特許第6044240号(P6044240)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044240
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の設計方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20161206BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20161206BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20161206BHJP
   G06F 17/50 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H01L27/04 D
   H01L21/82 C
   G06F17/50 658K
   G06F17/50 658U
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-219592(P2012-219592)
(22)【出願日】2012年10月1日
(65)【公開番号】特開2014-72491(P2014-72491A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】北浦 智靖
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/077623(WO,A1)
【文献】 特開2001−127162(JP,A)
【文献】 特開2007−306290(JP,A)
【文献】 特開2000−068276(JP,A)
【文献】 米国特許第06510545(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
G06F 17/50
H01L 21/82
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された第1の配線層で形成され、第1の方向に配置された第1の信号線と、
前記第1の配線層で形成され、前記第1の方向に、前記第1の信号線を挟んで両側に配置され、第1の固定電位が与えられた第1及び第2のシールド線と、
前記半導体基板上に形成された第2の配線層で形成され、第1の配線幅及び第1の配線間隔で、前記第1の方向に対して概ね直交する第2の方向に、前記第1の信号線並びに前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が重なるように配置され、前記第1の固定電位が与えられた複数の第3のシールド線と、
前記第2の配線層で形成され、前記第1の配線幅及び前記第1の配線間隔で、前記第2の方向に、前記第1の信号線並びに前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が重なるように配置された複数の第2の信号線と、
を有し、
前記複数の第3のシールド線は、その間に前記第2の信号線を挟まず、相互に隣接する第1のグループを構成し、
前記複数の第2の信号線は、その間に前記第3のシールド線を挟まず、相互に隣接する第2のグループを構成し、
前記第1のグループと前記第2のグループは、その間に他の配線を挟まず、相互に隣接していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記複数の第3のシールド線は、前記第1及び第2のシールド線の少なくともいずれかと接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の信号線は、クロック信号線であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
コンピュータによって実行される半導体装置の設計方法であって、
第1の配線層で、第1の方向に、第1の信号線を挟んで両側に第1及び第2のシールド線を配置し、
第2の配線層で、第1の配線幅及び第1の配線間隔で、前記第1の方向に対して概ね直交する第2の方向に、前記第1の信号線並びに前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が重なるように複数の第3のシールド線を配置し、
前記第2の配線層で、前記第1の配線幅及び前記第1の配線間隔で、前記第2の方向に、前記第1の信号線並びに前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が重なるように複数の第2の信号線を配置し、
前記複数の第3のシールド線は、その間に前記第2の信号線を挟まず、相互に隣接する第1のグループを構成し、
前記複数の第2の信号線は、その間に前記第3のシールド線を挟まず、相互に隣接する第2のグループを構成し、
前記第1のグループと前記第2のグループは、その間に他の配線を挟まず、相互に隣接していることを特徴とする半導体装置の設計方法。
【請求項5】
前記複数の第3のシールド線に対して前記第1及び第2のシールド線の少なくともいずれかとのコンタクトを配置することを特徴とする請求項記載の半導体装置の設計方法。
【請求項6】
記第2の信号線が配置されていない領域に前記複数の第3のシールド線を配置することを特徴とする請求項又は記載の半導体装置の設計方法。
【請求項7】
コンピュータによって実行される半導体装置の設計方法であって、
第1の配線層で、第1の方向に、第1の信号線を挟んで両側に第1及び第2のシールド線を配置し、
第2の配線層で、第1の配線幅及び第1の配線間隔で、前記第1の方向に対して概ね直交する第2の方向に、前記第1の信号線と前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が交差する複数の配線グリッド領域を設定し、
前記配線グリッド領域に第2の信号線があるかないかを検出し、
前記配線グリッド領域に前記第2の信号線が無い場合に、前記配線グリッド領域に第3のシールド線を配置し、
前記配線グリッド領域に配置した前記第3のシールド線と前記第1及び第2のシールド線とをコンタクトにより接続することを特徴とする半導体装置の設計方法。
【請求項8】
コンピュータによって実行される半導体装置の設計方法であって、
第1の配線層で、第1の方向に、第1の信号線を挟んで両側に第1及び第2のシールド線を配置し、
第2の配線層で、第1の配線幅及び第1の配線間隔で、前記第1の方向に対して概ね直交する第2の方向に、前記第1の信号線と前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が交差する複数の配線グリッド領域を設定し、
前記配線グリッド領域に第2の信号線があるかないかを検出し、
前記配線グリッド領域に前記第2の信号線が無い場合に、前記配線グリッド領域に第3のシールド線を配置し、
前記配線グリッド領域に配置した前記第3のシールド線と前記第1及び第2のシールド線とをコンタクトにより接続し、
前記半導体装置のタイミング解析によりタイミング違反である場合に、前記第3のシールド線を削除し、
前記タイミング違反を解消するために、前記第2の配線層で、前記第2の方向に第3の信号線を配置し、
前記配線グリッド領域に前記第2の信号線又は前記第3の信号線があるかないかを検出し、
前記配線グリッド領域に前記第2の信号線及び前記第3の信号線のいずれも無い場合に、前記配線グリッド領域に第4のシールド線を配置し、
前記配線グリッド領域に配置した前記第4のシールド線と前記第1及び第2のシールド線とをコンタクトにより接続することを特徴とする半導体装置の設計方法。
【請求項9】
コンピュータによって実行される半導体装置の設計方法であって、
第1の配線層で、第1の方向に、第1の信号線を挟んで両側に第1及び第2のシールド線を配置し、
第2の配線層で、第1の配線幅及び第1の配線間隔で、前記第1の方向に対して概ね直交する第2の方向に、前記第1の信号線と前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が交差する複数の配線グリッド領域を設定し、
n個置きの前記配線グリッド領域に第3のシールド線を配置し、
前記第2の配線層で、前記第2の方向に第2の信号線を配置し、
前記配線グリッド領域に前記第2の信号線又は前記第3のシールド線があるかないかを検出し、
前記配線グリッド領域に前記第2の信号線及び前記第3のシールド線のいずれも無い場合に、前記配線グリッド領域に第4のシールド線を配置することを特徴とする半導体装置の設計方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロック信号を必要とする複数の回路を有する半導体集積回路装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。半導体集積回路装置には、パルス発生器及びクロックドライバからのクロック幹線と、電源及びグランド線と、クロック幹線用のシールド配線と、複数の回路とが配されている。また、半導体集積回路装置には、装置の構成要素のそれぞれの配置関係が所定ルールを満足しているか否かを判定して得られた判定結果に応じて、クロック支線とクロック支線用のシールド配線とが配され、クロック支線用のシールド配線と、電源又はグランド線のどちらか一方とが交差する領域に両者を接続するための接続手段が配されている。
【0003】
また、一の層に設けられたクロック信号を伝搬するためのクロック配線と、一の層にクロック配線に沿ってその両側に設けられた一対の同層シールド配線と、一の層の下層及び上層又はこれらのいずれかの層にクロック配線及び一対のシールド配線に沿って設けられた隣接層シールド配線とを含むクロック配線構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、クロック配線と、クロック配線と同層において、クロック配線に沿ってその両側に設けられた一対の第1シールド配線と、クロック配線と絶縁層を介した異なる層において、クロック配線及び一対の第1シールド配線の対向する領域を覆うように設けられた第2シールド配線とを有する配線構造が知られている(例えば、特許文献3参照)。その配線構造は、一対の電極が絶縁層を介して対向配置されたMIM容量を有し、MIM容量の一対の電極のうち少なくとも一方が、第2シールド配線と同層に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−308189号公報
【特許文献2】特開2003−158186号公報
【特許文献3】特開2009−218526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クロックツリーにより、複数のクロック信号線を配置して、同一のクロック信号を分配する場合に、複数のクロック信号線の容量が異なると、分配した複数のクロック信号のタイミングにずれが生じ、クロックスキューが発生してしまう。
【0007】
本発明の目的は、信号の遅延時間のばらつきを防止することによりスキューを低減することができる半導体装置及び半導体装置の設計方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
半導体装置は、半導体基板上に形成された第1の配線層で形成され、第1の方向に配置された第1の信号線と、前記第1の配線層で形成され、前記第1の方向に、前記第1の信号線を挟んで両側に配置され、第1の固定電位が与えられた第1及び第2のシールド線と、前記半導体基板上に形成された第2の配線層で形成され、第1の配線幅及び第1の配線間隔で、前記第1の方向に対して概ね直交する第2の方向に、前記第1の信号線並びに前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が重なるように配置され、前記第1の固定電位が与えられた複数の第3のシールド線と、前記第2の配線層で形成され、前記第1の配線幅及び前記第1の配線間隔で、前記第2の方向に、前記第1の信号線並びに前記第1及び第2のシールド線のそれぞれと一部が重なるように配置された複数の第2の信号線と、を有し、前記複数の第3のシールド線は、その間に前記第2の信号線を挟まず、相互に隣接する第1のグループを構成し、前記複数の第2の信号線は、その間に前記第3のシールド線を挟まず、相互に隣接する第2のグループを構成し、前記第1のグループと前記第2のグループは、その間に他の配線を挟まず、相互に隣接している
【発明の効果】
【0009】
複数の第3のシールド線を設けることにより、第1の信号線の信号の遅延時間のばらつきを防止し、スキューを低減し、クロストークを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、クロックツリーの構成例を示す図である。
図2図2は、Hツリーの等長配線によるクロックツリーの例を示す図である。
図3図3は、クロック信号線を含む配線層の例を示す配線層の断面図である。
図4図4は、Hツリーに対してサイドシールド線を設けた図である。
図5図5は、信号線及びシールド線を有する半導体装置の例を示す配線層の平面図である。
図6図6は、図5の半導体装置に対してシールド線を設ける例を示す図である。
図7図7は、図5の半導体装置に対して第3のシールド線を設けた配線層の平面図である。
図8図8は、図5の半導体装置の配線層の斜視図である。
図9図9は、図7の半導体装置の配線層の斜視図である。
図10図10は、図3の半導体装置に対して第3のシールド線を追加した配線層の断面図である。
図11図11は、半導体装置の設計を行う設計装置を構成するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図12図12は、図11の設計装置の設計方法の処理例を示すフローチャートである。
図13図13は、図5に配線グリッドが追加された図である。
図14図14は、配線層の平面図である。
図15図15は、配線層の平面図である。
図16図16は、図13の半導体装置に対して第2の信号線の幅が太い場合の配線層の平面図である。
図17図17は、配線層の平面図である。
図18図18は、配線層の平面図である。
図19図19は、図20の半導体装置のタイミング解析によりタイミング違反の結果が得られた場合の処理例を示すフローチャートである。
図20図20は、配線層の平面図である。
図21図21は、配線層の平面図である。
図22図22は、配線層の平面図である。
図23図23は、配線層の平面図である。
図24図24は、他の実施形態による半導体装置の設計方法の処理例を示すフローチャートである。
図25図25は、配線層の平面図である。
図26図26は、配線層の平面図である。
図27図27は、配線層の平面図である。
図28図28は、配線層の平面図である。
図29図29は、配線層の平面図である。
図30図30は、配線層の平面図である。
図31図31は、配線層の平面図である。
図32図32は、配線層の平面図である。
図33図33は、配線層の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、クロックツリーの構成例を示す図である。ドライバ101a及び101bは、それぞれ、同一のクロック信号を増幅し、クロック信号線103a及び103bを介して、レシーバ102a及び102bに出力する。これにより、同一のクロック信号を複数のレシーバ102a及び102bに分配することができる。分配されたクロック信号は、フリップフロップ又はラッチ回路の同期信号として用いられる。例えば、ドライバ101a及び101bはバッファであり、レシーバ102a及び102bはフリップフロップ又はラッチ回路である。クロック信号を分配するにあたり、同期設計では、ドライバ101aからレシーバ102aまでのクロック到達遅延時間と、ドライバ101bからレシーバ102bまでのクロック到達遅延時間との差(クロックスキュー)を小さくする必要がある。
【0012】
しかし、クロック信号線103a及び103bは、周囲のレイアウトパターンにより、同層や上下層の隣接配線との接合容量が異なることにより、レシーバ102a及び102bへのクロック到達遅延時間にバラツキが生じる。また、製造工程において、周辺パターンなどにより、膜厚や配線幅など製造上のバラツキが発生し、クロック到達遅延時間にバラツキを生じる。
【0013】
静的タイミング解析(STA:static timing analysis)では、遅延時間は、以下の成分に分けて計算される。
遅延時間=(セルの遅延時間)+(配線の遅延時間)+(クロストーク遅延時間)
【0014】
セルの遅延時間は、入力波形のエッジの傾き及び出力の負荷容量の関数である。配線の遅延時間は、配線抵抗及び配線容量(対地容量と配線間容量)の関数である。クロストーク遅延時間は、配線間容量及びドライバ強度の関数である。
【0015】
ここで、クロック信号線103aのセルの遅延時間をT1a、クロック信号線103bのセルの遅延時間をT1b、クロック信号線103aの配線の遅延時間をT2a、クロック信号線103bの配線の遅延時間をT2b、クロック信号線103aのクロストーク遅延時間をT3a、クロック信号線103bのクロストーク遅延時間をT3bとする。その時、クロック信号線103a及び103b間のスキューは以下の式で表される。
スキュー=(セルの遅延時間の差)+(配線の遅延時間の差)+(クロストーク遅延時間の差)
=(T1a−T1b)+(T2a−T2b)+(T3a−T3b)
【0016】
したがって、それぞれの要素の遅延時間の差を小さくすることで、スキューを小さくすることができる。
【0017】
理論的には、クロック信号線103aの長さ104aとクロック信号線103bの長さ104bとの長さを等しくすることにより、クロック信号線103a及び103bの抵抗及び容量が等しくなり、スキューを低減することができる。
【0018】
図2は、Hツリーの等長配線によるクロックツリーの例を示す図である。Hツリーは、複数のドライバ101及びクロック信号線103により構成される。クロック信号は、中央のドライバ101から発信され、複数のクロック信号に分配される。配線トポロジを等しくし、対応するクロック信号線103を等長にすることにより、クロックスキューを小さくすることができる。これにより、それぞれのクロック信号線103の配線抵抗と容量の差が小さくなり、配線遅延時間の差とセル遅延時間の差が改善され、クロックスキューが改善される。配線抵抗は、配線パターンを揃えることで、製造上のバラツキを除けば、ほぼ抵抗値を揃えることができる。
【0019】
図3は、図1に対応し、クロック信号線を含む配線層の例を示す配線層の断面図である。クロック信号線103a及び103bは、N層に設けられる。N−1層は、N層の下の層である。N−2層は、N−1層の下の層である。クロック信号線103aの下のN−1層及びN−2層には、信号線105aが設けられる。クロック信号線103bの下のN−1層及びN−2層には、信号線105bが設けられる。信号線105aのパターンと信号線105bのパターンとは異なる。したがって、クロック信号線103aと信号線105aとの間の配線間容量と、クロック信号線103bと信号線105bとの間の配線間容量とは異なるので、クロック信号線103a及び103b間のスキューが発生する。そのため、スキューを低減するには、信号線105aのパターンと信号線105bのパターンとが同等になることが望ましい。
【0020】
図4は、Hツリー(図2)に対してサイドシールド線401を設けた図である。クロック信号線103に対して、同層で、クロック信号線103の両側にシールド線401を敷設することにより、同層で発生する容量を揃えると同時に、クロストークを軽減することができる。
【0021】
図5は信号線及びシールド線を有する半導体装置の例を示す配線層の平面図であり、図8図5の半導体装置の配線層の斜視図である。第2の配線層(N−1層)は第1の配線層(N層)の下の配線層であり、第3の配線層(N−2層)は第2の配線層(N−1層)の下の配線層である。第1〜第3の配線層は、それぞれ絶縁層により分離されている。
【0022】
第1の信号線508は、半導体基板上に形成された第1の配線層(N層)で形成され、第1の方向(図の垂直方向)に配置されている。第1のシールド線509及び第2のシールド線510は、第1の配線層(N層)で形成され、第1の方向に、第1の信号線508を挟んで両側に配置され、第1の固定電位(グランド電位又は電源電位)が与えられる。シールド線509及び510を設けることにより、図4と同様に、第1の信号線508の容量を一定値にしてスキューを低減し、第1の信号線508の両側からのクロストークを低減することができる。
【0023】
信号線501〜504は、相互にコンタクト(ビア)により接続されている。信号線502及び504は、第1の配線層(N層)で、第1の方向に配置されている。信号線501及び503は、第2の配線層(N−1層)で、第2の方向(図の水平方向)に配置されている。第2の方向は、第1の方向に対して概ね直交する方向である。
【0024】
信号線505〜507は、相互にコンタクト(ビア)により接続されている。信号線506は、第1の配線層(N層)で、第1の方向に配置されている。信号線505及び507は、第2の配線層(N−1層)で、第2の方向に配置されている。信号線801(図8)は、第3の配線層(N−2)層で、第1の方向に配置されている。
【0025】
第1の配線層(N層)は、優先配線方向が第1の方向であり、第1の方向に沿って延びる配線502,504,506,508〜510が設けられる。第2の配線層(N−2層)は、優先配線方向が第2の方向であり、第2の方向に沿って延びる配線501,503,505,507が設けられる。第3の配線層(N−2層)は、優先配線方向が第1の方向であり、第1の方向に沿って延びる配線801(図8)が設けられる。以上のように、第1〜第3の配線層の優先配線方向は、上下方向に対して、第1の方向と第2の方向とが交互に入れ替わる。配線501〜510は、最上層ではアルミニウムが用いられ、最上層以外の層では銅が用いられる。
【0026】
第2の信号線503及び507は、第2の配線層(N−1層)で、第2の方向に、第1の信号線508、第1のシールド線509及び第2のシールド線510のそれぞれと一部が重なるように配置されている。
【0027】
図6は、図5の半導体装置に対してシールド線601を設ける例を示す図である。上記のように、スキューを低減するためには、図3の信号線105aのパターンと信号線105bのパターンとを同等することが好ましい。そこで、第1の信号線508の下の第2の配線層(N−1層)において、第1の信号線508と同じ第1の方向に、シールド線601を設けることが好ましい。しかし、第2の配線層(N−1層)は、優先配線方向が第2の方向であり、シールド線601の第1の方向は非優先配線方向である。したがって、第2の配線層(N−1層)で、非優先配線方向である第1の方向のシールド線601を設けると、第2の方向の第2の信号線503が切断されてしまい、配線性を著しく低下させる問題が生じる。
【0028】
図7図5の半導体装置に対して第3のシールド線701を設けた配線層の平面図であり、図9図7の半導体装置の配線層の斜視図であり、図8の半導体装置に対して第3のシールド線701が追加されている。複数の第3のシールド線701は、半導体基板上に形成された第2の配線層(N−1層)で形成され、第1の配線幅及び第1の配線間隔で、第1の方向に対して概ね直交する第2の方向(図7の水平方向)に、第1の信号線508、第1のシールド線509及び第2のシールド線510のそれぞれと一部が重なるように配置され、第1の固定電位(グランド電位又は電源電位)が与えられる。また、複数の第3のシールド線701は、第1のシールド線509及び/又は第2のシールド線510とコンタクト(ビア)901により接続されている。第1の信号線508に対して、第1のシールド線509、第2のシールド線510、第3のシールド線701及び第2の信号線503,507は、梯子(ラダー)形の形状を有する。第3のシールド線701及び第2の信号線503,507は、第1の配線幅及び第1の配線間隔で配置されるので、第1の信号線508の容量を一定値にしてスキューを低減し、第1の信号線508の下層からのクロストークを低減することができる。第2の配線層(N−1層)において、第2の信号線503及び507の無い部分に、第3のシールド線701を追加することにより、配線パターンの均一性を保つことができる。
【0029】
図10は、図7及び図9と同様に、図3の半導体装置に対して第3のシールド線701を追加した配線層の断面図である。クロック信号線103a及び103bは、図7及び図9の第1の信号線508に対応する。
【0030】
クロック信号線103aの下の第2の配線層(N−1層)には、第3のシールド線701及び信号線105aが第1の配線幅及び第1の配線間隔で配置されている。第3のシールド線701を設けることにより、クロック信号線103aは、容量が一定値になり、第3の配線層(N−2層)の信号線105aからのクロストークを低減することができる。
【0031】
クロック信号線103bの下の第2の配線層(N−1層)には、第3のシールド線701及び信号線105bが第1の配線幅及び第1の配線間隔で配置されている。第3のシールド線701を設けることにより、クロック信号線103bは、容量が一定値になり、第3の配線層(N−2層)の信号線105bからのクロストークを低減することができる。
【0032】
クロック信号線103aの下の第2の配線層(N−1層)の配線105a,701のパターンと、クロック信号線103bの下の第2の配線層(N−1層)の配線105b,701のパターンとが同等になるので、クロック配線103aの容量とクロック配線103bの容量とがほぼ同じになる。これにより、クロック信号線103aの遅延時間とクロック配線103bの遅延時間がほぼ同じになり、クロック信号103a及び103b間のスキューを低減することができる。
【0033】
なお、上記では、第1の信号線508の下の層を例に説明したが、第1の信号線508の上の層も、下の層と同様である。
【0034】
図11は、半導体装置の設計を行う設計装置を構成するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。この設計装置は、CAD(computer-aided design)により、半導体装置の設計データを生成することができる。
【0035】
バス1101には、中央処理装置(CPU)1102、ROM1103、RAM1104、ネットワークインタフェース1105、入力装置1106、出力装置1107及び外部記憶装置1108が接続されている。
【0036】
CPU1102は、データの処理及び演算を行うと共に、バス1101を介して接続された上記の構成ユニットを制御するものである。ROM1103には、予めブートプログラムが記憶されており、このブートプログラムをCPU1102が実行することにより、コンピュータが起動する。外部記憶装置1108にコンピュータプログラムが記憶されており、そのコンピュータプログラムがRAM1104にコピーされ、CPU1102により実行される。このコンピュータは、コンピュータプログラムを実行することにより、後述する図12の設計処理等を行うことができる。
【0037】
外部記憶装置1108は、例えばハードディスク記憶装置等であり、電源を切っても記憶内容が消えない。外部記憶装置1108は、コンピュータプログラム、設計データ等を記録媒体に記録したり、記録媒体からコンピュータプログラム等を読み出すことができる。
【0038】
ネットワークインタフェース1105は、ネットワークに対してコンピュータプログラム及び設計データ等を入出力することができる。入力装置1106は、例えばキーボード及びポインティングデバイス(マウス)等であり、各種指定又は入力等を行うことができる。出力装置1107は、ディスプレイ及びプリンタ等であり、表示又は印刷することができる。
【0039】
本実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体及びコンピュータプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0040】
図12は、図11の設計装置の設計方法の処理例を示すフローチャートである。設計装置は、図7及び図9の半導体装置の設計処理を行い、設計データを生成して外部記憶装置1108に記憶する。図13は、図5に配線グリッド1300が追加された図である。配線グリッド1300は、第2の配線層(N−1層)における設計ルール上の最小配線間隔を示すグリッドである。
【0041】
まず、ステップS1201では、設計装置は、図13に示すように、第1の配線層(N層)で、第1の方向に、第1の信号線(クロック信号線)508を配置する。例えば、設計装置は、図2のHツリーのような等トポロジ配線のクロック信号線103を配置する。次に、設計装置は、第1の配線層(N層)で、第1の方向に、第1の信号線508を挟んで両側に第1のシールド線509及び第2のシールド線510を配置する。
【0042】
次に、ステップS1202では、設計装置は、図13に示すように、信号線501〜507を配置する。信号線502,504及び506は、第1の配線層(N層)で、第1の方向に配置される。信号線501,503,505及び507は、第2の配線層(N−1層)で、第2の方向に配置される。第2の信号線503及び507は、第1の信号線508、第1のシールド線509及び第2のシールド線510のそれぞれと一部が重なる。
【0043】
次に、ステップS1203では、設計装置は、複数の第1の信号線(クロック信号線)の中の対象となる第1の信号線(クロック信号線)508を順次1つずつ選択する。例えば、図13の第1の信号線(クロック信号線)508が選択される。
【0044】
次に、ステップS1204では、設計装置は、対象となる第1の信号線(クロック信号線)508の上のN+1層及び下のN−1層の配線グリッド1300と、対象となる第1の信号線(クロック信号線)508との交点を順次1つずつ選択する。例えば、まず、図13の最上の配線グリッド線1300と第1の信号線(クロック配線)508との交点が選択される。
【0045】
次に、ステップS1205では、設計装置は、選択された交点に第3のシールド線701を追加可能であるか否かをチェックする。例えば、図13の最上の配線グリッド線1300と第1の信号線(クロック配線)508との交点には、第2の信号線503が配置されているので、第3のシールド線701を追加可能ではないと判定する。追加可能でなければステップS1207に進み、追加可能であればステップS1206に進む。
【0046】
ステップS1207では、設計装置は、すべての交点のチェックを終了したか否かを判定する。終了していなければステップS1204に戻り、終了していればステップS1208に進む。
【0047】
次に、ステップS1204に戻り、設計装置は、図13の上から2番目の配線グリッド1300と第1の信号線(クロック信号線)508との交点を選択する。次に、ステップS1205では、設計装置は、その交点には第2の信号線507が配置されているので、第3のシールド線701を追加可能ではないと判定する。
【0048】
次に、ステップS1204に戻り、設計装置は、図13の上から3番目の配線グリッド1300と第1の信号線(クロック信号線)508との交点を選択する。次に、ステップS1205では、設計装置は、その交点には第2の信号線が配置されていないので、第3のシールド線701を追加可能であると判定し、ステップS1206に進む。
【0049】
ステップS1206では、設計装置は、図14に示すように、第2の配線層(N−1層)で、その交点において第2の方向に第3のシールド線701aを配置し、第3のシールド線701aをコンタクトにより第1のシールド線509及び第2のシールド線510に接続する。
【0050】
次に、ステップS1204に戻り、設計装置は、図14の上から4番目の配線グリッド1300と第1の信号線(クロック信号線)508との交点を選択する。次に、ステップS1205では、設計装置は、その交点には第2の信号線が配置されていないので、第3のシールド線701を追加可能であると判定し、ステップS1206に進む。
【0051】
ステップS1206では、設計装置は、図15に示すように、第2の配線層(N−1層)で、その交点において第2の方向に第3のシールド線701bを配置し、第3のシールド線701bをコンタクトにより第1のシールド線509及び第2のシールド線510に接続する。
【0052】
次に、ステップS1207において、設計装置は、すべての交点のチェックが終了したと判定すると、ステップS1208に進む。ステップS1208では、設計装置は、すべての第1の信号線(クロック信号線)のチェックが終了したか否かを判定する。終了していなければ、ステップS1203に戻り、次の第1の信号線(クロック信号線)を選択し、上記の処理を繰り返す。終了していれば、図12の処理を終了する。
【0053】
以上のように、設計装置は、配線グリッド1300上において、第2の信号線が配置されていない領域に第3のシールド線701を配置する。
【0054】
図16は、図13の半導体装置に対して第2の信号線507の幅が太い場合の配線層の平面図である。この場合、図16の上から3番目の配線グリッド1300上に、第3のシールド線701を設けようとすると、その第3のシールド線701と第2の信号線507との間隔が狭くなりすぎ、設計ルールを満たさず、第3のシールド線701を配置することができない。
【0055】
その場合、図17に示すように、第2の信号線507に対して、設計ルールを満たす第1の配線間隔1701で、第3のシールド線701aを配置する。その後、図18に示すように、第3のシールド線701aに対して、第1の配線間隔1701で、第3のシールド線701bを配置する。以上により、第3のシールド線701a及び701bは、第1の配線幅及び第1の配線間隔1701で配置される。
【0056】
なお、第2の信号線507が配線グリッド1300上にない場合も、図17及び図18と同様に、第1の配線間隔1701で、第3のシールド線701a及び701bを配置すればよい。
【0057】
図19は、図20の半導体装置のタイミング解析によりタイミング違反の結果が得られた場合の処理例を示すフローチャートである。その場合、タイミング違反を解消するため、図19の処理により、クロック信号線及び/又は信号線を修正する必要がある。
【0058】
図20は、図15の半導体装置に対して、信号線501〜507の代わりに、信号線2001〜2003を設けた図である。信号線2001〜2003は、コンタクトにより相互に接続されている。信号線2001は、第3の配線層(N−2層)で、第1の方向に配置されている。信号線2002は、第2の配線層(N−1層)で、第2の方向に配置されている。信号線2003は、第1の配線層(N層)で、第1の方向に配置されている。第2の信号線2002は、第1の信号線508、第1のシールド線509及び第2のシールド線510のそれぞれと一部が重なっている。第3のシールド線701は、配線グリッド1300と第1の信号線508との交点において、第2の信号線2002がない領域に配置される。
【0059】
図19のステップS1901では、設計装置は、図20の半導体装置においてすべての第3のシールド線701を削除し、図21の半導体装置の配線層を生成する。
【0060】
次に、ステップS1902では、設計装置は、タイミング違反を解消するように、図21の半導体装置の論理設計データを修正する。
【0061】
次に、ステップS1903では、設計装置は、上記の論理設計データの修正に伴い、レイアウト設計により、配線を修正する。例えば、設計装置は、図22に示すように、第2の配線層(N−1層)で、第2の方向に信号線2201を配置する。
【0062】
次に、ステップS1904では、設計装置は、図23に示すように、第3のシールド線701の挿入処理を行う。ステップS1904の処理は、図12の処理と同じ処理である。例えば、設計装置は、配線グリッド1300と第1の信号線508との交点において、第2の信号線2201及び2002が配置さていない領域に第3のシールド線701を配置し、第3のシールド線701をコンタクトにより第1のシールド線509及び第2のシールド線510に接続する。以上で、図19の処理を終了する。
【0063】
図24は、他の実施形態による半導体装置の設計方法の処理例を示すフローチャートであり、図12のフローチャートに対してステップS2401が追加されている。以下、図24の処理が図12の処理と異なる点を説明する。図24の処理は、図12の処理に対して、さらに配線の均一性を向上させることができる。
【0064】
ステップS1201では、設計装置は、図25に示すように、第1の信号線508、第1のシールド線509及び第2のシールド線510を配置する。
【0065】
次に、ステップS2401では、設計装置は、図25に示すように、配線グリッド1300上において1グリッド置きに、第2の配線層(N−1層)で、第2の方向に第3のシールド線701aを配置し、第3のシールド線701aをコンタクトにより第1のシールド線509及び第2のシールド線510に接続する。
【0066】
次に、ステップS1202では、設計装置は、図26に示すように、信号線2001〜2003を配置する。
【0067】
次に、ステップS1203〜S1205を介して、ステップS1206に進み、設計装置は、図27に示すように、配線グリッド1300と第1の信号線508との交点において、配線2002,701aが配置されていない領域に、第2の配線層(N−1層)で、第2の方向に第3のシールド線701bを配置する。その他の処理は、図12の処理と同様である。
【0068】
本実施形態では、信号線2001〜2003の配線前に1グリッド置きに第3のシールド線701aを配置する。これにより、第1の信号線508の下の第2の配線層(N−1層)の第2の信号線2002の配置を空き領域に誘導する。次に、信号線2001〜2003を配置する。その後、配線グリッド1300と第1の信号線508との交点において、配線2002,701aが配置されなった領域に、第3のシールド線701bを配置する。これにより、第1の信号線508の下の第2の配線層(N−1層)の配線を均一に保つことができる。なお、ステップS2401では1グリッド置きに第3のシールド線701aを配置する例を説明したが、以下、N(自然数)グリッド置きに第3のシールド線701aを配置する例を説明する。
【0069】
まず、図28図30を参照しながら、図29のように、第2の信号線2902が配線グリッド1300の外に配置される場合を説明する。
【0070】
ステップS1201では、設計装置は、図28に示すように、第1の信号線508、第1のシールド線509及び第2のシールド線510を配置する。
【0071】
次に、ステップS2401では、設計装置は、配線グリッド1300上において、2グリッド置きに第3のシールド線701aを配置する。
【0072】
次に、ステップS1202では、設計装置は、図29に示すように、信号線2901〜2903を配置する。第2の信号線2902は、配線グリッド1300の外に配置される。
【0073】
次に、ステップS1205では、設計装置は、図29の上から2番目の配線グリッド1300及び3番目の配線グリッド1300は、第2の信号線2902との間隔が狭すぎ、設計ルールを満たさないので、第3のシールド配線701を追加可能ではないと判断する。また、設計装置は、図29の上から1番目及び4番目の配線グリッド1300には、第3のシールド線701aが配置されているので、第3のシールド線701を追加可能ではないと判断する。
【0074】
次に、ステップS1206では、設計装置は、図30の上から5番目及び6番目の配線グリッド1300上に、第3のシールド線701bを追加する。以上のように、第3のシールド線701a及び701bを配置することにより、スキュー及びクロストークを低減することができる。
【0075】
次に、図31図33を参照しながら、図32のように、太幅の第2の信号線3202が配置される場合を説明する。
【0076】
ステップS1201では、設計装置は、図31に示すように、第1の信号線508、第1のシールド線509及び第2のシールド線510を配置する。
【0077】
次に、ステップS2401では、設計装置は、配線グリッド1300上において、3グリッド置きに第3のシールド線701aを配置する。
【0078】
次に、ステップS1202では、設計装置は、図32に示すように、信号線3201〜3203を配置する。第2の信号線3202は、第1の配線幅より太幅である。
【0079】
次に、ステップS1205では、設計装置は、図32の上から2番目及び4番目の配線グリッド1300は、第2の信号線3202との間隔が狭すぎ、設計ルールを満たさないので、第3のシールド配線701を追加可能ではないと判断する。また、設計装置は、図32の上から1番目、3番目及び5番目の配線グリッド1300には、配線701a及び3202が配置されているので、第3のシールド線701を追加可能ではないと判断する。
【0080】
次に、ステップS1206では、設計装置は、図33の上から6番目の配線グリッド1300上に、第3のシールド線701bを追加する。以上のように、第3のシールド線701a及び701bを配置することにより、スキュー及びクロストークを低減することができる。
【0081】
上記の種々の実施形態によれば、第1の信号線508の下層及び/又は上層に第3のシールド線701を追加することにより、容量の均一性が高まり、クロストークを低減することができる。その結果、第1の信号線508のクロック信号の遅延時間のバラツキを低減することができ、スキューを小さくすることができる。
【0082】
上記の種々の実施形態では、配線層を増やさずに、第1の信号線508の周辺レイアウトパターンを均一化することにより、隣接配線容量の均一化を図り、結果としてクロックスキューを小さくすることができる。具体的には、上下層の信号線の配線性を悪化することなく、第1の信号線508の容量を均一にし、2層下層及び/又は2層上層の配線からのクロストークの影響を小さくすることができる。
【0083】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
501〜507 信号線
508 第1の信号線
509 第1のシールド線
510 第2のシールド線
701 第3のシールド線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33