【実施例】
【0030】
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0031】
[実験1]
実験1は、2011年9月28日から2011年10月5日にかけて行ったものである。
【0032】
(比較例1)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D
50):約300μm)100gをそのままガラス原料とした。
【0033】
(比較例2)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D
50):約300μm)100gと、表面に親水基を有する親水性シリカ粒子(日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)130、平均粒子径(D
50):16nm)0.1gとを混合し、ガラス原料を調製した。
【0034】
(比較例3)
親水性シリカ粒子を、0.5g加えたこと以外は、比較例2と同様にしてガラス原料を調製した。
【0035】
(実施例1)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D
50):約300μm)100gと、疎水性シリカ粒子(日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)R972、平均粒子径(D
50):16nm)0.05gとを混合し、ガラス原料(ストロンチウム原料)を調製した。
【0036】
(実施例2)
疎水性シリカ粒子を、0.1g加えたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0037】
(実施例3)
疎水性シリカ粒子を、0.2g加えたこと以外は、比較例2と同様にしてガラス原料を調製した。
【0038】
(実施例4)
疎水性シリカ粒子を、0.3g加えたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0039】
(実施例5)
疎水性シリカ粒子を、0.5g加えたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0040】
[実験2]
実験2は、2012年1月30日から2012年2月6日にかけて行ったものである。
【0041】
(比較例1a)
比較例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0042】
(実施例4a)
疎水性シリカ粒子を、0.3g加えたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス原料を調製した。すなわち、実施例4と同様にしてガラス原料を調製した。
【0043】
(比較例4)
親水性シリカ粒子を、0.3g加えたこと以外は、比較例2と同様にしてガラス原料を調製した。
【0044】
(比較例5)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D
50):約300μm)100gと、平均粒子径(D
50):50μmである親水性シリカ粒子(石粉)0.3gとを混合し、ガラス原料を調製した。
【0045】
(比較例6)
塩化ストロンチウム粒子(平均一次粒子径(D
50):約300μm)100gと、平均粒子径(D
50):180μmである親水性シリカ粒子(珪砂)0.3gとを混合し、ガラス原料を調製した。
【0046】
[実験3]
実験3は、2011年12月22日から2011年12月29日にかけて行ったものである。
【0047】
(比較例7)
水3gを添加したこと以外は、比較例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0048】
(実施例6)
水3gを添加したこと以外は、実施例5と同様にしてガラス原料を調製した。
【0049】
(比較例8)
疎水性シリカ粒子の代わりに、表面に親水基を有するシリカ粒子(日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)130、平均粒子径(D
50):16nm)を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてガラス原料を調製した。
【0050】
(比較例9)
疎水性シリカ粒子の代わりに、平均粒子径(D
50):50μmである親水性シリカ粒子(石粉)を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてガラス原料を調製した。
【0051】
(比較例10)
疎水性シリカ粒子の代わりに、平均粒子径(D
50):180μmである親水性シリカ粒子(珪砂)を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてガラス原料を調製した。
【0052】
[実験4]
実験4は、2011年12月29日から2012年1月5日にかけて行ったものである。
【0053】
(比較例11)
水5gを添加したこと以外は、比較例1と同様にしてガラス原料を調製した。
【0054】
(実施例7)
水を5g添加し、疎水性シリカ粒子の添加量を1.0gとしたこと以外は、実施例6と同様にしてガラス原料を調製した。
【0055】
(比較例12)
疎水性シリカ粒子の代わりに、表面に親水基を有するシリカ粒子(日本アロエジル株式会社製AEROSIL(登録商標)130、平均粒子径(D
50):16nm)を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてガラス原料を調製した。
【0056】
(比較例13)
疎水性シリカ粒子の代わりに、平均粒子径(D
50):50μmである親水性シリカ粒子(石粉)を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてガラス原料を調製した。
【0057】
(比較例14)
疎水性シリカ粒子の代わりに、平均粒子径(D
50):180μmである親水性シリカ粒子(珪砂)を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてガラス原料を調製した。
【0058】
[評価]
ガラス原料を、内径が65mmで高さが50mmの円筒内に充填し、3kgのおもりを載せた状態で1週間放置した。その後、サンプルを取り出し、サンプルの上方からサンプルに対して球を落下させ、サンプルが崩壊したときの球の落下距離(球を落下させた高さ)及び球の重さを測定した。測定された球の落下距離及び球の重さから、サンプルが崩壊したときの落球のエネルギーを求めた。結果を下記の表1〜表5に示す。
【0059】
なお、表1、2に示す実験1の結果は、2011年9月28日〜10月5日にかけて行った実験である。その間の気温は、21.2℃〜28.3℃であった。湿度は、29.9%〜67.2%であった。
【0060】
表3に示す実験2の結果は、2012年1月30日〜2月6日にかけて行った実験である。その間の気温は、7.6℃〜23.6℃であった。湿度は、20.0%〜36.0%であった。
【0061】
表4に示す実験3の結果は、2011年12月22日〜12月29日にかけて行った実験である。その間の気温は、7.6℃〜23.4℃であった。湿度は、21.8%〜28.6%であった。
【0062】
表5に示す実験4の結果は、2011年12月29日〜2012年1月5日にかけて行った実験である。その間の気温は、12.5℃〜22.2℃であった。湿度は、25.1%〜43.2%であった。
【0063】
このように、表1〜表5では、条件が異なるため、表1及び表2と、表3と、表4と、表5とは、単純に比較できない。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
表1,表2に示す結果から、疎水性シリカ粒子を添加した場合は、シリカ粒子を添加しない場合、親水性シリカ粒子を添加した場合よりも固結しにくいことが分かる。
【0070】
また、表2に示す結果から、疎水性シリカ粒子の添加量を多くすることにより固結しにくくなる傾向がみられた。
【0071】
表3に示す結果と、水を添加した表4,5に示す結果との比較から、水の添加量が多くなるほど固結しやすくなることが分かる。しかしながら、水を添加した場合であっても、疎水性シリカ粒子を添加することにより固結を抑制できることが分かる。
【0072】
なお、本発明の実施例及び比較例は、ストロンチウム原料及びバリウム原料の中で最も固結しやすい塩化ストロンチウムを用いて実施したが、塩化ストロンチウム以外のストロンチウム化合物や、バリウム化合物においても、程度の差はあるものの同様の効果が得られるものと推測される。