【文献】
石田 準 他,情報交換を可能とした電子黒板・ノートシステムの試作,情報処理学会研究報告,日本,社団法人情報処理学会,2001年12月14日,Vol.2001 No.122,33〜40
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御手段は、前記画面上にタブを更に表示させ、記入者による前記タブの操作に応じて、前記第2エリアのサイズを変更することを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ装置。
前記表示制御手段は、前記第2エリアのサイズの変更に合わせて、前記第1エリアを移動させることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電子教材を用いた教育支援システムにおいて、電子教材の内容を表示させた画面上で、電子教材の内容に応じた板書などを適切に記入することができれば便宜である。そこで、本発明は、電子教材の内容を表示させた画面上に、板書などを記入するためのエリアを適切に表示させることが可能なコンピュータ装置、プログラム及び情報処理システムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点では、コンピュータ装置は、電子教材の内容を、画面上における第1エリアに表示させると共に、当該電子教材
の単元に応じた内容を記入するための第2エリアを、前記画面上に表示させる表示制御手段と、前記第2エリアに記入された記入内容についての記入情報を、前記電子教材
の単元に関連付けて記憶する記憶手段と、を備え
、前記表示制御手段は、前記第1エリアに表示させる前記電子教材のページを変えると共に、前記電子教材のページを変えたことで、表示される前記電子教材の単元が変わった際に、当該単元が変わるのに連動して、前記第2エリアに表示させるページを変える。
【0008】
上記のコンピュータ装置では、表示制御手段は、電子教材の内容を表示するための第1エリアと、当該電子教材
の単元に応じた内容(例えば板書)を記入するための第2エリアとを、画面上に表示させる。このように電子教材
の単元の内容を表示させた画面上に第2エリアを表示させることで
、その単元に応じた内容を記入する場合に便宜である。また、記憶手段は、このような第2エリアに記入された記入内容についての記入情報を、電子教材
の単元に関連付けて記憶することができる。
さらに、前記表示制御手段は、前記第1エリアに表示させる前記電子教材のページを変えると共に、前記電子教材のページを変えたことで、表示される前記電子教材の単元が変わった際に、当該単元が変わるのに連動して、前記第2エリアに表示させるページを変えることができる。
【0009】
なお、「電子教材」は、教材を電子化したものであり、例えば電子教科書である。また、「単元」とは、学習内容の区分としてまとまりを有するものであり、複数ページから成る。加えて、上記した「ページ」は、1ページだけでなく、複数のページ(例えば見開きページ)も含まれるものとする。
【0010】
上記のコンピュータ装置の一態様では、前記表示制御手段は、記入者による操作に応じて、前記画面上での前記第2エリアのサイズを変更する。これにより、板書する量などに応じて、第2エリアを適切なサイズに設定することができる。
【0011】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記画面上にタブを更に表示させ、記入者による前記タブの操作に応じて、前記第2エリアのサイズを変更する。このようなタブを用いることで、第2エリアのサイズの変更を容易に行うことができる。
【0012】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記画面において上下方向又は左右方向に、前記第2エリアのサイズを変更することができる。
【0013】
また好適には、前記表示制御手段は、前記第2エリアのサイズの変更に合わせて、前記第1エリアを移動させることができる。
【0014】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記第2エリアに記入された記入内容についての記入情報を受信する受信手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記受信手段によって受信された記入情報に対応する記入内容を、前記第2エリアに表示させる。これにより、第1エリアに表示された電子教材
の単元の内容と、第2エリアに表示され
た当該単元に応じて記入された内容(板書など)とを、対比しながら学習することが可能となる。
【0016】
本発明の他の観点では、プログラムは、上記コンピュータ装置として機能させる。当該プログラムを実行することにより、上記のコンピュータ装置を実現することができる。
【0017】
本発明の更に他の観点では、情報処理システムは、上記コンピュータ装置と、前記コンピュータ装置から送信される画像信号に基づく光を出射するプロジェクタと、前記プロジェクタからの光が照射されるボードと、を備える。
【0018】
上記の情報処理システムの一態様では、コード化パターンを読み取って記入情報を生成する電子ペンを更に備え、前記ボードの表面には、コード化パターンが形成されており、前記コンピュータ装置は、前記電子ペンによって生成された、前記ボードの表面に形成されたコード化パターンに関する記入情報を受信する受信手段を備え、前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、前記受信手段によって受信された記入情報に基づいて、前記第2エリアにストロークを描画する。
【0019】
上記の情報処理システムの一態様では、前記ボードは、接触位置を検知して、当該接触位置を示す検知信号を生成し、前記コンピュータ装置は、前記ボードによって生成された前記検知信号を受信する受信手段を備え、前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、前記受信手段によって受信された検知信号に基づいて、前記第2エリアにストロークを描画する。
【0020】
本発明の更に他の観点では、コンピュータ装置は、電子教材の内容を画面上における第1エリアに表示させると共に、前記電子教材に応じた内容を記入するための第2エリアを、前記画面上に表示させる表示制御手段と、前記第2エリアに記入された記入内容についての記入情報を、前記電子教材
の単元に関連付けて記憶する記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記第1エリアに表示させる前記電子教材のページを変えると共に、前記電子教材のページを変えたことで、表示される前記電子教材の単元が変わった際に、当該単元が変わるのに連動して、前記第2エリアに表示させるページを変え、前記表示制御手段は、記入者による操作に応じて、前記画面上での前記第2エリアのサイズを変更する。
【0021】
本は明の更に他の観点では、コンピュータ装置は、電子教材の内容を、画面上における第1エリアに表示させると共に、当該電子教材
の単元に応じて記入された内容を、前記画面上における第2エリアに表示させる表示制御手段と、前記第2エリアに記入された記入内容についての記入情報を、前記電子教材
の単元に関連付けて記憶する記憶手段と、を備え
、前記表示制御手段は、前記第1エリアに表示させる前記電子教材のページを変えると共に、前記電子教材のページを変えたことで、表示される前記電子教材の単元が変わった際に、当該単元が変わるのに連動して、前記第2エリアに表示させるページを変える。
【0022】
上記のコンピュータ装置の一態様では、電子ペンによって生成された、所定の用紙に形成されたコード化パターンに関する記入情報を受信する受信手段を更に備え、前記所定の用紙は、前記電子教材
の単元に応じた内容が前記電子ペンによって記入され、前記表示制御手段は、前記受信手段によって受信された記入情報に基づいて、前記第2エリアにストロークを描画する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電子教材の内容を表示させた画面上で、その電子教材の内容に応じた板書などを適切に記入することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
[情報処理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10のシステム構成図である。
図1に示すように、情報処理システム10は、教師によって使用される電子ペン1と、電子ペン1によって生成された記入情報などに基づいて種々の処理(詳細は後述する)を行うコンピュータ装置4と、コンピュータ装置4によって生成された画像に基づく光を出射して画像を投影するプロジェクタ5と、プロジェクタ5から出射された光が照射され画像が投影されるホワイトボード6と、生徒によって使用され、コンピュータ装置4から情報が送信されるタブレットPC7と、コンピュータ装置4から送信された情報を記憶するサーバ8とを有する。なお、
図1では、1つのタブレットPC7のみを示しているが、複数の生徒分だけタブレットPC7を用意しても良い。
【0027】
電子ペン1は、アノトペンなどを利用することができ、ドットパターン(コード化パターン)を読み取って記入情報を生成する。電子ペン1は、生成した記入情報を、Bluetooth(登録商標)等の無線通信方式でコンピュータ装置4に送信する。ホワイトボード6は、教師が電子ペン1で板書を記入するために用いられ、その表面に電子ペン1により読み取り可能なドットパターン(コード化パターン)が形成されている。
【0028】
コンピュータ装置4は、電子教科書を示す画像を、ディスプレイに表示させると共に、プロジェクタ5によりホワイトボード6に投影表示させる。また、コンピュータ装置4は、電子ペン1によって生成された記入情報に基づいて、教師により電子ペン1でホワイトボード6に記入されたストローク(板書に相当する)を描画した画像を、ディスプレイに表示させると共に、プロジェクタ5によりホワイトボード6に投影表示させる。更に、コンピュータ装置4は、そのように教師によって電子ペン1でホワイトボード6に記入された板書に関するデータ(以下では「板書データ」と呼ぶ。)を生成し、板書データをタブレットPC7及びサーバ8に送信する。
【0029】
タブレットPC7は、電子教科書についてのアプリケーションがインストールされており、当該アプリケーションを実行することで、電子教科書を示す画像をディスプレイに表示させる。また、タブレットPC7は、コンピュータ装置4から板書データを受信し、板書データに対応する画像をディスプレイに表示させる。なお、タブレットPC7は、サーバ8に記憶された板書データを受信(つまりダウンロード)することとしても良い。
【0030】
サーバ8は、コンピュータ装置4から送信(つまりアップロード)された板書データを記憶する。このようにサーバ8に板書データを記憶させておくことで、例えば他の教室で授業を行う際にも同じ板書を利用することが可能となる。
【0031】
[ドットパターン]
次に、
図2及び
図3を参照しながら、ホワイトボード6に印刷されたアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。
図2は、ホワイトボード6に印刷されたドットパターンのドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。
図2に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組み合わせにより、ホワイトボード6上の位置座標が決定されるように構成されている。
【0032】
図3(a)は、あるドットパターンの配列を示している。
図3(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、ホワイトボード6上のどの部分から6×6ドットを取っても、ユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがホワイトボード6上のどの位置にあるのか)を保持している。
図3(b)は、
図3(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、
図2に示す規則性に基づいて、対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0033】
[電子ペン]
次に、電子ペン1について
図4を用いて説明する。
図4は、電子ペン1の構造を示す概略図である。
図4に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。
【0034】
インクカートリッジ104の先端はペン先部103となっており、記入者(教師)は、電子ペン1のペン先部103をホワイトボード6に当接させて、ホワイトボード6にストローク(手書きストローク)を記入したり、電子ペン1のペン先部103をホワイトボード6に当接させて、タップ(ペン先部103による軽叩)したりする。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料(例えばカーボン)を含まないようにする。ここで、電子ペン1のペン先部103がホワイトボード6に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料を含まないので、プロセッサ103によるドットパターンの読取りを阻害しない。
【0035】
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、記入者が電子ペン1によりホワイトボード6にストロークを記入したりタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0036】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、記入者が電子ペン1によりホワイトボード6にストロークを記入したりタップしたりすると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、記入者が記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報PDと、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置4へ送信する。また、記入者が1つのストロークを記入し終えて電子ペン1をホワイトボード6から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置4へ送信する。
【0037】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、ホワイトボード6上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103がホワイトボード6に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106は、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、ホワイトボード6に文字や枠線などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、
図3(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0038】
プロセッサ108は、記入者による記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、記入者が記入するストローク(筆跡)のホワイトボード6上におけるX、Y座標(以後、単に「位置座標」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、
図3(a)に示されるようなドットパターンの画像データを
図3(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算の際、その機能を発揮させる。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、ホワイトボード6における6×6のドットパターンは、ホワイトボード6内で重複することはないため、記入者が電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置がホワイトボード6のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
【0039】
メモリ109には、各電子ペン1A〜1Dを識別するためのそれぞれのペンID「pen01」〜「pen04」、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置4へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置4への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置4に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、コンピュータ装置4によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、コンピュータ装置4は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。
【0040】
[コンピュータ装置]
次に、コンピュータ装置4について説明する。コンピュータ装置4は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成される。
図5は、コンピュータ装置4の機能ブロック図である。コンピュータ装置4は、機能的には、マウスやキーボードといった入力手段41、受信手段42、処理手段44、記憶手段45、表示手段46、インターフェース47、通信手段48、通信用インターフェース49を備える。
【0041】
受信手段42は、アンテナ受信回路等により構成され、電子ペン1から記入情報を受信し、処理手段44に伝送する。通信手段48は、処理手段44によって生成された上記した板書データなどをタブレットPC7に送信する。表示手段46は、ディスプレイ等によって構成され、処理手段44によって指示された内容を表示する。
【0042】
インターフェース47は、プロジェクタ5に接続されており、処理手段44によって生成された画像信号をプロジェクタ5に送信する。通信用インターフェース49は、サーバ8に接続されており、処理手段44によって生成された上記した板書データなどをサーバ8に送信する。なお、通信用インターフェース49とサーバ8との接続は、有線式であっても無線式であっても良く、LANなどのネットワークを介してもよい。
【0043】
記憶手段45は、ハードディスクやROM、RAMといったメモリによって構成される。記憶手段45は、ホワイトボード6に割り当てられたドットパターンの座標範囲に関する座標定義情報を記憶している。ドットパターンの座標範囲は、矩形の角の位置座標(Xn,Yn)、高さ(H)、幅(W)によって規定される。また、記憶手段45は、処理手段44の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶し、さらに、処理手段44の指示により、記憶領域を確保して、ペンダウンからペンアップまでの記入情報に含まれる座標属性情報をストローク情報として記憶する。上記以外にも、記憶手段45は、処理手段44の指示により、プログラムの実行により生成される各種情報を記憶する。
【0044】
処理手段44は、CPU等のプロセッサによって構成され、コンピュータ装置4の全体の制御を行う。具体的には、処理手段44は、主に、表示制御手段441を有する。
【0045】
表示制御手段441は、所定の画像を、表示手段46のディスプレイに表示させると共に、プロジェクタ5によりホワイトボード6に投影表示させる制御を行う。ホワイトボード6に画像を投影表示させる場合には、表示制御手段441は、表示すべき画像についてのデータを、インターフェース47を介してプロジェクタ5に送信する。本実施形態では、表示制御手段441は、電子教科書を示す画像(以下では、適宜「電子教科書画像」と呼ぶ。)を、画面上において設けられた、電子教科書画像を表示させるためのエリア(本発明における「第1エリア」に相当し、以下では「電子教科書表示エリア」と呼ぶ。)に表示させる。また、表示制御手段441は、電子教科書表示エリアに表示させた電子教科書のページ又は単元に応じた内容(具体的には板書)を、電子ペン1によって記入するためのエリア(本発明における「第2エリア」に相当し、以下では「板書エリア」と呼ぶ。)を、画面上に更に表示させる。このような板書エリアは、電子教科書のページごと又は単元ごとに設けられる。
【0046】
1つの例では、表示制御手段441は、画面を略2分割した一方のエリアを電子教科書表示エリアとし、画面を略2分割した他方のエリアを板書エリアとする。例えば、表示制御手段441は、画面の概ね左半分を電子教科書表示エリアとし、画面の概ね右半分を板書エリアとする。
【0047】
他の例では、表示制御手段441は、画面上での板書エリアのサイズを変更可能にすることで、電子教科書表示エリアと板書エリアとが画面上で占める比率を変えられるようにする。この例では、表示制御手段441は、板書エリアのサイズを変更するためのタブ(以下では「板書タブ」と呼ぶ。)を表示させ、記入者による板書タブの操作に応じて、画面上での板書エリアのサイズを変更する。具体的には、表示制御手段441は、板書タブが操作される前には(つまり初期画面では)、電子教科書表示エリアを画面の概ね全体に表示させ、板書エリアを非表示とする。そして、表示制御手段441は、板書タブが操作された際に、その操作に応じて画面上での板書エリアのサイズを大きくする。この場合には、画面上での電子教科書表示エリアのサイズが小さくなる。
【0048】
また、表示制御手段441は、受信手段42によって受信された記入情報に基づいて、教師によって電子ペン1でホワイトボード6上の板書エリアに記入されたストローク(板書に相当する)を描画したストローク画像を、画面上の板書エリアに表示させる。なお、ホワイトボード6上にストローク画像を投影表示させる場合、キャリブレーションによって、ホワイトボード6の領域内の座標値と、プロジェクタ5によりホワイトボード6に画像が投影表示される表示手段46のディスプレイ領域内における座標値との間で座標変換するための座標変換関数を事前に求めておく必要がある。
【0049】
更に、表示制御手段441は、上記のように受信手段42によって受信された記入情報に含まれる、教師によって電子ペン1で記入されたストロークについてのストローク情報を、電子教科書のページ又は単元に関連付けて記憶手段45に記憶させる。つまり、表示制御手段441は、ホワイトボード6上の板書エリアに電子ペン1で記入されたストロークについてのストローク情報を、当該板書エリアが表示されている際に電子教科書表示エリアに表示された電子教科書画像に対応する電子教科書のページ又は単元に関連付けて記憶させる。具体的には、表示制御手段441は、電子教科書のページ番号ごとに、ストローク情報を関連付けて記憶させる、若しくは、電子教科書の単元ごとに(例えば各単元の最初又は最後のページ番号ごとに)、ストローク情報を関連付けて記憶させる。このようにストローク情報を記憶させておくことで、記憶手段45からストローク情報を読み出せば、所望のページ又は所望の単元について記入されたストロークについてのストローク画像(板書)を適宜表示させることが可能となる。例えば、過去の授業で記入された板書を表示させることが可能となる。
【0050】
[表示画面例]
次に、
図6乃至
図10を参照して、本実施形態における表示画面の具体例について説明する。
【0051】
(実施例1)
図6は、本実施形態に係る実施例1において表示される画面例を示している。この画面は、表示制御手段441による制御に基づき、表示手段46のディスプレイに表示されると共に、プロジェクタ5によりホワイトボード6に投影表示される。つまり、表示手段46のディスプレイとホワイトボード6とには同じ画面が同期して表示される。
【0052】
図6に示すように、実施例1では、表示制御手段441は、画面の概ね左半分に電子教科書表示エリアAr11を表示させ、画面の概ね右半分に板書エリアAr21を表示させる。この場合、表示制御手段441は、電子教科書表示エリアAr11に、電子教科書の1ページ分の内容を示す電子教科書画像G11を表示させる。そして、表示制御手段441は、そのように電子教科書表示エリアAr11に表示させた電子教科書のページについての板書を記入するためのエリアとして、板書エリアAr21を表示させる。表示制御手段441は、電子教科書の各ページごとに、対応する板書エリアAr21を表示させる。
【0053】
また、表示制御手段441は、ホワイトボード6上の板書エリアAr21に電子ペン1でストロークが記入された場合に、受信手段42によって受信された記入情報に基づいて、電子ペン1によって記入されたストロークを描画したストローク画像G21を、板書エリアAr21に表示させる。この場合、表示制御手段441は、受信された記入情報に含まれる座標値を、前述したキャリブレーションで得られた座標変換関数によって表示手段46のディスプレイにおける座標値に変換することで、電子ペン1によってホワイトボード6に記入されたストロークを描画したストローク画像G21を表示させる。
【0054】
以上説明した本実施形態の実施例1によれば、電子教科書の内容(つまり電子教科書画像G11)を表示させた画面上に板書エリアAr21を表示させることで、電子教科書の内容に応じた板書を記入する場合に便宜である。
【0055】
なお、
図6では、電子教科書のページごとに板書エリアAr21を表示させる例を示したが、電子教科書の単元ごとに板書エリアAr21を表示させても良い。その場合には、同じ単元では同じ板書エリアAr21が表示される。また、
図6では、画面の概ね左半分に電子教科書表示エリアAr11を表示させ、画面の概ね右半分に板書エリアAr21を表示させる例を示したが、画面の概ね左半分に板書エリアAr21を表示させ、画面の概ね右半分に電子教科書表示エリアAr11を表示させも良い。また、画面を左右方向に略2分割することで電子教科書表示エリアAr11と板書エリアAr21とを規定することに限定はされず、画面を上下方向に略2分割することで電子教科書表示エリアAr11と板書エリアAr21とを規定しても良い。加えて、画面を略2分割することで電子教科書表示エリアAr11と板書エリアAr21とを規定することに限定はされない。例えば、電子教科書表示エリアAr11のサイズを板書エリアAr21のサイズよりも大きくしても良い。
【0056】
ここで、
図6の表示画面に提示された各種のボタン50〜64の機能について簡単に説明する。ボタン50は、他のいずれかのアイコン(詳しくはボタン51、52、53のいずれか)に基づく処理モード中の場合に、そのアイコンによる処理モード前に戻す機能を有する。ボタン51a〜51c(51)は、電子ペン1などによって線を描く機能を有する。ボタン51aは、自由曲線を描くためのボタンであり、ボタン51bは、直線を描くためのボタンであり、ボタン51cは、矢印を描くためのボタンである。ボタン52a〜52d(52)は、電子ペン1などによって図形を描く機能を有する。ボタン52aは、黒丸を描くためのボタンであり、ボタン52bは、白丸を描くためのボタンであり、ボタン52cは、黒四角を描くためのボタンであり、ボタン52dは、白四角を描くためのボタンである。ボタン53a〜53e(53)は、描画するストロークの色を指定する機能を有する。ボタン53aは、赤色を指定するためのボタンであり、ボタン53bは、青色を指定するためのボタンであり、ボタン53cは、黄色を指定するためのボタンであり、ボタン53dは、黒色を指定するためのボタンであり、ボタン53eは、白色を指定するためのボタンである。
【0057】
ボタン54a、54b(54)は、描画ストロークを消去する機能を有する。ボタン54aは、描画ストロークごとに消去するためのボタンであり、ボタン54bは、描画ストロークをすべて消去するためのボタンである。ボタン55a、55b(55)は、描画ストロークに対する操作を行う機能を有する。ボタン55aは、記入者が記入した描画ストロークの非表示と表示とを切り替えるためのボタンであり、ボタン55bは、描画ストロークを移動させるためのボタンである。ボタン56aは、画面におけるドラッグ領域を拡大するためのボタンであり、ボタン56bは、画面をドラッグして移動させるためのボタンである。
【0058】
ボタン57aは、前のページに戻るためのボタンであり、ボタン57bは、次のページに進むためのボタンである。ボタン59は、授業終了時に指示され、電子教科書の画面を閉じる機能を有する。ボタン60は、目次のページを表示する機能を有する。ボタン61は、ストロークを自由描画するホワイトボード画面を起動し又は移る機能を有する。ボタン62a〜62e(62)は、しかけ操作に関する機能を有する。ボタン62aは、写真や図の指示によりポップアップしたウィンドウに関連付けられたコンテンツ(動画・詳細情報など)を起動するためのボタンであり、ボタン62bは、ポップアップしたウィンドウに複数のコンテンツが関連付けられている場合に、そのコンテンツの表示を切り替えるためのボタンであり、ボタン62cは、しかけ操作を解除するためのボタンである。ボタン63a〜63dは、動画の再生に関する機能を有する。ボタン63aは、動画を再生するためのボタンであり、ボタン63bは、再生を一時停止するためのボタンであり、ボタン63cは、再生を停止するためのボタンであり、ボタン63dは、動画を繰り返し再生するためのボタンである。
【0059】
なお、上記したように、ボタン57a、57bの操作により、電子教科書表示エリアAr11に表示される電子教科書のページが、前のページに戻ったり、次のページに進んだりする。つまり、ユーザによるボタン57a、57bの操作により、表示制御手段441は、電子教科書表示エリアAr11に現在表示されているページの前のページの電子教科書を表示させたり、電子教科書表示エリアAr11に現在表示されているページの次のページの電子教科書を表示させたりする。このようにボタン57a、57bの操作に応じて表示させる電子教科書のページを変える場合に、1つの例では、表示制御手段441は、電子教科書のページめくりとは独立して、板書エリアAr21のページを変えるようにするとよい。この場合、表示制御手段441は、ユーザの操作により板書エリアAr21をアクティブにしたうえで、ボタン57a、57bの操作に応じて板書エリアAr21を現在表示されているページの前のページを表示させたり、板書エリアAr21に現在表示されているページの次のページを表示させたりする。他の例では、表示制御手段441は、電子教科書のページめくりに連動して、板書エリアAr21のページを変えるようにするとよい。更に他の例では、表示制御手段441は、ストローク情報を単元ごとに記憶させる場合には、電子教科書のページめくりにより表示される単元が変わった際に、それに連動して板書エリアAr21のページを変えるようにするとよい。
【0060】
なお、後述する
図7乃至
図10、及び
図12では、説明の便宜上、ボタン50〜64に付される引き出し線及び符号の図示を省略している。
【0061】
(実施例2)
図7は、本実施形態に係る実施例2において表示される画面例を示している。具体的には、
図7は、板書タブtb1が操作される前に表示される画面(つまり初期画面)を示している。なお、この画面も、表示制御手段441による制御に基づき、表示手段46のディスプレイに表示されると共に、プロジェクタ5によりホワイトボード6に投影表示される。つまり、表示手段46のディスプレイとホワイトボード6とには同じ画面が同期して表示される。
【0062】
図7に示すように、実施例2では、表示制御手段441は、板書タブtb1が操作される前の状態では(つまり初期画面では)、電子教科書表示エリアAr12を画面の概ね全体に表示させ、板書エリアを非表示とする。この場合、表示制御手段441は、電子教科書表示エリアAr12に、電子教科書の見開きページ(つまり2ページ分)の内容を示す電子教科書画像G12を表示させる。また、表示制御手段441は、画面の右上の端付近に板書タブtb1を表示させる。板書タブtb1は、電子ペン1によるドラッグ操作(電子ペン1をホワイトボード6に当接させて、当接位置を移動させるような操作を意味する。以下同様とする。)によって画面の左方向に移動されることで、板書エリアを広げられるようになっている。
【0063】
図8は、板書タブtb1が操作された際に表示される画面を示している。
図8に示すように、教師が、画面上の板書タブtb1を右から左の方向へ移動させるように、ホワイトボード6上において電子ペン1でドラッグ操作を行ったものとする。この際に、表示制御手段441は、受信手段42によって受信された記入情報に含まれる座標値を、キャリブレーションで得られた座標変換関数によって表示手段46のディスプレイにおける座標値に変換することで、板書タブtb1を移動させるためのドラッグ操作がホワイトボード6上で電子ペン1によって行われたことを検知する。そして、表示制御手段441は、そのように検知したドラッグ操作に合わせて、板書タブtb1の表示位置を移動させると共に、板書エリアAr22の表示サイズを広げる。具体的には、表示制御手段441は、右から左の方向へ板書タブtb1の表示位置を移動させると共に、右から左の方向へ板書エリアAr22の表示サイズを広げる。この場合、表示制御手段441は、電子教科書表示エリアAr12の上に重なり合うように、板書エリアAr22の表示サイズを広げる。これにより、電子教科書表示エリアAr12の表示サイズは小さくなる。
【0064】
なお、
図8に示したような状態から、板書タブtb1を左から右の方向へ移動させるように電子ペン1でドラッグ操作を行うと、表示制御手段441は、左から右の方向へ板書タブtb1の表示位置を移動させると共に、左から右の方向へ板書エリアAr22の表示サイズを狭める。また、板書エリアAr22に電子ペン1でストロークが記入された場合には、表示制御手段441は、
図6で述べた手順と同様の手順にて、電子ペン1によって記入されたストロークを描画したストローク画像を板書エリアAr22に表示させる。
【0065】
以上説明した本実施形態の実施例2によれば、教師による板書タブtb1の操作に応じて、板書エリアAr22の表示サイズを適切に変更することができる。これにより、板書する量などに応じたサイズに板書エリアAr22を適切に設定することができる。また、必要なときには板書エリアAr22を表示させ、必要でないときは板書エリアAr22を非表示とすることができる。
【0066】
なお、
図7及び
図8では、画面における右側の箇所に板書タブtb1を表示させて、板書タブtb1を右から左の方向へ移動させることで板書エリアAr22の表示サイズを右から左の方向へ広げる例を示したが、画面における左側の箇所に板書タブtb1を表示させて、板書タブtb1を左から右の方向へ移動させることで板書エリアAr22の表示サイズを左から右の方向へ広げても良い。また、
図7及び
図8では、電子教科書の見開きページ(つまり2ページ)ごとに板書エリアAr22を設ける例を示したが、電子教科書の単元ごとに板書エリアAr22を設けても良い。その場合には、同じ単元では同じ板書エリアAr22が表示されることとなる。
【0067】
また、
図8では、電子教科書表示エリアAr12の表示位置を固定した状態で、その電子教科書表示エリアAr12の上に重なり合うように、板書エリアAr22の表示サイズを変更する例を示したが、板書エリアAr22の表示サイズの変更に合わせて、電子教科書表示エリアAr12の表示位置を移動させても良い。具体的には、板書エリアAr22の左右方向でのサイズの変更に合わせて、電子教科書表示エリアAr12の表示位置を左右方向にスライドさせても良い。
【0068】
(実施例3)
図9は、本実施形態に係る実施例3において表示される画面例を示している。具体的には、
図9は、板書タブtb2が操作される前に表示される画面(つまり初期画面)を示している。なお、この画面も、表示制御手段441による制御に基づき、表示手段46のディスプレイに表示されると共に、プロジェクタ5によりホワイトボード6に投影表示される。つまり、表示手段46のディスプレイとホワイトボード6とには同じ画面が同期して表示される。
【0069】
図9に示すように、実施例3でも、実施例2と同様に、表示制御手段441は、板書タブtb2が操作される前の状態では(つまり初期画面では)、電子教科書表示エリアAr13を画面の概ね全体に表示させ、板書エリアを非表示とする。この場合にも、表示制御手段441は、電子教科書表示エリアAr13に、電子教科書の見開きページ(つまり2ページ分)の内容を示す電子教科書画像G13を表示させる。但し、実施例3では、表示制御手段441は、画面の左下の端付近に板書タブtb2を表示させる。板書タブtb2は、電子ペン1によるドラッグ操作によって画面の上方向に移動されることで、板書エリアを広げられるようになっている。
【0070】
図10は、板書タブtb2が操作された際に表示される画面を示している。
図10に示すように、教師が、画面上の板書タブtb2を下から上の方向へ移動させるように、ホワイトボード6上において電子ペン1でドラッグ操作を行ったものとする。この際に、表示制御手段441は、受信手段42によって受信された記入情報に含まれる座標値を、キャリブレーションで得られた座標変換関数によって表示手段46のディスプレイにおける座標値に変換することで、板書タブtb2を移動させるためのドラッグ操作がホワイトボード6上で電子ペン1によって行われたことを検知する。そして、表示制御手段441は、そのように検知したドラッグ操作に合わせて、板書タブtb2の表示位置を移動させると共に、板書エリアAr23の表示サイズを広げる。具体的には、表示制御手段441は、下から上の方向へ板書タブtb2の表示位置を移動させると共に、下から上の方向へ板書エリアAr23の表示サイズを広げる。この場合、表示制御手段441は、電子教科書表示エリアAr13の上に重なり合うように、板書エリアAr23の表示サイズを広げる。これにより、電子教科書表示エリアAr13の表示サイズは小さくなる。
【0071】
なお、
図10に示したような状態から、板書タブtb2を上から下の方向へ移動させるように電子ペン1でドラッグ操作を行うと、表示制御手段441は、上から下の方向へ板書タブtb2の表示位置を移動させると共に、上から下の方向へ板書エリアAr23の表示サイズを狭める。また、板書エリアAr23に電子ペン1でストロークが記入された場合には、表示制御手段441は、
図6で述べた手順と同様の手順にて、電子ペン1によって記入されたストロークを描画したストローク画像を板書エリアAr23に表示させる。
【0072】
以上説明した本実施形態の実施例3によっても、教師による板書タブtb2の操作に応じて、板書エリアAr23の表示サイズを適切に変更することができる。これにより、板書する量などに応じたサイズに板書エリアAr23を適切に設定することができる。また、必要なときには板書エリアAr23を表示させ、必要でないときは板書エリアAr23を非表示とすることができる。
【0073】
なお、
図9及び
図10では、画面における下側の箇所に板書タブtb2を表示させて、板書タブtb2を下から上の方向へ移動させることで板書エリアAr23の表示サイズを下から上の方向へ広げる例を示したが、画面における上側の箇所に板書タブtb2を表示させて、板書タブtb2を上から下の方向へ移動させることで板書エリアAr23の表示サイズを上から下の方向へ広げても良い。また、
図9及び
図10では、電子教科書の見開きページ(つまり2ページ)ごとに板書エリアAr23を設ける例を示したが、電子教科書の単元ごとに板書エリアAr23を設けても良い。その場合には、同じ単元では同じ板書エリアAr22が表示されることとなる。
【0074】
また、
図10では、電子教科書表示エリアAr13の表示位置を固定した状態で、その電子教科書表示エリアAr13の上に重なり合うように、板書エリアAr23の表示サイズを変更する例を示したが、板書エリアAr23の表示サイズの変更に合わせて、電子教科書表示エリアAr13の表示位置を移動させても良い。具体的には、板書エリアAr23の上下方向でのサイズの変更に合わせて、電子教科書表示エリアAr13の表示位置を上下方向にスライドさせても良い。
【0075】
[変形例]
以下では、上記した実施形態の変形例について説明する。なお、下記の変形例は、任意に組み合わせて実施形態に適用することができる。また、以下では、実施形態と異なる構成について主に説明を行い、実施形態と同様の構成については適宜説明を省略する。つまり、特に説明しない構成要素や処理などについては、実施形態と同様であるものとする。
【0076】
(変形例1)
上記した実施形態では、板書を記入するための板書エリアを表示し、教師によって電子ペン1でホワイトボード6上の板書エリアに記入されたストロークを、板書エリアに描画していたが、変形例1では、生徒によって電子ペン1で所定の用紙に記入されたストロークを、画面上の所定のエリア(以下では「生徒記入表示エリア」と呼ぶ。)に描画する。なお、「生徒記入表示エリア」は、本発明における「第2エリア」の他の例に相当する。
【0077】
図11は、変形例1に係る情報処理システム10aのシステム構成図である。変形例1に係る情報処理システム10aは、タブレットPC7の代わりに、複数の生徒によって使用される電子ペン1A、1B、…(1)と、複数の生徒それぞれに配布される用紙2A、2B、…(2)とを有する点で、実施形態に係る情報処理システム10と異なる。電子ペン1は、ドットパターン(コード化パターン)を読み取って記入情報を生成し、生成した記入情報を、Bluetooth(登録商標)等の無線通信方式でコンピュータ装置4に送信する。用紙2は、生徒が電子ペン1で意見や解答などを記入するために用いられ、その表面に電子ペン1により読み取り可能なドットパターン(コード化パターン)が形成されている。
【0078】
変形例1に係るコンピュータ装置4の機能構成は、基本的には、上記した実施形態と同様である(
図5参照)。ここでは、実施形態と異なる点のみを説明する。コンピュータ装置4が有する処理手段44の表示制御手段441は、受信手段42によって受信された記入情報に基づいて、生徒によって電子ペン1で用紙2に記入されたストローク(意見や解答などに相当する)を描画したストローク画像を、表示手段46のディスプレイに表示させると共に、プロジェクタ5によりホワイトボード6に投影表示させる制御を行う。この場合、表示制御手段441は、画面上の生徒記入表示エリアにストローク画像を表示させると共に、上記した実施形態と同様に、画面上の電子教科書表示エリアに電子教科書画像を表示させる。1つの例では、表示制御手段441は、画面を略2分割した一方のエリアを電子教科書表示エリアとし、画面を略2分割した他方のエリアを生徒記入表示エリアとする。
【0079】
図12は、変形例1において表示される画面例を示している。この画面も、表示制御手段441による制御に基づき、表示手段46のディスプレイに表示されると共に、プロジェクタ5によりホワイトボード6に投影表示される。つまり、表示手段46のディスプレイとホワイトボード6とには同じ画面が同期して表示される。
【0080】
図12に示すように、変形例1では、表示制御手段441は、画面の概ね左半分に電子教科書表示エリアAr14を表示させ、画面の概ね右半分に生徒記入表示エリアAr24を表示させる。この場合、表示制御手段441は、電子教科書表示エリアAr14に、電子教科書の1ページ分の内容を示す電子教科書画像G14を表示させる。そして、表示制御手段441は、そのように電子教科書表示エリアAr14に表示させた電子教科書のページに関して生徒によって記入された解答や意見などを表示させるためのエリアとして、生徒記入表示エリアAr24を表示させる。表示制御手段441は、電子教科書の各ページごとに、対応する生徒記入表示エリアAr24を表示させる。
【0081】
そして、表示制御手段441は、受信手段42によって受信された記入情報に基づいて、生徒によって電子ペン1で用紙2に記入されたストローク(意見や解答などに相当する)を描画したストローク画像G24を、生徒記入表示エリアAr24に表示させる。具体的には、表示制御手段441は、生徒記入表示エリアAr24に表示させるストローク画像をユーザ名で選択するためのユーザ選択リスト71を表示させ、ユーザ選択リスト71を用いて選択されたユーザ名の生徒(
図12に示す例では「太郎」)によって電子ペン1で用紙2に記入されたストロークを描画したストローク画像G24を表示させる。この場合、表示制御手段441は、ユーザ選択リスト71を用いて選択されたユーザ名に対応するユーザIDに関連付けられたペンIDを特定し、そのペンIDに関連付けられた記入情報に基づいて、ストロークを描画したストローク画像G24を表示させる。
【0082】
なお、
図12では、電子教科書のページごとに生徒記入表示エリアAr24を表示させる例を示したが、電子教科書の単元ごとに生徒記入表示エリアAr24を表示させても良い。その場合には、同じ単元では同じ生徒記入表示エリアAr24が表示される。また、
図12では、画面の概ね左半分に電子教科書表示エリアAr14を表示させ、画面の概ね右半分に生徒記入表示エリアAr24を表示させる例を示したが、画面の概ね左半分に生徒記入表示エリアAr24を表示させ、画面の概ね右半分に電子教科書表示エリアAr14を表示させも良い。また、画面を左右方向に略2分割することで電子教科書表示エリアAr14と生徒記入表示エリアAr24とを規定することに限定はされず、画面を上下方向に略2分割することで電子教科書表示エリアAr14と生徒記入表示エリアAr24とを規定しても良い。加えて、画面を略2分割することで電子教科書表示エリアAr14と生徒記入表示エリアAr24とを規定することに限定はされない。例えば、電子教科書表示エリアAr14のサイズを生徒記入表示エリアAr24のサイズよりも大きくしても良い。
【0083】
また、
図12では、ユーザ選択リスト71を用いて選択された生徒によって記入されたストロークを描画したストローク画像G24を表示させる例を示したが、複数の生徒によって記入されたストロークを描画したストローク画像を一覧表示させても良い。
【0084】
また、変形例1に係る生徒記入表示エリアに対して、上記した実施形態で示した実施例2又は実施例3を適用しても良い。具体的には、生徒記入表示エリアのサイズを変更するためのタブ(以下では「生徒記入タブ」と呼ぶ。)を画面に表示させ、生徒記入タブの操作に応じて、画面上での生徒記入表示エリアのサイズを変更しても良い。
【0085】
また、上記した変形例1では、板書エリアを表示せずに生徒記入表示エリアを表示させていたが、板書エリア及び生徒記入表示エリアの両方を表示させても良い。つまり、電子教科書表示エリアに表示させた電子教科書のページ又は単元に対応する、板書エリア及び生徒記入表示エリアの両方を設けても良い。その場合には、上記した実施形態で示した実施例2又は実施例3を適用すると良い。具体的には、画面上に板書タブ及び生徒記入タブを表示させ、板書タブの操作に応じて板書エリアのサイズを変更すると共に、生徒記入タブの操作に応じて生徒記入表示エリアのサイズを変更すると良い。
【0086】
また、上記した変形例1では、電子ペン1及び用紙2を用いて生徒が意見や解答などを記入していたが、タブレットPCを用いて意見や解答などを記入することとしても良い。具体的には、生徒によってスタイラスなどを用いてタブレットPCに記入されたストロークを描画したストローク画像を、生徒記入表示エリアに表示させても良い。この場合には、タブレットPCの端末IDとユーザIDとを関連付けておけば、ストロークがどの生徒によって記入されたものであるかを特定することができる。
【0087】
(変形例2)
上記した実施形態は、電子ペン1とドットパターンが形成されたホワイトボード6とを有する構成に対して本発明を適用した例を示した。本発明は、このような構成への適用に限定はされず、接触された位置を検知可能な電子黒板(電子シート)を有する構成にも適用することができる。
【0088】
電子黒板としては、感圧式ボードや電磁式ボード(ボードではなくシートでも良い)を用いることができる。感圧式ボードは、所定のペン(スタイラス)により圧力が加わると、ボード中に設けられた電気伝導性の2枚のシートが接触することで電気信号を発生させる。これに対して、電磁式ボードは、ボード表面の直下にワイヤが埋め込まれており、コイルを埋め込んだスタイラスが接触されると、スタイラスとの電磁誘導に基づき接触位置に相当する電気信号を発生させる。なお、電子黒板は、プロジェクタ5によって投影表示がなされる。投影表示される画面は、ホワイトボード6と同様である。
【0089】
コンピュータ装置4は、このような電子黒板によって発生された電気信号を受信し、当該電気信号に基づいて接触位置を検出する。そして、コンピュータ装置4は、上記した実施形態と同様にして、電子黒板に記入されたストローク(板書)を描画したストローク画像を表示させたり、電子黒板上に表示されたタブに対する操作(ドラッグ操作)を検知したりする。
【0090】
更に他の例では、本発明は、ホワイトボード6や電子黒板の代わりに、タッチパネルを有する構成にも適用することができる。その場合にも、コンピュータ装置4は、上記した実施形態と同様にして、タッチパネルに記入されたストローク(板書)を描画したストローク画像を表示させたり、タッチパネル上に表示されたタブに対する操作(ドラッグ操作)を検知したりする。なお、タッチパネル式のディスプレイを用いる場合には、プロジェクタ5によって投影表示を行う必要はなく、コンピュータ装置4によって生成された画像を表示させれば良い。
【0091】
(変形例3)
上記した実施形態は、電子ペン1で記入されたストロークに対して本発明を適用した例を示した。本発明は、電子ペン1で記入されたストロークへの適用に限定はされず、キーボードなどで入力されたテキストにも適用することができる。つまり、本発明は、キーボードなどを用いて板書や解答や意見などを記入する構成にも適用することができる。
【0092】
(変形例4)
上記した実施形態では、電子ペン、ドットパターン(コード化パターン)、記入情報に、アノト方式を用いていたが、アノト方式を用いることに限定はされない。