(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043955
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】データ処理装置と、そのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20130101AFI20161206BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20161206BHJP
G06F 3/0488 20130101ALI20161206BHJP
【FI】
G06F3/0481 170
G06F3/0482
G06F3/0488
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-254868(P2012-254868)
(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公開番号】特開2014-102718(P2014-102718A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】平松 義範
【審査官】
萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−297609(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/095455(WO,A1)
【文献】
特開2008−017457(JP,A)
【文献】
特開2003−084875(JP,A)
【文献】
特開平11−175212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048 − 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
AVデータを取得するデータ通信部と、このデータ通信部から入力された前記AVデータを信号処理する信号処理部と、この信号処理部から出力された映像を表示するディスプレイと、このディスプレイと一体となったユーザ操作を受け付けるタッチパネルと、を備え、
前記信号処理部は、前記AVデータに含まれるメニューを前記ディスプレイに表示するものであり、
前記信号処理部は、前記タッチパネルへのユーザ操作により前記メニューに含まれる第1のボタンが選択されると、前記第1のボタンはボタン自身が動くアニメーションボタンであり前記ボタンの座標は動く範囲全体の座標である場合、その第1のボタンの座標を第1の座標として保持し、前記第1のボタン自身のアニメーションを実行後において第2のボタンが選択状態であると、前記第2のボタンの座標を第2の座標として保持し、
前記信号処理部は、前記第1の座標と前記第2の座標が一致すると、前記第1のボタンと前記第2のボタンが同一と判断し、前記第2のボタンの動作処理を実行するデータ処理装置。
【請求項2】
前記メニューに含まれるボタンは、座標と高さ、および幅の情報を持つものである請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、前記第1のボタン、および前記第2のボタンの座標と高さ、および幅を保持し、その全てが同じであると、前記第2のボタンの動作処理を実行する請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
AVデータを取得するステップと、
前記AVデータに含まれるメニューをディスプレイに表示するステップと、
ユーザ操作により選択された、前記メニューに含まれる第1のボタンの座標を第1の座標として保持するステップと、
前記第1のボタンはボタン自身が動くアニメーションボタンであり前記ボタンの座標は動く範囲全体の座標である場合、前記第1のボタン自身のアニメーションを実行後において第2のボタンが選択状態であると、前記第2のボタンの座標を第2の座標として保持す
るステップと、
前記第1の座標と前記第2の座標が一致すると、前記第1のボタンと前記第2のボタンが同一と判断し、前記第2のボタンの動作処理を実行するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BD−ROM(Blu−ray−Read−Only−Memory)などの記録媒体に保持されたAVデータを処理するデータ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のデータ処理装置は、AVデータを取得するデータ通信部と、このデータ通信部から入力されたAVデータを信号処理する信号処理部と、この信号処理部から出力された映像を表示するディスプレイと、このディスプレイと一体となったユーザ操作を受け付けるタッチパネルとを備える。
【0003】
この信号処理部は、AVデータに含まれるメニューをディスプレイに表示し、そのメニューに含まれるボタンをユーザが選択すると、そのボタンをハイライト表示する。(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
BD−ROMなどでは、このメニューに含まれるボタンとして、アニメーションボタンと呼ばれる種類のボタンがある。このアニメーションボタンとは、ユーザがアニメーションボタンを選択すると、ボタン自身が上下に動いたり、ボタンの図柄のアニメーションが再生されるなどの表示効果を有するボタンである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−79090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来例では、ユーザがタッチパネルにより、このアニメーションボタンを直接操作すると、このアニメーションボタンのアニメーションが再生されるのみで、このボタンの動作を実行するには、再度このアニメーションボタンを操作しなければならず、使い勝手が良くないとの問題がある。
【0007】
このアニメーションボタンは、リモコンで操作する際は、例えば、リモコンのジョイスティックを倒すことでアニメーションボタンを選択する。そうすると、選択されたアニメーションボタンのアニメーションが開始し、このボタンが選択されたことをユーザが認識し、その後、ユーザがジョイスティックの真中を押すことで、このボタンに割り当てられた動作を実行する。
【0008】
しかし、タッチパネルの場合、ユーザは、選択するボタンを目視で確認してから、そのボタンを操作するものである。そのため、そのボタンの動作を実行するのに、リモコンの操作では、2回の操作が異なる動作であるが、タッチパネルの場合、同じ動作を2回することになり、使い勝手が良くない。
【0009】
そこで、本発明は、メニュー画面の使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために本開示の第1の局面のデータ処理装置は、AVデータを取得するデータ通信部と、このデータ通信部から入力されたAVデータを信号処理する信号処理部と、この信号処理部から出力された映像を表示するディスプレイと、このディスプレイと一体となったユーザ操作を受け付けるタッチパネルとを備え、信号処理部は、AVデータに含まれるメニューをディスプレイに表示するものであり、信号処理部は、タッチパネルへのユーザ操作によりメニューに含まれる第1のボタンが選択されると、その第1のボタンの座標を第1の座標として保持し、その第1のボタンを実行後において第2のボタンが選択状態であると、その第2のボタンの座標を第2の座標として保持し、信号処理部は、第1の座標と第2の座標が一致すると、第2のボタンの動作処理を実行する構成とし、これによって所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本開示の第1の局面のデータ処理装置は、AVデータを取得するデータ通信部と、このデータ通信部から入力されたAVデータを信号処理する信号処理部と、この信号処理部から出力された映像を表示するディスプレイと、このディスプレイと一体となったユーザ操作を受け付けるタッチパネルとを備え、信号処理部は、AVデータに含まれるメニューをディスプレイに表示するものであり、信号処理部は、タッチパネルへのユーザ操作によりメニューに含まれる第1のボタンが選択されると、その第1のボタンの座標を第1の座標として保持し、その第1のボタンを実行後において第2のボタンが選択状態であると、その第2のボタンの座標を第2の座標として保持し、信号処理部は、第1の座標と第2の座標が一致すると、第2のボタンの動作処理を実行する構成としたものであるので、使い勝手を良くすることができる。
【0012】
すなわち、例えば、タッチパネルによりユーザが直接操作したボタンがアニメーションボタンであると、そのアニメーションボタンのアニメーションが終了した後、ユーザが操作しなくともそのボタンの動作が実行される。
【0013】
つまり、ユーザがタッチパネルへの直接操作として、アニメーションボタンを1回操作するだけで、そのアニメーションボタンのアニメーション表示と、動作の両方が実行される。その結果として、使い勝手の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態にかかるデータ処理装置の構成図
【
図3】本データ処理装置のメニュー画面を説明する図
【
図4】本データ処理装置のアニメーションボタンを説明する図
【
図5】本データ処理装置のアニメーションボタンを説明する図
【
図6】本データ処理装置のアニメーションボタンを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、データ処理装置1のシステムとしての使用形態の一例を示している。
【0017】
データ処理装置1は、BD−ROM2、リムーバブルメディア3を収容可能とし、各種データを処理する。また、データ処理装置1は、ディスプレイ4を備え、その画面上には、タッチパネル5が取り付けられている。
【0018】
さらに、データ処理装置1は、ネットワーク接続したWWWサーバ6と交信することもでき、リモコン7による操作やスピーカ8から音楽などを鳴らすようにしてもよい。
【0019】
図2は、データ処理装置1のブロック図を示している。
【0020】
本実施の形態では、BD−ROM2からピックアップ9により取得したAVデータをデータ処理するとして説明する。もちろん、リムーバブルメディア3からAVデータを取得してもよいし、ネットワークインターフェース12を介して、WWWサーバ6からAVデータを取得してもよい。
【0021】
データ処理装置1は、BD−ROM2に記録されたAVデータを取得するデータ通信部10と、このデータ通信部10から入力されたAVデータを信号処理する信号処理部11を備える。
【0022】
この信号処理部11から出力された映像を表示するディスプレイ4は、このディスプレイ4と一体となったユーザ操作を受け付けるタッチパネル5を備える。
【0023】
信号処理部11は、データ通信部10から入力されたAVデータをデータ処理し、このAVデータに含まれるメニュー13をディスプレイ4に表示する。
【0024】
図3に示すようなメニューが一例である。メニュー13は、映像にグラフィックを重畳することで実現される。信号処理部11が、AVデータをデータ処理することでグラフィックを作成し、映像にグラフィックを重畳する処理を行う。
【0025】
メニュー13の中で「本編」、「字幕・音声メニュー」、「チャプターメニュー」、「特典映像」と表示された領域がボタンである。ユーザが、タッチパネル5を直接操作することでこのボタンを選択すると、信号処理部11は、その選択されたボタンの機能を実行する。
【0026】
ここで、BD−ROM2などでは、
図4に示すように、ボタンの種類としてアニメーションボタン14を有するタイトルも存在する。例えば(国際公開第2004/095455号)等で知られている周知の技術であるので、説明の煩雑化を避けるために、その説明は簡略化する。
【0027】
アニメーションボタン14とは、ユーザがアニメーションボタン14を選択すると、
図4に示すようにボタン自身が上下に動くものや、ボタンの図柄のアニメーションが再生されるボタンのことである。
【0028】
具体的には、BD−ROM2では、ボタンを構成する情報にauto_action_flagがある。auto_action_flagとは、ユーザがボタンを選択すると自動的にボタンが実行されるか否かを表すフラグである。
【0029】
ここで言うボタンが実行されるとは、ボタンを構成する情報に記録されているナビゲーションコマンド(Navigation Command)を実行させることである。ナビゲーションコマンドは、BD−ROM2をシナリオ再生させるために必要な情報で、ディスクの中の再生する箇所を指定したり、ボタンの有効/無効などメニューを制御することができる。
【0030】
図4の字幕・音声メニューは、このauto_action_flagが設定されており、ユーザの実行動作を伴わず選択をするだけで字幕・音声メニューのナビゲーションコマンドが実行される。
【0031】
このアニメーションボタン14を含むボタンは、
図5に示すように、座標15(x、y)、高さ16(h)、および幅17(w)の情報を持っている。
【0032】
アニメーションボタン14の場合、
図6に示すように、ボタン自身が上下に動く場合などは、動く範囲全体の座標15(x、y)、高さ16(h)、および幅17(w)の情報を持っている。
【0033】
次に、
図7および
図8を用いて、ユーザがタッチパネル5を直接操作し、アニメーションボタン14を選択したときの処理について説明する。
【0034】
信号処理部11は、ユーザが画面をタッチしたことをタッチパネル5から取得すると、タッチされた箇所にボタンがあるかどうかを確認する(ステップS1)。
【0035】
信号処理部11は、ボタンが存在する場合、そのボタンがアニメーションボタン14か否かを判断する(ステップS2)。例えば、BD―ROM2では、ボタンを構成する情報のauto_action_flagがオンに設定されていた場合はアニメーションボタン14として判断する。
【0036】
信号処理部11は、通常のボタンであるとステップS7に進み、選択されたボタンの動作を実行する(ステップS2、No)。
【0037】
一方、信号処理部11は、選択されたボタンがアニメーションボタン14であると(ステップS2、Yes)、ステップS3へ進み、そのアニメーションボタン14の座標15(x、y)、高さ16(h)、および幅17(w)をメモリ(図示せず)に保持する。なお、この時のアニメーションボタン14を第1のボタンとし、その座標15を第1の座標、高さ16を第1の高さ、幅17を第1の幅とする。また、メモリには、少なくとも座標15の情報を保持するものとする。
【0038】
次に、信号処理部11は、選択されたアニメーションボタン14のアニメーションを動作させる(ステップS4)。信号処理部11は、アニメーションが終了すると、ステップS6へ進む(ステップS5)。
【0039】
ステップS6では、信号処理部11は、アニメーションが終了した時点で選択されているアニメーションボタン14の座標15(x、y)、高さ16(h)、および幅17(w)をメモリ(図示せず)に保持する。なお、この時のアニメーションボタン14を第2のボタンとし、その座標15を第2の座標、高さ16を第2の高さ、幅17を第2の幅とする。また、メモリには、少なくとも座標15の情報を保持するものとする。
【0040】
そして、信号処理部11は、少なくともメモリに保持していた第1の座標と第2の座標が一致しないと判断するとステップS6、No)、処理を終了し、一致すると判断すると(ステップS6、Yes)、ステップS7へ進む。
【0041】
ステップS7で、信号処理部11は、選択されているアニメーションボタン14の動作を実行する。
【0042】
例えば、
図8に示すように、アニメーションボタン14が字幕・音声メニューであれば、映像に別ウィンドウを重畳した状態となる。この場合、アニメーションボタン14の動作とは、音声および字幕を日本語と英語のどちらにするかを選択するメニューを表示することである。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態のデータ処理装置1は、AVデータを取得するデータ通信部10と、このデータ通信部10から入力されたAVデータを信号処理する信号処理部11と、この信号処理部11から出力された映像を表示するディスプレイ4と、このディスプレイ4と一体となったユーザ操作を受け付けるタッチパネル5と、を備え、信号処理部11は、AVデータに含まれるメニューをディスプレイ4に表示するものであり、信号処理部11は、タッチパネル5へのユーザ操作によりメニューに含まれる第1のボタンが選択されると、その第1のボタンの座標を第1の座標として保持し、その第1のボタンを実行後において第2のボタンが選択状態であると、その第2のボタンの座標を第2の座標として保持し、信号処理部は、第1の座標と第2の座標が一致すると、第2のボタンの動作処理を実行する構成としたものであるので、使い勝手を良くすることができる。
【0044】
すなわち、例えば、タッチパネル5によりユーザが直接操作したボタンがアニメーションボタン14であると、そのアニメーションボタン14のアニメーションが終了した後、ユーザが操作しなくともそのアニメーションボタン14の動作が実行される。
【0045】
つまり、ユーザがタッチパネル5への直接操作として、アニメーションボタン14を1回操作するだけで、そのアニメーションボタン14のアニメーション表示と、動作の両方が実行される。その結果として、使い勝手の良いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように本発明のデータ処理装置は、AVデータを取得するデータ通信部と、このデータ通信部から入力されたAVデータを信号処理する信号処理部と、この信号処理部から出力された映像を表示するディスプレイと、このディスプレイと一体となったユーザ操作を受け付けるタッチパネルとを備え、信号処理部は、AVデータに含まれるメニューをディスプレイに表示するものであり、信号処理部は、タッチパネルへのユーザ操作によりメニューに含まれる第1のボタンが選択されると、その第1のボタンの座標を第1の座標として保持し、その第1のボタンを実行後において第2のボタンが選択状態であると、その第2のボタンの座標を第2の座標として保持し、信号処理部は、第1の座標と第2の座標が一致すると、第2のボタンの動作処理を実行する構成としたものであるので、使い勝手を良くすることができる。
【0047】
したがって、AVデータをデータ処理するデータ処理装置としての活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0048】
1 データ処理装置
2 BD−ROM
3 リムーバブルメディア
4 ディスプレイ
5 タッチパネル
6 WWWサーバ
7 リモコン
8 スピーカ
9 ピックアップ
10 データ通信部
11 信号処理部
12 ネットワークインターフェース
13 メニュー
14 アニメーションボタン
15 座標
16 高さ
17 幅