特許第6044188号(P6044188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044188
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20161206BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20161206BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20161206BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20161206BHJP
   G09G 3/14 20060101ALI20161206BHJP
   G09G 3/04 20060101ALI20161206BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   G09F9/00 366G
   G09F9/00 359
   B60K35/00 A
   B60R11/02 C
   G09G3/20 642F
   G09G3/20 642P
   G09G3/20 642
   G09G3/20 670L
   G09G3/20 680B
   G09G3/14 K
   G09G3/04 D
   G02B27/02
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-190152(P2012-190152)
(22)【出願日】2012年8月30日
(65)【公開番号】特開2014-48396(P2014-48396A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】谷内田 武志
(72)【発明者】
【氏名】舛屋 勇希
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−067464(JP,A)
【文献】 特開2007−265984(JP,A)
【文献】 特開2008−198019(JP,A)
【文献】 特開2007−240693(JP,A)
【文献】 特開2004−299506(JP,A)
【文献】 特開2010−113022(JP,A)
【文献】 特開2010−144975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
H01L 27/32
B60K 35/00−37/06
B60R 9/00−11/06
G02B 27/00−27/64
G09G 1/00−5/36
5/377−5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像を表す表示光を出射することで、前記画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の周囲の照度を検出する照度検出手段と、
前記表示手段の周囲の温度を検出する温度検出手段と、
前記照度検出手段が検出した照度と、前記温度検出手段が検出した温度とを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した照度と、前記取得手段が所定の周期で取得した温度とに基づいて、前記表示光の輝度を調整する輝度調整手段と、
前記取得手段が第1のタイミングと第2のタイミングとにおいて取得した温度の変化量を算出し、算出した前記変化量に基づいて前記所定の周期の間隔を変更する周期変更手段と、を備
前記周期変更手段は、算出した前記変化量が予め定められた基準量を超えた場合には前記所定の周期を短くするとともに前記基準量を前記変化量に応じた量に更新する、又は、算出した前記変化量が前記基準量内にある場合には前記所定の周期を長くするととともに前記基準量を前記変化量に応じた量に更新する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記周期変更手段は、算出した前記変化量が前記基準量を超えた場合には前記所定の周期を短くするとともに前記基準量を前記変化量に更新する、又は、算出した前記変化量が前記基準量内にある場合には前記所定の周期を長くするととともに前記基準量を前記変化量に更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に係る表示装置は、表示輝度を変更可能な発光型表示器と、照度に応じた検出値を検出信号として出力する照度検出手段と、検出値に基づいた制御信号を演算する制御手段と、を備え、検出値に基づいて目標輝度値を演算し、この目標輝度値に基づいた制御信号を発光型表示器に出力することで、周囲の照度に応じて表示輝度を変更する(調整する)ものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−299506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る表示装置は、周囲照度の変化に対してのみ表示輝度を調整するものであり、周囲温度による表示器の輝度変化に対しては対処していない。通常、表示器に利用される光源(例えば、LED)は、周囲の温度変化によって表示輝度が増減するという温度依存性を有する。そのため、前述のように周囲照度に応じてのみ目標輝度を定めたとしても、周囲の温度変化によって表示輝度が増減すると、実際の表示輝度が目標輝度とずれ、周囲環境(周囲照度と周囲温度)を反映した適切な表示輝度の調整が困難であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、周囲照度と周囲温度に応じて良好に表示輝度を調整することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る表示装置は、
所定の画像を表す表示光を出射することで、前記画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の周囲の照度を検出する照度検出手段と、
前記表示手段の周囲の温度を検出する温度検出手段と、
前記照度検出手段が検出した照度と、前記温度検出手段が検出した温度とを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した照度と、前記取得手段が所定の周期で取得した温度とに基づいて、前記表示光の輝度を調整する輝度調整手段と、
前記取得手段が第1のタイミングと第2のタイミングとにおいて取得した温度の変化量を算出し、算出した前記変化量に基づいて前記所定の周期の間隔を変更する周期変更手段と、を備
前記周期変更手段は、算出した前記変化量が予め定められた基準量を超えた場合には前記所定の周期を短くするとともに前記基準量を前記変化量に応じた量に更新する、又は、算出した前記変化量が前記基準量内にある場合には前記所定の周期を長くするととともに前記基準量を前記変化量に応じた量に更新する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、周囲照度と周囲温度に応じて良好に表示輝度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るHUD装置の概略断面図である。
図2図1に示すHUD装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図3】制御部が実行する表示輝度調整処理のフローチャートである。
図4】制御部が実行する温度値更新周期変更処理のフローチャートである。
図5】(a)は、照度テーブルを説明するための図である。(b)は、温度テーブルを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係る表示装置を、図面を参照して説明する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、図1に示すヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100である。このHUD装置は、車両のダッシュボード上(例えば、インストルメントパネル上方)に取り付けられる据え置き型のHUD装置として構成されている。
【0011】
なお、以下では、HUD装置100の構成の理解を容易にするため、HUD装置100が表示する画像を正視する観察者7から見ての、上下前後方向を利用して、HUD装置100を構成する各部を、適宜、説明する。この上下方向は、図1における上下方向に対応し、この前後方向は、図1における左右方向に対応する(図1における左方向が前方向、右方向が後ろ方向)。
【0012】
HUD装置100は、図1に示すように、表示器1と、反射部2と、コンバイナ3と、コンバイナ3と一体的に形成された導光体4と、筐体5と、制御部60等が実装された回路基板6と、を備える。
【0013】
表示器1は、制御部60の制御のもとで、車速、走行距離等の車両情報を報知する報知画像を表示するものであり、例えば、マトリクス状に配列されたLED(Light Emitting Diode)を有するLED表示器からなる。表示器1は、報知画像を表示することで、報知画像を表す表示光Lを反射部2に向けて出射する。
【0014】
反射部2は、表示器1の表示側、つまり表示光Lの出射側に位置し、到達した表示光Lをコンバイナ3に向けて反射させる。反射部2は、例えば、アルミ蒸着された樹脂成形品からなり、表示器1からの表示光Lを効率良くコンバイナ3に反射させる曲面として構成された反射面を有する(図1では、反射面を概略的に平面のように表している)。反射部2で反射した表示光Lは、筐体5の後述する開口部5aを通過してコンバイナ3に向かう。
【0015】
コンバイナ3は、曲面を有する板状のハーフミラー、ホログラム素子等により構成される。コンバイナ3は、その凹面3aが反射部2の反射面と略対向するように、筐体5に取り付けられている。コンバイナ3は、図1に示すように、反射部2で反射した後に、入射する表示光Lの光路を変更する(コンバイナ3としてハーフミラーを用いる場合は反射により表示光Lの光路を変更し、ホログラム素子を用いる場合は回折により表示光Lの光路を変更する)。コンバイナ3の凹面3aは、表示光Lを集光する機能を有し、光を単純反射させる場合よりも、虚像を前遠方(例えば、コンバイナ3より約1m前方)に形成することのできる曲面として構成されている。コンバイナ3は、その前方位置Fに報知画像の虚像を形成するとともに、前方からの光を透過し、これにより、HUD装置100は、虚像と前方に実際に存在する外景等の双方を、観察者7に視認させる。
【0016】
導光体4は、外光Nを後述する照度センサ61に向けて導くものであり、コンバイナ3と一体的に形成されている。導光体4は、例えば、図1に示すように、コンバイナ3の下端部に形成されている。
【0017】
筐体5は、所定の樹脂から箱状に形成されており、その上部に、反射部2で反射した表示光Lをコンバイナ3に向けて通過させる開口部5aが形成されている。つまり、筐体5は、上側開口の箱形状に形成されている。筐体5は、表示器1、反射部2、及び回路基板6を収納する。表示器1、反射部2、及び回路基板6は、例えば、筐体5に対して不動である部分(図示せず)によって、適宜の位置に固定されている。また、筐体5は、開口部5aよりも前側の上部で、コンバイナ3を、適宜の方法で保持する(例えば、コンバイナ3は、ネジによって筐体5に螺着されている)。保持されたコンバイナ3は、筐体5から上方に立つような格好となる。導光体4は、筐体5のコンバイナ3を保持する部分の近傍に形成された貫通孔5b内に収納される。これにより、導光体4は、外光Nを筐体5の内部に取り込むことができる。
【0018】
回路基板6は、ガラス繊維を含む樹脂等からなる板状の基材に、制御部60等を実装したプリント回路板である。回路基板6は、表示器1よりも前側に位置する。回路基板6と表示器1とは、FPC(Flexible Printed Circuit)8を介して導通接続されている。
【0019】
回路基板6には、制御部60の他、図2に示す、照度センサ61と、温度センサ62と、駆動回路63と、が実装されている。照度センサ61、温度センサ62、及び駆動回路63は、それぞれ、制御部60(後述するCPU60a)と各種配線(回路基板6に形成された回路等)により電気的に接続されている。
【0020】
照度センサ61は、到達した光の強度(照度)を検出するものであり、導光体4の下面と対向する位置に配設されている。これにより、導光体4に入射した外光Nは、その下面から出射され、照度センサ61に到達する。つまり、本実施形態では、照度センサ61は、外光Nの照度を検出する。照度センサ61は、到達した外光Nの光の強度に応じた検出信号(電圧VD)を、制御部60へ出力する。
【0021】
温度センサ62は、筐体5の内部の温度を検出するものであり、例えば、図1に示すように、表示器1の近傍に配設されている。温度センサ62は、筐体5の内部の温度に応じた検出信号(電圧VT)を、制御部60へ出力する。
【0022】
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)60a、ROM(Read Only Memory)60b、RAM(Random Access Memory)60c、A/D変換器(ADC)60d及び60e等を有するマイクロコントローラからなる。
【0023】
CPU60aは、ECU(Electronic Control Unit)等の外部装置(図示せず)から通信ラインにより伝送される各種車両情報を取得し、取得した車両情報に応じて、報知画像を表示器1に表示させる。この際、CPU60aは、駆動回路63を介して、表示器1を駆動する。また、CPU60aは、計時可能なタイマを内蔵し、適宜、計時を行う。
【0024】
ROM60bは、予め書き込まれたプログラムを記憶する。CPU60aは、ROM60bからプログラムを読み出し、実行することで、上記のように表示器1を駆動したりする。特に本実施形態では、ROM60b内には、後述する表示輝度調整処理及び温度値更新周期変更処理を実行するためのプログラムPG、照度テーブルTA、温度テーブルTT等のデータが予め記憶されている。照度テーブルTA及び温度テーブルTTについては、後に述べる。
また、後述する温度値Tを更新する周期(以下、温度値更新周期という)の初期値(例えば5min)等も、ROM60bに予め記憶されている。
【0025】
RAM60cは、必要な情報(演算結果等)を一時的に記憶する。特に本実施形態では、後述する採用照度値C等が一時的に記憶される。
【0026】
ADC60dは、照度センサ61が出力した電圧VDを、HUD装置100の周囲の照度値を示すデジタル値(以下、照度値Aという)に変換する。
ADC60eは、温度センサ62が出力した電圧VTを、筐体5の内部温度を示すデジタル値(以下、温度値Tという)に変換する。
【0027】
以上の構成からなるHUD装置100では、その制御部60(CPU60a)が、本実施形態に特有の表示輝度調整処理と温度値更新周期変更処理とを実行することにより、照度センサ61からADC60dを介して取得した照度値Aと、温度センサ62からADC60eを介して取得した温度値Tとに基づいて、適宜、表示器1の表示輝度を調整する。
【0028】
ここからは、図3図5(a)、(b)を参照して、表示輝度調整処理、及び、温度値更新周期変更処理について説明する。制御部60(CPU60a)は、例えば、HUD装置100の電源投入を契機に、これらの処理を開始する。
まず、表示輝度調整処理について説明する。
【0029】
(表示輝度調整処理)
制御部60は、表示輝度調整処理を開始すると、まず、前回行った照度値Aと採用照度値Cとの比較判定から、予め定められた一定期間(例えば300msec)が経過しているか否かを判別する(ステップS101)。具体的には、制御部60は、例えば、後述するステップS105、ステップS106、ステップS107のいずれかの処理を実行した後からの期間をタイマで計時しており、この期間が、前記の一定期間を超えたか否かを判別する。
【0030】
一定期間が経過していれば(ステップS101;Yes)、制御部60は、照度値Aと採用照度値Cを取得し(ステップS102)、ステップS103の処理を実行する。具体的には、ステップS102で、制御部60は、照度センサ61からADC60dを介して、照度値Aを取得する(つまり、現在の照度値Aを取得する)とともに、RAM60cに一時的に記憶されている採用照度値Cを取得する。この採用照度値Cは、後述のステップS110又はS111の処理により、RAM60cに記憶されたものである。なお、初回の処理である場合は、制御部60は、例えば、予めROM60bにデフォルト値として記憶されている照度値を採用照度値Cの代わりに用いる。
一方、一定期間が経過していなければ(ステップS101;No)、制御部60は、後述するステップS108の処理を行う。なお、初回の処理の場合も、制御部60は、ステップS108の処理を行う。そして、次に、ステップS101を経てステップS102の処理を実行する際には、例えば、予めROM60bにデフォルト値として記憶されている照度値を採用照度値Cの代わりに用いる。
【0031】
ステップS103で、制御部60は、ステップS102で取得した照度値Aと採用照度値Cとの差の絶対値を算出し、算出した絶対値が予め定められた値(誤差吸収値h)よりも小さいか否かを判別する。算出した絶対値が誤差吸収値hよりも小さければ(ステップS103;Yes)、制御部60は、周囲照度に変化が無いとみなし、“同じ”と判定する(ステップS105)。
ここで、誤差吸収値hを設けた理由は、後述するように、制御部60は、取得した照度値Aに基づいて、適宜、表示器1の表示輝度を調整するが、これを設けないと、採用照度値Cと取得した照度値Aとの差が少しでも生じた場合に、表示輝度を変化させてしまうことになり、表示器1がちらついて視認されてしまうおそれがあるためである。つまり、誤差吸収値hは、周囲照度の変化を吸収できる幅として設けられるものである。この幅を調整することで、微小な周囲照度の変化を無効化し、微小な周囲照度変化によって表示器1がちらついて視認されることを抑制することができる。
【0032】
一方、算出した絶対値が、誤差吸収値h以上であれば(ステップS103;No)、制御部60は、照度値Aと採用照度値Cの大小関係を比較する(ステップS104)。
具体的には、照度値Aが採用照度値Cより小さい場合(ステップS104;Yes)、周囲照度が前回よりも上昇したと考えられるため、制御部60は、“明るい”と判定する(ステップS106)。周囲照度値Aが採用照度値Cより大きい場合(ステップS104;No)、周囲照度が前回よりも下降したと考えられるため、制御部60は、“暗い”と判定する(ステップS107)。
なお、ここでは、周囲照度が高くなればなるほど、照度値Aが小さくなるように設定されている。これは、制御部60の回路上の要請による。そのため、この実施形態では、照度値Aが採用照度値Cよりも小さい場合に、制御部60は、周囲照度が前回よりも上昇したと判定することができる。これとは逆に、変形例として、周囲照度の変化と照度値Aの増減との関係が、周囲照度が高くなればなるほど、照度値Aが大きくなるように設定することもできる。つまり、周囲照度が前回よりも上昇したか下降したかを判定することができればいずれの関係でもよい。
【0033】
制御部60は、ステップS105〜S107のいずれかの判定処理を行うと、判定結果をRAM60cに記憶させた後、ステップS108で、過去3回の判定結果を参照して、周囲照度が実質的に変化したのかを判断する処理を行う(ステップS108)。なお、ステップS101の処理で、一定期間が経過していないと判別した場合も(ステップS101;No)、制御部60はステップS108の処理を実行する。
ここで、過去3回の判定結果を参照する理由は、誤差吸収値hを設けた理由と同様である。つまり、急激な周囲照度の変化がそのまま表示輝度を調整するための採用照度値Cとして反映されないようにするためである。この実施形態では、誤差吸収値h及び過去3回の判定結果を参照することで、急激な、又は、微小な周囲照度変化によって表示器1がちらついて視認されることを抑制することができる。具体例を挙げれば、HUD装置100が搭載された車両の走行中に、HUD装置100が瞬間的に電柱等の影になったり、車両のワイパー動作でHUD装置100がワイパーの影に隠れたりする場合等であっても、このようにすることで、表示器1がちらついて視認されることを抑制することができる。
【0034】
具体的には、過去3回の判定結果が全て“明るい”であれば(ステップS108;全て明るい)、実質的に周囲照度が前回よりも上昇した(明るい)と考えてよいため(つまり、取得した照度値Aを表示輝度を調整するための採用照度値Aとしてもよいと考えられるため)、制御部60は、ステップS102で取得した照度値Aを、採用照度値Cとする(採用照度値Cを、照度値Aの値で更新する)(ステップS110)。
また、過去3回の判定結果が全て“暗い”であれば(ステップS108;全て暗い)、実質的に周囲照度は前回よりも下降した(暗い)と考えてよいため(つまり、取得した照度値Aを表示輝度を調整するための採用照度値Aとしてもよいと考えられるため)、制御部60は、ステップS102で取得した照度値Aを、採用照度値Cとする(採用照度値Cを、照度値Aの値で更新する)(ステップS110)。
これら以外の場合(ステップS108;その他)、制御部60は、ステップS109の処理を実行する。例えば、過去3回分の判定結果がRAM60cに記憶されていない場合も、ステップS109の処理に移る。
【0035】
ステップS109で、制御部60は、過去50回の判定結果を参照する(ステップS109)。
過去50回の判定結果が全て“同じ“であれば(ステップS109;全て同じ)、長い間、概ね周囲照度の変化が起こっていないが、実際には、誤差吸収値h内で周囲照度が変化している可能性があり、このような場合は、取得した照度値Aを表示輝度を調整するための採用照度値Aとしたほうがよいため、制御部60は、ステップS102で取得した照度値Aを、採用照度値Cとする(ステップS110)。
一方、それ以外の場合(ステップS109;その他)、周囲照度のちらつきと考えられるため、制御部60は、採用照度値Cを更新しない(ステップS111)。
【0036】
ここで、ステップS109における判定結果参照は、次の意味を持つ。
過去50回の判定結果が全て“同じ“であれば、制御部60は、長い間、周囲照度の変化が起こっていないと判断するが、実際には、誤差吸収値h内で周囲照度が変化している可能性がある(例えば、夕暮れ時のようにゆっくりと周囲照度が暗くなる場合等)。しかし、このように一定の周期(ここでは判定50回に必要な期間)で、照度値Aを採用照度値Cとすれば、周囲照度の変化を的確に反映できる。なお、この一定の周期が短すぎると、表示器1がちらついて視認される原因となるため、ちらつきと感じさせない程度の長い周期を定める必要がある。
【0037】
ステップS110又はS111を経て、制御部60は、温度補正前目標輝度を決定する(ステップS112)。なお、ステップS110を経た場合は、ステップS102で取得した照度値Aが採用照度値Cとして以降の表示輝度調整に活かされることになり、ステップS111を経た場合は、前回の採用照度値Cのまま、表示輝度が調整されることになる。
ステップS112で、具体的には、制御部60は、ROM60bに格納されている照度テーブルTAを参照し、採用照度値Cに対応する温度補正前目標表示輝度Qの値を取得する。照度テーブルTAは、周囲照度に対して観察者7が視認しやすい表示輝度の対応関係の情報であり、図5(a)に示すように、採用照度値Cと温度補正前目標表示輝度Qの値とが対応して構成されている。例えば、採用照度値Cが所定の値C1である場合、図示するように、C1に対応したQ1が温度補正前目標表示輝度Qの値として決定される。なお、図示するC1等が、採用照度値の範囲を示しており、採用照度値Cがこの範囲内にある場合に、温度補正前目標表示輝度Qの値としてQ1等が決定されてもよい。
【0038】
続いて、制御部60は、目標表示輝度Ptを決定する(ステップS113)。
具体的には、まず、制御部60は、ROM60bに格納されている温度テーブルTTを参照して、取得した温度値T(後述する温度値更新周期変更処理のステップS212で取得した温度値Tfix)に対応する温度補正係数bを取得する。温度テーブルTTは、温度に対する表示輝度の増減率の情報であり、図5(b)に示すように、温度値Tと温度補正係数bとが対応して構成されている。例えば、温度値Tが所定の値T1である場合、図示するように、T1に対応したb1が温度補正係数bとして決定される。なお、図示するT1等が、温度値の範囲を示しており、温度値Tがこの範囲内にある場合に、温度補正係数bとしてb1等が決定されてもよい。そして、制御部60は、決定した温度補正係数bとステップS112で取得した温度補正前目標表示輝度Qの値とを演算する(例えば、乗ずる)ことで目標表示輝度Ptを算出し、決定する。
【0039】
続いて、制御部60は、今回出力輝度Pnを決定する(ステップS114)。今回出力輝度Pnは、前回出力輝度PoとステップS113で決定した目標表示輝度Ptとから算出される。
ここで、前回出力輝度Poとは、前回のステップS114の処理において決定された出力輝度であり、決定後、RAM60cに記憶されたものである。なお、初回の処理である場合は、制御部60は、例えば、予めROM60bにデフォルト値として記憶されている出力輝度や、図示しない入力手段からユーザ操作に基づいて設定された出力輝度を、前回出力輝度Poの代わりに用いる。
具体的には、制御部60は、次の(数1)に示す式により今回出力輝度Pnを算出し、決定する。
【0040】
【数1】
【0041】
この式は、目標表示輝度Ptと前回出力輝度Poとの差分を算出し、算出した差分を所定の係数aで除した増減分を前回出力輝度Poに加算することで今回出力輝度Pnとなることを意味している。この式により、今回出力輝度Pnが徐々に目標表示輝度Ptに到達するようになる。これにより、前回出力輝度Poから突然目標表示輝度Ptに変化して、表示輝度が急激に変化し、観察者7が驚くようなことを防止できる(観察者7の視認上の負担を軽減できる)。
なお、係数aは、表示輝度上昇時と下降時で同じである必要は無く、人間の目の特性に応じ異なる値を使用してもよい。一般的に、明順応は暗順応よりも要する時間が短い。この特性を利用して、例えば、輝度上昇時には、係数aを小さくすることで今回出力輝度Pnが目標表示輝度Ptに到達するまでの時間を短くし、輝度下降時には、係数aを大きくすることで今回出力輝度Pnが目標表示輝度Ptに到達するまでの時間を長くすることもできる。このようにすれば、人間の目の特性に合った輝度変化を実現できる。
【0042】
続いて、制御部60は、表示器1の表示輝度が、今回出力輝度Pnになるような輝度制御信号Pを駆動回路63へ出力する(ステップS115)。つまり、制御部60は、輝度制御信号Pにより、駆動回路63を介して、表示器1を駆動する。これにより、表示器1が、今回出力輝度Pnに合致した(または沿った)表示輝度で表示動作を行う。
【0043】
以上のステップS101からステップS115までを繰り返すことで、車両前方の照度に対して視認しやすい表示輝度を自動的に調整することが可能となる。
次に、温度値更新周期変更処理について説明する。
【0044】
(温度値更新周期変更処理)
制御部60は、温度値更新周期変更処理を開始すると、まず、前回の温度値Tの取得時から、予め定められた一定期間(例えば20msec)が経過しているか否かを判別する(ステップS201)。具体的には、制御部60は、温度値更新周期変更処理の開始時、及び、後述のステップS213の処理で、タイマを0(ゼロ)に設定すると共にタイマで計時しており、この計時期間が、前記の一定期間を超えたか否かを判別する。一定期間が経過していなければ(ステップS201;No)、待機する。
【0045】
一定期間が経過していれば(ステップS201;Yes)、制御部60は、現在の温度値Tnewを取得する(ステップS202)。
具体的には、ステップS202で、制御部60は、温度センサ62からADC60eを介して、温度値Tを取得する(つまり、現在の温度値Tnewを取得する)とともに、RAM60cに一時的に記憶されている温度値Tfixを取得する。この温度値Tfixは、後述のステップS212の処理で、RAM60cに記憶されたものである。なお、初回の処理である場合は、制御部60は、例えば、予めROM60bにデフォルト値として記憶されている温度値をTfixの代わりに用いる。
続くステップS203で、制御部60は、取得したTnewとTfixとの差(温度差S)を算出する。
【0046】
次に、制御部60は、算出した温度差Sの値が、SmaxからSminの間にあるか否か(Smax以上、且つ、Smin以下であるか否か)を判別する(ステップS204)。
ここで、Smaxは、前回の温度値更新(後述するステップS209を経て、ステップS211;Noと遷移した場合)から現在までの最大の温度上昇値であり、正の値を示す。Sminは、前回の温度値更新(後述するステップS210を経て、ステップS211;Noと遷移した場合)から現在までの最大の温度下降値であり、負の値を示す。なお、Smax及びSminの更新前である場合は、初期値として予めROM60bに記憶されているSmax及びSminを用いる。
【0047】
SがSmaxからSminの間にあれば(ステップS204;Yes)、制御部60は、温度値更新周期(更新期間)を変更せずに、ステップS211の処理を実行する。
一方、SがSmaxからSminの範囲外であれば(ステップS204;No)、制御部60は、更新周期を、これまでの更新周期より短い値に設定する(ステップS205)。
具体的には、次の(数2)に示す式のように、更新周期を、これまでの更新周期に対し2の「Sの絶対値」乗で除した値に設定する。以下では、これまでの更新周期を「短縮前更新周期Do」、設定後の更新周期を「短縮後更新周期D」とする。
【数2】
【0048】
続いて、制御部60は、ステップS205で設定した短縮後更新周期Dが、予めROM60bに等に定められた最短更新周期(例えば10sec)よりも短いか否かを判別する(ステップS206)。
制御部60は、ステップS205で設定した短縮後更新周期Dが、最短更新周期よりも短ければ(ステップS206;Yes)、最短更新周期を新たな更新周期に設定し(ステップS207)、最短更新周期よりも長ければ(ステップS206;No)、ステップS205で設定した短縮後更新周期Dをそのまま使用する(つまり、短縮後更新周期Dを新たな更新周期に設定する)。
ここで、最短更新周期を設けた理由は、制御部60は、取得した温度値T(詳しくは、後述するステップS212で更新された温度値Tfix)に基づいて、適宜、表示器1の表示輝度を調整するが、これを設けないと、あまりに短い周期で新たな温度値Tに更新され、これに応じて表示輝度を変化させてしまうことになり、表示器1がちらついて視認されてしまうおそれがあるためである。従って、最短更新周期は、それに伴う表示輝度の変化が起こってもちらつきと感じないような期間として予め設定されている。
【0049】
続いて、制御部60は、温度差Sが正の値であるか負であるか(S>0であるか否か)を判別する(ステップS208)。
制御部60は、温度差Sが正の値であれば(ステップS208;Yes)、その値でSmaxを更新し(ステップS209)、温度差Sが負の値であれば(ステップS208;No)、その値でSminを更新する(ステップS210)。これにより、後述のステップS212で温度値Tを更新するまでは(つまり、後述のステップS211;Noが続いている間は)、表示器1の周囲温度(ここでは、筐体5の内部温度)の変化の度合いに合わせて、更新周期を変化させることができる。具体的には、周囲温度の変化の振れ幅が大きい場合には、更新周期を短くすることができるため、周囲の温度環境を、より反映した形で、表示輝度を調整することができる。
【0050】
続いて、制御部60は、ステップS211の処理を実行するが、ここまでの処理を経て、更新周期が定まっている。
具体的には、温度変化の振れ幅が大きい場合(ステップS204;No)には、前回よりも短い短縮後更新周期D(ステップS206;No)、又は、最短更新周期(ステップS207)が更新周期として定まり、温度変化の振れ幅が小さい場合(ステップS204;Yes)、前回の更新周期をそのまま用いることになる。
ステップS211で、制御部60は、前回の温度値更新時から、以上のようにして定まった更新周期が経過しているか否かを判別する。
具体的には、制御部60は、後述のステップS213の処理で、リセットされたタイマにより、計時された期間が、更新周期を超えたか否かを判別する。計時期間が更新周期を超えていなければ(ステップS211;No)、ステップS201からステップS211までの処理を繰り返す。
【0051】
前回の温度値更新時から更新周期が経過していれば(ステップS211;Yes)、制御部60は、今回取得した温度値(つまり、直近のステップS202で取得したTnew)を今回の温度値Tfixとする(温度値を更新する)(ステップS212)。
これにより、制御部60は、前述の表示輝度調整処理のステップS113で目標表示輝度Ptを決定する際に用いられる温度値Tとしての、Tfixを取得する。
【0052】
続いて、制御部60は、タイマのリセット、更新周期の初期化(例えば5min)、Smax及びSminの初期化を行う(ステップS213)。
【0053】
以上のステップS201からステップS213までを繰り返すことで、周囲の温度変化が激しいときは温度変化に対する追従性を向上し、表示輝度の補正を行うことができ、且つ、温度変化が少ない(または温度変化が無い)ときは、温度変化に対する表示輝度の変更が頻繁に行われないので、ちらつきを防ぐことができる。
【0054】
以上に説明したHUD装置100は、所定の画像を表す表示光Lを出射することで、前記画像を表示する表示器1と、表示器1の周囲の照度を検出する照度センサ61と、表示器1の周囲の温度を検出する温度センサ62と、制御部60と、を備える。制御部60は、取得手段と、輝度調整手段と、周期変更手段としての機能を有し、取得手段は、照度センサ61が検出した照度と、温度センサ62が検出した温度とを取得し、輝度調整手段は、前記取得手段が取得した照度と、前記取得手段が所定の周期(温度値更新周期)で取得した温度とに基づいて、表示光Lの輝度を調整し、周期変更手段は、前記取得手段が第1のタイミングと第2のタイミングとにおいて取得した温度の変化量(温度差S)を算出し、算出した前記変化量に基づいて前記所定の周期の間隔を変更する。
具体的には、制御部60は、周期変更手段としての機能により、算出した前記変化量が予め定められた基準量(Smin又はSmax)を超えた場合には前記所定の周期(温度値更新周期)を短くする。
これにより、周囲照度のみならず、周囲温度に応じて良好に表示輝度(表示光Lの輝度)を調整することができる。
【0055】
また、制御部60は、周期変更手段としての機能により、算出した前記変化量が予め定められた基準量(Smin又はSmax)を超えた場合には前記所定の周期(温度値更新周期)を短くするとともにSmin又はSmaxを温度差Sに更新する(ステップS209又はステップS210参照)。
これにより、前述したように、表示器1の周囲温度の変化の度合いに合わせて、更新周期を変化させることができる。具体的には、周囲温度の変化の振れ幅が大きい場合には、更新周期を短くすることができるため、周囲の温度環境を、より反映した形で、表示輝度を調整することができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態及び図面によって限定されるものではない。これらに変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。
【0057】
以上の温度値変更周期変更処理では、温度差Sを算出し、算出した温度差SがSmin又はSmaxを超えるものであった場合(ステップS204;No)に、温度値更新周期を短くするものとしたがこれに限られない。
温度値更新周期の初期値を短めに設定し、算出した温度差Sが、Smin又はSmax以内である場合に、温度値更新周期を長くしてもよい。つまり、更新周期変更前は高い頻度で温度値を更新するが、周囲温度の変化が緩やかである場合には更新周期を長く変更する、というようにしてもよい。
【0058】
また、以上では、制御部60は、算出した温度差Sが所定の条件を満たす場合には、Smin又はSmaxを温度差Sに更新するとしたがこれに限られない。
温度差Sを多少増減した値でSmin又はSmaxを更新してもよい。つまり、Smin又はSmaxを、温度差Sに応じた値に更新するようにしてもよい。
【0059】
また、以上の説明では、温度センサ62が筐体5の内部温度を検出する例を示したがこれに限られない。表示器1の温度を想定することができれば、温度センサ62が筐体5の外部温度を検出してもよいし、温度センサ62が制御部60に内蔵されていてもよい。つまり、表示器1の周囲の温度を検出するとは、表示器1の周囲温度を直接検出することのみならず、間接的に検出できることも含む。
【0060】
また、以上では、表示装置がHUD装置100である例を説明したため、照度センサ61が表示器1の周囲照度として、コンバイナ3の前方、つまり観察者7が表示画像を視認する際の背景方向の外光Nの照度を検出する例を示したがこれに限られない。照度センサ61の検出する照度の方向は、本発明の思想が適用可能な表示装置の構成に応じて、適宜、変更することができる。
【0061】
以上の説明では、表示器1がLED表示器として構成される例を示したが、表示器1は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、LED光源等に透過照明される透過型の液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。
【0062】
以上では、表示輝度調整処理におけるステップS108、ステップS109で、具体的な判定回数を挙げて説明したが、判定回数はこれに限定されるものでなく、適宜、増減してもよい。
【0063】
以上では、温度値更新周期変更処理におけるステップS201、ステップS206、ステップS213等で、具体的な時間を挙げて説明したが、時間はこれに限定されるものでなく、適宜、短縮、延長してもよい。
【0064】
以上では、温度値Tの更新周期の短縮に、温度差Sを用いた計算式を挙げて説明したが、これに限定されるものでなく、温度差Sと対応する更新周期の値を格納したテーブルデータを使用してもよい。この他にも、上記処理で、ある値を得るために計算式を用いた例と、テーブルを用いた例とがあるが、適宜、変更可能である。
【0065】
以上の説明では、表示器1からの表示光Lを、反射部2で反射させ、コンバイナ3に到達させる例を示したが、これに限られない。表示器1が表示光Lを直接コンバイナ3に向けて出射するようにHUD装置100を構成してもよい。この場合、表示器1とコンバイナ3とは略対向するように設けられ、反射部2は、不要である。
【0066】
以上の説明では、HUD装置100を設置する乗り物の一例を車両としたが、これに限られない。HUD装置100をその他の乗り物(船舶、航空機等)に設置することもできる。さらには、乗り物に設置するものに限らず、室内に設置する卓上インテリア等に適用することも可能である。
【0067】
以上では、HUD装置100を据え置き型のものとして説明したが、HUD装置100は、例えば、車両のダッシュボードと一体的に構成されるものであってもよい。
【0068】
以上では、表示装置の一例としてHUD装置100を挙げたが、これに限られない。その他の表示装置(カーナビゲーション装置、携帯端末装置等)であってもよい。但し、HUD装置は、背景(風景)と重ねて表示画像を視認させるため、特に、表示輝度の調整が必要であること、車両に搭載される場合が多いため、特に、温度変化が激しいこと等を踏まえると、上記のように表示輝度調整処理、温度値更新周期変更処理を実行する表示装置としては、HUD装置が好適である。
【0069】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【符号の説明】
【0070】
100 HUD装置
1 表示器
2 反射部
3 コンバイナ
4 導光体
5 筐体
6 回路基板
60 制御部
60a CPU
61 照度センサ
62 温度センサ
63 駆動回路
図1
図2
図5
図3
図4