(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記呼転送制御手段は、前記複数の第1の端末のそれぞれに対して、状態の変化があった場合には変化後の状態を通知するように依頼し、該依頼に応じて前記第1の端末から通知される状態に基づいて、1台以上の空き状態の前記第1の端末が存在する状態になったか否かを判断する
請求項1に記載の通信処理システム。
前記着信制御手段は、前記着信の通知に対して呼び出し中となった前記第1の端末が1台も存在しない場合に前記呼を前記呼保持手段に保存する動作では、前記呼受付手段によって受け付けられた呼を一律に前記呼保持手段に保存した上で、前記着信の通知に対して少なくとも1台の前記第1の端末が呼び出し中となった時点で、前記保存した呼を前記呼保存部から削除する
請求項1乃至3の何れに記載の通信処理システム。
前記対応表によって、複数の代表番号の各々に対して、それぞれ異なる複数の第1の端末が対応付けられている場合、前記呼転送制御手段は、1台以上の空き状態の前記第1の端末が存在する状態になったことを検出すると、前記呼転送手段に対して、前記呼保持手段に保持された呼のうち、前記検出した空き状態の前記第1の端末が対応する前記代表番号に対して着信した呼を前記呼受付手段へ転送するように指示する
請求項1乃至5の何れかに記載の通信処理システム。
前記呼転送制御手段は、前記複数の第1の端末のそれぞれに対して、状態の変化があった場合には変化後の状態を通知するように依頼し、該依頼に応じて前記第1の端末から通知される状態に基づいて、1台以上の空き状態の前記第1の端末が存在する状態になったか否かを判断する
請求項10に記載の呼制御装置。
前記着信制御手段は、前記着信の通知に対して呼び出し中となった前記第1の端末が1台も存在しない場合に前記呼を前記呼保持手段に保存する動作では、前記呼受付手段によって受け付けられた呼を一律に前記呼保持手段に保存した上で、前記着信の通知に対して少なくとも1台の前記オペレータ端末が呼び出し中となった時点で、前記保存した呼を前記呼保存部から削除する
請求項10乃至12の何れかに記載の呼制御装置。
前記対応表によって、複数の代表番号の各々に対して、それぞれ異なる複数のオペレータ端末が対応付けられている場合、前記呼転送制御手段は、1台以上の空き状態の前記第1の端末が存在する状態になったことを検出すると、前記呼転送手段に対して、前記呼保持手段に保持された呼のうち、前記検出した空き状態の前記第1の端末が対応する前記代表番号に対して着信した呼を前記呼受付手段へ転送するように指示する
請求項10乃至14の何れかに記載の呼制御装置。
予め設定された代表番号と複数の第1の端末との対応表を有し、前記複数の第1の端末と複数の第2の端末との間の呼を制御する呼制御装置が実行する呼制御方法であって、
前記第2の端末から前記代表番号に対して着信した呼を受け付け、
前記受け付けられた呼について、前記対応表によって前記代表番号に対応付けられている前記複数の第1の端末に対して当該呼の着信を一斉に通知し、前記着信の通知に対して1台以上の前記第1の端末が呼び出し中となった後、応答してきた場合には、その中の1台の前記第1の端末に前記呼を接続し、前記着信の通知に対して呼び出し中となった前記第1の端末が1台も存在しない場合には、当該呼を、呼を保持する呼保持手段に保存し、
1台以上の空き状態の前記第1の端末が存在する状態になったことを検出し、前記呼保持手段に保持された前記呼を前記代表番号へ転送する
呼制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態にかかる通信処理システム10は、m台(mは2以上の整数)のオペレータ端末(第1の端末)11と、n台(nは2以上の整数)の顧客端末(第2の端末)12と、呼制御装置13と、オペレータ端末11と顧客端末12と呼制御装置13とを接続するネットワーク14とを有する。
【0017】
オペレータ端末11の各々は、専門家であるオペレータが使用する端末である。オペレータ端末11は、少なくとも電話機能を有する。例えば、オペレータ端末11は、固定電話機、IP電話機、電話機能を有するPC(パーソナルコンピュータ)であってよい。また、オペレータ端末11は、電話機能以外に、Webカメラで撮影された映像やアプリケーションの画面を送受信する機能などを有する多機能端末であってもよい。
【0018】
顧客端末12の各々は、相談者である顧客が使用する端末である。顧客端末12は、少なくとも電話機能を有する。例えば、顧客端末12は、固定電話機、IP電話機、電話機能を有するPCであってよい。また、顧客端末12は、電話機能以外に、Webカメラで撮影された映像やアプリケーションの画面を送受信する機能などを有する多機能端末であってもよい。
【0019】
ネットワーク14は、LANやインターネット等の通信網である。
【0020】
呼制御装置13は、顧客端末12とオペレータ端末11との間の呼を制御する機能を有する。例えば、呼制御装置13は、呼制御機能を有するサーバ装置であってよい。呼制御装置13は、呼受付部(呼受付手段)131、対応表132、呼保持部(呼保持手段)133、着信処理部(着信処理手段)134、呼転送部(呼転送手段)135、および呼転送制御部(呼転送制御手段)136を有する。このような呼制御装置13は、ハードウェアによって実現してもよいし、プログラム可能なコンピュータによって実現してもよい。後者の場合、プログラムは、半導体メモリや磁気ディスクやCDROM等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に、呼受付部131、対応表132、呼保持部133、着信処理部134、呼転送部135、および呼転送制御部136といった機能手段を実現する。呼制御装置13は、オペレータ端末11から顧客端末12への発信にかかる発信機能を有していても良いが、発信機能に関しては本発明と直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0021】
呼受付部131は、顧客端末12から通信処理システム10の代表番号へ着信する呼を受け付ける機能を有する。また、呼受付部131は、呼転送部135から転送されてきた呼を受け付ける機能を有する。また、呼受付部131は、受け付けた呼を、例えば受付順に1つずつ、着信処理部134に出力する機能を有する。
【0022】
対応表132は、通信処理システム10に対して設定された代表番号とオペレータ端末11とを対応付ける情報を記憶する。
図2は対応表132の構成例である。この例では、代表番号△△△に対して、XXX、YYY、ZZZという識別情報を持つ3台のオペレータ端末11が対応付けられている。
図2の例では、一つの代表番号に複数のオペレータ端末を対応付けているが、2つ以上の代表番号に複数のオペレータ端末を対応付けてもよい。また、1台のオペレータ端末は、複数の代表番号に対応付けられていてもよい。
【0023】
呼保持部133は、着信した呼を最大p個(pは2以上の整数)まで記憶する機能を有する。呼保持部133は、例えば、先入れ先出し方式のFIFO(First In First Out)メモリであってよい。
【0024】
着信処理部134は、呼受付部131から出力された呼を複数のオペレータ端末11の何れか1台に接続する処理を司る。具体的には、着信処理部134は、呼受付部131から呼を受信すると、まず、対応表132を参照して、代表番号に対応付けられている複数のオペレータ端末11を決定する。次に、着信処理部134は、この決定した複数のオペレータ端末11に対して、当該呼の着信を一斉に通知する。このとき、着信処理部134は、上記決定した複数のオペレータ端末11の状態が空き状態であるか否かを調査しなくてよい。次に、着信処理部134は、上記の着信の通知に対して1台以上のオペレータ端末11が呼び出し中となった後、応答してきた場合には、その中の1台のオペレータ端末11に上記呼を接続する。他方、着信処理部134は、上記の着信の通知に対して呼び出し中となったオペレータ端末が1台も存在しない場合には、当該呼を呼保持部133に保存する。
【0025】
呼転送制御部136は、呼保持部133に1つ以上の呼が保存されている場合、以下のような処理を行う機能を有する。まず呼転送制御部136は、複数のオペレータ端末11の状態を検出し、1台以上の空き状態のオペレータ端末11が存在する状態になったか否かを判断する。ここで、オペレータ端末が空き状態になるとは、オペレータ端末が新たな呼の着信を受け入れることができる状態になることを意味する。そして呼転送制御部136は、1台以上の空き状態のオペレータ端末11が存在する状態になった時点で、呼転送部135に対して呼保持部133に保持された呼を呼受付部131へ転送するように指示する。
【0026】
呼転送制御部136が状態を検出する複数のオペレータ端末11は、対応表132において代表番号に対応付けられているオペレータ端末11である。呼転送制御部136が複数のオペレータ端末11の状態を検出する方法は任意である。本実施形態では、呼転送制御部136は、複数のオペレータ端末11のそれぞれに対して、状態の変化があった場合には変化後の状態を呼転送制御部136に通知するように依頼し、この依頼に応じてオペレータ端末11から通知される状態が、空き状態であるか否かを判定するようにしている。但し、そのような方法には限定されない。例えば、呼転送制御部136は、複数のオペレータ端末11の各々に対して、その状態を周期的に問い合わせ、この問い合わせに対する応答で通知される状態が空き状態であるか否かを判定するようにしてよい。また、後述する他の実施形態と同様に、呼転送制御部136は、呼の状態を表す呼情報に基づいて、1台以上の空き状態のオペレータ端末11が存在する状態になったか否かを監視するようにしてよい。
【0027】
呼転送部135は、呼保持部133に保持された呼を転送する機能を有する。より具体的には、呼転送部135は、呼転送制御部136から上記の転送の指示を受けると、呼保持部133から呼を1つ取り出して呼受付部131に転送する。
【0028】
次に本実施形態の動作を説明する。説明の便宜上、代表番号に対応するオペレータ端末11は、オペレータ端末11−1とオペレータ端末11−2の2台とする。
【0029】
まず、何れの顧客端末12からも着信が無く、オペレータ端末11−1、11−2が空き状態となっている初期の状態において、1台の顧客端末12−1から代表番号に電話がかかってきたときの動作を、
図3を参照して説明する。
【0030】
顧客端末12−1からの呼(以下、呼C1と記す)は、ネットワーク14を通じて呼制御装置13の呼受付部131で受信される(A11)。呼受付部131は、受信した呼C1を着信処理部134に伝達する(A12)。着信処理部134は、対応表132を参照して、代表番号に対応するオペレータ端末11−1、11−2を決定し、それら2台のオペレータ端末11−1、11−2に対して呼C1の着信を一斉に通知する(A13)。オペレータ端末11−1、11−2は、空き状態であるため、呼C1の着信の通知に対して呼び出し中である旨を応答する(A14、A15)。着信処理部134は、呼C1の着信の通知に対して呼び出し中である旨の応答を返してきた2台のオペレータ端末11−1、11−2のうち、例えば最も早く受話器をオフフックして応答したオペレータ端末11−1を選択し、このオペレータ端末11−1に呼C1を接続する(A16)。これにより、顧客端末12−1とオペレータ端末11−1との間でネットワーク14を通じて音声通話が可能になる(A17)。
【0031】
次に、オペレータ端末11−1が顧客端末12−1との接続で塞がっている状況で、別の顧客端末12−2から代表番号に電話がかかってきたときの動作を、
図4を参照して説明する。
【0032】
顧客端末12−2からの呼(以下、呼C2と記す)は、ネットワーク14を通じて呼制御装置13の呼受付部131で受信される(A21)。呼受付部131は、受信した呼C2を着信処理部134に伝達する(A22)。着信処理部134は、対応表132を参照して、代表番号に対応するオペレータ端末11−1、11−2を決定し、それら2台のオペレータ端末11−1、11−2に対して呼C2の着信を一斉に通知する(A23)。オペレータ端末11−1は、顧客端末12−1と接続中であるため、ビジー信号によって呼C2の着信の受け入れ不可を応答する(A24)。他方、オペレータ端末11−2は、空き状態であるため、呼C2の着信の通知に対して呼び出し中である旨を応答する(A25)。着信処理部134は、呼C2の着信に対して呼び出し中である旨を応答してきたオペレータ端末11−2で受話器がオフフックされると、呼C2を接続する(A26)。これにより、顧客端末12−2とオペレータ端末11−2との間でネットワーク14を通じて音声通話が可能になる(A27)。
【0033】
次に、オペレータ端末11−1、11−2が顧客端末12−1、12−2との接続で塞がっている状況で、さらに別の顧客端末12−3から代表番号に電話がかかってきたときの動作を、
図5を参照して説明する。
【0034】
顧客端末12−3からの呼(以下、呼C3と記す)は、ネットワーク14を通じて呼制御装置13の呼受付部131で受信される(A31)。呼受付部131は、受信した呼C3を着信処理部134に伝達する(A32)。着信処理部134は、対応表132を参照して、代表番号に対応するオペレータ端末11−1、11−2を決定し、それら2台のオペレータ端末11−1、11−2に対して呼C3の着信を一斉に通知する(A33)。オペレータ端末11−1、11−2は、顧客端末12−1、12−2と接続中であるため、ビジー信号によって呼C3の着信の受け入れ不可を応答する(A34、A35)。着信処理部134は、呼C3の着信に対して呼び出し中である旨を応答してきたオペレータ端末11が1台も存在しないため、呼C3を呼保持部133に保存する(A36)。
【0035】
次に、呼転送制御部136は、呼保持部133に1以上の呼が保存されたので、対応表132を参照して、代表番号に対応するオペレータ端末11−1、11−2を決定し、それら2台のオペレータ端末11−1、11−2の状態を検出する処理を開始する(A37、A38)。これ以降の動作について、
図6を参照して説明する。
【0036】
呼転送制御部136は、上記状態の検出処理では、オペレータ端末11−1、11−2の少なくとも一方が、空き状態になったか否かを検出する。顧客端末12−1、12−2と通話中のオペレータ端末11−1、11−2は、何れかの側の端末で受話器のオンフックが行われると、通話終了となり、空き状態に遷移する。
図6では、オペレータ端末11−1と顧客端末12−1との通話が終了し、オペレータ端末11−1が空き状態になった場合を想定している。
【0037】
呼転送制御部136は、オペレータ端末11−1が空き状態になったことを検出すると(A41)、呼転送部135に対して呼保持部133に保持されている呼C3の転送を指示する(A42)。呼転送部135は、この指示に従って、呼保持部133に保持されている呼C3を取り出し(A43)、呼受付部131へ転送する(A44)。呼受付部131は、転送されてきた呼C3を着信処理部134に伝達する(A45)。着信処理部134は、対応表132を参照して、代表番号に対応するオペレータ端末11−1、11−2を決定し、それら2台のオペレータ端末11−1、11−2に対して呼C3の着信を一斉に通知する(A46)。オペレータ端末11−1は、空き状態であるため、呼C3の着信に対して呼び出し中である旨を応答する(A47)。他方、オペレータ端末11−2は、顧客端末12−2と接続中であるため、ビジー信号によって呼C3の着信の受け入れ不可を応答する(A48)。着信処理部134は、呼C3の着信の通知に対して呼び出し中である旨を応答してきたオペレータ端末11−1で受話器がオフフックされると、呼C3を接続する(A49)。これにより、顧客端末12−3とオペレータ端末11−1との間でネットワーク14を通じて音声通話が可能になる(A50)。
【0038】
このように本実施形態によれば、顧客端末12から代表番号に対して電話がかかってきた場合、代表番号に対応付けられている複数のオペレータ端末に対して呼の着信を一斉に通知するため、オペレータ全員による組織的な対応が可能になる。
【0039】
また本実施形態によれば、呼転送部135が呼保持部133に保持された呼を呼受付部131に転送するため、着信の通知に対して呼び出し中である旨を応答してきたオペレータ端末が1台も存在しなかったために何れのオペレータ端末にも接続できなかった呼を、顧客端末12から代表番号に対して初めて着信した呼と同様に処理することができる。これにより、呼制御装置13の制御を簡素化することができる。
【0040】
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、呼制御プロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)を使用し、第1の実施形態をより具体化している。すなわち、本実施形態では、
図1に示される構成において、呼制御装置13はSIPサーバとしての機能を有する。以下、第1の実施形態の具体例と同様に、代表番号に対応するオペレータ端末11がオペレータ端末11−1とオペレータ端末11−2の2台である例について、本実施形態の動作を説明する。なお、以下のSIPのコール・フローにおいて、説明を簡素化するために、本来返される200 OK等の一部は記載を省略している。
【0041】
まず、オペレータ端末11−1、11−2が空き状態となっている初期の状態において、顧客端末12−1から代表番号に電話がかかってきたときの
図3のより具体的な動作を、
図7を参照して説明する。
図7は、顧客端末12−1から呼制御装置13を経由して通信処理システムの代表番号に音声通話のセッションを開始するコール・フローの一例を示す。
【0042】
顧客端末12−1の顧客が、通信処理システムの代表番号に電話をかける操作を行うと、顧客端末12−1からINVITEがネットワーク14を通じて呼制御装置13へ送信される(S101)。このINVITEには、代表番号のSIP URI、発信端末である顧客端末12−1のSIP URIなど所定のデータが記述されている。
【0043】
呼制御装置13では、上記INVITEは呼受付部131で受け付けられ、着信処理部134へ伝達される。即ち、上記INVITEは第1の実施形態における呼C1に相当する。着信処理部134は、受信したINVITEを解析し、代表番号のSIP URIに対応して対応表132に記述されているオペレータ端末11−1、11−2のSIP URIを取得する。そして、着信処理部134は、受信したINVITEを上記2台のオペレータ端末11−1、11−2にフォーキングする(S102)。
【0044】
オペレータ端末11−1、11−2は、何れも空き状態であるため、INVITEを受信することにより呼び出し音を鳴らし、呼び出し中を通知するために180 Ringingを返す(S103)。着信処理部134は、この180 Ringingを顧客端末12−1にフォワードする(S104)。
【0045】
その後、オペレータ端末11−1のオペレータが受話器をオフフックすると、オペレータ端末11−1は呼制御装置13へ、200 OKを送信する(S105)。呼制御装置13の着信処理部134は、この200 OKを、顧客端末12−1へフォワードし(S106)、他方、オペレータ端末11−2に対しては呼出動作が無効になったことを知らせるためにCANCELを送信する。顧客端末12−1は、200 OKを受信した確認を通知するためにACKを送信する(S108)。着信処理部134は、このACKをオペレータ端末11−1へフォワードする(S109)。オペレータ端末11−1は、ACKを受信すると、顧客端末12−1とオペレータ端末11−1との間に音声のメディアセッションを確立する。これにより、オペレータ端末11−1と顧客端末12−1との間で音声通話が可能になる(S110)。
【0046】
次に、オペレータ端末11−1が顧客端末12−1との接続で塞がっている状況で、別の顧客端末12−2から代表番号に電話がかかってきたときの
図4のより具体的な動作を、
図8を参照して説明する。
図8は、顧客端末12−2から呼制御装置13を経由して通信処理システムの代表番号に音声通話のセッションを開始するコール・フローの一例を示す。
【0047】
顧客端末12−2の顧客が、通信処理システムの代表番号に電話をかける操作を行うと、顧客端末12−2からINVITEがネットワーク14を通じて呼制御装置13へ送信される(S121)。このINVITEには、代表番号のSIP URI、発信端末である顧客端末12−2のSIP URIなど所定のデータが記述されている。
【0048】
呼制御装置13では、上記INVITEは呼受付部131で受け付けられ、着信処理部134へ伝達される。即ち、上記INVITEは第1の実施形態における呼C2に相当する。着信処理部134は、受信したINVITEを解析し、代表番号のSIP URIに対応して対応表132に記述されているオペレータ端末11−1、11−2のSIP URIを取得する。そして、着信処理部134は、受信したINVITEを上記2台のオペレータ端末11−1、11−2にフォーキングする(S122)。
【0049】
オペレータ端末11−1は、顧客端末12−1と通話中であるため、486 Busy Hereを返す(S123)。他方、オペレータ端末11−2は、空き状態であるため、INVITEを受信することにより呼び出し音を鳴らし、呼び出し中を通知するために180 Ringingを返す(S124)。着信処理部134は、この180 Ringingを顧客端末12−2にフォワードする(S125)。
【0050】
その後、オペレータ端末11−2のオペレータが受話器をオフフックすると、オペレータ端末11−2は呼制御装置13へ、200 OKを送信する(S126)。呼制御装置13の着信処理部134は、この200 OKを、顧客端末12−2へフォワードする(S127)。顧客端末12−2は、200 OKを受信した確認を通知するためにACKを送信する(S128)。着信処理部134は、このACKをオペレータ端末11−2へフォワードする(S129)。オペレータ端末11−2は、ACKを受信すると、顧客端末12−2とオペレータ端末11−2との間に音声のメディアセッションを確立する。これにより、オペレータ端末11−2と顧客端末12−2との間で音声通話が可能になる(S130)。
【0051】
次に、オペレータ端末11−1、11−2が顧客端末12−1、12−2との接続で塞がっている状況で、さらに別の顧客端末12−3から代表番号に電話がかかってきたときの
図5のより具体的な動作を、
図9を参照して説明する。
図9は、顧客端末12−3から呼制御装置13を経由して通信処理システムの代表番号に音声通話のセッションを開始するコール・フローの一例を示す。
【0052】
顧客端末12−3の顧客が、通信処理システムの代表番号に電話をかける操作を行うと、顧客端末12−3からINVITEがネットワーク14を通じて呼制御装置13へ送信される(S141)。このINVITEには、代表番号のSIP URI、発信端末である顧客端末12−3のSIP URIなど所定のデータが記述されている。
【0053】
呼制御装置13では、上記INVITEは呼受付部131で受け付けられ、着信処理部134へ伝達される。即ち、上記INVITEは第1の実施形態における呼C3に相当する。着信処理部134は、受信したINVITEを解析し、代表番号のSIP URIに対応して対応表132に記述されているオペレータ端末11−1、11−2のSIP URIを取得する。そして、着信処理部134は、受信したINVITEを上記2台のオペレータ端末11−1、11−2にフォーキングする(S142)。
【0054】
オペレータ端末11−1およびオペレータ端末11−2は、顧客端末12−1および顧客端末12−2と通話中であるため、486 Busy Hereを返す(S143)。着信処理部134は、代表番号に対応する何れのオペレータ端末11−1、11−2からも、180 Ringingが返されてこなかったため、上記INVITEを呼保持部133に保存する(S144)。そして、着信処理部134は、自律的に、180 Ringingを顧客端末12−3へ送信する(S145)。
【0055】
次に、呼制御装置13の呼転送制御部136は、呼保持部133に1つ以上のINVITEが保持される状態に至ったため、代表番号に対応する複数のオペレータ端末11−1、11−2の状態を検出する処理を開始する。本実施形態では、呼転送制御部136からオペレータ端末11−1、11−2に対してSUBSCRIBEによりイベントの通知を要請し(S146)、オペレータ端末11−1、11−2がNOTIFYにより、要請されているイベントを通知する、といった仕組みで、状態検出を行う。イベントとしては、例えばダイアログを使用する。これ以降の動作の具体例について、
図10を参照して説明する。
【0056】
図10を参照すると、オペレータ端末11−1と顧客端末12−1との間、およびオペレータ端末11−2と顧客端末12−2との間で行われていた通話のうち、前者の通話が顧客端末12−1側のオンフックにより終了している。呼制御装置13は、顧客端末12−1からBUYが送信されてくると(S151)、これをオペレータ端末11−1へフォワードする(S152)。これにより、オペレータ端末11−1と顧客端末12−1との間のダイアログが終了する。ダイアログイベントの通知の要請を受けていたオペレータ端末11−1は、ダイアログの終了を契機に、NOTIFYによりダイアログが終了した旨を示すイベントを送信する(S153)。呼転送制御部136は、上記NOTIFYによりオペレータ端末11−1が空き状態になったことを検出し、呼転送部135に対して呼の転送を指示する。呼転送部135は、呼保持部133に保持されているINVITEを取り出す(S154)。そして、呼転送部135は、取り出したINVITEを呼受付部131へ転送し、呼受付部131は、受信したINVITEを着信処理部134に伝達する。
【0057】
次に着信処理部134は、受信したINVITEを解析し、代表番号のSIP URIに対応して対応表132に記述されているオペレータ端末11−1、11−2のSIP URIを取得する。そして、着信処理部134は、受信したINVITEを上記2台のオペレータ端末11−1、11−2にフォーキングする(S155)。オペレータ端末11−2は、顧客端末12−2と通話中であるため、486 Busy Hereを返す(S156)。他方、オペレータ端末11−1は、空き状態であるため、INVITEを受信することにより呼び出し音を鳴らし、呼び出し中を通知するために180 Ringingを返す(S157)。着信処理部134は、
図9のS145において、自律的に、180 Ringingを顧客端末12−3に送信しているため、S157で受信した180 Ringingは顧客端末12−3にフォワードしない。
【0058】
その後、オペレータ端末11−1のオペレータが受話器をオフフックすると、オペレータ端末11−1は呼制御装置13へ、200 OKを送信する(S158)。呼制御装置13の着信処理部134は、この200 OKを、顧客端末12−3へフォワードする(S159)。顧客端末12−3は、200 OKを受信した確認を通知するためにACKを送信する(S160)。着信処理部134は、このACKをオペレータ端末11−1へフォワードする(S161)。オペレータ端末11−1は、ACKを受信すると、顧客端末12−3とオペレータ端末11−1との間に音声のメディアセッションを確立する。これにより、オペレータ端末11−1と顧客端末12−3との間で音声通話が可能になる(S162)。
【0059】
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、SUBSCRIBEとNOTIFYを使用して、呼制御装置13の呼転送制御部136が複数のオペレータ端末の状態を検出するため、空き状態のオペレータ端末が発生した場合にはそのことを呼制御装置側で速やかに検出することができる。これにより、顧客の待ち時間を短縮することができる。
【0060】
[第3の実施形態]
図11を参照すると、本発明の第3の実施形態にかかる通信処理システム20は、m台(mは2以上の整数)のオペレータ端末(第1の端末)21と、n台(nは2以上の整数)の顧客端末(第2の端末)22と、呼制御装置23と、呼保持転送装置25と、オペレータ端末21と顧客端末22と呼制御装置23と呼保持転送装置25を接続するネットワーク24とを有する。
【0061】
オペレータ端末21、顧客端末22、およびネットワーク24は、第1の実施形態における
図1のオペレータ端末11、顧客端末12、およびネットワーク14と同じである。
【0062】
呼保持転送装置25は、呼を保持する機能と保持した呼を転送する機能とを有する。また呼保持転送装置25には、当該呼保持転送装置25専用の電話番号が割り当てられている。例えば、呼保持転送装置25は、着信専用電話、キューイング装置、電話機能を有するパーソナルコンピュータ等であってよい。呼保持転送装置25は、呼保持部(呼保持手段)251と呼転送部(呼転送手段)252とを有する。
【0063】
呼保持部251は、ネットワーク24を通じて着信した呼を最大p個(pは2以上の整数)まで記憶する機能を有する。換言すれば、呼保持部251は、最大p個の呼の着信を受け付けて保持することが可能である。
【0064】
呼転送部252は、呼保持部251に保持された呼をネットワーク24を通じて他の電話番号宛に転送する機能を有する。本実施形態では、転送先は、通信処理システム20の代表番号である。
【0065】
呼制御装置23は、顧客端末22とオペレータ端末21との間の呼を制御する機能を有する。また呼制御装置23は、呼保持転送装置25への呼の保存および保存された呼の転送を制御する機能を有する。例えば、呼制御装置23は、呼制御機能を有するサーバ装置であってよい。呼制御装置23は、呼受付部(呼受付手段)231、対応表232、着信処理部(着信処理手段)233、呼転送制御部(呼転送制御手段)234、および呼情報記憶部(呼情報記憶手段)235を有する。このような呼制御装置23は、ハードウェアによって実現してもよいし、プログラム可能なコンピュータによって実現してもよい。後者の場合、プログラムは、半導体メモリや磁気ディスクやCDROM等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に、呼受付部231、対応表232、着信処理部233、呼転送制御部234、呼情報記憶部235といった機能手段を実現する。
【0066】
呼受付部231は、顧客端末22から通信処理システム20の代表番号へ着信する呼を受け付ける機能を有する。また、呼受付部231は、呼保持転送装置25から上記代表番号へ転送されてきた呼を受け付ける機能を有する。また、呼受付部231は、受け付けた呼を、例えば受付順に1つずつ、着信処理部233に出力する機能を有する。
【0067】
対応表232は、通信処理システム20に対して設定された代表番号とオペレータ端末21および呼保持転送装置25とを対応付ける情報を記憶する。
図12は対応表232の構成例である。この例では、代表番号△△△に対して、XXX、YYY、ZZZという識別情報を持つ3台のオペレータ端末21と、PPPという識別情報を持つ1台の呼保持転送装置25とが対応付けられている。
図12の例では、1つの代表番号に複数のオペレータ端末を対応付けているが、2つ以上の代表番号に複数のオペレータ端末を対応付けてもよい。また、1台のオペレータ端末は、複数の代表番号に対応付けられていてもよい。さらに、
図12の例では、1つの代表番号に1つの呼保持転送装置25を対応付けているが、2つ以上の代表番号に一つの呼保持転送装置25を対応付けてもよい。また、1台の呼保持転送装置25は、複数の代表番号に対応付けられていてもよい。
【0068】
着信処理部233は、呼受付部231から出力された呼を複数のオペレータ端末21の何れか1台に接続する処理を司る。具体的には、着信処理部233は、呼受付部231から呼を受信すると、まず、対応表232を参照して、代表番号に対応付けられている複数のオペレータ端末21を決定する。次に、着信処理部233は、この決定した複数のオペレータ端末21に対して、当該呼の着信を一斉に通知する。このとき、着信処理部233は、上記決定した複数のオペレータ端末11の状態が空き状態であるか否かを調査しなくてよい。次に、着信処理部233は、上記の着信の通知に対して1台以上のオペレータ端末21が呼び出し中となった後、応答してきた場合には、その中の1台のオペレータ端末21に上記呼を接続する。他方、着信処理部233は、上記の着信の通知に対して呼び出し中となったオペレータ端末が1台も存在しない場合には、当該呼を呼保持転送装置25の呼保持部251に保存する。
【0069】
着信処理部233は、上記着信の通知に対して呼び出し中となったオペレータ端末21が1台も存在しない場合に上記呼を呼保持部251に保存する動作では、呼受付部231から受信した呼を一律に呼保持転送装置25の呼保持部251に保存した上で、上記着信の通知に対して少なくとも1台のオペレータ端末21が呼び出し中となった時点で、上記保存した呼を呼保存部251から削除する。また着信処理部233は、呼受付部231から受信した呼を一律に呼保持部251に保存する動作では、上記複数のオペレータ端末21に対して、上記呼の着信を一斉に通知する際に、当該呼の着信を呼保持転送装置25にも通知する。また、着信処理部233は、保存した呼を呼保存部251から削除する動作では、呼保持転送装置25に対して当該呼の着信が無効になったことを通知する。
【0070】
呼転送制御部234は、呼保持部251に1つ以上の呼が保存されている場合、以下のような処理を行う機能を有する。まず呼転送制御部234は、1台以上の空き状態のオペレータ端末21が存在する状態になったことを検出する。ここで、オペレータ端末が空き状態になるとは、オペレータ端末が新たな呼の着信を受け入れることができる状態になることを意味する。また、呼転送制御部234が空き状態であるか否かを検出する複数のオペレータ端末21は、対応表232において代表番号に対応付けられているオペレータ端末21である。そして呼転送制御部234は、1台以上の空き状態のオペレータ端末21が存在する状態になったことを検出した時点で、ネットワーク24を通じて呼保持転送装置25の呼転送部252に対して呼保持部251に保持された呼を呼受付部231へ転送するように指示する。
【0071】
呼情報記憶部235は、通信処理システム20が処理中の呼の情報(呼情報)を記憶する機能を有する。
図13は、呼情報記憶部235に記憶される呼情報のフォーマットの一例を示す。この例の呼情報は、呼ID、TO、FROM、TO(実態)、およびStatusの5項目を有する。呼IDは、当該呼情報で管理される呼を一意に識別する識別番号である。TOは、呼の着信者を示す識別情報であり、通信処理システム20の代表番号に対して発信された呼の場合、当該代表番号が設定される。FROMは、呼の発信者を示す識別情報である。TO(実態)は、代表番号に対して発信された呼が実際に着信する個別の電話を示す識別情報である。Statusは、呼び出し中(Ringing)、通話中(Talking)など、呼の状態を示す識別情報である。
【0072】
呼情報記憶部235への呼情報の記憶や、記憶されている呼情報の更新などは、呼制御装置23における呼処理に応じて実施される。すなわち、呼制御装置23において新たな呼の着信や発信があると、当該呼に関する呼情報が呼情報記憶部235に作成される。また、呼制御装置23における呼に対する処理の進行に応じて、呼情報記憶部235に記憶されている呼情報のStatus等が更新される。このような呼情報の生成、更新等自体は既知の技術であるため、その詳細な説明は省略する。
【0073】
本実施形態における呼転送制御部234は、呼情報記憶部235に記憶されている呼情報に基づいて、1台以上の空き状態のオペレータ端末21が存在する状態になったか否かを監視するようにしている。また、着信処理部233は、呼情報に基づいてオペレータ端末21への着信の有無等を検知するようにしている。
【0074】
次に本実施形態の動作を説明する。説明の便宜上、通信処理システム20の代表番号は001、その代表番号に対応するオペレータ端末21は、オペレータ端末21−1とオペレータ端末21−2の2台とする。
【0075】
まず、何れの顧客端末22からも着信が無く、オペレータ端末21−1、21−2が空き状態となっている初期の状態において、顧客端末22−1から代表番号に電話がかかってきたときの動作を、
図14および
図15を参照して説明する。
【0076】
顧客端末22−1からの呼(以下、呼D1と記す)は、ネットワーク24を通じて呼制御装置23の呼受付部231で受信される(B11)。呼受付部231は、受信した呼D1を着信処理部233に伝達する(B12)。着信処理部233は、対応表232を参照して、代表番号に対応するオペレータ端末21−1、21−2と呼保持転送装置25とを決定し、それら2台のオペレータ端末21−1、21−2と1台の呼保持転送装置25に対して呼D1の着信を一斉に試みる(B13、B14、B15)。オペレータ端末21−1、21−2は空き状態であるので、着信に成功する。他方、呼保持転送装置25は、保持する呼がp個未満なので、こちらも着信に成功する。その結果、呼情報記憶部235には、呼D1に関して
図15に示すような呼情報が記憶されることとなる。すなわち、代表番号001に対して顧客端末22−1から発信された呼D1は、オペレータ端末21−1、21−2、および呼保持転送装置25に対して着信に成功し、現在、呼び出し中であることが示される。
【0077】
着信処理部233は、呼情報記憶部235に記憶された呼D1に関する上記呼情報に基づいて、1台以上のオペレータ端末への着信を確認すると、呼保持転送装置25に着信した呼D1を削除する(B16)。
【0078】
次に、呼D1によってオペレータ端末21−1、21−2が呼び出されている最中に、別の顧客端末22−2から代表番号に電話がかかってきたときの動作を、
図16および
図17を参照して説明する。
【0079】
顧客端末22−2からの呼(以下、呼D2と記す)は、ネットワーク24を通じて呼制御装置23の呼受付部231で受信される(B21)。呼受付部231は、受信した呼D2を着信処理部233に伝達する(B22)。着信処理部233は、対応表232を参照して、代表番号に対応するオペレータ端末21−1、21−2と呼保持転送装置25とを決定し、それら2台のオペレータ端末21−1、21−2と1台の呼保持転送装置25に対して呼D2の着信を一斉に試みる。しかし、オペレータ端末21−1、21−2は、呼D1による呼び出し中であるため、着信に失敗する。他方、呼保持転送装置25は、保持する呼がp個未満なので、着信に成功する(B23)。その結果、呼情報記憶部235には、呼D2に関して
図17に示すような呼情報が記憶されることとなる。すなわち、代表番号001に対して顧客端末22−2から発信された呼D2は、呼保持転送装置25のみに対して着信に成功し、現在、呼び出し中であることが示されている。
【0080】
着信処理部233は、呼情報記憶部235に記憶された呼D2に関する上記呼情報に基づいて、呼び出し中のオペレータ端末が1台も存在しないことを確認すると、呼保持転送装置25に着信した呼D2を削除することなく、そのまま存続させる。
【0081】
次に、呼D1によって呼び出し中のオペレータ端末21−1、21−2のうち、オペレータ端末21−1が応答したときの動作を、
図18および
図19を参照して説明する。
【0082】
呼D1による呼び出しに対してオペレータ端末21−1が応答すると(B31)、着信処理部233は、呼D1による他のオペレータ端末21−2の着信をキャンセルする一方(B32)、応答したオペレータ端末21−1と顧客端末22−1との間を接続する(B33)。これにより、オペレータ端末21−1と顧客端末22−1との間で通話が可能になる。
【0083】
図19は、呼D1による呼び出しに対してオペレータ端末21−1が応答した時点で呼情報記憶部235に記憶されている呼情報の一例を示す。呼D1に関する呼情報が、
図17の2台のオペレータ端末21−1、21−2に対するRinging中から、1台のオペレータ端末21−1のAcceptedに変化している。呼転送制御部234は、呼D1に関する上記呼情報に基づいて、空きオペレータ端末が発生したものと判断する。そして、呼転送制御部234は、呼保持転送装置25の呼転送部252に対して、呼D2を代表番号へ転送することを指示する(B34)。呼転送部252は、呼保持部251に保持されている呼D2を取り出し(B35)、代表番号へ転送、すなわち呼制御装置23の呼受付部231へ転送する(B36)。
【0084】
呼制御装置23の呼受付部231へ転送された呼D2は、呼受付部231で前回受け付けられた場合と同様の方法で処理される。その結果、最終的に、呼D2によってオペレータ端末21―2が呼び出され、オペレータ端末21−2が応答することで顧客端末22−2とオペレータ端末21−2との間で通話が可能になる。
【0085】
次に、顧客端末22−1とオペレータ端末21−2との間で通話が行われ、また顧客端末22−2とオペレータ端末21−2との間で通話が行われている最中に、更に別の顧客端末22−3から代表番号に電話がかかってきたときの動作を、
図20およぶ
図21を参照して説明する。
【0086】
顧客端末22−3からの呼(以下、呼D3と記す)は、ネットワーク24を通じて呼制御装置23の呼受付部231で受信される(B41)。呼受付部231は、受信した呼D3を着信処理部233に伝達する(B42)。着信処理部233は、対応表232を参照して、代表番号に対応するオペレータ端末21−1、21−2と呼保持転送装置25とを決定し、それら2台のオペレータ端末21−1、21−2と1台の呼保持転送装置25に対して呼D3の着信を一斉に試みる。しかし、オペレータ端末21−1、21−2は、顧客端末22−1、22−2と通話中であるため、着信に失敗する。他方、呼保持転送装置25は、保持する呼がp個未満なので、着信に成功する(B43)。その結果、呼情報記憶部235には、呼D3に関して
図21に示すような呼情報が記憶されることとなる。すなわち、代表番号001に対して顧客端末22−3から発信された呼D3は、呼保持転送装置25のみに対して着信に成功し、現在、呼び出し中であることが示されている。
【0087】
着信処理部233は、呼情報記憶部235に記憶された呼D3に関する上記呼情報に基づいて、呼び出し中のオペレータ端末が1台も存在しないことを確認すると、呼保持転送装置25に着信した呼D3を削除することなく、そのまま存続させる。
【0088】
次に、顧客端末22−1、22−2と通話中のオペレータ端末21−1、21−2のうち、オペレータ端末21−1が顧客端末22−1との通話を終了したときの動作を、
図22および
図23を参照して説明する。
【0089】
オペレータ端末21−1と顧客端末22−1との間の通話が終了すると(B51)、呼情報記憶部235に記憶されている呼D1に関する呼情報は、
図23に示すように、そのStatusがTalkingからEndCallに変化する。或いは、呼D1に関する呼情報が呼情報記憶部235から消去される。呼転送制御部234は、呼D1に関する上記呼情報の変化に基づいて、空きオペレータ端末が発生したものと判断する。そして、呼転送制御部234は、呼保持転送装置25の呼転送部252に対して、呼D3を代表番号へ転送することを指示する(B52)。呼転送部252は、呼保持部251に保持されている呼D3を取り出し(B53)、代表番号へ転送、すなわち呼制御装置23の呼受付部231へ転送する(B54)。
【0090】
呼制御装置23の呼受付部231へ転送された呼D3は、呼受付部231で前回受け付けられた場合と同様の方法で処理される。その結果、最終的に、呼D3によってオペレータ端末21―1が呼び出され、オペレータ端末21−1が応答することで顧客端末22−3とオペレータ端末21−1との間で通話が可能になる。
【0091】
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、呼制御装置23の呼転送制御部234が通信処理システム20で処理中の呼の情報に基づいて、空き状態のオペレータ端末が発生したかどうかを監視するため、第2の実施形態のSUBSCRIBEとNOTIFYを用いるようなオペレータ端末21に対する特別な状態検知無しに、空き状態のオペレータ端末の発生を呼制御装置側で速やかに検出することができる。これにより、顧客の待ち時間を短縮することができる。
【0092】
また本実施形態によれば、オペレータ端末の着信に失敗した呼を呼制御装置23とは独立した呼保持転送装置25に保持することができるため、呼制御装置23に呼保持手段を設ける必要がなく、その構成を簡素化することができる。
【0093】
[第4の実施形態]
なお、上記の説明では、一つの代表番号に対して複数のオペレータ端末21を結び付ける構成を主に説明したが、複数の代表番号の各々に対して、それぞれ異なる複数のオペレータ端末21を結び付けることも可能である。そして、その場合には、呼転送制御部234は、1台以上の空き状態のオペレータ端末21が存在する状態になったことを検出すると、呼保持部251に保持された呼のうち、上記検出した空き状態のオペレータ端末21が対応する代表番号に対して着信した呼を呼保持部251から取り出して呼受付部231へ転送するように構成される。以下、具体例を挙げて説明する。
【0094】
図24は、本実施形態における対応表の構成例である。この例の対応表は、代表番号001に対して2台のオペレータ端末21−1、21−2が対応付けられ、また代表番号002に対して別の2台のオペレータ端末21−3、21−4が対応付けられている。
【0095】
また
図25は、本実施形態における呼保持転送装置25の呼保持部251に保持される呼の一例を示す。この例では、顧客端末22−5から代表番号001に対して発信されたナンバー1の呼と、この呼の後に顧客端末22−6から代表番号002に対して発信されたナンバー2の呼との2つの呼が保持されている。
【0096】
また
図26は、呼情報記憶部235に或る時点で記憶されている呼情報の一例を示す。この例では、オペレータ端末21−1、21−2、21−4は顧客端末22−1、22−2、22−4と通話中であること、オペレータ端末21−3と顧客端末22−3との通話が終了したこと、顧客端末22−5、22−6から代表番号001、002に対して発信された呼は、呼保持転送装置に着信し、呼び出し中であることが管理されている。
【0097】
上記のような状況の下、呼転送制御部234は、
図26に示される呼情報に基づいてオペレータ端末21−3が空き状態になったことを検出すると、
図24に示される対応表を参照して、空き状態になったオペレータ端末21−3が代表番号002に対応していることを確認する。そして、呼転送制御部234は、呼保持転送装置25に対して、保持されている
図25に示される2つの呼のうち、オペレータ端末21−3が対応する代表番号002に対して着信したナンバー2の呼を取り出して呼受付部231へ転送するように指示する。
【0098】
[他の実施形態]
上記の実施形態では、1つの呼保持部を使用したが、複数の呼保持部を使用してよい。これにより、保持着信数を増大することができる。
【0099】
また上記の実施形態では、1つの呼制御装置によって管理される複数のオペレータ端末を対象としたが、複数の呼制御装置によってそれぞれ独立に管理される複数のオペレータ端末を対象とすることも可能である。例えば、第1の呼制御装置によって管理される複数の第1のオペレータ端末があり、これら複数の第1のオペレータ端末が第1の代表番号に対応付けられているとする。また、別の第2の呼制御装置によって管理される複数の第2のオペレータ端末があり、これら複数の第2のオペレータ端末が第2の代表番号に対応付けられているとする。このとき、新たな第3の代表番号を設定し、第3の代表番号と第1および第2の代表番号との対応を保持するデータベースと、第1および第2の呼制御装置を制御する第3の呼制御装置とを新たに設ける。そして、顧客端末から第3の代表番号に対して発信された呼を第3の呼制御装置が受け付け、上記データベースを参照して第1および第2の代表番号が第3の代表番号に対応することを確認して、上記受け付けた呼を第1および第2の呼制御装置に転送し、複数の第1および第2のオペレータ端末に対して一斉に着信を試みる。そして、呼び出し中となった端末が1台も存在しない場合には、当該呼を呼保持転送装置の呼保持部に保存し、空きのオペレータ端末が発生した時点で、保存した呼を第3の代表番号に転送し、上述と同様の処理を再度実施する。
【0100】
また、上記の実施形態では、オペレータ端末と顧客端末との間に音声通話のセッションを確立する動作について説明した。しかし、オペレータ端末と顧客端末との間で音声信号以外に映像信号を送受信する場合、音声と映像のセッションを当初から確立するか、或いは音声のセッション確立後にセッションの変更を行い、音声と映像のセッションを確立するようにしてよい。