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特許6044225ブレードサーバおよびブレードサーバの制御方式
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044225
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ブレードサーバおよびブレードサーバの制御方式
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20161206BHJP
   G06F 1/32 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   G06F1/26 334A
   G06F1/32 Z
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-211610(P2012-211610)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-67197(P2014-67197A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】渡部 大介
【審査官】 佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−140138(JP,A)
【文献】 特開2006−302059(JP,A)
【文献】 特開2009−201244(JP,A)
【文献】 特開2010−124231(JP,A)
【文献】 特開2005−020728(JP,A)
【文献】 特開2012−048521(JP,A)
【文献】 特開2008−129828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26
G06F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサーバブレードと、前記サーバブレードに搭載されたBMC(Base Management Controller)と、
前記BMCにスタンバイ電圧を供給するスタンバイ電圧供給ラインと、
前記BMCと前記スタンバイ電圧供給ラインとの間に設けられた断続手段と、
前記BMCおよび前記断続手段を制御するCMM(Chassis Management Module)と
を有し、
前記CMMが、
前記BMCのアドレスおよび前記BMCに関する情報を保持する記憶手段と、
外部と通信する通信手段と
を有することを特徴とするブレードサーバシステム。
【請求項2】
複数のサーバブレードと、前記サーバブレードに搭載されたBMC(Base Management Controller)と、
前記BMCにスタンバイ電圧を供給するスタンバイ電圧供給ラインと、
前記BMCと前記スタンバイ電圧供給ラインとの間に設けられた断続手段と、
前記BMCおよび前記断続手段を制御するCMM(Chassis Management Module)と
を有し、
前記サーバブレードの一部または全部がWOL(Wake on LAN)対応であり、
前記CMMがWOLの信号を受信し、前記CMMが前記信号に応じて前記サーバブレードの電源制御を行う
ことを特徴とするブレードサーバシステム。
【請求項3】
複数のサーバブレードと、前記サーバブレードに搭載されたBMCと、前記BMCを制御するCMMと、前記BMCにスタンバイ電圧を供給するスタンバイ電圧供給ラインと、前記BMCと前記スタンバイ電圧供給ラインとの間に設けられた断続手段を有するブレードサーバの制御方法であって、
前記CMMが前記断続手段を制御し、
処理を実施中の前記サーバブレードに加えて、前記CMMの制御により所定数の予備の前記サーバブレードを起動させておく
ことを特徴とするブレードサーバの制御方法。
【請求項4】
複数のサーバブレードと、
前記サーバブレードに搭載されたBMC(Base Management Controller)と、
前記BMCにスタンバイ電圧を供給するスタンバイ電圧供給ラインと、
前記BMCと前記スタンバイ電圧供給ラインとの間に設けられた断続手段と、
前記BMCおよび前記断続手段を制御するCMM(Chassis Management Module)と
を有し、
前記CMMが前記断続手段を制御して、起動していない前記サーバブレードに搭載された前記BMCへの前記スタンバイ電圧の供給を遮断する機能を有する
ことを特徴とするブレードサーバシステム。
【請求項5】
前記サーバブレードがNIC(Network Interface Card)を有し、
前記NICが前記断続手段を介して前記スタンバイ電圧供給ラインに接続されている
ことを特徴とする請求項4に記載のブレードサーバシステム。
【請求項6】
複数のサーバブレードと、前記サーバブレードに搭載されたBMCと、前記BMCを制御するCMMと、前記BMCにスタンバイ電圧を供給するスタンバイ電圧供給ラインと、前記BMCと前記スタンバイ電圧供給ラインとの間に設けられた断続手段を有するブレードサーバの制御方法であって、
前記CMMが前記断続手段を制御して、起動していない前記サーバブレードに搭載された前記BMCへの前記スタンバイ電圧の供給を遮断する
ことを特徴とするブレードサーバの制御方法。
【請求項7】
前記サーバブレードがNICを有し、
前記NICに前記断続手段を介して前記スタンバイ電圧を供給する
ことを特徴とする請求項6に記載のブレードサーバの制御方法。
【請求項8】
前記CMMが、
前記BMCのアドレスおよび前記BMCに関する情報を保持し、
外部と通信する
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のブレードサーバの制御方法。
【請求項9】
前記サーバブレードの一部または全部がWOL(Wake on LAN)対応であり、
前記CMMがWOLの信号を受信し、
前記CMMが前記信号に応じて前記サーバブレードの電源制御を行う
ことを特徴とする請求項6乃至請求項8いずれか一項に記載のブレードサーバの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレードサーバに関し、特に、ブレードサーバの電源制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブレードサーバシステムの利用が盛んになっている。ブレードサーバシステムを用いるメリットは種々あるが、その中で省電力化は重要なメリットの一つである。省電力化が可能になる理由の一つは、電源や冷却ファンを複数のモジュールで共有できることである。また、場所ごとに冷却ファンの動作をコントロールしたり、使用していないモジュールをスリープモードにしたりして、システム全体を動的に管理し、一層の省電力化を図る試みも数多くなされている。
【0003】
特許文献1には、このような省電力化技術が開示されている。図6はこの技術のブレードサーバシステム100を示すブロック図である。CPUブレード110、管理サーバ120、クライアント130が、それぞれIPネットワーク140によって接続されている。なお、個々のブレードとシステムを混同しないように、個々のブレードをCPUブレード110と呼ぶこととする。
【0004】
ブレードサーバシステム100、CPUブレード110、管理サーバ120、クライアント130はコンピュータであり、それぞれ情報処理機能、記憶機能、通信機能を備えている。ブレードサーバシステム100は複数のCPUブレード110を有する。図の例では8台の場合を示している。
【0005】
それぞれのCPUブレード110はBMC111(Baseboard Management Controller)および、NIC112(Network Interface Card)を備える。BMC111は、CPUブレード110のオン/オフ制御、イベントログの収集、メイン電源がオフのときにおける外部との通信などを行う。
【0006】
NIC112はCPUブレード110をIPネットワーク140に接続するための拡張カードである。
【0007】
電源であるPSU150(Power Supply Unit)は商用電源151からメイン電圧を生成し、メイン電圧供給ライン152を通してCPUブレード110にメイン電圧を供給する。またPSU150は、スタンバイ電圧を生成し、スタンバイ電圧供給ライン153を通してBMC111およびNIC112にスタンバイ電圧を供給する。ここでBMC111およびNIC112には常時スタンバイ電圧が供給され、CPUブレード110がオフの状態においても、IPネットワーク140を介した通信が可能となっている。
【0008】
図6はこの従来技術におけるシステムの動作を示すフローチャートである。クライアント130からの処理要求は次のようなプロセスで実行される。
【0009】
1)まずクライアント130から管理サーバ120に対して認証情報と処理要求を送信する。2)次に、管理サーバ120が処理要求を受信する。3)次に管理サーバ120がクライアント130を認証する。4)認証が成功した場合は電源立上げ要求を対応するCPUブレード110に送信する。認証に失敗した場合はエラー情報を送信して立上げを終了する。5)次に対応するCPUブレード110のBMC111がメイン電源を立上げ、CPUブレード110を起動する。立上げに失敗した場合はリトライを行う。6)次に立上げの成功情報をクライアント130に送信する。7)次に処理を実行する。8)処理が完了したら、BMC111がCPUブレード110を立下げ、メイン電源の立下げを行う。
【0010】
以上のような動作をすると、クライアント130からの処理要求を実施している間しか、CPUブレード110にメイン電圧が供給されないため、常時全てのブレードを起動しているのに比べて大幅に消費電力を削減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−186238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記の従来技術には、CPUブレード110の枚数が増えると待機時の消費電力が大きくなってしまうという問題点があった。その理由は、全てのBMC111およびNIC112に常時スタンバイ電圧が供給されているからである。近年、クラウドシステム等では省電力を実現するために、夜間など閑散時にはCPUブレード110の電源をオフにする制御などを実施することが一般的になっている。しかし、本体電源オフ時にハードウェアを制御するためのスタンバイ電力は、オフに出来ないものと考えられていた。
【0013】
このため、個々のBMC111およびNIC112の消費電力が小さくても、CPUブレード110の枚数が増えてくると、その総和は大きくなってしまう。またその結果として大容量の電源を用意する必要があった。
【0014】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は待機時の消費電力を削減する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明では、複数のサーバブレードと、前記サーバブレードに搭載されたBMC(Base Management Controller)と、前記BMCを制御するCMM(Chassis Management Module)と、前記BMCにスタンバイ電圧を供給するスタンバイ電圧供給ラインと、前記BMCと前記スタンバイ電圧供給ラインとの間に設けられたスイッチを有している。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果は、待機時の消費電力を削減できることである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施の形態を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態の動作の一例を示すフローチャートである。
図3】第1の実施の形態の動作の第2の例を示すフローチャートである。
図4】第1の実施の形態の動作の第3の例を示すフローチャートである。
図5】第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
図6】従来技術を示すブロック図である。
図7】従来技術の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるブレードサーバシステム1を示すブロック図である。ブレードサーバシステム1は、CPUブレード10を搭載したシャーシ20と、CMM30(Chassis Management Module)と、管理サーバ40と、管理用LAN50と、IPネットワーク60と、電源であるPSU70とを備える。図1はシャーシ20に8枚のCPUブレード10(1)−(8)を実装した例を示している。
【0019】
CPUブレード10はコンピュータであり、CPUやメモリ、ハードディスクといった構成部品および通信機能を備えている。またCPUブレード10は、自身の管理を行うBMC11(Base Management Controller)と、IPネットワーク50とのインターフェイスであるNIC12(Network Interface Card)を備えている。BMC11は管理用LAN50に接続され、NIC12はIPネットワークに接続されている。CMM30は、各CPUブレード10への電源オン/オフ要求機能と、管理サーバからCPUブレード10への問合せを監視する機能、およびBMC11の電源制御機能とを有する。またCMM30は、CPUブレード10とBMC11のアドレスおよび状態に関する情報を保持する。なおCMM14はシャーシ20に1つでも良いが、冗長性を持たせるために複数としても良い。
【0020】
PSU70は商用電源71の供給を受けて、メイン電圧およびスタンバイ電圧を生成する。メイン電圧はメイン電圧供給ライン72を通して各CPUブレード10に供給され、スタンバイ電圧はスタンバイ電圧供給ライン73を通してCMM30、BMC11、NIC12にそれぞれ供給される。なおNIC12にスタンバイ電圧を供給する配線は、図が煩雑になることを避けるため図示していない。またPSU70は、冗長性を持たせるため複数のユニットにて構成する場合が多いが、本図では論理的な電源供給装置として1つのPSUとして記載している。
【0021】
BMC11は、CPUブレード10のオン/オフ制御、冷却ファンなどハードウェアの監視、イベントログの収集、CPUブレード10がオフのときの外部との通信、などを行うものである。BMC11には、スタンバイ電圧供給ライン73からスタンバイ電圧が供給される。
【0022】
そして本実施の形態の特徴として、BMC11とスタンバイ電圧供給ライン73の間に、スタンバイ電源制御スイッチ13が設けられている。このスタンバイ電源制御スイッチ13はCMM30によってオン/オフされる。スタンバイ電源制御スイッチ13は、FET(Field Effect Transistor)やリレーを用いた公知の回路によって形成することができる。
【0023】
シャーシ20はCPUブレード10を収納するものであり、CPUブレード10の他に冷却ファン(図示せず)、バックプレーン21などが搭載される。
【0024】
バックプレーン21は、複数のサーバブレード12が挿入されるスロットや、給電線、通信線の接続ポートなどを搭載する回路基板である。さらにROM等の記憶部を備えており、スロットID、シャーシ番号、グループ番号などの構成情報が格納されている。またバックプレーン21にはCMM30が挿入されるスロットを設けても良い。
【0025】
スロットIDは、シャーシ20内で一意のIDであって、これを用いてスロットに挿入されたブレード11を識別することができる。シャーシ番号は複数のシャーシ12がある場合に、シャーシ12を識別するための番号である。グループ番号はCMM30を識別するための番号である。
【0026】
次に本実施の形態におけるブレードサーバシステム1の動作について説明する。図2は、n番目のBMC11[n]に対する問合せをCMM30が受信し、かつCMM30が保持している情報で回答できる場合のブレードサーバシステム1の動作を示すフローチャートである。このときの動作は以下の通りである。
1)まずCMM30が管理サーバ40などからの問合せを受信する。
2)次にCMM30が保持している情報を回答として、問合せ元に返却する。ここでCMM30は、自身に対する通信だけではなく、配下のBMC11[n]アドレスへの通信も監視している。またBMC11に関する情報も保持している。このためCMM30は、BMC11を起動することなく、問合せに対して回答を返すことができる。
【0027】
図3は問合せに回答するために、BMC11を起動する必要がある場合の、ブレードサーバシステム1の動作を示すフローチャートである。この場合の動作は以下の通りである。
1)まずCMM30が問合せを受信する。
2)次にCMM30は、問合せの内容と、BMC11[n]のアドレスを一旦保持する。
3)次にCMM30は、予め定めた規定の時間内にBMC11の立上げが完了できるか判定を行う。規定時間内にBMC11の立上げが完了しないと判定した場合は、要求元に、電源立上げ中を伝える旨のメッセージを送信する。規定時間内に立上げが完了できると判定した場合には、メッセージ送信をスキップする。
4)次にスタンバイ電源制御スイッチ13[n]をオンする。
5)次にBMC11[n]が立上げを行う。
6)BMC11[n]が立ち上がったらCMM30はBMC11[n]から必要な情報を受信する。
7)次にCMM30が要求元に回答を送信する。
8)次にCMM30がBMC11[n]の立下げを行う。
9)次にCMM30がスタンバイ電源制御スイッチ13をオフにして終了する。なお電源オフするタイミングは、一定時間オン状態を維持するなど、適用シーンに応じて最適化することも可能である。
【0028】
図4はCPUブレード10[n]を起動して処理を行う場合の、ブレードサーバシステム1の動作を示すフローチャートである。この場合の動作は以下の通りである。
1)まずCMM30が管理サーバ40などからCPUブレード10[n]に対する処理要求を受信する。
2)次にCMM30は要求内容と、BMC11[n]のアドレスを一旦保持する。
3)次にCMM30は、予め定めた規定の時間内にCPUブレード10の立上げが完了できるか判定を行う。規定時間内にCPUブレード10の立上げが完了しないと判定した場合は、要求元に、CPUブレード10立上げ中を伝える旨のメッセージを送信する。規定時間内に立上げが完了できると判定した場合には、メッセージ送信をスキップする。
4)次にスタンバイ電源制御スイッチ13をオンする。
5)次にBMC11[n]が立上げを行う。またNIC12にもスタンバイ電力が供給され、CPUブレード10がIPネットワーク60に接続される。
6)BMC11[n]が立ち上がったら、BMC11[n]がCPUブレード10[n]の立上げを行う。
7)次にCPUブレード10[n]が処理を実行する。
8)次にCPUブレード10[n]は一定時間オン状態を保持する。時間内に次の処理要求があった場合、CPUブレード10[n]は処理を実行する。
9)一定時間内に次の処理要求が無かった場合は、BMC11[n]がCPUブレード10[n]を立下げる。
10)次にCMM30がBMC11[n]の立下げを行う。
11)次にCMM30がスタンバイ電源制御スイッチ13をオフにして終了する。
【0029】
なお、ここまでの説明は有線接続を用いて行ったが、CMM30と管理サーバ40の通信や、CPUブレード10とIPネットワーク60の通信等は無線で行っても問題ない。
【0030】
以上、説明したように本実施の形態によれば必要な時以外はBMC11およびNIC12に電力が供給されない。このためCPUブレード10が待機状態にある時の消費電力を大幅に削減できる。
(第2の実施の形態)
次に本発明第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態で説明したように、本発明では非稼動のCPUブレード10はBMC11も含めて完全に停止する。このため稼働中のCPUブレード10だけで処理しきれない要求が来た場合は、CPUブレード10を立上げる待機時間が必要になる。この待機時間を無くすために、第2の実施の形態では、稼働中のCPUブレード10に加えて、オン状態に保つ予備ブレードを所定の台数用意しておく。予備のCPUブレード10は最低限1台であるが、稼働状況に合わせて追加できるようにしておく。その設定は管理サーバ40を用いたソフト処理によって行えるようにしておくと良い。
(第3の実施の形態)
本実施の形態におけるブレードサーバシステム1はWake on LAN(WOL)に対応することを特徴とする。WOLとはLAN経由でコンピュータの電源を投入するための機能のことである。本発明のブレードサーバシステム1は各CPUブレード10の電源制御をCMM30で管理しているが、他のCPUブレードには電源制御をWOLで行っている機種もある。本実施の形態は、これらの機種との互換性を保証するものである。
【0031】
例として一部のCPUブレード10がWOL対応のNIC12を備えている場合を考える。このときCMM30は、WOL対応のNIC12のMACアドレスを、BMC11経由でハードウェアの構成情報として取得する。CMM30は、配下のWOL対応CPUブレード10の電源がオフや待機状態の場合、そのMACアドレスを監視する。この状態でWOLの要求であるマジックパケットをCMM30が受信した場合、WOL互換動作としてCMM30がCPUブレード10の電源をオンにする制御を実行する。
【0032】
図5はWOLによるCPUブレード10の立上げ動作を示すフローチャートである。
1)まずCMM30がCPUブレード[n]宛のWOL要求を受信する。
2)CMM30はCPUブレード10のアドレスを一旦保持する。
3)次にCMM30は、予め定めた規定の時間内にCPUブレード10の立上げが完了できるか判定を行う。規定時間内にCPUブレード10の立上げが完了しないと判定した場合は、要求元に、CPUブレード10立上げ中を伝える旨のメッセージを送信する。規定時間内に立上げが完了できると判定した場合には、メッセージ送信をスキップする。
4)次にスタンバイ電源制御スイッチ13をオンする。
5)次にBMC11[n]が立上げを行う。またNIC12にもスタンバイ電力が供給される。
6)BMC11[n]が立ち上がったら、BMC11[n]がCPUブレード10[n]の立上げを行う。
【0033】
以上のように、本実施の形態によれば、NIC12に常時スタンバイ電圧を供給しなくても従来互換のWOLに対応できるため、消費電力が削減される。
【符号の説明】
【0034】
1 ブレードサーバシステム
10 CPUブレード
11 BMC
12 NIC
13 スタンバイ電源制御スイッチ
20 シャーシ
21 バックプレーン
30 CMM
40 管理サーバ
50 管理用LAN
60 IPネットワーク
70 PSU
71 商用電源
72 メイン電圧供給ライン
73 スタンバイ電圧供給ライン
100 ブレードサーバシステム
110 CPUブレード
111 BMC
112 NIC
120 管理サーバ
130 クライアント
140 IPネットワーク
150 PSU
151 商用電源
152 メイン電圧供給ライン
153 スタンバイ電圧供給ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7