(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、および、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
【0021】
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(
図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
【0022】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(所定の演出手段に相当)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(
図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0023】
本形態では、「大当たり」に当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、「小当たり」に当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、「ハズレ」であった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0024】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(第2特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0025】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(
図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
【0026】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
【0027】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口に相当、第1始動入賞口ともいう)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0028】
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2入球口に相当、第2始動入賞口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる「電チュー」)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0029】
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材に相当)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。即ち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
【0030】
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0031】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(特別入賞手段に相当、第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材に相当)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(
図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0032】
より詳細には、
図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
【0033】
振分部材71は、
図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
【0034】
また振分部材71は、
図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
【0035】
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
【0036】
また遊技領域3には、遊技球が通過可能な2つのゲート(通過口に相当)が設けられている。具体的には、
図1に示すように、遊技領域3におけるワープ部12の左方に第1ゲート28が、遊技領域3における第2始動口21の上方に第2ゲート29がそれぞれ設けられている。なお、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過が、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(即ち、普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
【0037】
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
【0038】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0039】
第1流路R1上には、第1ゲート28と、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1ゲート28への通過、又は、第1始動口20への入賞を狙う。
【0040】
一方、第2流路R2上には、第2ゲート29と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、第2ゲート29への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30又は第2大入賞口35(さらには、第2大入賞口35内の特定領域39)への入賞を狙う。
【0041】
なお本形態では、第2ゲート29と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
【0042】
また、
図1および
図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(第1図柄に相当)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2図柄に相当)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄(補助図柄に相当)を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0043】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0044】
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0045】
具体的には、特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば、大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なお、ハズレ図柄として全てのLEDが消灯している図柄を採用してもよい。また、特別図柄の変動表示(可変表示)における点灯態様としては、例えば、左端のLEDから右端のLEDへ光が繰り返し流れるような点灯態様など、停止表示時以外の点灯態様が挙げられる。
【0046】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(
図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(
図4参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(
図4参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は第1特図保留記憶部85aが4個、第2特図保留記憶部85bが1個となっている。
【0047】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、即ち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0048】
そして、このような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは、例えば1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0049】
普通図柄の可変表示は、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当たり停止態様の普通図柄、即ち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお本形態では、普通当たり図柄には、第1普通図柄と第2普通図柄とがある(
図10参照)。また、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0050】
具体的には、普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(
図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、抽選結果が第1普通図柄の当たりに当選した場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した第1普通図柄を表示する。また、抽選結果が第2普通図柄の当たりに当選した場合には、「○●」というように左のLEDのみが点灯した第2普通図柄を表示する。また、抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。なお、普通ハズレ図柄として全てのLEDが消灯している態様を採用してもよい。また、普通図柄の変動表示(可変表示)における点灯態様としては、例えば、両LEDが交互に点灯する態様や一斉に点滅する態様など、停止表示時以外の点灯態様が挙げられる。
【0051】
本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(
図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は4個となっている。
【0052】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、即ち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に通過があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0053】
そして、このような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
【0054】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図4および
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
図4および
図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100とランプ制御基板107と音声制御基板106とともに、サブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、後述する装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0055】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
【0056】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1ゲートセンサ28a、第2ゲートセンサ29a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0057】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。第1ゲートセンサ28aは、第1ゲート28内に設けられて第1ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第2ゲートセンサ29aは、第2ゲート29内に設けられて第2ゲート29を通過した遊技球を検出するものである。
【0058】
第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0059】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
【0060】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43bおよび普図保留表示器44が接続されている。即ち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0061】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(
図1参照)が含まれる。
【0062】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また、払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお、遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお、本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0063】
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。即ち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0064】
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」ともいう)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
【0065】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、キャラクタ以外の物体ならびに図形などの画像であるオブジェクト画像や、文字、数字ならびに記号などの画像である文字画像や、背景画像といった画像データ、および、一連のストーリーを有する動画(映像)といった動画データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0066】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0067】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。具体的には、演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0068】
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお、装飾可動体15とは、
図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆる「ギミック」のことである。具体的には、演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0069】
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(
図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
【0070】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」および「ハズレ」がある。詳細には、第1特別図柄の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」があり、第2特別図柄の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」がある。即ち、第2特別図柄の抽選で「ハズレ」となることはない。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
【0071】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技に相当)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技(第1特別遊技に相当)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」(第2特別遊技)が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
【0072】
なお本形態では、大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0073】
また本形態では、小当たり遊技は、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0074】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。より詳細には、本形態では、
図6に示すように、大当たりの種別として「15R(ラウンド)通常大当たり」、「4R時短大当たり」および「15R時短大当たり」がある。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する大当たりである。「4R時短大当たり」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。「15R時短大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
【0075】
また、「15R通常大当たり」および「4R時短大当たり」は第1特別図柄(特
図1)の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「15R時短大当たり」は第2特別図柄(特
図2)の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「15R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_通常図柄」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「4R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_時短図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_時短図柄2」が停止表示される。
【0076】
一方、特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。従って、このときの総ラウンド数は16Rとなる。なお、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。また、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
【0077】
より詳細には本形態では、
図6に示すように、小当たりの種別として「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」がある。各種別の小当たりは、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり遊技)を行うものである。小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。「16R時短小当たりA」は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」は、V通過が必ず可能な小当たりである。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。この点については後に詳述する。
【0078】
各種別の小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たりの種別に応じて異なっている。具体的には、
図6に示すように、「16R時短小当たりA」では4.6秒、「16R時短小当たりB」では21秒、「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」では0.008秒である。このように小当たりの種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過開放パターンとをつくり出している。なお、通過開放パターンは、第1開放パターンに相当する。また、非通過開放パターンは、第2開放パターンに相当する。通過開放パターンおよび非通過開放パターンの詳細については後述する。
【0079】
また、特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たりの種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30を開放する。具体的には、「16R時短小当たりA」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。但し、「16R時短小当たりA」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはほとんどない。
【0080】
また、「16R時短小当たりB」および「16R時短小当たりC」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。また、「16R通常小当たり」は、2R目から5R目では1R当たりの最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目では1R当たりの最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する当たりである。つまり、この「16R通常小当たり」は、6R目から16R目までは第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、第1大入賞口30への入賞が見込めない。即ち、2R目から5R目までの計4Rだけ第1大入賞口30への入賞が見込める実質4Rの当たりである。なお、2種大当たり遊技における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回である。
【0081】
また、「16R時短小当たりA」および「16R時短小当たりB」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりA」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_時短有り小当たり図柄1」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりB」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_時短有り小当たり図柄2」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりC」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_時短有り小当たり図柄3」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R通常小当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_時短無し小当たり図柄」が停止表示される。
【0082】
なお、第1特別図柄(特
図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R通常大当たりが50%、4R時短大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選した大当たりは、全て15R時短大当たりとなっている。また、第1特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりA(V通過実質不可の小当たり)が99%、16R時短小当たりB(V通過可能な小当たり)が1%となっている。また、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりC(V通過可能な時短小当たり)が50%、16R通常小当たり(V通過可能な通常小当たり)が50%となっている。
【0083】
ここで本パチンコ遊技機1では、当たり(大当たり又は小当たり)の抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図7(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0084】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
【0085】
また、第1ゲート28又は第2ゲート29への通過に基づいて取得される乱数には、
図7(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
【0086】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41には変動時間短縮機能があり、普通図柄表示器42には確率変動機能および変動時間短縮機能がある。
【0087】
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。即ち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能である。
【0088】
また、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。即ち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブル(
図8(D)参照)を用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄(第1普通図柄又は第2普通図柄)となる確率が高くなる。
【0089】
さらに、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図10参照)。即ち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
【0090】
普通図柄表示器42の確率変動機能、変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことが可能となっている。なお、高ベース状態とは、いわゆる「電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)」が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。なお、高ベース状態は、「特典遊技状態」に相当する。
【0091】
なお、高ベース状態(電サポ制御状態)において、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。即ち、高ベース状態で実行される補助遊技では、電チュー22の開放回数が非時短状態で実行される補助遊技よりも多くなるようにしてもよい。
【0092】
さらには、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能、変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0093】
本形態のパチンコ遊技機1では、
図6に示すように、「4R時短大当たり」、「15R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」又は「16R時短小当たりC」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態且つ高ベース状態である。時短状態且つ高ベース状態は、所定回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0094】
また、「15R通常大当たり」又は「16R通常小当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態且つ低ベース状態である(
図6参照)。この遊技状態を特に「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
【0095】
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(
図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となる第2ゲート29へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお、本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0096】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。この際、普通図柄抽選の契機となる第1ゲート28への遊技球の通過も生じる。
【0097】
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に
図11〜
図34に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から
図11に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0098】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図7に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆる「ハードウェア乱数」であってもよい。
【0099】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。即ち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0100】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図12に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0101】
次いで入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(
図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0102】
次に普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を行う(S103)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図11の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0103】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に続いて、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、特定領域センサ処理(S108)および保留球数処理(S109)を実行する。その後、その他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特
図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(
図11参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0104】
[センサ検出処理]
図13に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、第1ゲート28又は第2ゲート29に遊技球が通過したか否か、即ち、第1ゲートセンサ28a又は第2ゲートセンサ29aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。第1ゲート28および第2ゲート29を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。第1ゲート28又は第2ゲート29を遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数の値(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が「4」に達していれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が「4」未満であれば(S202でNO)、普通図柄保留球数に1加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、
図7(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0105】
ステップS205では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S205)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S205でNO)にはステップS211に進むが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特
図1保留球数の値(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特
図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)ステップS211に進むが、特
図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特
図1保留球数に1加算する(S207)。
【0106】
続いて特
図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特
図1関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0107】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S211)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合には(S211でNO)本処理を終えるが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S211でYES)、特
図2保留球数の値(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値)が「1」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S212)。そして、特
図2保留球数が「1」に達している場合には(S212でYES)本処理を終えるが、特
図2保留球数が「1」未満である場合(つまり「0」の場合)には(S212でNO)、特
図2保留球数に1加算する(S213)。
【0108】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S214)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S214)では、特
図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0109】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、
図14に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S301でYES)、普通図柄待機処理(S302)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S301でNO、S303でYES)、普通図柄変動中処理(S304)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S301,S303でともにNO、S305でYES)、普通図柄確定処理(S306)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S301,S303,S305の全てがNO)、普通電動役物処理(S307)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0110】
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S302)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S401)、「0」であればこの処理を終える。一方、「0」でなければ、後述する普通図柄当たり判定処理を行う(S402)。
【0111】
[普通図柄当たり判定処理]
図16に示すように、普通図柄当たり判定処理(S402)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す(S501)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(
図8(D))のアドレスをセットする(S502)。
【0112】
続いて、第1普通図柄での当たり(第1当たり)かどうかを判定する(S503)。なお本形態では、具体的には、時短状態であれば、
図8(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブルに基づいて、また時短状態でなければ、普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブルに基づいて、それぞれ判定する。第1普通図柄での当たりの場合、つまり第1当たりに当選の場合には(S503でYES)、第1普通図柄フラグをONするとともに(S504)、第1普通図柄に応じた普図停止図柄データ(
図10参照)をRAM84の所定のバッファにセットして(S505)、本処理を終える。
【0113】
一方、ステップS503で第1普通図柄での当たりでない場合には(S503でNO)、第2普通図柄での当たり(第2当たり)かどうかを判定する(S506)。なお、ステップS503と同様にして、時短状態かであれば、
図8(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブルに基づいて、また時短状態でなければ、普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブルに基づいて、それぞれ判定する。第2普通図柄での当たりの場合、つまり第2当たりに当選の場合には(S506でYES)、第2普通図柄フラグをONするとともに(S507)、第2普通図柄に応じた普図停止図柄データ(
図10参照)をRAM84の所定のバッファにセットして(S508)、本処理を終える。一方、第2普通図柄での当たりでない、つまりハズレの場合には(S506でNO)、普通ハズレ図柄に応じた普図停止図柄データ(31H)をセットして(S509)、本処理を終える。
【0114】
図15に戻り、上記の普通図柄当たり判定処理(S402)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S403)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0115】
次に、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S404)。その後、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S405)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0116】
次いで、普通図柄変動開始処理を行う(S406)。普通図柄変動開始処理では、ステップS403で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。なお、普通図柄変動開始コマンドには、普通図柄当たり判定処理(S402)でセットした各種普図停止図柄データの情報や、上記ステップS403で選択した普通図柄変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。また、普通図柄変動開始コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、画像制御基板100に後述する第1特別報知演出(
図51および
図52参照)を実行させる。つまり、普通図柄変動開始コマンドは、第1特別報知演出の実行契機となっている。第1特別報知演出に関する説明は、後ほど詳述する。
【0117】
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S304)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S701)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S701でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S702)、普通動作ステータスを「3」にセットする(S703)。なお、普通図柄変動終了コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、画像制御基板100に後述する第1右打ち報知演出(
図52参照)を実行させる。つまり、普通図柄変動開始コマンドは、第1右打ち報知演出の実行契機となっている。第1右打ち報知演出に関する説明は、後ほど詳述する。
【0118】
その後、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(第1普通図柄、第2普通図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行い(S704)、本処理を終える。
【0119】
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S306)ではまず、第1普通図柄フラグがONであるか否かを判定する(S801)。第1普通図柄フラグがONであれば(S801でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、即ち、時短状態中か否かを判定する(S802)。時短状態中であれば(S802でYES)、電チュー22の開放パターンとして時短状態中のロング開放パターン(即ち、
図10に示す時短時電チュー開放TBL)をセットする(S803)。時短状態中のロング開放パターンとは、
図10の時短時電チュー開放TBLに示すように、5.5秒の開放時間で電チュー22を1回開放する開放パターンである。なお、この時短状態中のロング開放パターンが「第1補助遊技開放パターン」に相当する。
【0120】
これに対して、非時短状態中であれば(S802でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中のロング開放パターン(即ち、
図10に示す第1電チュー開放TBL)をセットする(S804)。非時短状態中のロング開放パターンとは、上述した時短状態中のロング開放パターンと同様、5.5秒の開放時間で電チュー22を1回開放する開放パターンである(
図10の第1電チュー開放TBL参照)。なお、この非時短状態中のロング開放パターンが「第2補助遊技開放パターン」に相当する。
【0121】
一方、ステップS801において第1普通図柄フラグがONでなければ(S801でNO)、第2普通図柄フラグがONであるか否かを判定する(S805)。第2普通図柄フラグがONであれば(S805でYES)、続いて時短フラグがONであるか否かを判定する(S806)。時短状態中であれば(S806でYES)、電チュー22の開放パターンとして、上述した時短状態中のロング開放パターン(即ち、
図10に示す時短時電チュー開放TBL)をセットする(S803)。非時短状態中であれば(S806でNO)、電チュー22の開放パターンとしてショート開放パターン(即ち、
図10に示す第2電チュー開放TBL)をセットする(S807)。ショート開放パターンとは、
図10の第2電チュー開放TBLに示すように、0.2秒の開放時間で電チュー22を1回開放する開放パターンである。
【0122】
遊技制御用マイコン81は、上述した各種開放パターンのセット(S803,S804,S807)に続いて、補助遊技の実行開始に関する補助遊技開始コマンドをセットして(S808)、ONとなっている普通図柄フラグ(第1普通図柄フラグ又は第2普通図柄フラグ)をOFFする(S809)。そして、普通動作ステータスを「4」にセットして(S810)本処理を終える。また、ステップS805において、第2普通図柄フラグがONでなければ(S805でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S811)、本処理を終了する。
【0123】
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S307)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S901)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
【0124】
普通当たり終了フラグがONでなければ(S901でNO)、第2始動口21の開放中か否か(即ち、電チュー22の開放中か否か)を判定する(S902)。開放中でなければ(S902でNO)、続いて、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定する(S903)。第2始動口21を開放させる時間に至っていなければ(S903でNO)、そのまま本処理を終え、至っていれば(S903でYES)、第2始動口21を開放させて(S904)本処理を終える。
【0125】
一方、第2始動口21の開放中であれば(S902でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち、第2始動口21を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定し(S905)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を閉鎖(閉塞)させる(S906)。
【0126】
なお本形態では、
図10に示すように、第1普通図柄に当たった場合には、非時短状態でも時短状態でも、第2始動口21(電チュー22)の開放時間が最大で5.5秒間に設定されるため、当該第2始動口21の開放中に右打ちを行うことで、第2始動口21に遊技球をほぼ確実に入賞させることが可能となっている。つまり本形態では、第1普通図柄に当たった場合の補助遊技において、右打ちにより第2始動口21への入賞がほぼ可能である。
【0127】
また、第2普通図柄に関して、時短状態で第2普通図柄に当たった場合には、第2始動口21(電チュー22)の開放時間が最大で5.5秒間に設定されるため、当該第2始動口21の開放中に右打ちを行うことで、第2始動口21に遊技球をほぼ確実に入賞させることが可能となっている。一方、非時短状態で第2普通図柄に当たった場合には、第2始動口21の開放時間が最大で0.2秒間と極端に短いため、当該第2始動口21の開放中右打ちを行っても、第2始動口21への遊技球の入賞は困難となっている。
【0128】
次いで、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントして(S907)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S908)。「0」でなければ(S908でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま本処理を終える。一方、「0」であれば(S908でYES)、補助遊技を終了させる普通当たり終了処理を行うとともに(S909)、普通当たり終了フラグをセットして(S910)本処理を終える。なお本形態では、上述した電チュー22の各種開放パターンにおいて電チュー22の開放回数をいずれも1回としているので、上記ステップS908でNOと判定されることはない。つまり、本形態では上記ステップS908の処理は不要である。しかし例えば、電チューの開放パターンの開放回数を1回に限らず2回以上としてもよく、そのような場合には、上記ステップS908の処理(即ち、開放カウンタの値が「0」であるか否かの判定)を行うこととなる。
【0129】
上記のステップS901において普通当たり終了フラグがONであれば(S901でYES)、ステップS803,S804又はS806にてセットされた回数の電チュー22の開放動作は終了しているので、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S911)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S912)本処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(
図14)として再び普通図柄待機処理(S302)が実行されることになる。
【0130】
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、上述した普通動作処理(S105)に次いで、
図20に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1001でYES)、特別図柄待機処理(S1002)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1001でNO、S1003でYES)、特別図柄変動中処理(S1004)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1001, S1003で共にNO、S1005でYES)、特別図柄確定処理(S1006)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1001, S1003, S1005でともにNO、S1007でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S1008)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1001, S1003, S1005, S1007の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S1009)を行う。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0131】
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1002)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1101)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1101でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち、特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1107)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1107でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1113)、そうであれば(S1113でYES)本処理を終え、そうでなければ(S1113でNO)、待機画面設定処理を行う(S1114)。待機画面設定処理(S1114)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0132】
ステップS1101において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1101でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1102)および特
図2変動パターン選択処理(S1103)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1104)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける特
図2の保留情報をクリアする(S1105)。
【0133】
続いて、遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理を行う(S1106)。特
図2変動開始処理では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに特別図柄変動開始コマンド(以下、単に変動開始コマンドともいう)をRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンドともいう)には、特
図2大当たり判定処理(S1102)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特
図2変動パターン選択処理(S1103)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0134】
また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1101でYES且つS1107でNO)、即ち、特
図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1108)および特
図1変動パターン選択処理(S1109)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1110)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1111)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0135】
次に、遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理(S1112)を実行する。特
図1変動開始処理では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンドともいう)には、特
図1大当たり判定処理(S1108)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特
図1変動パターン選択処理(S1109)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0136】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1101でYESの場合)に限って行われる。即ち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。また本形態では、第2特図保留に基づく抽選にはハズレがなく、大当たり当選となる場合を除けば必ず小当たり当選となる上、小当たり遊技では、第2大入賞口35を入賞した遊技球が必ず特定領域39を通過可能となっている。つまり、第2特図保留に基づく抽選がなされれば必ず大当たり遊技が実行される(大当たりに当選する)ようになっている。この点については後に詳述する。
【0137】
[特
図2大当たり判定処理(特
図1大当たり判定処理)]特
図2大当たり判定処理(S1102)と特
図1大当たり判定処理(S1108)とは、処理の流れが同じであるため
図22に基づいてまとめて説明する。
図22に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1102)又は特
図1大当たり判定処理(S1108)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1201)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1102)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特
図1大当たり判定処理(S1108)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0138】
次に、大当たり判定テーブル(
図8(A))をセットする(S1202)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1203)。即ち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65300」〜「65535」のいずれかと一致するか否か判定する(
図8(A)参照)。大当たり判定の結果が「大当たり」であれば(S1203でYES)、大当たりフラグをONするとともに(S1204)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、
図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1205)。大当たり種別を判定した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(
図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1206)、本処理を終える。
【0139】
一方、大当たり判定の結果が「大当たり」でなければ(S1203でNO)、小当たりか否かを判定する(S1207)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1102)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「65299」のいずれかと一致するか否か判定する(
図8(A)の特
図2の欄参照)。また特
図1大当たり判定処理(S1108)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「3500」のいずれかと一致するか否か判定する(
図8(A)の特
図1の欄参照)。なお、小当たりの当選確率は、特
図1の抽選よりも特
図2の抽選の方が高くなっている。
【0140】
小当たり判定の結果が「小当たり」であれば(S1207でYES)、小当たりフラグをONするとともに(S1208)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、
図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1209)。小当たり種別を判定した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(
図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1210)、本処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
【0141】
また、大当たりでなく小当たりでもなければ(S1203,S1207がともにNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1211)、本処理を終える。本形態では、特
図1の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがある一方、特
図2の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがないように、各抽選における小当たり当選確率が設定されている(
図8(A)参照)。
【0142】
[特
図2変動パターン選択処理(特
図1変動パターン選択処理)]特
図2変動パターン選択処理(S1103)と特
図1変動パターン選択処理(S1109)とは、処理の流れが同じであるため
図23および
図24に基づいてまとめて説明する。
図23に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1103)又は特
図1変動パターン選択処理(S1109)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
【0143】
時短状態でなければ(S1301でNO)、即ち、非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0144】
また、ステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
【0145】
また、ステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。
図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。即ち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
【0146】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。即ち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0147】
また、ステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、
図24に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302〜S1308と同様の流れで処理(S1309〜S1315)を行う。即ち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
【0148】
また、小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。また、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。また、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
【0149】
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(
図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。即ち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。即ち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
【0150】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図23に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1002)におけるステップS1106又はS1112でセットされる変動開始コマンド(特別図柄変動開始コマンド)に含められる。
【0151】
[特別図柄変動中処理]
図25に示すように、特別図柄変動中処理(S1004)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1103又はS1109で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図9参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0152】
一方、変動時間が経過していれば(S1601でYES)、特別図柄変動停止コマンド(以下、単に変動停止コマンドともいう)をセットするとともに(S1602)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1603)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1604)、本処理を終える。
【0153】
[特別図柄確定処理]
図26に示すように、特別図柄確定処理(S1006)ではまず、特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1701でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1702)。
【0154】
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1703)。大当たりフラグがONであれば(S1703でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1704)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1705)、ONでなければ(S1705でNO)スキップしてステップS1707に進むが、ONであれば(S1705でYES)時短フラグをOFFして(S1706)ステップS1707に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0155】
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1707)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1708)。続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図6を参照)をセットする(S1709)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
【0156】
一方、ステップS1703において大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1710)。小当たりフラグがONであれば(S1710でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1711)。なお、小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1712)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1713)。
【0157】
ステップS1713に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図6を参照)をセットする(S1714)。なお、このときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じた値にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1715)本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
【0158】
ステップS1710において小当たりフラグがONでなければ(S1710でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1716)、本処理を終える。
【0159】
[遊技状態管理処理]
図27に示すように、遊技状態管理処理(S1702)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1801)、ONであれば(S1801でYES)、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1802)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1803)。そして「0」であれば(S1803でYES)、時短フラグをOFFする(S1804)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている。この点については後述する。
【0160】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第2特別遊技)の実行のための処理である。
図28に示すように、特別電動役物処理1(S1008)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0161】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(即ち、第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったかどうかを判定する(S2003)。具体的には、ステップS2003の処理では、大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する。
【0162】
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま本処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
【0163】
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち、第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(
図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
【0164】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、即ち、2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
【0165】
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして本処理を終える(S2012)。
【0166】
また、ステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
【0167】
[遊技状態設定処理]
図29に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、今回実行した大当たり遊技が時短当たり(即ち、「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「15R時短大当たり」又は「16R時短小当たりC」)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S2101)。ステップS2101の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、時短カウンタに「99」をセットして(S2103)、本処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)になる。この特典遊技状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は、次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。これに対して、ステップS2101の判定結果がNOであれば、ステップS2102およびS2103を行うことなく、本処理を終える。
【0168】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。
図30および
図31に示すように、特別電動役物処理2(S1009)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
【0169】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(即ち、第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、即ち、所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
【0170】
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま本処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターン(
図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させて(S2304)、本処理を終了する。
【0171】
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち、第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(
図6に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
【0172】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)、又は、第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、即ち、2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)本処理を終える。
【0173】
また、ステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、
図31に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)、そのまま本処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
【0174】
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(
図33参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの当たりを「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)、本処理を終える。
【0175】
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
【0176】
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(
図12参照)。振分部材制御処理(S107)では
図32に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ(S2501でNO)本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば(S2501でYES)、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(
図26参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
【0177】
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
【0178】
具体的には、
図49(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(
図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(
図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、第1V開放という。次いで、16392msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、開放間インターバルという。その後、再び4600msにわたって通過許容状態に制御する。これを第2V開放という。そして、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒第1V開放⇒開放間インターバル⇒第2V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
【0179】
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。
図49(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
【0180】
具体的には、V有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602(
図33参照)では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
【0181】
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(28600ms(
図49(c)参照))が経過したか否かを判定する。振分部材71の動作が終了していなければ(S2504でNO)、そのまま本処理を終える。一方、振分部材71の動作が終了していれば(S2504でYES)、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終了する。
【0182】
ここで
図49に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、
図49(b)、
図49(e)および
図49(f)に示す3つの開放パターンがある。なお、
図49(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
【0183】
図49(b)に示す開放パターンは、特
図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「16R時短小当たりC」又は「16R通常小当たり」(
図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第1通過開放パターン)である。つまり、
図49(b)に示す開放パターンは、第1開放パターンに相当する。
【0184】
より詳細には、この第1通過開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0185】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第1V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(
図49(b)および
図49(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。
【0186】
図49(e)に示す開放パターンは、特
図1の抽選にて「16R時短小当たりB」(
図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンも、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第2通過開放パターン)である。この第2通過開放パターンと、上述の第1通過開放パターンとはオープニングの時間が異なっている。つまり、
図49(e)に示す開放パターンもまた、
図49(b)に示す開放パターンと同じく、第1開放パターンに相当する。
【0187】
より詳細には、この第2通過開放パターンは、21000msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、21000msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0188】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第2V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(
図49(e)および
図49(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。
【0189】
図49(f)に示す開放パターンは、特
図1の抽選にて「16R時短小当たりA」(
図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過開放パターンである。つまり、
図49(f)に示す開放パターンは、第2開放パターンに相当する。
【0190】
より詳細には、この非通過開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、2008msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、2008msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0191】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71の第1V開放がほぼ終了する(
図49(f)および
図49(c)参照)。振分部材71の第1V開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
【0192】
以上、
図49に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たりの種類に応じた3つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(
図49(b)の特2V通過小当たり、および、
図49(e)の特1V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することが不可能な小当たり遊技(
図49(f)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
【0193】
なお、仮に第2大入賞口35の開放開始から振分部材71の一定動作を開始することとした場合には、通過開放パターンと非通過開放パターンとを設けようとすると、第2大入賞口35の開放時間が4秒程度以上は必要となる。例えば、
図50(c)に示すように振分部材を動作させ、これに対して、
図50(a)に示すように第2大入賞口を開放させることで通過開放パターンとし、
図50(b)に示すように第2大入賞口を開放させることで非通過開放パターンとするといった具体である。これでは、
図50(a)に示すように通過開放パターンにおける第2大入賞口の開放時間を長く設定する必要が生じ、本形態のような1.6秒という短時間の開放とした場合に両方の開放パターンを設けることができない。そこで本形態では、小当たり遊技のオープニングの開始から振分部材71の一定動作を開始することとしている(
図49参照)。このようにすれば、1.6秒という短時間の開放であっても、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが可能となる。
【0194】
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(
図12参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では
図33に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)本処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(S107)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的には、V有効期間は
図49(d)に示す期間である。
【0195】
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)V通過コマンドをセットして(S2604)、本処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603およびS2604の処理を行うことなく本処理を終了する。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
【0196】
[保留球数処理]遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S108)に次いで保留球数処理(S109)を行う(
図12参照)。保留球数処理(S109)では
図34に示すように、まず、RAM84に記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2801)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンド)をRAM84の出力バッファにセットして(S2802)、本処理を終える。
【0197】
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に
図35〜
図48に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から
図35に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0198】
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進むが、判定結果がYESであれば、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、ステップS4001〜S4003の各処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0199】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法としては、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法が挙げられる。なお、乱数の更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0200】
上記乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出およびエンディング演出や、後述する第1特別報知演出、第2特別報知演出、第3特別報知演出、第1右打ち報知演出および第2右打ち報知演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007の各処理をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
【0201】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、
図36に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、即ち、主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ(S4101でNO)本処理を終えるが、ONであれば(S4101でYES)主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
【0202】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図37に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理を行う(S4201)。入力処理では、演出ボタン検出スイッチ63a(
図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
【0203】
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S4202)。ランプデータ出力処理では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
【0204】
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
【0205】
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4204)、本処理を終える。
【0206】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図38に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
【0207】
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成および音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4304)、本処理を終える。
【0208】
[受信コマンド解析処理]
図39に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から普通図柄変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)、後述する第1特別報知演出処理を行う(S4402)。続いて、主制御基板80から普通図柄変動終了コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)、後述する第1右打ち報知演出処理を行う(S4404)。
【0209】
次いで、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)保留球数更新処理を行う(S4406)。保留球数更新処理(S4406)では、保留球数コマンドに含まれている特
図1保留球数、特
図2保留球数および普通図柄保留球数の情報に基づいて、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値、第2特図保留演出カウンタの値および普図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持するようにしている。
【0210】
なお、第1特図保留演出カウンタは、RAM84の第1特図保留記憶部85aに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第1特図保留の数を計数するカウンタである。また、第2特図保留演出カウンタは、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第2特図保留の数を計数するカウンタである。また、普図保留演出カウンタは、RAM84の普図保留記憶部86に記憶されている乱数値の個数である普図保留の数を計数するカウンタである。
【0211】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(特別図柄変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば(S4407でYES)、後述する第2特別報知演出開始処理(S4408)および変動演出開始処理(S4409)を行う。
【0212】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンド(特別図柄変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4410)、受信していれば(S4410でYES)、後述する第2特別報知演出終了処理(S4411)および変動演出終了処理(S4412)を行う。
【0213】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば(S4413でYES)後述する特別遊技演出選択処理を行う(S4414)。
【0214】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していれば(S4415でYES)後述するエンディング演出選択処理を行う(S4416)。
【0215】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していれば(S4417でYES)、V通過報知演出開始処理を行う(S4418)。V通過報知演出開始処理では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
【0216】
続いて、その他の処理(S4419)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0217】
[第1特別報知演出処理]
図40に示すように、第1特別報知演出処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した普通図柄変動開始コマンドを解析して(S4501)、この普通図柄変動開始コマンドに含まれる普図停止図柄データが第1普通図柄に関するものであるかどうかを判定する(S4502)。当該普図停止図柄データが第1普通図柄に関するものでない場合には(S4502でNO)、そのまま本処理を終える。
【0218】
一方、当該普図停止図柄データが第1普通図柄に関するものである場合には(S4502でYES)、続いて、現時点の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(S4503)。遊技状態が通常遊技状態でない場合、つまり、時短状態且つ高ベース状態である場合には(S4503でNO)、本形態では第1特別報知演出を行う設定ではないため本処理を終了する。
【0219】
遊技状態が通常遊技状態である場合には(S4503でYES)、第1特別報知演出を実行するべく第1特別報知演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S4504)、第1特別報知演出の実行を示す第1特別報知フラグをONにして(S4505)、本処理を終える。ステップS4504でセットされた第1特別報知演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像(後述する第1特別演出画像NV1(
図51参照))をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第1特別報知演出を行う。
【0220】
第1特別報知演出は、遊技者に対して、大当たりの当選が実質的に確定したことを当選前に示唆するための演出である。上述したように、第1普通図柄に当選した時の補助遊技では、右打ちすることによって第2始動口21への入賞がほぼ可能である。また、第2特別図柄の抽選では、1種大当たりである15R時短大当たり、16R時短小当たりCおよび16R通常小当たりのいずれかに当選する。つまり、第2特別図柄の抽選結果としてハズレはない。しかも、16R時短小当たりCの小当たり遊技でも16R通常小当たりの小当たり遊技でも、当該小当たり遊技中に第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域39にほぼ通過し得る(
図49(b)および
図49(d)参照)。よって、正しく遊技していれば、これら小当たり遊技に引き続いて、2種大当たりの大当たり遊技が実行される。以上により、普通図柄乱数の判定結果として第1普通図柄に当選したら、1種大当たり(15R時短大当たり)、或いは、16R時短小当たりC又は16R通常小当たりの小当たり遊技中の特定領域39への通過による2種大当たりにほぼ当選することとなる。このため、本形態では、第1特別報知演出を行うことにより、大当たり当選が実質的に確定したことを遊技者に示唆するようにしている。
【0221】
第1特別報知演出は、具体的には、
図51および
図52に示すように、キャラクタ人形の頭部のキャラオブジェクト画像NX、および、このキャラオブジェクト画像NXの左方に位置し、文字列を内部に配した「吹き出し」形状の図形オブジェクト画像NYからなる第1特別演出画像NV1を用いた演出である。なお本形態では、キャラオブジェクト画像NXに示すキャラクタの表示画面7a上への出現が極めて稀な構成としているため、このキャラオブジェクト画像NXの出現によって、実際の当たりの当選前に大当たりの当選を遊技者に確信させることが可能となっている。さらに、図形オブジェクト画像NY内の文字列の背景をレインボー柄としているため、これによっても、実際の当たりの当選前に大当たりの当選を遊技者に確信させることが可能となっている。
【0222】
また、第1特別演出画像NV1は、
図51および
図52に示すように、画像表示装置7の表示画面7aの中央および右側部に表示される。その際、変動中の、又は、停止した演出図柄8L,8C,8Rに一部重なって(具体的には、演出図柄8L,8C,8Rよりも図中手前側に)表示される。よって、表示画面7a上に演出図柄8L,8C,8Rがあっても、第1特別演出画像NV1を用いた第1特別報知演出について遊技者は視認し易い。なお、
図51および
図52には、演出図柄8L,8C,8Rの変動中に第1特別演出画像NV1を表示した態様を例示している。
【0223】
また、第1特別報知演出は、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中、第1普通図柄の停止表示中、および、補助遊技中に行われる(場合によっては、それらの期間に加えて、当該補助遊技後の期間にも行われる)。具体的には、第1普通図柄の変動中には
図51に示す態様で、第1普通図柄の停止表示中、および、補助遊技の実行開始から第2特別図柄の変動が開始されるまでの期間は、
図52に示す態様で第1特別報知演出が実行される。
【0224】
本形態では、上述したように第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。しかしながら、第1普通図柄の変動表示の前に、変動時間が長い(例えば、45000ms)変動パターンを伴う第1特別図柄の変動表示が開始していたり、第1普通図柄の変動中に第1特別図柄の変動表示が開始していたりすると、当該第1特別図柄の変動表示の終了(および、その後の第1特別図柄の停止表示の終了)が上記補助遊技の実行途中、或いは、補助遊技の実行終了後となる。このため、その第1特別図柄の変動表示の終了後に、補助遊技における第2始動口21の入賞に基づく第2特別図柄の変動が開始しても、その開始のタイミングは、補助遊技の実行途中、又は、補助遊技の実行終了後となってしまう。かくして、本形態の第1特別報知演出は、補助遊技の途中まで行われたり、補助遊技の終了後しばらく行われたりする。
【0225】
また、
図51に示す図形オブジェクト画像NY内には、「激熱!○秒後に注目!」といった文字列を配している。この文字列の「○」には、普通図柄の変動が終了するまでの時間を示す数値、具体的には「30」秒から「0」秒までの整数値が1秒毎に1減じて(カウントダウンして)表示される。このような文字列を含む図形オブジェクト画像NYを第1特別報知演出に用いることによって、カウントダウンが終わったときに何が起こるのだろうといった緊張感および期待感を遊技者に与えることが可能となっている。
【0226】
また、
図52に示す図形オブジェクト画像NY内には、「激熱!」といった文字列を配している。このような文字列を含む図形オブジェクト画像NYを第1特別報知演出に用いることによって、次の遊技展開に対する期待感を遊技者に与えることが可能となっている。なお本形態では、
図52に示す態様の第1特別報知演出が、第2特別図柄の変動表示が開始されるまで継続的に行われる。また、第1特別演出画像NV1を用いた第1特別報知演出の実行とともに、
図52に示す後述する第1右打ち報知演出が実行される。この第1右打ち報知演出については、後ほど詳述する。
【0227】
[第1右打ち報知演出処理]
図41に示すように、第1右打ち報知演出処理(S4404)ではまず、第1特別報知フラグがONか否かを判定する(S4601)。第1特別報知フラグがONでない場合には(S4601でNO)、そのまま本処理を終える。一方、第1特別報知フラグがONの場合、つまり、第1特別報知演出が実行中の場合には(S4601でYES)、後述する第1右打ち報知演出を実行するべく第1右打ち報知演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4602)、本処理を終える。この第1右打ち報知演出コマンドを受信した画像制御基板100は、後述の第1右打ち報知演出の実行を開始する。ステップS4602でセットされた第1右打ち報知演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像(後述する第1右打ち演出画像NR(
図52参照))をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第1右打ち報知演出を行う。
【0228】
第1右打ち報知演出とは、開放が開始される第2始動口21を狙うよう右打ちにて遊技球を発射すべき旨を遊技者に報知(示唆)する演出である。具体的には、
図52に示す「右打ち」といった文字画像R1、および、図中右側を指す矢印を模したオブジェクト画像R2からなる第1右打ち演出画像NRを用いた演出である。第1右打ち報知演出の実行中、第1右打ち演出画像NRは、表示画面7aの右上部に表示される(
図52参照)。即ち、第1右打ち演出画像NRは、上述した第1特別演出画像NV1とは異なり、表示画面7a上の演出図柄8L,8C,8Rと重ならない位置に表示される。このため、この第2右打ち演出画像NRを用いた第1右打ち報知演出を遊技者に認識させ易く、遊技者に速やかに右打ちにて遊技させることが可能となっている。
【0229】
特に本形態では、第1右打ち報知演出の実行直前の普通図柄の変動中には、
図51に示す文字列を含む図形オブジェクト画像NYを用いた第1特別報知演出の実行によって、当該第1特別報知演出が実行されない場合に比して、遊技者が表示画面7aに注目している可能性が高い。従って、第1右打ち報知演出の実行開始により、第1右打ち演出画像NRを表示画面7a上に突如出現させることで、表示画面7aを注目していた遊技者に第1右打ち報知演出をより確実に認識させることが可能となっている。
【0230】
また、第1右打ち報知演出は、普通図柄の変動の終了時(即ち、普通図柄の停止表示の開始時)から、普通図柄の停止表示中、および、その後の補助遊技の期間のうち、補助遊技の開始から第2特別図柄の変動が開始されるまでの期間において行われる。つまり、補助遊技の開始前にあたる期間、および、補助遊技中の期間の両方において上記第1右打ち報知演出が行われる。このため、遊技者は、第2始動口21の開放前に右打ちにて遊技球を発射させることが可能であり、補助遊技の実行に合わせて第2始動口21に入賞させることが可能である。なお、第1右打ち報知演出は、遊技者に右打ちを促すことが可能なものであればよい。第1右打ち報知演出の態様としては、
図52に示す態様のほか、例えば、表示画面7aの中央に大きく右打ちを表示する態様などが挙げられる。
【0231】
[第2特別報知演出開始処理]
図42に示すように、第2特別報知演出開始処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した変動開始コマンド(特別図柄変動開始コマンド)を解析する(S4801)。変動開始コマンドには、特
図2変動パターン選択処理(S1103)又は特
図1変動パターン選択処理(S1109)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特
図1又は特
図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
【0232】
次いで、解析した変動開始コマンドが特
図2変動開始コマンドか否かを判定する(S4802)。特
図2変動開始コマンドでなければ(S4802でNO)そのまま本処理を終えるが、特
図2変動開始コマンドであれば(S4802でYES)、第1特別報知フラグがONか否かを判定する(S4803)。第1特別報知フラグがONでない場合には(S4803でNO)、そのまま本処理を終える。一方、第1特別報知フラグがONの場合、つまり、第1特別報知演出が実行中の場合には(S4803でYES)、第1特別報知演出中断コマンド、および、第1右打ち報知演出中断コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4804およびS4805)。第1特別報知演出中断コマンドとは、画像制御基板100に、実行中の第1特別報知演出を中断(終了)させるためのものである。また、第1右打ち報知演出中断コマンドとは、画像制御基板100に、実行中の第1右打ち報知演出を中断(終了)させるためのものである。その後、第1特別報知フラグをOFFする(S4806)。
【0233】
続いて、ステップS4807では大当たり判定処理の判定結果が小当たり(16R時短小当たりC又は16R通常小当たり)の当選かどうかを判定する。小当たりの当選である場合には(S4807でYES)、後述する第2特別報知演出を実行するべく、第2特別報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4808)。一方、小当たりの当選でない場合、つまり大当たりの当選である場合には(S4807でNO)、後述する第3特別報知演出を実行するべく、第3特別報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4809)。上記の各種第2特別報知演出開始コマンドをセットした後、これら各種第2特別報知演出の実行を示す第2特別報知フラグをONにして(S4810)、本処理を終える。
【0234】
ステップS4807でセットされた第2特別報知演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像(後述する第2特別演出画像NV2(
図53参照))をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第2特別報知演出を行う。一方、ステップS4808でセットされた第3特別報知演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像(後述する第3特別演出画像NV3(
図54参照))をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第3特別報知演出を行う。
【0235】
第2特別報知演出は、遊技者に対して、2種大当たりの当選が実質的に確定したことを当選前に示唆するための演出である。即ち、上記ステップS4801における変動開始コマンド(特別図柄変動開始コマンド)の解析結果から、第2特別図柄の抽選では、16R時短小当たりC又は16R通常小当たりに当選していることが判っている。なお、上述したように、いずれの小当たりの小当たり遊技でも当該小当たり遊技中に第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域39にほぼ通過し得る。従って、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選したら、その後も正しく遊技することで2種大当たりにほぼ当選することとなる。よって本形態では、第2特別報知演出を行うことにより、その2種大当たり当選が実質的に確定したことを遊技者に示唆するようにしている。
【0236】
第2特別報知演出は、第2特別図柄の変動開始から変動停止までの期間において実行される。この第2特別報知演出は、具体的には、
図53に示す「激熱!」といった文字画像NZ、この文字画像NZの下方に位置する、「引き続き右打ちをしてVアタッカーを狙え!」といった文字画像NP、および、これら文字画像NZ,NPの背景画像NBからなる第2特別演出画像NV2を用いた演出である。なお、第2特別演出画像NV2の背景画像NBをレインボー柄としているため、これによって、実際の2種大当たりの当選前に大当たりの当選を遊技者に確信させることが可能となっている。
【0237】
また、第2特別報知演出の実行中、演出図柄8L,8C,8Rを、表示画面7aの左上部にて通常時よりも小さく表示した上で、それら演出図柄8L,8C,8Rと重ならないように、第2特別演出画像NV2を表示画面7aの中央に表示する(
図53参照)。これにより、この第2特別演出画像NV2を用いた第2特別報知演出を遊技者に認識させ易く、遊技者に大当たりの当選を確信させることが可能となっている。また、上記の文字画像NPを用いることで、引き続き右打ちにて遊技を進行させて、その後の小当たり遊技のときにVアタッカー(特定領域39)に遊技球を通過させるよう、遊技者に注意を喚起することが可能となっている。
【0238】
また本形態では、
図53に示すように、「引き続き右打ちをしてVアタッカーを狙え!」といった文字画像NPを表示することで、その後の小当たり遊技における第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)を狙うべく、右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆している。16R時短小当たりCおよび16R通常小当たりの小当たり遊技のOP時間はいずれも8msとしている(
図6参照)。このため、例えば後述の第2右打ち報知演出のように、右打ちを報知する演出を小当たり遊技のわずかなOP時間中に実行した場合、その演出に遊技者が気付かなかったり、その演出に気付いて右打ちに変更しても第2大入賞口35の開放中に遊技球を入賞させることができなかったりする虞がある。そこで本形態では、小当たり遊技の実行前にあたる第2特別図柄の変動中に、上記文字画像NPを含む第2特別演出画像NV2を表示することで、その後の第2大入賞口35の開放時に右打ちを間に合わせることが可能となる。よって、遊技者はV通過の機会を逃すことなく、確実に2種大当たりを獲得することが可能である。なお、上記小当たりの小当たり遊技のOP時間が短くない場合には、Vアタッカー(特定領域39)を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨の報知演出を小当たり遊技のOP時間中に実行する構成としてもよい。
【0239】
また、第3特別報知演出は、遊技者に対して、第2特別図柄の抽選で当選する1種大当たりを当選前に報知するための演出である。上記ステップS4801における変動開始コマンドの解析結果から、第2特別図柄の抽選では、15R時短大当たりに当選していることが判っている。このため、これに基づいて、第3特別報知演出を行うことにより、その大当たりに当選することを遊技者に確信させることが可能となっている。
【0240】
第3特別報知演出は、上述した第2特別報知演出と同様、第2特別図柄の変動開始から変動停止までの期間において実行される。この第3特別報知演出は、具体的には、
図54に示す「当確!!!」といった文字画像NW、および、この文字画像NZの下方に位置する、「やったね!」といった文字画像NQからなる第3特別演出画像NV3を用いた演出である。第2特別報知演出と同じように、第3特別報知演出の実行中、演出図柄8L,8C,8Rを、表示画面7aの左上部にて通常時よりも小さく表示した上で、それら演出図柄8L,8C,8Rと重ならないように、第3特別演出画像NV3を表示画面7aの中央に表示する(
図54参照)。これにより、この第3特別演出画像NV3を用いた第3特別報知演出の実行を遊技者に認識させ易く、遊技者に大当たりの当選を確信させることが可能となっている。
【0241】
[変動演出開始処理]
図43に示すように、変動演出開始処理(S4409)ではまず、演出制御用マイコン91は、モードステータスを参照する(S5001)。モードステータスは、実行する演出モードを示すものである。ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
【0242】
続いて演出制御用マイコン91は、モードステータスおよび変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、ステップS5001で参照したモードステータス、および、上記ステップS4801で解析した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択してセットする(S5002)。そして、このテーブルに基づいて変動演出パターンを選択する(S5003)。
【0243】
このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆる「ステップアップ予告演出」や「チャンスアップ予告演出」などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S5004)、変動演出開始処理を終了する。なお本形態では、第2特別報知フラグがONの場合には、予告演出を行わないこととしている。
【0244】
本形態では、モードステータスに応じた演出モードで変動演出が実行される。具体的には、モードステータスが「1」であれば、
図55(a)に示すように、背景画像として昼の画像を表示画面7aに表示する昼背景モードにて変動演出を実行する。また、モードステータスが「2」であれば、
図55(b)に示すように、背景画像として夜の画像を表示画面7aに表示する夜背景モードにて変動演出を実行する。
【0245】
夜背景モードは、大当たりを獲得し易い状態であることを遊技者に対して報知する演出モードである。この夜背景モードは、有利モードに相当する。詳しく述べれば、夜背景モードは、現在の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)であるとき、又は、通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるが大当たり遊技の終了時点で第2特図保留があったとき、に実行される。これらの場合は、第2特図保留に基づく小当たり当選から、V通過を経て大当たり遊技を実行させることが可能である。つまり、大当たりを獲得し易い状態といえる。
【0246】
これに対して昼背景モードは、大当たりを獲得し易い状態ではないことを遊技者に対して報知する演出モードである。この昼背景モードは、通常モードに相当する。詳しく述べれば、通常モードは、原則として現在の遊技状態が通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるときに実行される。なお、例外は既に述べたとおりである。大当たり遊技の終了時点で第2特図保留がなく通常遊技状態に制御された場合や、通常遊技状態において第2特図保留がなくなった場合には、特
図1の抽選にて大当たりを獲得しなければならない。そのため、特
図2の抽選のように容易に大当たりを獲得することはできない。つまり、第2特図保留のない通常遊技状態は、大当たりを獲得し易い状態ではない。
【0247】
[第2特別報知演出終了処理]
図44に示すように、第2特別報知演出終了処理(S4411)ではまず、演出制御用マイコン91は、第2特別報知フラグがONか否かを判定する(S5101)。第2特別報知フラグがONでない場合には(S5101でNO)、そのまま本処理を終える。一方、第2特別報知フラグがONの場合、つまり、第1特別報知演出が実行中の場合には(S5101でYES)、第2特別報知演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S5102)、第2特別報知フラグをOFFにして(S5103)、本処理を終える。第2特別報知演出終了コマンドとは、画像制御基板100に、実行中の各種第2特別報知演出を終了させるためのものである。
【0248】
ステップS5102でセットされた第2特別報知演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、実行中の各種第2特別報知演出を終了させる。
【0249】
[変動演出終了処理]
図45に示すように、変動演出終了処理(S4412)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析するとともに(S5201)、モードステータスを参照する(S5202)。次に、モードステータスが「1」か否か、即ち昼背景モードか否かを判定する(S5203)。そして、モードステータスが「1」であれば(S5203でYES)、ステップS5210に進む。
【0250】
一方、モードステータスが「1」でなければ(S5203でNO)、続いて特2保留有りフラグがONであるか否かを判定する(S5204)。特2保留有りフラグは、第2特図保留がある状態で大当たり遊技の終了後に通常遊技状態に制御されたことを示すフラグであり、後述するモードステータス設定処理(
図39参照)のステップS5503でセットされるフラグである。
【0251】
ステップS5204において特2保留有りフラグがONでなければ(S5204でNO)、時短状態且つ高ベース状態であるため、RAM94に設けられた演出モードカウンタの値Mを1ディクリメントして(S5205)、その値Mが「0」になったか否かを判定する(S5206)。演出モードカウンタは、時短状態且つ高ベース状態にて実行した変動演出の回数をカウントするためのカウンタである。ステップS5206において「0」でなければ(S5206でNO)、そのままステップS5210に進む。これに対して、「0」であれば(S5206でYES)、時短状態且つ高ベース状態は終わりであるため、昼背景モードに戻すべくモードステータスに「1」をセットしてから(S5207)ステップS5210に進む。
【0252】
またステップS5204で特2保留有りフラグがONであれば(S5204でYES)、続いて現在の第2特図保留が「0」か否かを判定する(S5208)。この判定では、RAM94の第2特図保留演出カウンタの値を参照する。なお以降の処理においても、演出制御用マイコン91が第2特図保留の有無を確認する際には、第2特図保留演出カウンタの値が参照される。ステップS5208において現在の第2特図保留が「0」でないと判定した場合には、そのままステップS5210に進む。これに対して、現在の第2特図保留が「0」であると判定した場合には、通常遊技状態において大当たり遊技の終了時点で記憶されていた第2特図保留が消化されたため、特2保留有りフラグをOFFするとともに(S5209)、モードステータスに「1」をセットしてから(S5207)、ステップS5210に進む。このような制御により、大当たり遊技の終了時点で記憶されていた第2特図保留に基づいて次の大当たり遊技が実行されなかった場合には、昼背景モードに移行するようになっている。
【0253】
ステップS5210では、演出制御用マイコン91は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
【0254】
[特別遊技演出選択処理]
図39に示す特別遊技演出選択処理(S4414)は、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する処理である。ここで選択される特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出が含まれている。
【0255】
図46に示すように、特別遊技演出選択処理(S4414)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S5301)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(
図6参照)に関する情報が含まれている。
【0256】
続いて演出制御用マイコン91は、解析したオープニングコマンドが示す当たり種別が「16R時短小当たりB」であるか否か、即ち、特
図1の抽選にて当選し得るV通過可能な小当たりか否かを判定する(S5302)。「16R時短小当たりB」であれば(S5302でYES)、オープニング演出として第2右打ち報知演出を伴う特別遊技演出の演出パターンを選択して(S5303)、ステップS5305に進む。第2右打ち報知演出とは、
図56に示すような演出画像を表示画面7aに表示する演出である。
図56に示す演出画像は、第2大入賞装置36を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。つまり、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。
【0257】
この第2右打ち報知演出は、「16R時短小当たりB」のオープニング中に表示される。つまり、「16R時短小当たりB」(特1V通過小当たり)に当選すると、21000msにわたるオープニングの期間中に(
図49(e)参照)、遊技者に対して遊技方法が示されることとなる。このため、遊技者はV通過の機会を逃すことなく、確実に2種大当たりを獲得することが可能である。なお、右打ち報知を小当たり当選時の変動演出の一部として行う構成も考えられる。しかしこのような構成とすると、まだ小当たり遊技も開始されていないのに遊技者が右打ちを始め、いわゆる「ムダ球(第2大入賞口35に入ることのない遊技球)」を多数生じさせてしまうおそれがある。これに対して本形態では、小当たり遊技のオープニング中に右打ち報知を行うため、そのような構成よりもムダ球の発生を抑えることが可能となっている。
【0258】
ステップS5302において「16R時短小当たりB」でないと判定した場合には(S5302でNO)、各当たりの種別に応じて予め定められている通常の特別遊技演出の演出パターンを選択して(S5304)、ステップS5305に進む。ステップS5305では演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにて特別遊技演出を開始するための特別遊技演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。
【0259】
ステップS5205でセットされた特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の特別遊技演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。ステップS5303が実行されていたのであれば、
図56に示す第2右打ち報知演出の演出画像が表示画面7aに表示されることとなる。
【0260】
[エンディング演出選択処理]
図39に示すエンディング演出選択処理(S4416)は、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する処理である。
図47に示すように、エンディング演出選択処理(S4416)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S5401)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(
図6参照)に関する情報が含まれている。
【0261】
続いて演出制御用マイコン91は、後述するモードステータス設定処理を行う(S5402)。次いで演出制御用マイコン91は、ステップS5401で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が時短当たりか否かを判定する(S5403)。時短当たりとは、「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」、又は「15R時短大当たり」である。ステップS5403で時短当たりであると判定した場合には(S5403でYES)、続いて、通常遊技状態における特
図1の抽選にて当選した時短当たりであるか否かを判定する(S5404)。つまり、いわゆる「初当たり」であるか否かを判定する。そして、「初当たり」であれば、第1エンディング演出の演出パターンを選択する(S5405)。第1エンディング演出は、
図57(a)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。即ち「夜背景モード突入!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に移行する旨を報知することができる。
【0262】
一方、ステップS5404において「初当たり」でないと判定した場合には(S5404でNO)、第2エンディング演出の演出パターンを選択する(S5406)。第2エンディング演出は、
図57(b)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。即ち「夜背景モード継続!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して再び時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に制御される旨を報知することができる。
【0263】
またステップS5403において時短当たりでないと判定した場合には(S5403でNO)、続いて、第2特図保留(特2保留)があるか否かを判定する(S5407)。第2特図保留があれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であるが、まだ第2特図保留に基づく小当たり当選からV通過を経て2種大当たり遊技を獲得する機会が残っている。従って、演出制御用マイコン91は、第3エンディング演出の演出パターンを選択する(S5408)。第3エンディング演出は、
図57(c)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。即ち「残り1回!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対してまだ2種大当たり遊技を容易に獲得可能であることを示唆することができる。なお、この演出は、夜背景モードへの移行示唆にもなっている。
【0264】
一方、ステップS5407において第2特図保留がないと判定した場合には(S5407でNO)、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であり第2特図保留に基づく2種大当たり遊技の獲得の機会も残っていない。従って、演出制御用マイコン91は、第4エンディング演出の演出パターンを選択する(S5409)。第4エンディング演出は、
図57(d)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。即ち、「またね!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して2種大当たり遊技を容易に獲得可能な状態ではないことを示唆することができる。なお、この演出は、昼背景モードへの移行示唆にもなっている。
【0265】
上記のようにしてエンディング演出の演出パターンを選択した後は、演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5410)。ステップS5410でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。つまり、
図57に示す各演出画像のいずれかが表示画面7aに表示されることとなる。
【0266】
[モードステータス設定処理]
図48に示すように、モードステータス設定処理(S5402)ではまず、演出制御用マイコン91は、ステップS5401で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が時短当たりか否かを判定する(S5501)。そして、時短当たりであれば(S5501でYES)、モードステータスを「2」にセットする(S5504)。モードステータスが「2」であることは、夜背景モードに対応している。よって、その後の変動演出では、背景画像として
図57(b)に示す夜の背景画像が表示される。なおこのとき、時短状態且つ高ベース状態にて実行した変動演出の回数をカウントするための演出モードカウンタの値Mを「99」にセットする。
【0267】
一方、時短当たりでなければ、続いて、第2特図保留があるか否かを判定する(S5502)。第2特図保留があれば(S5502でYES)、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であるが、まだ第2特図保留に基づく2種大当たり遊技の獲得機会が残っている。従って、演出制御用マイコン91は、特2保留有りフラグをONするとともに(S5503)、モードステータスを「2」にセットする(S5504)。よって、その後の変動演出では、背景画像として
図57(b)に示す夜の背景画像が表示される。
【0268】
またステップS5502において第2特図保留がなければ、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であり、第2特図保留に基づく2種大当たり遊技の獲得機会も残っていない。従って、演出制御用マイコン91は、モードステータスを「1」にセットする(S5505)。モードステータスが「1」であることは、昼背景モードに対応している。よって、その後の変動演出では、背景画像として
図57(a)に示す昼の背景画像が表示される。
【0269】
7.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、
図58に基づいて説明する。
図58に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特
図1の抽選に基づく大当たりの当選、および、主に第1ゲート28への遊技球の通過により、普通図柄の抽選に基づく第1普通図柄の当選を狙う。なお、当選確率は低いが、特
図1の抽選によって「16R小当たりB」(
図6参照)に当選すれば、V通過に基づく2種大当たり遊技を獲得することができる。また、普通図柄の抽選で第1普通図柄に当選し、且つ、その後の第2始動口21への入賞によって「16R時短小当たりC」又は「16R通常小当たり」に当選すれば、V通過に基づく大当たり遊技を獲得することができる。この遊技開始時点の通常遊技状態では昼背景モードに設定されている。従って、表示画面7aには、
図57(a)に示す昼の背景画像が表示される。なお、この昼の背景画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
【0270】
特
図1の抽選、又は、V通過に基づいて大当たりに当選した場合、その大当たりが通常大当たりであれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、時短当たりであれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した大当たりが通常大当たりであった場合には、再び通常遊技状態において特
図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。
【0271】
これに対して、時短当たりであった場合には、時短状態且つ高ベース状態に制御される。この時短状態且つ高ベース状態では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。これにより、特
図2の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。特
図2の抽選にハズレはなく(
図8(A)参照)、大当たり当選となる場合を除けば全て小当たり当選となる。しかも、特
図2の抽選にて当選する小当たりは、その小当たり遊技における開放パターンを通過開放パターン(第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な開放パターン)とする小当たりである(
図49(b),49(c)参照)。従って、遊技者が正しく遊技を実行している限り(つまり右打ちを継続している限り)、特
図2の抽選が実行されれば必ず大当たり遊技が実行されることとなる。なお、特
図2の抽選における直撃大当たりは時短大当たりである(
図6参照)。
【0272】
また、この時短状態では、特別図柄の変動表示中に第2特図保留を上限記憶数まで貯めることができる。本形態の第2特図保留の上限記憶数は「1」である。つまり、特
図2の変動表示中に第2特図保留を1つ貯めることができる。この1つの第2特図保留は、大当たり遊技を経たその後の遊技において消化されることとなる。
【0273】
また、この時短状態では夜背景モードに設定されている。従って、表示画面7aには、
図55(b)に示す夜の背景画像が表示される。なお、この夜の背景画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
【0274】
特
図2の抽選にて小当たりに当選した場合、その小当たりが「16R通常小当たり」(
図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「16R時短小当たりC」(
図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。当選した小当たりが時短小当たりであった場合には、再び時短状態に制御されるため、さらに追加的に第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、前回の時短状態で貯めた第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる上、さらに今回の時短状態で発生させた第2特図保留に基づいても大当たり遊技を実行させることができる。つまり本形態のパチンコ遊技機1は、一度、時短図柄(時短状態に制御されることとなる図柄)に基づいて大当たり遊技が実行されると、それ以降で2回の大当たり遊技の実行が見込める遊技機となっている。言い換えれば、いわゆる「2回ループ」の遊技機となっている。
【0275】
これに対して、特
図2の抽選にて当選した小当たりが通常小当たりであった場合には、通常遊技状態に制御される。この場合には、追加的に第2特図保留を貯めることはできない。しかし、前回の時短状態において貯めた第2特図保留が1つ残っている。よって、この第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる。つまり、この状態は、通常遊技状態ではあるもののまだ大当たり遊技を実行させ易い状態(遊技者に有利な状態)である。よって、この状態では、夜背景モードに設定される。従って、第2特図保留に基づく変動演出中は、表示画面7aには
図55(b)に示す夜の背景画像が表示される。この夜の背景画像の表示によれば、遊技者に対してまだ有利な状態であることを示唆することが可能である。このように本形態では、時短状態中の演出モードと、時短状態ではなく通遊技状態ではあるが第2特図保留が残っているときの演出モードを同じ演出モードとしている。これにより、両方の遊技期間に遊技者にとって有利な状態である遊技期間としての統一感をもたせるようにしている。
【0276】
そして、この通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、時短小当たりに当選すれば、大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。よって、再び特
図2の抽選の機会を得ることが可能となり、以降2回の大当たりが確定する。
【0277】
これに対して、通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、通常小当たりに当選した場合には、もう第2特図保留も残っておらず、新たに第2特図保留を発生させることもできない。よって、大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者にとって有利な状態は終了したこととなる。従って、この状態では、昼背景モードに設定される。よって、表示画面7aには
図55(a)に示す昼の背景画像が表示される。この昼の背景画像の表示によれば、遊技者に対して有利な状態が終了したことを示唆することが可能である。
【0278】
なお
図58に示すように、時短状態において第2特図保留を貯めていない状態で通常小当たりに基づく大当たり遊技を実行させてしまうと、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よってこの場合には、昼背景モードに設定され、遊技者に対して有利な状態が終了したことが示唆される。
【0279】
また、夜背景モードに設定された通常遊技状態において第2特図保留に基づく処理が終了したものの大当たり遊技を実行させられなかった場合(つまり特定領域39へ遊技球を通過させなかった場合)にも、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よって、この場合にも、昼背景モードに設定され、遊技者に対して有利な状態が終了したことが示唆される。
【0280】
ここで、本パチンコ遊技機1における時短状態への制御後の連チャン終了の仕組みについてまとめて説明する。なお、連チャンの終了は、大当たり遊技が実行され易い状態でなくなることである。まず、連チャンが終了する場合について説明する。連チャンが終了する場合は、
図59に示すように、時短状態における当該変動(実行中の変動)としての特
図2の変動と、その時の第2特図保留との両方がともに通常小当たりである場合である。このような状況となれば、もはや時短状態に制御されることはなく、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られない。よって、2回の大当たり遊技が実行されて連チャンが終了することとなる。
【0281】
これに対して、連チャンが続く場合は、
図60(a),(b)に示すように、時短状態における当該変動としての特
図2の変動と、その時の第2特図保留との少なくともいずれか一方が、時短当たりである場合である。
図60(a)に示すように、当該変動としての特
図2の変動が時短当たりであれば、時短状態で当選した1回目の大当たり遊技の終了後に再び時短状態に制御されて、追加的に第2特図保留を貯めることができる。従って、3回以上の大当たり遊技を獲得することができる。
【0282】
また、
図60(b)に示すように、当該変動としての特
図2の変動が通常小当たりであり、特
図2の変動中に貯められた第2特図保留が時短小当たり(時短大当たりでもよい)であれば、通常小当たりへの当選に基づく大当たり遊技の終了後には通常遊技状態に制御されて第2特図保留を貯めることはできないものの、残っている第2特図保留に基づく大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。そしてその時短状態において、再び特
図2の変動を実行させつつ、第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、4回以上の大当たり遊技を獲得することができる。
【0283】
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)では第2始動口21への入球が容易となる。そして、第2始動口21への入球に基づく特
図2大当たり判定処理(S1102)において小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞した遊技球はその入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過する(
図49(b)および
図49(c)参照)。つまり、特
図2の抽選で小当たりに当選すれば、必ず遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。従って、第2始動口21への入賞(入球)に基づく小当たり当選は、大当たり当選と同等の遊技上の意味を持つこととなる。つまり、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選確定である。
【0284】
よって、大当たりの当選確率に依らず、特
図2の抽選における小当たりの当選確率の設定次第で、高ベース状態における大当たり当選確定(実質的を含む)の第2特図保留の発生確率を自在に高めることが可能である。つまり、高ベース状態において従来よりも早いスピードで次の大当たりを引き当てられる従来にない斬新な遊技性を創出することが可能である。言い換えれば、高ベース状態において小当たりには当選するものの、なかなか特定領域39に遊技球を通過させることができずに大当たり遊技が実行されず、大当たり遊技の実行という利益を獲得するまでの遊技期間が長くなるのを防ぐことが可能である。つまり、利益獲得に対するスピード感の低下により遊技興趣が低下するのを防ぐことが可能である。
【0285】
しかも、特
図2の抽選の結果は小当たり当選又は大当たり当選のいずれかである。つまり、特
図2の抽選にはハズレがなく(
図8(A)参照)、特
図2の抽選がなされれば実質的には必ず大当たり遊技が実行されることとなる。その上で、本パチンコ遊技機1では、通常遊技状態においても、高ベース状態且つ時短状態のときと同等の入球し易さで第2始動口21が開放され得る。即ち、非時短状態のロング開放パターンは、時短状態のロング開放パターンと同じく、開放時間が5.5秒間の開放パターンである(
図10参照)。よって、通常遊技状態中の普通図柄の抽選において、上記非時短状態のロング開放パターンで第2始動口21を開放する当たりが確定した時点、つまり上記第1普通図柄に当選した時点で、実質的に大当たり当選確定となる。かくして、本パチンコ遊技機1は、通常遊技状態中における新たな遊技性を提供することが可能となっている。
【0286】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常遊技状態中に普通図柄の抽選で第1普通図柄に当選すると、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中、停止表示中、および、第2始動口21の開放中に第1特別報知演出を実行する。この第1特別報知演出は、具体的には、上述した第1特別演出画像NV1(
図51および
図52参照)を用いた演出であり、大当たり報知と同等の演出的意味をもつものである。よって、遊技者に対して、大当たり遊技が実行されることを大当たりの当選前に暗に示唆することが可能となっている。そして、このような演出によって、通常遊技状態における普通図柄の変動表示中から第2始動口21の開放中にわたって、遊技者に嬉しい驚きを与えるとともに遊技興趣を高めることが可能となっている。なお、「大当たり報知と同等の演出的意味をもつ演出」とは、言い換えれば、大当たりの当選予定であることを示唆する演出や、大当たりの当選確定とは言い切れないが、当選濃厚となっていることを示唆する演出である。
【0287】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常遊技状態において特
図2の抽選にて小当たりに当選すると、その抽選結果を報知する第2特別図柄の変動表示中に、大当たり報知と同等の演出的意味をもつ第2特別報知演出が行われる。この第2特別報知演出は、具体的には、上述した第2特別演出画像NV2(
図53参照)を用いた演出である。よって、遊技者に対して、大当たり遊技が実行されることを特定領域39への通過前に暗に示唆することが可能となっている。そして、このような演出によって通常遊技状態における第2特別図柄の変動表示中に遊技者に嬉しい驚きを与えるとともに、遊技興趣を高めることが可能となっている。
【0288】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2始動口21への入球に基づく特
図2の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な第1通過開放パターン(
図49(b)参照)に設定される。一方、特
図1の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが実質的に不可能な非通過開放パターン(
図49(f)参照)に設定され得る。従って、遊技機全体として第2大入賞口35へ入賞した遊技球の特定領域39への通過率(V通過率)が不当に高くなるのを抑制することが可能である。
【0289】
より詳細には、本形態では、特
図1の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/20であり、特
図2の抽選における小当たり当選確率がほぼ100%である(
図8(A)参照)。また、特
図1の抽選におけるV通過可能な小当たりとV通過不可能な小当たりとの振分率は1:99であり、特
図2の抽選におけるV通過可能な小当たりの振分率は100%である(
図6参照)。このような設定によって、本パチンコ遊技機1におけるV通過率が1/10を超えないようにしている。
【0290】
また本形態では、上述したように特
図2の抽選にはハズレがなく、特
図2の抽選がなされれば大当たり遊技が実質的に必ず実行されることとなる。よって、一旦高ベース状態に制御されれば原則的には、特
図2の当該変動分と第2特図保留の全てが通常小当たりに振り分けられない限り、大当たり遊技の実行という利益を獲得し続けられる(大当たりに当選し続けられる)という新たな遊技性を提供することが可能である。つまり、第2特図保留の上限記憶数+1回(特
図2の当該変動分)のループ機を提供することが可能である。なお本形態では、第2特図保留の上限記憶数は「1」である。よって、一旦高ベース状態に制御されればその後2回の大当たり遊技の実行が確定する「2回ループ」の遊技機を、「1種2種混合機」として好適に実現することが可能である。ちなみに本形態では、大当たり遊技後の特
図2の抽選による連チャンは、いわゆる「1G連(大当たり遊技の終了後の一変動目で再び大当たりに当選する連チャン)」となる。このことも、本形態のパチンコ遊技機1における斬新な遊技性の1つである。
【0291】
なお、所定の遊技状態に制御された後の大当たり当選までのスピードを早めるためには、その遊技状態における大当たり当選確率自体を高める構成が考えられる。しかしながら、このような構成を採用した場合に本形態のようなスピード感を実現しようとすると、高確率状態ではない通常確率状態での大当たり当選確率まで、ある程度高く設定しておく必要がある。高確率状態と通常確率状態との大当たり当選確率の確率差が大きくなり過ぎないようにする必要があるからである。また、このように両遊技状態において高い大当たり当選確率に設定すると、一回の大当たり遊技において払い出される賞球数を少なく設定する必要が生じる。あまりにも多数の賞球を遊技者が獲得可能となると適正な遊技性が害されてしまうからである。但しこれでは、遊技者にとって出玉感(十分な賞球を得ているという感覚)の感じられない面白みの少ない遊技機になるおそれもある。
【0292】
これに対して本形態では、大当たり当選確率を高めることなく、特
図2の抽選の小当たり当選確率を高め、且つ、特
図2の抽選で当選する小当たりを必ず大当たり遊技を獲得できる当たりとすることで、特
図2の抽選が頻繁に生じる高ベース状態における実質的な大当たり発生確率を高めている。よって、大当たり当選確率(1種大当たりの当選確率)自体を高める場合とは異なり、小当たりに当選してもV通過できない場合を設けておくことで(本形態のように特1V非通過小当たりを設けておくことで)、大当たり発生確率と賞球数との適正なバランスを保つことが可能である。従って、大当たり遊技において払い出される賞球数を上記のようにあえて少なく設定する必要はない。そのため本形態では、特
図2の抽選が頻繁に生じる特定の遊技期間(高ベース状態に制御されている期間)においては、実質的な大当たり発生確率の向上と高い出玉感との両立が可能となっている。
【0293】
また本形態では、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される(
図21参照)。そのため、高ベース状態において第2特別図柄の変動表示が実行されずに第1特別図柄の変動表示ばかりが実行されることにより、高ベース状態にて実行される変動表示の残回数がいたずらに減少してしまう不利益の発生を防止することが可能である。また特
図1の抽選によって、遊技者にとって望ましくない「15R通常大当たり」に当選するのを防ぐことが可能である。つまり、特
図2の抽選に基づく小当たり当選という利益(実質的には大当たり当選と同等の利益)の獲得機会が適正に遊技者に与えられることなく高ベース状態が終了してしまうのを防ぐことが可能である。
【0294】
また本形態では、特
図1の抽選にて小当たりに当選した場合でも、特定領域39を通過可能な第2通過開放パターン(
図49(e)参照)にて第2大入賞口35が開放されることがある。よって、特
図1の抽選にて小当たりに当選した場合にも、2種大当たり遊技が実行される可能性に期待させることが可能である。従って、第1始動口20への入球に基づいて遊技を進行している通常遊技状態における遊技興趣を向上することが可能である。
【0295】
また本形態では、小当たり遊技では第2大入賞口35が開放されるが、大当たり遊技では第1大入賞口30が開放される。そのため、どちらの特別遊技が実行されているかを遊技者に明確に認識させることが可能である。
【0296】
また本形態では、小当たり遊技の開放前インターバル(オープニング)の開始から振分部材71は一定の動作で動いている(
図49(c)参照)。この振分部材71の一定の動作中には、第1V開放(第1通過許容制御)と、この第1V開放の後で開放間インターバル(通過阻止制御)を経て行われる第2V開放(第2通過許容制御)とが含まれている。そして、特
図1の抽選にてV通過小当たりに当選した場合には、第2V開放に合わせて小当たり開放遊技が実行されてV通過が可能となる(
図49(e)参照)。これに対して、特
図2の抽選にてV通過小当たりに当選した場合には、第1V開放に合わせて小当たり開放遊技が実行されてV通過が可能となる(
図49(b)参照)。従って、特
図1の抽選による小当たり当選時には、開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が21秒と比較的長く確保されることとなる。そのため、この開放前インターバルの時間を利用して、種々の演出を行うことが可能である。
【0297】
具体的には本形態では、この開放前インターバルの時間を利用した演出として、第2大入賞口35を狙って遊技球を打ち込む旨を報知する第2右打ち報知演出(
図56参照)を行っている。従って、遊技方法について遊技者に対して十分に報知することが可能である。特に、特
図1の抽選によって遊技を進行させている通常遊技状態では、小当たり当選となる特
図1の変動停止から第2大入賞口35の開放までの間に十分な時間がなかったり、上記のような第2右打ち報知演出を行わなかったりすると、特定領域39へ遊技球を通過させる機会を遊技者が逃してしまうおそれがある。しかし本形態によれば、右打ちの報知がなされる上、左打ちから右打ちに変更するための十分な時間も確保されているため、このような事態の発生を確実に防ぐことが可能である。
【0298】
また本形態では、特
図2の抽選による小当たり当選時には、開放前インターバルの時間が0.008秒と比較的短い。そのため、遊技のスムーズな進行を維持することが可能である。特に本形態では、特
図2の抽選は高ベース状態においてなされる。よって本形態によれば、高ベース状態における遊技のスムーズな進行を確保することが可能である。
【0299】
また本形態では、第2大入賞口35の開放タイミングと特定領域39への通過タイミングとが異なる複数種類の小当たりを設けているにもかかわらず、振分部材71の作動パターンは一つだけである。そのため、振分部材71の作動を制御するための制御データの量を、複数の作動パターンを設けた場合に比して少なく抑えることが可能である。
【0300】
また本形態では、小当たり遊技における開放前インターバル(オープニング)の開始から振分部材71の一定動作が開始される(
図49参照)。従って、第2大入賞口35の開放パターンとして特定領域39への通過のし易さが異なる複数の開放パターン(具体的には
図49(b)の通過開放パターンと
図49(e)の非通過開放パターン)を設ける際に、その設計の自由度を高めることが可能である。
【0301】
特に、第2大入賞口35の開放時間を1.6秒程度と比較的短くした場合には、第2大入賞口35の開放開始から振分部材71の一定動作を開始することとすると、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが難しい(
図50参照)。しかしながら本形態によれば、開放前インターバルの開始から始まる振分部材71の一定の動作を基準として、小当たり開放遊技中に振分部材71が通過許容状態をとっている時間が異なるように小当たりの種別に応じて第2大入賞口35の開放タイミングを変えている(
図49(b)、
図49(c)および
図49(e)参照)。そのため、第2大入賞口35の開放時間を1.6秒と比較的短く設定したとしても、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが可能である。
【0302】
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0303】
上記第1形態では、第1特別報知演出の実行を、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中、停止表示中、および、補助遊技の実行中に行う構成を示した。しかしながら、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動中、停止表示中、および、補助遊技の実行中の少なくとも1つの期間中に第1特別報知演出を行う構成であればよい。但し、上記3つの期間のうち、普通図柄表示器42における第1普通図柄の停止表示を行う期間は、他の期間に比べて短く設定され易い。第1特別報知演出が遊技者に報知するための演出であるので、上記3つの期間のうち、少なくとも普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中、又は、補助遊技中に第1特別報知演出を行う構成とするのがより好ましい。
【0304】
例えば、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中にのみ第1特別報知演出を行う場合に、画像制御基板100に第1特別報知演出を開始させる構成としては、上記第1形態と同様、第1特別報知演出コマンドを用いた構成が挙げられる。またこの場合に、画像制御基板100に第1特別報知演出を終了させる構成としては、演出制御用マイコン91が、ステップS4403で普通図柄変動停止コマンドを受信したら第1特別報知演出を終了させるための制御コマンドをRAM94にセットする構成が挙げられる。
【0305】
また例えば、普通図柄表示器42における第1普通図柄の停止表示中にのみ第1特別報知演出を行う場合に、画像制御基板100に第1特別報知演出を開始させる構成としては、演出制御用マイコン91が、ステップS4403で普通図柄変動停止コマンドを受信したら第1特別報知演出を開始させるための制御コマンドをRAM94にセットする構成が挙げられる。またこの場合に、画像制御基板100に第1特別報知演出を終了させる構成としては、遊技制御用マイコン81が、
図18のステップS808でセットする補助遊技開始コマンドを用いる構成が挙げられる。なお、このような場合の第1特別報知演出としては、画像表示装置7を用いた演出の他に、特別な効果音を用いた音声演出や、特別な色や態様で点灯(又は点滅)させるランプ演出などが挙げられる。
【0306】
また例えば、補助遊技の実行中にのみ第1特別報知演出を行う場合に、画像制御基板100に第1特別報知演出を開始させる構成としては、遊技制御用マイコン81が、
図18のステップS808でセットする補助遊技開始コマンドを用いる構成が挙げられる。この構成において、演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から当該補助遊技開始コマンドを受信したら、第1特別報知演出を開始させるための制御コマンドをRAM94にセットする。またこの場合に、画像制御基板100に第1特別報知演出を終了させる構成としては、上記第1形態と同様、第1特別報知演出中断コマンドを用いた構成が挙げられる。
【0307】
また例えば、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中および停止表示中に第1特別報知演出を行う構成としてもよい。また、普通図柄表示器42における第1普通図柄の停止表示中および補助遊技の実行中に第1特別報知演出を行う構成としてもよい。また、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中および補助遊技の実行中に第1特別報知演出を行う構成としてもよい。
【0308】
また上記第1形態では、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中から補助遊技の実行中にわたって、連続する一連の演出画像(第1特別演出画像NV1)を第1特別報知演出に用いた。しかしながら、第1普通図柄の変動表示中、停止表示中および補助遊技中の3つの期間に互いに異なる内容の演出画像を第1特別報知演出に用いてもよい。即ち、第1普通図柄の変動表示中に表示される第1演出画像、第1普通図柄の停止表示中に表示される、第1演出画像とは異なる第2演出画像、および、補助遊技中に表示される、第1演出画像,第2演出画像とは異なる第3演出画像からなる3つの演出画像を第1特別報知演出に用いてもよい。なおこの場合、普通図柄変動開始コマンドの受信を、第1演出画像の表示契機とすればよい。また、普通図柄変動終了コマンドの受信を、第2演出画像の表示契機とすればよい。また、補助遊技開始コマンドの受信を、第3演出画像の表示契機とすればよい。
【0309】
また、上記第1形態の場合の他に、例えば、普通図柄表示器42における第1普通図柄の変動表示中および停止表示中に第1特別報知演出を行う場合や、普通図柄表示器42における第1普通図柄の停止表示中および補助遊技の実行中に第1特別報知演出を行う場合に、そのような演出画像を用いてもよい。
【0310】
また上記第1形態では、演出制御用マイコン91が特
図2変動開始コマンドを受信するまで第1特別報知演出を実行させる構成を示した。しかしながら、例えば、特
図2変動開始コマンドを受信したタイミングにかかわらず、第1特別報知演出を補助遊技の実行終了まで実行させる構成としてもよい。このような構成の場合、第1特別報知演出を行う期間が決まるので、タイマを用いて、演出制御用マイコン91が第1特別報知演出の終了時期を管理してもよい。
【0311】
また上記第1形態では、第2特別報知演出の実行中に、演出制御用マイコン91が変動停止コマンド(特
図2変動停止コマンド)を受信したら当該第2特別報知演出の実行を終了させる構成を示した。しかしながら、例えば、変動停止コマンドの受信に代えて、タイマを用いて、演出制御用マイコン91が第2特別報知演出の終了時期を管理して、第2特別報知演出を終了させてもよい。
【0312】
また上記第1形態では、第1特別報知演出に複数の画像(キャラオブジェクト画像NXおよび図形オブジェクト画像NY)からなる第1特別演出画像NV1を用いた。しかしながら、1つの画像からなる第1特別演出画像としてもよい。また、第1特別報知演出に用いる画像の内容(態様)としては、
図51および
図52にそれぞれ示すキャラオブジェクト画像NXや図形オブジェクト画像NYに限定されない。また、第2特別報知演出に複数の画像(2つの文字画像NZ,NP)からなる第2特別演出画像NV2を用いた。しかしながら、1つの画像からなる第2特別演出画像としてもよい。また、第2特別報知演出に用いる画像の内容(態様)としては、
図53に示す文字画像NZ,NPに限定されない。
【0313】
また上記第1形態では、画像表示装置7を用いて、表示画面7aに第1特別演出画像NV1を表示する第1特別報知演出、および、表示画面7aに第2特別演出画像NV2を表示する第2特別報知演出をそれぞれ示した。しかしながら、上記2つの特別報知演出の少なくともいずれかを、例えば、演出手段としてランプ類を用いた演出としてもよい。この場合、演出制御用マイコン91が、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプ類を点灯(又は点滅)させる。このときの点灯の態様(又は点滅の態様)としては、例えば、通常時には点灯しないランプを点灯させたり、ランプ類の全点灯をさせたり、通常時とは異なる色で点灯させたりするなど、通常の態様とは異なる態様が挙げられる。
【0314】
また例えば、音声等の音を用いた演出としてもよい。この場合、演出制御用マイコン91が、スピーカ67(演出手段に相当)から音を出力する。このときにスピーカ67から出力する音としては、例えば、通常時とは異なる特別な楽曲を流したり、特殊な効果音や音声を発したりするなど、通常とは異なる内容(態様)の音が挙げられる。また例えば、装飾可動体15に特定の動作を実行させる演出としてもよい。この場合、装飾可動体15が演出手段に相当する。
【0315】
また上記第1形態では、第1特別報知演出と第2特別報知演出との両方を行う構成を示した。しかしながら、いずれか一方の特別報知演出(第1特別報知演出,第2特別報知演出)を行う構成や、いずれの特別報知演出も行わない構成としてもよい。
【0316】
また上記第1形態では、演出制御用マイコン91が、第1普通図柄の変動表示の終了に関する普通図柄変動終了コマンドを受信したら第1右打ち報知演出の実行を開始させる構成を示した。しかしながら、例えば、演出制御用マイコン91が、上記普通図柄変動終了コマンドではなく上述した補助遊技開始コマンドを受信した場合に、第1右打ち報知演出の実行を開始させる構成としてもよい。但し、上記第1形態では、補助遊技開始コマンドのセットよりも、普通図柄の停止表示の期間分だけ先にセットされる普通図柄変動終了コマンドを用いている。このため第1形態では、その分、第1右打ち報知演出を遊技者に早く報知することが可能であり、補助遊技の開始時に既に右打ちを遊技者に開始させて、第2始動口21に遊技球をより確実に入賞(入球)させることが可能となっている。また、第1特別報知演出とともに第1右打ち報知演出を行う構成を示したが、例えば、第1右打ち報知演出の実行中には、一旦第1特別報知演出を中断して、第1右打ち報知演出のみ行う構成としてもよい。
【0317】
また上記第1形態では、第2特図保留の上限記憶数を「1」としたが、2以上としてもよい。例えば、上限記憶数を「2」とすれば、3回ループのパチンコ遊技機(特
図1の抽選にて時短図柄に当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低4回となる遊技機)を構成することが可能となる。また、上限記憶数を「3」とすれば、4回ループのパチンコ遊技機(特
図1の抽選にて時短図柄に当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低5回となる遊技機)を構成することが可能となる。また、上限記憶数を「4」とすれば、5回ループのパチンコ遊技機(特
図1の抽選にて時短図柄に当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低6回となる遊技機)を構成することが可能となる。なお、第2特図保留の上限記憶数を2以上とする場合には、時短状態における初回の変動表示中に第2特図保留が上限記憶数まで貯まるように、時短状態における初回の変動表示の変動時間を設定するとよい。
【0318】
また上記第1形態では、第1補助遊技開放パターンである時短時電チュー開放TBLの開放パターン(
図10参照)と、第2補助遊技開放パターンである第1電チュー開放TBLの開放パターン(
図10参照)とを同じ開放パターン(5.5秒の開放時間で1回の開放であるパターン)とした。しかしながら、第2補助遊技開放パターンが、第1補助遊技開放パターンと完全に同じ開放パターンでなくてもよい。つまり、第2補助遊技開放パターンは、第1補助遊技開放パターンと同程度に第2入球口への入球が容易となるものであればよい。具体的には、5.5秒間の開放時間とした第1補助遊技開放パターンに対し、例えば、第2入球口への入球の容易性を担保し得る開放時間(例えば3秒間以上)とした第2補助遊技開放パターンが挙げられる。また例えば、1.0秒間のインターバルを挟んで、2.2秒間での開放、および、3.3秒間での開放といった、開放回数が異なるけれども開放時間の総時間が同じ5.5秒間とした第2補助遊技開放パターンが挙げられる。
【0319】
また上記第1形態では、特
図1の抽選において「16R時短小当たりA」に当選した場合には、遊技球が第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが実質的に不可能な開放パターンに設定するように構成した。これに対して、特定領域39を通過することが完全に不可能な開放パターン(例えば、振分部材71の第1V開放の終了直後に、1.6秒にわたる第2大入賞口35の開放が開始される開放パターン)としてもよい。
【0320】
また上記第1形態では、普通当たり図柄として2つの普通図柄(第1普通図柄および第2普通図柄)を設けた。しかしながら、1つの普通当たり図柄のみ設けた構成としてもよい。この場合、当該普通当たり図柄に当選した場合の開放パターンを、第2入球口へ遊技球が入球可能なものとする。そうした上で、特典遊技状態における当選確率を通常遊技状態よりも相対的に高くするとよい。例えば、特典遊技状態ではほぼ100%当選、通常遊技状態では1/500程度で当選といった具合である。
【0321】
また上記第1形態では、第1特別図柄の抽選において小当たりに当選し得るように構成したが、第1特別図柄の抽選における小当たりの当選確率を「0」にしてもよい。この場合、特
図1大当たり判定処理(S1108)において、ステップS1203の判定結果がNOの場合には、ステップS1207〜S1210までの処理を行わず、ステップS1211に進むように構成する。
【0322】
また上記第1形態では、第1特別図柄の抽選にて当選し得る小当たりとして、V通過不可能な「16R時短小当たりA」と、V通過可能な「16R時短小当たりB」とを設けたが、V通過不可能な小当たりだけとしてもよい。
【0323】
また上記第1形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口30を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口35を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口35を開放するラウンドがある構成としてもよい。但し、この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
【0324】
また上記第1形態では、特
図2の変動を特
図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特
図2の変動と特
図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って数値情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特
図2の変動中であっても特
図1の変動を実行でき、且つ、特
図1の変動中であっても特
図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、いわゆる「同時変動」を行う遊技機として構成してもよい。
【0325】
また上記第1形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種類、リーチの有無、および、変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。即ち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0326】
また上記第1形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能である。
【0327】
また上記第1形態では、普図保留の上限記憶数を4個としたが、普図保留のない構成としてもよい。この場合、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過検知時に、普通図柄の変動表示の実行中でなく、補助遊技の実行中(電チュー22の作動中)でもなければ、普通図柄乱数を取得するように構成すればよい。
【0328】
また、時短状態中又は特別遊技中ではないのに右打ちされた場合には、左打ちで遊技するべき旨を報知する警告画像を表示画面7aに表示する等の注意喚起を行うようにしてもよい。この場合には、例えば、第2ゲートセンサ29aを右打ち検知センサとして機能させてもよいし(つまり、第2ゲートセンサ29aによる検知に基づいて警告画像を表示画面7aに表示するようにしてもよいし)、別途、右打ち検知センサを設けてもよい。
【0329】
また上記第1形態では、エンディング演出選択処理を
図47に示すように実行することで、
図57(a)〜(d)の各演出画面が表示されるように構成した。これに対して、エンディング演出選択処理を以下のような処理としてもよい。即ち、エンディングコマンドを受信した演出制御用マイコン91が、まず時短当たりか否かを判定する。そして、時短当たりであれば、続いて、背景データ(例えば昼背景であれば「1」、夜背景であれば「2」、その他の背景であれば「3」等の値が設定されている)を参照する。そして、その背景データが昼背景に対応する背景データ(通常背景データ)であれば、初当たりの終了時であるため、第1エンディング演出パターン(
図57(a)に示す「夜背景モード突入!」を表示するパターン)を選択する。一方、通常背景データでなければ、初当たり終了時ではないため、第2エンディング演出パターン(
図57(b)に示す「夜背景モード継続!」を表示するパターン)を選択する。
【0330】
また、時短当たりでない場合も背景データを参照する。そして、その背景データが通常背景データでなければ、続いて、特2保留の有無を判定する。そして、特2保留があれば第3エンディング演出パターン(
図57(c)に示す「残り1回!」を表示するパターン)を選択する。一方、特2保留がなければ第4エンディング演出パターン(
図57(d)に示す「またね!」を表示するパターン)を選択する。
【0331】
時短当たりでなく且つ通常背景である場合にも、特2保留の有無を判定する。そして、特2保留があれば第3エンディング演出パターン(
図57(c)に示す「残り1回!」を表示するパターン)を選択する。これは、大当たり遊技の実行中には正常な遊技により特2保留が発生し得ることを考慮した処理である。一方、特2保留がなければ第4エンディング演出パターン(
図57(d)に示す「またね!」を表示するパターン)を選択する。勿論、各エンディング演出パターンを選択した後は、選択したエンディング演出パターンのエンディング演出を実行するべく、エンディング演出開始コマンドをセットする。
【0332】
また上記第1形態では、電チュー22(第2始動口21)および第2大入賞口35を遊技領域3の右側にあたる右遊技領域3Bに配したものを示した(
図1参照)。しかしながら、第2入球口および特別入賞口(第2大入賞口)が左遊技領域3Aに配して、特典遊技状態でも通常遊技状態でも左打ちにて遊技を進行可能な形態の遊技機(「左打ち専用機」)としてもよい。
【0333】
なお、本発明の「第1の判定条件」とは、上記実施形態では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」であり、第1特図保留の数が「0」でないことである。
また、本発明の「第2の判定条件」とは、上記実施形態では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」でないことである。
また、本発明の「所定の終了条件」とは、上記実施形態では、大当たり遊技の実行が開始されること、又は、予め定めた上限実行回数に及ぶ特別図柄の変動表示の実行が終了することである。
また、本発明の「第2当否判定の結果は、小当たり当選又は大当たり当選のいずれかであり、」には、上記形態のようにハズレを全く含まない構成のみならず、実質的にハズレを含まない構成も含むものとする。実質的にハズレを含まない構成とは、ハズレの確率が例えば1/2000以下であるなど、ハズレとなることがほとんどない構成である。
また、本発明の「大当たり報知と同等の演出的意味をもつ第1特別報知演出」とは、演出実行時には大当たり当選とはなっていないが、その後ほぼ確実に大当たり当選となることを遊技者に報知可能な演出である。
また、本発明の「大当たり報知と同等の演出的意味をもつ第2特別報知演出」とは、演出実行時には大当たり当選とはなっていないが、その後ほぼ確実に2種大当たりに関する大当たり当選となることを遊技者に報知可能な演出である。
【解決手段】遊技機は、第2入球口への入球に基づいて第2当否判定を行う。第2入球口は入球口開閉部材により開閉される。第2当否判定にて小当たり当選と判定された場合にはその小当たり当選に基づく第1特別遊技(小当たり遊技)における特別入賞口開閉部材の開放パターンを、特別入賞口への入賞が可能であってその入賞のタイミングにかかわらず特定領域を通過可能な開放パターンに設定する。通過口への遊技球の通過に基づいて補助遊技抽選を行う。通常遊技状態において補助遊技抽選に当選した場合には、第2入球口へ遊技球が入球可能な第2補助遊技開放パターン(第1電チュー開放TBL)にて入球口開閉部材を開放することがある。