(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技球が流下する幹流路が第1枝流路と第2枝流路との二股に分岐し、その分岐位置に設けられた振分部材が、前記第1枝流路を開放しかつ前記第2枝流路を閉塞する第1位置と、前記第2枝流路を開放しかつ前記第1枝流路を閉塞する第2位置との間で回動して、前記幹流路を流下してきた遊技球を前記第1枝流路又は前記第2枝流路に振り分ける遊技機において、
前記幹流路、前記第1枝流路及び前記第2枝流路に亘って連続する平坦な共通流下面に受容孔が形成され、
前記振分部材は、前記受容孔に受容されかつ前記共通流下面と略面一の端面を有する回動ベースと、前記回動ベースの前記端面のうち前記振分部材の回動軸から離れた位置から突出しかつ前記回動軸側を向いた面が案内面になった振分突片とを備え、前記第1位置と前記第2位置とで共通する前記案内面で遊技球を前記第1枝流路或いは前記第2枝流路の何れか一方に案内可能に回動する遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の遊技機では、遊技球の自重又は流下圧力に抗する方向に振分部材を移動させなければならない状況が生じ、振分部材を安定して迅速に動作させることができなかった。また、振分部材の上流側近傍に遊技球を検出する検出スイッチを備えた場合に、振分部材が第1位置と第2位置との中間位置で幹流路に向かって起立した状態で、その振分部材の先端に遊技球が衝突して跳ね返り、検出スイッチで誤って再検出される事態が生じ得た。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、遊技球の流下方向を切り替える振分部材を安定して迅速に動作させることができると共に、検出スイッチによる誤検出を防ぐことが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、遊技球が流下する幹流路が第1枝流路と第2枝流路との二股に分岐し、その分岐位置に設けられた振分部材が、前記第1枝流路を開放しかつ前記第2枝流路を閉塞する第1位置と、前記第2枝流路を開放しかつ前記第1枝流路を閉塞する第2位置との間で回動して、前記幹流路を流下してきた遊技球を前記第1枝流路又は前記第2枝流路に振り分ける遊技機において、
前記幹流路、前記第1枝流路及び前記第2枝流路に亘って連続する平坦な共通流下面に受容孔が形成され、前記振分部材は、
前記受容孔に受容されかつ前記共通流下面と略面一の端面を有する回動ベースと、前記回動ベースの前記端面のうち前記振分部材の回動軸から離れた位置から突出しかつ前記回動軸側を向いた面が案内面になった振分突片とを備え、前記第1位置と前記第2位置とで共通する
前記案内面で遊技球を前記第1枝流路或いは前記第2枝流路の何れか一方に案内可能に回動する遊技機である。
【0007】
この構成によれば、幹流路を流下する遊技球の自重及び流下圧力の方向と直交又は交差する方向に振分部材の案内面が移動することになり、従来のように、遊技球の自重又は流下圧力に抗する方向に振分部材の案内面を移動させなければならない状況が生じ難い。これにより、振分部材を安定して迅速に動作させることができる。また、従来のように振分部材が幹流路に向かって起立することがないので、振分部材の上流側近傍に検出スイッチを備えても、従来のように振分部材で跳ね返った遊技球が検出スイッチで誤って再度検出されることを抑制することが可能となる。
【0009】
また、この構成によれば、回動ベースにて、遊技球の流下を妨げずに、振分突片(案内面)を支持することが可能となる。
【0012】
請求項
2の発明は、前記幹流路の少なくとも下端部と、前記第1枝流路及び前記第2枝流路の少なくとも上端部とは、遊技球が1つずつ通過可能な幅になっていることを特徴とする請求項
1に記載の遊技機である。
【0013】
この構成によれば、第1枝流路と第2枝流路との分岐位置における球詰まりを抑制することが可能となる。
【0016】
請求項
3の発明は、前記幹流路の下端部から前記第2枝流路の上端部に向かう屈曲角より、前記幹流路の下端部から前記第1枝流路の上端部に向かう屈曲角の方がなだらかであることを特徴とする請求項1
又は2に記載の遊技機である。
【0017】
この構成によっても、幹流路から流下する遊技球によって振分部材が受ける負荷は、第1枝流路を開いたときの方が、第2枝流路を開いたときより小さくなり、第1枝流路と第2枝流路とのうちより多くの遊技球が第1枝流路に流入する場合、振分部材の耐久性が向上する。
【0018】
請求項
4の発明は、可動扉にて開閉されかつ通常は閉じられている特別入賞口と、予め定められた開放条件が成立すると、前記可動扉を開放して前記特別入賞口に遊技球を入賞可能とする小当り遊技を行う小当り遊技実行手段とが備えられ、前記幹流路の上端部が前記特別入賞口をなし、前記小当り遊技実行手段は、前記可動扉が開いる間に、予め定められたタイムチャートに基づいて前記振分部材を前記第1位置と前記第2位置とに切り替え、前記第2枝流路に遊技球が入賞したことに起因して遊技者に有利な大当り遊技を実行することを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1の請求項に記載の遊技機である。
【0019】
この構成によれば、タイムチャートによって第1位置と第2位置とに切り替えられる振分部材により、特別入賞口に入賞した遊技球が、第1枝流路と第2枝流路にランダムに振り分けられ、第2枝流路に遊技球が入賞したことに起因して遊技者に有利な大当り遊技が実行され、第2種の遊技機(所謂、羽根もの)としての遊技を楽しむことができる。
【0020】
請求項
5の発明は、可動扉にて開閉されかつ通常は閉じられている特別入賞口と、予め定められた大当り遊技実行条件が成立すると、前記可動扉を所定ラウンド開放して前記特別入賞口に遊技球を入賞可能とする大当り遊技を行う大当り遊技実行手段とが備えられ、前記幹流路の上端部が前記特別入賞口をなし、前記大当り遊技実行手段は、前記可動扉が開いる間に前記振分部材を前記第1位置と前記第2位置とに切り替え、前記第2枝流路に遊技球が入賞したことに起因して前記大当り遊技終了後の遊技状態を通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態に変更することを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1の請求項に記載の遊技機である。
【0021】
この構成によれば、振分部材の位置に応じて特別入賞口に入賞した遊技球が第1枝流路と第2枝流路との何れかに入賞するかが切り替えられ、第2枝流路に遊技球が入賞した場合には、大当り遊技後に遊技機が特典遊技状態に変更されて遊技者に特典が付与される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10(本発明の「遊技機」に相当する。)に係る一実施形態を、
図1〜
図13に基づいて説明する。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、パチンコ遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、前面が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技板11の遊技領域R1が視認可能になっている。
【0024】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26及び下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には操作ノブ28が設けられている。操作ノブ28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0025】
図2に示すように、遊技領域R1は全体が略円形状となっていて、ガイドレール12により囲まれている。遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、遊技板表示窓10Hが貫通形成され、この遊技板表示窓10Hを通して、表示装置30の表示画面30Gが前方に臨んでいる。
【0026】
遊技板表示窓10Hの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から遊技板表示窓10Hに嵌め込まれて遊技板11の前面から突出し、遊技領域R1を流下する遊技球が表示装飾枠23の内側に進入することを規制している。
【0027】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、センター始動入賞口14A,大入賞口15及びアウト口16が、上から順に並べて設けられている。大入賞口15は、前方に開口した横長の開口部を有し、常にはその開口部が回動扉15Tにて閉塞されている。また、センター始動入賞口14Aは、ポケット構造をなし、その上面の開口部に遊技球が入球すると当否判定が行われて、その当否判定結果が表示画面30Gにて表示される。そして、当否判定結果が当りになると、複数ラウンドに亘って所定期間(例えば、10秒)、回動扉15Tが前方に倒れて大入賞口15に遊技球が入賞可能となる大当り遊技が実行される。
【0028】
表示装飾枠23の左側には風車19が設けられている。一方、表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18とサイド始動入賞口14Bとが上から順に設けられている。サイド始動入賞口14Bは、前方に向けて開口していて、その下端部には前後方向にスライド可能な可動板14Tが備えられている。また、可動板14Tは、常にはサイド始動入賞口14Bの開口縁より後方に位置している。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、遊技球が始動ゲート18を通過すると当否判定が行われ、その当否判定結果が当りになると、可動板14Tが前方にスライドして、上方から流下する遊技球を受け止めてサイド始動入賞口14Bへと案内する。また、サイド始動入賞口14Bに遊技球が入賞すると、当否判定が行われ、その当否判定結果が大当りの場合には、前述の大当り遊技が実行され、当否判定結果が小当りの場合には、後述する特別入賞口17を開放する。
【0029】
表示装飾枠23の右下には、遊技板11の前面から突出した球受ブロック50が備えられ、その球受ブロック50の上面が転動路51になっている。転動路51は、遊技球1つ分の幅をなして左右方向に延びかつ左側に緩やかに下っている。そして、転動路51は、表示装飾枠23の右側の流下領域を流下してきた遊技球を受け止め、表示装飾枠23の下方領域へと案内する。なお、表示装飾枠23の下方領域には、転動路51の終端部から斜め下方に複数の障害釘を並べてなる延長ガイド52が備えられ、転動路51を転動してきた遊技球が大入賞口15に案内されるようになっている。
【0030】
転動路51における終端寄り位置には、転動路51の一部を遊技球複数個分に亘って切り欠くことで特別入賞口17が形成され、通常は可動扉17Tにて閉塞されている。そして、前述したサイド始動入賞口14Bへの遊技球の入賞に起因して行われる当否判定で小当りになると、後に詳説するように可動扉17Tが開いて特別入賞口17に遊技球が入賞可能になる小当り遊技が実行される。
【0031】
なお、センター始動入賞口14A、サイド始動入賞口14B、大入賞口15,特別入賞口17に遊技球が入球すると、所定数の賞球が上皿26に払い出される。また、上記の何れにも入球しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に取り込まれる。
【0032】
さて、上記した始動ゲート18、サイド始動入賞口14B、球受ブロック50は、
図3に示した入賞ユニット25の一部として備えられている。入賞ユニット25は、全体が透明な樹脂で構成された支持ベース53に複数の部品を組み付けてなる。支持ベース53は、転動路51を挟んで前後方向で対向するフロントプレート54とバックプレート60とを有している。そして、遊技板11に貫通形成された図示しないユニット取付孔の開口縁にバックプレート60の外縁部が前側から重ねられてビス留めされている。
【0033】
フロントプレート54及びバックプレート60は、バックプレート60の外縁部の一部が上記遊技板11へのビス留め用のビス孔60Aを形成するためにフロントプレート54より僅かに大きくなっていて、それ以外は、概ね同じ形状になっている。具体的には、フロントプレート54及びバックプレート60の上下方向の中間部を横切るように転動路51が延びていて、フロントプレート54及びバックプレート60のうち転動路51より上側部分は略L字形をなしている。そして、その略L字の縦辺部分の上端位置と上端寄り位置とに始動ゲート18とサイド始動入賞口14Bとが配置され、遊技球が、始動ゲート18、サイド始動入賞口14B及びそれらの近傍を流下する状態と、転動路51上を転動する状態とを、フロントプレート54を通して透視することができる。
【0034】
一方、フロントプレート54及びバックプレート60のうち転動路51より下側部分は、転動路51に沿った直線部と、その直線部の右端部から前記ガイドレール12(
図2参照)の内側に隣接して湾曲しながら左下方に延びた曲線部と、曲線部の下端部と直線部の左端部との間で上下方向に延びかつ一部が屈曲した垂下部とに囲まれた形状をなして、球受ブロック50の前面壁と後面壁とを構成している。
【0035】
図4に示すように、支持ベース53は、バックプレート60の前面で分割され、
図5に示すように、フロントプレート54の後面から突出した後述のブロック側壁56、脚部18A、支柱54Cがバックプレート60にビス留めされている。ブロック側壁56は、球受ブロック50の側壁であって、そのブロック側壁56の一部が転動路51を上面に有する転動支持壁56Aをなし、転動支持壁56Aの一部が切除されて特別入賞口17が形成されている。
【0036】
転動支持壁56Aのうちガイドレール12に突き合わされる端部寄り位置からは、ブロック側壁56Cが上方に立ち上がり途中でガイドレール12側に屈曲している。そして、
図3に示すように、ブロック側壁56Cと転動支持壁56Aとに囲まれた部分に、フロントプレート54の切り欠き部が備えられ、その切り欠き部の奥側に前記した複数のビス孔60Aのうちの1つが配置されている。
【0037】
フロントプレート54の後面上端部からは、始動ゲート18の1対の脚部18A,18Aが横並びになって突出している。また、脚部18A,18Aの対向面には、支持溝18M,18Mが形成されて、
図4に示した検出スイッチ18Sの両側縁部が支持溝18M,18Mに支持されている。検出スイッチ18Sは、偏平直方体状をなして、バックプレート60に形成された矩形の貫通孔に後方から通されてバックプレート60の前方に突出すると共に、遊技球が1つずつ通過可能な円形の検出孔18Nを、上下に貫通した状態に備えている。これにより始動ゲート18を通過した遊技球が検出される。なお、後述する検出スイッチ17S,43S,44Sも全て検出スイッチ18Sと同じ構造になっている。
【0038】
フロントプレート54のうち転動路51の下流側端部の上方位置からは、半円形の支柱支持片54Bが上方に突出し、その支柱支持片54Bの円弧の中心部から後方に支柱54Cが延びている。また、バックプレート60にも支柱支持片60Bが備えられ、その支柱支持片60Bの円弧の中心部には支柱54Cの先端部に締め付けるためのビスが通されるビス孔60Cが形成されている。
【0039】
フロントプレート54のL字形状部分の内側角部には、例えば、正五角形の装飾孔54Aが貫通形成されている。これに対し、バックプレート60における装飾孔54Aとの対向部分からは、
図4に示すように、支柱60Hが前方に突出していて、その支柱60Hの先端部に正五角形の装飾ピース62がビスにて固定され、その装飾ピース62が
図3に示すように装飾孔54Aに遊嵌されている。
【0040】
図5に示すように、転動支持壁56Aのうち特別入賞口17より転動路51の上流側部分には、転動支持壁56Aの上面とフロントプレート54の後面との間の角部に複数の三角リブ56Bが備えられている。それらフロントプレート54の後面のうち三角リブ56Bより転動路51の下流側には、転動路51から遊技球の半径分だけ上方に離れた位置から複数の制動突起54Tが突出している。また、
図6に示すように、バックプレート60の前面には、フロントプレート54の複数の制動突起54Tと千鳥配置になるように略三角形の制動突起60Tが突出している。これら制動突起54T,60Tは、上方から見ると略三角形になっていて、一部の制動突起54T,60Tは特別入賞口17の上方に位置している。そして、これら制動突起54T,60Tにより転動路51における遊技球の転動速度が抑えられる。
【0041】
図4に示すように、バックプレート60には、特別入賞口17に対応する部分に横長のスリット60Sが形成され、そのスリット60Sに可動扉17Tが前後動可能に挿通されている。また、可動扉17Tの前端縁は、
図6に示すように、転動路51の下流側に向かうに従ってフロントプレート54から離れるように傾斜している。これにより、可動扉17Tの閉鎖時の球噛みを抑制する効果を有している。そして、可動扉17Tが前後の可動範囲における前端の閉位置に配置されると(
図6に示した状態)、特別入賞口17の長手方向の全範囲で遊技球が可動扉17Tによって特別入賞口17への入賞を規制される一方、可動扉17Tが前後の可動範囲における後端の開位置に配置されると(図示せず)、特別入賞口17の長手方向の全範囲で遊技球が入賞可能になる。
【0042】
図5に示すように、フロントプレート54の後面には、特別入賞口17に入賞した遊技球を案内する流路側壁40が備えられている。
図9に示すように、流路側壁40の一部は、転動支持壁56Aにおける特別入賞口17の上流側開口縁から垂下してから転動路51の下流側に向かって屈曲し、特別入賞口17より遊技球1つ分だけ下方に離れた位置で転動路51と同じ方向に緩やかに下るように延びた上側湾曲部40Aになっている。そして、流路側壁40のうち転動支持壁56Aの下面における特別入賞口17の下流側開口縁寄り位置から垂下した第1垂下壁40Bと、上側湾曲部40Aの下流側端部から垂下された第2垂下壁40Cとが遊技球1つ分の間隔を空けて対向している。また、第2垂下壁40Cの上端部とそれと対向する第1垂下壁40Bの中間部とには、段付き状に外側に膨らんだ支持溝40D,40Dが形成されて、検出スイッチ17Sの両側縁部が支持されている。そして、特別入賞口17に入賞した遊技球が、検出スイッチ17Sの検出孔17Mを1つずつ通過して入賞数がカウントされる。
【0043】
第1垂下壁40B及び第2垂下壁40Cは、検出スイッチ17Sの鉛直下方に平行に延び、特別入賞口17から第1垂下壁40Bと第2垂下壁40Cとに挟まれた部分(検出スイッチ17Sの検出孔17Mも含む)迄の間が本発明に係る幹流路41になっている。そして、幹流路41の下端部が第1枝流路43と第2枝流路44とに分岐するように、第1垂下壁40Bに連なる第1袋小路壁45と、第2垂下壁40Cに連なる第2袋小路壁46とが流路側壁40の下端部に備えられている。
【0044】
詳細には、
図11に示すように、第1袋小路壁45は、鉛直方向に対して左下がりとなる方向に平行に延び、遊技球1つ分の間隔を空けて対向した1対の直線部45A,45Bの下端部間を半円状の湾曲部45Cで接続した形状になっている。一方、第2袋小路壁46は、遊技球を1.5〜2個、縦に並べて受容可能な縦長の長円部46Cの上端部から左側部の中間位置との間に開口46Dを設け、その開口46Dの上側縁部と下側縁部とからそれぞれ左斜め上方に直線部46A,46Bとを延びばした形状になっている。
【0045】
また、直線部46Aの傾斜は、第1袋小路壁45の傾斜より緩やかな勾配をなし、さらに、その直線部46Aより直線部46Bの傾斜の方が緩やかな勾配になっていてる。また、第1垂下壁40Bの下端部は、第2垂下壁40Cの下端部より下方に位置している。そして、第1垂下壁40Bの下端部に第1袋小路壁45の上側の直線部45Aの上端部が接続される一方、第2垂下壁40Cの下端部に第2袋小路壁46の上側の直線部46Aが接続され、第1袋小路壁45の下側の直線部45Bの上端部と第2袋小路壁46の下側の直線部46Bの上端部とが、幹流路41の幅方向の中心より僅かに第2袋小路壁46寄り位置で接続されている。
【0046】
第1袋小路壁45の内側部分は上記した第1枝流路43をなす一方、第2袋小路壁46の内側部分は上記した第2枝流路44をなしている。また、第1枝流路43の奥部には、通常入賞口43Aがバックプレート60に貫通形成される一方、第2枝流路44の奥部には、特典入賞口(以下、単に「V入賞口44A」という)がバックプレート60に貫通形成されている。また、第1袋小路壁45における湾曲部45Cの中央には、遊技球を通常入賞口43Aに案内するガイドリブ45Lが備えられ、これと同様に第2袋小路壁46における長円部46Cの下端部中央にはガイドリブ46Lが備えられている。さらに、
図5に示すように、バックプレート60の後側下端部には、通常入賞口43A、V入賞口44Aを通過した遊技球を下向きに案内する後部ダクト43D,44Dが横並びに備えられ、それら後部ダクト43D,44Dの内部には、バックプレート60に形成された矩形の貫通孔に前方から通された検出スイッチ43S,44S(
図4参照)が設けられている。そして、これら検出スイッチ43S,44Sにより、通常入賞口43A及びV入賞口44Aに入賞した遊技球の数がそれぞれカウントされる。
【0047】
なお、
図5に示すように、支持ベース53のうちバックプレート60の後面側は、後方ハウジング部53Kになっていて、上記した後部ダクト43D,44Dは後方ハウジング部53Kの一部として備えられ、後方ハウジング部53Kの全体の後面より後方に突出している。また、後方ハウジング部53Kの後面の一側縁部には、サイド始動入賞口14Bに入賞した遊技球を下方に案内する後部ダクト14Dが備えられている。また、その後部ダクト14Dの上端部には、検出スイッチ14Sが設けられ、これによりサイド始動入賞口14Bへの入賞球の検出や入賞球の数をカウントをすることができる。さらに、後部ダクト14Dの下端部は後部ダクト44Dの側方に隣接配置されている。そして、後部ダクト14D,43D,44Dから排出される遊技球が、遊技板11の下方に備えられた図示しないダクトに取り込まれて、パチンコ遊技機10が設置された遊技ホールの遊技球循環システムに送られる。
【0048】
さて、
図11に示すように、第1袋小路壁45と第2袋小路壁46との接続部と第1垂下壁40B及び第2垂下壁40Cの下端部とに囲まれた部分は、幹流路41、第1枝流路43及び第2枝流路44の共有エリア42になっている。そして、共有エリア42には、幹流路41から進入した遊技球を、強制的に第1枝流路43か第2枝流路44の何れかに振り分けるために振分部材80が備えられている。
【0049】
詳細には、バックプレート60には、振分部材80用に共有エリア42内に中心を有する円形の受容孔60Uが形成されている。受容孔60Uの直径は、幹流路41の幅より僅かに大きくなっていて、受容孔60Uの一部が共有エリア42からはみ出して幹流路41、第1枝流路43及び第2枝流路44に突入している。また、受容孔60Uの中心は、幹流路41の幅方向の中心より僅かに第2枝流路44側にずれた配置になっている。
【0050】
振分部材80は、受容孔60Uに回動可能に受容された回動ベース81と、回動ベース81の前端面から突出した振分突片82とを有している。回動ベース81の前端面は、バックプレート60の前面(本発明に係る「共通流下面」に相当する)と略面一になっていて、その回動ベース81の前端面のうち回動ベース81の中心軸から離れた(オフセットした)位置に振分突片82が配置されている。振分突片82は遊技球1つ分の幅をなし、振分突片82における回動ベース81の中心軸側を向いた面は本発明に係る案内面82Aになっている。また、案内面82Aと回動ベース81の前端面(本発明に係る「回動ベースの端面」に相当する)とが交差する角部には、複数の三角リブ82Bが備えられ、これら三角リブ82Bは、回動ベース81の前端面と案内面82Aとに当接した遊技球と干渉しない高さになっている。即ち、三角リブ82Bにて、遊技球の流下を妨げずに、振分突片82が補強されている。そして、振分部材80は回動ベース81の中心軸を本発明に係る回動軸にして回動し、
図11に示すように振分突片82が第2枝流路44を閉塞して案内面82Aにて遊技球を第1枝流路43に案内する第1位置と、
図12に示すように振分突片82が第1枝流路43を閉塞して案内面82Aにて遊技球を第2枝流路44に案内する第2位置との間を移動する。
【0051】
球受ブロック50の前面には、流路側壁40の内側領域と対向する部分を除いた略全体に、
図3及び
図4の網掛けのハッチングで示したように装飾図柄54Zがペイントされている。本実施例では、特別入賞口17に入賞した遊技球が幹流路41から第1枝流路43及び第2枝流路44の何れかに入球したかを視認し易くするために特別入賞口17から幹流路41や幹流路41から第1枝流路43及び第2枝流路44の部分の装飾図柄54Zは少な目に構成されている。なお、流路側壁40のうち検出スイッチ17Sが配置された分部は、装飾図柄54Zにて前方から覆われている。
【0052】
また、
図4に示すように、球受ブロック50内のうち流路側壁40の転動路51の上流側の一側方には、バックプレート60の前面に備えた電飾基板64が収容されている。電飾基板64は、支柱64Hによりバックプレート60の前面から前方に浮かせた状態に支持され、電飾基板64の前面には、複数のLED64Lが実装されている。なお、電飾基板64の一側縁部は、流路側壁40のうち上側湾曲部40A、第2垂下壁40C及び第2袋小路壁46に対応した凹凸形状になっている。
【0053】
バックプレート60のうち電飾基板64に前方から覆われた部分には貫通窓63Dが形成され、その貫通窓63D内には、
図7に示したソレノイド70B及びソレノイド70Cがバックプレート60の前後に跨がるように配置されている。一方のソレノイド70Bは、可動扉17Tの右側方に配置され、このソレノイド70Bを駆動源にして可動扉17Tが前述の開位置と閉位置との間で直動する。また、他方のソレノイド70Cは、一方のソレノイド70Bの左下方に配置され、このソレノイド70Cを駆動源にして振分部材80が前述の第1位置と第2位置との間で回動する。
【0054】
具体的には、
図8に示すように、ソレノイド70Cの直動ロッド70Rは、水平に延びて振分部材80側に突出している。また、その直動ロッド70Rの上方には前後方向に延びた回動軸を中心に回動する二股レバー87が備えられ、二股レバー87が有する第1レバー87Aの先端から前方に延びたエンボス87C(
図10参照)が、直動ロッド70Rの先端に固定された直動部材89の摺動溝89M(
図10参照)に受容されて、直動ロッド70Rの直動が二股レバー87の回動に変換される。また、支持ベース53には、振分部材80の左側方に、左上がりに傾斜した図示しない支持壁が備えられ、その支持壁にスライダ86(
図8参照)がスライド可能に支持されている。そして、二股レバー87が有する第2レバー87Bの先端の図示しない長孔に、スライダ86の一側部に備えた図示しないエンボスが係合して、二股レバー87の回動がスライダ86の直動に変換される。また、
図8に示すように、振分部材80には、回動ベース81の後方に回動レバー83が備えられ、その回動レバー83から後方に突出したエンボス83Aが、スライダ86の一側部に備えた係合片86Aの長孔86Bに係合して、スライダ86の直動が振分部材80の回動に変換さる。以上により、前述の如く、振分部材80がソレノイド70Cを駆動源にして第1位置と第2位置との間で回動する。
【0055】
なお、バックプレート60の裏側上端部には、サイド始動入賞口14Bの可動板14Tの駆動源であるソレノイド70Aが取り付けられている。
【0056】
入賞ユニット25の構造に関する説明は以上である。次に、入賞ユニット25の動作について説明する。前述したようにサイド始動入賞口14Bへの入賞に起因して行われる当否判定で大当りになると、複数ラウンドに亘って、所定期間、大入賞口15が開放され、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる大当り遊技が実行される。また、当否判定結果が小当りになると(即ち、本発明に係る「開放条件」が成立すると)、特別入賞口17が所定期間(例えば、3秒が2回)に亘って開放され、特別入賞口17に遊技球が入賞可能となる小当り遊技が実行される。そして、小当り遊技開始からの経過時間によって振分部材80の位置が切り替えられる。具体的には、例えば、
図13に示したタイムチャートが予め設定されていて、小当り遊技中に複数回に亘って振分部材80が第1位置と第2位置とに移動して、遊技球が通常入賞口43Aに入賞し得る状態と、V入賞口44Aに入賞し得る状態とに切り替えられる。また、振分部材80によって遊技球がV入賞口44Aに案内される時間の方が通常入賞口43Aに案内される時間より短くなるようにタイムチャートが設定され、遊技球がV入賞口44Aに入賞する確率の方が、通常入賞口43Aに入賞する確率より小さくなっている。そして、小当り遊技中に遊技球がV入賞口44Aに入賞すると、大当り遊技が実行される。即ち、特別入賞口17に入賞した遊技球が、振分部材80により第1枝流路43と第2枝流路44にランダムに振り分けられ、V入賞口44Aに遊技球が入賞したことに起因して遊技者に有利な大当り遊技が実行されるという、第2種の遊技機(所謂、羽根もの)としての遊技を楽しむことができる。
【0057】
なお、小当り遊技を実行しているときのパチンコ遊技機10の内部に備えた図示しないCPUが、本発明に係る「小当り遊技実行手段」に相当し、大当り遊技を実行しているときのCPUが、本発明に係る「大当り遊技実行手段」に相当する。
【0058】
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、このパチンコ遊技機10の作用効果について説明する。上記した小当り遊技が実行されると、可動扉17Tが開いて特別入賞口17に複数の遊技球が入賞すると共に、タイムチャートに応じて振分部材80が第1位置と第2位置との間を回動する。その際、遊技球の自重や流下圧力を振分部材80の振分突片82で受けている状態で振分部材80が第1位置と第2位置との間を回動する状況にもなり得る。
【0059】
しかしながら、本実施形態の構成によれば、幹流路41を流下する遊技球の自重及び流下圧力の方向と直交又は交差する方向に振分部材80の案内面82Aが移動することになり、従来のように、遊技球の自重又は流下圧力に抗する方向に振分部材80の案内面82Aを移動させなければならない状況が生じ難い。これにより、振分部材80を安定して迅速に動作させることができる。また、従来のように振分部材80が幹流路41に向かって起立することがないので、振分部材80の上流側近傍に検出スイッチ17Sが備えられていても、従来のように振分部材80で跳ね返った遊技球が検出スイッチ17Sで誤って再度検出されるようなことがなくなる。
【0060】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、振分部材80の回動中心が幹流路41の幅方向の中心より第2枝流路44側にずれているので(
図11参照)、V入賞口44Aより入賞頻度が高い通常入賞口43Aに遊技球を案内するために振分部材80を第1位置に配置したときには、第2位置に配置したときより振分部材80の案内面82Aが、振分部材80の幹流路41の中心から遠くに離れる。これにより、振分部材80が配置され得る第1位置と第2位置とのうち頻度が高い第1位置において振分部材80の案内面82Aによって一部が構成される流路が広くなり、遊技球がよりスムーズに流下すると共に振分部材80への負荷も軽減され、振分部材80の耐久性が向上する。
【0061】
さらには、本実施形態では、幹流路41の下端部から第2枝流路44の上端部に向かう屈曲角より幹流路41の下端部から第1枝流路43の上端部に向かう屈曲角の方がなだらかになっているので、使用頻度が高い第1枝流路43側に遊技球が流下し易くなり、振分部材80の耐久性が向上する。
【0062】
なお、本実施形態では、振分部材80のうち案内面82Aを有する振分突片82を支持する回動ベース81の前端面が、幹流路41、第1枝流路43及び第2枝流路44の流下面(バックプレート60の前面)と面一になっているので、遊技球の流下を妨げずに振分突片82を回動ベース81で支持することができる。
【0063】
[第2実施形態]
本実施形態のパチンコ遊技機は、第1実施形態のパチンコ遊技機10と同じ構造であって、入賞ユニット25の可動部分の制御のみが異なる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機では、各始動入賞口14A,14Bへの入賞に起因して行われる当否判定で当りの当否判定になると(即ち、本発明に係る「大当り遊技実行条件」が成立すると)、例えば、16ラウンドの大当り遊技において、1〜13ラウンド及び15ラウンドは大入賞口15が開放される一方、14ラウンド及び16ラウンドは特別入賞口17が開放される大当り遊技が実行される。そして、大当り遊技が実行されて特別入賞口17が開放される所定のラウンドが開始すると、そのラウンドの開始からの経過時間によって振分部材80の位置が切り替えられる。
【0064】
また、各始動入賞口14A,14Bへの入賞に起因した当否判定の当りには、特典付き大当りと、通常大当り(つまり、特典無し大当り)とが設定されていて、それらがランダムに抽選される。そして、当否判定の当りが特典付き大当りになった場合には、上記した大当り遊技が実行中にV入賞口44Aに遊技球が入賞したことを条件にして、その大当り遊技後の遊技状態が遊技者に有利な特典遊技状態に切り替わる。具体的には、特典遊技状態になると、各始動入賞口14A,14Bへの入賞に起因した当否判定で当りなる確率が通常時より高くなる(即ち、所謂、確変状態になる)。
【0065】
なお、上記した特典遊技状態としては、確変状態以外に、例えば、各始動入賞口14A,14Bの当否判定に要する時間が通常時より短い所謂、時短状態であってもよいし、時短状態と確変状態とを併せた時短確変状態であってもよい。
【0066】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0067】
(1)前記実施形態では、
図11に示すように第1枝流路43と第2枝流路44との両方が幹流路41に対してそれぞれ屈曲した構成になっていたが、
図14に示すように幹流路41Vに対して第2枝流路44Vのみが屈曲し、幹流路41Vのうち第2枝流路44Vとの分岐部分より下流側の流路を第1枝流路43Vとする構成であってもよい。
【0068】
(2)前記実施形態では、本発明に係る振分部材80を第1枝流路43と第2枝流路44との分岐部分に適用したが、遊技板11に形成された他の流路の分岐部分や、パチンコ遊技機10の内部に設けられた流路の分岐部分に本発明を適用してもよい。
【0069】
(3)前記実施形態では、回動ベース81が円形状になっていたが、回動する構成であれば半円形状や扇状であってもよい。また、受容孔60Uにおいても半円形状や扇状であってもよい。
【0070】
(4)
前記実施形態では、振分突片82が回動ベース81の前端面に対して垂直に突出していたが、傾斜して突出した構成でもよい。
【0071】
(5)前記実施形態では、案内面82Aが平坦な面になっていたが、
図15(A)及び
図15(B)に示すように屈曲した案内面82Vであってもよいし、湾曲した案内面82Wであってもよい。
なお、前記実施形態を概念化すると、以下[1]〜[8]の発明となる。
[1]遊技球が流下する幹流路が第1枝流路と第2枝流路との二股に分岐し、その分岐位置に設けられた振分部材が、前記第1枝流路を開放しかつ前記第2枝流路を閉塞する第1位置と、前記第2枝流路を開放しかつ前記第1枝流路を閉塞する第2位置との間で回動して、前記幹流路を流下してきた遊技球を前記第1枝流路又は前記第2枝流路に振り分ける遊技機において、
前記振分部材は、前記第1位置と前記第2位置とで共通する案内面で遊技球を前記第1枝流路或いは前記第2枝流路の何れか一方に案内可能に回動することを特徴とする遊技機。
[1]の構成によれば、幹流路を流下する遊技球の自重及び流下圧力の方向と直交又は交差する方向に振分部材の案内面が移動することになり、従来のように、遊技球の自重又は流下圧力に抗する方向に振分部材の案内面を移動させなければならない状況が生じ難い。これにより、振分部材を安定して迅速に動作させることができる。また、従来のように振分部材が幹流路に向かって起立することがないので、振分部材の上流側近傍に検出スイッチを備えても、従来のように振分部材で跳ね返った遊技球が検出スイッチで誤って再度検出されることを抑制することが可能となる。
[2]前記幹流路、前記第1枝流路及び前記第2枝流路に亘って連続する平坦な共通流下面に受容孔が形成され、
前記振分部材には、前記受容孔に受容されかつ前記共通流下面と略面一の端面を有する回動ベースと、前記回動ベースの前記端面のうち前記振分部材の回動軸から離れた位置から突出しかつ前記回動軸側を向いた面が前記案内面になった振分突片とが備えられていることを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[2]の構成によれば、回動ベースにて、遊技球の流下を妨げずに、振分突片(案内面)を支持することが可能となる。
[3]前記回動ベースの前記端面と前記振分突片の前記案内面との間を連絡する三角リブを設け、前記三角リブは、前記回動ベースの前記端面と前記振分突片の前記案内面とに当接した遊技球と干渉しない高さになっていることを特徴とする[2]に記載の遊技機。
[3]の構成によれば、三角リブにて、遊技球の流下を妨げずに、回動ベースと振分突片(案内面)との接続部分を補強することが可能となる。
[4]前記幹流路の少なくとも下端部と、前記第1枝流路及び前記第2枝流路の少なくとも上端部とは、遊技球が1つずつ通過可能な幅になっていることを特徴とする[1]乃至[3]の何れか1に記載の遊技機。
[4]の構成によれば、第1枝流路と第2枝流路との分岐位置における球詰まりを抑制することが可能となる。
[5]前記幹流路の下端部が鉛直方向に延び、
前記振分部材の回動軸は、前記幹流路の下端部における幅方向の中心線に対して前記第2枝流路側にずらして配置されていることを特徴とする[1]乃至[4]の何れか1に記載の遊技機。
[5]の構成によれば、第1枝流路と第2枝流路とのうちより多くの遊技球が第1枝流路に流入する場合、使用頻度が高い第1枝流路を開いたときの方が、使用頻度が低い第2枝流路を開いたときより振分部材の案内面が幹流路の中心から遠くに離れ、幹流路と第2枝流路とを連絡する部分が広くなる。これにより、使用頻度が高い第1枝流路を開いたときの方が振分部材への負荷が軽減されて、耐久性が向上する。
[6]前記幹流路の下端部から前記第2枝流路の上端部に向かう屈曲角より、前記幹流路の下端部から前記第1枝流路の上端部に向かう屈曲角の方がなだらかであることを特徴とする[1]乃至[5]の何れか1に記載の遊技機。
[6]の構成によっても、幹流路から流下する遊技球によって振分部材が受ける負荷は、第1枝流路を開いたときの方が、第2枝流路を開いたときより小さくなり、第1枝流路と第2枝流路とのうちより多くの遊技球が第1枝流路に流入する場合、振分部材の耐久性が向上する。
[7]可動扉にて開閉されかつ通常は閉じられている特別入賞口と、
予め定められた開放条件が成立すると、前記可動扉を開放して前記特別入賞口に遊技球を入賞可能とする小当り遊技を行う小当り遊技実行手段とが備えられ、
前記幹流路の上端部が前記特別入賞口をなし、
前記小当り遊技実行手段は、前記可動扉が開いる間に、予め定められたタイムチャートに基づいて前記振分部材を前記第1位置と前記第2位置とに切り替え、前記第2枝流路に遊技球が入賞したことに起因して遊技者に有利な大当り遊技を実行することを特徴とする[1]乃至[6]の何れか1に記載の遊技機。
[7]の構成によれば、タイムチャートによって第1位置と第2位置とに切り替えられる振分部材により、特別入賞口に入賞した遊技球が、第1枝流路と第2枝流路にランダムに振り分けられ、第2枝流路に遊技球が入賞したことに起因して遊技者に有利な大当り遊技が実行され、第2種の遊技機(所謂、羽根もの)としての遊技を楽しむことができる。
[8]可動扉にて開閉されかつ通常は閉じられている特別入賞口と、
予め定められた大当り遊技実行条件が成立すると、前記可動扉を所定ラウンド開放して前記特別入賞口に遊技球を入賞可能とする大当り遊技を行う大当り遊技実行手段とが備えられ、
前記幹流路の上端部が前記特別入賞口をなし、
前記大当り遊技実行手段は、前記可動扉が開いる間に前記振分部材を前記第1位置と前記第2位置とに切り替え、前記第2枝流路に遊技球が入賞したことに起因して前記大当り遊技終了後の遊技状態を通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態に変更することを特徴とする[1]乃至[6]の何れか1に記載の遊技機。
[8]の構成によれば、振分部材の位置に応じて特別入賞口に入賞した遊技球が第1枝流路と第2枝流路との何れかに入賞するかが切り替えられ、第2枝流路に遊技球が入賞した場合には、大当り遊技後に遊技機が特典遊技状態に変更されて遊技者に特典が付与される。