【課題を解決するための手段】
【0011】
ここで、RFタグ用表示器に備えられたマイクロコンピュータを「第1のマイクロコンピュータ」と記し、ハンディターミナルに備えられたマイクロコンピュータを「第2のマイクロコンピュータ」と記す。
本発明の店内精算システムは、ディスプレイ、RFタグ
及び第1のマイクロコンピュータ
を備えたRFタグ用表示器と
、第1のマイクロコンピュータ起動用およびRFタグ書込用の高周波信号と表示用高周波シリアルデータ信号の2つの信号の生成および前記2つの信号の信号切換を行うハンディターミナルを有する店内精算システムにおいて、
前記ハンディターミナルは、前記第1のマイクロコンピュータ起動用および前記RFタグ書込用の高周波信号を送信し、信号切換えして、前記表示用高周波シリアルデータ信号を送信し、前記RFタグ用表示器は、
前記第1のマイクロコンピュータ起動用および
前記RFタグ書込用の高周波信号によって前記
第1のマイクロコンピュータが起動するとともに前記RFタグに商品の合計金額を含む会計データが書き込まれ、
前記表示用高周波シリアルデータ信号を用いて、少なくとも前記商品の合計金額を前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
前記RFタグ用表示器は、少なくともディスプレイ、RFタグ、検波回路、第1のマイクロコンピュータ及び電源が内蔵されている。
【0012】
本発明によれば、前記RFタグ用表示器内のディスプレイに商品の合計金額などを表示するので紙の請求書は不要となり、尚且つ、既知のFeliCa方式(FeliCaは登録商標)などと比較して格段にシンプルな回路構成でありながら、会計前の顧客が商品の合計金額などの会計情報をいつでも視認することができる。
【0013】
ここで、所定の高周波信号とは、RFタグにデータ書き込みする高周波信号である。前記高周波信号は、変調されて送信される。変調方式としては、振幅偏移変調(ASK)方式、周波数偏移変調(FSK)方式、位相偏移変調(PSK)方式が挙げられる。RFIDの通信規則としては、タグトークファースト(TTF),リーダトークファースト(RTF)が挙げられる。RFタグとリーダ/ライタ間の伝送は、ISO/IEC 18000規格により定められている。本発明において使用する高周波信号は、ISO/IEC規格に準拠しており、既知の信号伝送形式についてはその説明を一部省略する。
本発明の店内精算システムにおいて、前記ハンディターミナルは高周波信号送受信部を備え、前記高周波信号送受信部は前記第1のマイクロコンピュータ起動用の高周波信号、前記RFタグ書込用の高周波信号および前記表示用高周波シリアルデータ信号を生成することを特徴とする特徴とする。
また本発明の店内精算システムにおいて、前記RFタグ用表示器は、検波回路をさらに備え、前記表示用高周波シリアルデータ信号を前記検波回路に入力して検波することで生成されたシリアルデータをそのまま前記第1のマイクロコンピュータに入力するだけで、少なくとも前記商品の合計金額を前記ディスプレイに表示可能であることを特徴とする。
そして本発明の店内精算システムにおいて、前記第1のマイクロコンピュータ起動用高周波信号、前記RFタグ書込用の高周波信号および前記表示用高周波シリアルデータ信号は同じ周波数帯であることを特徴とする。
そして本発明の店内精算システムにおいて、前記第1のマイクロコンピュータ起動用高周波信号、前記RFタグ書込用の高周波信号および前記表示用高周波シリアルデータ信号は13.56MHz帯の周波数であることを特徴とする。
【0014】
本発明は、前記店内精算システムが、さらに前記RFタグ用表示器に書き込まれた前記会計データを読みとるRFタグ読み取り手段を備え、前記RFタグ用表示器が前記RFタグ読み取り手段の高周波信号を検知すると、前記ディスプレイの表示データが消えるとともに前記
第1のマイクロコンピュータがシャットダウンすることを特徴とする。
本発明は、前記RFタグ用表示器のディスプレイに前記商品等の合計金額が表示されている状態で前記
第1のマイクロコンピュータがスリープモードとなり、その後、前記RFタグに書き込まれた前記会計データがRFタグ読み取り手段によって読み取られると前記ディスプレイの表示が消えるとともに前記
第1のマイクロコンピュータがシャットダウンする。
本発明によれば、極力消費電力を抑えた構成となり、長時間に亘り使用することが容易となる。
【0015】
本発明は、前記店内精算システムが、さらに前記RFタグ用表示器の電源に充電する充電手段を備え、前記RFタグ用表示器の電源を充電すると、前記ディスプレイの表示データが消えるとともに前記
第1のマイクロコンピュータがシャットダウンすることを特徴とする。
RFID(Radio Frequency Identification)は、電池を持たないものをパッシブタグと呼び、電池を内臓するものをアクティブタグと呼んでいる。
前記表示器がTFT表示器やLCD表示器の場合で、シャットダウンにより表示状態が消える場合、本発明としては、前記RFタグ用表示器と、店内の商品・役務等に係る会計データを作成するハンディターミナル、又は、前記会計データを読みとるRFタグ読み取り手段を備えるとともに、前記RFタグ用表示器の電源に充電する充電手段を備え、前記RFタグ用表示器の電源を充電すると、前記
第1のマイクロコンピュータがシャットダウンして、前記会計データを前記ディスプレイに表示されないようにする。
【0016】
前記表示器が電子ペーパー表示器の場合で、シャットダウンにより表示状態が消えない場合、本発明としては、前記RFタグ用表示器と、店内の商品・役務等に係る会計データを作成するハンディターミナル、又は、前記会計データを読みとるRFタグ読み取り手段を備えるとともに、前記RFタグ用表示器の電源に充電する充電手段を備え、前記RFタグ用表示器の電源を充電すると、前記
第1のマイクロコンピュータが起動して、前記会計データを前記ディスプレイの内容を消去し、前記
第1のマイクロコンピュータがシャットダウンするようにする。
【0017】
本発明の店内精算方法は、商品または役務に係るデータが書き込みされた商品用のRFタグと、会計手続きのために店員が顧客に渡すRFタグ用表示器と、店内の商品・役務等に係る会計データを作成するハンディターミナルと、前記RFタグ用表示器に書き込まれた前記会計データを読みとるRFタグ読み取り手段とを備えた店内精算方法において、前記ハンディターミナルは前記商品用のRFタグからデータを読み取って商品の合計金額を含む会計データを作成し、
第1のマイクロコンピュータ起動用およびRFタグ書込用の高周波信号を送信し、信号切り替えして、表示用高周波シリアルデータ信号を前記RFタグ用表示器に送信し、前記RFタグ表示器は前記
第1のマイクロコンピュータ起動用および前記RFタグ書込用の高周波信号を受信して
第1のマイクロコンピュータを起動するとともにRFタグに前記会計データを書き込み、前記表示用高周波シリアルデータ信号を検波して得られたシリアルデータを用いて少なくとも前記商品の合計金額をディスプレイに表示し、前記RFタグ読み取り手段は前記RFタグ用表示器に書き込まれた前記会計データを読み出し、前記会計データを会計処理することを特徴とする。
本発明は、前記店内精算方法において、前記RFタグ用表示器が前記RFタグ読み取り手段の高周波信号を検知すると、前記ディスプレイの表示データが消えるとともに前記
第1のマイクロコンピュータがシャットダウンすることを特徴とする。
本発明の
店内精算方法は、ハンディターミナルを用いて、店内の商品・役務に係る会計データをディスプレイに表示する店内精算方法であって、前記ハンディターミナルから所定の高周波信号を送出して前記ディスプレイを表示させるための
第1のマイクロコンピュータを起動させ、前記ハンディターミナルから高周波のシリアルデータ信号を送出して、前記会計データを前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
本発明によれば、既知の飲食店精算システムなどと比較して格段にシンプルな方法でありながら、会計前の顧客が店内の商品・役務に係る会計データを視認することができるので、紙の請求書は不要となる。
【0018】
本発明は、前記店内精算システムが、さらに店内の商品・役務等に係る会計データを作成するハンディターミナルを備え、前記ハンディターミナルは、前記
第1のマイクロコンピュータ起動用および前記RFタグ書込用の高周波信号を送信し、信号切換えして、前記表示用高周波シリアルデータ信号を送信することを特徴とする。
本発明の
店内精算システムは、店内の商品・役務に係る会計データを作成するハンディターミナルと、RFタグ用表示器を備え、前記ハンディターミナルから所定の高周波信号が送出されると、当該高周波信号によって前記RFタグ用表示器内の
第1のマイクロコンピュータが起動し、前記ハンディターミナルから高周波のシリアルデータ信号が送出されると、前記RFタグ用表示器内で検波して得られたシリアルデータを用いて、少なくとも商品の合計金額を前記RFタグ用表示器内のディスプレイに表示することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、前記RFタグ用表示器内のディスプレイに少なくとも商品の合計金額を表示するので紙の請求書は不要となり、尚且つ、既知のFeliCa方式(FeliCaは登録商標)などと比較して格段にシンプルなシステム構成でありながら、前記RFタグ用表示器によって、会計前の顧客が商品の合計金額などの会計情報をいつでも視認することができる。
【0020】
前記ハンディターミナルは、片手で持てるハンディサイズのデータ収集端末装置であり、商品の合計金額などの情報を画面表示するディスプレイが備わっている。
【0021】
本発明の
店内精算システムは、店内の商品・役務に係る料金やIDなどの商品データが書き込まれた商品用のRFタグからそれぞれの商品データを読み取って商品の合計金額を含む会計データを作成するハンディターミナルと、RFタグ用表示器を備え、
前記ハンディターミナルから所定の高周波信号が送出されると、当該高周波信号によって前記RFタグ用表示器内の
第1のマイクロコンピュータが起動するとともに前記RFタグ用表示器内のRFタグに会計データが書き込まれ、前記ハンディターミナルから高周波のシリアルデータ信号が送出されると、前記RFタグ用表示器内で検波して得られたシリアルデータを用いて、少なくとも商品の合計金額を前記RFタグ用表示器内のディスプレイに表示することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、前記RFタグ用表示器内のディスプレイに少なくとも商品の合計金額を表示するので紙の請求書は不要となり、尚且つ、既知のFeliCa方式(FeliCaは登録商標)などと比較して格段にシンプルなシステム構成でありながら、前記RFタグ用表示器によって、会計前の顧客が商品の合計金額などの会計情報をいつでも視認することができる。さらに、前記RFタグ用表示器のディスプレイに会計データが表示されており、かつ、前記RFタグ用表示器のRFタグに会計データが書き込まれているので、両者を照合することで会計データの信頼性がより一層高いものとなる。
【0023】
本発明は、前記RFタグ用表示器内のRFタグに書き込みされた前記会計データを読みとるRFタグ読み取り手段を備え、前記会計データが前記RFタグ読み取り手段によって読み取られると、前記RFタグ用表示器内のディスプレイの表示が消えるとともに前記RFタグ用表示器内の
第1のマイクロコンピュータがシャットダウンすることが好ましい。これによれば、消費電力を抑えたシステム構成となり、商品購入から会計処理までの一連の手続きを迅速かつ合理的に行うことができる。
【0024】
前記RFタグ読み取り手段は、いわゆるRFIDリーダや、RFIDリーダライタや、その他の既知のRFタグ読み取り機器が適用できる。前記RFタグ読み取り手段には、商品の合計金額などの情報を画面表示するディスプレイが備わっている場合がある。
前記RFタグ読み取り手段は、USB接続や有線LANなどの有線通信手段や、WiFiや無線LANなどの無線通信手段が備わっていることが好ましい。各種通信インターフェースにて、会計データをPOS端末と通信して会計処理することが容易となるからである。
【0025】
本発明は、前記店内精算システムが、さらに前記RFタグ読み取り手段に接続されたPOS端末を備え、前記POS端末は前記RFタグ読み取り手段で読みとられた前記会計データを会計処理し、精算を行うことを特徴とする。
前記POS端末は、現金の取引状況を自動的に表示して記録・計算および金銭の保管をするデジタル式の金銭登録機であり、会計に係る金額を画面表示するディスプレイが備わっている。前記POS端末は、例えば店内の商品管理システムと接続されている。
【0026】
無線制御方式としては既知の方式が適用できる。例えば、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、WiFiや各種無線LANが適用できる。
無線周波数としては既知の周波数が適用できる。例えば、長波帯、4.915MHz帯、6.78MHz帯、13.56MHz帯、27.125MHz帯、40.68MHz帯、433.920MHz帯、UHF帯、2.45GHz帯、5.8GHz帯などが挙げられる。
特に13.56MHz帯の周波数は、ループアンテナによる電磁誘導方式が使われること、GHz帯の周波数と比較して発熱のおそれがないことなどから表示器の無線周波数として好ましい。例えば、RFタグ用の搬送波として普及している13.56MHz帯の周波数を用いることで汎用の電子部品や回路等によって信頼性の高いシステムとなる。