(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示パネルと、前記表示パネルに一端が電気的に接続される接続部材と、前記接続部材の他端が電気的に接続される回路基板と、前記表示パネルを保持するケース体と、前記回路基板に搭載された発光素子と、前記発光素子によって透過照明される表示部を有する表示板と、を備えた表示装置であって、
前記ケース体は前記回路基板を押圧するピンを挿通可能な複数の孔部を有すると共に、前記孔部は前記表示板の前記表示部がない個所で隠されることを特徴とする表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、回路基板をケース体から外すときに、液晶表示パネルを損傷させる虞があった。例えば、車両用表示装置の製造工程において、回路基板に不良個所が発見された場合、ケース体から回路基板を外す必要がある。また、ケース体にキズが発見された場合、液晶表示パネル及び回路基板をケース体から外して、その外した液晶表示パネルを、再度、キズが無いケース体に組付ける必要があるが、回路基板をケース体から外すときに、液晶表示パネルを損傷させる虞があった。
本発明は、表示パネルを損傷させることなく、ケース体から回路基板を外すことが可能な表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示パネル5
0と、前記表示パネル5
0に一端が電気的に接続される接続部材60,61,62と、前記接続部材60,61,62の他端が電気的に接続される回路基板70と、前記表示パネル5
0を保持するケース体80と、前記回路基板70に搭載された発光素子72と、前記発光素子72によって透過照明される表示部91を有する表示板90と、を備えた表示装置であって、前記ケース体80は前記回路基板70を押圧するピン322,323を挿通可能な複数の孔部83,84,85,86,87を有すると共に、前記孔部83,84,85,86,87は前記表示板90の前記表示部91がない個所で隠されるものである。
【0007】
また、本発明は、前記ケース
体80は、少なくとも3個の前記孔
部83,84,85,86,87を有するものである。
【0008】
前記接続部
材61,62の前記他端は、前記回路基
板70に搭載されたコネクタ部
材75に挿通されているものである。
【0009】
また、本発明は、前記接続部
材61,62は、所定方向に配列された複数の金属端子からなるものである。
【0010】
また、本発明は、少なくとも2個の前記孔
部83,84,85,86の前記所定方向の間隔W1は、前記接続部
材61,62の前記所定方向の幅W2よりも大きいものである。
【発明の効果】
【0013】
表示パネルを損傷させることなく、ケース体から回路基板を外すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。
図1乃至
図4は、第一実施形態を示すものである。液晶表示装置1は、液晶表示パネル10と、接続部材20と、回路基板30と、ケース体40とを備えている。
【0016】
液晶表示パネル10は、透明電極が形成された一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セルの前後両面に偏光板を貼着したものである。液晶表示パネル10は、ケース体40の前面側に保持されている。液晶表示パネル10は、回路基板30に搭載されたドライバー回路によって駆動され、車両の積算走行距離を表示する。また、液晶表示パネル10は、回路基板30の前面に搭載されたLED(Light Emitting Diode)等の発光素子によって透過照明される。
【0017】
接続部材20は複数の金属端子からなるものであり、接続部材20の一端が液晶表示パネル10に電気的に接続され、接続部材20の他端がコネクタ部材35を介して回路基板30に電気的に接続される。回路基板30は、ガラスエポキシ樹脂からなる基材31に、銅箔からなる配線パターンを形成したものである。回路基板30には、接続部材20の他端が挿通されるコネクタ部材35が搭載されている。回路基板30には、後述するピン121,124の突起121a,124aが挿入される貫通孔32が形成されている。
【0018】
ケース体40は不透明な樹脂からなるものであり、ケース体40の前面側に液晶表示パネル10が保持されている。回路基板30は、弾性係止部(図示しない)によって、ケース体40の後面側に保持されている。ケース体40は、液晶表示パネル10を支持する支持部41と、液晶表示パネル10を係止する弾性係止部42とを有しており、支持部41及び弾性係止部42により、液晶表示パネル10を保持している。
【0019】
ケース体40の弾性係止部42は、液晶表示パネル10を係止する係止爪42aと、後述する治具3のピン222,223に押圧される押圧片42bとを有している。ケース体40の弾性係止部42は、押圧片42bを押圧したときに弾性変形し、係止爪42が液晶表示パネル10を解放するようになっている。ケース体40には、後述するピンが挿通される孔部43,44,45,46が形成されている。ケース体40の孔部43,44,45,46は、ケース体40を貫通するものである。回路基板30の前面の、孔部43,44,45,46に対応する個所には、電気部品が搭載されていない。
【0020】
治具2は、基台110と、ピン121,122,123,124と、可動部130とを備えている。
【0021】
治具2の基台110は、金属または樹脂からなるものであり、平板形状になっている。ピン121,122,123,124は、金属または樹脂からなるものであり、略円柱形状になっている。ピン121,122,123,124は、基台110の上面から垂直に設けられている。ピン122,123の上端面は、平面になっている。一方、ピン121,124の上端面には、回路基板30を位置決めする突起121a,124aが形成されている。
【0022】
可動部130は、コイルバネ131と、このコイルバネ131に挿通されるロッド部132と、このロッド部132の上端が固定される当接部133と、基台110に固定されたベース部134と、を有している。当接部133の上面は、平面になっており、ケース体40の前面に当接する。可動部130のロッド部132は、円柱形状になっており、ベース部134及び基台110を貫通している。可動部130の当接部133は、所定のストローク範囲で、上下方向に移動することができる。
【0023】
治具3は、基台210と、ピン221,222,223,224と、可動部230と、台座240とを備えている。治具3の基台210は、金属または樹脂からなるものであり、平板形状になっている。
【0024】
可動部230は、コイルバネ231と、このコイルバネ231に挿通されるロッド部232と、このロッド部232の上端が固定される当接部233と、基台210に固定されたベース部234と、を有している。当接部233の上面は、平面になっており、ケース体40の前面に当接する。可動部230のロッド部232は、円柱形状になっており、ベース部234及び基台210を貫通している。可動部230の当接部233は、所定のストローク範囲で、上下方向に移動することができる。
【0025】
治具3の台座240は、平板形状の受け部241と、この受け部241の上面に貼着されたクッション部242と、受け部241を支持する支柱243とを有している。台座240の受け部241は、液晶表示パネル10よりも大きな矩形状になっており、基台210の上面から所定高さに配置されている。台座240のクッション部242は、シリコーンゴム等の緩衝部材からなるものである。
【0026】
次に、
図2及び
図3に基づいて、接続部材20がコネクタ部材35に挿通された回路基板30をケース体40から外す方法について説明する。
【0027】
先ず、液晶表示装置1を裏返して、治具2に液晶表示装置1をセットする(
図2参照)。このとき、治具2のピン121,122,123,124は、夫々、ケース体40の孔部43,44,45,46に挿通され、治具2のピン121,122,123,124の上面が回路基板30の前面に当接する。ピン121,124の突起121a,124aは、回路基板30の貫通孔32に挿入され、回路基板30が位置決めされる。
【0028】
次に、液晶表示装置1のケース体40を押して、下向きの力Fを加えることにより、コネクタ部材35から接続部材20が抜けて、回路基板30がケース体40から外れる(
図3参照)。
【0029】
図4は、回路基板30が外された液晶表示装置1を治具3にセットした状態を示すものである。
【0030】
回路基板30が外された液晶表示装置1を治具3にセットしたとき、治具3のピン222,223は、弾性係止部42の押圧片42bに当接する。次に、ケース体40を押して、下向きの力を加えることにより、液晶表示パネル10が、ケース体40から外れる。そして、ケース体40から外れた液晶表示パネル10は、治具3の台座240で受け止められる。
【0031】
第一実施形態は、治具2により回路基板30を外し、治具3により液晶表示パネル10を外すものであったが、治具2と治具3との作用を組み合わせた1個の治具により、回路基板30及び液晶表示パネル10を外せるように構成しても良い。
【0032】
図5乃至
図9は、第二実施形態を示すものである。液晶表示装置4は、液晶表示パネル50と、接続部材60と、回路基板70と、ケース体80と、表示板90とを備えている。
【0033】
液晶表示パネル50は、透明電極が形成された一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セルの前後両面に偏光板を貼着したものである。液晶表示パネル50は、ケース体80の前面側に保持されている。液晶表示パネル50は、回路基板70に搭載されたドライバー回路によって駆動され、車両速度を表示する。また、液晶表示パネル50は、回路基板70の前面に搭載されたLED(Light Emitting Diode)等の発光素子73によって透過照明される。
【0034】
液晶表示パネル50の対向する2辺には、複数の金属端子からなる接続部材61,62が固定されている。接続部材61,62は、液晶表示パネル50と回路基板70とを電気的に接続する。接続部材61,62は、液晶表示パネル50の横方向(X軸方向)に、所定の配列幅W2で配列されている。接続部材61,62の一端は液晶表示パネル50に電気的に接続され、接続部材61,62の他端はコネクタ部材75に挿通されている。
【0035】
回路基板70は、ガラスエポキシ樹脂からなる基材71に、銅箔からなる配線パターンを形成したものである。回路基板70は、ケース体80の後面に、弾性係止片(図示しない)で係止されている。回路基板70には、発光素子72,73,コネクタ部材75,ドライバー回路,コンデンサ等の電気部品が実装されている。
【0036】
ケース体80は不透明な樹脂からなるものであり、ケース体80の前面側に液晶表示パネル50が保持され、ケース体80の後面側に回路基板70が保持される。ケース体80は、液晶表示パネル50を支持する支持部81と、液晶表示パネル10を係止する弾性係止部82とを有しており、支持部81及び弾性係止部82により、液晶表示パネル50を保持している。
【0037】
ケース体80には、後述するピンが挿通される孔部83,84,85,86が形成されている。ケース体80の孔部83,84,85,86は、ケース体80を貫通するものである。回路基板70の前面の、孔部83,84,85,86に対応する個所には、電気部品が搭載されていない。
【0038】
ケース体80の孔部83,84は、接続部材61,62から所定間隔W3を有するように、液晶表示パネル50の右側に配置されている。ケース体80の孔部85,86は、接続部材61,62から所定間隔W4を有するように、液晶表示パネル50の左側に配置されている。孔部83,84と孔部85,86との間隔W1は、接続部材61,62の配列幅W2よりも大きくなっている。
【0039】
表示板90は、薄板形状になっており、透過表示部91及び遮光部92を有している。表示板90は、両面粘着部材にてケース体80の前面に貼着されている。表示板90の透過表示部91は、回路基板70に搭載された発光素子72によって透過照明される。表示板90には、液晶表示パネル50の表示部を視認するための矩形の窓部93が形成されている。ケース体80の孔部83,84,85,86は、表示板90の遮光部92によって隠され、液晶表示装置4の前面側からは視認されない。
【0040】
治具5は、基台310と、ピン322,323と、可動部330とを備えている。治具5の基台310は、金属または樹脂からなるものであり、平板形状になっている。ピン322,323は、金属または樹脂からなるものであり、略円柱形状になっている。ピン322,323は、基台310の上面から垂直に設けられている。
【0041】
次に、
図9に基づいて、接続部材60がコネクタ部材75に挿通された回路基板70をケース体80から外す方法について説明する。なお、この場合、表示板90はケース体80に貼着されていない。
【0042】
先ず、液晶表示装置4を裏返して、治具5に液晶表示装置4をセットする。このとき、治具5のピン322,323は、夫々、ケース体80の孔部83,84,85,86に挿通され、治具5のピン322,323の上面が回路基板70の前面に当接する。次に、液晶表示装置4のケース体80を押して、下向きの力Fを加えることにより、液晶表示パネル50と垂直な方向(Z軸方向)に、回路基板70のコネクタ部材75に挿通された接続部材61,62がコネクタ75から引き抜かれる。
【0043】
ケース体80の孔部83,84,85,86は、3個以上で、且つ、1直線上にないことが望ましく、回路基板70が液晶表示パネル50と平行な状態のままで、接続部材61,62をコネクタ75から引き抜くことができる。また、孔部83,84と孔部85,86との間隔W1は、接続部材61,62の配列幅W2よりも大きくなっているため、液晶表示パネル50に過度の応力が加わることなく、接続部材61,62をコネクタ75から引き抜くことができる。
【0044】
第一,第二実施形態によれば、液晶表示パネル10,50を損傷させることなく、コネクタ部材35,75に接続部材20,61,62が挿通された回路基板30,70をケース体40,80から外すことができる。
【0045】
なお、本発明は、第一,第二実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であり、例えば、表示パネルは、有機ELパネルであっても良い。また、
図10及び
図11に示す第三実施形態のように、ケース体80の孔部84,85,87は3個であっても良い。また、接続部材60は、液晶表示パネル50の一辺に設けても良い。
【0046】
また、第二実施形態は、ケース体80の孔部83,84,85,86が、表示板90の遮光部92によって隠されるものであるが、表示板に不透過表示部を設け、この不透過表示部によって孔部を隠しても良い。