特許第6043908号(P6043908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043908
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   A63F7/02 326G
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-130273(P2014-130273)
(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-7416(P2016-7416A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2014年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(72)【発明者】
【氏名】小川 慎也
【審査官】 小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−119076(JP,A)
【文献】 特開2013−017730(JP,A)
【文献】 特開2009−213536(JP,A)
【文献】 特開2009−172216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な第1操作部と第2操作部とを並べて備える遊技機において、
前記第1操作部と、前記第1操作部が操作されたことを検出するための第1検出部と、を一体に備えた第1操作ユニットと、
前記第2操作部と、前記第2操作部が操作されたことを検出するための第2検出部と、を一体に備えた第2操作ユニットと、
前記第1操作ユニット及び前記第2操作ユニットの一部を収容する収容凹部を備えたベース部材と、
前記第1操作ユニットを受容すると共に前記第1操作部を露出させる第1受容孔と、前記第2操作ユニットを受容すると共に前記第2操作部を露出させる第2受容孔とを有するカバー部材と、を備え、
前記ベース部材は、前記カバー部材の裏側に配置されて前記カバー部材が固定されると共に、前記収容凹部は前記カバー部材側に開口し、
前記第1操作ユニットと前記カバー部材とを固定する固定手段を備え、
前記第2操作ユニットは、前記ベース部材と前記カバー部材とに挟み付けられ、前記第2操作ユニットを前記ベース部材に固定するための突出部を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記収容凹部が上側に開口すると共に、前記カバー部材は前記ベース部材の上面に重ねて固定されたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2操作ユニットは、前記第2検出部を内蔵するボックス状をなして、前記カバー部材の前記第2受容孔から露出する表側面に前記第2操作部を備えてなり、
前記第2操作ユニットの外周部に段差部を形成すると共に、その段差部より外側部分を前記突出部として、前記カバー部材の表側面と前記第2操作ユニットの表側面とを面一に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記突出部は、前記第2操作ユニットのうち表側面より奥まった位置から側方に張り出して前記段差部を形成する側方張出片であって、
前記側方張出片は、前記収容凹部の開口縁と前記第2受容孔の開口縁との間に挟み付けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記カバー部材の裏面に宛がわれると共に前記第1操作ユニットのうち前記カバー部材の裏側に配置される部分を受容する受容ケースを備えると共に、前記第1操作ユニットに、前記第1操作ユニットの外周部から側方に張り出したフランジ部を形成し、
前記フランジ部と前記受容ケースの開口端との間前記カバー部材のうち前記第1受容孔の開口縁挟み付けられた状態で前記受容ケース前記第1操作ユニットに固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記収容凹部には、前記第1操作ユニットを収容可能な第1収容凹部と、前記第2操作ユニットを収容可能な第2収容凹部とが設けられ、
前記第2操作ユニットは、前記第2収容凹部の内周面に嵌合されることを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記収容凹部には、前記受容ケースと共に前記第1操作ユニットを収容可能な第1収容凹部と、前記第2操作ユニットを収容可能な第2収容凹部とが設けられ、
前記第2操作ユニットは、前記第2収容凹部の内周面に嵌合されることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項8】
前記第2操作ユニットのうち前記第2収容凹部に収容される部分の断面形状を非円形にしたことを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技機。
【請求項9】
遊技の演出が行われる際に操作される演出操作部を前記第1操作部として備える前記第1操作ユニットとしての演出操作ユニットと、
遊技者が遊技球の貸出を要求する際に操作される貸出操作部を前記第2操作部として備える前記第2操作ユニットとしての貸出操作ユニットと、
前記貸出操作部の操作により貸し出された遊技球を貯留可能であって、前記演出操作部及び前記貸出操作部を上部に有する球受け皿部とを備え、
前記球受け皿部を、遊技球を貯留可能な皿本体部の上面に上面プレートを重ねて固定した構造とし、前記皿本体部を前記ベース部材とすると共に、前記上面プレートを前記カバー部材としたことを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が操作可能な操作部を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技球を貯留可能な球受け皿部の上面に、遊技者が遊技球の貸出を要求する際に操作される貸出ボタンを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、球受け皿部の上面に、貸出ボタンと、遊技の演出が行われる際に遊技者が操作可能な演出操作ボタンとを並べて備える操作パネル部が形成された遊技機も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−176204号公報(段落[0049]、[0054]、図7図8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した操作パネル部を備えた従来の遊技機では、貸出ボタンを上部に備える貸出操作ユニットと、演出操作ボタンを上部に備える演出操作ユニットとを、それぞれ球受け皿部の本体部分にねじ止めし、さらに球受け皿部の上面となるカバープレートを球受け皿部の本体部分にねじ止めすることで、操作パネル部を形成していた。このため、操作部の組み付けに手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、操作部の組み付けを従来よりも容易にすることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、遊技者が操作可能な第1操作部と第2操作部とを並べて備える遊技機において、第1操作部と、第1操作部が操作されたことを検出するための第1検出部と、を一体に備えた第1操作ユニットと、第2操作部と、第2操作部が操作されたことを検出するための第2検出部と、を一体に備えた第2操作ユニットと、第1操作ユニット及び第2操作ユニットの一部を収容する収容凹部を備えたベース部材と、第1操作ユニットを受容すると共に第1操作部を露出させる第1受容孔と、第2操作ユニットを受容すると共に第2操作部を露出させる第2受容孔とを有するカバー部材と、を備え、ベース部材は、カバー部材の裏側に配置されてカバー部材が固定されると共に、収容凹部はカバー部材側に開口し、第1操作ユニットとカバー部材とを固定する固定手段を備え、第2操作ユニットは、ベース部材とカバー部材とに挟み付けられ、第2操作ユニットをベース部材に固定するための突出部を備えるところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機において、収容凹部が上側に開口すると共に、カバー部材はベース部材の上面に重ねて固定されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、第2操作ユニットは、第2検出部を内蔵するボックス状をなして、カバー部材の第2受容孔から露出する表側面に第2操作部を備えてなり、第2操作ユニットの外周部に段差部を形成すると共に、その段差部より外側部分を突出部として、カバー部材の表側面と第2操作ユニットの表側面とを面一に配置したところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の遊技機において、突出部は、第2操作ユニットのうち表側面より奥まった位置から側方に張り出して段差部を形成する側方張出片であって、側方張出片は、収容凹部の開口縁と第2受容孔の開口縁との間に挟み付けられているところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、カバー部材の裏面に宛がわれると共に第1操作ユニットのうちカバー部材の裏側に配置される部分を受容する受容ケースを備えると共に、第1操作ユニットに、第1操作ユニットの外周部から側方に張り出したフランジ部を形成し、フランジ部と受容ケースの開口端との間カバー部材のうち第1受容孔の開口縁挟み付けられた状態で受容ケース第1操作ユニットに固定されているところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、収容凹部には、第1操作ユニットを収容可能な第1収容凹部と、第2操作ユニットを収容可能な第2収容凹部とが設けられ、第2操作ユニットは、第2収容凹部の内周面に嵌合されるところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5に記載の遊技機において、収容凹部には、受容ケースと共に第1操作ユニットを収容可能な第1収容凹部と、第2操作ユニットを収容可能な第2収容凹部とが設けられ、第2操作ユニットは、第2収容凹部の内周面に嵌合されるところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載の遊技機において、第2操作ユニットのうち第2収容凹部に収容される部分の断面形状を非円形にしたところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、遊技の演出が行われる際に操作される演出操作部を第1操作部として備える第1操作ユニットとしての演出操作ユニットと、遊技者が遊技球の貸出を要求する際に操作される貸出操作部を第2操作部として備える第2操作ユニットとしての貸出操作ユニットと、貸出操作部の操作により貸し出された遊技球を貯留可能であって、演出操作部及び貸出操作部を上部に有する球受け皿部とを備え、球受け皿部を、遊技球を貯留可能な皿本体部の上面に上面プレートを重ねて固定した構造とし、皿本体部をベース部材とすると共に、上面プレートをカバー部材としたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
[請求項1,2,9の発明]
請求項1の遊技機では、第1操作ユニットと固定されたカバー部材をベース部材に固定することで第1操作ユニットがベース部材に固定され、第2操作ユニットの突出部をカバー部材とベース部材との間に挟み付けることで第2操作ユニットがベース部材に固定されている。この構成によれば、第1及び第2の操作ユニットの固定を、ベース部材に第2操作ユニットを収容した状態で、第1操作ユニットと固定されたカバー部材をベース部材に宛がって固定することにより行うことが可能となる。つまり、ベース部材にカバー部材を固定する際に、第2操作ユニットも共に固定することができ、操作部構成部の組み付けを従来よりも容易にすることが可能となる。
【0016】
また、操作部構成部は、前方を向いていたり側方を向いていてもよいが、請求項2の遊技機のように収容凹部を上側に開口させて、上方を向いた構成としてもよい。
【0017】
ここで、操作頻度が比較的高い方を第1操作部、比較的低いほうを第2操作部とすると、操作頻度が比較的高い第1操作部がより強固に固定されることとなり、第1操作部の操作の安定性を確保することが可能となる。例えば、請求項9の遊技機では、演出時に操作される演出操作部と遊技球の貸出を要求する際に操作される貸出操作部とのうち操作頻度の比較的高い演出操作部を第1操作部としたので、演出操作部の操作の安定性を確保することが可能となる。なお、請求項9では、遊技を実行する上でより重要性が高い貸出操作ユニットを第1操作ユニットよりも着脱容易な第2操作ユニットとしたので、貸出操作部の故障時に容易に貸出操作ユニットを交換することが可能となる。
【0018】
[請求項3の発明]
請求項3の遊技機では、カバー部材の表側面と第2操作ユニットの表側面とを面一として、外観不良の抑制を図ることが可能となる。
【0019】
[請求項4の発明]
請求項4の遊技機では、突出部を側方に張り出した側方張出片としたため、突出部を薄くすることが可能となる。
【0020】
[請求項5の発明]
請求項5の遊技機では、受容ケースにより第1操作ユニットを保護すると共にカバー部材を固定することが可能となる。
【0021】
[請求項6,7の発明]
請求項6,7の遊技機では、第2操作ユニットが第2収容凹部の内周面に嵌合されるため、第2操作ユニットの取付けの際に第2操作ユニットの位置決めを容易にすることが可能となる。
【0022】
[請求項8の発明]
また、請求項8の構成によれば、第2操作ユニット及び第2収容凹部を非円形とすることで、第2操作ユニットが第2収容凹部内で回転することを規制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図
図2】遊技機の斜視図
図3】球受け皿部の斜視図
図4】(A)演出操作ユニットの正面側斜視図、(B)十字ボタンユニットの斜視図
図5】(A)貸出操作ユニットの平面側斜視図、(B)貸出操作ユニットの底面側斜視図
図6】ユニット複合体の平面側分解斜視図
図7】ユニット複合体の底面側分解斜視図
図8】球受け皿部における皿本体部の斜視図
図9】ユニット複合体、貸出操作ユニット及びの皿本体部の斜視図
図10】ユニット複合体の断面図
図11】貸出操作ユニット周辺の断面図
図12】変形例における貸出操作ユニット周辺の断面図
図13】変形例における貸出操作ユニット周辺の断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る第1実施形態を、図1図11に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10(以下、「遊技機10」という。)は、前面が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技板11の遊技領域R1が視認可能になっている。
【0025】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、遊技球を貯留可能な上皿26及び下皿27が上下に並べて設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル28が設けられている。そして、操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に貯留された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0026】
遊技領域R1には、図示しない始動入賞口と大入賞口が備えられ、始動入賞口に遊技球が入球すると当否判定が行われる。当否判定の結果は、遊技領域R1に設けられた表示部(図示せず)にて、その結果に基づいた演出と共に表示される。大入賞口は、通常は、可動扉等で閉塞されて遊技球が入球困難な状態になっていて、上記当否判定の結果が当りとなったときに開放されて遊技球が入球可能な状態となる。また、各種入賞口に遊技球が入球すると、賞球が上皿26に払い出される。
【0027】
図2に示すように、上皿26及び下皿27は、前面枠10Zのうちガラス窓10Wの下方から前方に突出した球受け皿部13に配設されている。詳細には、下皿27は、球受け皿部13の下部全体を占め、上皿26は、球受け皿部13の上部の後側に配置されている。また、球受け皿部13の上部における上皿26の右側(即ち、操作ハンドル28側)には、球排出ボタン33が備えられていて、この球排出ボタン33が操作されると、上皿26に収容されている遊技球が下皿27へと移動するようになっている。
【0028】
また、球受け皿部13の上部における上皿26の前側には、十字ボタン31、本発明の「第1操作部」及び「演出操作部」に相当する演出操作ボタン32、本発明の「第2操作部」及び「貸出操作部」に相当する貸出操作ボタン34、球貸用カードの返却ボタン35を並べて備える操作パネル部30Sが形成されている。
【0029】
演出操作ボタン32及び十字ボタン31は、遊技の進行に応じて実行される演出に使用される。その使用例としては、例えば、(a)実行する演出を複数種類の演出群の中から十字ボタン31で選択させて演出操作ボタン32で決定させることや、(b)(a)の例と同様にして、遊技中のBGMを複数種類の楽曲の中から選択、決定させること等が挙げられる。
【0030】
貸出操作ボタン34は、遊技者が遊技球の貸出を要求するためのボタンで、貸出操作ボタン34が操作されると、予め設定された数の遊技球が貸し出され、上皿26に貯留される。また、返却ボタン35が操作されると、球貸用カードが返却される。なお、球貸用カードは、パチンコホール内で遊技球を借りるためのカードであって、例えば、遊技機10の左側に設置される球貸用サンドのカード挿入口に挿入されると、球貸用カードに記録されている残高分の遊技球を借りることが可能となる。また、球貸用カードは、返却ボタン35が操作されると、球貸用サンドの返却口から返却される。
【0031】
図4(A)に示すように、演出操作ボタン32は、演出操作ユニット40(本発明の「第1操作ユニット」に相当する)の一部を構成している。具体的には、演出操作ユニット40は、上方に開放した円筒ケース40Aに、円形ドーム状の演出操作ボタン32の下端部を受容した構造になっていて、演出操作ボタン32は、円筒ケース40Aに対して上下動可能となっている。円筒ケース40Aの内部には、演出操作ボタン32を上方に付勢する付勢バネ(図示せず)と、その付勢バネの付勢力に抗して演出操作ボタン32が下方へ移動した(押圧された)ことを検出するセンサ40S(本発明の「第1検出部」に相当する)が収容されている。また、円筒ケース40Aの上端縁からは、周方向全体に亘ってフランジ部40Hが側方に張り出している。
【0032】
図7に示すように、円筒ケース40Aの下面は、水平方向と略平行に配置される平坦部40Fと、平坦部40Fから離れるにつれて上方に傾斜する傾斜部40Kとで構成されている。平坦部40Fには、位置決め突部40Nが3つ設けられている。
【0033】
図4(B)に示すように、十字ボタン31は、十字ボタンユニット42の一部を構成している。十字ボタンユニット42は、全体が円柱状をなす円形ボックス42Aの上面に十字ボタン31を備えてなる。円形ボックス42Aは、上述した演出操作ユニット40の円筒ケース40Aと同様に、十字ボタン31の上下左右各部の押圧操作を検出するためのセンサ(図示せず)を内蔵している。また、円形ボックス42Aの上端部からは、周方向全体に亘ってフランジ部42Hが側方に張り出している。さらに、円形ボックス42Aの下面には、位置決め突部42Nが2つ形成されている(図7参照)。なお、2つの位置決め突部42Nは、円形ボックス42Aの下面の片側に偏在している。
【0034】
図5(A)に示すように、貸出操作ボタン34及び返却ボタン35は、貸出操作ユニット43(本発明の「第2操作ユニット」に相当する)の一部を構成している。同図に示すように、貸出操作ユニット43は、断面異形のボックス状をなすボックスケース43Aの上面43Uから貸出操作ボタン34及び返却ボタン35が突出した構造になっていて、そのボックスケース43Aには、貸出操作ボタン34及び返却ボタン35の押圧操作を検出するためのセンサ43S,43S(本発明の「第2検出部」に相当する)が内蔵されている。具体的には、貸出操作ユニット43の断面形状は、長方形の下辺部が右上がりに傾斜し、左辺部が側方へ突出した形状をなし、上下、左右がともに非対称となっている。なお、遊技者の誤認を抑制すべく、貸出操作ボタン34と返却ボタン35とは、異なる形状(例えば、貸出操作ボタン34が円形で返却ボタン35が四角形)になっている。
【0035】
また、貸出操作ユニット43(ボックスケース43A)の外周部からは、周方向全体に亘って、本発明の「突出部」に相当する側方張出片43Hが突出している。詳細には、側方張出片43Hは、ボックスケース43Aの上端より若干下方位置に配置されている。そして、側方張出片43Hの上面がボックスケース43Aの上面43Uより下方に配置されることで、貸出操作ユニット43の外周部に本発明に係る段差部43Dが形成されている。
【0036】
図9に示すように、本実施形態では、球受け皿部13が、上皿26と下皿27とを段積みしてなる皿本体部13H(本発明の「ベース部材」に相当する)と、皿本体部13Hの上面に重ねて固定されるカバープレート38(本発明の「上面プレート」、「カバー部材」に相当する)とを備えている。皿本体部13Hの上面には、上述した各ユニット40,42,43の下部を収容する第1と第2の収容凹部13A,13Bが陥没形成されている。また、カバープレート38には、各ユニット40,42,43の上部を内側に受容する第1〜第3のユニット受容孔38A〜38Cが貫通形成されている(図6参照)。そして、第1と第2の収容凹部13A,13Bに各ユニット40,42,43を収容した状態で、皿本体部13Hの上面がカバープレート38で覆われることで、第1〜第3のユニット受容孔38A〜38Cから各種ボタン31,32,34,35が露出し、上記した操作パネル部30Sが形成されている(図3参照)。なお、上皿26は、皿本体部13Hの後側に寄せて配置され、収容凹部13A,13Bは、上皿26の前側に配置されている。
【0037】
ここで、本実施形態では、演出操作ユニット40及び十字ボタンユニット42は、これらユニット40,42とカバープレート38とが固定された状態でそのカバープレート38が皿本体部13Hに固定されることにより球受け皿部13に固定される一方、貸出操作ユニット43は、皿本体部13Hとカバープレート38との間に挟み付けられることにより球受け皿部13に固定されている。以下、各ユニット40,42,43の固定構造について詳説する。
【0038】
まず、演出操作ユニット40及び十字ボタンユニット42の固定構造について説明する。図6に示すように、カバープレート38の左右方向の中央部には、演出操作ユニット40を受容する第1ユニット受容孔38Aが設けられ、その第1ユニット受容孔38Aの右側に、十字ボタンユニット42を受容する第3ユニット受容孔38Cが設けられている。具体的には、第1と第3のユニット受容孔38A,38Cは、演出操作ユニット40の円筒ケース40Aと十字ボタンユニット42の円形ボックス42Aとにそれぞれ嵌合し、各ユニット40,42のフランジ部40H,42Hが第1と第3のユニット受容孔38A,38Cの開口縁に上方から宛がわれる。そして、円筒ケース40Aと円形ボックス42Aの一部がカバープレート38の裏側に配置される。なお、第1ユニット受容孔38Aの開口縁には、演出操作ユニット40のフランジ部40Hと嵌合する環状突部38Eが形成されている。
【0039】
カバープレート38の裏側からは、円筒ケース40Aと円形ボックス42Aを受容する受容ケース39が宛がわれている。受容ケース39は、共に円形状をなす大径ケース部39B及び小径ケース部39Cと、それらケース部39B,39Cの開口縁同士を連絡する連絡壁39Aと、大径ケース部39Bと小径ケース部39Cの開口縁から外側に突出した複数の突片39Dとで構成され、連絡壁39Aと複数の突片39Dとがカバープレート38の裏面と当接する。なお、大径ケース部39B及び小径ケース部39Cの底壁には、各ユニット40,42の位置決め突部40N,42Nが挿通される位置決め凹部39Eが形成されている(図7参照)。
【0040】
図9及び図10に示すように、カバープレート38は、受容ケース39の連絡壁39A及び突片39Dと、各ユニット40,42のフランジ部40H,42Hとの間に挟み付けられている。そして、この状態で、受容ケース39が各ユニット40,42の下部にねじ(本発明の「固定手段」に相当する)により固定されることで、各ユニット40,42とカバープレート38とが一体に固定されたユニット複合体41が形成されている。そして、このユニット複合体41が皿本体部13Hに固定されることで各ユニット40,42が皿本体部13Hに固定されている。
【0041】
次に、貸出操作ユニット43の固定構造について説明する。図9に示す皿本体部13Hの第2の収容凹部13Bは、貸出操作ユニット43のうち側方張出片43Hから下側の部分を受容可能となっている。また、第2の収容凹部13Bの開口縁部は側方張出片43Hを受容するように段付き状になっていて(図8参照)、貸出操作ユニット43の側方張出片43Hを下方から受け止める。
【0042】
図9に示すように、ユニット複合体41におけるカバープレート38の右部には、貸出操作ユニット43を受容する第2のユニット受容孔38Bが設けられている。この第2のユニット受容孔38Bは貸出操作ユニット43のうち側方張出片43Hより上側部分と嵌合し、カバープレート38のうち第2のユニット受容孔38Bの開口縁は、貸出操作ユニット43の側方張出片43Hに上方から宛がわれる。
【0043】
そして、貸出操作ユニット43が第2の収容凹部13Bに受容された状態で、ユニット複合体41のカバープレート38が皿本体部13Hに固定されることで、図11に示すように貸出操作ユニット43の側方張出片43Hがカバープレート38と皿本体部13Hとの間に挟み付けられ、貸出操作ユニット43が皿本体部13Hに固定されている。
【0044】
次に、各ユニット40,42,43の球受け皿部13への組み付けについて説明する。各ユニット40,42,43を球受け皿部13に組み付けるには、まず、演出操作ユニット40,十字ボタンユニット42とカバープレート38とを固定して、ユニット複合体41を形成する。
【0045】
具体的には、受容ケース39の上方にカバープレート38を重ねてから、演出操作ユニット40及び十字ボタンユニット42を、受容ケース39の各ケース部39B,39Cと、カバープレート38の各ユニット受容孔38A,38Bとに上方から挿入する。このとき、各ユニット40,42の位置決め突部40N,42N(図7参照)が位置決め凹部39Eに挿通されることで、各ユニット40,42が位置決めされる。そして、各ユニット40,42と受容ケース39とがネジで締結されることで、カバープレート38がユニット40,42と受容ケース39との間に固定され(図10参照)、ユニット複合体41が形成される。
【0046】
ここで、カバープレート38の前端部には、下方に突出した位置決め突片38F(図7参照)が設けられていて、この位置決め突片38Fが受容ケース39の前端部と当接することにより、カバープレート38を受容ケース39に対して容易に位置決めすることが可能となる。また、受容ケース39のうち大径ケース部39Bの底壁は、円筒ケース40Aの下面と対応した形状をなしていて、円筒ケース40Aの傾斜部40Kと大径ケース部39Bの傾斜部39Sとを重なるように配置することで、大径ケース部39Bに対する演出操作ユニット40の向きを予め定めた向きに固定することができる。さらに、上述したように、十字ボタンユニット42の位置決め突部42Nが断面円の片側に偏在しているので、小径ケース部39Cに対する十字ボタンユニット42の向きを予め定めた向きに収容することが可能となる。
【0047】
ユニット複合体41が形成されると、次いで、球受け皿部13の第2の収容凹部13B(図9参照)に貸出操作ユニット43を収容する。このとき、第2の収容凹部13Bの開口縁が側方張出片43Hの下面に当接する。ここで、貸出操作ユニット43は、断面異形となっているので、第2の収容凹部13Bに対する貸出操作ユニット43の向きを、予め定めた向きに固定することが可能となる。
【0048】
そして、ユニット複合体41のうちカバープレート38より下側部分を第1の収容凹部13Aに収容させ、ユニット複合体41を球受け皿部13に載置する。この状態で、カバープレート38を皿本体部13Hにネジ止めすることで、演出操作ユニット40、十字ボタンユニット42が球受け皿部13に固定される。
【0049】
このとき、カバープレート38の第2のユニット受容孔38Bが貸出操作ユニット43の側方張出片43Hより上側部分と嵌合し、カバープレート38が側方張出片43Hの上面に当接している。つまり、図11に示すように、貸出操作ユニット43のうち側方張出片43Hが皿本体部13Hの開口縁とカバープレート38の開口縁との間に挟み付けられているので、貸出操作ユニット43が球受け皿部13に固定される。
【0050】
なお、ここで、貸出操作ユニット43における段差部43Dの高さは、カバープレート38の板厚と同じとなっている。これにより、貸出操作ユニット43の上面43Uとカバープレート38の上面とが面一となる(図3及び図11参照)。
【0051】
このように、本実施形態の遊技機10では、演出操作ユニット40を有するユニット複合体41のカバープレート38を皿本体部13Hに固定する際に、貸出操作ユニット43を共に固定することが可能となり、貸出操作ユニット43をねじ止めする必要がないので、演出操作ユニット40と貸出操作ユニット43とをねじ止めしてからカバープレート38をねじ止めする従来の構成よりも操作パネル部30Sを容易に組み付けることが可能となる。
【0052】
また、本実施形態では、貸出操作ボタン34よりも操作頻度の高い演出操作ボタン32を備える演出操作ユニット40をねじ止めにより固定する構成としたので、操作頻度の高い演出操作ボタン32の操作の安定性を確保することが可能となる。
【0053】
さらに、遊技球を用いた遊技を行う上でより重要性が高い貸出操作ボタン34を備える貸出操作ユニット43を挟み付けて固定する構成、つまり、着脱容易な構成としたので、貸出操作ボタン34の故障時に貸出操作ユニット43を容易に交換することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態では、カバープレート38の上面と貸出操作ユニット43の上面43Uとが面一となっているので、外観不良の抑制を図ることが可能となる。
【0055】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0056】
(1)上記実施形態では、本発明の「突出部」を貸出操作ユニット43のうちボックスケース43Aの外周部から突出した側方張出片43Hとする構成であったが、図12に示すように、外周部が第2のユニット受容孔38Bの開口より大きくなるようにボックスケース43Aを形成し、そのボックスケース43Aの外周部を本発明の「突出部」とする構成であってもよい。
【0057】
(2)上記実施形態では、貸出操作ユニット43におけるボックスケース43Aに段差部43Dを備えていたが、図13に示すようにボックスケース43Aの上面を平坦に構成してもよい。この構成であっても、貸出操作ユニット43のうち第2のユニット受容孔38Bの外側にはみ出した部分がカバープレート38と皿本体部13Hとの間で挟み付けられて、貸出操作ユニット43を球受け皿部13に固定することが可能となる。
【0058】
(3)上記実施形態では、本発明の「第1操作部」を演出操作ボタン32とし、「第2操作部」を貸出操作ボタン34としていたが、これに限られるものではない。例えば、「第1操作部」を演出操作ボタン32とし、「第2操作部」を十字ボタン31としてもよい。
【0059】
なお、上記実施形態において、十字ボタン31と演出操作ボタン32とを合わせて「第1操作部」と捉えることも可能である。
【0060】
(4)上記実施形態では、演出操作ユニット40をカバープレート38に固定し、貸出操作ユニット43をカバープレート38と皿本体部13Hとの間に挟み付ける構成としていたが、演出操作ユニット40を.カバープレート38と皿本体部13Hとの間に挟み付け、貸出操作ユニット43をカバープレート38に固定する構成としてもよい。
【0061】
(5)また、本発明をスロットマシンに適用し、「第1操作部」をベットボタンとし、「第2操作部」をクレジット精算ボタンとする構成であってもよい。
【0062】
(6)上記実施形態では、演出操作ボタン32は、押圧操作される構成であったが、レバーをなし、側方へ倒して操作される構成であってもよい。
【0063】
(7)上記実施形態では、操作パネル部30Sは、上方を向いていたが、例えば前方を向いていたり、左右の一方を向いていてもよい。
【0064】
(8)上記実施形態では、カバープレート38の上面と貸出操作ユニット43の上面43Uとが面一であったが、面一でなくてもよい。具体的には、貸出操作ユニット43の上面43Uがカバープレート38の上面より上方に位置していてもよいし、図13に示すように下方に位置していてもよい。
【0065】
(9)上記実施形態では、カバープレート38と演出操作ユニット40とが、演出操作ユニット40と受容ケース39とをネジで締結することで固定されていたが、例えば、カバープレート38と演出操作ユニット40とが直接ネジ止めされたり、接着剤や両面テープ等により固定された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 パチンコ遊技機
13 球受け皿部
13A 第1収容凹部
13B 第2収容凹部
13H 皿本体部(ベース部材)
30S 操作パネル部
32 演出操作ボタン(第1操作部)
34 貸出操作ボタン
38 カバープレート(カバー部材、上面プレート)
38A 第1ユニット受容孔
38B 第2ユニット受容孔
39 受容ケース
40 演出操作ユニット(第1操作ユニット)
40H フランジ部
40S センサ(第1検出部)
43 貸出操作ユニット(第2操作ユニット)
43D 段差部
43H 側方張出片(突出部)
43S センサ(第2検出部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13