(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態に係るクランプ30及びグロメット付ワイヤーハーネス10について説明する。
図1は、実施形態に係るグロメット付ワイヤーハーネス10を示す図である。
図2は、実施形態に係るクランプ30を示す図である。
図3は、クランプ30がグロメット本体部50に装着され、グロメット20をなす様子を説明する図である。
図4は、
図1のIV−IV線に沿って切断した断面図である。
【0017】
実施形態に係るグロメット付ワイヤーハーネス10は、クランプ30を備えるグロメット20と、グロメット20に挿通され、固定されているワイヤーハーネス16と、を備える。
【0018】
ワイヤーハーネス16は少なくとも1本の電線を含む。ここでは、ワイヤーハーネス16は、複数の電線が束ねられたものであり、車両等に配索されて各種電気部品同士を電気的に接続する配線材として用いられる。ワイヤーハーネス16には、光ファイバーケーブル等が含まれていてもよい。
図1及び
図4のワイヤーハーネス16では、複数の電線が束ねられたワイヤーハーネス16の概形が描かれている。
【0019】
グロメット20は、クランプ30を備え、さらにクランプ30を装着可能なグロメット本体部50と、グロメット本体部50とつながる管部22と、を備える。
【0020】
クランプ30は、車両のパネル12に形成された貫通孔13に挿入可能なクランプ30であって、枠体部32と、複数のロック部34と、突起部40とを備える。さらに、ここでは、クランプ30は、鍔部38を備える。クランプ30は、内部にワイヤーハーネス16を挿通しつつ、パネル12の貫通孔13に係止するための部材であり、ワイヤーハーネス16が貫通孔13の内周縁部14と接触し傷つくことを防止するための部材でもある。また、クランプ30は、ここでは、例えば、ポリプロピレン等の樹脂製で、金型により、枠体部32、ロック部34、突起部40および鍔部38が一つの部品となるように一体成型されている。
【0021】
枠体部32は、ワイヤーハーネス16を挿通可能な筒状に形成されている。具体的には、ここでは、車両のパネル12に設けられた貫通孔13の形状が楕円状であるものとするため、枠体部32は、貫通孔13の形状に合うように楕円状の円筒形に形成されている。枠体部32の径は、貫通孔13の径と同じかそれよりも小さく(ここでは若干小さく)なるように形成され、貫通孔13に挿入可能である。
【0022】
ロック部34は、枠体部32のうちの一部に、枠体部32の軸方向に沿った姿勢で枠体部32の内外方向に弾性変形可能に設けられ、その外周側の面に段差部35が設けられている。特に、ロック部34は、基端部分を中心に弾性変形可能に形成されている。さらに、ロック部34には、段差部35よりも先端側(貫通孔13へ挿入した際に、段差部35よりパネル12が位置する側)には、薄肉部36が設けられている。この段差部35と後述するグロメット本体部50のシール部56とにより、貫通孔13の内周縁部14を挟持することによって、クランプ30を備えるグロメット20が貫通孔13に固定される。
【0023】
具体的には、ここでは、ロック部34は、枠体部32の一方側端部の一部が折り返されるように形成され、枠体部32からの折り返し部分の周辺(ロック部34の基端部分)を支点として、それよりも先端側の部分を枠体部32の内外方向に変位させるように、弾性変形可能とされている。そして、ロック部34は、枠体部32とつながる基端部分から徐々に肉厚になるとともに、枠体部32から、その径方向に最も突出している最突出部37を経て、薄肉部36となっており、最突出部37と薄肉部36との間に段差部35が形成されている。ロック部34の最突出部37の外径は、パネル12の貫通孔13の径よりも大きく設定されている。また、ここでは、ロック部34は、枠体部32のうち長軸及び短軸と交わる箇所の外周側にそれぞれ設けられており、合計4つ設けられている。
【0024】
もっとも、ロック部34の厚みの大小は問わない。しかしながら、薄肉部36が形成されることによって、薄肉部36に後述する突起部40の先端部44が衝突することで、発生する嵌合音を高くすることができる。また、段差部35よりも根元側を厚肉とすることで、段差部35でより強固にパネル12を挟持することができる。
【0025】
なお、ロック部34の形状は、クランプ30が装着されたグロメット20が車両のパネル12の貫通孔13に挿入され、固定可能であれば、上記したものに限られない。例えば、ロック部は、枠体部の外周面上の一部に突起が設けられ、この突起により、段差部及び薄肉部が形成されるとともに、この突起を間に挟むように枠体部の軸方向に沿った2本のスリットが枠体部に形成される形状であってもよい。
【0026】
また、ロック部34が設けられる箇所及び個数は、クランプ30が装着されたグロメット20が車両のパネル12の貫通孔13に挿入され、固定可能であれば、上記したものに限られない。枠体部32が楕円状である場合、設けられるロック部34は、例えば、長軸と交わる箇所の2か所だけでもよい。しかしながら、枠体部32のうち長軸及び短軸と交わる箇所の外周側に、合計4つのロック部34が設けられると、貫通孔13に挿入された際に、より安定して、貫通孔13に固定可能となる。
【0027】
突起部40は、ロック部34の内周側の面から突出する基端部42と、基端部42から延びる先端部44とを含み、ロック部34と接触可能に弾性変形可能に形成されている。さらに、突起部40の先端部44は、薄肉部36の内周側に位置するように形成されている。さらに、突起部40の先端部44は、基端部42からロック部34の先端部に向けて屈曲し、延びるように形成されている。
【0028】
具体的には、突起部40は、ここでは、ロック部34のうち段差部35よりも根元側の内周面から枠体部32の中心方向に向けて基端部42が突出するとともに、先端部44が基端部42からロック部34の先端側の方に屈曲し、ロック部34に沿って、薄肉部36の内周側まで延びている。また、ここでは、突起部40は、長軸と交わる箇所に設けられている2つのロック部34にそれぞれ設けられている。
【0029】
もっとも、突起部40の先端部44が、薄肉部36の内周側に位置するように形成されることは必須ではない。しかしながら、先端部44が、薄肉部36の内周側に位置していると、先端部44とロック部34とが衝突する際に、薄肉部36と衝突するため、音が高くなり作業者が嵌合音を聞こえやすくなる。
【0030】
また、突起部40の先端部44が、基端部42からロック部34の弾性変形する箇所から離間する方向に屈曲し、延びるように形成されていることは必須ではない。しかしながら、先端部44が、基端部42から、ロック部34の弾性変形する箇所から離間する方向に屈曲し、延びるように形成されていると、ロック部34と衝突する際の先端部44の速さが大きくなり、衝突により発生する嵌合音が大きくなる。
【0031】
なお、突起部40の形状は、上記したものに限られない。例えば、基端部42が段差部35よりも先端側の内周面から突出してもよい。
【0032】
また、突起部40は、少なくとも1つのロック部34に設けられていればよいが、数が多くなればその分発生する嵌合音が大きくなり、作業者が聞こえやすくなる。そのため、突起部40が、すべてのロック部34に設けられている場合、より作業者が聞こえやすい嵌合音を発生させることができる。
【0033】
鍔部38は、枠体部32のうち、グロメット本体部50に挿入される側の端部の外周部から径方向に突出するように形成されている。鍔部38は、後述するグロメット本体部50に設けられた溝部54に嵌るように形成されている。
【0034】
また、ここでは、枠体部32のうち、ロック部34のある部分には、鍔部38が設けられておらず、ロック部34のある部分の外周部は、内側に凹むように凹部39が形成されている。凹部39は、後述するグロメット本体部50の凸部55が嵌るように形成されている。
【0035】
管部22は、筒状(ここでは円筒状)の部材で、ワイヤーハーネス16を内部に挿通して、ワイヤーハーネス16の保護及び経路規制を行うための部材である。
【0036】
グロメット本体部50は、管部22の少なくとも一方側端部に形成されている。グロメット本体部50は、クランプ30が挿入され、装着可能なように形成され、パネル12の貫通孔13に挿入されたクランプ30を支持するとともに、パネル12をクランプ30との間に挟持し、パネル12を境界として一方側から他方側へ、貫通孔13を通して水等が浸入することを防止するシールの枠割を果たす部材である。
【0037】
ここでは、管部22及びグロメット本体部50は、ゴム等のエラストマーにより一つの部材になるように金型で一体成型されている。
【0038】
具体的には、グロメット本体部50は、筒部52と、シール部56と、溝部54と、凸部55とを備える。
【0039】
筒部52は、管部22の一方側端部と連結され、内部にワイヤーハーネス16を挿通可能なように筒状に形成されている部分である。以後、筒部52の軸方向において、管部と連結している側の端部を固定端、管部と連結している側とは反対側の端部を自由端と呼ぶ。筒部52の内周側はクランプ30を装着可能なようにクランプ30の外形に合わせて形成されている。ここでは、クランプ30が楕円形の筒状に形成されているため、筒部52も楕円形に形成されている。また、筒部52はクランプ30が装着された状態で、クランプ30のロック部34が露出し、パネル12の貫通孔13の内周縁部14に接触可能となるように形成されている。
【0040】
また、筒部52の軸方向において、中間位置から自由端にかけての内周側が、クランプ30の肉厚分程度、径が大きくなっていることにより、内周面にクランプ30を支持可能な段部が形成されている。
【0041】
シール部56は、筒部52のうち自由端側に形成され、グロメット20が貫通孔13に挿入された状態で、防水、防塵等の効果を果たすように、貫通孔13の内周縁部14の一方側の面に密着可能に、また、隙間のないように筒部52の開口に沿って環状に形成されている。ここでは、シール部56は、内側シール部57と外側シール部58とを備える。
【0042】
内側シール部57は、筒部52のうち自由端側に、筒部52の開口に沿って環状に、筒部52から突出するように形成されている。内側シール部57は、グロメット20が貫通孔13に挿入され、静止した状態で、貫通孔13の内周縁部14が押し当てられることにより、弾性変形し、貫通孔13の内周縁部14の一方側の面に密着する。
【0043】
外側シール部58は、自由端側において、内側シール部57よりも外周側に、内側シール部57に沿って環状に形成されている。また、外側シール部58は、筒部52から内側シール部57よりも大きく突出するように形成されるとともに、外周側に拡がるように形成されている。これにより、外側シール部58は、内側シール部57よりも弾性変形しやすくなっている。外側シール部58は、グロメット20が貫通孔13に挿入され、静止した状態で、貫通孔13の内周縁部14が押し当てられることにより、弾性変形し、貫通孔13の内周縁部14の一方側の面に密着する。
【0044】
この際に、外側シール部58が貫通孔13の内周縁部14と密着する面積は、内側シール部57の面積よりも大きくなるように形成されている。
【0045】
このように、シール部56は、内側シール部57と外側シール部58とを備えるため、2重に防水、防塵等の効果を発揮することができる。さらに、外側シール部58が、内側シール部57よりも弾性変形しやすく、また、貫通孔13の内周縁部14との密着面積が大きいため、パネル12に起伏等があり平面でない場合でも、より確実に密着することができる。また、内側シール部57が、外側シール部58よりも弾性変形しにくいため、車両の振動等による、パネル12とグロメット20とのがたつきを抑えることができる。
【0046】
溝部54は、筒部52のうち段部よりも自由端側の内周部において、周方向にわたって、内周側に向けて開口するように形成されている。この溝部54には、クランプ30の鍔部38を収容可能に形成されている。具体的には、溝部54の深さの寸法は、鍔部38の突出寸法と同じ程度に(ここでは僅かに大きく)設定されているとともに、幅の寸法は、鍔部38の厚さ寸法と同じ程度に(ここでは僅かに小さく)設定されている。ここで、溝部54の深さ方向は、筒部52の径方向と一致し、溝部54の幅方向は、筒部52の軸方向と一致する。
【0047】
凸部55は、溝部54の周方向の一部をふさぐように形成され、クランプ30の周方向におけるロック部34の部分に設けられた凹部39のうち、少なくとも対向する一対の凹部39に嵌るように形成されている。具体的には、ここでは、凸部55は、楕円状の溝部54の長軸方向および短軸方向と交わる位置をふさぐように矩形状に4つ形成されている。
【0048】
クランプ30の鍔部38と凹部39、及び、グロメット本体部50の溝部54と凸部55とにより、クランプ30がグロメット本体部50に装着可能となる。具体的には、グロメット本体部50が拡径するように弾性変形され、鍔部38が溝部54に嵌り、凸部55が凹部39に嵌るようにグロメット本体部50にクランプ30を挿入することにより、グロメット本体部50にクランプ30を装着可能となる。
【0049】
この際に、鍔部38が溝部54に嵌っていることにより、クランプ30の装着後にグロメット本体部50からクランプ30が抜けづらくなる。また、凸部55が凹部39に嵌っていることにより、周方向において、グロメット本体部50とクランプ30との位置ずれを抑えることができる。
【0050】
また、ここでは、図示は省略するが、グロメット本体部50には、ワイヤーハーネス16を固定するための固定片等の部材が設けられているとよい。固定片として、例えば、筒部52の固定端側の内周縁部の一部から自由端側に向かって、筒部52の軸方向に沿って板状に延びるように形成された部材を設けることができる。固定片が設けられていると、ワイヤーハーネス16がテープ等により固定片に固定されることで、ワイヤーハーネス16の移動またはがたつきを抑制することができる。
【0051】
もっとも、グロメット本体部50及び管部22の形状は、上記したものに限られない。グロメット本体部50及び管部22は、内部にワイヤーハーネスを収容可能で、クランプ30を装着可能で、かつ、クランプ30のロック部34との間でパネル12を挟持可能なものであればよい。
【0052】
<動作>
次に、本実施形態に係るグロメット付ワイヤーハーネス10を車両のパネル12の貫通孔13に挿入する際に嵌合音が発生する様子について説明する。
図5〜
図10は、グロメット付ワイヤーハーネス10を車両のパネル12の貫通孔13に挿入する際に嵌合音が発生する一連の流れの様子の一部についてそれぞれ説明する図である。
【0053】
まずは、車両のパネル12の貫通孔13にグロメット20のクランプ30の部分を先端から挿入していく。すると、
図5のように、段差部35よりも根元側の位置でクランプ30のロック部34とパネル12の貫通孔13の内周縁部14とが接触する。
【0054】
そこから、グロメット20をさらに挿入させるように力を加えていくと、
図6のように、ロック部34が縮径するように弾性変形しつつ、グロメット20が貫通孔13を進んでいく。
【0055】
そして、ロック部34の最突出部37の外径が、貫通孔13の径と同じかそれよりも小さくなると、
図7のように、ロック部34の最突出部37が貫通孔13を通過するとともに、貫通孔13の内周縁部14とグロメット20のシール部56とが接触し、シール部56が弾性変形するまで、グロメット20が貫通孔13に挿入される。
【0056】
この段階で作業者が力を解放すれば、
図10のように、グロメット20の貫通孔13への挿入が完了し、グロメット20が静止した状態となる。
【0057】
しかしながら、作業者の立場では、この時、ロック部34の最突出部37が貫通孔13を通過し、貫通孔13の内周縁部14とグロメット20のシール部56とが接触している状態まで、グロメット20を挿入できているかを目視又は手での触感により確認することは難しい。つまり、挿入完了を知らせる何らかの手段が発生しない場合には、作業者は、グロメット20がこれ以上挿入できないようになるまで力を加え続け、グロメット20がこれ以上挿入できないことを以て挿入を終了することになる。
【0058】
このため、挿入完了を知らせる何らかの手段が発生しない場合には、作業者は、挿入が完了していることに気づかずに余計な力を加えてしまう可能性があり、作業者の負担となるとともに、グロメット20が破損する恐れにもつながっていた。また、作業者が、挿入が完了したと思い、挿入作業を終了したとしても、実際には挿入が足りていない可能性もあり、車両を使用中に貫通孔13からグロメット20が外れてしまう恐れ等につながっていた。
【0059】
これに対し、本実施形態に係るクランプ30では、以下のようにして、挿入完了を知らせる手段としての嵌合音が発生する。
【0060】
即ち、
図7のように、ロック部34の最突出部37が貫通孔13を通過すると、ロック部34にかかっていた力が小さくなるため、縮径するように弾性変形していたロック部34が元に戻るために拡径し始める。この際に、ロック部34と連結されている突起部40は、ロック部34に追随するように動く。
【0061】
そして、
図8のように、弾性変形から元に戻るための勢いのついたロック部34が、パネル12の貫通孔13の内周縁部14と衝突する。
【0062】
この衝突により、ロック部34が急に静止する。そこへ、
図9のように、ロック部34に追随するように動いていた突起部40が、その勢いにより弾性変形し、先端部44がロック部34の薄肉部36と衝突する。
【0063】
この衝突により、作業者に聞こえる嵌合音が発生する。この嵌合音を聞いた段階で、作業者がグロメット20にかけていた力を解放することで、
図10のように、グロメット20が貫通孔13に嵌った状態で静止する。
【0064】
このように、嵌合音を聞いた段階で挿入完了を確認できることによって、挿入完了後に余計な力を加える必要がないため、作業者の負担が減るとともに、グロメット20が破損する恐れを低減することができる。また、嵌合音によりグロメット20の挿入完了を確認できるため、グロメット20の挿入不足の可能性を抑えることができる。
【0065】
この嵌合音発生の際に、突起部40の先端部44がロック部34と衝突する箇所が、ロック部34のうち肉厚が薄い薄肉部36であるため、肉厚が厚い部分と衝突する場合に比べて、発生する嵌合音の周波数が大きくなり、音が高くなる。これにより、作業者が嵌合音をより聞こえやすくなる。
【0066】
また、ロック部34と衝突する突起部40の先端部44が、ロック部34の弾性変形する箇所から離間する方向に屈曲し、延びるように形成されているため、先端部44がロック部34の弾性変形する箇所から遠くなることによって、衝突時の先端部44の速さが大きくなり、衝突により発生する嵌合音が大きくなる。これにより、作業者が嵌合音をより聞こえやすくなる。
【0067】
なお、ロック部34が貫通孔13の内周縁部14と衝突した際に、ロック部34が静止せずに跳ね返ることもありうる。その場合には、ロック部34と突起部40との相対速度が大きくなるため、衝突により発生する嵌合音の大きさが大きくなることが期待できる。
【0068】
<効果>
本実施形態に係るクランプ30及びグロメット付ワイヤーハーネス10によると、ロック部34と接触可能に弾性変形可能な突起部40を備えるため、クランプ30を車両のパネル12の貫通孔13に挿入した際に、挿入完了時に突起部40とロック部34とが衝突することによって、作業者が聞こえやすい嵌合音が発生する。
【0069】
また、突起部40の先端部44がロック部34の薄肉部36の内周側に位置するように設けられているため、先端部44と薄肉部36とが衝突することにより、突起部40とロック部34との衝突時に発生する音が高くなることによって、作業者が嵌合音をより聞こえやすくなる。
【0070】
また、突起部40の先端部44は、基端部42からロック部34の先端部分に向けて屈曲し、延びるように形成されているため、ロック部34が弾性変形していたものが元に戻る際に、ロック部34に追随する突起部40のうち、先端部44の速さが速くなり、衝突により発生する音が大きくなることによって、作業者が嵌合音をより聞こえやすくなる。
【0071】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。