【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Yが、置換または無置換のC1-C8アルキル基で、ここで、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-C6アルコキシ基、C2-C6アルキルカルボニル基、C2-C6アルコキシカルボニル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基及びC6-C10アリール基から選ばれる、請求項1に記載のピペラジノトリアゾール化合物またはその異性体またはその薬剤学的に許容される塩または水和物。
Gが水素であるときは、ZがC1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、C2-C6アルキルカルボニル基、C1-C6アルキルアミノ基または(C1-C6アルキル)2アミノ基であり、または
Zが水素であるときは、GがC1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、C2-C6アルキルカルボニル基、C1-C6アルキルアミノ基または(C1-C6アルキル)2アミノ基である、
請求項1に記載のピペラジノトリアゾール化合物またはその異性体またはその薬剤学的に許容される塩または水和物。
A及びBは、それぞれ独立に、水素、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC2-C8アルケニル基、あるいは置換または無置換のC2-C8アルキニル基で、且つA及びBの少なくとも一方が水素ではなく、ここで、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれ、
あるいは、A及びBは、連結する炭素原子といっしょに置換または無置換のC4-C7脂肪族環、置換または無置換のC6-C8芳香族環、N、O及びSから選ばれる1〜3個の原子を含有する置換または無置換の4〜7員複素環、又はN、O及びSから選ばれる1〜3個の原子を含有する置換または無置換の5〜7員芳香族複素環を形成し、ここで、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれ、
Xは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基またはシアノ基で、
Yは、水素あるいは置換または無置換のC1-C6アルキル基で、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-C4アルコキシ基、C2-C4アルキルカルボニル基、C2-C4アルコキシカルボニル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基及びC6-C8アリール基から選ばれ、
Gは、独立に、水素、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C2-C4アルキルカルボニル基、C1-C4アルキルアミノ基または(C1-C4アルキル)2アミノ基で、
Zは、独立に、水素、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C2-C4アルキルカルボニル基、C1-C4アルキルアミノ基または(C1-C4アルキル)2アミノ基で、
且つ、Y、G及びZは、少なくともいずれかが水素ではなく、
Rは、水素あるいは置換または無置換のC1-C6アルキル基から選ばれ、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-C4アルコキシ基、C2-C4アルキルカルボニル基、C2-C4アルコキシカルボニル基及びC6-C8アリール基から選ばれる、
請求項1に記載のピペラジノトリアゾール化合物またはその異性体またはその薬剤学的に許容される塩または水和物。
A及びBは、それぞれ独立に、水素あるいは置換または無置換のC1-C6アルキル基で、且つA及びBの少なくとも一方が水素ではなく、ここで、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれ、
あるいは、A及びBは、連結する炭素原子といっしょに置換または無置換のC4-C7脂肪族環あるいは置換または無置換のC6-C8芳香族環を形成し、ここで、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれ、
Xは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基またはシアノ基で、
Yは、水素あるいは置換または無置換のC1-C6アルキル基で、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-C4アルコキシ基、C2-C4アルキルカルボニル基、C2-C4アルコキシカルボニル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基及びC6-C8アリール基から選ばれ、
Gは、独立に、水素、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C2-C4アルキルカルボニル基、C1-C4アルキルアミノ基または(C1-C4アルキル)2アミノ基で、
Zは、独立に、水素、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C2-C4アルキルカルボニル基、C1-C4アルキルアミノ基または(C1-C4アルキル)2アミノ基で、
且つ、Y、G及びZは、少なくともいずれかが水素ではなく、
Rは、水素あるいは置換または無置換のC1-C6アルキル基から選ばれ、前記置換のための置換基は、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれる、
請求項6に記載のピペラジノトリアゾール化合物またはその異性体またはその薬剤学的に許容される塩または水和物。
ポリ(アデノシン二リン酸リボース)ポリメラーゼ-1阻害剤としてのポリ(アデノシン二リン酸リボース)ポリメラーゼに関連する疾患を予防及び/又は治療する薬物の製造における、請求項1〜10のいずれかに記載のピペラジノトリアゾール化合物またはその異性体またはその薬剤学的に許容される塩または水和物の使用。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】
図2は、光学異性体S3-(+)のスペクトルである。
【
図3】
図3は、光学異性体S3-(-)のスペクトルである。
【0025】
具体的な実施形態
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、これらの実施例は、本発明の範囲を制限するものではない。
一.製造実施例
1H-NMRは、Varian Mercury AMX300型の装置によって測定した。MSは、VG ZAB-HS又はVG-7070型の装置によって測定し、説明しない限り、いずれもEI源(70ev)であった。溶媒は、すべて使用前に改めて蒸留され、使用された無水溶媒はいずれも標準方法によって乾燥されたものであった。説明しない限り、反応は、いずれも窒素保護下で行い、且つTLCでモニターし、後処理は、いずれも飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥するプロセスであった。製品の精製は、説明しない限り、いずれもシリカゲル(200〜300メッシュ)カラムクロマトグラフィーを使用した。ここで、シリカゲル(200〜300メッシュ)は青島海洋化工厂製のもので、GF254薄層シリカゲル板は、煙台江友シリカゲル開発有限公司製のものであった。
【0026】
【化5】
ここで、原料Sの合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 6581-6591を、原料1-1の合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 589-602を参照し、HBTUはベンゾゾトリアゾール-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートで、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンで、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであった。
【0027】
中間体S(1eq)と8-ベンジル-3-トリフルオロメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ[1,2,4]トリアゾール[4,3-a]ピペラジン(1eq)をDMFに溶解させ、氷浴で順にHBTU(1.2eq)、DIPEA(2eq)を入れ、ゆっくり室温まで昇温して一晩反応させた。氷浴で水を入れ、塩化メチレンで2回抽出し、塩化メチレン相を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発で除去し、カラムクロマトグラフィーによって白色泡状物S1を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.69(s,0.5Η),11.45(s,0.5H),8.44(s,1H),7.97〜7.62(m,3H),7.41〜6.69(m,7H),6.33(s,1H),5.26(d,J=40.2Hz,1H),4.29(s,2H),4.09(s,1.5H),3.89(s,1H),3.62(m,1.5H),3.18(s,1H),2.86(m,1H).
【0028】
【化6】
ここで、原料2-1の合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 589-602を参照した。
S2の合成方法はS1と同様であった。S2の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.59(s,0.65Η),11.47(s,0.35H),8.56〜8.29(m,1H),7.90〜7.59(m,3H),7.33(m,2H),7.06(m,1H),6.21〜6.17(m,0.5H),5.86(m,0.5H),5.47〜4.72(m,3H),4.30(s,2H),4.21〜3.82(m,2H),3.71(m,1H),3.47〜2.47(m,3H).
【0029】
【化7】
ここで、原料3-1の合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 589-602を参照した。
S3の合成方法はS1と同様であった。S3の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.19(s,0.33H),12.01(s,0.67H),8.37(d,J=7.4Hz,1H),7.71(m,3H),7.48〜7.28(m,2H),7.04(t,J=8.8Hz,1H),4.88(m,1H),4.76〜4.41(m,2H),4.22(s,2H),3.72(s,1H),3.46〜3.41(m,1H),1.49(d,J=6.3Hz,3H).
【0030】
【化8】
ここで、原料4-1の合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 589-602を参照した。
S4の合成方法はS1と同様であった。S4の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.13(s,1H),8.33(d,J=6.9Hz,1H),7.65(m,3H),7.35(s,2H),7.01(t,J=8.1Hz,1H),6.02(s,0.5H),5.18〜4.88(m,0.5H),4.25(s,2H),4.20〜3.80(m,3H),3.68(m,1H),1.63(d,J=4.5Hz,2H),1.46(s,1H).
【0031】
【化9】
ここで、原料5-1の合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 589-602を参照した。
S5の合成方法はS1と同様であった。
S5の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.93(s,0.3H),11.79(d,J=13.8Hz,0.7H),8.43(d,J=7.5Hz,1H),7.73(m,3H),7.36(m,2H),7.07(m,1H),6.10(t,J=6.9Hz,0.25H),5.09(d,J=7.2Hz,0.25H),4.89(d,J=14.1Hz,0.25H),4.67(s,0.25H),4.55〜4.37(m,1H),4.35〜4.24(m,2H),3.87〜3.53(m,0.5H),3.46〜3.18(m,1H),3.12〜3.05(m,0.5H),1.71〜1.43(m,6H).
【0032】
【化10】
ここで、原料6-1の合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 589-602を参照した。
S6の合成方法はS1と同様であった。S6の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.11(s,0.3Η),δ11.94(s,0.7Η),8.39(d,J=7.2Hz,1H),7.70(d,J=7.2Hz,3H),7.36(d,J=5.4Hz,2H),7.03(t,J=8.7Hz,1H),5.14(s,0.5H),4.76(s,1.5H),4.27(s,2H),3.98(s,1.5H),3.52(s,0.5H),1.62(s,4.35H),1.40(s,1.68H).
【0033】
【化11】
ここで、原料7-1の合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 589-602を参照し、TMEDAはテトラメチルエチレンジアミンであった。
【0034】
中間体7-2の合成:
原料7-1(1eq)をテトラヒドロフランに溶解させ、-78℃でTMEDA(1.5eq)を入れ、10min後ゆっくりn-BuLiを滴下し、10min後アリルブロミドを入れ、滴下が終わって20min後冷却を止めた。飽和クロロアミンでクエンチングした後、塩化メチレンで2回抽出し、塩化メチレン相を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発で除去し、カラムクロマトグラフィーによって中間体7-2を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ5.98〜5.36(m,2H),5.24〜4.83(m,2H),4.63〜4.26(m,2H),3.29(m,1H),2.82(s,1H),2.67(m,H),1.55〜1.37(m,12H).
【0035】
中間体7-3の合成:
原料7-2をエタノールに溶解させ、6N塩酸を入れ、室温で一晩撹拌し、直接減圧蒸留で溶媒を除去し、使用に備えた。S7の合成方法はS1と同様であった。S7の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.89〜11.78(m,1H),8.42(d,J=7.5Hz,1H),7.72(m,3H),7.38(m,2H),7.06(m,1H),6.25〜6.19(m,0.5H),5.87(m,0.5H),5.49〜4.73(m,3H),4.30(s,2H),4.20〜3.80(m,3H),3.45〜2.44(m,2H),1.72〜1.45(m,3H).
【0036】
【化12】
【0037】
中間体8-1の合成:
合成方法は、7-2の合成と同様であった。化合物8-1の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ7.38〜7.19(m,3Η),7.12(d,J=6.0Hz,2H),5.68(dd,J=9.1,3.8Hz,1H),4.49〜4.15(m,2H),.39(d,J=11.4Hz,1H),3.19(dd,J=13.7,9.7Hz,1H),2.91(dd,J=14.3,10.1Hz,1H),1.30〜1.07(m,12H).
【0038】
中間体8-2の合成:
原料8-1をエタノールに溶解させ、6N塩酸を入れ、室温で一晩撹拌し、直接減圧蒸留で溶媒を除去し、使用に備えた。最終産物S8の合成:
S8の合成方法はS1と同様であった。化合物S8の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.70(s,0.5Η),11.46(s,0.5H),8.44(s,1H),7.78(m,3H),7.43〜6.68(m,7H),6.35(s,1H),5.28(m,H),5.17〜4.67(m,1H),4.30(s,2H),4.09(m,2H),3.48〜3.14(m,2H),1.75〜1.48(m,3H).
【0039】
【化13】
S9及び中間体の合成方法は、S8と同様であった。
化合物S9の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.12(s,0.4Η),δ11.96(s,0.6H),8.36(d,J=7.2Hz,1H),7.70(d,J=7.2Hz,3H),7.36(d,J=5.4Hz,2H),7.03(t,J=8.7Hz,1H),6.00(s,0.5H),5.15〜4.85(m,0.5H),4.28(s,2H),3.95(s,1.5H),3.50(s,0.5H),1.60〜1.34(m,9H).
【0040】
【化14】
ここで、原料10-1の合成は、文献Journal of Heterocyclic Chemistry, 2005, 42(4), 691-694を参照した。
【0041】
中間体10-2の合成:
原料10-1を80%水加ヒドラジンに溶解させ、120℃に加熱して反応させ、完全に反応した後、室温に冷却してから冷蔵庫に置き、固体が大量に析出し、ろ過し、加熱乾燥して粗製品10-2を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO)δ7.48(s,1Η),7.41(s,1H),7.35(s,1H),4.11(s,2H),3.99(s,3H).
中間体10-3の合成:
無水トリフルオロ酢酸を氷浴で冷却した後、10-2を分けて入れ、さらにこの温度で10min撹拌し、ゆっくり室温に昇温して反応させ、完全に反応した後、反応液を減圧で蒸発させ、さらにポリリン酸を入れ、120℃に加熱して一晩反応させ、冷却して反応液を冷却された濃アンモニア水に注ぎ、ろ過して粗製品10-3を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO)δ9.51(s,1Η),8.08(s,1Η),4.02(s,3Η).
【0042】
中間体10-4の合成:
中間体10-3をメタノールに溶解させ、パラジウム炭素を入れ、水素置換して一晩反応させた。完全に反応させた後、パラジウム炭素をろ過し、ろ液を濃縮して10-4を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ5.43(t,J=7.5Hz,1H),4.28(d,J=16.8Hz,1H),4.07(d,J=16.8Hz,1H),3.39(s,3H),3.18(dd,J=13.5,3.9Hz,1H),3.03(d,J=13.5Hz,1H),2.20(s,1H).
最終産物S10の合成:
S10の合成方法は、S1と同様であった。S10の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.21(s,0.4H),12.01(s,0.6H),8.35(d,J=7.4Hz,1H),7.69(m,3H),7.46〜7.28(m,2H),7.02(t,J=8.7Hz,1H),5.66(m,1H),4.88(m,1H),4.76(m,1H),4.22(s,2H),3.92(s,1H),3.71〜3.52(m,1H),3.35(s,3H).
【0043】
【化15】
最終産物S11及びその関連中間体の合成はS10と同様であった。
【0044】
11-2の分析データ:
1H NMR(300MHz,DMSO)δ7.45(s,1Η),7.38(s,1H),7.32(s,1H),4.09(s,2H),3.09(s,6H).
11-3の分析データ:
1H NMR(300MHz,DMSO)δ9.10(s,1Η),8.01(s,1H),3.21(s,6H).
11-4の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ5.18(t,J=7.5Hz,1H),4.18(d,J=16.8Hz,1H),4.01(d,J=16.8Hz,1H),3.18(dd,J=13.5,3.9Hz,1H),3.03(d,J=13.5Hz,1H),2.28(s,6H),2.20(s,1H).
S11の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDC1
3)δ12.22(s,0.4H),12.02(s,0.6H),8.33(d,J=7.4Hz,1H),7.66(m,3H),7.46〜7.28(m,2H),7.00(t,J=8.7Hz,1H),5.26(m,1H),4.86〜4.65(m,2H),4.21(s,2H),3.90(s,1H),3.70〜3.50(m,1H),2.31(m,6H).
【0045】
【化16】
ここで、中間体12-1の合成は、文献Journal of Natural Products, 2011, 74(7), 1630-1635を参照した。中間体12-4の合成は、11-4の合成方法と同様で、以降は前述中間体7-3の合成方法によって中間体12-7を得、最後に縮合して最終産物S12を得た。
化合物12-2の分析データ:
1H NMR(300MHz,DMSO)δ7.52(s,1Η),7.41(s,1H),7.35(s,1H),4.21(s,2H),3.02(q,J=7.0Hz,2H),1.10(t,J=7.0Hz,3H).
化合物12-3の分析データ:
1H NMR(300MHz,DMSO)δ9.01(s,1Η),7.92(s,1H),3.03(q,J=7.0Hz,2H),1.15(t,J=7.0Hz,3H).
化合物12-4の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ4.12(m,1H),4.01(d,J=16.8Hz,1H),3.83(d,J=16.8Hz,1H),3.12(dd,J=13.5,3.9Hz,1H),2.88(d,J=13.5Hz,1H),2.20(s,1H),1.75(q,J=7.0Hz,2H),0.95(t,J=7.0Hz,3H).
化合物12-6の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ5.57(m,1H),4.78〜4.16(m,2H),3.29(m,1H),1.73〜1.62(m,5H),0.95(m,3H).
化合物S12の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDC1
3)δ11.96(s,0.3H),11.81(d,J=13.8Hz,0.7H),8.45(d,J=7.5Hz,1H),7.75(m,3H),7.37(m,2H),7.07(m,1H),6.14(t,J=6.9Hz,0.25H),5.06(d,J=7.2Hz,0.25H),4.89(d,J=14.1Hz,0.25H),4.66(s,0.25H),4.54〜4.40(m,1H),4.30〜4.28(m,2H),3.81〜3.48(m,0.5H),3.48〜3.09(m,1H),3.10〜3.02(m,0.5H),1.81〜1.43(m,5H),0.96(m,3H).
【0046】
【化17】
化合物S13の合成は、化合物S12の合成方法と同様であった。
化合物S13の分析データ:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.83(s,0.3H),11.67(d,J=13.8Hz,0.7H),8.32(d,J=7.5Hz,1H),7.59(m,3H),7.21(m,2H),7.01(m,1H),6.15(m,0.25H),5.45(m,1H),5.09〜4.85(m,0.75H),4.55〜4.39(m,2H),3.79〜3.42(m,0.5H),3.46〜3.18(m,1H),3.12〜3.05(m,0.5H),2.30(m,6H),1.67〜1.36(m,3H).
【0047】
【化18】
化合物S14の合成は、化合物S12の合成方法と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.98(s,0.3H),11.80(d,J=13.8Hz,0.7H),8.47(d,J=7.5Hz,1H),7.65(m,3H),7.30(m,2H),7.12(m,1H),6.35(m,0.25H),5.87(m,1H),5.15〜4.92(m,0.75H),4.64〜4.41(m,2H),4.13(s,3H),3.98〜3.68(m,0.5H),3.59〜3.33(m,1H),3.22〜3.12(m,0.5H),1.79〜1.51(m,3H).
【0048】
【化19】
化合物S15の合成は、化合物S12の合成方法と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.01(s,0.3H),11.89(d,J=13.8Hz,0.7H),8.51(d,J=7.5Hz,1H),7.78(m,3H),7.39(m,2H),7.12(m,1H),6.08(t,J=6.9Hz,0.25H),5.11(d,J=7.2Hz,0.25H),4.92(d,J=14.1Hz,0.25H),4.72(s,0.25H),4.59〜4.42(m,1H),4.37〜4.27(m,2H),3.92〜3.56(m,0.5H),3.51〜3.22(m,1H),3.15〜3.07(m,0.5H),2.85(m,2H),1.71〜1.43(m,3H).
【0049】
【化20】
化合物S16の合成は、化合物S12の合成方法と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.93(s,0.3H),11.79(d,J=13.8Hz,0.7H),8.43(d,J=7.5Hz,1H),7.73(m,3H),7.36(m,2H),7.07(m,1H),6.10(t,J=6.9Hz,0.25H),5.09(d,J=7.2Hz,0.25H),4.89(d,J=14.1Hz,0.25H),4.67(s,0.25H),4.55〜4.37(m,1H),4.35〜4.24(m,2H),3.87〜3.53(m,0.5H),3.46〜3.18(m,1H),3.12〜3.05(m,0.5H),1.71〜1.43(m,6H).
【0050】
【化21】
ここで、原料17-2の合成は、文献J. Med. Chem. 2008, 51, 589-602を参照した。
【0051】
中間体17-3の合成:
無水ジフルオロ酢酸を冷却した後、氷浴で17-2を分けて入れ、終わった後この温度で10min撹拌し、ゆっくり室温に昇温して反応させ、完全に反応した後、反応液を減圧で濃縮し、さらにポリリン酸を入れ、120℃に加熱して一晩反応させた。冷却後、反応液を冷却された濃アンモニア水に注ぎ、ろ過して粗製品17-3を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO)δ9.51(s,1H),8.08(s,1H),6.87(t,J=51.6Hz,1H),2.68(s,3H).
中間体17-4の合成:
中間体17-3をメタノールに溶解させ、適量のパラジウム炭素を入れ、水素置換後、室温で一晩撹拌し、完全に反応した後パラジウム炭素をろ過で除去し、濃縮して粗製品17-4を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ6.79(t,J=51.6Hz,1H),4.57〜4.41(m,1H),4.35(d,J=16.8Hz,1H),4.15(dd,J=15.9,7.7Hz,1H),3.22(dd,J=13.4,4.0Hz,1H),3.08(dd,J=13.4,1.6Hz,1H),2.38〜1.98(m,1H),1.54(t,J=5.9Hz,3H).
最終産物S17の合成は、S1と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.13(s,0.33H),12.05(s,0.67H),8.34(d,J=7.4Hz,1H),7.68(m,3H),7.43〜7.24(m,2H),6.92〜7.08(m,2H),4.85(m,1H),4.74〜4.40(m,2H),4.20(s,2H),3.70(s,1H),3.45〜3.38(m,1H),1.49(d,J=6.3Hz,3H).
【0052】
【化22】
ここで、断片18-1の合成は、断片17-4の合成方法と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ5.47(d,J=47.9Hz,2H),4.57〜4.41(m,1H),4.35(d,J=16.8Hz,1H),4.15(dd,J=15.9,7.7Hz,1H),3.22(dd,J=13.4,4.0Hz,1H),3.08(dd,J=13.4,1.6Hz,1H),2.38〜1.98(m,1H),1.54(t,J=5.9Hz,3H).
最終産物S18の合成は、S1と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.13(s,0.33H),12.05(s,0.67H),8.34(d,J=7.4Hz,1H),7.68(m,3H),7.43〜7.24(m,2H),6.92〜7.08(m,1H),5.54(d,J=47.7Hz,2H),4.85(m,1H),4.74〜4.40(m,2H),4.20(s,2H),3.70(s,1H),3.45〜3.38(m,1H),1.49(d,J=6.3Hz,3H).
【0053】
【化23】
ここで、断片19-1の合成は、断片5-1の合成方法と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ5.59(s,1H),4.73〜4.24(m,2H),3.60〜3.17(m,1H),2.45(m,1H),1.77〜1.58(m,6H).
最終産物S19の合成は、S1と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.93(s,0.3H),11.79(d,J=13.8Hz,0.7H),8.43(d,J=7.5Hz,1H),7.73(m,3H),7.36(m,2H),7.07(m,1H),6.10(t,J=6.9Hz,0.25H),5.52(d,J=47.4Hz,2H),5.09(d,J=7.2Hz,0.25H),4.89(d,J=14.1Hz,0.25H),4.67(s,0.25H),4.55〜4.37(m,1H),4.35〜4.24(m,2H),3.87〜3.53(m,0.5H),3.46〜3.18(m,1H),3.12〜3.05(m,0.5H),1.71〜1.43(m,6H).
【0054】
【化24】
ここで、断片20-1の合成は、断片6-1の合成方法と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ5.48(d,J=48.3Hz,2H),4.72(d,J=1.4Hz,2H),3.53(s,2H),2.55(m,1H),1.49(s,6H).
S20の合成方法はS1と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.11(s,0.3Η),δ11.94(s,0.7H),8.39(d,J=7.2Hz,1H),7.70(d,J=7.2Hz,3H),7.36(d,J=5.4Hz,2H),7.03(t,J=8.7Hz,1H),5.51(d,J=47.6Hz,2H),5.14(s,0.5H),4.76(s,1.5H),4.27(s,2H),3.98(s,1.5H),3.52(s,0.5H),1.62(s,4.35H),1.40(s,1.68H).
【0055】
【化25】
S21の合成方法はS1と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.19(s,0.33H),12.01(s,0.67H),7.42(s,1H),7.13(t,J=8.9Hz,1H),7.01(d,J=8.7Hz,1H),4.88(m,1H),4.76〜4.41(m,2H),4.22(s,2H),3.72(s,lH),3.46〜3.41(m,1H),2.44(s,3H),2.14(s,3H),1.49(d,J=6.3Hz,3H).
【0056】
【化26】
S22の合成方法はS1と同様であった。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ12.19(s,0.33H),12.01(s,0.67H)7.35(m,2H),7.11(t,J=8.9Hz,1H),6.96(d,J=8.7Hz,1H),4.88(m,1H),4.76〜4.41(m,2H),4.22(s,2H),3.72(s,1H),3.46〜3.41(m,1H),2.14(s,3H),1.49(d,J=6.3Hz,3H).
【0057】
二.試験実施例
1.ハイスループットELISAによるPARP1阻害剤の分子レベルの評価
PARP1の全長プラスミドを使用し、PCR増幅、酵素切断、連接、DH5aへの導入を経て、HTb-PARP1陽性クローンを得た。抽出、酵素切断による同定を経て、DH10Bacに導入した後、PCRを行い、配列決定によってBacmid/PARPを同定し、TNIをトランスフェクトし、ウイルスを収集し、細胞を分解させ、親和クロマトグラフィーでPARP1タンパク質を精製し、ウェスタンブロッティングによって同定した。基質であるヒストン、NAD
+及びDNAと発現されたPARP1酵素を被覆し、96ウェルプレートの反応系に置き、最適化して各反応条件を決め、反応産物であるPARにPARモノクローナル抗体を反応させ、二次抗体を入れた後、マイクロプレートリーダーでOD値を読み取り、且つPARP1酵素活性抑制の程度を計算し、表1に示す。
【0058】
【表1-1】
【0059】
【表1-2】
【0060】
【表1-3】
【0061】
【表1-4】
【0062】
表1から、ほとんどの化合物は、分子レベルでPARP1酵素に対して高い親和力を示し、PARPに顕著な抑制活性を表し、大半の化合物の抑制率濃度がナノモル級(<100nM)で、一部の化合物はPARPに対する抑制活性が陽性化合物よりも強く、一番の化合物は10nM以下に達し、陽性化合物AZD-2281の13倍であったことがわかる。そして、化合物S1〜S16の構造の特徴を比較すると、ピペラジン環における置換基の位置及び種類によって、化合物は分子レベルでPARP1酵素に異なる親和力を表し、例えばS1とS8は低い親和力であったことがわかった(300nM程度)。そのため、ピペラジノトリアゾール環および環における置換基は活性に大きく貢献する。
【0063】
2.化合物の光学分割
化合物の多くは1〜2個のキラル中心を有するため、キラル製造液相クロマトグラフィーで分割し、相応の光学異性体を得た。例えば、化合物S3の二つのエナンチオマーはいずれも高いPARP1酵素抑制活性を示し、中では、(-)-S3の活性は(+)-S3の活性よりも1倍高く、(-)-異性体のPARP酵素との結合がより良いことが示された。具体的な結果は以下の通りである。
1)分割条件:
キラルカラム:CHIRALPAKIA
キラルカラムのサイズ:0.46cm I.D.×15cm L
移動相:ヘキサン/IPA=40/60(v/v) 流速:1 ml/min
検出波長:UV 254 nm
2)キラルHPLCスペクトル:
図1〜3に示す。
3)エナンチオマーのPARP1酵素抑制活性:
【0064】
【表2】
【0065】
3.代表的な化合物の細胞活性テスト
ELISAモデルによる化合物の分子レベルにおけるPARP1に対する抑制作用の初歩評価に基づき、さらに細胞増殖抑制モデルによって化合物の細胞レベルにおけるPARP1に対する抑制作用を評価したが、結果は以下の通りである。
【表3】
以上の結果から、新しい化合物は、PARP1酵素のレベルで高い活性を有するだけでなく、PARP1と直接関連する細胞VC8でも顕著な活性を示し、一部の化合物の活性は陽性化合物AZD2281の12倍であった。
【0066】
4.代表的な化合物S3とAZD2281の異なる腫瘍細胞に対する増殖生長抑制作用の比較
新しい化合物のAZD2281に対するありうる優勢をさらに確認するために、代表的な化合物S3ととAZD2281の異なる腫瘍細胞に対する増殖生長抑制作用を平行に比較したが、結果を表4に示す。その結果から、4種類の異なる組織由来の腫瘍細胞に対し、S3の増殖生長抑制作用はいずれもAZD2281よりも強く、最高は178倍に達したことが示された。
【表4】
【0067】
5.代表的な化合物S3のPARPファミリーの酵素に対する選択性
ピペラジノトリアゾール環における置換基のPARPファミリーのメンバーに対する選択性をテストするために、化合物S3と陽性化合物AZD2281の選択性をテストしたが、結果を下記表に示す。
【表5-1】
【0068】
上述表から、新しく合成された置換のピペラジノトリアゾール誘導体S3のPARP1とPARP2に対する活性は、陽性化合物よりも顕著に高かったことがわかる。同時に、化合物S3は、高い選択性を示し、とくにTNKS1とTNKS2に対し、選択性が870倍以上と高かったが、陽性化合物は、この二つのサブタイプに対する選択性は、5.5〜23.1倍と低かった。TNKS1とTNKS2の機能は、まだ明らかではないが、これらに対する選択性が低いということは、高い予測不能な毒性のリスクを示唆する。そのため、陽性化合物AZD2281と比較すると、新しく合成された化合物(S3)は、PARP1/2に対する選択性が顕著に高く、予測不能な毒性のリスクが低い。
【0069】
5.化合物のカリウムイオンチャンネルhERGに対する抑制活性
新しい化合物が良い安全性を有するかどうか、特に心臓毒性に関連するカリウムイオンチャンネルhERGに対する抑制活性を評価するために、さらにこれらの化合物のhERGに対する抑制活性を評価したが、結果を下記表に示す。
【表5-2】
このように、これらの化合物は、ラセミ体でも立体異性体でも、カリウムイオンチャンネルhERGに対する抑制作用がないため、心臓毒性のリスクが低い。
【0070】
6.代表的な化合物S3の体内における抗腫瘍活性
生長期の腫瘍組織を1.5 mm
3程度に切り、無菌条件で、ヌードマウスの右側の脇下の皮下に接種した。ヌードマウスの皮下移植腫瘍は、ノギスで直径を測定し、腫瘍が100〜200 mm
3に生長した時点で動物を無作為に群分けした。S3は、全部100 mg/kg群と25 mg/kg群に、陽性薬物AZD2281は、100 mg/kg群にした。すべて毎日1回経口投与し、三週続けた。溶媒対照群は、等量の生理食塩水を投与した。実験の全過程において、毎週2回移植腫瘍の直径を測定し、同時にマウスの体重を測った。腫瘍体積(tumor volume、TV)の計算式は、TV=1/2×a×b
2で、ここで、a、bはそれぞれ長さ、幅を表す。測定の結果から相対腫瘍体積(relative tumor volume、RTV)を計算し、計算式は、RTV=V
t/V
0である。ここで、V
0は分けて投与する時点(即ちd0)で測定された腫瘍体積で、V
tは毎回の測定の時の腫瘍体積である。抗腫瘍活性の評価指標は、1)相対腫瘍増殖率
T/C(%)、計算式:T/C(%)=(T
RTV/C
RTV)×100%、T
RTV/:治療群のRTV、C
RTV:陰性対照群のRTV、2)腫瘍体積増加抑制率GI%、計算式:GI%=[1-(TV
t-TV
0)/(CV
t-CT
0)]×100%、TV
t:治療群の毎回の測定の腫瘍体積、TV
0:治療群の分けて投与する時点で測定された腫瘍体積、CV
t:対照群の毎回の測定の腫瘍体積、CT
0:対照群の分けて投与する時点で測定された腫瘍体積、3)腫瘍重量抑制率、計算式:腫瘍重量抑制率%=(W
C-W
T)/W
C×100%、W
C:対照群の腫瘍重量、W
T:治療群の腫瘍重量。
【0071】
実験結果は表6に示す。化合物S3は、100 mg/kgと25 mg/kgの投与量で毎日1回経口投与し、21日続けて投与したところ、ヒト乳癌MDA-MB-436ヌードマウス皮下移植腫瘍の生長に対し、いずれも顕著な抑制作用を示し、21日目に測定されたT/C百分率はそれぞれ0.59%と9.80%であった。25 mg/kgの投与量の場合、腫瘍抑制作用が陽性対照AZD2281に相当したが、100 mg/kgの投与量の場合、腫瘍抑制作用が陽性対照AZD2281よりも遥かに高かった。
【表6】
以上のように、化合物S3は、体内で顕著な抗腫瘍活性を有し、25 mg/kgの投与量では、腫瘍に対する抑制作用が陽性化合物の100 mg/kgの投与量の場合に相当し、100 mg/kgの投与量では、腫瘍が完全に無くなった。より重要なのは、二つの投与量では、化合物S3はいずれも顕著な副作用を示さなかった。
【0072】
以上のように、化合物S3を代表とするこのような一つ又は複数の置換基を含有するピペラジノトリアゾール化合物は、非常に高いPARP1酵素抑制活性を有し、細胞活性も陽性化合物AZD2281よりも顕著に高い。同時に、環における置換基の存在も化合テロメラーゼであるTNKS1とTNKS2に対する選択性物を向上させ、心臓毒性のリスクが低く、PARP1マウスモデルにおける腫瘍の抑制作用も陽性化合物よりも顕著に高い。そのため、これらの化合物は、新規な高選択性リボースポリADP-リボースポリメラーゼ-1(PARP1)阻害剤としてPARPに関連する疾患の予防及び/又は治療に使用することができる。