(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
上記の保管システムにように、収納部において、物品保持体に保持された物品の保管環境を、収納部毎に調節する環境調節部を備えた保管システムの従来例が特開平11−168135号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1の保管システムは、不活性気体雰囲気下で保管されるべき半導体基板を複数枚保持する物品搬送用の容器を保管するものである。
特許文献1の保管システムは、環境調節部として、収納部に収納されている搬送容器に不活性気体を供給する不活性気体供給装置を収納部毎に有し、環境管理部(特許文献1でいう制御部20)が、供給配管におけるバルブの開閉情報、不活性気体の供給圧情報や供給流量情報、といった、半導体基板の保管環境に関する情報を収集して、収納部毎にこれら複数の不活性気体供給装置の作動を制御している。
【0003】
環境調節部を備えた保管システムの別の従来例が特開2009−48588号公報(特許文献2)及び特開2012−25557号公報(特許文献3)に記載されている。特許文献2及び3の保管システムは、二次電池セルを複数枚保持する物品搬送用のマガジンを保管するものである(特許文献2については段落〔0013〕参照。)。
特許文献2及び3のような二次電池セルのマガジンを保管する保管システムの場合、環境調節部として、収納部に収納されているマガジンに電流を供給する充電装置を収納部毎に有し、環境管理部が、充電装置の動作状態についての情報、収納部における気温、収納部における煙の有無、といった、二次電池セルの保管環境に関する情報を収集して、収納部毎にこれら複数の充電装置の作動を制御する。
【0004】
特許文献1〜3の保管システムが有する保管庫搬送装置は、保管庫における収納部から搬出入部に物品保持体を搬送する出庫用搬送作業、及び、搬出入部から収納部に物品保持体を搬送する入庫用搬送作業を行う。保管庫搬送装置の出庫用搬送作業及び入庫用搬送作業は、入出庫管理装置により制御される。特許文献1〜3には詳細は記載されていないが、入出庫管理装置は、どの収納部にどの物品保持体が保管されているかを管理するために、物品保持体が収納されている収納部の場所を当該物品保持体の識別情報と対応付けて管理する。
【0005】
入出庫管理装置は、物品保持体を保管庫から出庫するための出庫要求や、物品保持体を保管庫に入庫するための入庫要求に基づいて保管庫搬送装置の出庫用搬送作業及び入庫用搬送作業を制御する。これらの出庫要求や入庫要求は、例えば、特開2005−19911号公報(特許文献4)に記載されているように、上位の主管理装置が出力する。すなわち、主管理装置が、物品保持体のそれぞれに付された識別情報により指定した物品保持体を保管庫から出庫するための出庫要求、及び、識別情報により指定した物品保持体を保管庫に入庫するための入庫要求を入出庫管理装置に出力することで、指定した物品保持体が保管庫に入庫されたり、指定した物品保持体が保管庫から出庫されたりする。
【0006】
従来の保管システムにおいては、物品保持体に保持された物品の保管環境に、物品の品質管理上有意な変化があった場合には、入出庫管理装置が、環境管理部から取得した保管環境に関する情報に基づいて入出庫搬送装置の作動を制御する。例えば、特許文献2の保管システムでは、収納部において保管環境に異常が発生した場合、当該収納部に収納されている物品保持体を保管庫搬送装置により所定の場所に退避させる。なお、特許文献2では、入出庫管理装置が環境管理部の機能を備えている例が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の保管システムであると、物品保持体に保持された物品の保管環境に、物品の品質管理上有意な変化があった場合には、入出庫管理装置は、環境管理部から取得した保管環境に関する情報に基づいて入出庫搬送装置の作動を制御できるものの、上位の主管理装置には、収納部における物品保持体に保持された物品の保管環境の情報が伝達されない。そのため、従来の保管システムであると、保管庫における物品の保管環境に異変が発生した場合に、その事実を把握することができず、従来の保管システムは、主管理装置による物品の品質管理に有効な対応がとり難いシステムとなっていた。
【0009】
そこで、主管理装置による物品の保管環境に基づく物品保持体の管理が行いやすい保管システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る保管システムは、
物品搬送用の物品保持体を収納する収納部が複数設けられていると共に前記物品保持体の入出庫用の搬出入部が設けられた保管庫と、
前記収納部において、前記物品保持体に保持された物品の保管環境を、前記収納部毎に調節する環境調節部と、
複数の前記収納部のそれぞれにおける前記物品の保管環境に関する情報を収集して前記環境調節部の作動を制御する環境管理部と、
前記収納部から前記搬出入部に前記物品保持体を搬送する出庫用搬送作業、及び、前記搬出入部から前記収納部に前記物品保持体を搬送する入庫用搬送作業を行う保管庫搬送装置と、
前記物品保持体のそれぞれに付された識別情報により指定した前記物品保持体を前記保管庫から出庫するための出庫要求、及び、前記識別情報により指定した前記物品保持体を前記保管庫に入庫するための入庫要求を出力する主管理装置と、
前記物品保持体が収納されている前記収納部の場所を当該物品保持体の前記識別情報と対応付けて管理して、前記出庫要求又は前記入庫要求に基づいて前記保管庫搬送装置の前記出庫搬送作業又は前記入庫搬送作業を制御する入出庫管理装置と、を備えたものであって、その特徴構成は、
前記環境管理部は、前記収納部毎の前記物品の保管環境を表す環境管理情報を生成して前記入出庫管理装置に出力するように構成され、
前記入出庫管理装置は、前記環境管理部が出力した前記収納部毎の前記環境管理情報と、前記収納部のそれぞれに収納されている前記物品保持体の前記識別情報とを対応付けた上位環境管理情報を生成して前記主管理装置に出力するように構成され、
前記環境管理情報が、前記環境調節部に異常が発生したことを示す異常発生情報を含み、
前記入出庫管理装置は、前記環境管理部が出力した前記異常発生情報を受信すると、当該異常発生情報にて異常が示されている前記収納部を使用禁止の収納部に設定
し、
前記入出庫管理装置は、更に、前記入庫用搬送作業及び前記出庫用搬送作業に関する情報である搬送管理情報を生成して前記主管理装置に出力するように構成され、
前記搬送管理情報は、種別の異なる複数が存在し、
前記上位環境管理情報は、種別の異なる複数が存在し、
前記入出庫管理装置は、前記搬送管理情報の種別及び前記上位環境管理情報の種別をそれぞれ識別可能な同じ体系の情報識別子を付した状態で、前記搬送管理情報及び前記上位環境管理情報を前記主管理装置に出力する点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、入出庫管理部は、環境管理部から収納部毎の物品の保管環境を表す環境管理情報を環境管理部から取得する。入出庫管理部は、物品保持体が収納されている収納部の場所を当該物品保持体の識別情報と対応付けて管理しているので、収納部毎の物品の保管環境を表す環境管理情報から、当該収納部に収納されている物品保持体についての上位環境管理情報を、その物品保持体の識別情報と対応付けて生成することができる。そして、入出庫管理部が、上位環境管理情報を主管理装置に出力するので、主管理装置は、収納部に収納されている物品保持体についての上位環境管理情報を取得することができる。
【0012】
したがって、主管理装置は、例えば、環境調節部に異常が発生した場合に、発生した異常の影響を受ける収納部に収納されている物品保持体をできるだけ速やかに別の保管庫に移動させるために当該保管庫から物品保持体を出庫させる出庫要求を出力したり、当該環境調節部の異常が復旧するまでは、当該保管庫に対しては物品保持体を入庫させないように入庫要求の出力を制限したりする等の対応を取ることが可能になり、主管理装置にとって、物品の保管環境に基づく物品保持体の管理が行いやすい保管システムとなる。
また、この構成によれば、環境調節部に異常が発生して保管庫における物品の保管環境に問題が発生している状態になった場合に、主管理装置は、環境管理情報によりその事象を認識することができる。これにより、主管理装置は、発生した異常の影響を受ける収納部に収納されている物品保持体をできるだけ速やかに別の保管庫に移動させるために当該保管庫から物品保持体を出庫させる出庫要求を出力したり、当該環境調節部の異常が復旧するまでは、当該保管庫に対しては物品保持体を入庫させないように入庫要求の出力を制限したりすることが可能になる。
また、主管理装置は、複数の上位環境管理情報を得ることができるので、物品の保管環境に生じている現象を複数に分類して取得することができる。これにより、主管理装置は、物品の具体的な保管環境に基づいた物品保持体の管理が行い易くなる。
しかも、主管理装置は、情報識別子により搬送管理情報の種別及び上位環境管理情報の種別を識別できるので、主管理装置は、入出庫管理装置との間で通信する搬送管理情報の通信方法と同様の通信方法により上位環境管理情報を通信できる。したがって、主管理装置が入出庫管理装置から上位環境管理情報を取得することができる構成にするにしても、別途の通信方法を用いる等の煩わしさがなく、通信環境の複雑化を防止できる。
【0013】
以下、本発明の好適な態様について説明する。
【0016】
1つの態様として、前記環境管理情報は、前記物品の保管環境が予め定められた複数種類の状態のいずれになったかを示す情報であると好適である。
【0017】
この構成によれば、保管庫における物品の保管環境が予め定められた状態のいずれかになった場合に、主管理装置は、環境管理情報によりその事象を認識することができる。これにより、保管庫に保管されている物品保持体の出庫や入庫に関して発生した事象に応じた適切な対策を講じるこ
とが可能となる。
【0020】
1つの態様として、前記物品保持体は、不活性気体雰囲気下で保管されるべき物品を収容自在な気密性の容器であり、前記環境調節部は、前記収納部に収納されている前記容器に対して不活性気体を供給する不活性気体供給装置を有し、前記環境管理情報が、前記不活性気体供給装置による前記容器内への不活性気体の供給が開始されたこと又は前記容器内への不活性気体の供給が完了したことを示す情報を含むと好適である。
【0021】
この構成によれば、不活性気体雰囲気下で保管されるべき物品を収容自在な容器を収納部に収納することで、不活性気体供給装置により容器に対して不活性気体を供給することができる。そして、主管理装置は、容器内への不活性気体の供給が開始されたこと又は容器内への不活性気体の供給が完了したことを示す情報を環境管理情報として取得できるので、不活性気体の供給が開始されて未だ完了していない容器を認識することができる。そのため、そのような不活性気体の供給が完了していない容器についての出庫要求をできるだけ出力しないような運用をすることで、不活性気体の供給が十分でない容器が保管庫から出庫される事態を極力防止できる。したがって、不活性気体雰囲気下で保管されるべき物品の品質維持に有利な保管システムとなる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る保管システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、不活性気体雰囲気下で保管されるべき半導体基板を密閉状態で収容する基板搬送用の容器50を収納する収納部10Sが上下方向及び左右方向に並ぶ状態で複数設けられていると共に、容器50の入出庫用の搬出入部が設けられた保管庫10が、清浄空気のダウンフローが形成されるクリーンルームの床面上に設置されている。容器50が本発明の物品保持体を構成する。保管庫10は、壁体Kにて外周部が覆われており、入出庫コンベヤCVが、壁体Kを貫通する状態で配設され、スタッカクレーン20が設置空間内に配設されている。入出庫コンベヤCVの外部側端部が搬出入部Dに設定されている。
【0024】
搬出入部Dに載置された容器50は、入出庫コンベヤCVによって壁体Kの外部から内部に向けて搬送された後、入出庫コンベヤCVの内部側端部にてスタッカクレーン20が備える移載装置25により掬われ、スタッカクレーン20の走行作動及び昇降作動並びに移載装置25の移載作動により収納部10Sに入庫される。また、収納部10Sに保管されている容器50はスタッカクレーン20により収納部10Sから取り出され、入出庫コンベヤCVの内部側端部に卸された後、入出庫コンベヤCVによって壁体Kの内部から外部に向けて入出庫コンベヤCVの外部側端部まで搬送されて保管庫10から出庫される。つまり、本実施形態では、スタッカクレーン20及び入出庫コンベヤCVが、収納部10Sから搬出入部Dに容器50(物品保持体)を搬送する出庫用搬送作業、及び、搬出入部Dから収納部10Sに容器50(物品保持体)を搬送する入庫用搬送作業を行う保管庫搬送装置を構成している。
【0025】
なお、本実施形態では、入出庫コンベヤCVとして、入庫用と出庫用とを兼用する一本のコンベヤを設けて、搬出入部が一カ所に設定されているが、入庫用と出庫用との各別のコンベヤを設け、それぞれの外部側端部に設定される搬入部及び搬出部により搬出入部を構成してもよい。また、入出庫コンベヤCVを備えずに保管庫10の内部に荷受台を設けそれを搬出入部Dに設定してもよい。この場合、天井搬送車30はホイスト部33を水平移動させる水平移動機構を備えることになる。さらに、搬出入部Dとしては、天井搬送車30が容器50を授受するものに限られず、例えば、保管庫10の内部に作業者の背丈に応じた床面側の所定の高さに設けられる荷受台のように、作業者が容器50を授受する箇所でもよい。
【0026】
本実施形態の保管システムでは、保管庫10への容器50の搬入や、保管庫10からの容器50の搬出は、外部搬送装置としての複数の天井搬送車30により行われる。天井搬送車30は、クリーンルームの天井に取り付けられたガイドレール31に吊り下げ支持されてこのガイドレールに沿って走行自在な走行車体32と、この走行車体32の直下において昇降自在でかつ容器50のトップフランジ52を把持自在なホイスト部33とを備えている。これにより天井搬送車30は、保管庫10の搬出入部Dに対して容器50を授受自在となっている。
【0027】
なお、天井搬送車30のガイドレール31は、容器50に収容された半導体基板を加工する図外の加工装置のステーションに沿って配設されており、天井搬送車30はステーションの直上に停止した状態でホイスト部33を昇降させることで、ステーションとの間で容器50を授受する。そして、天井搬送車30は、複数の加工装置のステーション間や、ステーションと保管庫10の搬出入部Dとの間で容器50を搬送する。
【0028】
容器50は、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials Institute)規格に準拠した合成樹脂製の気密容器であり、基板としての半導体ウェハーを収納するために用いられ、FOUP(Front Opening Unified Pod)と呼称されている。そして、詳細な説明は省略するが、容器50の前面には、着脱自在な蓋体51にて開閉される基板出入用の開口が形成され、蓋体51を装着した状態において内部空間が気密状態に密閉されるように構成されている。容器50の上面には、天井搬送車30のホイスト部33により把持されるトップフランジ52が形成されている。また、図示は省略するが、容器50には互いに識別可能な識別情報が付された容器識別子としてのIDタグが設けられている。
【0029】
また、図示は省略するが、容器50の底部には、不活性気体としての窒素ガスを注入するために、給気口、及び、排気口が設けられ、これらはいずれも閉じ側に付勢された開閉弁を有している。そして、これらの弁は、容器50が収納部10Sにおける載置支持部10aの所定の位置に載置支持された状態において、載置支持部10aに備えられた吐出ノズルから窒素ガスが供給されることにより、その吐出圧力によって開き操作されるように構成されている。これにより、容器50の給気口から容器50の内部に窒素ガスが供給され容器内部の空気が排気口から排出されて、容器50内の空気が窒素ガスに置換される。
【0030】
スタッカクレーン20は、保管庫10の前面側の床部に設けられた走行レールR1に沿って走行移動自在な走行台車21と、その走行台車21に立設されたマスト22と、マスト22に案内される状態で昇降移動自在な昇降台24とを備えている。また、マスト22の上端に設けられた上部枠23が、壁体Kにて外周部が覆われた設置空間の天井側に設けた上部ガイドレール(図示省略)に係合して移動するように構成されている。
【0031】
昇降台24には、収納部10Sに対して容器50を移載する移載装置25が装備されている。移載装置25は、容器50を載置支持する板状の載置支持体26を、収納部10Sの内部に突出する突出位置と昇降台24側に引退した引退位置とに出退自在に備えて、載置支持体26の出退作動及び昇降台24の昇降作動により、載置支持体26に載置した容器50を収納部10Sに卸す卸し処理、及び、収納部10Sに収納されている容器50を取り出す掬い処理を行うように構成されている。
【0032】
移載装置25の載置支持体26の先端部には、容器50が備えるIDタグを読み取る容器識別情報読み取り部としてのIDリーダ27(
図2参照)が設けられている。同様に、入出庫コンベヤCVの外部側端部(搬出入部D)及び内部側端部にも、容器50のIDタグを読み取るIDリーダ27が設けられている(
図2参照)。
【0033】
スタッカクレーン20には、走行経路上の走行位置を検出する走行位置検出手段、及び、昇降台24の昇降位置を検出する昇降位置検出手段が装備されており、スタッカクレーン20の作動を制御するストッカコントローラH2が、走行位置検出手段及び昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、スタッカクレーン20の作動を制御するように構成されている。
【0034】
複数の収納部10Sの夫々は、容器50を載置支持する板状の載置支持部10aを備えている。載置支持部10aには、容器50が載置されていると検出作用して、容器50が収納部10Sに収納されているか否かを検出する2個の在荷センサ10zが設けられ、それらの検出情報は、プログラマブルロジックコントローラPを介してマスフローコントローラ40の作動を制御するパージコントローラH1に入力されるように構成されている(
図2参照)。
【0035】
載置支持部10aには、不活性気体としての窒素ガスを容器50の内部に供給する吐出ノズルと、容器50の内部から排出される気体を通流する排出用通気体が設けられている。
図1に示すように、各収納部10Sの棚奥側、つまり、容器50が出し入れされる開口に対向する端部側で、かつ、棚左右方向において容器50の端部近傍となる位置に、窒素ガスの供給を制御するマスフローコントローラ40が装備されている。
【0036】
マスフローコントローラ40は、収納部10Sの夫々に対応して設けられている。そして、容器50が載置支持部10aに載置支持された状態において、パージコントローラH1がマスフローコントローラ40に流量指令を指令することで、マスフローコントローラ40が吐出ノズルから大気圧よりも設定値以上高い圧力の窒素ガスを吐出させることにより、容器50の排気口より容器内の気体を外部に排出させる状態で、容器50の給気口より窒素ガスを容器50の内部に注入できるように構成されている。なお、マスフローコントローラ40の上流側には、電磁開閉式の制御弁Vが設けられ、プログラマブルロジックコントローラPを介してパージコントローラH1に電気的に接続されており、パージコントローラH1が制御弁Vの開閉を制御するようになっている。
【0037】
マスフローコントローラ40は、流入側ポートと吐出側ポートとを備えており、吐出側ポートには、上述した供給配管が接続され、流入側ポートには、窒素ガスの供給源に接続された主供給配管から分岐して窒素ガスを導く供給配管が接続されている。マスフローコントローラ40には、流入側ポートから吐出側ポートに向かう内部流路を流動する窒素ガスの流量を変更調節する流量調節弁、内部流路を流動する窒素ガスの流量を計測する流量センサ、及び、流量調節弁の作動を制御する内部制御部が装備されている。
また、マスフローコントローラ40の内部制御部は、自己が故障しているか否かを判別する自己故障診断機能を備えている。尚、窒素ガス供給源には、窒素ガスの供給圧力を大気圧よりも設定値以上高い設定圧力に調整するガバナ等が装備される。
【0038】
このように、本実施形態においては、マスフローコントローラ40を中心として、吐出ノズル、制御弁V、これらを接続する供給配管等により収納部10Sにおける不活性気体供給装置4が構成され、複数の収納部10Sのそれぞれについての不活性気体供給装置4により環境調節部Fが構成される。なお、保管棚10の一部の収納部10Sには、不活性気体供給装置4が設けられておらず、単に載置支持部10aにより容器50を保管する非パージ棚となっている。
【0039】
図2に示すように、本実施形態の保管システムには、マスフローコントローラ40に対して流量指令を出力するパージコントローラH1、スタッカクレーン20の出庫搬送作業又は入庫搬送作業を制御するストッカコントローラH2、容器50を保管庫10から出庫するための出庫要求、及び、容器50を保管庫10に入庫するための入庫要求を出力する設備管理装置H3と、を備えている。
【0040】
パージコントローラH1は、制御弁Vの開閉状態、マスフローコントローラ40の動作状態としての窒素ガスの供給圧、供給流量、供給時間等、複数の収納部10Sのそれぞれにおける半導体基板の保管環境に関する情報を収集して環境調節部Fの作動を制御する。したがって、パージコントローラH1は、本発明の環境管理部として機能する。
【0041】
ストッカコントローラH2は、容器50が収納されている収納部10Sの場所を当該容器50の識別情報と対応付けて記憶させた在庫管理データにて管理して、出庫要求又は入庫要求に基づいてスタッカクレーン20の出庫搬送作業又は入庫搬送作業を制御する。したがって、ストッカコントローラH2は、本発明の入出庫管理装置として機能する。
【0042】
設備管理装置H3は、容器50のそれぞれに付された識別情報により指定した容器50を保管庫10から出庫するための出庫要求、及び、識別情報により指定した容器50を保管庫10に入庫するための入庫要求を出力する。したがって、設備管理装置H3は、本発明の主管理装置として機能する。
【0043】
パージコントローラH1、ストッカコントローラH2、及び、設備管理装置H3は、例えば蓄積プログラム方式で情報を処理自在なコンピュータで構成され、相互にTCP/IPによるLANのネットワークC1で接続され、また、プログラマブルロジックコントローラPが、上記パージコントローラH1とRS−232C等により通信自在にネットワークC2に接続されている。プログラマブルロジックコントローラPには、制御バスC3経由で各マスフローコントローラ40、制御弁V、及び、在荷センサ10zが接続されている。
【0044】
ネットワークC1には、外部搬送コントローラH4も接続されており、設備管理装置H3は、外部搬送コントローラH4とも通信自在である。これにより、設備管理装置H3は、外部搬送コントローラH4に対して、容器50の搬送元情報及び搬送先情報を含んだ搬送要求情報を送信する。外部搬送コントローラH4は、受け取った搬送要求に基づいて天井搬送車30の作動を制御して、搬送要求に係る搬送作業の進捗情報を設備管理装置H3に送信する。
【0045】
パージコントローラH1は、プログラマブルロジックコントローラPに対して、複数の収納部10Sの夫々に対応して設置されたマスフローコントローラ40についての目標流量を指令する。プログラマブルロジックコントローラPは、パージコントローラH1から、マスフローコントローラ40の識別情報とそのマスフローコントローラ40についての目標流量の指令を受信すると、当該識別情報に対応するマスフローコントローラ40に対して目標流量の指令を出力するようになっている。
【0046】
パージコントローラH1が出力する目標流量としては、容器50が収納部10Sに収納されている状態において、容器50の内部に窒素ガスを注入すべく、マスフローコントローラ40に対して指令される保管用の目標流量、容器50が収納部10Sに収納される直前において、吐出ノズルを清浄化するために指令されるノズル浄化用の目標流量、及び、保管庫10の設置時等において、吐出ノズルや供給配管等窒素ガスの供給路を清浄化するために指令されるクリーニング用の目標流量がある。
【0047】
図4に示すように、パージコントローラH1は、目標流量と供給時間とを定めた複数のパージパターンとして、ノズルパージパターンP1、クリーニングパターンP2、及び、保管用パージパターンP3を記憶している。
そして、パージコントローラH1は、保管庫10の設置時等において、図外の操作卓にてクリーニング開始指令が指令されると、クリーニングパターンP2に応じてクリーニング用の清掃用流量としての目標流量の窒素ガスを清掃用時間だけ通流させて不活性気体供給装置4を清掃する清掃用供給形態とすべくマスフローコントローラ40の作動を制御する流量指令をプログラマブルロジックコントローラPに対して出力する。
【0048】
パージコントローラH1は、容器50が入出庫コンベヤCVに搬入されると、ノズルパージパターンP1に応じたノズル浄化用の目標流量の窒素ガスを供給すべく当該容器50は入庫される収納部10Sについてのマスフローコントローラ40に対する流量指令をプログラマブルロジックコントローラPに対して出力する。なお、本実施形態においては、パージコントローラH1は、容器50が入出庫コンベヤCVに搬入されたことを、外部搬送コントローラH4が搬送作業の進捗情報として移載完了情報を設備管理装置H3及びストッカコントローラH2に送信することで、容器50が搬出入部Dに搬入されたことを判別し、この判別結果がパージコントローラH1に送信される。
【0049】
パージコントローラH1が、2個の在荷センサ10zが容器50を検出しているときには、保管用パージパターンP3に基づいて保管用の目標流量をプログラマブルロジックコントローラPに対して出力するように構成されている。
【0050】
ノズルパージパターンP1は、容器50が入出庫コンベヤCVに設定された搬出入部Dに載置されると、当該容器50の収納先として引き当てられている収納部10Sに対して、収納前供給時間として設定された供給時間t1(例えば、5秒)の間、ノズル浄化用の目標流量として設定された目標流量L1(例えば、30リットル/分)にて窒素ガスを供給するパターンとして定められている。
【0051】
クリーニングパターンP2は、作業者が操作卓にてクリーニング開始指令を指令してから設置初期供給時間として設定された供給時間t2(例えば、1800秒)の間、クリーニング用の目標流量として設定された目標流量L2(例えば、20リットル/分)にて窒素ガスを供給するパターンとして定められている。
【0052】
保管用パージパターンP3は、保管用の目標流量として、初期目標流量値L31(例えば、50リットル/分)と、その初期目標流量よりも少ない定常目標流量値L32(例えば、5リットル/分)とが設定されている。保管用パージパターンP3は、容器50に窒素ガスを供給する際には、先ず、保管用の目標流量値を比較的大流量の初期目標流量値L31にて設定初期時間t3(例えば、5秒)の間、窒素ガスを供給し、その後、保管用の目標流量値を比較的小流量の定常目標流量値L32に変更するパターンであり、パージの初期に比較的大流量の初期目標流量値L31によるパージを行うことで、容器50が収納部10Sに収納された後できるだけ速やかに容器50内の空気を窒素ガスにより置換できるようにしている。また、定常目標流量値L32による窒素ガスの供給が設定継続時間t4(例えば、300秒)の間継続したら、再び初期目標流量値L31による窒素ガスの供給が設定初期時間t3だけ行われる。ちなみに、保管用パージパターンP3は、作業者が操作卓にて予め複数種のパージパターン(初期目標流量値L31及び定常目標流量値L32のそれぞれの値及び継続時間)を設定登録し、その中から選択されたパターンが保管用パージパターンP3として登録されている。
【0053】
パージコントローラH1は、収納部10S毎の半導体基板の保管環境を表す環境管理情報を生成してストッカコントローラH2に出力する。環境管理情報は、例えば、容器50が収納部10Sに収納された場合に開始される保管用パージパターンにおける初期目標流量値L31による窒素ガスのパージが開始されたことを示す情報や、当該保管用パージパターンP3における初期目標流量値L31による窒素ガスのパージが完了したことを示す情報や、例えば、マスフローコントローラ40の故障等の何らかの理由により不活性気体供給装置4が備えられた収納部10Sにおいて窒素ガスのパージができない収納部10Sが発生したことを示す情報や、保管用パージパターンP3による窒素ガスのパージが中断したことを示す情報などがある。
【0054】
ストッカコントローラH2は、保管庫10における容器50の入庫用搬送作業及び出庫用搬送作業における各作業の進捗情報を搬送管理情報として生成して設備管理装置H3に出力する。また、ストッカコントローラH2は、パージコントローラH1が出力した収納部10S毎の環境管理情報と、収納部10Sのそれぞれに収納されている容器50の識別情報とを対応付けた上位環境管理情報を生成して設備管理装置H3に出力する。
【0055】
本実施形態におけるストッカコントローラH2が生成して出力する搬送管理情報と上位環境管理情報との一例を
図3の表に示す。識別番号01の「スタッカクレーン始動」〜識別番号09の「容器搬出済」が、搬送管理情報であり、識別番号11の「パージ中断」〜識別番号14の「パージ状況変化」のうち、識別番号11の「パージ中断」、識別番号12の「パージ開始」、識別番号13の「パージ完了」が、不活性気体供給装置4が備えられた収納部10S(以下、「パージ棚10S」という。)の環境管理情報と当該パージ棚10Sに収納されている容器50の識別情報とを対応付けた上位環境管理情報である。識別番号14の「パージ状況変化」は、保管庫10におけるパージ棚10Sのいずれかにおいて無効となるパージ棚10Sが発生した場合に出力される環境管理情報であり、特定の容器50と対応付けて生成されるものではなく、保管棚10全体についての環境情報である。
【0056】
図3に記載されているように、搬送管理情報と上位環境管理情報とのいずれも、種別の異なる複数が存在し、これらは同じ体系の情報識別子により識別可能となっている。ストッカコントローラH2は、搬送管理情報の種別及び上位環境管理情報の種別をそれぞれ識別可能な情報識別子として
図3に示す識別番号を付した状態で、搬送管理情報及び上位環境管理情報を主管理装置に出力する。なお、ストッカコントローラH2が出力する搬送管理情報と上位環境管理情報は、識別番号とその識別番号に対応する管理情報の名称をテキストデータとして付加して出力しているが、管理情報の内容は識別番号又はテキストデータにより一義的に特定できるので、管理情報の名称を示すテキストデータか識別番号のデータの何れか一方を省略してもよい。また、ストッカコントローラH2は、上位環境管理情報を出力する場合は、上位環境管理情報に対応付けられた容器50を特定する識別情報にて構成される対応容器リスト(該当する容器50が一つの場合もある。)を当該上位環境管理情報と合わせて出力する。同様に、ストッカコントローラH2は、識別番号05〜09の搬送管理情報を出力する場合は、当該搬送管理情報に対応付けられた容器50を特定する識別情報を、当該搬送管理情報と合わせて設備管理装置H3に出力する。
【0057】
上位環境管理情報のうち、識別番号11の「パージ中断」は、例えば、パージパターンP3により容器50に窒素をパージしていた収納部10Sにおいて、マスフローコントローラ40の自己診断機能等により不活性気供給体装置4の異常がマスフローコントローラ40から通知され、パージコントローラH1が当該収納部10Sにおけるパージ状態に異常が発生したと判断した場合に出力される。つまり、環境管理情報は、環境調節部F(不活性気体供給装置4)に異常が発生したことを示す情報を含んでいる。
【0058】
識別番号14の「パージ状況変化」は、パージ棚10Sにおける不活性気体供給装置4が故障した等の原因で、パージ棚10Sのなかに窒素パージができなくなった収納部10Sが発生した場合にストッカコントローラH2から出力される。
【0059】
識別番号12の「パージ開始」は、容器50がパージ棚10Sに収納された場合に開始される保管用パージパターンP3における初期目標流量値L31による窒素ガスのパージが開始されたことを示す情報である。また、識別番号13の「パージ完了」は、容器50がパージ棚10Sに収納された場合に開始される保管用パージパターンP3における初期目標流量値L31による窒素ガスのパージが完了したことを示す情報である。つまり、本実施形態では、環境管理情報が、不活性気体供給装置Fによる容器50内への不活性気体の供給が開始されたこと又は容器50内への不活性気体の供給が完了したことを示す情報を含んでいる。
【0060】
このように、本実施形態では、環境管理情報として、識別番号11の「パージ中断」、識別番号12の「パージ開始」、識別番号13の「パージ完了」が存在し、これらは、半導体基板の保管環境が予め定められた複数種類の状態のいずれになったかを示す情報となっている。
【0061】
次に、
図5及び
図6を参照しながら、保管庫10のパージ棚10Sに容器50を入庫する場合と、パージ棚10Sに異常が発生した場合を例に、パージコントローラH1、ストッカコントローラH2、設備管理装置H3の通信動作について説明する。
【0062】
まず、
図5を参照しながら保管庫10のパージ棚10Sに容器50を入庫する場合の通信動作について説明する。天井搬送車30により搬出入部Dに容器50が載置されると、搬出入部DにおけるIDリーダ27による搬入された容器50のIDタグに保持された当該容器50の識別情報が読み取られる。ストッカコントローラH2は、識別番号05の「容器ID読込」の管理情報を、容器50の識別情報と関連付けて設備管理装置H3に送信する(#1)。ストッカコントローラH2は設備管理装置H3からの入庫要求があるまでは、入庫用搬送作業を実行せず、識別番号06の「容器待機中」の管理情報を当該容器の識別情報と関連付けて設備管理装置H3に送信する(#2)。
【0063】
設備管理装置H3から入庫要求が送信されると(#3)、ストッカコントローラH2は、入庫要求に基づいて、容器50の入庫先となる空のパージ棚10Sを選択するとともに、入出庫コンベヤCV及びスタッカクレーン20の作動を制御して入庫用搬送作業を実行させ、搬出入部Dから選択されたパージ棚10Sまで容器50を搬送する。このとき、ストッカコントローラH2は、識別番号01の「スタッカクレーン始動」、識別番号02の「スタッカクレーン作動中」、識別番号07の「容器搬送中」の搬送管理情報を順次送信する(#4〜#6)。さらに、ストッカコントローラH2は、パージコントローラH1に対して、パージ対象の容器50が入庫予定のパージ棚10Sに移動を開始した旨を送信する。これを受けてパージコントローラH1は該当するパージ棚10Sの不活性気体供給装置4の作動を制御して、ノズルパージパターンP1による窒素パージを開始する。
【0064】
パージコントローラH1は、ノズルパージパターンP1による窒素パージが完了すると、ストッカコントローラH2に対して、パージ対象の容器50の入庫許可を与える(#8)。ストッカコントローラH2は、入庫許可が出る前に該当するパージ棚10Sの前に容器50を搬送した場合は、移載装置25による卸し動作の開始は保留され、入庫許可待ちとなる。ストッカコントローラH2は、パージコントローラH1からの入庫許可に基づいて、スタッカクレーン20に移載開始を許可し、移載装置25による卸し動作を進行させる。これにより、当該容器50が入庫予定のパージ棚10Sに入庫される。容器50の移載が完了すると、ストッカコントローラH2は、識別番号03の「移載完了」、識別番号08の「容器入庫完了」、識別番号04の「スタッカクレーン待機中」の搬送管理情報を設備管理装置H3に順次送信する(#9〜#11)。さらにストッカコントローラH2は、パージコントローラH1にパージ対象の容器50の入庫が完了した旨を送信する(#12)。
【0065】
パージコントローラH1は、容器50の入庫完了情報をストッカコントローラH2から受信すると、保管用パージパターンP3の初期目標流量値L31による窒素パージ(イニシャルパージ)を開始し、その旨をストッカコントローラH2に送信する(#13)。ストッカコントローラH2は、パージコントローラH1から保管用パージパターンP3による窒素パージが開始された旨を受信すると、当該パージ棚10Sに収納されている容器50の識別情報を在庫管理データから抽出し、識別番号12の「パージ開始」の上位環境管理情報を、容器50の識別情報と関連付けて、設備管理装置H3に送信する(#14)。
【0066】
パージコントローラH1は、保管用パージパターンP3の初期目標流量値L31による窒素パージが完了すると、その旨をストッカコントローラH2に送信する(#1)。ストッカコントローラH2は、パージコントローラH1から保管用パージパターンP3の初期目標流量値L31による窒素パージが完了した旨を受信すると、当該パージ棚10Sに収納されている容器50の識別情報を在庫管理データから抽出し、識別番号13の「パージ完了」の上位環境管理情報を、容器50の識別情報と関連付けて、設備管理装置H3に送信する(#16)。設備管理装置H3は、入庫された容器50のイニシャルパージが開始されたこと及び完了したことを、ストッカコントローラH2から受信するので、容器50のイニシャルパージが行われている間は、当該パージ棚10Sに収納されている容器50が出庫されないように、出庫要求の出力を制限することができる。
【0067】
パージコントローラH1は、イニシャルパージが完了すると、保管用パージパターンP3の定常目標流量値L32による窒素パージ(メンテナンスパージ)を設定継続時間t4の間継続する。メンテナンスパージが完了すると、再び、イニシャルパージを開始する。この場合のパージコントローラH1、ストッカコントローラH2、設備管理装置H3の間の通信は、上述の最初のイニシャルパージの開始及び完了の場合と同じである。
【0068】
次に、
図6を参照しながらパージ棚10Sの不活性気体供給装置4に異常が発生した場合の通信動作について説明する。パージ棚10Sに異常が発生すると、パージコントローラH1はストッカコントローラH2に対して、異常情報(例えば、マスフローコントローラ40の自己診断機能により判別するマスフローコントローラ40の異常、在荷センサ10zの検出状態の不整合、及び、プログラマブルロジックコントローラPの異常等)と、窒素ガスの供給圧等の不活性気体供給装置4の動作情報とを含めたパージ棚状態を通知する。ストッカコントローラH2は、パージ棚状態を受信すると、パージ棚状態で異常が示されているパージ棚10Sを使用禁止の収納部10S(以下、禁止棚という)に設定し、パージコントローラH1にその旨送信する。これにより、禁止棚に設定されたパージ棚10Sは、パージコントローラH1においても、禁止棚として管理される。
【0069】
ストッカコントローラH2は、禁止棚を設定すると、識別番号14の「パージ状況変化」を設備管理装置H3に送信し(#3)、続けて、禁止棚に収納されている容器50の識別情報を在庫管理データから抽出し、識別番号11の「パージ中断」の上位環境管理情報を、容器50の識別情報と関連付けて、設備管理装置H3に送信する(#4)。設備管理装置H3は、ストッカコントローラH2からの「パージ中断」を受信すると、当該上位環境管理情報で示される容器50の識別情報に基づいて、当該識別情報にて指定される容器50を保管棚10から出庫するために、ストッカコントローラH2に出庫要求を送信する(#5)。
【0070】
ストッカコントローラH2は、出庫要求を受けると、出庫要求に係る容器50の識別情報に基づいて在庫管理データから当該出庫対象の容器50が収納されている収納部10Sを検索し、スタッカクレーン20を作動させる。この際、ストッカコントローラH2は、識別番号01の「スタッカクレーン始動」、識別番号02の「スタッカクレーン作動中」、の搬送管理情報を設備管理装置H3に順次送信する(#6及び#7)。
【0071】
ストッカコントローラH2は、スタッカクレーン20が当該パージ棚10Sにおける出庫対象の容器50を掬い取ると、識別番号07の「容器搬送中」の搬送管理情報を設備管理装置H3に送信する(#8)とともに、パージコントローラH1に対して、出庫対象の容器50がパージ棚10Sから出庫された旨を送信する。禁止棚においてマスフローコントローラ40が自己診断機能により供給停止状態になっていても、窒素パージが管理上は継続しているため、パージコントローラH1は、ストッカコントローラH2からの出庫完了報告を受けて、禁止棚での窒素パージを完了させる。
【0072】
スタッカクレーン20により容器20が搬出入部Dに移動すると、ストッカコントローラH2は、識別番号03の「移載完了」、識別番号06の「容器待機中」、識別番号04の「スタッカクレーン待機中」の搬送管理情報を設備管理装置H3に順次送信する(#10〜#12)。
【0073】
天井搬送車30により容器50が搬出入部Dから搬出されると、ストッカコントローラH2は、出庫対象の容器50が搬出された旨を設備管理装置H3に報告すべく、識別番号09の「容器搬出済み」の搬送管理情報を当該容器50の識別情報と関連付けて設備管理装置H3に送信する(#13)。
【0074】
〔別の実施形態〕
最後に、本発明に係る保管システムの、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0075】
(1)上記実施形態では、物品保持体が、不活性気体雰囲気下で保管されるべき物品を収容自在な気密性の容器であるものを例示したが、物品保持体としては、例えば、二次電池セルを複数枚保持する物品搬送用のマガジンや、適正な温度環境下で保管される食品や飲料又はそれらの原料を載置支持する物流パレットなどであってもよい。
【0076】
(2)上記実施形態では、環境調節部が、収納部のそれぞれに設けられた不活性気体供給装置であるものを例示したが、環境調節部は、複数の収納部に兼用されるものでもよい。
【0077】
(3)上記実施形態では、保管庫は、壁体にて外周部が覆われたものを例示したが、壁体を設けないものでもよい。
【0078】
(4)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。