(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043946
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
A47J27/00 109Z
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-88253(P2012-88253)
(22)【出願日】2012年4月9日
(65)【公開番号】特開2013-215380(P2013-215380A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年2月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】中崎 晴俊
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−206120(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/080738(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を入れる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器の動作を制御する制御手段と、商用交流電源を直流電力に変換し、電力供給する直流電源と、前記商用交流電源からの電力供給が停止した際に少なくとも前記制御手段に電力供給するバックアップ手段と、前記バックアップ手段を充電できる充電手段と、を備え、
前記直流電源は、前記制御手段及び充電手段に電力供給し、
前記充電手段は、待機時及び予約待機時を除く動作モードにおいて前記バックアップ手段を充電する炊飯器。
【請求項2】
前記バックアップ手段の電圧を検知する電圧検知手段を、さらに備え、
前記充電手段は、前記バックアップ手段が所定の電圧を超えていれば、待機時及び予約待機時を除く動作モードにおいて前記バックアップ手段を充電し、
前記バックアップ手段が前記所定の電圧以下であれば、動作モードに関わらず前記バックアップ手段を充電するようにした請求項1に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商用交流電源からの電力供給が停止した場合に電力供給するバックアップ手段を備えた炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器は鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を駆動する加熱駆動手段と、炊飯器の動作を制御するマイクロコンピュータと、商用交流電源を直流電圧に変換し少なくとも前記マイクロコンピュータに電力を供給する第1の電源手段と、前記第1の電源手段に接続され前記第1の電源手段からの電力を充電し、商用電源が無いときに少なくとも前記マイクロコンピュータに電力を供給する電圧保持手段とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−326142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、電圧保持手段であるコンデンサは第1の電源手段の出力に接続されており、出力電圧が供給されている間、第1の電源手段からの電力を充電可能な構成であるので、待機時や予約待機時にも充電することがあり、このことにより待機時や予約待機時の消費電力を増加させるという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、充電可能なバックアップ手段を備える炊飯器において、待機時や予約待機時など、特定の動作モードにおいてバックアップ手段への充電電流による消費電力の増加を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、
被調理物を入れる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器の動作を制御する制御手段と、商用交流電源を直流電力に変換し、電力供給する直流電源と、前記商用交流電源からの電力供給が停止した際に少なくとも前記制御手段に電力供給するバックアップ手段と、前記バックアップ手段を充電できる充電手段と、を備え、前記直流電源は、前記制御手段及び充電手段に電力供給し、前記充電手段は、待機時及び予約待機時を除く動作モードにおい
て前記バックアップ手段を充電す
るものである。
【0007】
これによって、バックアップ手段に充電電流が流れることによる消費電力の増加を
待機時及び予約待機時を除く動作モードのみとすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の炊飯器は、バックアップ手段に充電電流が流れることによる消費電力の増加を
待機時及び予約待機時を除く動作モードのみとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1における炊飯器の制御回路の主要部ブロック図
【
図2】本発明の実施の形態1における炊飯器のバックアップ手段への充電動作を示すフローチャート
【
図3】本発明の実施の形態2における炊飯器の制御回路の主要部ブロック図
【
図4】本発明の実施の形態2における炊飯器のバックアップ手段への充電動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明は、被調理物を入れる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器の動作を制御する制御手段と、商用交流電源を直流電力に変換し
、電力供給する直流電源と、前記商用交流電源からの電力供給が停止した際に少なくとも前記制御手段に電力供給するバックアップ手段と、
前記バックアップ手段を充電できる充電手段と、を備え、前記直流電源
は、前記制御手段及び充電手段に電力供給し、前記充電手段は、待機時及び予約待機時を除く動作モードにおいて前記バックアップ手段を充
電することにより、バックアップ手段に充電電流が流れることによる消費電力の増加は
待機時及び予約待機時を除く動作モードのみとなり、バックアップ手段に充電電流が流れることによる消費電力の増加を
待機時及び予約待機時を除く動作モードのみとすることができる。
【0011】
また、待機時と予約待機時を除く動作モードとすることにより、待機時と予約待機時においてバックアップ手段が充電されることがなくなり、待機時と予約待機時においてバックアップ手段に充電電流が流れることによる消費電力の増加をなくすことができる。
【0012】
第
2の発明は、特に、第
1の発明において、バックアップ手段の電圧を検知する電圧検知手段を
、さらに備え、
前記充電手段
は、前記バックアップ手段が所定の電圧を超えていれば、待機時及び予約待機時を除く動作モードにおいて前記バックアップ手段を充電し、前記バックアップ手段が
前記所定の電圧以下であれば
、動作モードに関わらず
前記バックアップ手段を充
電することにより、動作モードに関わらずバックアップ手段の電圧を所定の電圧以上とすることができるようになり、より信頼性の高いバックアップ手段を提供することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の制御回路の主要部ブロック図を示すものである。
【0015】
図1に示すように、被調理物を入れる鍋1と、鍋1を加熱する加熱手段2と、炊飯器の動作を制御する制御手段3と、商用交流電源4を直流電力に変換し少なくとも制御手段3に電力供給する直流電源5と、商用交流電源4からの電力供給が停止した際に少なくとも制御手段3に電力供給するバックアップ手段6と、所定の動作モードにおいてのみ直流電源5からの電力供給によりバックアップ手段6を充電できる充電手段7により構成されている。
【0016】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を
図2のフローチャートにより動作を説明する。
【0017】
まず、制御手段3において、ステップ201で動作モードが待機モードであるかどうかを判断する。ここで動作モードが待機モードであればステップ204に進むが、待機モードでなければステップ202に進む。ステップ202では動作モードが予約待機モードであるかどうかを判断する。
【0018】
ここで動作モードが予約待機モードであればステップ204に進み、予約待機モードでなければステップ203に進む。ステップ203では制御手段3内においてバックアップ手段充電許可フラグを立てた後、ステップ205へ進む。
【0019】
ステップ204ではバックアップ手段充電許可フラグをおろした後、ステップ205へ進む。ステップ205ではバックアップ手段充電許可フラグに基づき制御手段3は充電手段7へ信号を出力する。バックアップ手段6は制御手段3が充電許可信号を出していない場合、充電手段7から充電されることはない。
【0020】
以上のように、本実施の形態においては待機モードならびに予約待機モードにおいてのみ充電手段7を直流電源5からの電力供給によりバックアップ手段6を充電できないように構成したので、待機モードならびに予約待機モードにおいてバックアップ手段6への充電電流が流れることがなくなり、待機モードならびに予約待機モードにおいて充電電流による消費電力の増加を抑制することができる。
【0021】
なお、本実施の形態ではバックアップ手段6への充電可能となる所定の動作モードを待機モードと予約待機モード以外としたが、特にこの限りでなくともよい。
【0022】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における炊飯器の制御回路の主要部ブロック図を示すものである。
【0023】
図3において、電圧検知手段8はバックアップ手段6の電圧を検知するもので、検知したバックアップ手段6の電圧は制御手段3へ出力される。
【0024】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を
図4のフローチャートにより動作を説明する。
【0025】
まず、制御手段3において、ステップ301で動作モードが待機モードであるかどうかを判断する。ここで動作モードが待機モードであればステップ303に進むが、待機モードでなければステップ302に進む。ステップ302では動作モードが予約待機モードであるかどうかを判断する。
【0026】
ここで動作モードが予約待機モードであればステップ303に進み、予約待機モードでなければステップ305に進む。ステップ305ではバックアップ手段充電許可フラグを立てた後、ステップ306へ進む。
【0027】
ステップ303では電圧検知手段8が検知したバックアップ手段6の電圧Voに応じて分岐する。すなわちVoが所定の電圧V1より低い場合にはステップ305に進み、Voが所定の電圧V1以上であればステップ304に進む。
【0028】
ステップ305ではバックアップ手段充電許可フラグをおろした後、ステップ306へ進む。ステップ306ではバックアップ手段充電許可フラグに基づき制御手段は充電手段7へ信号を出力する。バックアップ手段6は制御手段3が充電許可信号を出していない場合、充電手段7から充電されることはない。
【0029】
以上のように、本実施の形態においては待機モードならびに予約待機モードにおいてのみ充電手段7を直流電源5からの電力供給によりバックアップ手段6を充電できないように構成するとともに、バックアップ手段6が所定の電圧以下であれば動作モードに関わらずバックアップ手段6を充電できるように構成することにより、動作モードに関わらずバックアップ手段6の電圧を所定の電圧以上とすることができるようになり、より信頼性の高いバックアップ手段6を提供することができる。
【0030】
なお、本実施の形態ではバックアップ手段6への充電可能となる所定の動作モードを待機モードと予約待機モード以外としたが、特にこの限りでなくともよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、バックアップ手段に充電電流が流れることによる消費電力の増加を所定の動作モードのみとすることが可能となるので、充電可能なバックアップ手段を備えた調理機器等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 鍋
2 加熱手段
3 制御手段
4 商用交流電源
5 直流電源
6 バックアップ手段
7 充電手段
8 電圧検知手段