石を用いた着脱自在収納具の一例の説明図として
図11があるが、薄型シート状の強力磁石を使うことによって形状も使用に耐えられるものとなった着脱自在収納物の開発に成功した。
【0027】
この発明の一つとして三つ折り形状のもの(
図12)があるが、互いの収納具が同サイズに限らないことの一例である。
【発明の効果】
【0028】
収納具を分割し連結部材を用いる事により、簡易に着脱自在とする事で自分自身の異なった配色、及びデザインの収納具とは勿論、他人(家族間、恋人間、友人間、企業間等)と共有できるようにするものである。
【0029】
従来の収納物と大きく異なる点は、個人一人で配色やデザインを自在に組み合わせて楽しめる事は勿論だが、その楽しみを他者と共有でき得るところである。
【0030】
例えば、片側を財布としての収納具として、もう一方の片側を手帳、名刺入れ等の収納具に連結部材を用いて連結して着脱自在収納具として使用する事もできることなどから他者とも共有できる点も考慮すると、その利便性も非常に多岐に渡ることがうかがい知れる。
【0031】
オープンファスナーを用いて連結した場合、可動範囲が大幅に増幅する事によって非常に使い勝手が改善され、開閉による折り畳み部分の劣化を軽減でき、着脱自在収納物において片側だけが損傷した場合など製品を一つ購入しなくても片側一つを購入すれば経済的にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】着脱自在収納具を連結部材としてオープンファスナーを用いて中間地点にて収納具を連結し閉じた状態の説明図である。(実施例1)
【
図2】連結部材としてオープンファスナーを用いて収納具を連結したものを開いて表面を真上から見た状態の説明図である。
【
図3】
図2とは異なるデザインの収納具を連結部材としてオープンファスナーを用いて収納具を連結したものを開いて表面を真上から見た状態の説明図である。
【
図4】
図2と
図3の異なるデザインの収納具を連結部材としてオープンファスナーを用いて中間地点にて組み合わせた状態の説明図である。(実施例2)
【
図5】複数の収納具を連結部材としてオープンファスナーを用いて分断した収納具の組み合わせの一例の説明図であるが、表面のデザインのみならず収納部の組み合わせも着脱自在として多岐にわたる。(実施例3)
【
図6】着脱自在収納具に取り付ける連結部材の一例として、オープンファスナーを短形状の収納具に対して、折り畳み部分ではなく、折り畳み部に対して直角に装着した状態の説明図である。(実施例4)
【
図7】着脱自在着せ替え収納具の説明図である、上の図が連結部材として表装部材の全周に設けたオープンファスナーを用いて連結された状態の着脱自在収納具の説明図であり、下図がオープンファスナーを用いて収納具3と、収納具4とに分断させた状態の説明図である、なお呼称3と4は順逆自在である。(実施例5)
【
図8】着脱自在収納具と他の着脱自在収納具とを横並び、及び縦並びに連結した状態の説明図である。(実施例6)
【
図9】着脱自在収納具としての手帳、ブックカバーの説明図である。(実施例7)
【
図10】着脱自在収納具の連結部材としてオープンファスナーのスライダー部分を収納具の内側に装着し、収納具表面部材がファスナー着脱部分を覆うことによりファスナー部分が露出しないようにした状態の説明図である。(実施例8)
【
図11】着脱自在収納具の連結部材として、シート状の薄型強力磁石を用いた状態の説明図である。(実施例9)
【
図12】着脱自在収納具の一例として三つ折り形状の説明図である。(実施例10)
【発明を実施するための形態】
【0033】
収納具を分割して連結部材を用いる事により着脱自在収納具の発明に成功した。
【0034】
連結部材としては、オープンファスナー、ボタン、ホック、マジックテープ、磁石、紐、棒、スライドレール等を用いて異なるデザインの同サイズの収納具との連結を可能にし、収納部、及び収納具においては、財布、名刺入れ、手帳がある。
【0035】
着脱自在収納具の表装部材の素材としては、革、布、エナメル素材、ビニール、合成皮革、紙、金属、合成樹脂等がある。
【0036】
短形状収納具を見開いた状態で、その折り目部分に連結部材を取り付ける事に依り着脱自在収納具の発明に成功した。
【0037】
短形状収納具を見開いた状態で、その折り目部分に連結部材としてオープンファスナーを取り付ける事に依り着脱自在収納具の発明に成功した。
【0038】
短形状収納具を見開いた状態で、その折り目部分に対して直角に連結部材を取り付ける事により着脱自在収納具の発明に成功した。
【0039】
短形状収納具を見開いた状態で、その折り目部分に対して直角にオープンファスナーを取り付ける事により着脱自在収納具の発明に成功した。
【0040】
表装部材を全周する様に取り付けたオープンファスナーにより、着脱自在収納具の発明に成功した、またオープンファスナーのスライダー取り付け位置は表面と裏面、そのどちらでもよいものとする。
【0041】
第一の収納具に取り付けられたファスナーと、他の収納具に取り付けられたファスナーとを、嵌合せしめるファスナー嵌合手段を用いて着脱自在とする事を特徴とする着脱自在収納具であり、また連結部材としてオープンファスナーを使用する際には同じサイズのオープンファスナーで務歯(金属部分)の数量をそれぞれ合わせる必要があるが、オープンファスナーの種類においてはその限りではなく、他の連結部材においてもその限りではない。
【0042】
図4は、実際に中間地点にてオープンファスナーを装着した着脱自在着せ替え収納物(
図2、
図3)を組み替え開いた状態の説明図であるが、表面同様に裏面(収納部)も着脱し自分好みの組み合わせを楽しめる事は勿論、自分以外の他者(恋人や夫婦、家族や企業等)間でデザインの共有が可能とすることができ、また使用例の一つとして、企業等が片面にロゴ等を印刷したものを配布し装着させることで宣伝効果も見込める。
【0043】
図5の様に簡単に誰でも簡単に異なる配色、デザインの財布を自分好みにカスタマイズして楽しむことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上記実施例で述べた様に会社のロゴなどを片側に印刷したものを社員やお得意様へ贈呈する事によっての会社の宣伝効果を狙った利用方法やイベント等での配布や、表面を地球のデザインで統一して裏面を各国の国旗のデザインをプリントして異国間同士で共有する事により平和や友情のメッセージとすることもできる。
【0044】
また、収納部を財布、手帳、名刺入れ等選ばない事から多岐に渡った業種、業界からの参入が可能であると考えられる。
【0045】
本発明の発想は非常に多岐に渡って広がるものであり、又開閉部位に磁石、ホック、ボタン、差込み等接合手段を用いる事により開閉自在とすることにも成功した。
【符号の説明】
【0046】
1a オープンファスナーのスライダー部分
1 オープンファスナーを閉じた状態のスライダーの位置
2 オープンファスナーを開いた状態のスライダーの位置
3 オープンファスナーにて分離した状態の収納具
(表装部材)
4 オープンファスナーにて分離した状態の収納具
(表装部材)
R 連結手段(連結部材) オープンファスナー、ボタン、ホック、マジックテープ、磁石、紐、棒、スライドレール等
C 連結部材としての磁石装着部分