特許第6044109号(P6044109)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

特許6044109高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法
<>
  • 特許6044109-高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法 図000002
  • 特許6044109-高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法 図000003
  • 特許6044109-高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法 図000004
  • 特許6044109-高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法 図000005
  • 特許6044109-高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法 図000006
  • 特許6044109-高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法 図000007
  • 特許6044109-高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044109
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/32 20060101AFI20161206BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20161206BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20161206BHJP
   H01F 41/12 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H01F27/32 A
   H01F30/10 J
   H01F37/00 J
   H01F41/12 A
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-107795(P2012-107795)
(22)【出願日】2012年5月9日
(65)【公開番号】特開2013-235983(P2013-235983A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年1月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】石原 秀泰
【審査官】 小池 秀介
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−176196(JP,A)
【文献】 特開昭59−119814(JP,A)
【文献】 特開平09−260158(JP,A)
【文献】 特開昭60−126893(JP,A)
【文献】 特開昭57−088625(JP,A)
【文献】 特開昭52−147703(JP,A)
【文献】 特開2004−248426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 5/06
H01F 27/32
H01F 30/10
H01F 37/00
H01F 41/12
H05K 3/28
H05K 7/20
H01L 23/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスと、このトランスを取り囲んだ筒状の第1不織布と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板と、この基板の側面及び前記突起部分を取り囲んだ筒状の第2不織布と、前記トランス及び前記基板を支持するシャーシと、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第2不織布を含む前記基板の周囲に充填され、前記トランス及び前記基板を封止したポッティング材とを備えた高電圧部ポッティング構造。
【請求項2】
トランスと、このトランスの周囲に巻かれ、前記トランスを取り囲んだ筒状の第1不織布と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板と、この基板の側面に巻かれ、前記突起部分を取り囲んだ筒状の第2不織布と、前記トランス及び前記基板を支持するシャーシと、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第2不織布を含む前記基板の周囲に充填され、前記トランス及び前記基板を封止したポッティング材とを備えた高電圧部ポッティング構造。
【請求項3】
トランスと、このトランスが差し込まれている筒状の第1不織布と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板と、この基板が差し込まれて、前記基板の側面及び前記突起部分を取り囲む筒状の第2不織布と、前記トランス及び前記基板を支持するシャーシと、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第2不織布を含む前記基板の周囲に充填され、前記トランス及び前記基板を封止したポッティング材とを備えた高電圧部ポッティング構造。
【請求項4】
前記突起部分を取り囲んだ筒状の第3不織布を有する請求項1〜3のいずれかに記載の高電圧部ポッティング構造。
【請求項5】
前記シャーシは、前記トランスと前記突起部分とを対向させて支持するものである請求項1〜4のいずれかに記載の高電圧部ポッティング構造。
【請求項6】
前記第2不織布による筒の内部に前記第1不織布による筒の少なくとも一部が包含されたものである請求項5に記載の高電圧部ポッティング構造。
【請求項7】
前記第2不織布による筒は、底面に前記基板が配置されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の高電圧部ポッティング構造。
【請求項8】
トランスの周囲に第1不織布を巻きつける、又は、前記トランスを筒状の前記第1不織布に挿入する、第1不織布層形成工程と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板の側面に第2不織布を巻きつけ、前記第2不織布に前記突起部分を取り囲ませる、又は、前記基板を筒状の前記第2不織布に挿入し、筒状の前記第2不織布が前記基板の側面及び前記突起部分を取り囲み、筒状の前記第2不織布の底面に前記基板を配置する、第2不織布層形成工程と、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第2不織布を含む前記基板の周囲にポッティング材を充填し、前記トランス及び前記基板を封止するポッティング工程とを備えた高電圧部のポッティング方法。
【請求項9】
少なくとも、前記ポッティング工程の前に、前記突起部分の周囲に第3不織布を巻きつける、又は、前記突起部分を筒状の第3不織布に挿入する、第3不織布層形成工程を有する請求項に記載の高電圧部のポッティング方法。
【請求項10】
少なくとも、前記ポッティング工程の前に、前記トランスと前記基板とをシャーシに支持させる支持工程を有する請求項又はに記載の高電圧部のポッティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電圧に対する空間距離を十分確保できないような狭い空間で高電圧を取り扱う電気回路の分野における高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高電圧回路を省スペースで実現する場合、回路間に樹脂絶縁物を充填して耐電圧を確保するためのポッティングという作業(ポッティング方法、樹脂ポッティング)という技術がある(例えば、特許文献1参照)。ポッティングが必要とされる高電圧回路には、電圧に対する空間距離を十分確保できないような狭い空間で高電圧を取り扱う電気回路の分野、例えば、TWT(進行波管)に用いるような高圧電源部(例えば、特許文献2参照)などが想定されている。
【0003】
特許文献1に記載のポッティング方法は、ポッティングする対象をトランスの端子部ごととして、端子部の周囲を囲むようにシート部材で巻回し、その内部を封止してからシート部材を除去するので、ポッティング材(樹脂)の使用量を少量とすることを目的としたものである。
【0004】
一般的に、ポッティング方法は、真空状態でクラックやボイド(気泡による空間)の入らないように絶縁物を充填するが、固化(硬化)したポッティング材(樹脂)にクラックやボイドの発生した箇所があると絶縁不良によるアーク放電を引き起こす。ポッティング材に選択した樹脂の種類によっては、絶縁物が硬化する過程において収縮(縮合)が発生し、引っ張り応力などで絶縁物にクラックが入り、絶縁物の絶縁性能が劣化する場合がある。クラック発生・進展を防ぐには樹脂充填部の上面を開放して応力を逃がしたり、気泡が抜けやすくなるよう内部構造を工夫したりする必要がある。
【0005】
なお、従前より、成形品の成形時に生ずるクラックの対策として、成形品の硬化時に不織布を接着させるものがある(例えば、特許文献3参照)。不織布には、シート状のものや筒状のもの(例えば、特許文献4参照)が一般的に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−27615号公報(第1図、第2図)
【特許文献2】特開平8−221140号公報(第1図)
【特許文献3】特開平11−245318号公報(第1図)
【特許文献4】特開平11−222758号公報(第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高圧電源部(電圧に対する空間距離を十分確保できないような狭い空間で高電圧を取り扱う電気回路)の分野における絶縁信頼性を向上させるためには、高電圧回路における樹脂ポッティング箇所のクラック発生・進展による絶縁劣化を防止する必要ある。具体的には、アーク放電が発生しないようにするためには、絶縁部と接地部を隙間なくポッティング材(樹脂)で埋めることが重要である。
【0008】
しかし、特許文献1に係るポッティング方法は、樹脂ポッティングを行う範囲をトランスの端子部のみに限定しておりトランス・回路基板を含めた全体のポッティングを一度に行うとを目的としていないという課題があった。また、特許文献1に係るポッティング方法には、端子部のポッティング後にシート部材を剥がす工程があるが、多数の端子がある場合には剥がす手間がかかるという課題もあった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、ポッティング材(樹脂)のクラック発生及び進展を阻止し、絶縁劣化を防止することが容易で、さらに、端子ごとではなく回路全体のポッティングを一度に行う場合に好適な高電圧部ポッティング構造及び高電圧部のポッティング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る高電圧部ポッティング構造は、トランスと、このトランスを取り囲んだ筒状の第1不織布と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板と、この基板の側面及び前記突起部分を取り囲んだ筒状の第2不織布と、前記トランス及び前記基板を支持するシャーシと、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第2不織布を含む前記基板の周囲に充填され、前記トランス及び前記基板を封止したポッティング材とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
また、トランスと、このトランスの周囲に巻かれ、前記トランスを取り囲んだ筒状の第1不織布と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板と、この基板の側面に巻かれ、前記突起部分を取り囲んだ筒状の第2不織布と、前記トランス及び前記基板を支持するシャーシと、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第2不織布を含む前記基板の周囲に充填され、前記トランス及び前記基板を封止したポッティング材とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、トランスと、このトランスが差し込まれている筒状の第1不織布と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板と、この基板が差し込まれて、前記基板の側面及び前記突起部分を取り囲む筒状の第2不織布と、前記トランス及び前記基板を支持するシャーシと、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第2不織布を含む前記基板の周囲に充填され、前記トランス及び前記基板を封止したポッティング材とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
この発明に係る高電圧部のポッティング方法は、トランスの周囲に第1不織布を巻きつける、又は、前記トランスを筒状の前記第1不織布に挿入する、第1不織布層形成工程と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板の側面に第2不織布を巻きつけ、前記第2不織布に前記突起部分を取り囲ませる、又は、前記基板を筒状の前記第2不織布に挿入し、筒状の前記第2不織布が前記基板の側面及び前記突起部分を取り囲み、筒状の前記第2不織布の底面に前記基板を配置する、第2不織布層形成工程と、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第2不織布を含む前記基板の周囲にポッティング材を充填し、前記トランス及び前記基板を封止するポッティング工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
また、トランスの周囲に第1不織布を巻きつける、又は、前記トランスを筒状の前記第1不織布に挿入する、第1不織布層形成工程と、少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板の前記突起部分の周囲に第3不織布を巻きつける、又は、前記突起部分を筒状の前記第3不織布に挿入する、第3不織布層形成工程と、前記第1不織布を含む前記トランス及び前記第3不織布を含む前記基板の周囲にポッティング材を充填し、前記トランス及び前記基板を封止するポッティング工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】
さらに、トランスと少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板とをシャーシに支持させる支持工程と、前記トランス及び前記基板の周囲に、不織布片が混入又は混練されたポッティング材を充填し、前記トランス及び前記基板を封止するポッティング工程とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、この発明に係る高電圧部ポッティング構造によれば、ポッティング材(硬化後のポッティング材)にクラックが生じた場合でも、トランス及び基板へのクラックの進展を防ぐことができる。
【0034】
この発明に係る高電圧部のポッティング方法によれば、ポッティング材(特に、ポッティング材の硬化後)にクラックが生じた場合でも、トランス及び基板へのクラックの進展を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】この発明の実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路(例)の構成図(ポッティング材硬化後)である。
図2】この発明の実施の形態1に係るに係る高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路(例)と比較するための高電圧回路(参考構成)の構成図(ポッティング材硬化後)である。
図3】この発明の実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路(例)の構成図(「第1不織布層形成工程、第2不織布層形成工程、ポッティング工程」前)である。
図4】この発明の実施の形態1に係るこの発明の実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路(例)の構成図(「第2不織布層形成工程、ポッティング工程」前)である。
図5】この発明の実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造における基板及び第2不織布の拡大図である。
図6】この発明の実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造における基板及び第3不織布の拡大図である。
図7】この発明の実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造におけるポッティング材の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜7を用いて説明する。図1(a)図2(a)図3(a)図4(a)(b)は高電圧回路の長手方法の透視図、図1(b)図2(b)図3(b)は高電圧回路の短手方法の透視図、図5は基板の側面に不織布を巻きつけ、不織布に突起部分を取り囲ませた状態を示す図であり、図5(a)は底面に基板が配置された筒状の不織布(第2不織布)と基板とを示す図、図5(b)は基板の表面(一主面)と裏面(他主面)上にそれぞれ内面が対向して配置された筒状の不織布(第2不織布)と基板とを示す図である。図6(a)は電子部品のリードを覆う(取り囲む)第3不織布と電子部品とを示す図、図6(b)は電子部品を覆う(取り囲む)第3不織布と電子部品とを示す図である。
【0042】
図1〜7において、1はトランス、1aはトランス1の突起部分である端子、2は少なくとも一方の面に複数の突起部分を有する基板、2aは基板2の突起部分である電子部品(部品)、2aaは電子部品(部品)2aのリード、2bは基板2の突起部分であり、基板2の端子である。電子部品2aや端子2bは基板2に実装されたものである。3はトランス1を取り囲んだ筒状の第1不織布、4は基板2の側面及び突起部分を取り囲んだ筒状の第2不織布、5はトランス1及び基板2を支持するシャーシ、5aはトランスを支持するシャーシ、5bは基板を支持するシャーシ、5cはシャーシ5(シャーシ5a,シャーシ5b)の中核となる枠体である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0043】
図1〜7において、6は第1不織布3を含むトランス1及び第2不織布4を含む基板2の周囲に充填され、トランス1及び基板2を封止したポッティング材である(絶縁性の樹脂が好適である)。なお、ポッティング材6はトランス1の高圧部の一部(少なくとも第1不織布3に覆われた部分)を封止する設定である。7は突起部分(端子1a,電子部品2a,端子2bなど)を取り囲んだ筒状の第3不織布、8は不織布(第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7)を数平方mmに細かく切断した不織布片である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0044】
なお、第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7,不織布片8は、絶縁性のものが好適である。また、第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7,不織布片8は、繊維方向が無く(引っ張りに非常に強く)、樹脂(ポッティング材6硬化時)の引っ張り応力に耐える事ができるものであれば、従来からある不織布でよい(例えば、特許文献4参照)。さらに、第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7,不織布片8は、ポッティング材6である樹脂が含浸(浸透)することができる不織布であればよりよい。
【0045】
図1(a)(b)に記載の高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路は、第1不織布3が、トランス1の周囲に巻かれ、トランス1を取り囲んだ筒状となっているために、第1不織布3が緩衝材となってポッティング材6の硬化後にトランス1の角部分や端子1aの周辺でクラックが生じにくいものとなっている。また、クラックが生じた場合でも第1不織布3によってクラックの延伸・進展(伝線)を抑えることができる。第1不織布3は、このような筒状の内面側(内部)のクラックだけでなく、筒状の外面側(外部)からのクラックの延伸・進展(伝線)を抑えることもできる。さらに、少なくとも、ポッティング材6又は第1不織布3のいずれかが絶縁性であれば、第1不織布3が絶縁層として機能する。
【0046】
同じく、図1(a)(b)に記載の高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路は、第2不織布4が、基板2の側面に巻かれ、電子部品2a及び端子2bを取り囲んだ筒状となっているために、第2不織布4が緩衝材となってポッティング材6の硬化後に基板2の突起部分である電子部品2a及び端子2bの周辺でクラックが生じにくいものとなっている。また、クラックが生じた場合でも第2不織布4によってクラックの延伸・進展(伝線)を抑えることができる。第2不織布4は、このような筒状の内面側(内部)のクラックだけでなく、筒状の外面側(外部)からのクラックの延伸・進展(伝線)を抑えることもできる。さらに、少なくとも、ポッティング材6又は第1不織布3のいずれかが絶縁性であれば、第1不織布3が絶縁層として機能する。
【0047】
図1(a)(b)に記載の高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路における第1不織布3及び第2不織布4は、元の形状から既に筒状のものをそれぞれトランス1及び基板2を差し込むようにしてもよい。つまり、筒状の第1不織布3にトランス1が差し込まれている状態、筒状の第2不織布4に基板が差し込まれて、基板2の側面、電子部品2a及び端子2bを取り囲んでいる状態でもよい。また、第2不織布4による筒の内部に第1不織布3による筒の少なくとも一部が包含するように配置することで(換言すると、筒状の第2不織布4の開口へ筒状の第1不織布3が挿入されているともいえる)、筒状の第1不織布3及び筒状の第2不織布4の開口部分が少なくなり、クラックに対する耐性が高まる。これは、シャーシ5がトランス1と基板2の突起部分(電子部品2a及び端子2b)とを対向させて支持することで容易に達成できる。
【0048】
次に、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造の効果を説明するために、図2(a)(b)を用いる。図2は、実施の形態1に係るに係る高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路(例)と比較するための高電圧回路(参考構成)の構成図であり、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造のような第1不織布3及び第2不織布4がポッティング材6内には無い状態である。換言すると、図2はシャーシ5(ケース、枠体5c)上面までポッティング材6を充填した際のクラック発生例であるといえる。第1不織布3及び第2不織布4が無い状態で、ポッティングを行った場合、トランス1−シャーシ5間や電子部品2a,端子2b,端子1aの周辺を起点としてクラックが発生しやすい。また、壁面(シャーシ5など)を起点としてクラックも発生しやすい(図2に「クラック」と記載した部分などは実際に生じたクラックを模擬したもの)。
【0049】
これは、硬化時に縮合するポッティング材6の場合、樹脂が多い部分では引っ張り応力が強くなり、壁面(シャーシ5など)との間に隙間ができ、壁面や部品(トランス1及び基板2自身やトランス1及び基板2の突起部分を含む突起)に接着しても今度は樹脂の多い中央部が裂けて内部クラックとなる。また、ポッティング材6がシリコン樹脂類である場合はトランス1の端子1aや電子部品2aの角など、突起部分から界面剥離しやすい。そして、その剥離した箇所を起点として応力が集中し、クラックが伝線していく。
【0050】
一方、図1に示す高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路は、上記のクラック対策が前述のとおり、施されている。第1不織布3及び第2不織布4を挿入してポッティング作業を行っているので、トランス1−シャーシ5間や電子部品2a,端子2b,端子1aの周辺を起点としたクラックの発生・進展を抑える事ができる。また、壁面(シャーシ5など)を起点としたクラックの発生・進展を抑える事ができる。これは、第1不織布3及び第2不織布4は繊維方向が無く、引っ張りに非常に強いため、樹脂(ポッティング材6)の引っ張り応力に耐える事ができる。
【0051】
また、図1に示す高電圧部ポッティング構造を有する高電圧回路では、樹脂(ポッティング材6)を仕切るように第1不織布3及び第2不織布4を入れることにより、樹脂の応力集中を避ける事ができる。第1不織布3をトランス1,シャーシ5(5a)間に入れることで、クラックがトランス1,シャーシ5(5a)間で進展して絶縁不良となるのを防止する(クラック進展防止機能)。なお、第1不織布3及び第2不織布4は、繊維の奥まで樹脂(ポッティング材6)が浸透するため、絶縁物の層を形成することができる(絶縁層生成)。
【0052】
特許文献1に記載のポッティング方法では、端子部周囲に付けたシートを除去する必要があったが、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造ではそのままポッティング材6に第1不織布3及び第2不織布4を埋没させてしまえばよく、除去が不要となるので、作業性や経済性も高い。従来から使用されているマイラシートなど、折ったり曲げたりと加工しやすい絶縁物は高価だったが、不織布は安価でかつ加工もしやすく、樹脂を含浸すれば絶縁性も高くなる。一般的に、トランス1などの高電圧回路を省スペースで実現する場合、回路間に樹脂絶縁物を充填して耐電圧を確保するポッティングという作業を実施する。このポッティングは真空状態でクラックや気泡の入らないように絶縁物を充填するが、前述のようなクラックや気泡の発生した箇所があると絶縁不良によるアーク放電を引き起こす。樹脂の種類によっては絶縁物が硬化する過程において収縮(縮合)が発生し、引っ張り応力等で絶縁物にクラックが入る場合がある。
【0053】
従来は、クラック発生・進展を防ぐには応力を逃がしたり、気泡が抜けやすくなるよう高電圧回路(シャーシ)の内部構造を工夫したりすることで、クラックの進展を防いでいたが、高電圧回路の構造上の制限で十分な応力の逃げや空気抜き穴を設ける事ができない場合や十分でない場合が多かった。
【0054】
例えば、図2に記載のように、シャーシ5が、トランス1と基板2の突起部分(電子部品2a及び端子2b)とを対向させて支持されるものの場合、つまり、シャーシ5の上面の開放ができない場合や空気抜き箇所を大きく設ける事が困難な場合が考えられる。しかし、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造では、このような場合であっても、ポッティング材6内に第1不織布3及び第2不織布4が存在することで、前述の第1不織布3及び第2不織布4によるクラック進展防止機能からクラックの進展を防ぐことができる。
【0055】
次に、図3図4図5を用いて、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造を得るための高電圧部のポッティング方法(以下、単に「実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法」という)を説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0056】
図3(a)(b)は、トランス1と基板2とをシャーシに支持させる(取り付ける)支持工程を行った後の高電圧回路を示している。支持工程の詳細は、トランス1をシャーシ5aに取り付け、基板2をシャーシ5bに取り付ける工程である。この支持工程は、後述の第1不織布層形成工程,第2不織布層形成工程(第3不織布層形成工程),ポッティング工程のうち、少なくとも、ポッティング工程の前に行えばよい。
【0057】
図4(a)は、第1不織布層形成工程を施した高電圧回路を示している。第1不織布層形成工程は、具体的には、トランス1の周囲に第1不織布を巻きつける工程である。また、第1不織布層形成工程は、トランス1を筒状の第1不織布3に挿入する工程でもよい。この場合は、元から筒状の第1不織布3を使用することが望ましい。第1不織布層形成工程は、後述の第2不織布層形成工程との実行の順序は特に問わないが、支持工程後に、第1不織布層形成工程及び第2不織布層形成工程を実行し、かつ、図4図3図1)に示すように、シャーシ5がトランス1と基板2の突起部分とを対向させて支持する構造の場合で第2不織布4による筒の内部に第1不織布3による筒の少なくとも一部が包含させるときは、第1不織布層形成工程及を先に実行する方がよい。
【0058】
図4(b)は、第1不織布層形成工程後に、第2不織布層形成工程を施した高電圧回路を示している。第2不織布層形成工程は、具体的には、基板2の側面に第2不織布4を巻きつけ、第2不織布4に突起部分(電子部品2a及び端子2b)を取り囲ませる工程である。また、第2不織布層形成工程は、基板2を筒状の第2不織布4に挿入し、筒状の第2不織布4が基板2の側面及び突起部分(電子部品2a及び端子2b)を取り囲み、筒状の第2不織布4の底面に基板2を配置(図5(a)がこの状態を図示)する工程でもよい。この場合は、元から筒状の第2不織布4を使用することが望ましい。図5(a)は基板2の四つの側面を全て第2不織布4で覆っているが、図5(b)に示すように、基板2の二つの側面を第2不織布4で覆うようにしてもよい。
【0059】
この場合(図5(b)に示すもの)、第2不織布層形成工程は、基板2の側面に第2不織布4を巻きつけ、第2不織布4に突起部分(電子部品2a及び端子2b)を取り囲ませる工程でもあり、基板2を筒状の第2不織布4に挿入し、筒状の第2不織布4が基板2の側面及び突起部分(電子部品2a及び端子2b)を取り囲み、筒状の第2不織布4の内面に基板2の表面及び裏面を対向させる工程でもあるといえる。
【0060】
図5(a)では、第2不織布4が基板2の角部分と接触し、基板2の側面とは接触していないが、第2不織布4と基板2の側面とを接触させてもよい。図5(b)では、第2不織布4が基板2の側面と接触し、基板2の表面及び裏面とは接触していないが、第2不織布4と基板2の表面及び裏面の少なくとも一方とを接触させてもよい。なお、第2不織布4と基板2の表面とを接触させる場合は、端子2bや図5(b)に図示するような電子部品2aと第2不織布4とが接触することになり、第2不織布4の外面には、電子部品2aや端子2bによる膨らみができる。よって、第2不織布4は、基板2の突起部分を取り囲んだ筒状のものともいえる。この場合、第2不織布4は、後に詳細説明する第3不織布7と同じ機能を有するものといえるので、第2不織布層形成工程は第3不織布層形成工程ともいえる。
【0061】
第1不織布層形成工程及び第2不織布層形成工程(第3不織布層形成工程)の後に、ポッティング工程を実行する。ポッティング工程は、第1不織布3を含むトランス1及び第2不織布4(第3不織布7)を含む基板2の周囲にポッティング材6を充填し、トランス1及び基板2を封止する工程である。ポッティング(樹脂ポッティング)自体の手法は、従来の技術と同様である。このポッティング工程を経て、ポッティング材6の硬化した後、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(による高電圧回路)が得られる。
【0062】
図6は、基板2の突起部分を取り囲んだ筒状の第3不織布7を示している。この図6を用いて、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(実施の形態1に係る高電圧部ポッティングの方法)に第3不織布7を適用する場合を説明する。図6(a)に記載の第3不織布7は、基板2の突起部分である電子部品2aのリード2aaの周囲に巻かれ、リード2aaを取り囲んだ筒状のものである。若しくは、リード2aaが差し込まれて、リード2aaを取り囲む筒状の第3不織布7である。後者の場合は、元から筒状の第3不織布7を使用することが望ましい。
【0063】
図6(b)に記載の第3不織布7は、電子部品2a及びリード2aaの周囲に巻かれ、電子部品2a及びリード2aaを取り囲んだ筒状のものである。若しくは、電子部品2a及びリード2aaが差し込まれて、電子部品2a及びリード2aaを取り囲む筒状の第3不織布7である。
【0064】
実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造は、前述の第1不織布3及び第2不織布4に加え、第3不織布7を有するものでもよいし、第2不織布4に代えて、第3不織布7を有するものでもよい。これは、第2不織布4を第3不織布7の機能を有するようにした場合も含む。
【0065】
また、実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法では、少なくとも、ポッティング工程の前に、第3不織布層形成工程である突起部分(リード2aa、或いは、電子部品2a及びリード2aa)の周囲に第3不織布7を巻きつける、又は、突起部分(リード2aa、或いは、電子部品2a及びリード2aa)を筒状の第3不織布7に挿入する工程を行えばよい。もちろん、実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法は、前述の第1不織布層形成工程及び第2不織布層形成工程に加え、第3不織布層形成工程を有するものでもよいし、第2不織布層形成工程に代えて、第3不織布層形成工程を有するものでもよい。
【0066】
つまり、第3不織布7を突起部分の先端など突起物に巻く事で、突起物を起点とした剥離やクラックの発生を止める事ができる。特に、リード2aa部分は摩擦が低く、樹脂(ポッティング材6)が界面剥離しやすいが、第3不織布7を巻き付ける事でクラック進展を防止することできる。第3不織布7を形成する対象は、リード2aa、或いは、電子部品2a及びリード2aaだけでなく、端子1aや端子2bでもよい。形成方法も同様である。
【0067】
実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法)では、トランス1−シャーシ5間やトランス1−基板2間に、それぞれ間仕切りとなるよう垂直方向や水平方向または周囲を囲うようにシート状の不織布(第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7)を挿入してもよい。また、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法)では、第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7を元の形状から既に筒状のものでもよいとしているが、これは、片側の開口が封止された帽子状のものも含んでいるとする。
【0068】
図7は、ポッティング材6に、不織布片8が混入又は混練されたもの示している。図7を用いて、これまでに説明してきた施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法)において、不織布片8が混入又は混練されたポッティング材6を用いる場合について説明する。
【0069】
図7に示すように、ポッティング材6へ不織布片8を混入又は混練したものを使用して、ポッティング工程にて、ポッティング材6に不織布片8が混入又は混練されたものを充填することで、第1不織布3,第2不織布4(第3不織布7)によるクラック進展防止機能やアーク放電防止機能(絶縁機能)に加えて、不織布片8によるクラッククラック進展防止機能やアーク放電防止機能(絶縁機能)が得られるので、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法)によって、さらに高性能な高電圧回路を得ることができる。不織布片8によって、第1不織布3,第2不織布4(第3不織布7)から離れた位置から発生したクラックの進展(伝線)も抑えることができる。
【0070】
なお、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法)では、第1不織布3,第2不織布4(第3不織布7)を用いずに、不織布片8のみを用いて、クラック進展防止機能やアーク放電防止機能(絶縁機能)を高電圧回路に付与してもよい。この場合、高電圧部ポッティング構造は、シャーシ5に支持されたトランス1及び基板2の周囲にトランス1及び基板2を封止したポッティング材6(不織布片が混入又は混練)が充填されたものといえる。また、高電圧部のポッティング方法は、支持工程の後に、トランス1及び基板2の周囲に、不織布片8が混入又は混練されたポッティング材6を充填し、トランス1及び基板2を封止するポッティング工程を実行するものであるといえる。
【0071】
実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法)をまとめると、樹脂ポッティングによる絶縁を行っている高電圧回路において、不織布を樹脂中に埋没させることによって絶縁劣化を防止するものといえる。樹脂ポッティングによる絶縁を行っている高電圧回路において、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造(実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法)による不織布(第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7)を樹脂中に埋没させることによって絶縁劣化を防止する際の不織布の入れ方を整理すると次の1〜4のとおりになる。
【0072】
1、トランス1−シャーシ5間やトランス1−基板2間に、それぞれ間仕切りとなるよう
垂直方向や水平方向または周囲を囲うようにシート状又は筒状の不織布(第1不織布
3,第2不織布4,第3不織布7)を挿入する。
2、電気部品2aのリード2aa(端子1a,端子2aでもよい)に不織布(第1不織布
3,第2不織布4,第3不織布7)を巻き付ける。
3、突起部分(端子1a,電気部品2a,端子2b)の先端に不織布(第1不織布3,第
2不織布4,第3不織布7)被せる。
4、不織布(第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7と同じ構成のものでよい)を数
平方mmに細かく切断して不織布片8として樹脂に混入する。
【0073】
したがって、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造は、トランス1と、基板2と、トランス1及び基板2を支持するシャーシ5と、トランス1及び基板2の周囲に充填され、トランス1及び基板2並びに不織布(第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7,不織布片8のいずれか)を封止したポッティング材6とを備えたものである。
【0074】
同じく、実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法は、トランス1と基板2とをシャーシ5に支持させる支持工程と、トランス1及び基板2の周囲に、ポッティング材6を充填し、トランス1及び基板2並びに不織布(第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7,不織布片8のいずれか)を封止するポッティング工程とを備えたものである。
【0075】
実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造は、シャーシ5がトランス1又は基板2のいずれかを有するものであってもよい。この場合、実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法の支持工程は、トランス1又は基板2の少なくとも一方を支持する工程となる。また、シャーシ5がトランス1のみを支持する場合は、第1不織布3(トランス1用)又は第3不織布7(端子1a用)の少なくとも一方がトランス1に形成されておればよい。この場合、第2不織布形成工程はない。同じく、シャーシ5が基板2のみを支持する場合は、第2不織布4(基板2用)又は第3不織布7(電子部品2a,端子2a,リード2aa用)の少なくとも一方が基板2に形成されておればよい。この場合、第1不織布形成工程はない。
【0076】
このような場合、ポッティング工程は、トランス1又は基板2の周囲に、ポッティング材6を充填し、トランス1又は基板2を封止する工程といえる。また、第3不織布層形成工程は、突起部分(端子1a,電子部品2a,端子2a,リード2aaの少なくとも一つ)の周囲に第3不織布7を巻きつける、又は、突起部分(端子1a,電子部品2a,端子2a,リード2aaの少なくとも一つ)を筒状の第3不織布7に挿入する工程といえる。
【0077】
さらに、シャーシ5がトランス1又は基板2のいずれかを有するもの場合であって、第1不織布3,第2不織布4,第3不織布7のいずれも高電圧部ポッティング構造が備えていなくても、ポッティング材6に不織布片8が混入又は混練されておれば、実施の形態1に係る高電圧部ポッティング構造を構成することができる。この場合、実施の形態1に係る高電圧部のポッティング方法の支持工程は、トランス1又基板2のいずれをシャーシに支持させる支持工程と、トランス1又は基板2の周囲に、不織布片8が混入又は混練されたポッティング材6を充填し、トランス1又は基板2を封止するポッティング工程とを備えたものといえる。
【符号の説明】
【0078】
1・・トランス、1a・・端子(突起部分)、2・・基板、2a・・電子部品(突起部分)、2aa・・リード、2b・・端子(突起部分)、3・・第1不織布、4・・第2不織布、5・・シャーシ、5a・・シャーシ(トランス1用シャーシ)、5b・・シャーシ(基板2用シャーシ)、5c・・シャーシ(枠体)、6・・ポッティング材、7・・第3不織布、8・・不織布片。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7