特許第6044392号(P6044392)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044392
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】端末装置及び機能実行装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20161206BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H04N1/00 107Z
   G06F3/12 309
   G06F3/12 336
   G06F3/12 386
   G06F3/12 387
   G06F3/12 392
【請求項の数】25
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2013-40084(P2013-40084)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-168211(P2014-168211A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2015年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆延
【審査官】 石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0081385(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0092106(US,A1)
【文献】 特表2010−505347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
H04W 48/18
H04W 88/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信部であって、前記第1の情報は、前記第1の機能実行装置が第2の通信方式を含むM1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を利用可能であることを示す第3のデータを含む場合に、さらに、前記第1の機能実行装置が所属している特定のローカルエリアネットワークを識別するための識別情報を含み、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式であり、前記第2の通信方式は、前記第1の機能実行装置が、ローカルエリアネットワークを利用して、インターネットを介さずに、印刷データを受信するための通信方式である、前記第1の受信部と、
前記端末装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属しているのか否かを、前記識別情報を利用して判断する第1の判断部と、
前記端末装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属していると判断される場合に、前記第1の情報を利用して、前記第2の通信方式を含む前記M1個の通信方式を示す第1の画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御部であって、前記端末装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属していないと判断される場合に、前記第1の情報を利用して、前記第2の通信方式を含まない(M1−1)個の通信方式を示す第2の画像を前記表示機構に表示させる前記表示制御部と、
を備える端末装置。
【請求項2】
端末装置であって、
前記端末装置が印刷機能及びスキャン機能のうちの一方の機能を選択するための選択画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御部と、
前記選択画像が表示された後に、前記印刷機能及び前記スキャン機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信部と、
を備え
前記表示制御部は、さらに、
前記選択画像において、前記印刷機能が選択される場合に、前記第1の情報を利用して、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を示す第1の画像を前記表示機構に表示させ
前記選択画像において、前記スキャン機能が選択される場合に、前記第1の情報を利用して、N個(前記Nは1以上の整数)の通信方式を示す特定の画像を前記表示機構に表示させ、
前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式であり、
前記N個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式である、端末装置。
【請求項3】
端末装置であって、
印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信部と、
前記第1の情報を利用して、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を示す第1の画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御部であって、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である、前記表示制御部と、
前記第1の画像に示される前記M1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、前記特定の通信方式を示す選択結果を前記第1の機能実行装置に送信する第2の送信部と、
前記選択結果が前記第1の機能実行装置に送信された後に、前記第1の機能実行装置から、前記特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を受信する第2の受信部であって、前記特定の送信先情報は、前記特定の通信方式に従って前記端末装置から前記第1の機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示す、前記第2の受信部と、
前記特定の送信先情報を利用して、前記特定の通信方式に従って前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信する第1の送信部と、
を備える端末装置。
【請求項4】
端末装置であって、
印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信部であって、前記第1の情報は、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式に対応するM1個の送信先情報を含み、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式であり、前記M1個の送信先情報のそれぞれは、当該送信先情報に対応する通信方式に従って前記端末装置から前記第1の機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示す、前記第1の受信部と、
前記第1の情報を利用して、前記M1個の通信方式を示す第1の画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御部と
前記第1の画像に示される前記M1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、前記M1個の送信先情報のうち、前記特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を利用して、前記特定の通信方式に従って前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信する第1の送信部と、
を備える端末装置。
【請求項5】
端末装置であって、
印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信部と、
前記第1の情報を利用して、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を示す第1の画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御部であって、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である、前記表示制御部と、
前記第1の画像に示される前記M1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、前記特定の通信方式に従って特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信する第1の送信部と、
を備え
前記第1の送信部は、
前記特定の通信方式が第2の通信方式であり、かつ、前記端末装置及び前記第1の機能実行装置の両方が所属している特定のローカルエリアネットワークが形成されている状態で、前記第1の情報が受信される場合に、前記特定のローカルエリアネットワークを利用して、前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信し、
前記特定の通信方式が前記第2の通信方式であり、かつ、前記特定のローカルエリアネットワークが形成されていない状態で、前記第1の情報が受信される場合に、前記端末装置及び前記第1の機能実行装置の間に無線接続を新たに確立し、前記無線接続が新たに確立したことで形成された他のローカルエリアネットワークであって、前記端末装置及び前記第1の機能実行装置の両方が所属している前記他のローカルエリアネットワークを利用して、前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信し、
前記第2の通信方式は、前記第1の機能実行装置が、ローカルエリアネットワークを利用して、インターネットを介さずに、印刷データを受信するための通信方式である、端末装置。
【請求項6】
前記第1の送信部は、
前記特定の通信方式が第1の通信方式である場合に、インターネットを介して、前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信し、
前記特定の通信方式が前記第1の通信方式とは異なる第2の通信方式である場合に、前記インターネットを介さずに、前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信する、請求項からのいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記端末装置は、さらに、
無線通信を実行するための第1のインターフェースと、
無線通信を実行するための第2のインターフェースと、を備え、
前記第2のインターフェースを介した無線通信の通信可能範囲は、前記第1のインターフェースを介した無線通信の通信可能範囲よりも大きく、
前記第1の受信部は、前記第1のインターフェースを介して、前記第1の機能実行装置から前記第1の情報を受信し、
前記第1の送信部は、前記第2のインターフェースを介して、前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信する、請求項からのいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記第1の情報は、前記第1の機能実行装置が前記M1個の通信方式を利用可能であることを示すデータを含み、
前記表示制御部は、前記第1の情報と、前記端末装置のメモリに記憶されているテンプレートデータと、を利用して、前記第1の画像を表わす表示用データを生成し、前記表示用データを前記表示機構に供給することによって、前記第1の画像を前記表示機構に表示させる、請求項1から7のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記M1は、2以上の整数であり、
前記M1個の通信方式のそれぞれは、互いに異なる通信プロトコルを利用する通信方式である、請求項1から8のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項10】
前記第1の情報は、
インターネットを介した通信のための第1の通信設定情報が前記第1の機能実行装置のメモリに記憶されている場合に、前記第1の機能実行装置が第1の通信方式を含む前記M1個の通信方式を利用可能であることを示す第1のデータを含み、
前記第1の通信設定情報が前記第1の機能実行装置の前記メモリに記憶されていない場合に、前記第1の機能実行装置が前記第1の通信方式を含まない前記M1個の通信方式を利用可能であることを示す第2のデータを含み、
前記第1の通信方式は、前記第1の機能実行装置が、前記インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式であり、
前記表示制御部は、
前記第1の情報が前記第1のデータを含む場合に、前記第1の通信方式を含む前記M1個の通信方式を示す前記第1の画像を前記表示機構に表示させ、
前記第1の情報が前記第2のデータを含む場合に、前記第1の通信方式を含まない前記M1個の通信方式を示す前記第1の画像を前記表示機構に表示させる、請求項1からのいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項11】
前記第1の情報は、
前記第1の機能実行装置がインターネット上のサーバに信号を送信して応答を受信する場合に、前記第1の機能実行装置が第1の通信方式を含む前記M1個の通信方式を利用可能であることを示す第1のデータを含み、
前記第1の機能実行装置が前記サーバに前記信号を送信しても前記応答を受信しない場合に、前記第1の機能実行装置が前記第1の通信方式を含まない前記M1個の通信方式を利用可能であることを示す第2のデータを含み、
前記第1の通信方式は、前記第1の機能実行装置が、前記インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式であり、
前記表示制御部は、
前記第1の情報が前記第1のデータを含む場合に、前記第1の通信方式を含む前記M1個の通信方式を示す前記第1の画像を前記表示機構に表示させ、
前記第1の情報が前記第2のデータを含む場合に、前記第1の通信方式を含まない前記M1個の通信方式を示す前記第1の画像を前記表示機構に表示させる、請求項1から10のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項12】
前記第1の情報は、前記第1の機能実行装置が第3の通信方式を含む前記M1個の通信方式を利用可能であることを示す第4のデータを含み、
前記第3の通信方式は、前記第1の機能実行装置が、インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式であり、
前記端末装置は、さらに、
前記インターネットを介した通信のための第2の通信設定情報が前記端末装置のメモリに記憶されているのか否かを判断する第2の判断部を備え、
前記表示制御部は、
前記第2の通信設定情報が前記端末装置の前記メモリに記憶されていると判断される場合に、前記第3の通信方式を含む前記M1個の通信方式を示す前記第1の画像を前記表示機構に表示させ、
前記第2の通信設定情報が前記端末装置の前記メモリに記憶されていないと判断される場合に、前記第3の通信方式を含まない(M1−1)個の通信方式を示す第3の画像を前記表示機構に表示させる、請求項1から11のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項13】
前記第1の受信部は、さらに、前記第1の機能実行装置とは異なる第2の機能実行装置であって、印刷機能を実行可能な前記第2の機能実行装置から、前記第2の機能実行装置に関係する第2の情報を受信し、
前記表示制御部は、さらに、前記第2の情報を利用して、M2個(前記M2は1以上の整数)の通信方式を示す第4の画像を前記表示機構に表示させ、
前記M2個の通信方式のそれぞれは、前記第2の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式であり、
前記M2個の通信方式は、前記M1個の通信方式とは異なる、請求項1から12のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項14】
前記第1の機能実行装置は、さらに、スキャン機能を実行可能であり、
前記表示制御部は、さらに、前記端末装置が前記印刷機能及び前記スキャン機能のうちの一方の機能を選択するための選択画像を前記表示機構に表示させ、
前記表示制御部は、
前記選択画像において、前記印刷機能が選択される場合に、前記第1の画像を前記表示機構に表示させ、
前記選択画像において、前記スキャン機能が選択される場合に、前記第1の情報を利用して、N個(前記Nは1以上の整数)の通信方式を示す特定の画像を前記端末装置の前記表示機構に表示させ、
前記N個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式である、請求項1から13のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項15】
印刷機能を実行可能な機能実行装置であって、
端末装置から、前記端末装置が所属している特定のローカルエリアネットワークを識別するための識別情報を受信する第1の受信部と、
前記機能実行装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属しているのか否かを、前記識別情報を利用して判断する判断部と、
複数個の通信方式の中から、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を特定する特定部であって、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である、前記特定部と、
前記M1個の通信方式を示す第1の情報を前記端末装置に送信する第1の送信部と、
を備え
前記特定部は、
前記機能実行装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属していると判断される場合に、第2の通信方式を含む前記M1個の通信方式を特定し、
前記機能実行装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属していないと判断される場合に、前記第2の通信方式を含まない前記M1個の通信方式を特定し、
前記第2の通信方式は、前記機能実行装置が、ローカルエリアネットワークを利用して、インターネットを介さずに、印刷データを受信するための通信方式である、機能実行装置。
【請求項16】
印刷機能を実行可能な機能実行装置であって、
複数個の通信方式の中から、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を特定する特定部であって、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である、前記特定部と、
前記M1個の通信方式を示す第1の情報を端末装置に送信する第1の送信部と、
前記端末装置において、前記M1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、前記端末装置から、前記特定の通信方式を示す特定の選択結果を受信する第3の受信部と、
前記特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を前記端末装置に送信する第2の送信部であって、前記特定の送信先情報は、前記特定の通信方式に従って前記端末装置から前記機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示す、前記第2の送信部と、
を備える機能実行装置。
【請求項17】
印刷機能を実行可能な機能実行装置であって、
複数個の通信方式の中から、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を特定する特定部であって、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である、前記特定部と、
前記M1個の通信方式を示す第1の情報を端末装置に送信する第1の送信部であって、前記第1の情報は、さらに、前記M1個の通信方式に対応するM1個の送信先情報を含み、前記M1個の送信先情報のそれぞれは、当該送信先情報に対応する通信方式に従って前記端末装置から前記機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示す、前記第1の送信部と、
を備える機能実行装置。
【請求項18】
前記特定部は、
インターネットを介した通信のための第1の通信設定情報が前記機能実行装置のメモリに記憶されている場合に、第1の通信方式を含む前記M1個の通信方式を特定し、
前記第1の通信設定情報が前記機能実行装置の前記メモリに記憶されていない場合に、前記第1の通信方式を含まない前記M1個の通信方式を特定し、
前記第1の通信方式は、前記機能実行装置が、前記インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式である、請求項15から17のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項19】
前記特定部は、
インターネット上のサーバに信号を送信して応答を受信する場合に、第1の通信方式を含む前記M1個の通信方式を特定し、
前記サーバに信号を送信しても前記応答を受信しない場合に、前記第1の通信方式を含まない前記M1個の通信方式を特定し、
前記第1の通信方式は、前記機能実行装置が、前記インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式である、請求項15から18のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項20】
前記機能実行装置は、さらに、スキャン機能を実行可能であり、
前記機能実行装置は、さらに、
前記端末装置において、前記印刷機能及び前記スキャン機能のうちの前記印刷機能が選択される場合に、前記端末装置から、前記印刷機能を示す第1の選択結果を受信し、
前記端末装置において、前記印刷機能及び前記スキャン機能のうちの前記スキャン機能が選択される場合に、前記端末装置から、前記スキャン機能を示す第2の選択結果を受信する第2の受信部を備え、
前記特定部は、
前記端末装置から前記第1の選択結果が受信される場合に、前記M1個の通信方式を特定し、
前記端末装置から前記第2の選択結果が受信される場合に、N個(前記Nは1以上の整数)の通信方式を特定し、
前記N個の通信方式のそれぞれは、前記機能実行装置がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式である、請求項15から19のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項21】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信処理であって、前記第1の情報は、前記第1の機能実行装置が第2の通信方式を含むM1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を利用可能であることを示す第3のデータを含む場合に、さらに、前記第1の機能実行装置が所属している特定のローカルエリアネットワークを識別するための識別情報を含み、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式であり、前記第2の通信方式は、前記第1の機能実行装置が、ローカルエリアネットワークを利用して、インターネットを介さずに、印刷データを受信するための通信方式である、前記第1の受信処理と、
前記端末装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属しているのか否かを、前記識別情報を利用して判断する第1の判断処理と、
前記端末装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属していると判断される場合に、前記第1の情報を利用して、前記第2の通信方式を含む前記M1個の通信方式を示す第1の画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御処理であって、前記端末装置が前記特定のローカルエリアネットワークに所属していないと判断される場合に、前記第1の情報を利用して、前記第2の通信方式を含まない(M1−1)個の通信方式を示す第2の画像を前記表示機構に表示させる前記表示制御処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項22】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
前記端末装置が印刷機能及びスキャン機能のうちの一方の機能を選択するための選択画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御処理と、
前記選択画像が表示された後に、前記印刷機能及び前記スキャン機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信処理と、
を実行させ
前記表示制御処理では、さらに、
前記選択画像において、前記印刷機能が選択される場合に、前記第1の情報を利用して、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を示す第1の画像を前記表示機構に表示させ
前記選択画像において、前記スキャン機能が選択される場合に、前記第1の情報を利用して、N個(前記Nは1以上の整数)の通信方式を示す特定の画像を前記表示機構に表示させ、
前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式であり、
前記N個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式である、コンピュータプログラム。
【請求項23】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信処理と、
前記第1の情報を利用して、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を示す第1の画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御処理であって、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である、前記表示制御処理と、
前記第1の画像に示される前記M1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、前記特定の通信方式を示す選択結果を前記第1の機能実行装置に送信する第2の送信処理と、
前記選択結果が前記第1の機能実行装置に送信された後に、前記第1の機能実行装置から、前記特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を受信する第2の受信処理であって、前記特定の送信先情報は、前記特定の通信方式に従って前記端末装置から前記第1の機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示す、前記第2の受信処理と、
前記特定の送信先情報を利用して、前記特定の通信方式に従って前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信する第1の送信処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項24】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信処理であって、前記第1の情報は、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式に対応するM1個の送信先情報を含み、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式であり、前記M1個の送信先情報のそれぞれは、当該送信先情報に対応する通信方式に従って前記端末装置から前記第1の機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示す、前記第1の受信処理と、
前記第1の情報を利用して、前記M1個の通信方式を示す第1の画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御処理と
前記第1の画像に示される前記M1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、前記M1個の送信先情報のうち、前記特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を利用して、前記特定の通信方式に従って前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信する第1の送信処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項25】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、前記第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する第1の受信処理と、
前記第1の情報を利用して、M1個(前記M1は1以上の整数)の通信方式を示す第1の画像を前記端末装置の表示機構に表示させる表示制御処理であって、前記M1個の通信方式のそれぞれは、前記第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である、前記表示制御処理と、
前記第1の画像に示される前記M1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、前記特定の通信方式に従って特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信する第1の送信処理と、
を実行させ
前記第1の送信処理では、
前記特定の通信方式が第2の通信方式であり、かつ、前記端末装置及び前記第1の機能実行装置の両方が所属している特定のローカルエリアネットワークが形成されている状態で、前記第1の情報が受信される場合に、前記特定のローカルエリアネットワークを利用して、前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信し、
前記特定の通信方式が前記第2の通信方式であり、かつ、前記特定のローカルエリアネットワークが形成されていない状態で、前記第1の情報が受信される場合に、前記端末装置及び前記第1の機能実行装置の間に無線接続を新たに確立し、前記無線接続が新たに確立したことで形成された他のローカルエリアネットワークであって、前記端末装置及び前記第1の機能実行装置の両方が所属している前記他のローカルエリアネットワークを利用して、前記特定の印刷データを前記第1の機能実行装置に送信し、
前記第2の通信方式は、前記第1の機能実行装置が、ローカルエリアネットワークを利用して、インターネットを介さずに、印刷データを受信するための通信方式である、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、印刷機能を実行可能な機能実行装置と、当該機能実行装置と通信可能な端末装置と、を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の無線電話機と、電話制御装置と、を備える電話システムが開示されている。電話制御装置は、無線LAN基地局が使用を開始したチャネル番号を検出すると、当該チャネル番号を各無線電話機に通知する。各無線電話機は、通知されたチャネル番号を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−096445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、ユーザの利便性を向上させ得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される端末装置は、第1の受信部と、表示制御部と、を備える。第1の受信部は、印刷機能を実行可能な第1の機能実行装置から、第1の機能実行装置に関係する第1の情報を受信する。表示制御部は、第1の情報を利用して、M1個(M1は1以上の整数)の通信方式を示す第1の画像を端末装置の表示機構に表示させる。M1個の通信方式のそれぞれは、第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である。
【0006】
この構成によると、端末装置は、第1の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能なM1個の通信方式を示す第1の画像を表示させることができる。従って、ユーザは、第1の機能実行装置が利用可能なM1個の通信方式を知ることができ、この結果、ユーザの利便性が向上し得る。
【0007】
第1の情報は、第1の機能実行装置がM1個の通信方式を利用可能であることを示すデータを含んでいてもよい。表示制御部は、第1の情報と、端末装置のメモリに記憶されているテンプレートデータと、を利用して、第1の画像を表わす表示用データを生成し、表示用データを表示機構に供給することによって、第1の画像を表示機構に表示させてもよい。この構成によると、端末装置は、第1の機能実行装置から表示用データを受信せずに済み、第1の情報を受信することで表示用データを適切に生成することができ、この結果、第1の機能実行装置が利用可能なM1個の通信方式を示す第1の画像を適切に表示させることができる。
【0008】
M1は、2以上の整数であり、M1個の通信方式のそれぞれは、互いに異なる通信プロトコルを利用する通信方式であってもよい。
【0009】
第1の情報は、インターネットを介した通信のための第1の通信設定情報が第1の機能実行装置のメモリに記憶されている場合に、第1の機能実行装置が第1の通信方式を含むM1個の通信方式を利用可能であることを示す第1のデータを含んでいてもよい。第1の情報は、第1の通信設定情報が第1の機能実行装置のメモリに記憶されていない場合に、第1の機能実行装置が第1の通信方式を含まないM1個の通信方式を利用可能であることを示す第2のデータを含んでいてもよい。第1の通信方式は、第1の機能実行装置が、インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式であってもよい。表示制御部は、第1の情報が第1のデータを含む場合に、第1の通信方式を含むM1個の通信方式を示す第1の画像を表示機構に表示させ、第1の情報が第2のデータを含む場合に、第1の通信方式を含まないM1個の通信方式を示す第1の画像を表示機構に表示させてもよい。この構成によると、端末装置は、第1の情報に含まれるデータに応じて、適切な第1の画像を表示させることができる。
【0010】
第1の情報は、第1の機能実行装置がインターネット上のサーバに信号を送信して応答を受信する場合に、第1の機能実行装置が第1の通信方式を含むM1個の通信方式を利用可能であることを示す第1のデータを含んでいてもよい。第1の情報は、第1の機能実行装置がサーバに信号を送信しても応答を受信しない場合に、第1の機能実行装置が第1の通信方式を含まないM1個の通信方式を利用可能であることを示す第2のデータを含んでいてもよい。第1の通信方式は、第1の機能実行装置が、インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式であってもよい。表示制御部は、第1の情報が第1のデータを含む場合に、第1の通信方式を含むM1個の通信方式を示す第1の画像を表示機構に表示させ、第1の情報が第2のデータを含む場合に、第1の通信方式を含まないM1個の通信方式を示す第1の画像を表示機構に表示させてもよい。この構成によると、端末装置は、第1の情報に含まれるデータに応じて、適切な第1の画像を表示させることができる。
【0011】
第1の情報は、第1の機能実行装置が第2の通信方式を含むM1個の通信方式を利用可能であることを示す第3のデータを含む場合に、さらに、第1の機能実行装置が所属している特定のローカルエリアネットワークを識別するための識別情報を含んでいてもよい。第2の通信方式は、第1の機能実行装置が、ローカルエリアネットワークを利用して、インターネットを介さずに、印刷データを受信するための通信方式であってもよい。端末装置は、さらに、端末装置が特定のローカルエリアネットワークに所属しているのか否かを、識別情報を利用して判断する第1の判断部を備えてもよい。表示制御部は、端末装置が特定のローカルエリアネットワークに所属していると判断される場合に、第2の通信方式を含むM1個の通信方式を示す第1の画像を表示機構に表示させ、端末装置が特定のローカルエリアネットワークに所属していないと判断される場合に、第2の通信方式を含まない(M1−1)個の通信方式を示す第2の画像を表示機構に表示させてもよい。この構成によると、端末装置は、第1の情報に含まれる識別情報を利用した判断結果に応じて、第1の画像又は第2の画像を適切に表示させることができる。
【0012】
第1の情報は、第1の機能実行装置が第3の通信方式を含むM1個の通信方式を利用可能であることを示す第4のデータを含んでいてもよい。第3の通信方式は、第1の機能実行装置が、インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式であってもよい。端末装置は、さらに、インターネットを介した通信のための第2の通信設定情報が端末装置のメモリに記憶されているのか否かを判断する第2の判断部を備えてもよい。表示制御部は、第2の通信設定情報が端末装置のメモリに記憶されていると判断される場合に、第3の通信方式を含むM1個の通信方式を示す第1の画像を表示機構に表示させ、第2の通信設定情報が端末装置のメモリに記憶されていないと判断される場合に、第3の通信方式を含まない(M1−1)個の通信方式を示す第3の画像を表示機構に表示させてもよい。この構成によると、端末装置は、第2の通信設定情報が端末装置のメモリに記憶されているのか否かに関する判断結果に応じて、第1の画像又は第3の画像を適切に表示させることができる。
【0013】
第1の受信部は、さらに、第1の機能実行装置とは異なる第2の機能実行装置であって、印刷機能を実行可能な第2の機能実行装置から、第2の機能実行装置に関係する第2の情報を受信してもよい。表示制御部は、さらに、第2の情報を利用して、M2個(M2は1以上の整数)の通信方式を示す第4の画像を表示機構に表示させてもよい。M2個の通信方式のそれぞれは、第2の機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式であってもよい。M2個の通信方式は、M1個の通信方式とは異なってもよい。この構成によると、端末装置は、各機能実行装置に応じて、適切な画像を表示させることができる。
【0014】
第1の機能実行装置は、さらに、スキャン機能を実行可能であってもよい。表示制御部は、さらに、端末装置が印刷機能及びスキャン機能のうちの一方の機能を選択するための選択画像を表示機構に表示させてもよい。表示制御部は、選択画像において、印刷機能が選択される場合に、第1の画像を表示機構に表示させ、選択画像において、スキャン機能が選択される場合に、第1の情報を利用して、N個(Nは1以上の整数)の通信方式を示す特定の画像を端末装置の表示機構に表示させてもよい。N個の通信方式のそれぞれは、第1の機能実行装置がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式であってもよい。この構成によると、端末装置は、選択画像を表示させることによって、印刷機能及びスキャン機能のうちの一方の機能を選択することができる。そして、端末装置は、選択結果に応じて、適切な画像を表示させることができる。
【0015】
表示制御部は、第1の情報が受信される前に、選択画像を表示機構に表示させてもよい。この構成によると、端末装置は、第1の情報が受信される前に、印刷機能及びスキャン機能のうちの一方の機能を選択することができる。
【0016】
端末装置は、さらに、第1の画像に示されるM1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、特定の通信方式に従って特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信する第1の送信部を備えていてもよい。この構成によると、端末装置は、第1の画像を表示させることによって、M1個の通信方式の中から1個の通信方式(即ち特定の通信方式)を選択することができる。そして、端末装置は、選択済みの特定の通信方式に従って、特定の印刷データを第1の機能実行装置に適切に送信することができる。
【0017】
端末装置は、さらに、第2の送信部と、第2の受信部と、を備えていてもよい。第2の送信部は、第1の画像に示されるM1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、特定の通信方式を示す選択結果を第1の機能実行装置に送信してもよい。第2の受信部は、選択結果が第1の機能実行装置に送信された後に、第1の機能実行装置から、特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を受信してもよい。特定の送信先情報は、特定の通信方式に従って端末装置から第1の機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示していてもよい。第1の送信部は、特定の送信先情報を利用して、特定の通信方式に従って特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信してもよい。この構成によると、端末装置は、選択済みの特定の通信方式を示す選択結果を第1の機能実行装置に送信することによって、第1の機能実行装置から特定の送信先情報を受信することができる。そして、端末装置は、特定の送信先情報を利用して、特定の印刷データを第1の機能実行装置に適切に送信することができる。
【0018】
第1の情報は、M1個の通信方式に対応するM1個の送信先情報を含んでいてもよい。M1個の送信先情報のそれぞれは、送信先情報に対応する通信方式に従って端末装置から第1の機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示していてもよい。第1の送信部は、M1個の送信先情報のうち、特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を利用して、特定の通信方式に従って特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信してもよい。この構成によると、端末装置は、第1の情報に含まれるM1個の送信先情報のうち、選択済みの特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を利用して、特定の印刷データを第1の機能実行装置に適切に送信することができる。
【0019】
第1の送信部は、特定の通信方式が第1の通信方式である場合に、インターネットを介して、特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信し、特定の通信方式が第1の通信方式とは異なる第2の通信方式である場合に、インターネットを介さずに、特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信してもよい。この構成によると、端末装置は、選択済みの特定の通信方式(即ち第1又は第2の通信方式)に応じて、インターネットを介して又はインターネットを介さずに、特定の印刷データを第1の機能実行装置に適切に送信することができる。
【0020】
第1の送信部は、特定の通信方式が第2の通信方式であり、かつ、端末装置及び第1の機能実行装置の両方が所属している特定のローカルエリアネットワークが形成されている状態で、第1の情報が受信される場合に、特定のローカルエリアネットワークを利用して、特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信し、特定の通信方式が第2の通信方式であり、かつ、特定のローカルエリアネットワークが形成されていない状態で、第1の情報が受信される場合に、端末装置及び第1の機能実行装置の間に無線接続を新たに確立し、無線接続が新たに確立したことで形成された他のローカルエリアネットワークであって、端末装置及び第1の機能実行装置の両方が所属している他のローカルエリアネットワークを利用して、特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信してもよい。第2の通信方式は、第1の機能実行装置が、ローカルエリアネットワークを利用して、インターネットを介さずに、印刷データを受信するための通信方式であってもよい。この構成によると、端末装置は、特定のローカルエリアネットワークが形成されているのか否かに応じて、適切な手法を利用して、特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信することができる。
【0021】
端末装置は、さらに、無線通信を実行するための第1のインターフェースと、無線通信を実行するための第2のインターフェースと、を備えてもよい。第2のインターフェースを介した無線通信の通信可能範囲は、第1のインターフェースを介した無線通信の通信可能範囲よりも大きくもよい。第1の受信部は、第1のインターフェースを介して、第1の機能実行装置から第1の情報を受信してもよい。第1の送信部は、第2のインターフェースを介して、特定の印刷データを第1の機能実行装置に送信してもよい。
【0022】
本明細書では、印刷機能を実行可能な機能実行装置を開示する。機能実行装置は、特定部と、第1の送信部と、を備える。特定部は、複数個の通信方式の中から、M1個(M1は1以上の整数)の通信方式を特定する。M1個の通信方式のそれぞれは、機能実行装置が印刷データを受信するために利用可能な通信方式である。第1の送信部は、M1個の通信方式を示す第1の情報を端末装置に送信する。この構成によると、機能実行装置は、機能実行装置自身が印刷データを受信するために利用可能なM1個の通信方式を特定して、M1個の通信方式を示す第1の情報を端末装置に送信する。これにより、機能実行装置は、有益な情報を端末装置に提供し得る。
【0023】
特定部は、インターネットを介した通信のための第1の通信設定情報が機能実行装置のメモリに記憶されている場合に、第1の通信方式を含むM1個の通信方式を特定し、第1の通信設定情報が機能実行装置のメモリに記憶されていない場合に、第1の通信方式を含まないM1個の通信方式を特定してもよい。第1の通信方式は、機能実行装置が、インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式であってもよい。この構成によると、機能実行装置は、第1の通信設定情報が機能実行装置のメモリに記憶されているのか否かに応じて、M1個の通信方式を適切に特定することができる。
【0024】
特定部は、インターネット上のサーバに信号を送信して応答を受信する場合に、第1の通信方式を含むM1個の通信方式を特定し、サーバに信号を送信しても応答を受信しない場合に、第1の通信方式を含まないM1個の通信方式を特定してもよい。第1の通信方式は、機能実行装置が、インターネットを介して、印刷データを受信するための通信方式であってもよい。この構成によると、機能実行装置は、インターネット上のサーバに信号を送信して応答を受信するのか否かに応じて、M1個の通信方式を適切に特定することができる。
【0025】
機能実行装置は、さらに、端末装置から、端末装置が所属している特定のローカルエリアネットワークを識別するための識別情報を受信する第1の受信部と、機能実行装置が特定のローカルエリアネットワークに所属しているのか否かを、識別情報を利用して判断する判断部と、を備えていてもよい。特定部は、機能実行装置が特定のローカルエリアネットワークに所属していると判断される場合に、第2の通信方式を含むM1個の通信方式を特定し、機能実行装置が特定のローカルエリアネットワークに所属していないと判断される場合に、第2の通信方式を含まないM1個の通信方式を特定してもよい。第2の通信方式は、第1の機能実行装置が、ローカルエリアネットワークを利用して、インターネットを介さずに、印刷データを受信するための通信方式であってもよい。この構成によると、機能実行装置は、端末装置から得られる識別情報を利用した判断結果に応じて、M1個の通信方式を適切に特定することができる。
【0026】
機能実行装置は、さらに、スキャン機能を実行可能であってもよい。機能実行装置は、さらに、端末装置において、印刷機能及びスキャン機能のうちの印刷機能が選択される場合に、端末装置から、印刷機能を示す第1の選択結果を受信し、端末装置において、印刷機能及びスキャン機能のうちのスキャン機能が選択される場合に、端末装置から、スキャン機能を示す第2の選択結果を受信する第2の受信部を備えていてもよい。特定部は、端末装置から第1の選択結果が受信される場合に、M1個の通信方式を特定し、端末装置から第2の選択結果が受信される場合に、N個(Nは1以上の整数)の通信方式を特定してもよい。N個の通信方式のそれぞれは、機能実行装置がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式であってもよい。この構成によると、機能実行装置は、印刷機能又はスキャン機能を示す第1又は第2の選択結果が受信されることに応じて、M1個の通信方式又はN個の通信方式を適切に特定することができる。
【0027】
機能実行装置は、さらに、第3の受信部と、第2の送信部と、を備えていてもよい。第3の受信部は、端末装置において、M1個の通信方式の中から特定の通信方式が選択される場合に、端末装置から、特定の通信方式を示す特定の選択結果を受信してもよい。第2の送信部は、特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を端末装置に送信してもよい。特定の送信先情報は、特定の通信方式に従って端末装置から機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示していてもよい。この構成によると、機能実行装置は、端末装置によって選択される特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を端末装置に適切に送信することができる。この結果、端末装置は、特定の送信先情報を利用して、特定の印刷データを機能実行装置に送信し得る。
【0028】
第1の情報は、さらに、M1個の通信方式に対応するM1個の送信先情報を含んでいてもよい。M1個の送信先情報のそれぞれは、送信先情報に対応する通信方式に従って端末装置から機能実行装置に特定の印刷データを送信するための送信先を示す送信先情報を含んでいてもよい。この構成によると、機能実行装置は、M1個の送信先情報を含む第1の情報を端末装置に適切に送信することができる。この結果、端末装置は、M1個の通信方式の中から端末装置によって特定の通信方式が選択される場合に、第1の情報に含まれるM1個の通信先情報のうち、特定の通信方式に対応する特定の送信先情報を利用して、特定の印刷データを機能実行装置に送信し得る。
【0029】
上記の端末装置及び機能実行装置のそれぞれを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の端末装置及び機能実行装置を備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】MFPが実行し得る印刷機能を説明するための図を示す。
図3】第1実施例の携帯端末のアプリケーション処理のフローチャートを示す。
図4】第1及び第2実施例のMFPの処理のフローチャートを示す。
図5】DP機能確認処理のフローチャートを示す。
図6】EP機能確認処理のフローチャートを示す。
図7】CP機能確認処理のフローチャートを示す。
図8】第1実施例の各デバイスが実行する処理のシーケンス図を示す。
図9】MFPが実行し得るスキャン機能を説明するための図を示す。
図10】MFPが実行し得るスキャン機能を説明するため図を示す。
図11】第2実施例の携帯端末のアプリケーション処理のフローチャートを示す。
図12】DS機能確認処理のフローチャートを示す。
図13】ES機能確認処理のフローチャートを示す。
図14】CS機能確認処理のフローチャートを示す。
図15】第2実施例の各デバイスが実行する処理のシーケンス図を示す。
図16】第3実施例の携帯端末のアプリケーション処理のフローチャートを示す。
図17】第3実施例のMFPの処理のフローチャートを示す。
図18】第3実施例の送信先情報準備処理のフローチャートを示す。
図19】第3実施例の各デバイスが実行する処理のシーケンス図を示す。
図20】第4及び第5実施例の携帯端末のアプリケーション処理を示す。
図21】第4実施例のMFPの処理を示す。
図22】第4実施例の送信先情報準備処理を示す。
図23】第4実施例の各デバイスが実行する処理のシーケンス図を示す。
図24】第5実施例の携帯端末の機能確認処理のフローチャートを示す。
図25】第5実施例の各デバイスが実行する処理のシーケンス図を示す。
図26】第6実施例のMFPのDP機能確認処理のフローチャートを示す。
図27】第6実施例の各デバイスが実行する処理のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施例)
(通信システム2の構成)
図1に示されるように、通信システム2は、多機能機(以下では「MFP(Multi-Function Peripheralの略)と呼ぶ)10と、携帯端末50と、アクセスポイント(以下では「AP(Access Pointの略)」と呼ぶ)100と、PC(Personal Computerの略)110と、メールサーバ120と、確認サーバ130と、印刷CLサーバ140と、スキャンCLサーバ150と、データ保存CLサーバ160と、を備える。
【0032】
(MFP10の構成)
MFP10は、印刷機能及びスキャン機能を含む多機能を実行可能な周辺機器(例えばPC110の周辺機器)である。MFP10は、操作パネル12と、表示機構14と、印刷機構16と、スキャン機構18と、無線LAN(LocalArea Networkの略)インターフェース20と、NFC(Near Field Communicationの略)インターフェース22と、BT(Blue Tooth(登録商標)の略)インターフェース24と、制御部30と、を備える。各部12〜30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0033】
操作パネル12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作パネル12を操作することによって、様々な指示をMFP10に与えることができる。表示機構14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷機構16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン機構18は、CCD、CIS等のスキャン機構である。
【0034】
無線LANI/F20は、無線通信を実行するためのインターフェースであり、物理的には1個のインターフェース(即ち1個のICチップ)である。ただし、無線LANI/F20には、WFD(Wi-Fi Directの略)方式に従った無線通信(以下では「WFD通信」と呼ぶ)で利用されるMACアドレス(以下では「WFDMAC」と呼ぶ)と、通常Wi−Fi方式に従った無線通信(以下では「通常Wi−Fi通信」と呼ぶ)で利用されるMACアドレス(以下では「通常Wi−FiMAC」と呼ぶ)と、の両方が割り当てられる。
【0035】
具体的に言うと、無線LANI/F20には、通常Wi−FiMACが予め割り当てられている。制御部30は、通常Wi−FiMACを利用して、通常Wi−FiMACとは異なるWFDMACを生成して、WFDMACを無線LANI/F20に割り当てる。従って、制御部30は、通常Wi−FiMACを利用した通常Wi−Fi通信と、WFDMACを利用したWFD通信と、の両方を同時的に実行し得る。WFD通信と通常Wi−Fi通信については、後で詳しく説明する。
【0036】
NFCI/F22は、NFC通信を実行するためのインターフェースである。NFC通信は、いわゆる近距離無線通信のためのNFC方式に従った無線通信である。NFC方式は、例えば、ISO/IEC21481又は18092の国際標準規格に基づく無線通信方式である。
【0037】
BTI/24は、BT通信を実行するためのインターフェースである。BT通信は、BT方式は、いわゆる近距離無線通信のためのBT方式に従った無線通信である。BT方式は、例えば、IEEE802.15.1の規格に基づく無線通信方式である。無線LANI/F20を構成するチップと、NFCI/F22を構成するチップと、BTI/F24を構成するチップと、は物理的に異なる。なお、本実施例では、上記3つのI/Fがそれぞれ異なるチップとして構成されているが、変形例では、無線LANI/F20とNFCI/F22とBTI/F24とが1つのチップとして構成されていてもよいし、上記3つのI/Fのうちの2つのI/Fが1つのチップとして構成されていてもよい。
【0038】
無線LANI/F20を利用した無線通信(即ち通常Wi−Fi通信及びWFD通信)の通信速度(例えば、最大の通信速度が11〜600Mbps)は、BTI/F24を介した無線通信(即ちBT通信)の通信速度(例えば最大の通信速度が24Mbps)よりも速い。BTI/F24を介した無線通信(即ちBT通信)の通信速度は、NFCI/F22を利用した無線通信の通信速度(例えば、最大の通信速度が100〜424Kbps)よりも速い。即ち、無線通信の通信速度については、無線LANI/F20が最も速く、BTI/F24が2番目に速く、NFCI/F22が最も遅い。
【0039】
無線LANI/F20を介した無線通信における搬送波の周波数は、例えば2.4GHz帯又は5.0GHz帯である。NFCI/F22を介した無線通信における搬送波の周波数は、例えば13.56MHz帯である。BTI/F24を介した無線通信における搬送波の周波数は、例えば2.4GHz帯である。即ち、搬送波の周波数は、無線LANI/F20とNFCI/F22とで異なり、NFCI/F22とBTI/F24とで異なる。また、無線LANI/F20の搬送波の周波数が5.0GHz帯である場合には、搬送波の周波数は、無線LANI/F20とBTI/F24とで異なる。
【0040】
MFP10が無線LANI/F20を介して通信先の機器(例えば携帯端末50)と無線通信を実行可能な最大の距離(例えば約100m)は、MFP10がBTI/F24を介して通信先の機器(例えば携帯端末50)と無線通信を実行可能な最大の距離(例えば約数十m)よりも大きい。また、MFP10がBTI/F24を介して通信先の機器(例えば携帯端末50)と無線通信を実行可能な最大の距離(例えば約数十m)は、MFP10がNFCI/F22を介して通信先の機器と無線通信を実行可能な最大の距離(例えば約10cm)よりも大きい。即ち、無線通信の通信可能範囲については、無線LANI/F20が最も大きく、BTI/F24が2番目に大きく、NFCI/F22が最も小さい。
【0041】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。また、メモリ34は、MFP10が各種の通信(即ち、WFD通信、通常Wi−Fi通信、BT通信)を実行するための無線設定情報(以下では「WSI(Wireless Setting Informationの略)」と呼ぶ)と、MFP10がEメール(Electronic Mailの略)通信を実行するためのEメール設定情報(以下では「ESI(E-mail Setting Informationの略)」と呼ぶ)と、MFP10がクラウドサーバとの通信(以下では「クラウド通信」と呼ぶ)を実行するためのクラウド設定情報(以下では「CSI(Cloud Setting Informationの略)」と呼ぶ)と、を記憶することができる。なお、Eメール通信又はクラウド通信は、無線LANI/F20を介して実行されてもよいし、図示省略の他のI/F(例えば有線LANI/F等)を介して実行されてもよい。
【0042】
(携帯端末50の構成)
携帯端末50は、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、ノートPC、タブレットPC、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置等の可搬型の端末装置である。携帯端末50は、操作キー52と、表示機構54と、無線LANI/F60と、NFCI/F62と、BTI/F64と、制御部70と、を備える。各部52〜70は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0043】
ユーザは、操作キー52を操作することによって、様々な指示を携帯端末50に与えることができる。表示機構54は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。各I/F60,62,64は、MFP10の各I/F20,22,24と同様である。従って、各I/F60,62,64の相違点は、各I/F20,22,24の相違点と同様である。
【0044】
制御部70は、CPU72とメモリ74とを備える。CPU72は、メモリ74に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。メモリ74は、MFP10に機能(例えば、印刷機能、スキャン機能等)を実行させるためのアプリケーション(以下では「MFP用アプリケーション」と呼ぶ)を記憶する。MFP用アプリケーションは、例えば、MFP10のベンダによって提供されるサーバから携帯端末50にインストールされてもよいし、MFP10と共に出荷されるメディアから携帯端末50にインストールされてもよい。
【0045】
また、メモリ74は、携帯端末50が各種の通信(WFD通信、通常Wi−Fi通信、BT通信)を実行するためのWSIと、携帯端末50がEメール通信を実行するためのESIと、携帯端末50がクラウド通信を実行するためのCSIと、を記憶することができる。なお、Eメール通信又はクラウド通信は、無線LANI/F60を介して実行されてもよいし、図示省略の他のI/F(例えば、有線LANI/F、セルラーネットワーク(例えば3G、4G)に接続するためのI/F等)を介して実行されてもよい。
【0046】
(他の機器100〜160の構成)
AP100は、無線アクセスポイント、無線LANルータ等と呼ばれる通常のAPであり、後述のWFD方式のG/O機器とは異なる。AP100は、後述の通常Wi−Fiネットワークを形成することができる。AP100は、インターネットに接続されており、AP100自身によって形成される通常Wi−Fiネットワークと、インターネットと、の間の通信を中継するルータ機能を備える。なお、以下では、ネットワークのことを「NW」を記載することがある。
【0047】
PC110は、OSプログラムに従って動作する公知のコンピュータである。PC110は、WFD方式に従ったWFD通信を実行することができる。
【0048】
各サーバ120〜160は、インターネットに接続されている。メールサーバ120は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocolの略)サーバと、POP(Post Office Protocolの略)サーバと、を含む。メールサーバ120は、一方の通信機器(例えば携帯端末50)から他方の通信機器(例えばMFP10)への電子メールの送信が実行されるべき場合に、当該電子メールの通信を中継する。
【0049】
確認サーバ130、印刷CL(Cloudの略)サーバ140、スキャンCLサーバ150は、それぞれ、例えば、MFP10のベンダによって提供されるサーバである。確認サーバ130は、MFP10から信号を受信する場合に、応答信号をMFP10に送信する。また、確認サーバ130は、携帯端末50から信号を受信する場合に、応答信号を携帯端末50に送信する。印刷CLサーバ140は、通信機器(例えば携帯端末50)からMFP10への印刷データの送信が実行されるべき場合に、当該印刷データの通信を中継する。スキャンCLサーバ150は、MFP10から通信機器(例えば携帯端末50)へのスキャンデータの送信が実行されるべき場合に、当該スキャンデータの通信を中継する。
【0050】
データ保存CLサーバ160は、例えば、FACEBOOK(登録商標)、GOOGLE DOCS(登録商標)、PICASA(登録商標)等の公知のサーバである。データ保存CLサーバ160は、MFP10からスキャンデータを受信して、当該スキャンデータを保存する。
【0051】
(MFP10が実行し得る印刷機能;図2
次いで、図2を参照して、MFP10が実行し得る印刷機能について説明する。印刷機能は、ダイレクト印刷(以下では「DP」と呼ぶ)と、Eメール印刷(以下では「EP」と呼ぶ)と、クラウド印刷(以下では「CP」と呼ぶ)と、に分類される。
【0052】
(DP)
DPでは、インターネットを介さずに、携帯端末50からMFP10への印刷データの送信が実行される。DPは、通常Wi−Fi印刷と、WFD印刷と、BT印刷と、に分類される。
【0053】
(通常Wi−Fi印刷)
通常Wi−Fi印刷では、通常Wi−Fi方式に従って形成される通常Wi−FiNWを利用して、印刷データの通信が実行される。通常Wi−Fi方式は、Wi−Fi Allianceによって定められた無線通信方式であり、AP100を介して無線通信を実行するための無線通信方式である。
【0054】
図2は、MFP10、携帯端末50、及び、AP100を含む通常Wi−FiNWを示す。このような通常Wi−FiNWが形成されている状態では、MFP10の無線LANI/F20は、通常Wi−FiNWを利用して、携帯端末50の無線LANI/F60から、AP100を介して、印刷データを受信することができる。
【0055】
MFP10及び携帯端末50のそれぞれは、通常Wi−FiNWに所属するためのWSI(即ち、通常Wi−Fi通信を実行するためのWSI(以下では「通常Wi−FiWSI」と呼ぶ))を記憶する。通常Wi−FiWSIは、SSID、BSSID、認証方式、暗号化方式、パスワード等を含む。SSIDは、通常Wi−FiNWを識別するための識別情報であり、AP100によって生成される。BSSIDは、AP100を識別するための識別情報(即ちAP100のMACアドレス)である。MFP10の通常Wi−FiWSIは、さらに、MFP10のIPアドレスを含み、携帯端末50の通常Wi−FiWSIは、さらに、携帯端末50のIPアドレスを含む。なお、通常Wi−Fi印刷では、MFP10及び携帯端末50は、例えば、LPR(Line PRinter daemon protocolの略)の通信プロトコルを利用して、印刷データの通信を実行する。
【0056】
(WFD印刷)
WFD印刷では、WFD方式に従って形成されるWFDNWを利用して、印刷データの通信が実行される。WFD方式は、Wi−Fi Allianceによって作成された規格書「Wi−Fi Peer−to−Peer(P2P) Technical Specification Version1.1」に記述されている無線通信方式である。
【0057】
以下では、MFP10、携帯端末50等のように、WFD方式に従って動作可能な機器のことを、「WFD対応機器」と呼ぶ。上記のWFDの規格書では、WFD対応機器の状態として、Group Owner状態(以下では「G/O状態」と呼ぶ)、クライアント状態(以下では「CL状態」と呼ぶ)、及び、デバイス状態の3つの状態が定義されている。WFD対応機器は、上記の3つの状態のうちの1つの状態で選択的に動作可能である。
【0058】
デバイス状態の一対のWFD対応機器が無線ネットワークを新たに形成すべき際に、当該一対のWFD対応機器は、通常、G/Oネゴシエーションと呼ばれる無線通信を実行する。G/Oネゴシエーションでは、当該一対のWFD対応機器のうちの一方は、G/O状態(即ちG/O機器)になることを決定し、他方は、CL状態(即ちCL機器)になることを決定する。その後、当該一対のWFD対応機器は、接続を確立して、無線ネットワークを形成する。
【0059】
以下では、WFD方式の手順(例えばG/Oネゴシエーション)に従って形成される無線ネットワークのことを、「WFDNW」と呼ぶ。G/OネゴシエーションによってWFDNWが新たに形成された段階では、1個のG/O機器及び1個のCL機器のみがWFDNWに所属している。ただし、G/O機器は、他の機器と接続を確立して、当該他の機器をCL機器としてWFDNWに新たに参加させることができる。この場合、2個以上のCL機器がWFDNWに所属している状態になる。即ち、WFDNWでは、1個のG/O機器と1個以上のCL機器とが存在し得る。G/O機器は、1個以上のCL機器を管理する。具体的に言うと、G/O機器は、1個以上のCL機器のMACアドレスを、G/O機器のメモリ内の管理リストに登録する。G/O機器は、他機器を介さずに、管理リストに登録されているCL機器と対象データの無線通信を実行可能である。また、G/O機器は、複数個のCL機器の間の対象データ(例えば、印刷データ、スキャンデータ等)の無線通信を中継可能である。換言すると、一対のCL機器は、G/O機器を介して、対象データの無線通信を実行可能である。
【0060】
図2は、PC110がG/O機器であると共に、携帯端末50及びMFP100がCL機器であるWFDNWの一例を示す。このようなWFDNWが形成されている状態では、CL機器であるMFP10の無線LANI/F20は、WFDNWを利用して、CL機器である携帯端末50の無線LANI/F60から、G/O機器であるPC110を介して、印刷データを受信することができる。
【0061】
図2は、さらに、MFP10がG/O機器であると共に、携帯端末50がCL機器であるWFDNWの一例を示す。このようなWFDNWが形成されている状態では、G/O機器であるMFP10の無線LANI/F20は、WFDNWを利用して、CL機器である携帯端末50の無線LANI/F60から、他機器を介さずに、印刷データを受信することができる。
【0062】
MFP10及び携帯端末50のそれぞれは、WFDNWに所属するためのWSI(即ち、WFD通信を実行するためのWSI(以下では「WFDWSI」と呼ぶ))を記憶する。WFDWSIは、SSID、BSSID、認証方式、暗号化方式、パスワード等を含む。SSIDは、WFDNWを識別するための識別情報であり、G/O機器によって生成される。BSSIDは、G/O機器を識別するための識別情報(即ちG/O機器のMACアドレス)である。MFP10のWFDWSIは、さらに、MFP10のIPアドレスを含み、携帯端末50のWFDWSIは、さらに、携帯端末50のIPアドレスを含む。なお、WFD印刷では、MFP10及び携帯端末50は、例えば、LPRの通信プロトコルを利用して、印刷データの通信を実行する。
【0063】
(BT印刷)
BT印刷では、BT方式に従って形成されるBTNWを利用して、印刷データの通信が実行される。図2は、MFP10及び携帯端末50を含むBTNWを示す。このようなBTNWが形成されている状態では、MFP10のBTI/F24は、BTNWを利用して、携帯端末50のBTI/F64から、他機器を介さずに、印刷データを受信することができる。
【0064】
MFP10及び携帯端末50のそれぞれは、BTNWに所属するためのWSI(即ち、BT通信を実行するためのWSI(以下では「BTWSI」と呼ぶ))を記憶する。BTWSIは、PINコード(即ちペアリングコード)を含む。なお、BT印刷では、MFP10及び携帯端末50は、例えば、BPP(Basic Printing Profileの略)、BIP(Basic Imaging Profileの略)、OPP(Object Push Profileの略)等の通信プロトコルを利用して、印刷データの通信を実行する。
【0065】
(EP)
EPでは、インターネットを介して、携帯端末50からMFP10への印刷データの送信(即ちEメール通信)が実行される。図2に示されるように、MFP10の無線LANI/F20は、携帯端末50の無線LANI/F60から、メールサーバ120を介して、印刷データを受信することができる。
【0066】
印刷データのEメール通信を実行するためには、MFP10及び携帯端末50のそれぞれは、ESIを記憶する。即ち、携帯端末50は、少なくともEメールを送信するための送信用ESI(即ちSMTP設定情報)を記憶する。また、MFP10は、少なくともEメールを受信するための受信用ESI(即ちPOP設定情報)を記憶する。
【0067】
SMTP設定情報は、SMTPサーバのURL(Uniform Resource Locatorの略)、ユーザ名、パスワード等を含む。POP設定情報は、POPサーバのURL、ユーザ名、パスワード等を含む。本実施例では、SMTPサーバ及びPOPサーバは、1個のメールサーバ120として示されているが、変形例では、別体に構成されていてもよい。EPでは、MFP10及び携帯端末50は、SMTP及びPOPの通信プロトコルを利用して、印刷データの通信を実行する。
【0068】
(CP)
CPでは、インターネットを介して、携帯端末50からMFP10への印刷データの送信(即ちクラウド通信)が実行される。図2に示されるように、MFP10の無線LANI/F20は、携帯端末50の無線LANI/F60から、印刷CLサーバ140を介して、印刷データを受信することができる。
【0069】
印刷データのクラウド通信を実行するためには、MFP10及び携帯端末50のそれぞれは、印刷用CSIを記憶する。印刷用CSIは、印刷CLサーバ140のURL(Uniform Resource Locatorの略)、アカウント情報、認証情報(例えばアクセストークン)等を含む。CPでは、MFP10及び携帯端末50は、例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocolの略)の通信プロトコルを利用して、印刷データの通信を実行する。
【0070】
上記のDP、EP、CPは、それぞれ、MFP10が実行し得る印刷機能であるが、換言すると、MFP10が印刷データを受信するための通信方式を意味する。即ち、DPは、ダイレクト方式(即ち、通常Wi−Fi方式、WFD方式、及び、BT方式)という通信方式を意味する。EP、CPは、それぞれ、Eメール方式、クラウド方式という通信方式を意味する。即ち、MFP10は、ダイレクト方式、Eメール方式、及び、クラウド方式という3個の通信方式のうちのいずれかを利用して、印刷データを受信し得る。
【0071】
(携帯端末50のアプリケーション処理;図3
続いて、図3を参照して、携帯端末50にインストールされているMFP用アプリケーションによって実現される処理の内容を説明する。携帯端末50のユーザは、MFP10が、DP、EP、及び、CPのうちのどの印刷機能を実行可能であるのかを確認することを望む場合に、操作キー52を操作して、MFP用アプリケーションを起動させる。次いで、ユーザは、操作キー52を操作して、印刷機能の確認のための指示を携帯端末50に与える。次いで、ユーザは、MFP10と携帯端末50との間でNFC接続を確立させるために、携帯端末50をMFP10に近づける。
【0072】
携帯端末50とMFP10との間の距離が、NFC通信を実行可能な距離(例えば10cm)よりも小さくなると、MFP10と携帯端末50との間でNFC接続が確立される。この場合、S10では、CPU72は、上記のNFC接続を利用して、NFCI/F62を介して、機能要求をMFP10に送信する。機能要求は、後述の応答データ(図4のS70,S72参照)をMFP10に送信させるための要求である。
【0073】
S12では、CPU72は、上記のNFC接続を利用して、MFP10から、NFCI/F62を介して、応答データを受信する。応答データは、MFP10がDPを実行可能である場合に、DPOKを示す情報を含み、MFP10がDPを実行不可能である場合に、DPNGを示す情報を含む。応答データは、MFP10がEPを実行可能である場合に、EPOKを示す情報を含み、MFP10がEPを実行不可能である場合に、EPNGを示す情報を含む。応答データは、MFP10がCPを実行可能である場合に、CPOKを示す情報を含み、MFP10がCPを実行不可能である場合に、CPNGを示す情報を含む。
【0074】
S14では、CPU72は、応答データを解析して、DP、EP、及び、CPのそれぞれについて、OK又はNGを特定する。MFP用アプリケーションは、表示用データを生成するためのテンプレートデータを含む。テンプレートデータは、表示機構54が解釈可能なデータ形式を有する。CPU72は、DPOKを特定する場合には、「ダイレクト印刷」を示す文字をテンプレートデータに記述し、DPNGを特定する場合には、「ダイレクト印刷」を示す文字をテンプレートデータに記述しない。同様に、CPU72は、EPOK(又はCPOK)を特定する場合には、「Eメール印刷(又はクラウド印刷)」を示す文字をテンプレートデータに記述し、EPNG(又はCPNG)を特定する場合には、「Eメール印刷(又はクラウド印刷)」を示す文字をテンプレートデータに記述しない。テンプレートデータに上記の各文字が記述されると、表示用データが完成する。
【0075】
次いで、S16では、CPU72は、表示用データを表示機構54に供給する。この結果、表示機構54は、表示用データによって表される画像を表示する。当該画像は、MFP10が実行可能な印刷機能を示す文字(例えば「ダイレクト印刷」)を含み、MFP10が実行不可能な印刷機能を示す文字(例えば「Eメール印刷」)を含まない。即ち、MFP10が実行可能な印刷機能が、MFP10が実行不可能な印刷機能とは区別された状態で、表示機構54に表示される。換言すると、MFP10が印刷データを受信するために利用可能な通信方式が、MFP10が印刷データを受信するために利用不可能な通信方式とは区別された状態で、表示機構54に表示される。ユーザは、表示機構54に表示される画像を見ることによって、MFP10が実行可能な印刷機能、即ち、MFP10が印刷データを受信するために利用可能な通信方式、を知ることができる。
【0076】
(MFP10の処理;図4
続いて、図4を参照して、MFP10が実行する処理の内容を説明する。MFP10と携帯端末50との間でNFC接続が確立されることをトリガとして、図4の処理が開始される。
【0077】
S30では、CPU32は、携帯端末50から、NFCI/F22を介して、機能要求(図3のS10参照)を受信する。次いで、S40、S50、S60において、CPU32は、DP機能確認処理(図5参照)、EP機能確認処理(図6参照)、CP機能確認処理(図7参照)を実行する。これらの処理では、CPU32は、MFP10が、DP、EP、及び、CPのうちのどの印刷機能を実行可能であるのかを特定する。これらの処理の詳細については後述する。
【0078】
次いで、S70では、CPU32は、S40〜S60の確認結果を利用して、応答データを生成する。詳しくは後述するが、S40では、通常Wi−Fi印刷、WFD印刷、及び、BT印刷のそれぞれについて、OK又はNGを示す情報がメモリ34に記憶される。S70では、CPU32は、通常Wi−Fi印刷、WFD印刷、及び、BT印刷のうちの少なくとも1個について、OKを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、DPOKを示す情報を含む応答データを生成する。また、CPU32は、通常Wi−Fi印刷、WFD印刷、及び、BT印刷のうちの全てについて、NGを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、DPNGを示す情報を含む応答データを生成する。
【0079】
また、詳しくは後述するが、S50では、EPOK又はEPNGを示す情報がメモリ34に記憶され、S60では、CPOK又はCPNGを示す情報がメモリ34に記憶される。S70では、CPU32は、EPOK(又はCPOK)を示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、EPOK(又はCPOK)を示す情報を含む応答データを生成し、EPNG(又はCPNG)を示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、EPNG(又はCPNG)を示す情報を含む応答データを生成する。
【0080】
S72では、CPU32は、NFCI/F22を介して、応答データを携帯端末50に送信する。これにより、携帯端末50は、応答データを利用して、MFP10が利用可能な印刷機能を示す画像を表示機構54に表示させることができる(図3のS12〜S16参照)。なお、S72の処理で利用されるNFC接続は、S30の処理の開始のトリガとなったNFC接続である。
【0081】
(DP機能確認処理;図5
図5を参照して、図4のS40のDP機能確認処理を説明する。S41では、CPU32は、MFP10が通常Wi−Fi機能を有するか否か(即ち、MFP10が無線LANI/F20を備えているのか否か)を判断する。MFP10が通常Wi−Fi機能を有する場合には、CPU32は、S41でYESと判断し、S42において、通常Wi―Fi印刷OKを示す情報をメモリ34に記憶させる。S42を終えると、S44に進む。
【0082】
一方において、MFP10が通常Wi−Fi機能を有さない場合には、CPU32は、S41でNOと判断し、S43において、通常Wi―Fi印刷NGを示す情報と、WFD印刷NGを示す情報と、をメモリ34に記憶させる。WFD方式の無線通信は、通常Wi−Fi方式の無線通信を前提とする無線通信である。従って、MFP10は、通常Wi−Fi機能を有さない場合(S41でNOの場合)には、WFD機能も有さない(即ち、WFD通信を実行するためのプログラムがメモリ34に記憶されていない)。従って、S43では、通常Wi―Fi印刷NGを示す情報のみならず、WFD印刷NGを示す情報も、メモリ34に記憶される。S43を終えると、S47に進む。
【0083】
S44では、CPU32は、MFP10がWFD機能を有するか否か(即ち、WFD通信を実行するためのプログラムがメモリ34に記憶されているのか否か)を判断する。MFP10がWFD機能を有する場合には、CPU32は、S44でYESと判断し、S45において、WFD印刷OKを示す情報をメモリ34に記憶させる。一方において、MFP10がWFD機能を有さない場合には、CPU32は、S44でNOと判断し、S46において、WFD印刷NGを示す情報をメモリ34に記憶させる。S45又はS46を終えると、S47に進む。
【0084】
S47では、CPU32は、MFP10がBT機能を有するか否か(即ち、MFP10がBTI/F24を備えているのか否か)を判断する。MFP10がBT機能を有する場合には、CPU32は、S47でYESと判断し、S48において、BT印刷OKを示す情報をメモリ34に記憶させる。一方において、MFP10がBT機能を有さない場合には、CPU32は、S47でNOと判断し、S49において、BT印刷NGを示す情報をメモリ34に記憶させる。
【0085】
(EP機能確認処理;図6
図6を参照して、図4のS50のEP機能確認処理を説明する。S51では、CPU32は、MFP10がEP機能を有するか否か(即ち、Eメールを受信して、Eメールに含まれる印刷データに従って印刷を実行するためのプログラムがメモリ34に記憶されているのか否か)を判断する。MFP10がEP機能を有する場合には、CPU32は、S51でYESと判断し、S52に進む。一方において、MFP10がEP機能を有さない場合には、CPU32は、S51でNOと判断し、S54において、EPNGを示す情報をメモリ34に記憶させる。
【0086】
S52では、CPU32は、MFP10がEメールを受信するためのESIである受信用ESI(即ちPOP設定情報)が、メモリ34に記憶されているのか否か判断する。受信用ESIがメモリ34に記憶されている場合には、CPU32は、S52でYESと判断し、S53において、EPOKを示す情報をメモリ34に記憶させる。一方において、受信用ESIがメモリ34に記憶されていない場合には、CPU32は、S52でNOと判断し、S54において、EPNGを示す情報をメモリ34に記憶させる。
【0087】
(CP機能確認処理;図7
図7を参照して、図4のS60のCP機能確認処理を説明する。S61では、CPU32は、MFP10がCP機能を有するか否か(即ち、印刷CLサーバ140とクラウド通信を実行するためのプログラムがメモリ34に記憶されているのか否か)を判断する。MFP10がCP機能を有する場合には、CPU32は、S61でYESと判断し、S62に進む。一方において、MFP10がCP機能を有さない場合には、CPU32は、S61でNOと判断し、S65において、CPNGを示す情報をメモリ34に記憶させる。
【0088】
S62では、CPU32は、MFP10が印刷CLサーバ140を利用するためのCSIである印刷用CSI(即ち、印刷CLサーバ140のURL、アカウント情報、認証情報等)が、メモリ34に記憶されているのか否かを判断する。印刷用CSIがメモリ34に記憶されている場合には、CPU32は、S62でYESと判断し、S63に進む。一方において、印刷用CSIがメモリ34に記憶されていない場合には、CPU32は、S62でNOと判断し、S65において、CPNGを示す情報をメモリ34に記憶させる。
【0089】
S63では、CPU32は、MFP10がインターネット上の確認サーバ130と通信可能であるのか否かを判断する。具体的に言うと、CPU32は、メモリ34に予め記憶されている確認サーバ130のURLを送信先として信号を送信し、確認サーバ130から応答信号を受信することを監視する。確認サーバ130から応答信号が受信される場合には、CPU32は、S63でYESと判断し、S64において、CPOKを示す情報をメモリ34に記憶させる。一方において、確認サーバ130から応答信号が受信されない場合には、CPU32は、S63でNOと判断し、S65において、CPNGを示す情報をメモリ34に記憶させる。なお、例えば、インターネット通信のためのプロバイダとの契約がなされていない場合、インターネット通信のためのゲートウェイが機能していない場合等には、S63でNOと判断され得る。
【0090】
(具体的なケース;図8
図8を参照して、本実施例の具体的なケースについて説明する。なお、図8では、MFP10A,10Bのように、図1のMFP10とは異なる符号が付されている。各ケースのMFP(MFP10A等)と図1のMFP10との間に相違点があれば、各ケースの内容を説明する前に、当該相違点を説明する。
【0091】
(ケースA;図8
ケースAでは、MFP10Aは、通常Wi−Fi印刷、WFD印刷、BT印刷、EP、及び、CPの全てを実行可能である。携帯端末50のユーザは、印刷機能の確認のための指示を携帯端末50に与えた後に、携帯端末50をMFP10Aに近づける。この結果、携帯端末50及びMFP10Aの間にNFC接続が確立される。携帯端末50は、NFC接続を利用して、MFP10Aに機能要求を送信する(図3のS10)。
【0092】
MFP10Aは、携帯端末50から機能要求を受信すると(図4のS30)、各確認処理を実行し(図4のS40、S50、S60)、次いで、DPOKを示す情報と、EPOKを示す情報と、CPOKを示す情報と、を含む応答データを生成する(図4のS70)。MFP10Aは、NFC接続を利用して、応答データを携帯端末50に送信する(図4のS72)。
【0093】
携帯端末50は、NFC接続を利用して、MFP10から応答データを受信する。この際に、携帯端末50は、NFC通信が終了したことを示す報知音を出力する。これにより、ユーザは、携帯端末50をMFP10から遠ざけてもよいことを知ることができ、携帯端末50をMFP10から遠ざける。この結果、NFC接続が切断される。
【0094】
携帯端末50は、応答データを解析して、表示用データを生成する(図3のS14)。そして、携帯端末50は、表示用データによって表される画像を表示機構54に表示させる(図3のS16)。本ケースでは、「ダイレクト印刷」を示す文字と、「Eメール印刷」を示す文字と、「クラウド印刷」を示す文字と、を含む画像が表示される。これにより、ユーザは、MFP10Aが、DP、EP、及び、CPの全ての印刷機能を実行可能であることを知ることができる。即ち、ユーザは、MFP10Aが、印刷データを受信するために、ダイレクト方式、Eメール方式、及び、クラウド方式の全ての通信方式を利用可能であることを知ることができる。これにより、ユーザは、例えば、携帯端末50、PC110等を利用して、MFP10Aに印刷を実行させることを望む場合に、MFP10Aが利用可能な通信方式を適切に選択することができる。このように、本実施例によると、ユーザの利便性が向上する。
【0095】
(ケースB)
ケースBでは、MFP10Bは、MFP10Aとは異なる機器であり、通常Wi−Fi印刷及びEPを実行可能であるが、WFD印刷、BT印刷、及び、CPを実行不可能である。MFP10Bが機能要求を受信するまでの各処理は、ケースAと同様である。
【0096】
MFP10Bは、DPOKを示す情報と、EPOKを示す情報と、CPNGを示す情報と、を含む応答データを生成し(図4のS70)、NFC接続を利用して、応答データを携帯端末50に送信する(図4のS72)。なお、MFP10Bは、WFD印刷及びBT印刷を実行不可能であるが、通常Wi−Fi印刷を実行可能であるので、応答データは、DPOKを示す情報を含む。
【0097】
ケースAと同様に、携帯端末50は、表示用データを生成し(図3のS14)、画像を表示機構54に表示させる(図3のS16)。ケースBでは、「ダイレクト印刷」を示す文字と、「Eメール印刷」を示す文字と、を含む画像が表示される。当該画像は、「クラウド印刷」を示す文字を含まない。
【0098】
ケースBのMFP10Bが利用可能な通信方式は、ケースAのMFP10Aが利用可能な通信方式とは異なるために、ケースAで表示される画像とケースBで表示される画像とは異なる。このように、ユーザは、複数個のMFP10A,10Bのそれぞれについて、当該MFPが利用可能な通信方式を知ることができる。
【0099】
(対応関係)
図8のケースでは、携帯端末50、MFP10A、MFP10Bが、それぞれ、「端末装置」、「第1の機能実行装置」、「第2の機能実行装置」の一例である。ケースAでは、DP、EP、及び、CPの3個の通信方式が、「複数個の通信方式」及び「M1個の通信方式」の一例である。ケースBでは、DP、EP、及び、CPの3個の通信方式が、「複数個の通信方式」の一例であり、DP及びEPが、「M2個の通信方式」の一例である。ケースAで表示される画像、ケースBで表示される画像が、それぞれ、「第1の画像」、「第4の画像」の一例である。
【0100】
ケースAの応答データ、ケースBの応答データが、それぞれ、「第1の情報」、「第2の情報」の一例である。CP、印刷用CSI、確認サーバ130が、それぞれ、「第1の通信方式」、「第1の通信設定情報」、「サーバ」の一例である。ケースAの応答データに含まれる情報(即ち、DPOK、EPOK、CPOK)が、「第1のデータ」の一例である。また、図8のケースAにおいて、仮に、印刷用CSIがMFP10Aに記憶されていないと(図7のS62でNO)、応答データは、DPOK、EPOK、及び、CPNGを示す。また、図8のケースAにおいて、仮に、MFP10Aが確認サーバ130と通信不可能であると(図7のS63でNO)、応答データは、DPOK、EPOK、及び、CPNGを示す。これらのケースの応答データに含まれる情報(即ち、DPOK、EPOK、CPNG)が、「第2のデータ」の一例である。
【0101】
図3のS12の処理が、「端末装置」の「第1の受信部」によって実行される処理の一例である。S14及びS16の処理が、「端末装置」の「表示制御部」によって実行される処理の一例である。図4のS40、S50、及び、S60の処理が、「機能実行装置」の「特定部」によって実行される処理の一例である。S70及びS72の処理が、「機能実行装置」の「第1の送信部」によって実行される処理の一例である。
【0102】
(第2実施例)
第1実施例とは異なる点を説明する。第1実施例では、携帯端末50は、MFP10が実行可能な印刷機能(即ち、MFP10が印刷データを受信するために利用可能な通信方式)を示す画像を表示させることができる。本実施例では、携帯端末50は、さらに、MFP10が実行可能なスキャン機能(即ち、MFP10がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式)を示す画像を表示させることができる。
【0103】
(MFP10が実行し得るスキャン機能;図9、10)
図9及び図10を参照して、MFP10が実行し得るスキャン機能について説明する。スキャン機能は、ダイレクトスキャン(以下では「DS」と呼ぶ)と、Eメールスキャン(以下では「ES」と呼ぶ)と、クラウドスキャン(以下では「CS」と呼ぶ)と、に分類される。
【0104】
(DS)
DSでは、インターネットを介さずに、MFP10から携帯端末50へのスキャンデータの送信が実行される。DSは、通常Wi−Fiスキャンと、WFDスキャンと、BTスキャンと、に分類される。
【0105】
(通常Wi−Fiスキャン)
通常Wi−Fiスキャンでは、通常Wi−FiNWを利用して、スキャンデータの通信が実行される。図9は、MFP10、携帯端末50、及び、AP100を含む通常Wi−FiNWを示す。このような通常Wi−FiNWが形成されている状態では、MFP10の無線LANI/F20は、通常Wi−FiNWを利用して、AP100を介して、スキャンデータを携帯端末50に送信することができる。なお、通常Wi−Fiスキャンでは、MFP10及び携帯端末50の無線LANI/F60は、例えば、FTP(File Transfer Protocolの略)の通信プロトコルを利用して、スキャンデータの通信を実行する。
【0106】
(WFDスキャン)
WFDスキャンでは、WFDNWを利用して、スキャンデータの通信が実行される。図9は、PC110がG/O機器であると共に、携帯端末50及びMFP100がCL機器であるWFDNWの一例を示す。このようなWFDNWが形成されている状態では、CL機器であるMFP10の無線LANI/F20は、WFDNWを利用して、G/O機器であるPC110を介して、CL機器である携帯端末50の無線LANI/F60にスキャンデータを送信することができる。
【0107】
図9は、さらに、MFP10がG/O機器であると共に、携帯端末50がCL機器であるWFDNWの一例を示す。このようなWFDNWが形成されている状態では、G/O機器であるMFP10の無線LANI/F20は、WFDNWを利用して、他機器を介さずに、CL機器である携帯端末50の無線LANI/F60にスキャンデータを送信することができる。なお、WFDスキャンでは、MFP10及び携帯端末50は、例えば、FTPの通信プロトコルを利用して、スキャンデータの通信を実行する。
【0108】
(BTスキャン)
BTスキャンでは、BTNWを利用して、スキャンデータの通信が実行される。図9は、MFP10及び携帯端末50を含むBTNWを示す。このようなBTNWが形成されている状態では、MFP10のBTI/F24は、BTNWを利用して、他機器を介さずに、スキャンデータを携帯端末50のBTI/F64に送信することができる。なお、BTスキャンで利用される通信プロトコル(例えば、BPP等)は、BT印刷で利用される通信プロトコルと同様である。
【0109】
(ES)
ESでは、インターネットを介して、MFP10から他機器(例えば、携帯端末50、PC110)へのスキャンデータの送信(即ちEメール通信)が実行される。図10に示されるように、MFP10の無線LANI/F20は、メールサーバ120を介して、携帯端末50の無線LANI/F60にスキャンデータを送信することができる。このようなESを実行するためには、MFP10は、少なくとも送信用ESI(即ちSMTP設定情報)を記憶する。また、携帯端末50は、少なくとも受信用ESI(即ちPOP設定情報)を記憶する。また、図10に示されるように、MFP10の無線LANI/F20は、さらに、メールサーバ120を介して、PC110にスキャンデータを送信することもできる。なお、ESでは、EPの場合と同様に、SMTP及びPOPの通信プロトコルが利用される。
【0110】
(CS)
CSでは、インターネットを介して、MFP10から携帯端末50へのスキャンデータの送信(即ちクラウド通信)が実行される。図10に示されるように、MFP10の無線LANI/F20は、スキャンCLサーバ150を介して、スキャンデータを携帯端末50の無線LANI/F60に送信することができる。このようなクラウド通信を実行するためには、MFP10及び携帯端末50のそれぞれは、スキャンCLサーバ150と通信するためのスキャン用CSIを記憶する。当該スキャン用CSIは、スキャンCLサーバ150のURL、アカウント情報、認証情報(例えばアクセストークン)等を含む。
【0111】
図10に示されるように、MFP10は、さらに、スキャンデータをデータ保存CLサーバ160に送信することができる。これにより、MFP10は、スキャンデータをデータ保存CLサーバ160にアップロードすることができる。このようなクラウド通信を実行するためには、MFP10は、データ保存CLサーバ160と通信するためのスキャン用CSIを記憶する。当該スキャン用CSIは、データ保存CLサーバ160のURL、アカウント情報、認証情報等を含む。なお、CSでは、CPの場合と同様に、HTTPの通信プロトコルが利用される。
【0112】
上記のDS、ES、CSは、それぞれ、MFP10が実行し得るスキャン機能であるが、換言すると、MFP10がスキャンデータを送信するための通信方式を意味する。即ち、DS、ES、CSは、それぞれ、ダイレクト方式、Eメール方式、クラウド方式という通信方式を意味する。即ち、MFP10は、ダイレクト方式、Eメール方式、及び、クラウド方式という3個の通信方式のうちのいずれかを利用して、スキャンデータを送信し得る。
【0113】
(携帯端末50のアプリケーション処理;図11
続いて、図11を参照して、本実施例のMFP用アプリケーションによって実現される処理の内容を説明する。携帯端末50のユーザは、操作キー52を操作して、MFP用アプリケーションを起動させる。この場合、S2において、CPU72は、印刷機能又はスキャン機能を選択するための選択画像を表示機構54に表示させる。
【0114】
次いで、S4では、CPU72は、選択画面において、印刷機能又はスキャン機能が選択されることを監視する。ユーザは、操作キー52を操作して、印刷機能又はスキャン機能を選択することができる。換言すると、CPU72が、ユーザによる印刷機能又はスキャン機能の選択を検出することで、印刷機能又はスキャン機能を選択することができる。この場合、CPU72は、S4でYESと判断して、S10−2に進む。
【0115】
ユーザが携帯端末50をMFP10に近づけると、MFP10と携帯端末50との間にNFC接続が確立される。ユーザの選択結果が印刷機能である場合には、S10−2では、CPU72は、NFCI/F62を介して、印刷を示す機能要求をMFP10に送信する。また、ユーザの選択結果がスキャン機能である場合には、S10−2では、CPU72は、NFCI/F62を介して、スキャンを示す機能要求をMFP10に送信する。
【0116】
S12−2では、CPU72は、NFCI/F62を介して、応答データを受信する。ユーザの選択結果が印刷機能である場合には、応答データは、図3のS12で受信される応答データと同様に、印刷機能に関する情報(DPOK又はNG、EPOK又はNG、CPOK又はNG)を含む。ユーザの選択結果がスキャン機能である場合には、応答データは、スキャン機能に関する情報(DSOK又はNG、ESOK又はNG、CSOK又はNG)を含む。
【0117】
ユーザの選択結果が印刷機能である場合には、S14−2は、図3のS14と同様である。ユーザの選択結果がスキャン機能である場合には、S14−2では、CPU72は、応答データを解析して、DS、ES、及び、CSのそれぞれについて、OK又はNGを特定する。CPU72は、DSOKを特定する場合には、「ダイレクトスキャン」を示す文字をテンプレートデータに記述し、DSNGを特定する場合には、「ダイレクトスキャン」を示す文字をテンプレートデータに記述しない。同様に、CPU72は、ESOK(又はCSOK)を特定する場合には、「Eメールスキャン(又はクラウドスキャン)」を示す文字をテンプレートデータに記述し、ESNG(又はCSNG)を特定する場合には、「Eメールスキャン(又はクラウドスキャン)」を示す文字をテンプレートデータに記述しない。テンプレートデータに上記の各文字が記述しない。これにより、表示用データが完成する。
【0118】
S16は、図3のS16と同様である。ユーザの選択結果がスキャン機能である場合には、MFP10が実行可能なスキャン機能が、MFP10が実行不可能なスキャン機能とは区別された状態で、表示機構54に表示される。換言すると、MFP10がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式が、MFP10がスキャンデータを送信するために利用不可能な通信方式とは区別された状態で、表示機構54に表示される。ユーザは、表示機構54に表示される画像を見ることによって、MFP10が実行可能なスキャン機能、即ち、MFP10がスキャンデータを送信するために利用可能な通信方式を知ることができる。
【0119】
(MFP10の処理;図4
図4を参照して、本実施例のMFP10が実行する処理の内容を説明する。S30では、CPU32は、携帯端末50から、NFCI/F22を介して、印刷を示す機能要求又はスキャンを示す機能要求を受信する。S32では、CPU32は、印刷を示す機能要求が受信されたのか、スキャンを示す機能要求が受信されたのか、を判断する。印刷を示す機能要求が受信された場合には、CPU32は、S32でYESと判断し、S40に進む。この場合、CPU32は、第1実施例と同様に、S40〜S72の各処理を実行する。一方において、スキャンを示す機能要求が受信された場合には、CPU32は、S32でNOと判断し、S140に進む。
【0120】
S140、S150、S160では、CPU32は、DS機能確認処理(図12参照)、ES機能確認処理(図13参照)、CS機能確認処理(図14参照)を実行する。これらの処理では、CPU32は、MFP10が、DS、ES、及び、CSのうちのどのスキャン機能を実行可能であるのかを特定する。これらの処理の詳細については後述する。
【0121】
スキャンを示す機能要求が受信された場合には、S70では、CPU32は、S140、S150、S160の確認結果を利用して、応答データを生成する。当該応答データの生成手法は、印刷がスキャンに代わる点を除くと、第1実施例と同様である。即ち、CPU32は、DSOK又はNGを示す情報と、ESOK又はNGを示す情報と、CSOK又はNGを示す情報と、を含む応答データを生成する。
【0122】
S72では、CPU32は、NFCI/F22を介して、応答データを携帯端末50に送信する。スキャンを示す機能要求が受信された場合には、応答データは、MFP10が実行可能なスキャン機能を示す情報を含む。これにより、携帯端末50は、応答データを利用して、MFP10が実行可能なスキャン機能を示す画像を表示機構54に表示させることができる(図11のS12−2、S14−2、S16参照)。
【0123】
(DS機能確認処理;図12
図12を参照して、図4のS140のDS機能確認処理を説明する。S141、S144、S147の各判断処理は、図5のS41、S44、S47と同様である。そして、S142、S143、S145、S146、S148、S149の各処理は、印刷がスキャンに代わる点を除くと、図5のS42、S43、S45、S46、S48、S49と同様である。
【0124】
(ES機能確認処理;図13
図13を参照して、図4のS150のES機能確認処理を説明する。S151では、CPU32は、MFP10がES機能を有するか否か(即ち、スキャンデータを含むEメールを送信するためのプログラムがメモリ34に記憶されているのか否か)を判断する。MFP10がES機能を有する場合には、CPU32は、S151でYESと判断し、S152に進む。一方において、MFP10がES機能を有さない場合には、CPU32は、S151でNOと判断し、S154に進む。
【0125】
S152では、CPU32は、MFP10がEメールを送信するためのESIである送信用ESI(即ちSMTP設定情報)が、メモリ34に記憶されているのか否かを判断する。送信用ESIがメモリ34に記憶されている場合には、CPU32は、S152でYESと判断し、S153に進む。一方において、送信用ESIがメモリ34に記憶されていない場合には、CPU32は、S152でNOと判断し、S154に進む。S153、S154の各処理は、印刷がスキャンに代わる点を除くと、図6のS53、S54と同様である。
【0126】
(CS機能確認処理;図14
図14を参照して、図4のS160のCS機能確認処理を説明する。S161では、CPU32は、MFP10がCS機能を有するか否か(即ち、スキャンCLサーバ150又はデータ保存CLサーバ160とクラウド通信を実行するためのプログラムがメモリ34に記憶されているのか否か)を判断する。MFP10がCS機能を有する場合には、CPU32は、S161でYESと判断し、S162に進む。一方において、MFP10がCS機能を有さない場合には、CPU32は、S161でNOと判断し、S165に進む。
【0127】
S162では、CPU32は、MFP10がスキャンCLサーバ150又はデータ保存CLサーバ160を利用するためのCSIであるスキャン用CSI(即ち、サーバ150又は160のURL、アカウント情報、認証情報等)が、メモリ34に記憶されているのか否かを判断する。スキャン用CSIがメモリ34に記憶されている場合には、CPU32は、S162でYESと判断し、S163に進む。一方において、スキャン用CSIがメモリ34に記憶されていない場合には、CPU32は、S162でNOと判断し、S165に進む。S163は、図7のS63と同様である。S164、S65の各処理は、印刷がスキャンに代わる点を除くと、図7のS64、S65と同様である。
【0128】
(ケースC;図15
図15を参照して、図4及び図11の各処理によって実現される具体的なケースを説明する。ケースC及びDでは、MFP10Aは、通常Wi−Fi印刷、WFD印刷、BT印刷、EP、及び、CPの全てを実行可能である。また、MFP10Aは、通常Wi−Fiスキャン、WFDスキャン、BTスキャンを実行可能であるが、ES及びCSを実行不可能である。例えば、受信用ESI及び印刷用CSIが、MFP10Aのメモリに記憶されているが、送信用ESI及びスキャン用CSIが、MFP10Aのメモリに記憶されていない場合には、MFP10Aは、EP及びCPを実行可能であるにもかかわらず、ES及びCSを実行不可能である。
【0129】
携帯端末50のユーザは、MFP用アプリケーションによって表示される選択画像において、印刷機能を選択した後に、携帯端末50をMFP10Aに近づける。この結果、携帯端末50及びMFP10Aの間にNFC接続が確立される。携帯端末50は、NFC接続を利用して、印刷を示す機能要求を送信する(図11のS10−2)。
【0130】
MFP10Aは、携帯端末50から印刷を示す機能要求を受信すると(図4のS30、S32でYES)、印刷に関する各確認処理を実行し(図4のS40、S50、S60)、次いで、DPOKを示す情報と、EPOKを示す情報と、CPOKを示す情報と、を含む応答データを生成する(図4のS70)。この後の各処理は、図8のケースAと同様であり、「ダイレクト印刷」を示す文字と、「Eメール印刷」を示す文字と、「クラウド印刷」を示す文字と、を含む画像が、携帯端末50に表示される。
【0131】
(ケースD)
携帯端末50のユーザは、MFP用アプリケーションによって表示される選択画像において、スキャン機能を選択した後に、携帯端末50をMFP10Aに近づける。この結果、携帯端末50及びMFP10Aの間にNFC接続が確立される。携帯端末50は、NFC接続を利用して、スキャンを示す機能要求を送信する(図11のS10−2)。
【0132】
MFP10Aは、携帯端末50からスキャンを示す機能要求を受信すると(図4のS30、S32でNO)、スキャンに関する各確認処理を実行し(図4のS140、S150、S160)、次いで、DSOKを示す情報と、ESNGを示す情報と、CSNGを示す情報と、を含む応答データを生成する(図4のS70)。この後の各処理は、印刷の場合(例えば図15のケースC等)と同様であり、「ダイレクトスキャン」を示す文字を含む画像が、携帯端末50に表示される。当該画像は、「Eメールスキャン」を示す文字と、「クラウドスキャン」を示す文字と、を含まない。
【0133】
ユーザは、MFP10Aが、DSを実行可能であり、ES及びCSを実行不可能であることを知ることができる。即ち、ユーザは、MFP10Aが、スキャンデータを受信するために、ダイレクト方式を利用可能であり、Eメール方式及びクラウド方式を利用不可能であることを知ることができる。これにより、ユーザは、例えば、MFP10Aにスキャンを実行させることを望む場合に、MFP10が利用可能な通信方式を適切に選択することができる。このように、本実施例によると、ユーザの利便性が向上する。
【0134】
(対応関係)
印刷を示す機能要求、スキャンを示す機能要求が、それぞれ、「第1の選択結果」、「第2の選択結果」の一例である。図15のケースDでは、DSが、「N個の通信方式」の一例であり、携帯端末50に表示される画像(即ち「ダイレクトスキャン」を示す文字を含む画像)が、「特定の画像」の一例である。図4のS30が、「機能実行装置」の「第2の受信部」によって実行される処理の一例である。
【0135】
(第2実施例の変形例)
上記の第2実施例では、携帯端末50のCPU72は、印刷機能又はスキャン機能を選択するための選択画像を表示機構54に表示させ(図11のS2)、選択結果を示す機能要求をMFP10に送信し(S10−2)、MFP10から選択結果に対応する応答データを受信する(S12−2)。即ち、CPU72は、MFP10から応答データを受信する前に、選択画像を表示機構54に表示させる。
【0136】
これに代えて、携帯端末50のCPU72は、選択画像を表示機構54に表示させる前に(即ち、ユーザが印刷機能又はスキャン機能を選択する前に)、機能要求をMFP10に送信してもよい。この場合、MFP10のCPU32は、印刷に関する確認処理(図4のS40〜S60)と、スキャンに関する確認処理(図4のS140〜S160)と、の両方を実行し、それらの確認結果の全てを含む応答データを携帯端末50に送信してもよい。
【0137】
携帯端末50のCPU72は、MFP10から応答データが受信された後に、選択画像を表示機構54に表示させてもよい。そして、CPU72は、ユーザの選択結果が印刷機能である場合には、応答データに含まれるスキャンに関する情報(DSOK又はNG等)を利用せずに、応答データに含まれる印刷に関する情報(DPOK又はNG等)を利用して、MFP10が実行可能な印刷機能を示す画像を表示機構54に表示させてもよい。また、CPU72は、ユーザの選択結果がスキャン機能である場合には、応答データに含まれる印刷に関する情報(DPOK又はNG等)を利用せずに、応答データに含まれるスキャンに関する情報(DSOK又はNG等)を利用して、MFP10が実行可能なスキャン機能を示す画像を表示機構54に表示させてもよい。
【0138】
上述したように、携帯端末50のCPU72は、本変形例のように、MFP10から応答データが受信された後に、選択画像を表示機構54に表示させてもよいし、第2実施例のように、MFP10から応答データが受信される前に、選択画像を表示機構54に表示させてもよい。なお、第2実施例では、MFP10は、印刷に関する確認処理(図4のS40〜S60)と、スキャンに関する確認処理(図4のS140〜S160)と、のうちの一方のみを実行すれば足りる。このために、MFP10の処理負荷を低減させることができる。
【0139】
また、上記の第2実施例では、携帯端末50のCPU72は、印刷機能又はスキャン機能を選択するための選択画像を表示機構54に表示させる(図11のS2)。これに代えて、当該選択画面を表示させず、MFP10が実行可能な印刷機能及びスキャン機能の両方を示す画像を表示機構54に表示させてもよい。
【0140】
即ち、携帯端末50のCPU72が機能要求をMFP10に送信すると、MFP10のCPU32は、印刷に関する確認処理(図4のS40〜S60)と、スキャンに関する確認処理(図4のS140〜S160)と、の両方を実行し、それらの確認結果の全てを含む応答データを携帯端末50に送信してもよい。携帯端末50のCPU72は、MFP10から応答データが受信された後に、応答データに含まれる印刷に関する情報(DPOK又はNG)とスキャンに関する情報(DSOK又はNG等)とを利用して、MFP10が実行可能な印刷機能及びスキャン機能の両方を示す画像を表示機構54に表示させてもよい。
【0141】
(第3実施例)
第1実施例と異なる点を説明する。本実施例では、携帯端末50は、MFP10が印刷データを受信するために利用可能な通信方式を示す画像を表示させた後に、ユーザによって選択される通信方式に従って、印刷データをMFP10に送信する。
【0142】
(携帯端末50のアプリケーション処理;図16
図16を参照して、本実施例のMFP用アプリケーションによって実現される処理の内容を説明する。S10〜S16は、図3のS10〜S16と同様である。なお、S12の処理が実行された後に、携帯端末50とMFP10との間の1回目のNFC接続が切断される。
【0143】
ユーザは、操作キー52を操作して、S16で表示される画像に示される1個以上の通信方式の中から、1個の通信方式を選択することができる。換言すると、CPU72は、ユーザによる操作を検出することで、上記1個以上の通信方式の中から、1個の通信方式を選択することができる。また、ユーザは、操作キー52を操作して、携帯端末50のメモリ74内の1個以上のデータ(例えば、画像ファイル、文書ファイル等)の中から、印刷対象のデータ(即ち印刷データ)を選択することができる。
【0144】
S18では、CPU72は、通信方式及び印刷データの選択が実行されることを監視する。CPU72は、当該選択が実行される場合に、S18でYESと判断し、S20に進む。ユーザは、携帯端末50とMFP10との間に2回目のNFC接続を確立するために、携帯端末50をMFP10に近づける。S20では、CPU72は、2回目のNFC接続を利用して、NFCI/F62を介して、ユーザの選択結果(即ち、DP、EP、又は、CP)をMFP10に送信する。
【0145】
次いで、S22では、CPU72は、2回目のNFC接続を利用して、MFP10から、NFCI/F62を介して、送信先情報を受信する。送信先情報は、ユーザの選択結果に対応する通信方式に従って、携帯端末50からMFP10への印刷データの送信を実行するための送信先を示す。詳しくは後述するが、ユーザの選択結果がEPである場合には、送信先情報は、MFP10のEメールアドレスを含む(図18のS89参照)。また、ユーザの選択結果がCPである場合には、送信先情報は、MFP10のメモリ34に記憶されている印刷用CSI(即ち、印刷CLサーバ140のURL等)を含む(図18のS90参照)。
【0146】
また、ユーザの選択結果がDPである場合には、送信先情報は、MFP10のメモリ34に記憶されている各WSI(即ち、通常Wi−FiWSI、WFDWSI、及び、BTWSI)のうちの少なくとも1個のWSIに関連する情報を含む(図18のS83、S85、S87参照)。より具体的に言うと、MFP10が通常Wi−Fi印刷を実行可能である場合には、送信先情報は、MFP10の通常Wi−FiWSIに含まれる各情報(通常Wi−Fi用SSID、通常Wi−Fi用BSSID、及び、MFP10の通常Wi−Fi用IPアドレス)を含む(図18のS83参照)。また、MFP10がWFD印刷を実行可能である場合には、送信先情報は、MFP10のWFDWSIに含まれる各情報(WFD用SSID、WFD用BSSID、及び、MFP10のWFD用IPアドレス)を含む(図18のS85参照)。なお、MFP10がG/O機器である場合には、送信先情報は、さらに、MFP10のWFDWSIに含まれるパスワードを含む。ただし、MFP10がCL機器である場合には、送信先情報は、MFP10のWFDWSIに含まれるパスワードを含まない。MFP10がBT印刷を実行可能である場合には、送信先情報は、MFP10のBTWSI(即ちPINコード)を含む(図18のS87参照)。
【0147】
次いで、S24では、CPU72は、ユーザの選択結果に対応する通信方式に従って、送信先情報を利用して、印刷データをMFP10に送信する。具体的に言うと、例えば、ユーザの選択結果がEPである場合には、CPU72は、送信先情報に含まれるMFP10のメールアドレスが送信先アドレスとして指定されているEメールを生成し、当該Eメールに印刷データを添付する。そして、CPU72は、無線LANI/F60、又は、他のI/F(例えば、有線通信I/F(図示省略)、セルラーネットワークに接続するためのI/F(図示省略))を介して、Eメールを送信する。この結果、携帯端末50は、メールサーバ120を介して(即ちインターネットを介して)、印刷データをMFP10に送信することができる(図2のEP参照)。
【0148】
また、例えば、ユーザの選択結果がCPである場合には、CPU72は、送信先情報に含まれる印刷用CSIを利用して、無線LANI/F60又は他のI/Fを介して、印刷CLサーバ140に接続する。次いで、CPU72は、印刷用CSIに含まれる印刷CLサーバ140のURLが送信先として指定されているコマンドを生成し、当該コマンドに印刷データを添付する。そして、CPU72は、無線LANI/F60又は他のI/Fを介して、印刷データを含むコマンドを送信する。この結果、携帯端末50は、印刷CLサーバ140を介して(即ちインターネットを介して)、印刷データをMFP10に送信することができる(図2のCP参照)。
【0149】
また、例えば、ユーザの選択結果がDPである場合には、CPU72は、まず、送信先情報を利用して、MFP10及び携帯端末50が同一のNWに所属しているのか否かを判断する。例えば、MFP10の通常Wi−Fi用SSID及び通常Wi−Fi用BSSIDのセットと、携帯端末50の通常Wi−Fi用SSID及び通常Wi−Fi用BSSIDのセットと、が一致する場合には、CPU72は、MFP10及び携帯端末50が同一の通常Wi−FiNWに所属していると判断する。また、例えば、MFP10のWFD用SSID及びWFD用BSSIDのセットと、携帯端末50のWFD用SSID及びWFD用BSSIDのセットと、が一致する場合には、CPU72は、MFP10及び携帯端末50が同一のWFDNWに所属していると判断する。また、例えば、MFP10のBTWSIに含まれるPINコードと、携帯端末50のBTWSIに含まれるPINコードと、が一致する場合には、CPU72は、MFP10及び携帯端末50が同一のBTNWに所属していると判断する。
【0150】
なお、本実施例では、CPU72は、SSID及びBSSIDのセットの一致判断を実行することによって、MFP10及び携帯端末50が同一のNW(通常Wi−FiNW又はWFDNW)に所属しているのか否かを判断する。これに対し、変形例では、CPU72は、SSIDの一致判断のみを実行することによって、MFP10及び携帯端末50が同一のNWに所属しているのか否かを判断してもよいし、BSSIDの一致判断のみを実行することによって、MFP10及び携帯端末50が同一のNWに所属しているのか否かを判断してもよい。
【0151】
CPU72は、MFP10及び携帯端末50が同一のNWに所属していると判断する場合には、当該同一のNWを利用して、印刷データをMFP10に送信する。例えば、上記の同一のNWが通常Wi−FiNWである場合には、CPU72は、送信先情報に含まれるMFP10の通常Wi−Fi用IPアドレスを送信先として、無線LANI/F60を介して、印刷データを送信する。これにより、携帯端末50は、AP100を介して、印刷データをMFP10に送信することができる(図2の通常Wi−Fi印刷参照)。
【0152】
また、例えば、上記の同一のNWがWFDNWである場合には、CPU72は、送信先情報に含まれるMFP10のWFD用IPアドレスを送信先として、無線LANI/F60を介して、印刷データを送信する。これにより、携帯端末50は、G/O機器であるPC110を介して、又は、他機器を介さずに、印刷データをMFP10に送信することができる(図2のWFD印刷参照)。
【0153】
また、例えば、上記の同一のNWがBTNWである場合には、CPU72は、MFP10のBTWSI(即ち携帯端末50のBTWSI)に含まれるPINコードを利用して、BTI/F64を介して、印刷データを送信する。これにより、携帯端末50は、他機器を介さずに、印刷データをMFP10に送信することができる(図2のBT印刷参照)。
【0154】
上述したように、S24では、ユーザの選択結果がDPであり、かつ、MFP10及び携帯端末50が同一のNWに所属している場合には、携帯端末50は、当該同一のNWを優先的に利用して、印刷データをMFP10に送信する。これにより、携帯端末50は、MFP10と無線接続を確立せずに済むので、印刷データをMFP10に迅速に送信することができる。
【0155】
なお、MFP10及び携帯端末50が2個以上の同一のNWに所属している場合には、CPU72は、通信速度が速いNWを優先的に利用する。例えば、MFP10及び携帯端末50が同一のWFDNWと同一のBTNWとに所属している場合には、CPU72は、WFDNWを利用して、印刷データをMFP10に送信する。
【0156】
また、CPU72は、MFP10及び携帯端末50が同一のNWに所属していないと判断する場合には、以下の処理を実行する。上述したように、送信先情報は、MFP10が所属している通常Wi−FiNWで利用されているパスワードを含まない(図18のS83参照)。従って、CPU72は、当該通常Wi−FiNWに携帯端末50を参加させることができない。
【0157】
送信先情報は、MFP10がG/O機器であるWFDNWで利用されている各情報(WFD用SSID、WFD用BSSID、パスワード、及び、MFP10のWFD用IPアドレス)を含み得る(図18のS85参照)。この場合、CPU72は、それらの情報を利用して、G/O機器であるMFP10と無線接続を確立する。これにより、CPU72は、MFP10がG/O機器であるWFDNWに、CL機器として携帯端末50を参加させることができる。そして、CPU72は、送信先情報に含まれるMFP10のWFD用IPアドレスを送信先として、無線LANI/F60を介して、印刷データを送信する。これにより、CL機器である携帯端末50は、WFDNWを利用して、他機器を介さずに、G/O機器であるMFP10に印刷データを送信することができる。
【0158】
また、送信先情報は、MFP10のBTWSI(即ちPINコード)を含み得る(図18のS87参照)。この場合、CPU72は、BTWSIを利用して、MFP10と無線接続を確立する。そして、CPU72は、PINコードを利用して、BTI/F64を介して、印刷データを送信する。これにより、携帯端末50は、BTNWを利用して、他機器を介さずに、印刷データをMFP10に送信することができる。
【0159】
なお、送信先情報が、MFP10がG/O機器であるWFDNWで利用されている各情報と、MFP10のBTWSIと、の両方を含む場合には、CPU72は、通信速度が速いWFDNWを優先的に利用することを決定して、MFP10がG/O機器であるWFDNWに、CL機器として携帯端末50を参加させる。
【0160】
(MFP10の処理;図17
図17を参照して、MFP10が実行する処理の内容を説明する。S30〜S72は、図4のS30〜S72と同様である。S74では、CPU32は、携帯端末50から、NFCI/F22を介して、ユーザの選択結果(即ち、DP、EP、又は、CP)を受信する(図16のS20参照)。次いで、S80では、CPU32は、送信先情報準備処理を実行して、携帯端末50に送信されるべき送信先情報を準備する。送信先情報準備処理の内容については、後で詳しく説明する。
【0161】
S94では、CPU32は、NFCI/F22を介して、送信先情報を携帯端末50に送信する(図16のS22参照)。次いで、S96では、CPU32は、携帯端末50から印刷データを受信する(図16のS24参照)。例えば、ユーザの選択結果がEPである場合には、CPU32は、メールサーバ120から、無線LANI/F20又は他のI/F(例えば有線通信I/F(図示省略))を介して、印刷データを含むEメールを受信する。この結果、MFP10は、携帯端末50から、メールサーバ120を介して(即ちインターネットを介して)、印刷データを受信することができる。また、例えば、ユーザの選択結果がCPである場合には、CPU32は、印刷CLサーバ140から、無線LANI/F20又は他のI/Fを介して、印刷データを受信する。この結果、MFP10は、携帯端末50から、印刷CLサーバ140を介して(即ちインターネットを介して)、印刷データを受信することができる。
【0162】
また、例えば、ユーザの選択結果がDPである場合には、CPU32は、通常Wi−FiNW、WFDNW、又は、BTNWを利用して、無線LANI/F20又はBTI/F24を介して、印刷データを受信する。この結果、携帯端末50は、MFP10から、LANを介して(即ちインターネットを介さずに)、印刷データを受信することができる。
【0163】
S98では、CPU32は、印刷データを印刷機構16に供給する。これにより、印刷機構16は、印刷データによって表される画像を印刷媒体に印刷する。印刷データは、画像ファイル等であるので、比較的に大きいデータサイズを有する。そして、NFCI/F22,62を介したNFC通信の通信速度は、他のI/F(例えば無線LANI/F20,60)を介した通信の通信速度よりも遅い。従って、仮に、MFP10及び携帯端末50の間で、NFC通信を利用して、印刷データの通信が実行される構成を採用すると、印刷データの通信のために長時間を要する。これに対し、本実施例では、MFP10及び携帯端末50は、NFC通信とは異なる通信を利用して、印刷データの通信を実行するので、印刷データの通信を迅速に実行することができる。
【0164】
(送信先情報準備処理;図18
図18を参照して、図17のS80の送信先情報準備処理の内容を説明する。S81では、CPU32は、ユーザの選択結果がDPであるのか否かを判断し、ユーザの選択結果がDPである場合には、S81でYESと判断し、S82に進む。一方において、ユーザの選択結果がEP又はCPである場合には、S81でNOと判断し、S88に進む。
【0165】
S82では、CPU32は、図17のS40(図5参照)で通常Wi−Fi印刷OKを示す情報がメモリ34に記憶されたのか否かを判断する。CPU32は、通常Wi−Fi印刷OKを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S82でYESと判断し、S83に進む。一方において、CPU32は、通常Wi−Fi印刷NGを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S82でNOと判断し、S86に進む。
【0166】
S83では、CPU32は、MFP10の通常Wi―FiWSIに含まれる各情報(通常Wi―Fi用SSID、通常Wi―Fi用BSSID、及び、MFP10の通常Wi―Fi用IPアドレス)を、メモリ34から特定することによって、それらの情報を送信先情報として準備する。本実施例では、通常Wi−FiNWにおいて、AP100は、当該通常Wi−FiNWに他機器を参加させる権限を有するが、AP100とは異なる機器(例えばMFP10)は、当該通常Wi−FiNWに他機器を参加させる権限を有さない、というセキュリティポリシーを採用している。従って、S83では、CPU32は、MFP10の通常Wi―FiWSIに含まれるパスワードを準備しない(即ち、送信先情報としてパスワードを送信しない)。ただし、変形例では、CPU32は、パスワードを準備してもよい(即ち、送信先情報としてパスワードを送信してもよい)。
【0167】
次いで、S84では、CPU32は、図17のS40(図5参照)でWFD印刷OKを示す情報がメモリ34に記憶されたのか否かを判断する。CPU32は、WFD印刷OKを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S84でYESと判断し、S85に進む。一方において、CPU32は、WFD印刷NGを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S84でNOと判断し、S86に進む。
【0168】
S85では、CPU32は、MFP10の現在の状態(G/O状態、CL状態、又は、デバイス状態)に応じて、以下の各処理を実行する。MFP10の現在の状態がG/O状態である場合には、CPU32は、MFP10のWFDWSIに含まれる各情報(WFD用SSID、WFD用BSSID、MFP10のWFD用IPアドレス、及び、パスワード)を、メモリ34から特定することによって、それらの情報を送信先情報として準備する。また、MFP10の現在の状態がCL状態である場合には、CPU32は、MFP10のWFDWSIに含まれる各情報(WFD用SSID、WFD用BSSID、及び、MFP10のWFD用IPアドレス)を、メモリ34から特定することによって、それらの情報を送信先情報として準備する。
【0169】
本実施例では、WFDNWにおいて、G/O機器は、当該WFDNWに他機器を参加させる権限を有するが、CL機器は、当該WFDNWに他機器を参加させる権限を有さない、というセキュリティポリシーを採用している。従って、CPU32は、MFP10の現在の状態がG/O状態である場合には、パスワードを準備するが、MFP10の現在の状態がCL状態である場合には、パスワードを準備しない(即ち、送信先情報としてパスワードを送信しない)。ただし、変形例では、CPU32は、MFP10の現在の状態がCL状態である場合に、パスワードを準備してもよい(即ち、送信先情報としてパスワードを送信してもよい)。
【0170】
また、MFP10の現在の状態がデバイス状態である場合には、CPU32は、MFP10の状態をG/O状態に移行させる。ここでは、CPU32は、G/Oネゴシエーションを実行せずに自発的に、MFP10の状態をG/O状態に移行させる。次いで、CPU32は、さらに、MFP10のWFDWSI(即ち、WFD用SSID、WFD用BSSID、認証方式、暗号化方式、パスワード、及び、WFD用IPアドレス)をメモリ34内に生成する。CPU32は、さらに、CL機器のMACアドレスが記述されるべき管理リストをメモリ34内に生成する。この段階では、管理リストにはいずれのMACアドレスも記述されていない。即ち、CPU32は、G/O機器であるMFP10のみが所属しているWFDNWを形成する。そして、CPU32は、MFP10のWFDWSIに含まれる各情報(WFD用SSID、WFD用BSSID、MFP10のWFD用IPアドレス、及び、パスワード)を、メモリ34から特定することによって、それらの情報を送信先情報として準備する。
【0171】
S86では、MFP10は、図17のS40(図5参照)でBT印刷OKを示す情報がメモリ34に記憶されたのか否かを判断する。CPU32は、BT印刷OKを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S86でYESと判断し、S87に進む。一方において、CPU32は、BT印刷NGを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S86でNOと判断し、送信先情報準備処理を終了する。
【0172】
S87では、CPU32は、MFP10がBTNWに現在所属している場合(即ちMFP10が他機器とBT接続を確立している場合)には、MFP10のBTWSIをメモリ34から特定することによって、MFP10のBTWSIを送信先情報として準備する。また、CPU32は、MFP10がBTNWに現在所属していない場合には、新たなBTWSIをメモリ34内に生成する。そして、CPU32は、MFP10のBTWSIをメモリ34から特定することによって、MFP10のBTWSIを送信先情報として準備する。
【0173】
S88では、CPU32は、ユーザの選択結果がEPであるのか否かを判断し、ユーザの選択結果がEPである場合には、S88でYESと判断し、S89に進む。一方において、CPU32は、ユーザの選択結果がCPである場合には、S88でNOと判断し、S90に進む。
【0174】
S89では、CPU32は、予め決められているMFP10のEメールアドレスをメモリ34から特定することによって、MFP10のEメールアドレスを送信先情報として準備する。S89が終了すると、送信先情報準備処理が終了する。
【0175】
S90では、CPU32は、印刷用CSIをメモリ34から特定することによって、印刷用CSIを送信先情報として準備する。S90が終了すると、送信先情報準備処理が終了する。
【0176】
(具体的なケース;図19
図19を参照して、図16及び図17の各処理によって実現される具体的なケースを説明する。MFP10Cは、通常Wi−Fi印刷、BT印刷、及び、EPを実行可能であるが、WFD印刷、及び、CPを実行不可能である。MFP10C及び携帯端末50は、AP100によって形成されている通常Wi−FiNWに所属している。通常Wi−FiNWでは、SSIDとして「X1」が利用されており、BSSIDとして「Y1」が利用されている。
【0177】
本ケースでは、「ダイレクト印刷」を示す文字と、「Eメール印刷」を示す文字と、を含む画像が、携帯端末50に表示される。ユーザは、携帯端末50の操作キー52を操作して、「ダイレクト印刷」及び「Eメール印刷」の中から「ダイレクト印刷」を選択し、さらに、印刷データを指定する(図16のS18でYES)。携帯端末50は、NFC通信を利用して、DPを示す選択結果をMFP10Cに送信する(図16のS20)。
【0178】
MFP10Cは、DPを示す選択結果を受信すると(図17のS74)、送信先情報を準備する(図17のS80)。具体的に言うと、通常Wi−Fi印刷OKを示す情報がメモリ34に記憶されているために(図18のS82でYES)、MFP10Cは、MFP10Cの通常Wi−FiWSIに含まれる各情報(SSID「X1」、BSSID「Y1」、及び、MFP10CのIPアドレス「IP1」)を、送信先情報として準備する(S83)。また、BT印刷OKを示す情報がメモリ34に記憶されているために(S86でYES)、MFP10Cは、MFP10CのBTWSIを、送信先情報として準備する(S87)。MFP10Cは、送信先情報を携帯端末50に送信する(図17のS94)。
【0179】
携帯端末50は、MFP10から送信先情報を受信すると(図16のS22)、送信先情報に含まれるSSID「X1」及びBSSID「Y1」のセットと、携帯端末50の通常Wi−FiWSIに含まれるSSID「X1」及びBSSID「Y1」のセットと、が同一である(即ちMFP10及び携帯端末50が同一の通常Wi−FiNWに所属している)と判断する。従って、携帯端末50は、通常Wi−FiNWを優先的に利用して、AP100を介して、印刷データをMFP10Cに送信する(図16のS24)。これにより、MFP10Cにおいて、印刷処理が実行される(図17のS98)。
【0180】
なお、図19のケースでは、ユーザによって「ダイレクト印刷」が選択されるが、仮に、ユーザによって「Eメール印刷」が選択されると(以下では「ケース1」と呼ぶ)、携帯端末50は、NFC通信を利用して、EPを示す選択結果をMFP10Cに送信する(図16のS20)。この場合、MFP10Cは、MFP10CのEメールアドレスを含む送信先情報を携帯端末50に送信する(図17のS94)。この結果、携帯端末50は、MFP10CのEメールアドレスを送信先として、印刷データを含むEメールを送信する(図16のS24)。
【0181】
(対応関係)
図19のケースでは、DPが、「特定の通信方式」及び「第2の通信方式」の一例である。また、上記のケース1では、EPが、「特定の通信方式」及び「第1の通信方式」の一例である。AP100によって形成されている通常Wi−FiNWが、「特定のローカルエリアネットワーク」の一例である。「NFCI/F62」、「無線LANI/F60」が、それぞれ、「第1のインターフェース」、「第2のインターフェース」の一例である。図16のS20の処理、S22の処理、S24の処理が、それぞれ、「端末装置」の「第2の送信部」、「第2の受信部」、「第1の送信部」によって実行される処理の一例である。また、図17のS74の処理、S94の処理が、それぞれ、「機能実行装置」の「第3の受信部」、「第2の送信部」によって実行される処理の一例である。
【0182】
(第3実施例の変形例)
なお、図18の変形例では、CPU32は、S84でNOと判断した後、及び、S85で、MFP10のWFDWSIに含まれる各情報を送信先情報として準備した後に、S86に進まずに送信先情報準備処理を終了し、S82でNOと判断する場合にのみS86に進んでもよい。即ち、CPU32は、少なくとも通常Wi―FiWSIに含まれる各情報を送信先情報として準備した場合には、BTWSIを送信先情報として準備せず、通常Wi―FiWSIに含まれる各情報を送信先情報として準備することができない場合には、BTWSIを送信先情報として準備してもよい。この構成によると、送信先情報が、MFP10がG/O機器であるWFDNWで利用されている各情報と、MFP10のBTWSIと、の両方を含むことがないので、携帯端末50のCPU72は、図16のアプリケーション処理のS24を実行すべき際に、WFDNWとBTNWとのどちらに参加すべきかを選択せずに済む。
【0183】
(第4実施例)
第3実施例と異なる点を説明する。本実施例でも、携帯端末50は、ユーザによって選択される通信方式に従って、印刷データをMFP10に送信する。第3実施例では、MFP10及び携帯端末50の間に2回のNFC接続が確立されるが、本実施例では、MFP10及び携帯端末50の間に1回のNFC接続のみが確立される。
【0184】
(携帯端末50のアプリケーション処理;図20
図20を参照して、本実施例のMFP用アプリケーションによって実現される処理の内容を説明する。S10、S14、S16、S18は、図16のS10、S14、S16、S18と同様である。S12−4では、CPU72は、MFP10から、NFCI/F62を介して、送信先情報を含む応答データを受信する。
【0185】
上述したように、第3実施例では、図16のS22において、ユーザの選択結果が示す印刷機能(即ち、DP、EP、又は、CP)に対応する1個の送信先情報のみが受信される。例えば、ユーザの選択結果がEPである場合には、EPに対応する送信先情報(即ちEメールアドレス)のみが受信され、DPに対応する送信先情報(即ち通常Wi−FiWSI等)と、CPに対応する送信先情報(即ち印刷用CSI)と、が受信されない。
【0186】
これに対し、本実施例では、S12−4で受信される応答データは、MFP10が実行可能な1個以上の印刷機能(DP、EP、CP)に対応する1個以上の送信先情報の全てを含む。例えば、MFP10が、DPOK、EPOK、及び、CPOKである場合には、DPに対応する送信先情報(即ち通常Wi−FiWSI等)と、EPに対応する送信先情報(即ちEメールアドレス)と、CPに対応する送信先情報(即ち印刷用CSI)と、の3個の送信先情報が受信される。S24では、CPU72は、S12−4で受信される1個以上の送信先情報のうち、ユーザの選択結果に対応する送信先情報を利用して、印刷データをMFP10に送信する。
【0187】
例えば、S12−4において、3個の送信先情報の全てが受信される状況を想定する。ユーザの選択結果がEPである場合には、CPU72は、3個の送信先情報のうち、EPに対応する送信先情報(即ちEメールアドレス)を利用して、印刷データを含むEメールを送信する。また、ユーザの選択結果がCPである場合には、CPU72は、3個の送信先情報のうち、CPに対応する送信先情報(即ち印刷用CSI)を利用して、印刷データを印刷CLサーバ140に送信する。また、ユーザの選択結果がDPである場合には、CPU72は、3個の送信先情報のうち、DPに対応する送信先情報(即ち通常Wi−FiWSI等)を利用して、印刷データをMFP10に送信する。なお、ユーザの選択結果がDPである場合に、MFP10及び携帯端末50の両方が所属しているNWが優先的に利用される点は、第3実施例と同様である。
【0188】
上述したように、本実施例では、携帯端末50は、1回目のNFC接続において、MFP10から送信先情報を含む応答データを受信することができるために、当該送信先情報を利用して、印刷データをMFP10に送信することができる。従って、第3実施例のように、2回目のNFC接続を確立する必要がない。このために、携帯端末50からMFP10への印刷データの送信を迅速に実行することができる。
【0189】
(MFP10の処理;図21
図21を参照して、MFP10が実行する処理の内容を説明する。S30〜S60は、図17のS30〜S60と同様である。S180では、CPU32は、送信先情報準備処理を実行する。送信先情報準備処理の内容については、後で詳しく説明する。次いで、S70−4では、CPU32は、S180で準備された送信先情報を含む応答データを生成する。S72、S96、S98は、図17のS72、S96、S98と同様である。
【0190】
(送信先情報準備処理;図22
図22を参照して、図21のS180の送信先情報準備処理の内容を説明する。S182〜S187は、図18のS82〜S87と同様である。S188では、CPU32は、図21のS50(図6参照)でEPOKを示す情報がメモリ34に記憶されたのか否かを判断する。CPU32は、EPOKを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S188でYESと判断し、S189に進み、EPNGを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S188でNOと判断し、S190に進む。S189は、図18のS89と同様である。
【0191】
S190では、CPU32は、図21のS60(図7参照)でCPOKを示す情報がメモリ34に記憶されたのか否かを判断する。CPU32は、CPOKを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S190でYESと判断し、S191に進み、CPNGを示す情報がメモリ34に記憶されている場合には、S190でNOと判断し、送信先情報準備処理を終了する。S191は、図18のS90と同様である。
【0192】
図22の送信先情報準備処理では、MFP10が実行可能な1個以上の印刷機能(DP、EP、CP)に対応する1個以上の送信先情報の全てが準備される。例えば、MFP10が、DPOK、EPOK、及び、CPOKである場合には、DPに対応する送信先情報(S183、S185、S187)と、EPに対応する送信先情報(S189)と、CPに対応する送信先情報(S191)と、の3個の送信先情報が準備される。
【0193】
(具体的なケース;図23
図23を参照して、図20及び図21の各処理によって実現される具体的なケースを説明する。MFP10Dは、通常Wi−Fi印刷、BT印刷、及び、EPを実行可能であるが、WFD印刷、及び、CPを実行不可能である。また、MFP10D及び携帯端末50は、AP100によって形成されている通常Wi−FiNW(SSID「X1」、BSSID「Y1」)に所属している。
【0194】
本ケースでは、MFP10Dから携帯端末50に送信される応答データは、DPOKを示す情報、EPOKを示す情報、及び、CPNGを示す情報のみならず、DPに対応する送信先情報(即ち、「X1、Y1、IP1」、「BTWSI」)と、EPに対応する送信先情報(即ち、MFP10のメールアドレス「E1」)と、を含む(図21のS180、S70−4、S72)。即ち、応答データは、2個の送信先情報を含む。
【0195】
その後、ユーザによって「ダイレクト印刷」が選択される場合には、携帯端末50は、応答データに含まれる2個の送信先情報のうち、DPに対応する送信先情報を利用して(即ち通常Wi−FiNWを優先的に利用して)、AP100を介して、印刷データをMFP10Cに送信する(図20のS24)。これにより、MFP10Dにおいて、印刷処理が実行される(図21のS98)。なお、図23のケースでは、上記の2個の送信先情報が、「M1個の送信先情報」の一例である。
【0196】
(第5実施例)
第4実施例とは異なる点を説明する。本実施例では、携帯端末50は、後述の機能確認処理(図20のS15)を実行して、表示機構54に表示されるべき印刷機能の種類を限定することができる。
【0197】
(携帯端末50のアプリケーション処理;図20
本実施例では、S12−4で受信される応答データは、さらに、MFP10の機器IDを含む。機器IDは、MFP10のベンダによってMFP10に割り当てられているユニークなIDである。CPU72は、S14で表示用データを生成すると、S15の機能確認処理を実行する。詳しくは後述するが、機能確認処理では、表示用データに記述されている文字が消去され得る(図24参照)。このために、S14で表示される印刷機能の種類、即ち、ユーザが選択可能な印刷機能の種類が限定され得る。他の処理は、第4実施例と同様である。
【0198】
(携帯端末50の機能確認処理;図24
図24を参照して、図20のS15の機能確認処理を説明する。S200では、CPU72は、DPOKを示す情報が応答データに含まれるのか否かを判断する。CPU72は、DPOKを示す情報が応答データに含まれる場合には、S200でYESと判断し、S202に進む。一方において、CPU72は、DPNGを示す情報が応答データに含まれる場合には、S200でNOと判断し、S210に進む。
【0199】
S202では、CPU72は、MFP10及び携帯端末50が同一の通常Wi−FiNW又は同一のWFDNWに所属しているのか否かを判断する。CPU72は、携帯端末50の通常Wi−FiWSI及びWFDWSIのいずれもメモリ74に記憶されていない場合には、S202でNOと判断し、S204に進む。
【0200】
CPU72は、携帯端末50の通常Wi−FiWSIがメモリ74に記憶されている場合には、当該通常Wi−FiWSIに含まれる通常Wi−Fi用SSID及び通常Wi−Fi用BSSIDのセットに一致するSSID及びBSSIDのセット(以下では「第1のセット」と呼ぶ)が応答データに含まれているのか否を判断する。CPU72は、第1のセットが応答データに含まれている場合には、S202でYESと判断し、S210に進み、第1のセットが応答データに含まれていない場合には、S202でNOと判断し、S204に進む。
【0201】
また、CPU72は、携帯端末50のWFDWSIがメモリ74に記憶されている場合には、当該WFDWSIのWFD用SSID及びWFD用BSSIDのセットに一致するSSID及びBSSIDのセット(以下では「第2のセット」と呼ぶ)が応答データに含まれているのか否かを判断する。CPU72は、第2のセットが応答データに含まれている場合には、S202でYESと判断し、S210に進み、第2のセットが応答データに含まれていない場合には、S202でNOと判断し、S204に進む。
【0202】
S204では、CPU72は、MFP10のWFDWSIのパスワードが応答データに含まれているのか否かを判断する。上述したように、MFP10がG/O状態である場合には、応答データは、MFP10のWFDWSIのパスワードを含む(図22のS185参照)。CPU72は、当該パスワードが応答データに含まれている場合には、S204でYESと判断し、S210に進み、当該パスワードが応答データに含まれていない場合には、S204でNOと判断し、S206に進む。
【0203】
S206では、CPU72は、MFP10のBTWSIが応答データに含まれているのか否かを判断する。CPU72は、当該BTWSIが応答データに含まれている場合には、S206でYESと判断し、S210に進み、当該BTWSIが応答データに含まれていない場合には、S206でNOと判断し、S208に進む。
【0204】
S202、S204、及び、S206のいずれもNOと判断される場合には、MFP10及び携帯端末50の両方が所属しているLANが実現されないために、MFP10及び携帯端末50は、ダイレクト方式の通信方式を利用して、印刷データを通信することができない。このために、S208では、CPU72は、図20のS14で生成された表示用データから、「ダイレクト印刷」を示す文字を消去する。これにより、図20のS16において、「ダイレクト印刷」を示す文字を含まない画像が、表示機構54に表示される。即ち、ユーザは、「ダイレクト印刷」を選択することができない。S208が終了すると、S210に進む。
【0205】
S210では、CPU72は、EPOKを示す情報が応答データに含まれるのか否かを判断する。CPU72は、EPOKを示す情報が応答データに含まれる場合には、S210でYESと判断し、S212に進む。一方において、CPU72は、EPNGを示す情報が応答データに含まれる場合には、S210でNOと判断し、S216に進む。
【0206】
S212では、CPU72は、Eメールを送信するためのESIである送信用ESIがメモリ74に記憶されているのか否かを判断する。CPU72は、送信用ESIがメモリ74に記憶されている場合には、S212でYESと判断し、S216に進み、送信用ESIがメモリ74に記憶されていない場合には、S212でNOと判断し、S214に進む。
【0207】
S212でNOと判断される場合には、携帯端末50がEメールを送信することができないために、MFP10及び携帯端末50は、Eメール方式の通信方式を利用して、印刷データを通信することができない。このために、S214では、CPU72は、図20のS14で生成された表示用データから、「Eメール印刷」を示す文字を消去する。これにより、図20のS16において、「Eメール印刷」を示す文字を含まない画像が、表示機構54に表示される。即ち、ユーザは、「Eメール印刷」を選択することができない。S214が終了すると、S216に進む。
【0208】
S216では、CPU72は、CPOKを示す情報が応答データに含まれるのか否かを判断する。CPU72は、CPOKを示す情報が応答データに含まれる場合には、S216でYESと判断し、S218に進む。一方において、CPU72は、CPNGを示す情報が応答データに含まれる場合には、S216でNOと判断し、機能確認処理を終了する。
【0209】
上述したように、図20のS12−4で受信される応答データは、MFP10の機器IDを含む。S216では、CPU72は、無線LANI/F60又は他のI/F(例えばセルラーネットワークを利用して通信を実行するためのI/F)を介して、MFP10の機器IDを含む問い合わせ信号を確認サーバ130に送信する。
【0210】
確認サーバ130は、MFP10の機器IDを含む問い合わせ信号を受信すると、MFP10と印刷CLサーバ140との間に接続が確立されているのか否かを判断する。例えば、確認サーバ130は、MFP10の機器IDを印刷CLサーバ140に供給して、印刷CLサーバ140から上記の接続の有無を示す情報を取得する。そして、確認サーバ130は、取得済みの情報に応じて、接続又は非接続を示す問い合わせ結果をMFP10に送信する。
【0211】
S220では、CPU72は、確認サーバ130から受信される問い合わせ結果が接続を示すのか否かを判断する。CPU72は、問い合わせ結果が接続を示す場合には、S220でYESと判断し、機能確認処理を終了し、問い合わせ結果が非接続を示す場合には、S220でNOと判断し、S222に進む。
【0212】
本実施例では、MFP10は、印刷CLサーバ140から印刷データを受信するためには、印刷CLサーバ140に常時接続されていなければならない。従って、S220でNOと判断される場合には、MFP10が印刷CLサーバ140から印刷データを受信することができないために、MFP10及び携帯端末50は、クラウド方式の通信方式を利用して、印刷データを通信することができない。このために、S222では、CPU72は、図20のS14で生成された表示用データから、「クラウド印刷」を示す文字を消去する。これにより、図20のS16において、「クラウド印刷」を示す文字を含まない画像が、表示機構54に表示される。即ち、ユーザは、「クラウド印刷」を選択することができない。S222が終了すると、機能確認処理が終了する。
【0213】
(具体的なケース;図25
図25を参照して、図20(特にS15)及び図21の各処理によって実現される具体的なケースを説明する。MFP10Eは、通常Wi−Fi印刷、EP、及び、CPを実行可能であり、WFD印刷、及び、BT印刷を実行不可能である。MFP10Eは、AP100によって形成されている通常Wi−FiNW(SSID「X1」、BSSID「Y1」)に所属している。ただし、携帯端末50は、通常Wi−FiNWに所属していない(WFDNWにも所属していない)。
【0214】
本ケースでは、MFP10Eから携帯端末50に送信される応答データは、MFP10Eの機器IDと、DPOKを示す情報と、EPOKを示す情報と、CPOKを示す情報と、DPに対応する送信先情報(即ち、「X1、Y1、IP1」)と、EPに対応する送信先情報(即ち、MFP10Eのメールアドレス「E1」)と、CPに対応する送信先情報(即ち、印刷用CSI)と、を含む(図21のS180、S70−4、S72)。携帯端末50は、「ダイレクト印刷」を示す文字と、「Eメール印刷」を示す文字と、「クラウド印刷」を示す文字と、を含む画像を表わす表示用データを生成する(図20のS14)。
【0215】
次いで、携帯端末50は、機能確認処理(図20のS15)を実行する。携帯端末50は、通常Wi−FiNW及びWFDNWに所属していないために、図24のS202でNOと判断し、応答データがMFP10EのWFDWSIのパスワードを含んでいないために、S204でNOと判断し、応答データがBTWSIを含んでいないために、S206でNOと判断する。このために、携帯端末50は、表示用データから、「ダイレクト印刷」を示す文字を消去する(S208)。
【0216】
本ケースでは、Eメールの送信を実行するための送信用ESIが、携帯端末50のメモリ74に記憶されている。従って、携帯端末50は、図24のS212でYESと判断し、表示用データから、「Eメール印刷」を示す文字を消去しない。
【0217】
携帯端末50は、MFP10Eの機器IDを含む問い合わせ信号を確認サーバ130に送信して、確認サーバ130から問い合わせ結果を取得する(図24のS218)。本ケースでは、印刷用CSIがMFP10Eのメモリ34に記憶されているが、MFP10Eは、印刷CLサーバ140に接続されていない。例えば、印刷用CSIに含まれる認証情報の有効期限が切れている場合には、MFP10Eが印刷CLサーバ140に接続不可能な事象が発生し得る。この場合、携帯端末50は、図24のS220でNOと判断し、表示用データから、「クラウド印刷」を示す文字を消去する(S222)。
【0218】
これにより、携帯端末50は、「Eメール印刷」を示す文字のみを含む画像を表示させる(図20のS16)。このために、ユーザは、「Eメール印刷」しか選択することができない。この結果、携帯端末50は、メールサーバ120を介して、印刷データをMFP10Eに送信する。
【0219】
本実施例によると、携帯端末50からMFP10Eへの印刷データの送信に利用不可能な通信方式を示す文字(図25のケースでは「ダイレクト印刷」及び「クラウド印刷」)が、携帯端末50で表示されない。このために、印刷データの送信に利用不可能な通信方式が、ユーザによって選択されるのを抑制することができる。本実施例では、MFP10E及び携帯端末50は、ユーザによって選択される通信方式(図25のケースでは「Eメール印刷」)を利用して、印刷データの通信を適切に実行することができる。
【0220】
なお、図25のケースにおいて、例えば、MFP10E及び印刷CLサーバ140の間に接続が確立されており、かつ、MFP10EがBT印刷を実行可能である場合には、携帯端末50は、表示用データから「ダイレクト印刷」及び「クラウド印刷」を示す文字を消去しないために、「ダイレクト印刷」を示す文字と、「Eメール印刷」を示す文字と、「クラウド印刷」を示す文字と、を含む画像を表示させる(以下では「ケース2」と呼ぶ)。
【0221】
また、上記のケース2において、MFP10EがBT印刷を実行不可能である場合には、携帯端末50は、表示用データから「ダイレクト印刷」を示す文字を消去するために、「Eメール印刷」を示す文字と、「クラウド印刷」を示す文字と、を含む画像を表示させる(以下では「ケース3」と呼ぶ)。
【0222】
また、上記のケース2において、携帯端末50のメモリ74に送信用ESIが記憶されていない場合には、携帯端末50は、表示用データから「Eメール印刷」を示す文字を消去するために、「ダイレクト印刷」を示す文字と、「クラウド印刷」を示す文字と、を含む画像を表示させる(以下では「ケース4」と呼ぶ)。
【0223】
また、上記のケース2において、MFP10E及び印刷CLサーバ140の間に接続が確立されていない場合には、携帯端末50は、表示用データから「クラウド印刷」を示す文字を消去するために、「ダイレクト印刷」を示す文字と、「Eメール印刷」を示す文字と、を含む画像を表示させる(以下では「ケース5」と呼ぶ)。
【0224】
図25のケース、及び、上記のケース2〜ケース5に示されるように、本実施例によると、携帯端末50は、MFP10E及び携帯端末50の状況に応じて、適切な画像を表示させることができる。
【0225】
(対応関係)
図25のケースでは、応答データに含まれるSSID「X1」及びBSSID「Y1」が、「識別情報」の一例である。CP、DP、EPが、それぞれ、「第1の通信方式」、「第2の通信方式」、「第3の通信方式」の一例である。応答データに含まれる情報(即ち、DPOK、EPOK、CPOK)が、「第3のデータ」及び「第4のデータ」の一例である。上記のケース3で表示される画像が、「第2の通信方式を含まない(M1−1)個の通信方式を示す第2の画像」の一例である。また、上記のケース4で表示される画像が、「第3の通信方式を含まない(M1−1)個の通信方式を示す第3の画像」の一例である。図24のS202の処理、S212の処理が、それぞれ、「端末装置」の「第1の判断部」、「第2の判断部」によって実行される処理の一例である。S212の判断対象である送信用ESIが、「第2の無線設定情報」の一例である。
【0226】
(第5実施例の変形例)
なお、図20の変形例では、CPU72は、S15の機能確認処理を実行した後に、S14で表示用データを生成してもよい。例えば、CPU72は、図24のS208において、表示用データから「ダイレクト印刷」の文字を消去するのではなく、DPOKを示す情報をDPNGに変更する処理を行ってもよい。同様に、CPU72は、S214において、EPOKをEPNGに変更し、S222において、CPOKをCPNGに変更してもよい。そして、CPU72は、S14において、変更後の各情報を利用して、表示用データを生成してもよい。
【0227】
(第6実施例)
第4実施例とは異なる点を説明する。本実施例では、MFP10は、図5とは異なるフローチャートに従って、図21のS40のDP機能確認処理を実行する。
【0228】
(DP機能確認処理;図26
図26を参照して、図21のS40のDP機能確認処理について説明する。本実施例では、携帯端末50が通常Wi−FiNW及びWFDNWのうちの少なくとも1個のNWに所属している場合には、図21のS30で受信される機能要求は、当該少なくとも1個のNWのSSID及びBSSIDのセットを含む。
【0229】
S300、S302は、図5のS41、S43と同様である。なお、S300の判断でYESの場合には、S304に進み、S300の判断でNOの場合には、S302に進む。また、S302を終えると、S320に進む。S304では、CPU32は、MFP10及び携帯端末50が同一の通常Wi−FiNWに所属しているのか否かを判断する。CPU32は、MFP10の通常Wi−FiWSIがメモリ34に記憶されていない場合には、S304でNOと判断し、S308に進む。
【0230】
CPU32は、MFP10の通常Wi−FiWSIがメモリ34に記憶されている場合には、当該通常Wi−FiWSIに含まれる通常Wi−Fi用SSID及び通常Wi−Fi用BSSIDのセットに一致するSSID及びBSSIDのセット(以下では「第3のセット」と呼ぶ)が機能要求に含まれているのか否かを判断する。CPU32は、第3のセットが機能要求に含まれている場合には、S304でYESと判断し、S306に進み、第3のセットが機能要求に含まれていない場合には、S304でNOと判断し、S308に進む。
【0231】
S306では、CPU32は、通常Wi−Fi印刷OKを示す情報をメモリ34に記憶させる。また、S308では、CPU32は、通常Wi−Fi印刷NGを示す情報をメモリ34に記憶させる。S306又はS308が終了すると、S310に進む。
【0232】
S310、S318は、図5のS44、S46と同様である。なお、S310の判断でYESの場合には、S312に進み、S310の判断でNOの場合には、S318に進む。また、S318を終えると、S320に進む。S312では、CPU32は、MFP10の現在の状態がCL状態であるのか否かを判断する。CPU32は、MFP10の現在の状態がCL状態である場合には、S312でYESと判断し、S314に進み、MFP10の現在の状態がG/O状態又はデバイス状態である場合には、S312でNOと判断し、S316に進む。
【0233】
S314では、CPU32は、MFP10及び携帯端末50が同一のWFDNWに所属しているのか否かを判断する。CPU32は、MFP10のWFDWSIがメモリ34に記憶されている場合には、当該WFDWSIに含まれるWFD用SSID及びWFD用BSSIDのセットに一致するSSID及びBSSIDのセット(以下では「第4のセット」と呼ぶ)が機能要求に含まれているのか否かを判断する。CPU32は、第4のセットが機能要求に含まれている場合には、S314でYESと判断し、S316に進み、第4のセットが機能要求に含まれていない場合には、S314でNOと判断し、S318に進む。S316〜S324は、図5のS45〜S49と同様である。
【0234】
MFP10及び携帯端末50が同一の通常Wi−FiNWに所属していない場合には、MFP10及び携帯端末50は、通常Wi−Fi方式を利用して、印刷データの通信を実行することができない。何故なら、MFP10の通常Wi−FiWSIに含まれるパスワードがMFP10から携帯端末50に送信されないので(図22のS183)、携帯端末50が、MFP10が所属している通常Wi−FiNWに参加することができないからである。従って、本実施例では、MFP10は、MFP10が通常Wi−Fi印刷機能を有していても、MFP10及び携帯端末50が同一の通常Wi−FiNWに所属していない場合(S304でNO)には、通常Wi−Fi印刷NGをメモリ34に記憶させる(S308)。
【0235】
MFP10がCL状態であり、かつ、MFP10及び携帯端末50が同一のWFDNWに所属していない場合には、MFP10及び携帯端末50は、WFD方式を利用して、印刷データの通信を実行することができない。何故なら、MFP10のWFDWSIに含まれるパスワードがMFP10から携帯端末50に送信されないので(図22のS185の「MFP=CL」の場合参照)、携帯端末50が、MFP10が所属しているWFDNWに参加することができないからである。従って、本実施例では、MFP10は、MFP10がWFD印刷機能を有していても、MFP10がCL状態であり、かつ、MFP10及び携帯端末50が同一のWFDNWに所属していない場合(S314でNO)には、WFD印刷NGをメモリ34に記憶させる(S318)。
【0236】
このように、本実施例では、MFP10は、MFP10及び携帯端末50の状況に応じて、通常Wi−Fi印刷に関する情報(OK又はNG)、及び、WFD印刷に関する情報(OK又はNG)を、メモリ34に適切に記憶させることができる。この結果、図21のS70−4において、MFP10は、DPを実行可能であるのか否かを適切に判断することができる。即ち、MFP10は、通常Wi−Fi印刷機能及びWFD印刷機能を有しているにも関わらず、DPを実行不可能であると判断して、DPNGを示す情報を含む応答データを携帯端末50に適切に送信することができる。
【0237】
(具体的なケース;図27
図27を参照して、図20及び図21(特にS40)の各処理によって実現される具体的なケースを説明する。図27のMFP10Fは、AP100Aによって形成されている通常Wi−FiNW(SSID「X1」、BSSID「Y1」)に所属している。また、MFP10Fは、PC110によって形成されているWFDNW(SSID「X3」、BSSID「Y3」)に、CL機器として所属している。MFP10Fは、EP及びCPを実行可能であるが、BT印刷を実行不可能である。携帯端末50は、AP100Aとは異なるAP100Bによって形成されている通常Wi−FiNW(SSID「X2」、BSSID「Y2」)に所属している。
【0238】
本ケースでは、携帯端末50からMFP10Fに送信される機能要求は、携帯端末50の通常Wi−FiWSIに含まれる通常Wi−Fi用SSID「X2」及び通常Wi−Fi用BSSID「Y2」のセットを含む。MFP10Fは、MFP10Fの通常Wi−FiWSIに含まれる通常Wi−Fi用SSID「X1」及び通常Wi−Fi用BSSID「Y1」のセットに一致するセットが、機能要求に含まれていないので、図26のS304でNOと判断し、通常Wi−Fi印刷NGを示す情報をメモリ34に記憶させる(S308)。また、MFP10Fは、CL状態であるので、S312でYESと判断し、さらに、MFP10FのWFDWSIに含まれるWFD用SSID「X3」及びWFD用BSSID「Y3」のセットに一致するセットが、機能要求に含まれていないので、S314でNOと判断し、WFD印刷NGを示す情報をメモリ34に記憶させる(S318)。
【0239】
従って、MFP10Fは、DPNGを示す情報と、EPOKを示す情報と、CPOKを示す情報と、を含む応答データを、携帯端末50に送信する(図21のS70−4、S72)。この結果、携帯端末50では、「ダイレクト印刷」を含まない画像、即ち、「Eメール印刷」を示す文字と、「クラウド印刷」を示す文字と、を含む画像が表示される。これにより、携帯端末50及びMFP10Fがダイレクト方式に従って印刷データの通信を実行不可能であるにも関わらず、ユーザによって「ダイレクト印刷」が選択されるのを抑制することができる。
【0240】
(対応関係)
機能要求に含まれるSSID「X2」及びBSSID「Y2」が、「識別情報」の一例である。DPが、「第2の通信方式」の一例である。図21のS30の処理が、「機能実行装置」の「第1の受信部」によって実行される処理の一例であり、図26のS304及びS314の処理が、「機能実行装置」の「判断部」によって実行される処理の一例である。
【0241】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0242】
(変形例1)
上記の各実施例では、例えば、図3のS14において、携帯端末50のCPU72は、MFP10が印刷データを受信するために利用可能な通信方式を表示機構54に表示させ、MFP10が印刷データを受信するために利用不可能な通信方式を表示機構54に表示させない。これに代えて、CPU72は、前者の通信方式を第1の色で表示させ、後者の通信方式を第1の色とは異なる第2の色で表示させてもよい。一般的に言うと、「端末装置」の「表示制御部」は、M1個の通信方式を示す第1の画像を表示させればよく、例えば、複数個の通信方式のうちのM1個の通信方式を、複数個の通信方式のうちの他の通信方式とは区別して表示させればよい。
【0243】
(変形例2)
図7のS63では、MFP10のCPU32は、MFP10がインターネット上の確認サーバ130と通信可能であるか否かを判断することによって、CPOKを示す情報又はCPNGを示す情報をメモリ34に記憶させる。これに代えて、CPU32は、MFP10がAP100と接続されている場合(即ち通常Wi−FiWSIがメモリ34に記憶されている場合)には、S63でYESと判断し、MFP10がAP100と接続されていない場合(即ち通常Wi−FiWSIがメモリ34に記憶されていない場合)には、S63でNOと判断してもよい。AP100は、通常、無線LANとインターネットとの間の通信を中継する機能を備える。このために、MFP10がAP100と接続されている場合には、MFP10は、通常、インターネット通信を実行可能である。従って、CPU32は、MFP10がAP100と接続されている否かを判断することによって、MFP10がインターネット通信を実行可能であるか(即ち印刷CLサーバ140と通信可能であるのか否か)を適切に判断することができる。
【0244】
(変形例3)
図3のS12において、携帯端末50のCPU72は、DPOK等を示す情報を含む応答データを受信する代わりに、MFP10の機器ID又はモデル名を含む応答データを受信してもよい。この場合、CPU72は、MFP10の機器ID又はモデル名を含む問い合わせ信号を確認サーバ130に送信して、確認サーバ130から問い合わせ結果を受信する。確認サーバ130は、MFP10の機器ID又はモデル名に対応付けて、MFP10がいずれの印刷機能(DP、EP、CP)を実行可能であるのかを示す情報を記憶している。当該情報は、MFP10のベンダによって確認サーバ130に予め記憶されている。例えば、ベンダは、MFP10がEP機能及びCP機能を有していない場合には、MFP10の機器ID又はモデル名に対応付けて、DPOK、EPNG、及び、CPNGを示す情報を確認サーバ130に記憶させる。確認サーバ130は、携帯端末50から、MFP10の機器ID又はモデル名を含む問い合わせ信号を受信する場合に、MFP10がいずれの印刷機能(DP、EP、CP)を実行可能であるのかを示す情報を含む問い合わせ結果を、携帯端末50に送信する。携帯端末50のCPU72は、問い合わせ結果に応じて、図3のS14で表示用データを生成する。本変形例でも、CPU72は、MFP10が実行可能な印刷機能を示す画像を適切に表示させることができる。本変形例では、MFP10の機器ID又はモデル名が、「第1の情報」の一例である。
【0245】
(変形例4)
変形例3において、確認サーバ130は、さらに、MFP10の機器ID又はモデル名に対応付けて、MFP10が実行可能な印刷条件(例えば、MFP10が利用可能な用紙サイズ、MFP10が利用可能な印刷解像度の範囲等)を記憶していてもよい。そして、確認サーバ130は、携帯端末50から、MFP10の機器ID又はモデル名を含む問い合わせ信号を受信する場合に、MFP10がいずれの印刷機能(DP、EP、CP)を実行可能であるのかを示す情報と、MFP10が実行可能な印刷条件を示す情報と、を含む問い合わせ結果を、携帯端末50に送信する。携帯端末50のCPU72は、問い合わせ結果に応じて、問い合わせ結果に含まれる印刷条件を示す表示用データを生成する。本変形例によると、ユーザは、MFP10が実行可能な印刷機能のみならず、MFP10が利用可能な印刷条件も知ることができる。
【0246】
(変形例5)
変形例4において、図16のS20では、CPU72は、ユーザによって選択される印刷機能(例えば「DP」)のみならず、ユーザによって選択される印刷条件(例えば、用紙サイズ「A4」、印刷解像度「200Dpi」)を示す選択結果を、MFP10に送信してもよい。そして、図17のS98では、MFP10のCPU32は、ユーザの選択結果が示す印刷条件に従って、印刷処理を実行してもよい。
【0247】
(変形例6)
「第1のインターフェース」は、NFCI/F62に限られず、例えば、Transfer Jetの無線通信を実行するためのTJI/Fであってもよい。なお、Transfer Jetの無線通信の通信速度の高速化が図れられた場合には、無線LANI/F60を介した無線通信の通信速度は、TJI/Fを介した無線通信の通信速度よりも遅くてもよい。即ち、「第2のインターフェース」を介した無線通信の通信速度は、「第1のインターフェース」を介した無線通信の通信速度よりも速くてもよいし遅くてもよい。一般的に言うと、「第2のインターフェース」を介した無線通信の通信可能範囲が、「第1のインターフェース」を介した無線通信の通信可能範囲よりも大きければよい。
【0248】
(変形例7)
「機能実行装置」は、MFP10に限られず、印刷機能を実行可能な他の通信装置(プリンタ、FAX装置、コピー機等)であってもよい。
【0249】
(変形例8)
上記の各実施例では、図4のS72では、MFP10が通常Wi−Fi印刷、WFD印刷、及び、BT印刷の全てを実行可能である場合に、MFP10のCPU32は、DPOKを示す情報を含む応答データを携帯端末50に送信する。この代わりに、CPU32は、通常Wi−Fi印刷OKを示す情報と、WFD印刷OKを示す情報と、BT印刷OKを示す情報と、を含む応答データを携帯端末50に送信してもよい。この場合、図3のS14において、携帯端末50のCPU72は、「ダイレクト印刷」を示す文字の代わりに、「通常Wi−Fi印刷」、「WFD印刷」、及び、「BT印刷」の各文字を含む画像を、表示機構54に表示させてもよい。本変形例では、「通常Wi−Fi印刷」、「WFD印刷」、及び、「BT印刷」が、「通信方式」の一例である。
【0250】
(変形例9)
上記の各実施例では、MFP10と携帯端末50とがWFD通信を行うことで、無線ネットワークを形成する。これに代えて、MFP10のCPU32は、いわゆるSoftAPを起動させることによって、MFP10がAPとして動作する無線ネットワークを形成してもよい。
【0251】
(変形例10)
上記の各実施例では、新たにWFDNWが形成される際に、MFP10がG/O機器になる。これに代えて、携帯端末50がG/O機器になってもよい。また、携帯端末50のCPU72は、いわゆるSoftAPを起動させることによって、携帯端末50がAPとして動作する無線ネットワークを形成してもよい。
【0252】
(変形例11)
上記の第3実施例以降では、携帯端末50のCPU72は、ユーザによって通信方式の選択が実行される際に、印刷データの指定を受け付ける。これに代えて、CPU72は、NFCI/F62を介して、機能要求をMFP10に送信する前に、印刷データの指定を受け付けてもよい。
【0253】
(変形例12)
上記の実施例では、MFP10及び携帯端末50のCPU32,72がメモリ34,74内のプログラム(即ちソフトウェア)を実行することによって、図3図4等の各処理が実現される。これに代えて、各処理のうちの少なくとも1つは、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0254】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0255】
2:通信システム、10:MFP、12:操作パネル、14:表示機構、16:印刷機構、18:スキャン機構、20:無線LANI/F、22:NFCI/F、24:BTI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、50:携帯端末、52:操作キー、54:表示機構、60:無線LANI/F、62:NFCI/F、64:BTI/F、70:制御部、72:CPU、74:メモリ、100:AP、110:PC、120:メールサーバ、130:確認サーバ、140:印刷CLサーバ、150:スキャンCLサーバ、160:データ保存CLサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
図27