特許第6044178号(P6044178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社スカイディスクの特許一覧

特許6044178検出システム、センサ、設定情報管理方法及びプログラム
<>
  • 特許6044178-検出システム、センサ、設定情報管理方法及びプログラム 図000002
  • 特許6044178-検出システム、センサ、設定情報管理方法及びプログラム 図000003
  • 特許6044178-検出システム、センサ、設定情報管理方法及びプログラム 図000004
  • 特許6044178-検出システム、センサ、設定情報管理方法及びプログラム 図000005
  • 特許6044178-検出システム、センサ、設定情報管理方法及びプログラム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044178
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】検出システム、センサ、設定情報管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/14 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   G06F13/14 330A
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-181927(P2012-181927)
(22)【出願日】2012年8月20日
(65)【公開番号】特開2014-38568(P2014-38568A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年8月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】515185898
【氏名又は名称】株式会社スカイディスク
(74)【代理人】
【識別番号】100116573
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 幸司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 司
【審査官】 桜井 茂行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−195788(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0161645(US,A1)
【文献】 特開2010−263366(JP,A)
【文献】 特開2008−057796(JP,A)
【文献】 特開2010−217948(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0234694(US,A1)
【文献】 特開2011−39731(JP,A)
【文献】 高橋 成文 外,“センサ情報管理プラットフォーム”,2006年電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ大会講演論文集,日本,社団法人電子情報通信学会,2006年 9月 7日,pp. S-47〜S-48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/00
G06Q 10/00
G06F 13/10−13/14
G06F 13/00
G06F 13/38−13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサと、前記複数のセンサと通信するサーバとを備える検出システムであって、
前記各センサは、測定部と、通信部と、本体部を備え、
前記本体部は、前記実センサ情報変更手段と、実センサ情報記憶手段と、制御手段を備え、
前記サーバは、仮想センサ情報記憶手段と、仮想センサ情報変更手段と、受信手段と、送信手段を備え、
前記各センサにおいて、
前記本体部は、前記測定部との間及び前記通信部との間は着脱可能に接続
前記測定部は、測定処理を行って測定情報を収集するものであって、当該測定部に代えて他の測定部を接続することにより測定処理を変更することができ、
前記通信部は、前記サーバに前記測定情報を送信するものであって、当該通信部に代えて他の通信部を接続することにより通信処理を変更することができ、
前記サーバにおいて、
前記仮想センサ情報記憶手段は、前記各センサに対応して仮想センサ情報を記憶し、
前記仮想センサ情報は、仮想センサ設定情報を含み、
前記仮想センサ設定情報は、対応する前記センサを仮想化した仮想センサの計側部の種類に応じた設定情報であり
前記受信手段は、前記仮想センサ情報の一部又は全部を変更する仮想センサ情報変更指示を受信
前記仮想センサ情報変更手段は、前記仮想センサ情報変更指示が前記仮想センサ設定情報の変更を指示するならば、前記仮想センサ設定情報を変更
前記送信手段は、前記仮想センサ設定情報が変更された前記仮想センサに対応する前記センサに対して、前記仮想センサ設定情報の変更に応じた前記実センサ設定情報の変更を指示する実センサ情報変更指示を送信
対応する前記仮想センサ設定情報が変更された前記センサにおいて、
前記通信部は、前記実センサ情報変更指示を受信
前記実センサ情報変更手段は、前記実センサ情報変更指示に従って前記実センサ情報記憶手段に記憶された前記実センサ設定情報を変更
前記制御手段は、変更された前記実センサ設定情報に従って前記測定部及び前記通信部を制御する、検出システム。
【請求項2】
前記仮想センサ情報は、ハードウエア構成を示す情報を含み、
前記ハードウエア構成を示す情報は、対応する前記センサの前記本体部に接続する前記測定部を特定可能であり、
仮想センサ情報変更手段は、前記仮想センサ情報変更指示が前記ハードウエア構成を示す情報における前記複数の測定部の変更を指示するならば、これに従って前記仮想センサ情報記憶手段に記憶された前記ハードウエア構成を示す情報を変更る、請求項1記載の検出システム。
【請求項3】
前記各センサにおいて、前記本体部に接続する測定部は複数であり、前記複数の測定部の一部又は全部を外して他の変更部を接続することにより測定処理を変更することができ、
前記サーバにおいて、
前記ハードウエア構成を示す情報は、対応する前記センサの前記本体部に接続する前記各測定部を特定可能であり、
前記仮想センサ設定情報は、対応する前記センサに接続する前記各測定部の種類に応じた設定情報を設定するためのものである、請求項1又は2に記載の検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、検出システム、センサ、設定情報管理方法及びプログラムに関し、特に、複数のセンサと、前記複数のセンサと通信するサーバとを備える検出システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、非特許文献1に記載されている「みまもりほっとライン」にあるように、ポット等の特定の装置に対する操作を検出して、お年寄りなどの無事を確認するサービスが実現されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】みまもりほっとライン−親の元気がポットでわかる−象印マホービン株式会社、[online]、インターネット〈URL:http://www.mimamori.net/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば非特許文献1の「みまもりほっとライン」は、ポットというハードウエアをブラックボックス化し、生活環境下でのポットに対する積極的な利用によって計測処理を行い、これをメールにて通知するものである。これは、特別なハードウエアを開発して測定処理を行い、これに特化したサービスを提供するものと評価することができる。このように、現在では、一般家庭などでのセンサの利用は、計測の内容及び設置場所が固定され、ハードウエアをブラックボックス化し、計測環境を業者の支配下においた状態のものが中心となっている。
【0005】
しかしながら、本来、センサは、温度・湿度・圧力など、様々なデータが収集可能である。さらに、測定情報は、複数設置場所で、時々刻々と得ることができる。しかしながら、測定内容が多岐にわたり、かつ、測定量が膨大となる。そのため、専門知識のない一般消費者が測定情報を利用することが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、専門知識がなくとも、複数のセンサを分散設置し、一元的に管理して、容易に利用することが可能な検出システム等を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の観点は、複数のセンサと、前記複数のセンサと通信するサーバとを備える検出システムであって、前記各センサは、測定処理を行う測定部と、前記サーバと通信を行う通信部と、少なくとも前記測定部との間は着脱可能に接続する本体部とを備え、前記本体部は、実センサ設定情報を記憶する実センサ情報記憶手段と、前記実センサ情報記憶手段に記憶された前記実センサ設定情報に従って前記測定部及び前記通信部を制御する制御手段と、前記実センサ情報記憶手段に記憶された前記実センサ設定情報を変更する実センサ情報変更手段を有し、前記サーバは、前記複数のセンサのそれぞれを仮想化した複数の仮想センサの設定を示す仮想センサ情報を記憶する仮想センサ情報記憶手段と、情報処理装置から前記仮想センサ情報の一部又は全部を変更する仮想センサ情報変更指示を受信する受信手段と、前記仮想センサ情報変更指示に従って前記仮想センサ情報記憶手段に記憶された前記仮想センサ情報を変更する仮想センサ情報変更手段と、対応する前記仮想センサの前記仮想センサ情報が変更された前記センサに対して、前記仮想センサ情報の変更に応じた前記実センサ設定情報の変更を指示する実センサ情報変更指示を送信する送信手段を備え、前記センサにおいて、前記通信部は、前記実センサ情報変更指示を受信するものであり、前記実センサ情報変更手段は、前記実センサ情報変更指示に従って前記実センサ情報記憶手段に記憶された前記実センサ設定情報を変更するものであり、前記制御手段は、変更された前記実センサ設定情報に従って前記測定部及び前記通信部を制御するものである。
【0008】
本願発明の第2の観点は、第1の観点の検出システムであって、前記センサにおいて、前記本体部と前記通信部との間は、着脱可能に接続するものであり、前記通信部は、前記制御手段の制御に従って、前記測定部が測定して収集した測定情報を前記サーバに送信するものであり、前記サーバが備える前記受信手段は、前記測定情報を受信するものであり、前記サーバは、受信した前記測定情報を記憶する測定結果記憶手段と、前記測定結果記憶手段が記憶する前記測定情報を、前記センサが測定した測定値の種類及び/又は前記センサが測定した測定環境によって情報処理を行う測定情報分析手段を備えるものである。
【0009】
本願発明の第3の観点は、サーバに測定情報を送信するセンサであって、測定処理を行って前記測定情報を収集する測定部と、前記サーバと通信する通信部と、前記測定部及び前記通信部と着脱可能に接続する本体部とを備え、前記本体部は、実センサ設定情報を記憶する実センサ情報記憶手段と、前記通信部が前記サーバから実センサ情報変更指示を受信すると、前記実センサ情報変更指示に従って前記実センサ情報記憶手段に記憶された前記実センサ設定情報を変更する実センサ情報変更手段と、変更された前記実センサ設定情報に従って前記測定部及び前記通信部を制御する制御手段とを有するものである。
【0010】
本願発明の第4の観点は、複数のセンサの実センサ設定情報を管理する設定情報管理方法であって、前記各センサは、測定処理を行う測定部と、サーバとの通信を行う通信部と、少なくとも前記測定部との間は着脱可能に接続する本体部とを備え、前記サーバは、前記複数のセンサのそれぞれを仮想化した複数の仮想センサの設定を示す仮想センサ構成情報を記憶する仮想センサ情報記憶手段を備え、前記サーバが備える受信手段が、情報処理装置から前記複数の仮想センサ情報の一部又は全部を変更する仮想センサ情報変更指示を受信する受信手段と、前記サーバが備える仮想センサ情報変更手段が、前記仮想センサ情報変更指示に従って前記仮想センサ情報記憶手段に記憶された前記仮想センサ情報を変更する仮想センサ情報変更ステップと、前記サーバが備える送信手段が、対応する前記仮想センサの前記仮想センサ情報が変更された前記センサに対して、前記仮想センサ構成情報に応じた前記実センサ設定情報の変更を指示する実センサ情報変更指示を送信する実センサ情報変更指示送信ステップと、前記センサが備える前記通信部が、前記実センサ情報変更指示を受信する実センサ情報変更指示受信ステップと、前記センサが備える実センサ情報変更手段が、前記実センサ情報変更指示に従って実センサ情報記憶手段に記憶された前記実センサ設定情報を変更する実センサ情報変更ステップと、前記センサが備える制御手段が、変更された前記実センサ設定情報に従って前記測定部及び前記通信部を制御する制御ステップを含むものである。
【0011】
本願発明の第5の観点は、測定処理を行って測定情報を収集する測定部と着脱可能に接続し、サーバと通信する通信部と接続するコンピュータにおいて、実センサ情報変更手段が、前記通信部が前記サーバから実センサ情報変更指示を受信すると、前記実センサ情報変更指示に従って実センサ情報記憶手段に記憶された実センサ設定情報を変更する実センサ情報変更ステップと、制御手段が、変更された前記実センサ設定情報に従って前記測定部及び前記通信部を制御する制御ステップを実現するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明のセンサは、本体部と計測部が着脱可能であり、本体部は、様々な種類の計測装置を付け替えができる(Pluggableである)。従来、このようなセンサは、専門家が、実際の個々のセンサのハードウエア構成等に従って、計測部の種類に応じて個別具体的にプロファイルを設定する必要があった。本願発明の各観点によれば、サーバ上においてセンサを仮想化して仮想センサとして管理することにより、センサを分散配置しても、センサの実センサ設定情報(プロファイル)をサーバにより集中的に一元管理することが可能になる。そして、サーバ上では、各センサを仮想化した情報を保持しておき、一般消費者は、パソコンやスマートフォンなどの情報処理装置から、サーバ上の仮想センサの設定を変更しさえすれば、仮想センサのプロファイル等が変更され、この変更は、実際のセンサの実センサ設定情報にも自動的に反映される。これにより、ユーザは、特別な専門知識がなくても、分散配置された複数のセンサを集中的に一元管理し、利用することが可能になる。
【0013】
さらに、本願発明の第2の観点にあるように、本体部と通信部とは着脱可能であり、センサが設置される場所に応じて適切な通信環境を用意することが可能になる。そして、センサの計測情報は、通信部によって、サーバに集積される。そのため、複数のセンサによる計測情報の分析をも、サーバにおいて、一元的かつ総合的に行うことが可能になる。このような、いわゆるビッグデータの分析のためには、専門家のサポートが必要である。サーバ上での一元的かつ総合的な分析により、専門家がサポートして、計測情報を利用することが容易になる。
【0014】
なお、例えば、サーバにおいて、設置場所の地図を記憶しておき、サーバ上では、仮想センサを、この地図とリンクして設置位置を管理するようにしてもよい。そして、測定情報分析手段が、測定結果の分析において、例えば、各センサの相対的な位置関係や、各センサ間にある壁の影響などを考慮するようにしてもよい。このような設置位置による分析は、その環境に生活する消費者にとっては必要な情報であるが、従来、ハードウエアをブラックボックス化するために、専門家がサービスを提供することが困難であった領域である。本願発明によれば、このような具体的な設置環境に応じたセンサの管理及び計測情報の分析も、サーバ上で一元的に実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本願発明の実施例に係る検出システム1の概略ブロック図である。
図2図1の検出システムが日常生活において使用される一例を示す図である。
図3図2の場面での検出システム1の動作の一例を示すフロー図である。
図4図1のセンサ5nのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図5図4のCPU53の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照して、本願発明の実施例について説明する。なお、本願発明は、この実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0017】
図1は、本願発明の実施例に係る検出システム1の概略ブロック図である。検出システム1は、サーバ3(本願請求項の「サーバ」の一例)と、複数のセンサ51,…,5N(本願請求項の「センサ」の一例)(以下、記号の添え字は、省略する場合もある。)と、情報処理装置7(本願請求項の「情報処理装置」の一例)を備える。
【0018】
サーバ3は、インターネットにおいてクラウドサーバとして構築されたものである。サーバ3は、仮想センサ情報記憶部11(本願請求項の「仮想センサ情報記憶手段」の一例)と、受信部13(本願請求項の「受信手段」の一例)と、仮想センサ情報変更部15(本願請求項の「仮想センサ情報変更手段」の一例)と、送信部17(本願請求項の「送信手段」の一例)と、測定情報記憶部19(本願請求項の「測定情報記憶手段」の一例)と、測定情報分析部21(本願請求項の「測定情報分析手段」の一例)を備える。
【0019】
センサ5n(nは、1からNまでの整数)は、通信部23(本願請求項の「通信部」の一例)と、本体部25(本願請求項の「本体部」の一例)と、測定部27(本願請求項の「測定部」の一例)を備える。通信部23は、複数の通信装置291,…,29Pを備える。測定部27は、複数の測定装置411,…,41Qを備える。本体部25は、複数の通信装置接続部311,…,31Pと、実センサ情報記憶部33(本願請求項の「実センサ情報記憶手段」の一例)と、制御部35(本願請求項の「制御手段」の一例)と、実センサ情報変更部(本願請求項の「実センサ情報変更手段」の一例)と、複数の測定装置接続部391,…,39Qを備える。検出システム1の具体的な使用環境における動作の一例については、後に、図2及び図3を参照して具体的に説明する。センサ5nのハードウエア構成及び動作の一例については、後に、図4及び図5を参照して具体的に説明する。
【0020】
情報処理装置7は、表示部43と、入力部45と、通信部47を備える。
【0021】
通信部27の複数の測定装置41は、それぞれ、測定処理を行うものである。各測定装置41は、例えば、焦電、AC電流、温度、湿度、加速度、照度、ガス、気圧、熱電対、圧力などを測定するものである。測定装置41は、本体部25の測定装置接続部39によって着脱可能に接続されている。各測定装置41が測定して収集した測定情報は、通信部23の通信装置29によって、サーバ3に送信される。
【0022】
通信部23の複数の通信装置291,…,29Pは、それぞれ、サーバ3との通信を行うためのものである。複数の通信装置29は、それぞれ、例えば、有線LANを構成したり、公衆回線(3G回線など)への接続やWi−FiやBluetooth(登録商標)などの無線通信により、ネットワークを構築するためのものである。センサ5nは、通信装置29により、例えばイーサネット(登録商標)によりルータやゲートウェイを経由してインターネットに接続して、サーバ3との通信が確立している。通信装置29は、本体部25の通信装置接続部31によって着脱可能に接続されている。
【0023】
実センサ情報記憶部33は、センサ5nのプロファイル(設定情報)(本願請求項の「実センサ設定情報」の一例)(以下、「実センサ設定情報」という。)を記憶するものである。制御部35は、実センサ情報記憶部33に記憶された実センサ設定情報を参照してセンサ5nの動作を制御するものである。実センサ情報変更部37は、実センサ情報記憶部33に記憶された実センサ設定情報を変更するものである。
【0024】
仮想センサ情報記憶部11は、複数のセンサ51,…,5Nのそれぞれに対応して、各センサ5を仮想化した複数の仮想センサの設定を示す仮想センサ情報221,…,22Nを記憶するものである。仮想センサ情報22としては、例えば、仮想センサのハードウエア構成、仮想センサの使用環境などがある。また、例えば、仮想センサのプロファイル(以下、「仮想センサ設定情報」という。)を記憶しておき、仮想センサ情報22の仮想センサ設定情報の修正に合わせて、対応するセンサ5の実センサ設定情報を修正するようにしてもよい。
【0025】
受信部13は、各センサ5の測定装置が測定して収集した測定情報を各センサ5から受信したり、仮想センサの一部又は全部の設定及び/又は構成を変更する仮想センサ情報変更指示を情報処理装置7から受信したりするものである。ここで、「A及び/又はB」は、A、B、又は、A及びBを意味するとする。
【0026】
仮想センサ情報変更部15は、情報処理装置7から受信した仮想センサ情報変更指示に従って、仮想センサ情報記憶部11に記憶された仮想センサ情報を変更するものである。
【0027】
測定情報記憶部17は、各センサ5から収集した測定情報を記憶するものである。測定情報分析部19は、測定情報記憶部17に記憶された測定情報を分析するものである。
【0028】
送信部21は、情報処理装置7に対して仮想センサ情報記憶部に記憶された仮想センサ情報を送信したり、仮想センサ情報が変更されたセンサ5に対して、仮想センサ情報の変更に応じた実センサ設定情報の変更を指示する実センサ情報変更指示を送信したり、情報処理装置7に対して測定情報分析部21の分析結果を送信したりするものである。
【0029】
サーバ3の送信部21がセンサ5nに対して実センサ情報変更指示を送信すると、センサ5nの通信部23の通信装置29が、この実センサ情報変更指示を受信する。通信装置29が実センサ情報変更指示を受信すると、実センサ情報変更部37は、実センサ情報変更指示に従って実センサ情報記憶部33に記憶された実センサ設定情報を変更する。制御部35は、変更された実センサ設定情報を参照して、センサ5nの動作を制御する。
【0030】
情報処理装置7は、例えばパソコンやスマートフォンなどである。これは、センサ5を設置したユーザが使用するものである。情報処理装置7が備える表示部43は、通信部47がサーバ3から受信した仮想センサ情報記憶部11に記憶された仮想センサ情報などを表示するものである。ユーザは、センサ5nの本体部25に通信装置29及び測定装置41を接続して所定の位置に設置すると、表示部43に表示された内容を参照して入力部45を操作して、サーバ3におけるセンサ5nに対応する仮想センサ情報22nが無ければこれを新たに入力したり、既にあれば既存の仮想センサ情報22nを修正したりするための情報を入力する。
【0031】
なお、情報処理装置7による仮想センサ情報変更御指示については、例えば、センサ5nのハードウエア構成の変更によるものが考えられる。これは、設定場所は変更せず、ハードウエア構成を、例えば低温を検出する測定装置から高温をも検出可能な測定装置に変更するような場合である。この場合には、情報処理装置7によって、サーバ3における仮想センサの測定タイミング等の設定は維持して、仮想センサのハードウエア構成の情報のみを変更してもよい。また、例えば、センサ5nのハードウエア構成を変更せずに、設置場所を変更したり、測定タイミングを変更したりすることも考えられる。この場合には、情報処理装置7によって、サーバ3における仮想センサのハードウエア構成は変更せず、仮想センサの計測タイミング等の設定のみを変更してもよい。これら両者を変更する指示も考えられる。
【0032】
通信部47は、サーバ3に対して、入力情報を仮想センサ情報変更指示として送信する。サーバ3において、受信部13は、この仮想センサ情報変更指示を受信する。仮想センサ情報変更部15は、仮想センサ情報変更指示に従いセンサ5nの仮想センサ情報を変更する。送信部21は、センサ5nに対して、実センサ情報変更指示を送信する。
【0033】
図2及び図3を参照して、センサ5nの設置から情報処理装置7による計測結果の受信までの概要を説明する。図2は、図1の検出システムが日常生活において使用される一例を示す図である。図3は、図2の場面での検出システム1の動作の一例を示すフロー図である。
【0034】
図2及び図3の例では、ユーザは、センサ5nの本体部25に、加速度を測定する測定装置41と、Wi−Fiなどの無線LANのための通信装置29を接続し、センサ5nをドアに設置する(図3のステップSTP1)。このように、センサ5nは、様々な測定機能や通信機能を実現できるため、いわば、スマートセンサボックスとも称すことができるものである。接続後、ユーザは、センサ5nの電源を入れると、センサ5nは、初期化処理を行う(図3のステップSTP2)。例えば、接続している測定装置41及び通信装置29の種類を確認したり、通信装置29により、サーバ3との通信経路を確立したりする。図2では、センサ5nとサーバ3との間の通信は、センサ5nの制御部35の制御によって、ルータ9を経由して実現されているとする。
【0035】
ユーザは、自身が保有する情報処理装置7を操作して、クラウド上に構築されたサーバ3に対して、センサ5nに対応する仮想センサの構成や使用環境等を設定するための仮想センサ情報変更指示を送信する(図3のステップSTP3)。
【0036】
サーバ3では、仮想センサ情報変更指示に従って仮想センサ情報22nを修正する。センサ5nが、加速度を測定する場合であっても、例えば、ドアに設ける場合と、ボール等に設ける場合では、その実センサ設定情報は異なることが望ましい。なぜなら、ドアに設ける場合には定型的な動きとなるが、ボール等に設ける場合には不規則な動きとなり、判断に必要なデータが異なるため、計測間隔等を変えることが望ましく、実センサ設定情報を異なるようにした方が望ましいためである。また、例えば、焦電を測定する場合には、赤外線を含めた光の変化を検出するため、ある程度の速度での変化が求められ、検体がゆっくりと移動する場合には、検知できない可能性もある。このようなセンサのプロファイルを設定したり修正したりするには、例えば、プログラムを書いてハードウエアに転送して設定を行うことが考えられる。しかし、これは、極めて高度な専門知識を前提とする。また、センサにつまみ等の特別な部品を付属して調整する手法等も考えられる。しかし、このような手法では、一般的には、簡易的な設定のみが実現されることとなる。
【0037】
本願発明によれば、ユーザは、サーバ3の仮想センサを操作するだけで足りる。サーバ3は、センサ5nに対して、修正後の仮想センサに対応する実センサ設定情報を設定するための実センサ情報変更指示を送信する。センサ5nの実センサ情報変更部37は、実センサ情報変更指示に従い、実センサ設定情報を修正する(図3のステップSTP4)。
【0038】
センサ5nの制御部35は、修正後の実センサ設定情報を参照して、測定装置41により計測された計測情報をサーバ3に送信する(図3のステップSTP5)。そして、サーバ3の測定情報分析部19は、例えば定期的にドアの開閉がなされたことによりお年寄りが元気に生活していることなどを分析して(図3のステップSTP6)、その旨を情報処理装置7へ送信する(図3のステップSTP7)。
【0039】
これにより、センサ5nを設置したユーザは、特別な専門知識がなくても、センサ5nの実際のハードウエア構成等に合わせてサーバ3上の仮想センサを操作するだけで、センサ5nを利用したサービスを利用することができる。
【0040】
なお、例えば、サーバ3は、実センサ情報変更指示に仮想センサのハードウエア構成を示す情報を付加しておき、センサ5nの実センサ情報変更部37は、受信した実センサ情報変更指示に含まれる仮想センサのハードウエア構成と、実際のハードウエア構成との整合性をチェックして、整合すれば実センサ情報変更指示に従った修正を行い、整合しなければ誤りである旨の情報をサーバ3に送信するようにしてもよい。また、センサ5の数は、膨大なものになることが予想される。各センサ5を識別するために、各センサ5にIDを付与するようにしてもよい。IDは、例えば、IPアドレスやMACアドレスのような他の識別情報を利用してもよく、また、ユーザや設置場所を基準にした局所的な独自のものであってもよい。
【0041】
続いて、図4及び図5を参照して、図1のセンサ5nの構成及び動作について、具体的に説明する。
【0042】
図4は、図1のセンサ5nのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図1と同じものについては、同じ符号を付している。図4では、通信部23において、有線LANのための通信装置291と、無線LANのためのWi−Fiの通信装置292が存在する。通信装置291及び292は、それぞれ、通信装置接続部311及び312により、本体部25と接続する。通信装置接続部311及び312は、例えばコネクタであり、各通信装置29と本体部25とを着脱可能に接続するためのものである。
【0043】
また、測定部27には、加速度の測定装置411と、焦電の測定装置412と、AC電流の測定装置413と、湿度の測定装置414が存在する。これらの測定装置は、それぞれ、通信装置接続部311及び312により、本体部25と接続する。測定装置411〜414は、それぞれ、測定装置接続部391〜394により本体部25と接続する。測定装置接続部391〜394は、例えばコネクタであり、着脱可能に接続するためのものである。なお、各測定装置には、個別に処理装置を設けて動作するものでもよく、また、CPU53の制御によって動作するものであってもよい。
【0044】
本体部25は、さらに、NIC51と、CPU53と、メモリ55を備える。メモリ55は、プロファイルを記憶し、図1の実センサ情報記憶部33に対応する。NIC51は、ネットワークインターフェースコントローラであり、通信装置29による通信を制御する。また、CPU53は、中央処理装置として、プログラムに従って、センサ5nの動作を制御する。NIC51とCPU53は、図1の制御部35に対応する。また、CPU53は、メモリ55のプロファイルを変更するものとして、図1の実センサ情報変更部37に対応する。
【0045】
図5は、図4のCPU53の動作の一例を示すフロー図である。CPU53は、処理を開始すると、初期化処理を行う(図5のステップST1)。初期状態では、すべてのデバイスは、スレーブ状態(他の装置の動作に従って動作する状態)であるとする。そして、通信装置29を制御して、サーバ3との間の通信を確立する。その後、CPU53をマスター状態(他の装置に対して動作する状態)にする。続いて、CPU53は、測定装置41をスキャンして、接続されている測定装置41を認識する(図5のステップST2)。CPU53は、メモリ55に、測定装置41の接続情報を保存する(図5のステップST3)。
【0046】
続いて、接続している測定装置41のポーリング動作(図5のステップST4〜ST11)を行う。具体的には、CPU53は、測定装置41を選択し(図5のステップST4)、選択した測定装置41からデータを取得する状態とする(図5のステップST5)。そして、マスター状態からスレーブ状態へ移行し、測定装置41の動作によって動作する状態となる(図5のステップST6)。計測装置により計測されたデータがあるか否かを判断し(図5のステップST7)、データがあればデータ処理(例えば、データをサーバ3に送信する処理など)を行い(図5のステップST8)、プロファイルによって定められる時間(図5では、8msを例示している。)が経過するまで繰り返し処理を行い(図5のステップST9)、バスがアクティブ状態であれば、ノンアクティブ状態になるまで待機し(図5のステップST10)、ノンアクティブ状態となれば、スレーブ状態からマスター状態へと移行して(図5のステップST11)、次の測定装置に対して同様の処理を行う(図5のステップST4〜ST11)。CPU53は、バスがアクティブな状態であるため待機する間などには、他の動作を行ってもよい。
【0047】
図5の動作により、通信装置29及び/又は測定装置41が置き換えられ、ハードウエア構成が変更されても、センサ5nは動作して、計測処理を行い、その計測結果をサーバ3に送信することができる。プロファイルについては、サーバ3の仮想センサの情報が修正されたときに、実センサ情報変更指示に従い、修正する。
【0048】
なお、図5では、CPU53がポーリングする場合の一例である。例えば外的要因をきっかけとしてセンサが動くような場合(例えば動作したことをきっかけとして、電流が流れ(電力を消費し)、センサが動くような場合)についても、同様に実現することが可能である。本願発明は、図5の場合に限定されないものである。
【符号の説明】
【0049】
1 検出システム、3 サーバ、51,…,5N センサ、7 情報処理装置、9 ルータ、11 仮想センサ情報記憶部、13 受信部、15 仮想センサ情報変更部、17 測定情報記憶部、19 測定情報分析部、21 送信部、221,…,5N 仮想センサ情報、23 通信部、25 本体部、27 測定部、291,…,29P 通信装置、311,…31P 通信装置接続部、33 実センサ情報記憶部、35 制御部、37 実センサ情報変更部、391,…,39Q測定装置接続部、411,…,41Q 測定装置、43 表示部、45 入力部、47 通信部、51 NIC、53 CPU、55 メモリ
図1
図3
図4
図5
図2