(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筐体には、前記集積回路の近くに空冷のための貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔と連通して異なる外面に開口する入口及び出口が形成されて、その入口と出口が異なる位置に開口していることを特徴とする請求項5または6に記載の筐体構造。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成としてカメラを示すもので、1は主筐体、2は下筐体、3は上蓋、4は前筐体、5は表示部、6はレンズ部である。
【0010】
カメラは、図示のように、主筐体1に対し、下部に下筐体2を、上部に上蓋3を、前部に前筐体4をそれぞれ組み付けた筐体構造で、上蓋3に表示部5を備え、前筐体4にレンズ部6を備えている。
ここで、主筐体1、下筐体2、上蓋3及び前筐体4は、熱伝導率の低い樹脂などの物質で成形されている。
【0011】
図2(a)(b)はカメラの使用例を示すもので、カメラは、例えば図示のようなアタッチメントAで自転車や自動車などの移動体に取り付けて使用可能である。
【0012】
図3はカメラの分解状態を示すもので、7は回路基板、8はヒートシンク、9はパッキン、Bはバッテリーである。
【0013】
図示のように、主筐体1及び下筐体2の内部に形成される収納スペースに回路基板7が収納される。回路基板7には、3個の集積回路71・72・73が搭載されている。
そして、主筐体1の下面に、熱伝導率の高い金属などの物質で成形したヒートシンク8が組み付けられている。ヒートシンク8には、複数の放熱フィン81が形成されている。
また、主筐体1と下筐体2との合わせ部にパッキン9が挟持される。
なお、上蓋3にはバッテリーBが組み付けられている。
【0014】
パッキン9は、主筐体1と下筐体2との合わせ部に対応した矩形環状で、熱伝導性を有する物質、すなわち、熱伝導率の高い金属(例えばアルミニウムやマグネシウムや銅)などの物質で平板状に形成した放熱部91と、この放熱部91の表裏面に各々設けられ、放熱部91より熱伝導率の低い樹脂(例えばシリコーンゴムやエラストマー)などの物質で環状に形成したパッキン部92と、を備えるインサート成形等による複合体で構成される。
このパッキン9は、殆どの部分、すなわち、前筐体4と反対側に位置する一方の短辺部と両方の長辺部の三辺部において、パッキン部92の外周側に放熱部91が位置している。
【0015】
そして、前筐体4側に位置する他方の短辺部において、放熱部91の表裏面のパッキン部92と各々連続して、放熱部91の更に外周側に位置する断熱部93が形成されている。
図示例において、パッキン9の断熱部93を含む放熱部91及びパッキン部92の短辺部の中央は、アタッチメント装着部1a(
図4参照)に対応した凹部94となっている。
【0016】
図4(a)(b)は主筐体1を下方から見たもので、
図5は主筐体1の空気流路10を示すものである。
【0017】
図示のように、主筐体1の下部には、両側方に開放される下筐体組付凹部1bが形成されて、この下筐体組付凹部1bの内方にヒートシンク組付凹部1cが形成されている。
そして、主筐体1の内部には、両側面に貫通してヒートシンク組付凹部1cに開口する空気流路10が形成されている。
【0018】
この空気流路10は、
図5に矢印で示すように、主筐体1の一側面に開口する入口11から入った空気が、ヒートシンク組付凹部1cに開口する横方向の貫通孔12を通って、主筐体1の他側面に開口する出口13から放出される。
図示例において、入口11は、横方向の貫通孔12に対してアタッチメント装着部1a側に位置するよう斜めに形成されて、出口13は、横方向の貫通孔12に対してアタッチメント装着部1aと反対側に位置するよう斜めに形成されている。
【0019】
図6は
図4の主筐体1に
図3のヒートシンク8及びパッキン9を重ねた状態を示したもので、
図7は
図6の中央を縦断して示したものである。
【0020】
図示のように、主筐体1のヒートシンク組付凹部1cにヒートシンク8が重ねて組み付けられて、下筐体組付凹部1bの周囲にパッキン9が重ねられている。
図示例において、パッキン9の両側の長辺部において、放熱部91の内面にヒートシンク8の側面が接触状態となっている。
なお、主筐体1には、前面に開口部1dが形成されて、後面に開口部1eが形成されている。また、前面の開口部1dとヒートシンク組付凹部1cとの間には、上下方向に貫通する空所部1fが形成されている。
【0021】
図8は
図3の前筐体4とともに示す下筐体2にパッキン9を重ねたもので、
図9は
図8の矢印A−A線に沿った筐体組立状態の断面を示したものであって、
図10は
図9の矢印B部を拡大したものである。
【0022】
図示のように、下筐体2の周囲にパッキン9が重ねられて、その内方に回路基板7及びヒートシンク8が位置している。回路基板7は下筐体2の内部にねじ止めされる。
そして、前筐体4の内部には、回路基板41がねじ止めされている。この回路基板41に撮像素子42(
図11及び
図12参照)が搭載されている。
【0023】
以上の筐体の組立は、主筐体1に対して、下筐体2と上蓋3をそれぞれねじ止めして、前筐体4をねじ止めする。
これにより、主筐体1の前面の開口部1dは前筐体4で閉じられ、後面の開口部1eは上蓋3に設けた後蓋31で閉じられる。また、主筐体1と前筐体4の間にパッキン43が介装される。
【0024】
そして、
図9及び
図10に示すように、主筐体1内の空気流路10の貫通孔12にヒートシンク8の放熱フィン81が並んでいて、そのシートシンク8の直下に回路基板7上の集積回路71・72・73が接近配置されている。
図示例では、厚い方の集積回路73がシートシンク8の下面に接触状態となっている。
【0025】
図11は
図1のカメラの中央を縦断して示したもので、
図12はその矢印C部を拡大したものである。
【0026】
図示のように、パッキン9の断熱部93は、主筐体1及び下筐体2内の集積回路71・72・73と、前筐体4内の撮像素子42が最も近接する部分に位置している。
【0027】
以上のように、小型の筐体構造によるカメラでありながら、通電により発熱部品となる3個の集積回路71・72・73が搭載された回路基板7を収納した主筐体1及び下筐体2の合わせ部に挟持されたパッキン9は、集積回路71・72・73が発する熱をその周囲を囲む放熱部91に伝達し、その放熱部91の前筐体4と反対側の短辺部及び両方の長辺部の三辺部において、外周側に放熱する。
また、直下に回路基板7上の集積回路71・72・73が接近配置されて、厚い方の集積回路73が下面に接触状態となっているヒートシンク8の両側面が、パッキン9の長辺部の放熱部91の内面に接触状態となっているので、ヒートシンク8からパッキン9の放熱部91に熱が直接伝達される。
そして、パッキン9は、主筐体1及び下筐体2の合わせ部に挟まれて外部に露出する両方の長辺部において、放熱部91の外周面が外部に表出していて、その放熱部91の外周面から筐体外部に放熱する。
【0028】
さらに、シートシンク8の放熱フィン81が、主筐体1内の空気流路10の貫通孔12に並んでいて、空気流路10において、放熱される。
しかも、空気流路10は、入口11が横方向の貫通孔12に対してアタッチメント装着部1a側に位置するよう斜めに開口して、出口13が横方向の貫通孔12に対してアタッチメント装着部1aと反対側に位置するよう斜めに開口しているので、流路長を長くしながら、自転車や自動車などの移動体に取り付けてカメラを使用する際において、前方の入口11から外気を取り入れて、横方向の貫通孔12を通し、ここで放熱された空気を後方の出口13から排出できる。
【0029】
また、主筐体1は、前面に開口部1dを有して、後面に開口部1eを有し、さらに、前面の開口部1dとヒートシンク組付凹部1cとの間に空所部1fを有しているので、集積回路71・72・73の放熱空間を大きく確保しながら、前面の開口部1d及び空所部1fにより、前筐体4側に対する断熱効果も期待できる。
【0030】
そして、パッキン9は、前筐体4側の短辺部において、表裏面のパッキン部92と各々連続して一体で放熱部91の更に外周側に位置する断熱部93が、集積回路71・72・73と撮像素子42が最も近接する部分に位置しているので、前筐体4内の熱に弱い撮像素子42に対して断熱できる。
【0031】
以上、実施形態の小型の筐体構造によるカメラによれば、主筐体1及び下筐体2内の集積回路71・72・73と前筐体4内の撮像素子42との間で主筐体1と下筐体2の合わせ部に挟持されるパッキン9が、熱伝導性を有する金属などの物質で環状に形成した放熱部91と、その表裏面に各々設けられ、放熱部91より熱伝導率の低い樹脂などの物質で環状に形成したパッキン部92と、を備える複合体で構成される。
そして、パッキン9は、前筐体4と反対側の短辺部及び両方の長辺部の三辺部において、パッキン部92の外周側に放熱部91が位置して、前筐体4側の短辺部において、表裏面のパッキン部92と各々連続して一体に形成され、放熱部91の更に外周側に位置する断熱部93を備える。
さらに、パッキン9の断熱部93は、集積回路71・72・73と撮像素子42が最も近接する部分に位置する筐体構造となっている。
【0032】
従って、パーツ数や組立工程が少なく、大型化・重量化もしないシンプルな構造でありながら、集積回路71・72・73の放熱・冷却が行え、また、その熱が撮像素子42へ伝わりづらく、更に、装置全体の強度を保つことができる。
【0033】
(実施形態2)
図13は実施形態2を示すもので、101は上筐体、102は下筐体、103はレンズ部、110はパッキンである。
【0034】
図示のように、上筐体101と下筐体102が合わせ部にパッキン110を挟持して結合され、上筐体101にレンズ部103が備えられている。
上筐体101及び下筐体102は、熱伝導率の低い樹脂などの物質で成形されている。
【0035】
下筐体102の内部は、図示しない撮像素子を含むカメラユニットが入る収納スペース102aと、図示しない集積回路やバッテリーや表示部等が入る収納スペース102bとに区画されている。
下筐体102の裏面側には、図示しないシャッターボタンなどがある。
上筐体101も、下筐体102と同様に、二つの収納スペースに区画されている。
【0036】
そして、パッキン110は、上筐体101と下筐体102の合わせ部に対応した矩形環状で、前述した実施形態1と同様、熱伝導率の高い金属(例えばアルミニウムやマグネシウムや銅)などの物質で平板状に形成した放熱部111と、この放熱部111の表裏面に各々設けられ、放熱部111より熱伝導率の低い樹脂(例えばシリコーンゴムやエラストマー)などの物質で環状に形成したパッキン部112と、を備えるインサート成形等による複合体で構成される。
【0037】
さらに、パッキン110は、上筐体101及び下筐体102を二つの収納スペースに区画する部分において、放熱部111の表裏面のパッキン部112と各々連続して、放熱部111の更に外周側に位置する断熱部113が形成されている。
【0038】
以上、実施形態2の薄型の筐体構造によるカメラによっても、上筐体101と下筐体102内の集積回路と撮像素子との間で上筐体101と下筐体102の合わせ部に挟持されるパッキン110が、熱伝導性を有する金属などの物質で環状に形成した放熱部111と、その表裏面に各々設けられ、放熱部111より熱伝導率の低い樹脂などの物質で環状に形成したパッキン部112と、を備える複合体で構成される。
そして、パッキン110は、四辺部において、パッキン部112の外周側に放熱部111が位置して、上筐体101及び下筐体102を二つの収納スペースに区画して集積回路と撮像素子が最も近接する部分において、表裏面のパッキン部112と各々連続して一体に形成され、放熱部111の更に外周側に位置する断熱部113を備える。
【0039】
従って、実施形態1と同様、パーツ数や組立工程が少なく、大型化・重量化もしないシンプルな構造でありながら、集積回路の放熱・冷却が行え、また、その熱が撮像素子へ伝わりづらく、更に、装置全体の強度を保つことができる。
【0040】
(変形例)
以上の実施形態においては、カメラとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラを備える携帯電話など他の電子機器であってもよい。
また、空気流路は、横方向や斜め方向の一直線状であってもよく、更に、斜め方向の流露が交差する形状であってもよい。
さらに、パッキン及び各部の形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0041】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。
付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
分離可能な筐体の合わせ部に挟持されるパッキンであって、
熱伝導性を有する物質で環状に形成される放熱部と、
前記放熱部の表裏面に各々設けられ、前記放熱部より熱伝導率の低い物質で環状に形成されるパッキン部と、を備える複合体で構成され、
殆どの部分で、前記パッキン部の外周側に前記放熱部が位置して、
一部分において、前記放熱部の表裏面の前記パッキン部と各々連続して一体に形成され、前記放熱部の更に外周側に位置する断熱部を備えることを特徴とするパッキン。
<請求項2>
撮像素子と集積回路とが筐体の互いに隣接する別々の収納スペースに各々収納されて、前記収納スペースの間に請求項1に記載のパッキンが介在する構造であって、
前記収納スペースが最も近接する部分に、前記パッキンの前記断熱部が位置することを特徴とする筐体構造。
<請求項3>
前記筐体の合わせ部に挟まれて外部に露出する部分で、前記放熱部が外部に表出し、
前記筐体の内部に通す部分に、前記断熱部が位置することを特徴とする請求項2に記載の筐体構造。
<請求項4>
前記筐体には、前記集積回路の近くに空冷のための貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔と連通して異なる外面に開口する入口及び出口が形成されて、その入口と出口が異なる位置に開口していることを特徴とする請求項2または3に記載の筐体構造。
<請求項5>
前記集積回路に密着させるヒートシンクが前記貫通孔の一部を形成し、
前記ヒートシンクの放熱フィンが前記貫通孔内に突出していることを特徴とする請求項4に記載の筐体構造。
<請求項6>
前記ヒートシンクの少なくとも一端が、前記パッキンの前記放熱部の内面に接していることを特徴とする請求項5に記載の筐体構造。
<請求項7>
請求項2から6のいずれか一項に記載の筐体構造を備えることを特徴とする電子機器。