(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
任意のコースを生成するコース生成手段と、前記コース生成手段により生成された任意のコースを記憶する記憶手段とを更に備えることを特徴とする請求項1記載の移動軌跡検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態の概要)
本実施の形態は、何らかの方法によりウォーキング、ランニング、散歩等を行うコースを事前に装置に登録しておく。登録する情報は移動経路情報だけで良い。そして、装置にはGPS等の絶対位置を計測して現在いる場所を特定できるものを搭載していて、その測位した位置と時間を記録しておく装置である。
【0014】
この装置で位置を間欠に受信をしていく際、事前に記録しておいたコースデータの位置と間欠受信した位置が非常に近い場合には、そのコースを歩いたり走ったりしていると判断し、間欠受信した2点間の間の位置測位を行っていない場所は、事前に登録してあるコースを通っていると判断し、その道のりを間欠受信の間の軌跡として記録に加えるものとする。その際、2点間の時間差とコースの道のりから平均速度を算出し、移動軌跡に加えるコースの位置情報の時間をその平均速度から導き出して登録を行う。次回行う間欠受信までの間は、前回計算した平均速度を使って仮の移動速度として現在いるであろう位置を求めるのに利用する。同様に間欠受信を行うと仮に利用した位置情報は破棄し、上述の2点間の時間差と道のりから平均速度を計算して、その値から移動した場所と時間を記録に加えるようにして、移動軌跡を作り上げていく。
すなわち、GPS等の位置測位が行える装置を備えた移動軌跡取得機器において、ウォーキングやランニングコースとしてあらかじめ設定したコースデータを登録しておく。走り始めた際に間欠で位置測位を行って位置を特定していくと複数登録してあるコース群から次第にひとつのコースが選定され、そのコースを走ることで間欠受信でも精度良く軌跡を作ることができる装置である。
【0015】
(実施形態の詳細)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るリスト端末1を用いたシステムの全体外観図である。このシステムは、リスト端末1とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル2を介して有線で接続されるPC(Personal Computer)3とで構成される。リスト端末1は、腕時計形状に構成され、表示部101を有する。ウォーキング中に腕に装着して使用するものである。なお、USBケーブル2を用いることなく、例えばBluetooth(登録商標)等でリスト端末1とPC3とを無線接続する構成であってもよい。
【0016】
図2は、リスト端末1の回路構成を示すブロック図である。図示のようにリスト端末1は、制御部102を有し、この制御部102に地図データ記憶部102、前記表示部101、時計部104、GPS(Global Positioning System)衛星受信装置105、電源106、USBポート107、位置演算処理部108、ウォーキングコース記憶装置109、軌跡データ記憶装置110、及びウォーキングコースデータ設定処理部112が接続された構成である。
【0017】
制御部102は、CPU(Central Processing Unit)、及びCPUの周辺回路、予めプログラムやデータを記憶するROM(Read Only Memory)、作業用メモリ等として用いられるRAM(Random Access memory)等で構成され、リスト端末1の全体の動作を制御する。
【0018】
表示部101は、
図1に示したように、長方形状であってカラー液晶パネルやEL(Electro Luminescence)とこれを駆動するドライバ回路等で構成されている。地図データ記憶部102には、当該リスト端末1の表示部101や、後述するPC3の表示部に地図を表示させることのできる地図データが記憶されている。地図データは、例えばレイヤー1〜3データで構成されている。レイヤー1データは地図データにおける地形データであり、レイヤー2データは地図データにおける道路、路線データであり、レイヤー3データは地図データにおけるランドマーク(目印、指標)データである。したがって、これら地形データ、道路、路線データ、ランドマーク(目印、指標)データを重ね合わせて合成することにより、これら地形、道路、路線、ランドマーク(目印、指標)を有する地図データが作成されて表示可能となる。なお、建築物の撤去や新たな建設により、ランドマークは頻繁に変化することから、レイヤー3データのランドマークデータのみを更新することにより、容易にランドマークの変化に対応できるように構成されている。道路は、いわゆる車道という意味ではなく、公園内の散策路なども含む。また逆に高速道路などの自動車専用道路はコース設定時に除くように構成してもよい。
【0019】
時計部104は、現在時刻を計時し、この計時された現在時刻は時計モードが設定されている状態において、表示部101に表示される。GPS衛星受信装置105は、複数の測位衛星(GPS衛星)から送られてくる電波をGPS受信アンテナ111により受信することによって、現在位置を示す緯度・経度からなる位置データを取得し、取得した位置データを、使用者の現在位置を示す位置情報として制御部102に供給する。
【0020】
電源106は充電池と電源回路を含み、リスト端末1を構成する電気的部分の各部に必要な電力を供給する。USBポート107は、USBケーブル2が接続されるケーブルである。位置演算処理部108は、地図データに基づく地図上において、GPS衛星受信装置105が供給する現在位置情報(緯度・経度)に対応する位置(座標位置)を演算する。ウォーキングコース記憶装置109は、地図上にウォーキングコースが着色表示されたウォーキングコースを表示させるウォーキングコースデータを記憶する。軌跡データ記憶装置110は、後述するように、このリスト端末1を腕に装着してウォーキングを行った際に生成された軌跡を示すデータを地図データとともに記憶する。ウォーキングコースデータ設定処理部112は、現在ユーザウォーキングしているコースがウォーキングコース記憶装置109に記憶されている複数のウォーキングコースのうちのこのコースであると判定された場合、判定されたウォーキングコースを示すウォーキングコースデータを設定して記憶するものである。
【0021】
図3は、PC3の回路構成を示すブロック図である。図示のように、このPC3は、バス301を介して互いに接続された制御部302、HDD(Hard Disk)303、RAM(Random Access Memory)304、サウンド処理部305、グラフィック処理部306、DVD/CD−ROMドライブ307、通信インターフェイス308、及びインターフェイス部309を備えている。
【0022】
制御部302は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、ROMに記憶されているブートプログラムやOS(Operating System)等の基本プログラムに基づき、RAM304に記憶されたプログラムを順次実行して、各種処理等を行うとともに、PC3本体内の各部の動作を制御する。HDD303には、通信インターフェイス308及びインターネット4、USBポート320を介してインターフェイス部309から取り込んだプログラム及び、地図データやその他のデータが記憶される。
【0023】
RAM304は、メインメモリとして使用されるもので、DVD/CD−ROM310から転送された、プログラムやデータを記憶する。RAM304は、また、プログラム実行時におけるワークエリアとしても使用される。サウンド処理部305は、制御部302からの指示に従って、サウンドデータを再生するための処理を行い、音声信号として出力するとともに、この音声信号を再生するスピーカを含む。
【0024】
グラフィック処理部306は、制御部302からの指示に従って各種画像データを生成し、また、グラフィック処理部306は、生成した画像データに所定の同期信号を付加して、ビデオ信号として表示装置311に出力する。DVD/CD−ROMドライブ307は、制御部302からの指示に従って、PC3にセットされたDVD/CD−ROM310を駆動し、DVD/CD−ROM310に格納されているプログラムやデータを、バス301を介してRAM304に転送する。通信インターフェイス308は、通信回線を介して外部のインターネット4に接続され、制御部302からの指示に従って、外部のインターネット4との間でプログラムやデータを授受するための処理を行う。
【0025】
インターフェイス部309には、キーボード312とマウス313とが接続される。このインターフェイス部309では、キーボード312及びマウス313と制御部302やRAM304との間のデータの授受を制御する。HDD303は、各種プログラムや後述するフローチャートに示す、このPC3をアプリケーション配信システムにおける端末装置として動作させる為のプログラムや各種データを格納している。DVD/CD−ROM310は、DVD/CD−ROMドライブ307によって駆動されて、格納しているプログラムやデータが読み出される。DVD/CD−ROM310から読み出されたプログラムやデータは、DVD/CD−ROMドライブ307からバス301を介してRAM304に転送される。表示装置311は、グラフィック処理部306からのビデオ信号に対応する画像を表示する液晶パネル等からなる表示画面を備えている。
【0026】
(コース作成)
図4は、本実施の形態においてPC3を用いてウォーキングコースを作成するコース作成処理の処理手順を示すフローチャートである。PC3の制御部302は、ROMに記憶されているプログラムに基づき、このフローチャートに示すように処理を実行する。すなわち、軌跡使用範囲指定処理を行って、表示装置311に表示されている地図上にユーザが所望するコースを書き込ませる。例えば、マウス313の操作に応じてポインタを移動させるとともに、ポインタの移動軌跡上にコースを描画する。これにより、
図5(A)に示すように、表示装置311に表示されている地
図351上に、フリーハンドで描画された仮想ウォーキングコース355が表示される。
【0027】
しかし、この仮想ウォーキングコース355は、ユーザがドラッグによるマニュアル操作により描画したものであるから、必ずしも地図上の道路とは一致していない。よって、仮想ウォーキングコース355は、その大部分がウォーキング不可能である不完全なものとなる。
【0028】
そこで、次に道路マッチング処理を行って、仮想ウォーキングコース355をこれに最も近い位置に存在するウォーキング可能な道路を地図から順次抽出し、この抽出した道路を順次結合してウォーキングコースを生成する(ステップSP102)。しかる後に、コース表示処理を行って、前記道路マッチング処理を行ったコースを表示装置311に表示させる(ステップSP103)。したがって、このステップSP103での処理により、
図5(B)に示すように、同図(A)の仮想ウォーキングコース355をウォーキング可能に修正した修正ウォーキングコース356が表示装置311に表示される。
【0029】
次に、ユーザのキーボード312にての操作等によるコース修正指示があったか否かを判断し(ステップSP104)、ない場合にはコース登録処理を実行して、この修正ウォーキングコース356を地図データとともに、HDD303に保存する(ステップSP105)。また、コース修正指示があった場合には、コース修正処理を実行した後(ステップSP106)、ステップSP102からの処理を繰り返す。
【0030】
したがって、
図4に示したコース作成処理が複数回実行されることにより、HDD303には、複数のウォーキングコースが登録されていく。また、このようにしてPC3で作成した場合に限らず、インターネット4を介して外部から取り込んだウォーキングコースもHDD303に記憶させることもできる。これより、HDD303には、東京マラソン、ホノルルマラソン、皇居前ジョギングコースような有名な多数のコースがその経路等を示すデータで登録されることとなる。
【0031】
(コース登録)
図6は、本実施の形態におけるリスト端末1が実行するコース登録処理の処理手順を示すフローチャートである。PC3とUSBケーブル2で接続されて、PC3と通信可能な状態において、リスト端末1の制御部102は、ROMに記憶されているプログラムに基づき、このフローチャートに示すように処理を実行する。すなわち、地図データ表示処理を実行して、地図データ記憶部102に記憶されている地図データを読み出し、この読み出した地図データに基づく地図を表示部101に表示させる(ステップSW101)。引き続き、ウォーキングコース入力処理を行って、PC3のHDD303に記憶されている選択されたウォーキングコースのコースデータを順次入力させる。
【0032】
このとき、コースデータの入力に追従させて、表示部101に表示させれている地図上にコースを着色表示させることにより、ユーザにウォーキングコースの入力中であること知らしめることが好ましい。
【0033】
次にこのコースの入力が終了したか否か、つまり当該ウォーキングコースのコース全データの入力が終了したか否かを判断し(ステップSW103)、コース全データの入力が終了するまでステップS102からの処理を繰り返す。コース全データの入力が終了したならば、このウォーキングコースをウォーキングコース記憶装置109に記憶させる。
【0034】
したがって、
図6に示したコース登録処理が複数回実行されることにより、ウォーキングコース記憶装置109には、PC3のHDD303に登録されている複数のウォーキングコースがコピーされて記憶されることとなる。
【0035】
なお、リスト端末1にインターネット接続機能を設け、PC3のHDD303に登録されているウォーキングコースに限らず、インターネット4を介して外部から取り込んだウォーキングコースもウォーキングコース記憶装置109に記憶させることができるようにしてもよい。このようにすれば、前述のPC3の場合と同様に、東京マラソン、ホノルルマラソン、皇居前ジョギングコースのような有名な多数のコースをその経路等を示すデータでウォーキングコース記憶装置109に記憶させることができる。
【0036】
なお、このウォーキングコース記憶装置109へのコースの記憶に際しては、登録しようとするコースの一部が既に登録済みのコースと重畳する場合には、ステップSW104での登録処理の際に登録が拒否される。よって、ウォーキングコース記憶装置109には、コースに重畳のない独立したコースでのみ構成されている複数のコースが記憶されている。
【0037】
(軌跡記録保存)
図7は、本実施の形態におけるリスト端末1が実行する軌跡保存処理の処理手順を示すフローチャートである。ユーザは腕にリスト端末1を装着してウォーキングを開始する。このとき、ウォーキングを行うコースは、ウォーキングコース記憶装置109に記憶されているコースのいずれかであり、それ以外のコースでのウォーキングは行わないものとする。
【0038】
すなわち、複数の測位衛星(GPS衛星)から送られてくる電波を受信すべき時間であるGPS受信時間となったか否かを判断する(ステップSW201)。GPS受信時間となったならば、このGPS間欠受信の受信間隔を計測している時計の補正処理を行ってリセットする(ステップSW202)。なお、GPS受信間隔は、前述した従来の間欠受信の受信間隔よりも遙かに長く、例えば10倍、50倍、100倍等の長さである。そして、受信したGPS電波から現在位置を演算する(ステップSW203)。
【0039】
一方、RAMの一部には、前回の現在位置である「前回位置」と前回の現在位置を演算したときの時刻である「前回時刻」とを記憶する「前回エリア」と、今回の現在位置である「今回位置」と今回の現在位置を演算したとき時刻である「今回時刻」とを記憶する「今回エリア」とが設けられている。そして、ステップSW204では、「前回エリア」に「前回位置」「前回時刻」とが記録されているか否かを判断する。「前回エリア」に「前回位置」「前回時刻」とが記録されていない場合にはステップSW205の処理を行うことなく、ステップSW206へ処理を進める。
【0040】
「前回エリア」に「前回位置」「前回時刻」とが記録されている場合には、この「前回エリア」に記録されている「前回位置」「前回時刻」とを消去して、この時点で「今回エリア」に記録されている「今回位置」と「今回時刻」とを「前回エリア」に移動し、「前回位置」と「前回時刻」として記録する(ステップSW205)。したがって、このステップSW205での処理により、「前回エリア」には新たな「前回位置」「前回時刻」が記録され、「今回エリア」は空欄となる。そこで、この空欄となった「今回エリア」に今回のステップS203での演算で得られた「今回位置」とその時刻である「今回時刻」とを記録する(ステップSW206)。
【0041】
したがって、RAMの「前回エリア」と「今回エリア」とには、連続する「前回位置」と「今回位置」とが更新されつつ記録されていることになる。そこで、この連続する「前回位置」と「今回位置」とが一致する地点を有する登録コースをウォーキングコース記憶装置109に記憶されているか否かを判断する(ステップSW207)。この連続する「前回位置」と「今回位置」とが一致する地点を有する登録コースがウォーキングコース記憶装置109に記憶されていない場合には、ユーザがウォーキングを開始している登録コースが既に判定されたか否かを判断する(ステップS208)。登録コースが判定されていない場合には、ステップSSW201からの処理を繰り返し、登録コースが判定されている場合には、ステップSW212に処理を進める。
【0042】
また、ステップSW207での判断の結果、連続する「前回位置」と「今回位置」とが一致する地点を有する登録コースがウォーキングコース記憶装置109に記憶されている場合には(ステップSW207;YES)、前述のステップS208と同様に、ユーザがウォーキングを開始している登録コースが既に判定されたか否かを判断する(ステップS2089)。登録コースが判定されてない場合には、コース判定処理を実行する(ステップSW212)。
【0043】
すなわち、連続する「前回位置」と「今回位置」とが一致する地点を有する登録コースがウォーキングコース記憶装置109から読み出し、この読み出した登録コースをユーザがウォーキングを開始したコースであると判定する(ステップS212)。次に、軌跡補間処理を行って、地図上における連続する「前回位置」と「今回位置」との間の道路を着色して連続させる等の補間を行う(ステップSW213)。また、補間軌跡記録処理を実行して、「前回位置」と「今回位置」との間の軌跡を軌跡データ記憶装置110に追記する(ステップSW214)。これにより、軌跡データ記憶装置110には、スタート地点から現地点までの連続した移動軌跡が記憶されることとなる。
【0044】
引き続き、平均速度計算処理を実行して、平均速度を算出する(ステップSW215)。このとき、「前回位置」と「今回位置」、及び「前回時刻」と「今回時刻」とは既知であることから、「前回位置」「今回位置」=距離、「前回時刻」−「今回時刻」=時間により、距離と時間とが分かる。よって、距離÷時間=今回の速度が算出できる。また、この時点までに複数算出されている「今回の速度」の合計を算出回数で除することにより、平均速度が算出されることとなる。
【0045】
引き続き、現在/予測位置表示処理により、表示部101に地図を表示させその地図上に現在までに演算した位置を点で表示させるとともに、予測位置を点で表示させる(ステップSW216)。さらに現在までに演算した位置の点を順次結んで、補間軌跡を作成し、この作成した補間軌跡を表示させる(ステップSW217)。次に、この軌跡記録保存を終了させるための操作であるスイッチオフ操作がなされたか否かを判断し(ステップSW217)、スイッチがオフにされない限りステップSW201からの処理を繰り返す。
他方、ステップSW201の判断がNOであってGPS受信時間でない場合には、予測位置処理可能であるか否かを判断する(ステップS210)。このとき、既にコースが判定済みであり、平均速度も算出されおり、「前回位置」と「今回位置」も判明していれば、GPS情報がなくても現在位置を予測することが可能である。よって、この場合には、ステップSW210の判断がYESとなり、予測位置処理を実行して、前記各要素を用いて現在位置、あるいは現在位置よりも更に移動した位置を算出する(ステップSW211)。しかる後に、前述したステップSSW216移行の処理を行う。
【0046】
したがって、以上の実施の形態によれば、間欠的なGPS受信により省電力化を図りつつ、ウォーキング等での移動軌跡を精度よく検出することができる。よって、大型の電池を搭載する必要もなく、大型の電池を搭載することに起因する装置の大型化を未然に防止し、携帯しても運動の妨げとならない小型の装置とすることができる。
【0047】
なお、ステップSW215では、平均速度を計算するようにしたが、消費カロリを計算するようにしてもよい。つまり、前述のようにして計算した運動速度と、予めユーザが入力した、性別、年齢、身長、体重からBMI値を求めることにより、消費カロリを計算することができる。
【0048】
(実施形態の効果)
本実施の形態は、登録してあるコースの中のどれかのコースを使ってウォーキングを行うことを前提としコースを逸脱せずに移動するという条件下において、GPS等による絶対位置の位置測位の頻度を大幅に下げることが可能になり、位置測位を行っていない場所においてはコースの道のりと間欠受信による位置測位と経過時間から平均速度を導き出し、軌跡に位置と時間を補完することで軌跡の密度を高め低消費化が可能な方法になった。
さらに、次に間欠受信を行うまでの間も、コースマッチング処理と平均速度予測値から現在いるであろう位置を導き出すことが可能になり、GPS等の測位が少ない回数であっても移動軌跡だけでなく現在位置までもある程度の精度を持って表現することができる。
これを今までの技術と比較すると、今までの装置ではGPSのような測位技術を利用して連続で測位することで移動軌跡を記録していく方法を用いていた。これにより移動の道のりをが細かく記録されていくことになり移動速度、消費カロリー、燃焼脂肪量などを計算して求めるものであった。この方法は確かに精度が出る計測方法である。
しかし、GPSでの位置測位方法などを連続で行うことにより位置測位を行う方法のため、毎秒測位を欠かさずに行う方法であるため、消費電力が非常に高くなり車などの恒久的な電源が備わっているものであれば問題にならないがウォーキングやランニングのような運動の時に持ち歩くものとしては長時間の測位を行うためには大きな電池を搭載しなくてはならず非常に大きな装置となり運動の妨げになってしまう。
一方小さい電池にして携帯性を高めると電池が長く持たないものになるため短時間の測位で可能な場合を除き利用には不向きであるという大きな欠点があった。
それらの欠点を考え、GPS等による絶対位置の測位機能を持たない、つまり道のりを計測しない方法によって歩数カウントだけを記録し消費カロリ等を導き出すような活動量計というものがあるが、ことらは電池の持ちは良いものではあるが、どこを歩いてきたのかを記録しないため歩数記録とその少ない情報から消費カロリ等を計算して求めるものであるために計算結果は精度の低いものにしかならないという問題点があった。
本実施の形態は、登録してあるコースの中のどれかのコースを使ってウォーキングを行うことを前提としコースを逸脱せずに移動するという条件下において、GPS等による絶対位置の位置測位の頻度を大幅に下げることが可能になり、位置測位を行っていない場所においてはコースの道のりと間欠受信による位置測位と経過時間から平均速度を導き出し、軌跡に位置と時間を補完することで軌跡の密度を高め低消費化が可能な方法になった。
さらに、次に間欠受信を行うまでの間も、コースマッチング処理と平均速度予測値から現在いるであろう位置を導き出すことが可能になり、GPS等の測位が少ない回数であっても移動軌跡だけでなく現在位置までもある程度の精度を持って表現することができる。
【0049】
なお、以上の実施の形態においては、ウォーキングを例にして説明を行ったが、ウォーキングに限らず、ランニング、ジョギング、マラソン、サイクリング、ドライブ等の人が移動する場合に適用し得ることは勿論である。
【0050】
また、この発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲を付記する。
【0051】
<請求項1>
移動経路を示す複数のコースを記憶したコース記憶手段と、
間欠的に現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置検出手段により間欠的に検出される現在位置と、前記コース記憶手段に記憶されている複数のコースが示す移動経路とを比較することにより、現在の移動経路が前記コースのいずれかであるかを判定する判定手段と、
この判定手段により判定されたコースと前記検出手段により検出された現在位置とに基づき、移動軌跡を検出する移動軌跡検出手段と
を備えることを特徴とする移動軌跡検出装置。
【0052】
<請求項2>
任意のコースを生成するコース生成手段を更に備え、
前記コース記憶手段は、コース生成手段により生成された任意のコースを記憶することを特徴とする請求項1記載の移動軌跡検出装置。
【0053】
<請求項3>
前記移動軌跡検出手段により検出された移動軌跡が示す距離と、前記現在位置検出手段が現在位置を検出する間欠時間とを用いて、移動速度を算出する移動速度算出手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の移動軌跡検出装置。
【0054】
<請求項4>
前記移動軌跡検出手段により検出された移動軌跡が示す距離と、前記移動速度とに基づき消費カロリを算出する消費カロリ算出手段を備えることを特徴とする請求項3記載の移動軌跡検出装置。
【0055】
<請求項5>
前記各手段の動作に要する電源を供給する電源手段として、電池を有することを特徴とする請求項1乃至4にいずれか記載の移動軌跡検出装置。
【0056】
<請求項6>
移動経路を示す複数のコースを記憶したコース記憶手段を備える装置が有するコンピュータを、
間欠的に現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置検出手段により間欠的に検出される現在位置と、前記コース記憶手段に記憶されている複数のコースが示す移動経路とを比較することにより、現在の移動経路が前記コースのいずれかであるかを判定する判定手段と、
この判定手段により判定されたコースと前記検出手段により検出された現在位置とに基づき、移動軌跡を検出する移動軌跡検出手段と
して機能させることを特徴とする前記コンピュータが読み取り可能なプログラム。
【0057】
<請求項7>
間欠的に現在位置を検出する現在位置検出ステップと、
前記現在位置検出ステップで間欠的に検出される現在位置と、コース記憶手段に記憶されている複数のコースが示す移動経路とを比較することにより、現在の移動経路が前記コースのいずれかであるかを判定する判定ステップと、
この判定ステップにより判定されたコースと前記検出手段により検出された現在位置とに基づき、移動軌跡を検出する移動軌跡検出ステップと
を含むことを特徴とする移動軌跡検出方法。