特許第6044133号(P6044133)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044133
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ガラスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 1/00 20060101AFI20161206BHJP
   C03C 1/02 20060101ALI20161206BHJP
   C03C 6/04 20060101ALI20161206BHJP
   C01F 11/24 20060101ALI20161206BHJP
   C01B 33/18 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   C03B1/00
   C03C1/02
   C03C6/04
   C01F11/24
   C01B33/18 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-146833(P2012-146833)
(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-9122(P2014-9122A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相徳 孝志
【審査官】 吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−362921(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/060803(WO,A1)
【文献】 特開2003−040641(JP,A)
【文献】 再公表特許第2011/024913(JP,A1)
【文献】 特開2004−067408(JP,A)
【文献】 特開2010−132541(JP,A)
【文献】 特開平05−330817(JP,A)
【文献】 特開2011−202016(JP,A)
【文献】 特開2006−027966(JP,A)
【文献】 日本アエロジル株式会社製品案内,日本,日本アエロジル株式会社,2012年 5月,第3版
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 1/00 − 1/02
C03C 1/00 − 1/02
C03C 6/00 − 6/06
C01B 33/113 − 33/193
C01F 11/00 − 11/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料バッチを溶融することによってガラスを得るガラスの製造方法であって、
平均一次粒子径(D50)が50〜1000μmであるストロンチウム化合物粒子又はバリウム化合物粒子に、平均粒子径(D50)が50nm以下であり、且つ疎水基を表面に有するシリカ粒子を添加してなるガラス原料を、前記原料バッチ中に含むことを特徴とする、ガラスの製造方法
【請求項2】
前記疎水基が有機疎水基である、請求項1に記載のガラスの製造方法
【請求項3】
前記疎水基が、アルキル基である、 請求項2に記載のガラスの製造方法
【請求項4】
前記シリカ粒子の添加量が、質量%で0.1〜10%の範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラスの製造方法
【請求項5】
前記ストロンチウム化合物粒子及びバリウム化合物粒子が塩化物または硝酸塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラスの製造方法
【請求項6】
前記ストロンチウム化合物粒子が塩化ストロンチウム粒子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラスの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス原料及びそれを用いたガラスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス原料として、例えば塩化ストロンチウムなどのストロンチウム化合物やバリウム化合物などが用いられている。塩化ストロンチウムなどのストロンチウム化合物やバリウム化合物の粒子には、保存時において、経時的に凝集し、固結しやすいという問題がある。この固結は、粒子の接触点で材料が溶解し、析出することが繰り返し生じることで形成された液橋が温湿度作用によって固橋となるために生じるものと考えられている。従って、ストロンチウム化合物やバリウム化合物の粒子の固結は、高温多湿の環境において生じやすい。また、ストロンチウム化合物やバリウム化合物の粒子に圧力がかかった場合に生じやすい。
【0003】
このような問題に鑑み、例えば、特許文献1においては、ストロンチウム化合物またはバリウム化合物に、微粒子ケイ酸を0.1〜15質量%の範囲で含有させることが提案されている。特許文献1には、微粒子ケイ酸を所定の範囲で含ませることにより、ストロンチウム化合物またはバリウム化合物の固結を抑制できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−362921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者が鋭意研究した結果、ストロンチウム化合物またはバリウム化合物に、微粒子ケイ酸を0.1〜15質量%の範囲で含有させた場合であっても、固結が生じる場合があることが見出された。
【0006】
本発明の主な目的は、ストロンチウム原料又はバリウム原料として使用されるガラス原料であって、固結しにくいガラス原料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るガラス原料は、ストロンチウム化合物粒子又はバリウム化合物粒子に、疎水基を表面に有するシリカ粒子を添加してなる。
【0008】
本発明のガラス原料においては、疎水基は、有機疎水基であることが好ましい。
【0009】
本発明のガラス原料においては、疎水基は、アルキル基であることが好ましい。
【0010】
本発明のガラス原料においては、シリカ粒子の添加量が、質量%で0.1〜10%の範囲内であることが好ましい。なおシリカ粒子の添加量とは、ストロンチウム化合物粒子又はバリウム化合物粒子と、シリカ粒子との合量に占めるシリカ粒子の量を意味する。
【0011】
本発明のガラス原料においては、ストロンチウム化合物粒子及びバリウム化合物粒子が塩化物または硝酸塩であることが好ましい。
【0012】
本発明のガラス原料においては、ストロンチウム化合物粒子が塩化ストロンチウム粒子であることが好ましい。
【0013】
シリカ粒子の平均粒子径(D50)が、100μm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明に係るガラスの製造方法では、上記ガラス原料を含む原料バッチを溶融することによりガラスを得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明のガラス原料は、固結しにくいことから、ストロンチウム原料やバリウム原料として好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0017】
本実施形態に係るガラス原料は、ストロンチウム化合物粒子及びバリウム化合物粒子の少なくとも一方を含む。ガラス原料は、ストロンチウム化合物粒子及びバリウム化合物粒子の一方のみを含んでいてもよいし、ストロンチウム化合物粒子とバリウム化合物粒子との両方を含んでいてもよい。
【0018】
本発明のガラス原料において、ストロンチウム化合物粒子及びバリウム化合物粒子は、特に限定されないが、固結しやすい粒子である場合に、本実施形態の固結抑制効果がより顕著に奏される。この観点からは、ストロンチウム化合物粒子及びバリウム化合物粒子は、それぞれ、塩化物及び硝酸塩の少なくとも一方であることが好ましい。すなわち、ストロンチウム化合物粒子は、塩化ストロンチウム粒子またはストロンチウム硝酸塩粒子であることが好ましい。バリウム化合物粒子は、塩化バリウム粒子またはバリウム硝酸塩粒子であることが好ましい。
【0019】
ストロンチウム化合物粒子及びバリウム化合物粒子の平均一次粒子径(D50)は、特に限定されないが、例えば、50μm〜1000μm程度であることが好ましく、200μm〜500μm程度であることがより好ましい。
【0020】
本発明のガラス原料は、シリカ粒子を含む。本実施形態において、このシリカ粒子は、疎水基を表面に有する。このため、下記の実施例及び比較例においても裏付けられるように、ストロンチウム化合物粒子やバリウム化合物粒子の固結を好適に抑制することができる。
【0021】
この理由としては、定かではないが、例えば、以下のような理由が考えられる。通常、シリカ粒子の表面には、水酸基が存在している。このため、シリカ粒子の表面は親水性である。この親水性の表面を有するシリカ粒子を添加した場合は、例えば、ストロンチウム化合物粒子の表面にシリカ粒子が付着などした場合であっても、ストロンチウム化合物粒子の表面と水分との接触を好適に抑制することが困難である。それに対して、本実施形態のように、疎水基を表面に有し、表面が疎水性であるシリカ粒子を添加した場合は、例えば、ストロンチウム化合物粒子の表面にシリカ粒子が付着などした場合は、ストロンチウム化合物粒子の表面と水分との接触を好適に抑制できるため、固結の原因となる固橋を形成するための液橋が生成しにくい。従って、ガラス原料が固結しにくいものと考えられる。
【0022】
ガラス原料の固結をより好適に抑制する観点からは、シリカ粒子の平均粒子径(D50)が、100μm以下であることが好ましく、1μm以下、100nm以下、特に50nm以下であることがより好ましい。この場合、ストロンチウム化合物粒子やバリウム化合物粒子の表面のシリカ粒子による被覆率が高くなるため、ガラス原料の固結がより好適に抑制されるものと考えられる。また、粒度が細かくなるほど少量の添加で固結防止効果を得ることができる。つまり、シリカ粒子の平均粒子径が小さい場合は、ガラス原料中に含まれるシリカ成分の量を考慮する必要が小さくなり、他原料との組み合わせの自由度が大きくなる。但し、シリカ粒子の平均粒子径(D50)が小さすぎると取り扱いが困難になる。従って、シリカ粒子の平均粒子径(D50)は、1nm以上であることが好ましい。
【0023】
なお、シリカ粒子は、ストロンチウム化合物粒子やバリウム化合物粒子の表面に付着している必要は必ずしもない。
【0024】
また、シリカ粒子の添加量は特に制限はなく、シリカ粒子の粒度に応じて適宜決定すればよい。例えばシリカ粒子の平均粒子径(D50)が1μm以下である場合、シリカ粒子の添加量は、質量%で0.1〜10%、特に0.5〜5%であることが好ましい。
【0025】
ガラス原料の固結をより好適に抑制する観点からは、ストロンチウム化合物粒子及びバリウム化合物粒子の少なくとも一方と、シリカ粒子とを十分に混合しておくことが好ましい。
【0026】
なお、本発明において、「シリカ粒子」は、例えば、珪砂、石粉(珪石粉)、ヒュームドシリカ等を含む。また粒子表面に水酸基を有していてもよい。
【0027】
シリカ粒子の粒子形状は特に限定されない。シリカ粒子は、例えば、粉砕粒子及び異形粒子等であってもよい。
【0028】
表面に疎水基を有するシリカ粒子としては、例えば、アルキル基などの有機疎水基を表面に有するシリカ粒子が挙げられる。アルキル基などの有機疎水基を表面に有するシリカ粒子の具体例としては、例えば、日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)R972等が挙げられる。
【0029】
次に、上記ガラス原料を用いたガラスの製造方法について説明する。まず、原料バッチを調製する。次に、原料バッチを溶融し、撹拌均質化、清澄、成形等を適宜行うことによりガラスを製造することができる。ここで、ストロンチウム化合物やバリウム化合物は、通常、ガラスの修飾酸化物として使用する。
【実施例】
【0030】
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0031】
[実験1]
実験1は、2011年9月28日から2011年10月5日にかけて行ったものである。
【0032】
(比較例1)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D50):約300μm)100gをそのままガラス原料とした。
【0033】
(比較例2)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D50):約300μm)100gと、表面に親水基を有する親水性シリカ粒子(日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)130、平均粒子径(D50):16nm)0.1gとを混合し、ガラス原料を調製した。
【0034】
(比較例3)
親水性シリカ粒子を、0.5g加えたこと以外は、比較例2と同様にしてガラス原料を調製した。
【0035】
(実施例1)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D50):約300μm)100gと、疎水性シリカ粒子(日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)R972、平均粒子径(D50):16nm)0.05gとを混合し、ガラス原料(ストロンチウム原料)を調製した。
【0036】
(実施例2)
疎水性シリカ粒子を、0.1g加えたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0037】
(実施例3)
疎水性シリカ粒子を、0.2g加えたこと以外は、比較例2と同様にしてガラス原料を調製した。
【0038】
(実施例4)
疎水性シリカ粒子を、0.3g加えたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0039】
(実施例5)
疎水性シリカ粒子を、0.5g加えたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0040】
[実験2]
実験2は、2012年1月30日から2012年2月6日にかけて行ったものである。
【0041】
(比較例1a)
比較例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0042】
(実施例4a)
疎水性シリカ粒子を、0.3g加えたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス原料を調製した。すなわち、実施例4と同様にしてガラス原料を調製した。
【0043】
(比較例4)
親水性シリカ粒子を、0.3g加えたこと以外は、比較例2と同様にしてガラス原料を調製した。
【0044】
(比較例5)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D50):約300μm)100gと、平均粒子径(D50):50μmである親水性シリカ粒子(石粉)0.3gとを混合し、ガラス原料を調製した。
【0045】
(比較例6)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D50):約300μm)100gと、平均粒子径(D50):180μmである親水性シリカ粒子(珪砂)0.3gとを混合し、ガラス原料を調製した。
【0046】
[実験3]
実験3は、2011年12月22日から2011年12月29日にかけて行ったものである。
【0047】
(比較例7)
水3gを添加したこと以外は、比較例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0048】
(実施例6)
水3gを添加したこと以外は、実施例5と同様にしてガラス原料を調製した。
【0049】
(比較例8)
疎水性シリカ粒子の代わりに、表面に親水基を有するシリカ粒子(日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)130、平均粒子径(D50):16nm)を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてガラス原料を調製した。
【0050】
(比較例9)
疎水性シリカ粒子の代わりに、平均粒子径(D50):50μmである親水性シリカ粒子(石粉)を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてガラス原料を調製した。
【0051】
(比較例10)
疎水性シリカ粒子の代わりに、平均粒子径(D50):180μmである親水性シリカ粒子(珪砂)を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてガラス原料を調製した。
【0052】
[実験4]
実験4は、2011年12月29日から2012年1月5日にかけて行ったものである。
【0053】
(比較例11)
水5gを添加したこと以外は、比較例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0054】
(実施例7)
水を5g添加し、疎水性シリカ粒子の添加量を1.0gとしたこと以外は、実施例6と同様にしてガラス原料を調製した。
【0055】
(比較例12)
疎水性シリカ粒子の代わりに、表面に親水基を有するシリカ粒子(日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)130、平均粒子径(D50):16nm)を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてガラス原料を調製した。
【0056】
(比較例13)
疎水性シリカ粒子の代わりに、平均粒子径(D50):50μmである親水性シリカ粒子(石粉)を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてガラス原料を調製した。
【0057】
(比較例14)
疎水性シリカ粒子の代わりに、平均粒子径(D50):180μmである親水性シリカ粒子(珪砂)を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてガラス原料を調製した。
【0058】
[評価]
ガラス原料を、内径が65mmで高さが50mmの円筒内に充填し、3kgのおもりを載せた状態で1週間放置した。その後、サンプルを取り出し、サンプルの上方からサンプルに対して球を落下させ、サンプルが崩壊したときの球の落下距離(球を落下させた高さ)及び球の重さを測定した。測定された球の落下距離及び球の重さから、サンプルが崩壊したときの落球のエネルギーを求めた。結果を下記の表1〜表5に示す。
【0059】
なお、表1、2に示す実験1の結果は、2011年9月28日〜10月5日にかけて行った実験である。その間の気温は、21.2℃〜28.3℃であった。湿度は、29.9%〜67.2%であった。
【0060】
表3に示す実験2の結果は、2012年1月30日〜2月6日にかけて行った実験である。その間の気温は、7.6℃〜23.6℃であった。湿度は、20.0%〜36.0%であった。
【0061】
表4に示す実験3の結果は、2011年12月22日〜12月29日にかけて行った実験である。その間の気温は、7.6℃〜23.4℃であった。湿度は、21.8%〜28.6%であった。
【0062】
表5に示す実験4の結果は、2011年12月29日〜2012年1月5日にかけて行った実験である。その間の気温は、12.5℃〜22.2℃であった。湿度は、25.1%〜43.2%であった。
【0063】
このように、表1〜表5では、条件が異なるため、表1及び表2と、表3と、表4と、表5とは、単純に比較できない。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
表1,表2に示す結果から、疎水性シリカ粒子を添加した場合は、シリカ粒子を添加しない場合、親水性シリカ粒子を添加した場合よりも固結しにくいことが分かる。
【0070】
また、表2に示す結果から、疎水性シリカ粒子の添加量を多くすることにより固結しにくくなる傾向がみられた。
【0071】
表3に示す結果と、水を添加した表4,5に示す結果との比較から、水の添加量が多くなるほど固結しやすくなることが分かる。しかしながら、水を添加した場合であっても、疎水性シリカ粒子を添加することにより固結を抑制できることが分かる。
【0072】
なお、本発明の実施例及び比較例は、ストロンチウム原料及びバリウム原料の中で最も固結しやすい塩化ストロンチウムを用いて実施したが、塩化ストロンチウム以外のストロンチウム化合物や、バリウム化合物においても、程度の差はあるものの同様の効果が得られるものと推測される。