特許第6043989号(P6043989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043989
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】丸顔動物用噛みつき防止具
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/04 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   A01K15/04
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-150178(P2012-150178)
(22)【出願日】2012年7月4日
(65)【公開番号】特開2014-11966(P2014-11966A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2015年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】712007809
【氏名又は名称】鎗山 幸作代
(72)【発明者】
【氏名】鎗山 幸作代
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07523720(US,B1)
【文献】 特開2009−118829(JP,A)
【文献】 米国特許第04252086(US,A)
【文献】 実開平01−028861(JP,U)
【文献】 特開2011−130684(JP,A)
【文献】 特開平07−111999(JP,A)
【文献】 特開2004−166670(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0009143(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 15/04
A01K 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部を視認できない不透明なもしくは半透明で変形し難い硬質素材からなり、丸顔動物の目が外を見ることができないかつ目を合わせられないよう頭頂部には空気孔が設けられ、一方を開口された丸顔動物の頭部全体を収納する収納部本体と、前記収納部本体の開口部に連接してなる収納調整部とを有し、前記収納調整部は丸顔動物の頭部の大きさに合わせて自在に変形できるカバーと、前記カバーを丸顔動物に固定するための固定部からなる丸顔動物用噛みつき防止具。
【請求項2】
丸顔動物用噛みつき防止具本体の表面を硬質素材で構成し、前記硬質素材の表面は平滑に形成することにより丸顔動物の爪が滑るようにしてなる請求項1項記載の丸顔動物用噛みつき防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丸顔動物の噛みつき防止のための丸顔動物用噛みつき防止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の動物の噛みつき防止は一番種類の多い犬の顔の形に合わせて作られているものが多く、用途は犬の噛みつき防止として着用するものであった。いわゆる犬の口輪である。一方、猫の様な丸顔の形に合わせた丸顔動物用噛みつき防止具というのは一般的に使用されておらず、噛みついてくる丸顔動物、例えば猫には犬用の口輪を使うしかなかった。
【0003】
近年、この丸顔動物用噛みつき防止、もしくは、口を固定するものとして犬のように顔が長い動物の口輪ではなく、丸顔の顔にあった口輪のような物が提案されている。(特許文献1参照)
また、従来の動物の口周りを囲うものとして保護カラーがあり、保護カラーの大きな開口部を塞いで覆いを設けた動物用保護カラーが提案されていた。(特許文献2参照)
また、目隠し付きの口輪も提案されているが、犬のように、顔が長い動物用のために提案されているもので、丸顔動物には、装着が難しいものであった。(特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−60879号公報
【特許文献2】特開2011−130684号公報
【特許文献3】登録実用新案第3111644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
丸顔動物(以下、猫の場合で説明する)に犬用の口輪を装着すると猫の顔の形に合わず、たとえ、猫の頭部の大きさに合わせた犬用の口輪を猫に装着しても、猫は前肢が器用で爪で口輪を引っ掛けたりして、すぐに犬用の口輪を取り外してしまうという課題があった。
また、猫のトリミングや動物病院などで治療する際には、猫は目の前に見えている人に対して威嚇して噛みつこうとするため、提案されている丸顔動物用の口輪では扱いは簡単ではないという課題があった。
【0006】
さらに、猫は前肢が器用で口輪を取り外そうとするので口輪に猫の爪が引っかかり、取れてしまうという課題があった。
一方、猫の前肢で取れないようにするためのエリザベスカラーに覆いを設けたものが提案されているが、目が使用者と合うと猫は威嚇するため、扱いは困難であった。即ち、一般的に猫は目を合わせると威嚇するタイプが多くあり、同様に装着時も威嚇などで手間がかかり、最後は防ぎきれない場合があった。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点である、猫が前肢の爪を使って噛みつき防止具又は口輪などを取り外さないように、かつ、猫が威嚇しないで、おとなしくなるような丸顔動物用噛みつき防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一方を開口してなる丸顔動物(例えば猫のような動物)の頭部全体を収納する収納部本体と、収納部本体の開口部に連接してなる収納調節部とを有し、収納調整部は丸顔動物の頭部の大きさに合わせて自在に変形できるカバーと、カバーを丸顔動物に固定するための固定部からなる。
【0009】
また、丸顔動物用噛みつき防止具本体の表面を硬質素材で構成し、硬質素材の表面は平滑に形成することにより丸顔動物の爪が滑るようにしてなる。
【0010】
さらに、丸顔動物の頭部全体を収納する収納部本体を被せた時に使用者と目を合わせられない位置に空気孔を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は噛みつく猫に本発明の丸顔動物用噛みつき防止具を被せることにより猫と目が合い威嚇されることなく、また、爪が引っかからない素材とすることにより、前肢の爪などで引っかけて丸顔動物用噛みつき防止具を取り外してしまうことをなくすことで、安心して丸顔動物の猫のトリミングや動物病院などでの猫の治療ができるようにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1における外観側面図である。
図2】本発明の実施例1における外観正面図である。
図3】本発明の実施例1における装着後の外観図である。
図4】本発明の実施例1における猫に被せた外観図である。
図5】本発明の実施例2における外観側面図である。
図6】本発明の実施例2における猫に被せた外観図である。
図7】本発明の実施例3における外観側面図である。
図8】本発明の実施例3における猫に被せた外観図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の丸顔動物用噛みつき防止具の実施例1の外観側面図である。
【0014】
図1において1は外部を視認出来ない不透明な、もしくは、半透明で変形し難い硬質素材で形成してある猫の頭部全体を収納する収納部本体で、略球形をしている。2は頭部全体を収納する収納部本体1の空気孔、3は収納部本体1を猫(図示せず)の頭部に被せた時に猫の首部周囲に装着する収納調整部、4は収納調整部3で首の大きさや太さに応じて自在に変形できるカバー、5は収納調整部3のカバー4を猫の首の大きさに合わせて固定する固定部である。固定部5はカバー4の開口してある部分に設け、装着ひも6と装着ひも6で首の大きさに合わせた後固定する固定具7とからなる。なお、収納本体1は形を固定できる程度の硬質素材で構成してあり、本実施例1では硬質の樹脂である。かつ、硬質樹脂の表面は平滑で、猫の爪が滑るように形成してある。カバー4も同様に樹脂の布製でできており、猫の爪が引っかからない滑りやすい表面処理をした表面材を使用している。なお、カバー4の一方は頭部全体の収納部本体1と周囲固定されており、他方は猫の頭に被せるために開口してある。
【0015】
図2は収納部本体1を上から見た外観図である。空気孔2は猫の目が外を見ることができない、かつ、目を合わせられないところに設けてある。ここでは3か所に設けてある、空気孔2は猫が呼吸をできればよいので、必須ではないが隙間から空気を取り入れるより確実性があるため、本実施例1では猫の目が外を見ることができない位置に設けてある。
上記の構成により収納部本体1は猫の大きさに比べ大きく、かつ自在に変形するカバー4により猫の頭部を覆うことができる。以下、図1図3図4にて説明する。
【0016】
図3は収納調整部3を猫の頭部に合わせて閉じた外観図で、図4は猫に被せた状態を表している。猫に装着するときには図1に示すように、固定具7で装着ひも6を緩め、カバー4を広げて猫の頭部に被せて、その後、図3または図4に示すように猫の首の大きさ、太さに応じてカバー4を閉じる方向に装着ひも6を巾着方式のような形で絞り、猫の首部周囲で固定具7にて固定する。
【0017】
頭部全体の収納部本体1は略球形がベストであるが、略円柱形、変形しない、または変形しにくい樹脂製等で作られている。また、猫の顔の形に合わせた部分的なラクビーボール型に成型して形を構成してもよい。いずれも前肢で外れない形状、すなわち引っ掛かり部分を少なくして猫の前肢で取られない構成であればよい。従って、樹脂成型すれば猫の顔の形状に合わせて多少の凹凸があっても構わない。
【0018】
実際に被せた状態を示すと、図4でわかるように猫の首から上がすっぽりと全部被さるようになっている。頭部全体を収納する収納部本体1が略球形、そして、収納調整部3は猫の爪に引っかからないような滑らかな素材としてあるので、トリミングや動物病院での治療をいやがって、前肢で外そうとしても前肢が引っかかるところがなければ、爪がひっかかる個所もないので、外そうとしても外れないようになっている。
【0019】
猫は首部周囲のところで装着ひも6にて固定された頭部全体の収納部本体1を被ることにより、空気孔2があるため呼吸はできるが、頭部全体を覆っている収納部本体1のため、対応する人間と目を合わさないようになるため、おとなしくなるという効果を有する。また、トリミングの際、ドライヤーの熱風が、かかるため、中の空気が熱くならないような役割もある。
なお、空気孔2は必須ではなく、装着ひもをゆるく縛ることで、取り外せないようにできれば、空気孔2が無くとも呼吸はできる。空気孔2が無いため、猫に被せる時から光が入らず、早くおとなしくなる。
【実施例2】
【0020】
図5に示すように収納調整部3を、合皮・ビニール製・布製などの素材のベルト式装着部8にすると、自由な配置を確保し、開閉自在に閉めることができ、猫に被せる前は、ベルト式装着部を緩めておき収納部本体1を、図6のように頭部に被せた後、猫の首の大きさ・太さに応じて、ベルトの穴で調節して閉じると、これもまた、巾着方式のような絞り口で、猫の首部周囲で固定されるが、ベルト式にすることにより一定の固定状態になるため外れる事はなくなる。なお、ベルト式装着部8は実施例1の固定部5に相当する部分である。
【実施例3】
【0021】
図7に示すように、収納調整部3を、面ファスナー式装着部9にすると、自由な配置を確保し開閉自在に閉めることができ、猫に被せる前は面ファスナー装着部9の面ファスナー10を緩めて、切り込みが入っているため、広めに開口でき、収納部本体1を頭部に被せやすい特徴があり、頭部を被せた後、図8のように、猫の首の大きさ、太さに応じて面ファスナー10で調節して閉じると、これも、巾着方式のような絞り口で、猫の首部周囲で固定され、着脱もしやすい特徴もある。なお、面ファスナー式装着部9は実施例1の固定部5に相当する部分であり、面ファスナー10は実施例1の固定具7に相当する部分である。
【0022】
以上説明してきたように、本実施形態によれば頭部全体を覆う形の決まった収納部本体1と形を自在に変形できる収納調整部3とから構成され、収納調整部3は猫の頭部の大きさに合わせて自在に変形できるカバー4と、カバー4を猫に固定するための固定部5からなっているので、猫に被せる時に猫が使用者に対して威嚇する前に、形の決まった部分を持って一気に被せることができ、かつ、自在に大きさを変えることができるため、被せる時、固定する時、取る時も簡単に猫に負担をかけず一気に外せるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0023】
変形し難い硬質素材の頭部全体の収納部本体により猫は目隠し状態になり、かつ、前肢で取れないことから、猫に対する美容行為、医療行為などの手当てが速やかにできることから、ペット美容サロンでの猫のトリミングや動物病院での診察などで手軽に使うことができる。
【符号の説明】
【0024】
1 収納部本体
2 空気孔
3 収納調整部
4 カバー
5 固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8